JP3431496B2 - 複合磁性材料を用いたコモンモードフィルタ - Google Patents

複合磁性材料を用いたコモンモードフィルタ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラインにおける電
磁妨害雑音(ノイズ)を抑制するフィルタに係わり、特
に、ディジタル機器を始めとした電子機器のプリント基
板内で発生し、電源系、信号系、コントロール系等のラ
イン上を伝導するMHz帯からGHz帯に及ぶ不要電磁
妨害雑音を抑制可能であるとともに、上記各ラインを通
して外部からのMHz帯からGHz帯に及ぶ電磁妨害雑
音がプリント基板内の回路に侵入するのを防止すること
が可能な複合磁性材料を用いたコモンモードフィルタに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子機器のプリント基板内で発生
し、電源系、信号系、コントロール系等のライン上を伝
導する不要電磁妨害雑音を抑制したり、上記の各ライン
を通して外部からプリント基板内の回路に侵入するのを
防止するために、閉磁路状フェライトコアの磁路上に複
数本の絶縁被覆銅線を巻回したリード端子付コモンモー
ドフィルタや、フェライト塗料と導電塗料を多層印刷
し、複数本の印刷コイルを形成させた面実装タイプのコ
モンモードフィルタが使われている。
【0003】前記リード端子付コモンモードフィルタ及
び面実装タイプのコモンモードフィルタの事例は本出願
人の製品カタログに掲載されている。
【0004】図25乃至図27はそのような従来のコモ
ンモードフィルタの1例であり、図25の閉磁路状フェ
ライトコア1の磁路上に複数本の絶縁被覆銅線2を巻回
した内部素子を図26の樹脂モールド等の外装ケース3
内に収納し、複数本の絶縁被覆銅線2の巻線端末を外部
端子4に接続して図27の回路を構成したものである。
【0005】図28は従来のコモンモードフィルタの他
の例であり、フェライト塗料と導電塗料を多層印刷後に
焼結して、フェライト5内に複数本の内部導体6を形成
し、かつ内部導体端部を外部端子7に接続した面実装タ
イプのコモンモードフィルタを構成している。なお、図
28中、一方の内部導体6しか図示されないが、対にな
る他方の内部導体が対称的に配置されている。
【0006】図29はこの種のコモンモードフィルタの
使用回路例(トランスミッタとレシーバをインタフェー
ス・ツイストペアケーブルで接続した場合の輻射ノイズ
防止回路例)であり、LAN回線あるいはシリアルパス
等のようなツイストペアケーブルの送端及び受端にコモ
ンモードフィルタをそれぞれ挿入した例である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、電子機器のプリ
ント基板内の回路の動作が高周波化するのに伴い、派生
する電磁妨害雑音の周波数成分はGHz帯にまで及ぶよ
うになってきている。従来のフェライトを使用したコモ
ンモードフィルタの場合、図30の試料A,B,Cで示
すフェライトの複素比透磁率(μr′−jμr″)の周波
数特性例からわかるようにMHz帯において透磁率の周
波成分散が生じ、GHz帯に至るとフェライトの複素比
透磁率の実数部(μr′)及び虚数部(μr″)が消失
し、図31に示したようにμr′の低下に伴いコモンモ
ードフィルタに必要とされるコモンモードのインピーダ
ンスが低下し、GHz帯での電磁妨害雑音に対する抑圧
機能が劣化するという問題があった。
【0008】本発明は、上記に鑑み、鱗片形状のSi−
Fe系金属磁性体粉末を主成分とする複合磁性材料を用
いることでインピーダンスの周波数特性を向上させて、
ライン上を伝導するMHz帯からGHz帯に及ぶコモン
モードの電磁妨害雑音の抑圧を可能とした複合磁性材料
を用いたコモンモードフィルタの提供を目的とするもの
である。
【0009】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の実施の形態において明らかにする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の複合磁性材料を用いたコモンモードフィル
