JP3429940B2 - ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料及びそれを用いた超硬調ネガ画像形成方法に関するも
のであり、特に写真製版工程に用いられるハロゲン化銀
写真感光材料に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、印刷写真製版分野において印刷物
のカラー化や複雑化が急速に進みつつある。そのため印
刷の中間媒体である印刷用ハロゲン化銀感光材料(以下
印刷感材という)への品質の向上と品質の安定に対する
要求も年々増加している。従来から一般的な印刷感材は
高品質を達成するためにいわゆるリス現像処理適性が付
与されている。しかし、リス現像においては、その現像
処理液中に保恒剤である亜硫酸イオンを高濃度に含有す
ることが機構的に無理であり、そのため現像液の安定性
が非常に悪いことは当業者間では良く知られた事実であ
る。リス現像の不安定さを解消し、かつリス現像処理並
の硬調な画像を得るための技術としては、幾つか、その
試みについて特許文献の開示を見ることができる。例え
ば、ヒドラジン化合物を使用し、硬調化画像を得る技術
が特開昭53-16623号、同53-20921号、同53-20922号、同
53-49429号、同53-66732号、同55-90940号、同56-67843
号、同57-99635号、同62-73256号、同62-275247号、同6
2-178246号、同62-180361号、同63-121838号、同63-223
744号、同63-234244号、同63-253357号、同64-90439
号、特開平1-105943号、同2-25843号、同2-120736号、
同2-37号、同2-8834号、同3-125134号、同3-184039号、
同4-51143号等に開示されている。これらのヒドラジン
化合物を含有している現像液のPHが比較的高いレベル
にあることが硬調な画像を得るために必要であって、こ
の高いPHを有する現像液は空気中の二酸化炭素を吸収
してPHが低下しやすいとか、空気酸化に対する安定性
も必ずしも充分とはいえず現像液の有効寿命が短いとい
う欠点があった。 【0003】これらの欠点を解決するためにより低いP
Hで硬調化するように、例えば、特開昭60-179734号、
同62-948号、米国特許第4,385,108号、同4,269,929号、
同4,988,604号、同4,994,365号、同5,104,769号等に開
示されているようにヒドラジン誘導体をより活性にする
試みが行われてきたが、ヒドラジン誘導体のみの改良で
は低いPHで硬調化させるには限界があった。そのた
め、従来より硬調化促進剤の開発が進められてきた。特
開昭56-106244号、同60-218642号、同61-267759号等に
記載されているように、現像液に二級或いは三級アミノ
化合物を添加する方法、特開昭60-140340号、同62-2222
41号、同63-124045号、米国特許第4,975,354号に開示さ
れているようなアミノ化合物を感光材料中に添加する方
法が知られている。この様なアミン類を現像液に添加し
た場合臭気や廃液の問題が有り、また感光材料中に添加
した場合には、充分な硬調化が得られない。また特開昭
61-167939号、特開平6-313937号等に記載されているよ
うに、現像液又は感光材料中に4級ホスホニウム塩化合
物を添加する方法が開示されているが、環境汚染の問題
が有り、感光材料中に添加した場合にもまだ満足しうる
硬調性や写真性能を示すには至っていない。また、ヒド
ラジンを用いた硬調化システムは、その伝染現像機構か
ら誘起する未露光部に生じる黒ポツと呼ばれる斑点状の
カブリの発生が問題であり、この様な黒ポツの発生が少
なく、製版感材として現像液がランニングや空気酸化等
により組成やPHが変化した場合にも優れた網点再現性
等の写真性能を保持したより有効な硬調促進剤の開発が
望まれていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、第一
に低いPHで安定な現像液を用いて硬調で画像濃度の高
い感光材料を提供すること、第二にヒドラジン現像の際
に生じる黒ポツの発生を抑えた感光材料を提供するこ
と、第三に現像液組成の変化による写真性能の変化が少
ない写真感光材料を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記一般式(1)で表される構造部を有するポリマー化合