タは、長さが40〜50μmの鱗片形状のSi−Fe系
金属磁性体粉末を主成分として50重量%以上含み、1
GHzでの複素比透磁率(μr′−jμr″)の実数部μ
r′が3以上、虚数部μr″が2以上である複合磁性材料
で少なくとも一部が構成された磁性体に、少なくとも1
つの貫通穴部を設け、かつ該貫通穴部の少なくとも一部
が前記複合磁性材料からなる部分で筒状に囲まれるよう
にし、各貫通穴部に複数本の導体を貫通させて設けた構
成としている。
【0011】前記磁性体の一部が前記複数本の導体の周
囲を筒状に囲むフェライトで構成されていてもよい。
【0012】前記フェライトの少なくとも一部を筒状に
覆うように前記複合磁性材料の成型体を設けてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る複合磁性材料
を用いたコモンモードフィルタの実施の形態を図面に従
って説明する。
【0014】図1乃至図5で本発明の第1の実施の形態
を説明する。この第1の実施の形態は、鱗片形状のSi
−Fe系金属磁性体粉末を主成分とする複合磁性材料の
成型体に2本の導体を貫通・装着させたコモンモードフ
ィルタである。これらの図において、10は複合磁性体
で、1個の貫通穴部11を有する如く複合磁性材料を形
成した成型体であり、1対の貫通導体12が貫通穴部1
1を貫通するように複合磁性体10に固着されている。
貫通導体12は例えば図4に示した1対の貫通導体12
を平行に整列配置したリードフレーム18を加工するこ
とで複合磁性体10の両側に延びた部分を外部端子13
としている。この場合、外部端子13は面装着端子とな
っている。
【0015】主素子となる複合磁性体10は、Si−F
e系鱗片形状(幅10μm、長さ40〜50μm、厚さ
10μm程度)の金属磁性体粉末と結合材として熱可塑
性樹脂(例えばポリエステル系樹脂)粉末とを配合・混
練し、矩形筒状(角筒状)に加熱・成型した複合磁性材
料の成型体である。
【0016】ここで、前記複合磁性体10として、プラ
スチック成型工法により、例えば図4のリードフレーム
18を用い、その互いに絶縁・配置してなる2本の貫通
導体12の外周に直接前記複合磁性材料の成型体を図4
仮想線の如く同時成型して、2本の貫通導体12の外周
に一体的に固着する構成でもよいし、予め導体挿通用の
貫通穴部11を有するように前記複合磁性材料の成型体
を作成後、貫通導体12をその成型体の貫通穴部11に
挿通するようにしてもよい。但し、2本の貫通導体12
に対して複合磁性体10を同時成型する場合、2本の貫
通導体12間に複合磁性材料が入り込まないようにし
て、2本の貫通導体12に対して共通の1個の貫通穴部
11が形成されるようにする。また、複合磁性材料を予
め成型体とした複合磁性体10を用い、後からその貫通
穴部11に2本の貫通導体12を挿入する場合には、図
2のように非磁性接着剤等の固着材15を貫通穴部11
内に充填する。なお、同時成型する場合、2本の貫通導
体12間に複合磁性材料が入り込まないように2本の貫
通導体12の上下両面にわたり絶縁粘着テープを設けた
り、2本の貫通導体12間に樹脂等の絶縁体を介するよ
うにして複合磁性材料の成型体を作製してもよい。勿
論、成型金型により2本の貫通導体12間に空洞を形成
して複合磁性材料の成型体を得ることもできる。
【0017】なお、複合磁性体10と貫通導体12との
固着のために、図3の仮想線に示すように、接着剤16
を複合磁性体10の両端面に設けてもよい。
【0018】図5は第1の実施の形態のコモンモードフ
ィルタの等価回路図であり、相互に誘導結合した1対の
インダクタ(−間、及び−間)が等価的に得ら
れる。
【0019】前記複合磁性体10におけるSi−Fe系
の鱗片形状の金属磁性体粉末の重量比率の上限はプラス
チック成型工法の成型面からの制約から、磁性体粉末8
0%に対し結合材粉末20%が目処とされている。また
磁性体粉末の重量比率の下限は複合磁性体の磁気特性
(具体的には複素比透磁率の値)の関係から磁性体粉末
50%に対し、結合材粉末50%が目処とされる。磁性
体粉末の配合比率が50重量%未満では複合磁性体とし
ての特性が大きく低下する。
【0020】図6は前記Si−Fe系の鱗片形状の金属
磁性体粉末80%、結合材粉末20%としてプラスチッ
ク成型工法により加熱・成型して得られた複合磁性体の
複素比透磁率(μr′−jμr″)の周波数特性である。
図30のフェライトの複素比透磁率に較べ、透磁率の周
波数分散を高い周波数側へ移行させることができると同
時に、Si−Fe系鱗片形状の金属磁性体粉末を用いる
ことで、μr′,μr″の値を大きくさせることができ、
GHz帯での用途に適するものになっている。図6に示
す複素比透磁率(μr′−jμr″)は、GHz帯での減
衰量の点からすると、高い周波数領域までなるべく大き
な値を示すことが要求され、1GHzで複素比透磁率の
実数部μr′が3以上、虚数部μr″が2以上であること
が好ましい。
【0021】図7は外側寸法2.8mm×2.0mm、内側寸
法1.5mm×0.7mm、長さ4.2mmの矩形筒状の複合磁
性体を前記Si−Fe系の鱗片形状金属磁性体粉末80
%、結合材20%の重量配合比で加熱・成型し、その貫
通穴部に幅0.4mm、厚さ0.15mmの2本の平角導体を
相互に0.6mmの間隙を設けて貫通させた場合の各端子
毎、(図5の場合、−間及び−間)のインピー
ダンスの周波数特性である。図中、Rは純抵抗成分、X
はリアクタンス成分、Zはインピーダンス成分を示す。
この図7からGHz帯でのコモンモードの電磁妨害雑音
を抑圧するコモンモードフィルタを実現させ得ることが
判る。
【0022】図8は差動信号伝送回路に本実施の形態で
示した複合磁性材料を用いたコモンモードフィルタを実
装した例である。図9のように差動信号が回路の諸条件
により、非対称となるが、この場合、信号に高周波の電
圧・電流変化をもたらし、コモンモードの電磁妨害雑音
が発生する。図8に示したようにコモンモードフィルタ
を実装することによりこの種の電磁妨害雑音を抑圧させ
ることができる。
【0023】この第1の実施の形態によれば、次の通り
の効果を得ることができる。
【0024】(1) GHz帯でインピーダンスの高いコ
モンモードフィルタを構成できる。つまり、GHz帯
で、電磁妨害雑音の抑圧と係わりを持つ複素比透磁率の
実数部(μr′)及び虚数部(μr″)共に大きな鱗片形
状のSi−Fe系金属磁性体粉末を主成分とする複合磁
性材料の成型体により、インピーダンスの絶対値[{(μ
r′)2+(μr″)2}1/2に比例する]の大きなコモンモー
ドフィルタを構成できる。
【0025】(2) 複合磁性体10を複合磁性材料の成
型体で構成でき、プラスチック成型工法によりリードフ
レームと同時成型することで、生産性良く製造可能であ
る。
【0026】図10乃至図12は本発明の第2の実施の
形態であり、リードフレーム等を用いた貫通導体及び外
部端子構造の代わりに、メッキ工法又は導体ペースト塗
布焼き付け工法で導体及び外部端子を作製する構造を例
示している。これらの図において、複合磁性体20の貫
通穴部21に無電解メッキ又は導体ペーストの塗布・焼
き付けによる1対の貫通導体膜22が形成されるととも
に、複合磁性体20の両端面に貫通導体膜22と接続し
た外部端子膜23が無電解メッキ又は導体ペーストの塗
布・焼き付けにより形成されている。前記外部端子膜2
3は複合磁性体20の底面にも部分的に延長しているこ
とが好ましい。
【0027】この第2の実施の形態のコモンモードフィ
ルタは、小型のチップ部品化に対応するのが容易であ
る。その他の構成、主な作用効果は前述した第1の実施
の形態と同様である。
【0028】図13乃至図15は本発明の第3の実施の
形態であって、前記複合磁性材料の成型体に2個の貫通
穴部を設け、それぞれに、2本の導体を貫通・装着させ
たコモンモードフィルタの構成を示し、図16はその等
価回路図を示す。これらの図において、30は複合磁性
体で、2個の平行な貫通穴部31を有する如く前記複合
磁性材料を矩形筒状に形成した成型体であり、1対の貫
通導体32が各貫通穴部31をそれぞれ貫通するように