物を含有するハロゲン化銀写真感光材料を露光後、現像
処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の
処理方法により達成された。 【0006】 【化2】 式中、R1 、R2 、R3 は置換基を有していてもよいア
ルキル基、アルケニル基、アリール基、複素環基を表
し、Xは陰イオンを表す。Lは連結基を表し、nは0又
は1を表す。 【0007】本発明に用いられる一般式(1)の構造部
を有するポリマーを具体的に説明する。R1 、R2 、R
3 は同じであっても異なっていてもよく、アルキル基と
してはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、ベン
ジル基、フェネチル基などの直鎖又は分枝状のもの、シ
クロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基
などの環状アルキル基が挙げられる。アルケニル基とし
てはアリル基、メタリル基、シンナミル基などが挙げら
れる。アリール基としてはフェニル基、ナフチル基など
の他、アルキル置換フェニル基(例えばメチルフェニル
基、エチルフェニル基、キシリル基など)、ハロゲン置
換フェニル基(例えばフルオロフェニル基、クロロフェ
ニル基、ブロモフェニル基など)、アルコキシ置換フェ
ニル基(例えばメトキシフェニル基、エトキシフェニル
基など)、アシル置換フェニル基(アセトフェニル基、
プロピオフェニル基など)、アミノ置換フェニル基(ア
ミノフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルア
ミノフェニル基など)、ヒドロキシフェニル基、ニトロ
フェニル基、メチルキノリル基、メトキシキノリル基な
どの置換アリール基が挙げられる。複素環基としては例
えば酸素、窒素、硫黄原子を含む5員若しくは6員の単
環又は縮合環であり、フラン環、チオフェン環、ピリジ
ン環、ピロリン環、キノリン環、オキサゾール環、チア
ゾール環、イミダゾール環、ベンゾチアゾール環などが
挙げられる。Lは二価の連結基であり、例えば直鎖又は
分枝あるいは環状のアルキレン基、エチレンオキシ基、
プロピレンオキシ基などのオキシアルキレン基、フェニ
レン基、ナフチレン基などのアリーレン基、カルボニル
基、スルホニル基、オキシカルボニル基、スルホニルオ
キシ基、カルボキサミド基、スルホンアミド基など、あ
るいはこれらが互いに結合してできた有機残基を挙げる
ことができ、好ましくはオキシカルボニル基、カルボキ
サミド基、スルホンアミド基、フェニレン基などを含む
二価の残基である。 【0008】次に本発明の一般式(1)で表される構造
部の具体例を示すが本発明はこれに限定されるものでは
ない。 【0009】 【化3】 【0010】 【化4】 【0011】 【化5】 【0012】 【化6】 【0013】 【化7】 【0014】次に本発明に使用する一般式(1)を有す
るポリマーは、重合性不飽和基を有する単量体のホモポ
リマー又はコポリマーであるが、種々の(メタ)アクリ
ル酸系のモノマー単位から構成されるものが好ましい。
又、一般式(1)を構造式中に含む重合性不飽和単量体
は(メタ)アクリル酸エステル誘導体、(メタ)アクリ
ルアミド誘導体、スチレン誘導体、アルケン誘導体など
として供給することが出来る。これら単量体と共重合可
能なモノマーとしては例えば疎水性のものには(メタ)
アクリル酸アルキルエステル(C1 〜C20)、(メタ)
アクリル酸ベンジル、アクリロニトリル、N−イソプロ
ピルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、
N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、酢酸ビニ
ル、スチレン、クロロメチル化スチレンなど、親水性の
ものにはアクリルアミド、メタクリルアミド、N、N−
ジメチルアクリルアミド、N、N−ジエチルアクリルア
ミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ジメチルアミノ
エチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレー
ト、N−アクロイルモルホリン、クロトン酸、イタコン
酸、(メタ)アクリル酸、スチレンスルホン酸ソーダ、