複合磁性体30に固着されている。そして、貫通導体3
2の複合磁性体30の両側に延びた部分を外部端子33
としている。この場合、外部端子33は面装着端子とな
っている。なお、第1の実施の形態で述べたように、2
対の貫通導体32に対して複合磁性体30を同時成型す
る場合、同一貫通穴部に配置すべき対をなした貫通導体
32間に複合磁性材料が入り込まないようにして、対を
なす貫通導体32に共通の貫通穴部31が形成されるよ
うにする。また、複合磁性材料を予め成型体とした複合
磁性体30を用い、後から各貫通穴部31に2本の貫通
導体32を挿入する場合には、非磁性接着剤等の固着材
35を貫通穴部31内にそれぞれ充填する。その他の構
成、主な作用効果は前述した第1の実施の形態と同様で
ある。
【0029】図17は本発明の第3の実施の形態のコモ
ンモードフィルタを適用した実用回路例であり、2回路
の信号ラインにコモンモードフイルタを挿入している。
【0030】この第3の実施の形態のコモンモードフィ
ルタは、図16の等価回路図から明らかなように、1対
の貫通導体を有する基本的なコモンモードフィルタを2
組備えるものと同等になり、独立したコモンモードフィ
ルタを2個用いる場合よりも複合磁性体30を部分的に
共用することで小型になる。
【0031】図18乃至図20は本発明の第4の実施の
形態であって、前記複合磁性材料の成型体に1個の幅広
貫通穴部を設け、4本の導体を貫通・装着させたコモン
モードフィルタの構成を示し、図21はその等価回路図
を示す。これらの図において、40は複合磁性体で、1
個の幅広な貫通穴部41を有する如く前記複合磁性材料
を矩形筒状に形成した成型体であり、4本の貫通導体4
2が貫通穴部41を貫通するように複合磁性体40に固
着されている。そして、貫通導体42の複合磁性体40
の両側に延びた部分を外部端子43としている。この場
合、外部端子43は面装着端子となっている。なお、第
1の実施の形態で述べたように、貫通導体42に対して
複合磁性体40を同時成型する場合、貫通穴部41に配
置すべき4本の貫通導体42間に複合磁性材料が入り込
まないようにして、4本の貫通導体42に共通の1個の
貫通穴部41が形成されるようにする。なお、貫通導体
42の固定を確実にするために非磁性接着剤等の固着材
45を貫通穴部41内に充填する。その他の構成、主な
作用効果は前述した第1の実施の形態と同様である。
【0032】この第4の実施の形態では図21に示すよ
うに、4個のインダクタが相互に誘導結合した等価回路
となる。
【0033】図22は本発明の第5の実施の形態であ
り、フェライトを付加して複数本の貫通導体が貫通する
矩形筒状磁性体を前記複合磁性体とフェライトとの組み
合わせ構造体としたコモンモードフィルタを示すもので
ある。この図において、貫通穴部を有する磁性体50は
矩形筒状の複合磁性体50Aと、同様形状のフェライト
50Bとを貫通穴部51が連通するように連結一体化し
たものであり、複数本の貫通導体52が貫通穴部51を
貫通している。そして、貫通導体52の磁性体50の両
側に延びた部分を外部端子53としている。また、貫通
導体52の固定を確実にするために非磁性接着剤等の固
着材55を貫通穴部51内に充填する。
【0034】なお、前記複合磁性体の材質、貫通穴部の
個数及び貫通導体の本数等は、前述した第1、第3又は
第4の実施の形態と同様とすることが可能である。
【0035】この第5の実施の形態では、複合磁性体5
0Aの複素比透磁率で得られるインピーダンスとフェラ
イト50Bの複素比透磁率で得られるインピーダンスと
が加算され、MHz帯からGHz帯にわたる広い周波数
範囲で、インピーダンスを高めることができ、MHz帯
からGHz帯にわたる広い周波数範囲で電磁妨害雑音抑
圧効果を発揮できる。図23は複合磁性体50Aとフェ
ライト50Bとの組み合わせ構造体による効果を説明し
たもので、外側寸法2.8mm×2.0mm、内側寸法1.5m
m×0.7mm、長さ各2.1mmの場合に各貫通導体の純抵
抗成分R、リアクタンス成分X、インピーダンス成分Z
の周波数特性を示している。全体を複合磁性材料とした