ビニルイミダゾール、無水マレイン酸、N−ビニルピロ
リドンなどの一般的に使用される単量体およびその誘導
体などが挙げられる。 【0015】本発明のポリマーの製造はビニル重合の常
法に従って行うことができる。即ち一般式(1)を有す
る単量体或いはこの単量体と共重合し得る単量体との混
合物の溶液に窒素雰囲気下、重合開始剤を加えて加熱す
るか、或いは重合開始剤を含む液を高温に保ち、その中
へ単量体混合物を滴下することにより得ることができ
る。重合に使用される溶媒は水、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノールなどのアルコール類、ジオキサ
ン、THF、DMF、DMSOなどが用いられ、好まし
くは水、エタノールなどである。これらの溶媒の混合系
でも使用される。重合開始剤には、一般的に知られてい
る過硫酸カリ、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロ
ニトリル、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)二塩酸塩、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチル
バレロニトリル)、クメンハイドロパーオキサイドなど
を使用することができる。また別の方法として前もって
反応性基を有するポリマーを合成しておき、それに一般
式(1)を構造式中に含む反応性基を有する化合物を反
応させて目的のポリマーを得ることも出来る。本発明の
ポリマーの平均分子量は約500〜300000の間で
好ましくは約1000〜200000である。分子量は
高くなり過ぎると溶解性の低下や増粘を生じ、使用量の
制約を受けたり、感光材料表面への浸透が遅くなり充分
な効果が得られにくくなる。 【0016】本発明の一般式(1)を含むポリマーはそ
の低分子化合物との対比に於いて、ポリマー化すること
により感光材料中での拡散が抑制されるためか、現像時
での画線の太り、網点のつぶれ等を防止する傾向がみと
められ、特に現像時PHが高くなり過ぎた場合でも画質
の劣化が少ないという特徴がある。さらにPHが低くな
り過ぎた場合では局所的な濃度が高いためか硬調化が失
われるPHが対応する低分子化合物より低いという利点
が有る。 【0017】本発明のポリマーは使用上一般的に親水性
であることが望ましく、従ってコポリマーにおける他の
単量体も親水性であることがより望ましい。コポリマー
における一般式(1)を含む単量体の成分比は5〜10
0重量%であり好ましくは10〜100重量%である。
単量体の成分比は高ければ該ポリマーの添加量が少なく
てよいが、他の単量体との共重合のし易さやポリマーの
溶解性との絡みで適切な範囲で用いられる。 【0018】次に本発明の代表的なポリマーを例示する
がこれに限定されない。各モノマー単位の数値は重量%
を表す。 【0019】 【化8】 【0020】 【化9】【0021】 【化10】 【0022】 【化11】 【0023】 【化12】【0024】次に本発明のポリマーの合成例を示す。 合成例(例示ポリマーP−7) ジメチルアクリルアミド6gと5−メタクリロイルオキ
シペンチルートリフェニルホスホニウム−p−トルエン
スルホネート4gとを純水30mlおよびエタノール4
0mlに溶解し、窒素ガス気流下に内温65℃にて撹拌
加熱する。その中へ開始剤2,2´−アゾビス(2−ア
ミジノプロパン)二塩酸塩45mgを添加し4時間反応
すると、粘稠なポリマー溶液が得られた。この溶液の平
均分子量は約3、5万であった。他のポリマーも同様に
合成することが出来る。 【0025】本発明の一般式(1)を含むポリマー化合
物は、いわゆる硬調な銀画像を得るための硬調化を促進
する効果を有していて、造核剤としてヒドラジン誘導体
を用いるシステムにおいて最もその効果を発揮する。該
ポリマー化合物は現像液中に添加しておき、その液中で
ヒドラジンを含む感光材料を処理する方法と、感光材料
中に添加しておく方法がある。現像液中に添加する場
合、一般的な製版用現像液が用いられ、使用量は現像液
1l当たり1〜100gであり、好ましくは5〜50g
である。1g以下では写真性能に対して効果が弱く、多
すぎると現像液の粘度が上昇し、感光材料への付着が多
く処理機器を汚したりして好ましくない。該ポリマーの
より好ましい使用方法は写真感光材料中に添加する方法
である。その場合ハロゲン化銀乳剤層中に添加すること
が好ましいが、それ以外の非感光性の親水性コロイド層
(例えば保護層、中間層、フィルター層、ハレーション
防止層など)に含有させてもよい。ハロゲン化銀乳剤層
に添加する場合は、乳剤調製の任意の時期に行えるが、
化学熟成終了後から塗布前の間に添加するのが好まし
い。特に好ましくは塗布のために用意された塗布液中に
添加するのがよい。その添加量は10-2〜2g/m2
好ましい。 【0026】本発明に用いられるヒドラジン誘導体とし
ては下記一般式(2)で表される化合物を挙げることが
できる。 【0027】 【化13】 一般式(2)中、A1 、A2 はともに水素原子又は一方
が水素原子で他方はスルホニル基、又はアシル基を表
し、R1 は脂肪族基、芳香族基、又は複素環基を表し、
1 はカルボニル基、スルホニル基、スルホキシ基、ホ
スホリル基、オキサリル基又はイミノメチレン基を表
し、R2 は水素原子、脂肪族基、芳香族基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アミノ基又は、一般式(3)を
表す。 【0028】 【化14】 一般式(3)中、Q+ はカチオン性の基を含む基を表
し、A- はアニオンを表すが、Q+ がスルホ基を含む時
は不要である。 【0029】次に一般式(2)及び(3)について詳し
く説明する。一般式(2)に於て、A1 、A2 は水素原
子、炭素数20以下のアルキルスルホニル基及びアリー
ルスルホニル基(好ましくはフェニルスルホニル基、又
はハメットのσp の和が−0.5以上となるように置換
されたフェニルスルホニル基)、炭素数20以下のアシ
ル基(好ましくはベンゾイル基、又はハメットのσp
和が−0.5以上となるように置換されたベンゾイル
基)、あるいは直鎖、分岐状又は環状の無置換及び置換
脂肪族アシル基(置換基としては例えば、ハロゲン原
子、エーテル基、スルホンアミド基、アミド基、ヒドロ
キシ基、カルボキシ基、スルホ基が挙げられる。)であ
り、A1 、A2 としては水素原子である場合が最も好ま
しい。R1 で表される脂肪族基は直鎖、分岐又は環状の
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基である。R1
で表される芳香族基としては単環又は2環のアリール基
であり、例えば、フェニル基、ナフチル基が挙げられ
る。R1 の複素環基としては、N、O、S原子のうち少
なくとも一つを含む3〜10員の飽和もしくは不飽和の
複素環であり、これらは単環であってもよいし、更に他
の芳香環もしくは複素環と縮合環を形成してもよい。複
素環として好ましくは、5ないし6員の芳香族複素環基
であり、例えば、ピリジル基、イミダゾリル基、キノリ
ニル基、ベンズイミダゾリル基、ピリミジル基、ピラゾ
リル基、イソキノリニル基、チアゾリル基、ベンズチア
ゾリル基を含むものが好ましい。 【0030】R1 は置換基で置換されていてもよい。置
換基としては例えば以下のものが挙げられる。これらの
基は更に置換されていてもよい。例えば、アルキル基、
アラルキル基、アルコキシ基、アリール基、置換アミノ
基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ウレイド
基、ウレタン基、アリールオキシ基、スルファモイル
基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、スルホニル基、スルフィニル基、ヒドロキシ基、ハ
ロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、アン
モニウム基、ピリジニウム基、チウロニウム基、イソチ
オウレイド基などである。これらの基は可能な時は互い
に連結して環を形成してもよい。R1 として好ましいの
は、芳香族基、更に好ましくはアリール基である。又、
1 はその中にカプラー等の不動性写真用添加剤におい
て常用されているバラスト基が組み込まれているもので
も良い。バラスト基は8以上の炭素数を有する写真性に
対して比較的不活性な基であり、例えば、アルキル基、
アルコキシ基、フェニル基、アルキルフェニル基、フェ
ノキシ基、アルキルフェノキシ基等の中から選ぶことが
できる。一般式(3)におけるQ+ は、少なくとも1つ
の四級窒素原子を有するカチオン性の基を含む基であ
り、炭素数1〜4個の炭素原子を持つ直鎖または分岐炭
化水素鎖を通じてG1 に結合し、この鎖の一部又は全部