図7の試料に比較して、複合磁性材料とフェライトの半
々の組み合わせ構造体の方がMHz帯〜約2GHzに至
るまで高いインピーダンスを呈していることが判る。
【0036】図24は本発明の第6の実施の形態であ
り、フェライトを付加して複数本の貫通導体が貫通する
矩形筒状磁性体を前記複合磁性体とフェライトとの組み
合わせ構造体としたコモンモードフィルタを示すもので
ある。この図において、貫通穴部を有する磁性体60は
外形が矩形筒状の複合磁性体60Aと、この複合磁性体
60Aで全体的に(又は部分的に)覆われたフェライト
60Bとを貫通穴部61が連通するように成型一体化し
たものであり、複数本の貫通導体62が貫通穴部61を
貫通している。そして、貫通導体62の磁性体60の両
側に延びた部分を外部端子63としている。また、貫通
導体62の固定を確実にするために非磁性接着剤等の固
着材65を貫通穴部61内に充填する。
【0037】なお、前記複合磁性体の材質、貫通穴部の
個数及び貫通導体の本数等は、前述した第1、第3又は
第4の実施の形態と同様とすることが可能である。
【0038】この第6の実施の形態においても、MHz
帯からGHz帯にわたる広い周波数範囲で電磁妨害雑音
抑圧効果を発揮できる。
【0039】なお、第3乃至第6の実施の形態において
も、第2の実施の形態で示したように貫通導体及び外部
端子をメッキ工法又は導体ペースト塗布焼き付け工法で
作製してもよい。
【0040】また、磁性体は矩形筒状であるように各実
施の形態では説明したが、これはプリント基板上に表面
実装する場合を想定したためであり、原理上は円筒形
状、楕円筒形状でもよい。また、平角導体に限らず、一
般的な断面円形の導線を使用することも可能であり、外
部端子も表面実装用に限らず、ストレート型又はプリン
ト基板に差し込み使用するようなラジアル型形状として
もよい。
【0041】さらに、本発明で使用するフェライトコア
は高周波帯用として適するNi−Zn系等が好ましい。
【0042】以上本発明の実施の形態について説明して
きたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記
載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当
業者には自明であろう。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る複合
磁性材料を用いたコモンモードフィルタによれば、次の
効果を奏することができる。
【0044】(1) GHz帯でインピーダンスの高い
コモンモードフィルタを構成できる。つまり、GHz帯
で、電磁妨害雑音の抑圧と係わりを持つ複素比透磁率の
実数部(μr′)及び虚数部(μr″)共に大きな鱗片形
状のSi−Fe系金属磁性体粉末を主成分として50重
量%以上含む複合磁性材料の成型体を用いることによっ
て、インピーダンスの絶対値[{(μr′)+(μr″)}
1/2に比例する]の大きなコモンモードフィルタを構
成できる。
【0045】(2) さらにMHz帯でインピーダンス
値の高いフェライトコアと組み合わせる構成とすれば、
MHz帯からGHz帯をカバーするような、広い周波数
帯でインピーダンス値の高いコモンモードフィルタを実
現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合磁性材料を用いたコモンモー
ドフィルタの第1の実施の形態を示す平面図である。
【図2】同正面図である。
【図3】同側面図である。
【図4】第1の実施の形態においてコモンモードフィル
タの製造過程で用いるリードフレームの1例を示す平面
図である。
【図5】第1の実施の形態のコモンモードフィルタの等
価回路図である。
【図6】第1の実施の形態で用いる複合磁性体の複素比
透磁率の周波数特性を示すグラフである。
【図7】第1の実施の形態のコモンモードフィルタのイ
ンピーダンスの周波数特性を示すグラフである。
【図8】第1の実施の形態のコモンモードフィルタを実
装した回路例を示す回路図である。
【図9】図8の回路においてコモンモードの電磁妨害雑