は四級窒素原子を持つ複素環の一部を構成していてもよ
い。Q+ の好ましい例としては、トリアルキルアンモニ
ウムアルキル基、ピリジニウム−1−イルアルキル基、
1−アルキルピリジニウム−2−イル基、1−アルキル
ピリジニウム−3−イル基、1−アルキルピリジニウム
−4−イル基、チアゾリニウム−3−イルアルキル基、
オキサゾリニウム−3−イルアルキル基、1−アルキル
イミダゾリウム−3−イルアルキル基などが挙げられ
る。これらの基は置換されていてもよく、置換基として
はR1 の置換基として挙げられたものが好ましい。更に
これらの基が環構造を形成する場合、他の環と縮環して
いてもよい。A- はQ+ の対アニオンであり、好ましい
例としてはCl- 、Br- 、p−トルエンスルホナー
ト、メチルスルホナートなどが挙げられるが、Q+ の置
換基としてスルホ基を持ち、分子内塩を形成する場合は
存在しない。 【0031】G1 はカルボニル基、スルホニル基、スル
ホキシ基、ホスホリル基、オキサリル基又はイミノメチ
レン基を表し、G1 としてはカルボニル基、オキサリル
基が好ましい。R2 で表される脂肪族基としては、好ま
しくは炭素数1〜5のアルキル基であり、芳香族基とし
ては単環又は2環のアリール基が好ましい(例えば、ベ
ンゼン環を含むもの)。G1 がカルボニル基の場合、R
2 で表される基のうち好ましいものは、水素原子、アル
キル基(例えば、メチル基、トリフルオロメチル基、3
−ヒドロキシプロピル基、3−メタンスルホンアミドプ
ロピル基、フェニルスルホニルメチル基など)、アラル
キル基(例えば、2−ヒドロキシベンジル基など)、ア
リール基(例えば、フェニル基、3,5−ジクロロフェ
ニル基、2−メタンスルホンアミドフェニル基、4−メ
タンスルホンアミドフェニル基、2−ヒドロキシメチル
フェニル基など)、一般式(3)などであり、特に水素
原子、一般式(3)が好ましい。R2 は置換されていて
もよく、置換基としては、R1 に関して列挙した置換基
が適用できる。G1 がオキサリル基の場合、R2 として
好ましいものは、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、
エトキシ基、イソプロポキシ基、メトキシエトキシ基な
ど)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、2−
ヒドロキシメチルフェノキシ基、4−クロロフェノキシ
基)、アミノ基(例えば、3−ヒドロキシプロピルアミ
ノ基、2,3−ジヒドロキシプロピルアミノ基、2−ジ
メチルアミノエチルアミノ基、3−ジエチルアミノプロ
ピルアミノ基など)、一般式(3)などであり、特にア
ミノ基が好ましい。R1 、R2はその中にハロゲン化銀
粒子表面に対して吸着を強める基が組み込まれているも
のでも良い。かかる吸着基としては、チオ尿素基、複素
環チオアミド基、メルカプト複素環基、トリアゾール基
等の米国特許第4,355,105号に記載された基が挙げられ
る。又、R2 はG1 −R2 の部分を残余分子から分裂さ
せ、−G1 −R2部分の原子を含む環式構造を生成させ
る環化反応を生起するようなものであってもよく、その
例としては例えば、特開昭63-29751号などに記載のもの
が挙げられる。一般式(2)で示される化合物の具体例
を以下に示すが、本発明は以下の化合物に限定されるも
のではない。 【0032】 【化15】【0033】 【化16】【0034】 【化17】【0035】 【化18】 【0036】 【化19】 【0037】本発明のヒドラジン化合物は例えば、特開
昭61-213847号、同62-178246号、同62-180361号、同62-
260153号、同63-253357号、米国特許第4,684,604号、同
第3,379,529号、同第4,377,634号、同第4,332,878号、
同第4,937,160号、特願昭63-98803号等に記載されてい
る方法を利用することにより合成できる。 【0038】本発明のヒドラジン化合物は適当な水混和
性有機溶媒、例えば、アルコール類(メタノール、エタ
ノール、プロパノール、弗素化アルコール)、ケトン類
(アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、
メチルセルソルブ等に溶解して用いることができる。
又、既によく知られている乳化分散法によって、ジメチ
ルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリ
ルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオ
イル、酢酸エチルやシクロヘキサノン等の補助溶媒を用
いて溶解し、機械的に乳化分散物を作成して用いること
ができる。あるいは固体分散法として知られている方法
によって、ヒドラジン化合物の粉末を水の中にボールミ
ル、コロイドミル、あるいは超音波によって分散して用
いることもできる。 【0039】本発明の感光材料の感光性ハロゲン化銀乳
剤に用いられるハロゲン化銀には特に限定はないが表面
潜像型ハロゲン化銀乳剤がよく、ハロゲン化銀の種類と
しては塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、沃臭化銀、臭化
銀などを用いることができるが、塩沃臭化銀、沃臭化銀
を用いる場合には、沃化銀の含有量は5モル%以下の範
囲であることが好ましい。ハロゲン化銀粒子の形態、晶
癖、サイズ分布等には特に限定はないが、粒子径0.7
μm以下のものが好ましい。ハロゲン化銀乳剤は、塩化
金酸塩、三塩化金などの様な金化合物やロジウム、イリ
ジウムの如き貴金属の塩や銀塩と反応して硫化銀を形成
するイオウ化合物や、第1スズ塩、アミン類の如き還元
性物質で粒子を粗大化しないで感度を上昇させることが
できる。又、ロジウム、イリジウムの如き貴金属の塩、
赤血塩などの鉄化合物をハロゲン化銀粒子の物理熟成時
又は核生成時に存在せしめることもできる。特に、ロジ
ウム塩又はその錯塩の添加は、短い現像時間で超硬調の
写真特性を達成するという本発明の効果を一層助長する
ので好ましい。 【0040】本発明に於て、表面潜像型ハロゲン化銀乳
剤とは、内部感度より表面感度の高いハロゲン化銀粒子
から成る乳剤をさし、この乳剤は好ましくは米国特許第
4,224,401号明細書にて規定された表面感度と
内部感度の差を持つものである。ハロゲン化銀乳剤は単
分散であることが望ましく、特に上記の米国特許第4,
224,401号にて規定された単分散性を持つ乳剤が
好ましい。本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤には水
溶性ロジウム塩(例えば、二塩化ロジウム、三塩化ロジ
ウム、六塩化ロジウム(III)酸カリウム、六塩化ロジウ
ム(III)酸アンモニウムなど)を含んだほうが好まし
く、添加時期として、これらロジウム塩は、乳剤製造時
の第一熟成終了前に添加するほうが好ましい。ロジウム
塩の添加量はハロゲン化銀1モル当たり1×10-7モル
〜1×10-4モルが好ましい。本発明で用いられるハロ
ゲン化銀の、平均粒子サイズは好ましくは0.7μm以
下特に好ましくは0.1〜0.4μmの範囲である。ハ
ロゲン化銀粒子の形は立方体、八面体のような規則的な
ものでもよく、混合晶形のようなものでもよいが、比較
的粒子サイズ分布の狭いいわゆる単分散乳剤であること
が好ましい。ここでいう単分散乳剤とは、平均粒子サイ
ズの±40%の粒子サイズ域に全粒子数の90%、より
好ましくは95%が入るような乳剤のことを言う。本発
明におけるハロゲン化銀乳剤の調製のため可溶性銀塩と
可溶性ハロゲン塩を反応させる形式としてはシングルジ
ェット法、ダブルジェット法、銀イオン過剰下で形成さ
せる逆混合法等のいずれの手段を用いてもよいが本発明
の目的のためには、酸性溶液下で可溶性銀塩と可溶性ハ
ロゲン塩を同時に添加して粒子形成させるダブルジェッ
ト法が特に好ましい。この様にして調製されたハロゲン
化銀乳剤は化学増感されていてもされていなくてもよ
い。実質的に明室と呼び得るセーフライト環境下で取扱
ういわゆる明室感材には、取扱い性を良化する観点から
は化学増感していないほうがむしろ好ましい。化学増感
する場合は通常のイオウ増感、セレン増感、テルル増
感、還元増感等が用いられる。 【0041】本発明の感光材料に於いてヒドラジン化合
物はハロゲン化銀乳剤層に含有させるのが好ましいが、
表面潜像型ハロゲン化銀乳剤層に隣接する親水性コロイ
ド層に含有させてもよい。その様な層は下塗層、中間
層、フィルター層、保護層、アンチハレーション層な
ど、ヒドラジン化合物が、ハロゲン化銀粒子へ拡散して
いくのを妨げない限り、どんな機能をもつ層であっても
よい。層中でのヒドラジン化合物の含有量は、用いられ
るハロゲン化銀乳剤の特性、化合物の化学構造及び現像
条件によって異なるので、適当な含有量は、広い範囲に