音が発生する状況を説明する波形図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態を示す平面図であ
る。
【図11】同正面図である。
【図12】同側面図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態を示す平面図であ
る。
【図14】同正面図である。
【図15】同側面図である。
【図16】第3の実施の形態のコモンモードフィルタの
等価回路図である。
【図17】第3の実施の形態のコモンモードフィルタを
実装した回路例を示す回路図である。
【図18】本発明の第4の実施の形態を示す平面図であ
る。
【図19】同正面図である。
【図20】同側面図である。
【図21】第4の実施の形態のコモンモードフィルタの
等価回路図である。
【図22】本発明の第5の実施の形態を示す側断面図で
ある。
【図23】第5の実施の形態のように複合磁性体とフェ
ライトとを組み合わせたコモンモードフィルタのインピ
ーダンスの周波数特性を示すグラフである。
【図24】本発明の第6の実施の形態を示す側断面図で
ある。
【図25】従来例のコモンモードフィルタの内部素子を
示す斜視図である。
【図26】前記内部素子を収納した外装ケースの外観を
示す平面図である。
【図27】従来例の等価回路図である。
【図28】他の従来例の斜視図である。
【図29】従来例のコモンモードフィルタの使用例を示
す回路図である。
【図30】フェライトの複素比透磁率の周波数特性を示
すグラフである。
【図31】従来例のコモンモードフィルタのコモンモー
ドインピーダンスの周波数特性を示すグラフである。
【符号の説明】
4,7,13,33,43,53,63 外部端子 10,20,30,40,50A,60A 複合磁性体 11,21,31,41,51,61 貫通穴部 12,32,42,52,62 貫通導体 15,35,45,55,65 固着材 16 接着剤 22 貫通導体膜 23 外部端子膜 50,60 磁性体 50B,60B フェライト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤地 義昭 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティ ーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−295862(JP,A) 特開 平7−66041(JP,A) 特開 平5−121244(JP,A) 特開 平11−273924(JP,A) 特開 平11−273925(JP,A) 実開 平2−122410(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 17/06 H01F 37/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長さが40〜50μmの鱗片形状のSi
    −Fe系金属磁性体粉末を主成分として50重量%以上
    み、1GHzでの複素比透磁率(μr′−jμr″)の
    実数部μr′が3以上、虚数部μr″が2以上である複合
    磁性材料で少なくとも一部が構成された磁性体に、少な
    くとも1つの貫通穴部を設け、かつ該貫通穴部の少なく
    とも一部が前記複合磁性材料からなる部分で筒状に囲ま
    れるようにし、各貫通穴部に複数本の導体を貫通させて
    設けたことを特徴とする複合磁性材料を用いたコモンモ
    ードフィルタ。
  2. 【請求項2】 前記磁性体の一部が前記複数本の導体の
    周囲を筒状に囲むフェライトで構成されている請求項1
    記載の複合磁性材料を用いたコモンモードフィルタ。
  3. 【請求項3】 前記フェライトの少なくとも一部を筒状
    覆うように前記複合磁性材料の成型体を設けた請求項
    2記載の複合磁性材料を用いたコモンモードフィルタ。
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