わたって変化しうるが、ヒドラジン化合物については表
面潜像型ハロゲン化銀乳剤中の銀1モル当り約1×10
-6〜1×10-2モルの範囲が実際上有用である。 【0042】本発明に用いられる写真乳剤は、メチン色
素類、その他によって分光増感されてもよい。用いられ
る色素には、シアニン色素、メロシアニン色素、複合シ
アニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシア
ニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素、およびヘ
ミオキソノール色素が包含される。特に有用な色素は、
シアニン色素、メロシアニン色素、および複合メロシア
ニン色素に属する色素である。これらの増感色素は、単
独に用いてもよいが、それらの組合せを用いてもよい。
増感色素の組合せは、特に強色増感の目的でしばしば用
いられる。増感色素とともに、それ自身分光増感作用を
もたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質
であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよ
い。 【0043】本発明の感光材料の乳剤層や中間層に用い
ることのできる結合剤又は保護コロイドとしては、ゼラ
チンを用いるのが有利であるが、それ以外の親水性コロ
イドも用いる事ができる。例えば、ゼラチン誘導体、ゼ
ラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミ
ン、カゼイン等の蛋白質、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エス
テル類の如きセルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、澱
粉誘導体などの糖誘導体、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルアルコールの部分アセタール、ポリ−N−ビニル
ピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ
アクリルアミド、ポリビニルイミダゾール等の単一ある
いは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を用い
ることができる。ゼラチンとしては、石灰処理ゼラチン
の他、酸処理ゼラチンやBull.Soc.Sci.Phot.Japan,No.
16、P30(1966)に記載された様な酵素処理ゼ
ラチンを用いてもよく、又、ゼラチンの加水分解物や酵
素分解物も用いることができる。 【0044】ヒドラジン化合物を用いた超硬調画像を得
る方法に於いて明室下での取扱いを可能にするために従
来のセーフライト染料を乳剤層中あるいは他の親水性コ
ロイド層中に添加しても良い。本発明に用いられる写真
乳剤には、感光材料の製造工程、保存中あるいは写真処
理中のカブリを防止し、あるいは写真性能を安定化させ
る目的で、種々の化合物を含有させることができる。即
ち、アゾール類、例えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロ
イミダゾール類、ニトロベンズイミダゾール類、クロロ
ベンズイミダゾール類、メルカプトチアゾール類、メル
カプトベンゾチアゾール類、メルカプトチアジアゾール
類、アミノトリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、メ
ルカプトテトラゾール類;メルカプトピリミジン類、メ
ルカプトトリアジン類、チオケト化合物、アザインデン
類等従来よりカブリ防止剤又は安定剤として知られた、
多くの化合物を加えることができる。これらの中で、特
に好ましいのは、ベンゾトリアゾール類(例えば5−メ
チルベンゾトリアゾール類)及びニトロインダゾール類
(例えば5−ニトロインダゾール)である。これらの化
合物は、処理液に含有させても良い。 【0045】本発明の写真感光材料には、写真乳剤層そ
の他の親水性コロイド層に無機又は有機の硬膜剤を含有
してもよい。例えばクロム塩(クロムミョウバンな
ど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グリオキサー
ルなど)、N−メチロール化合物、ジオキサン誘導体
(2,3−ジヒドロキシジオキサンなど)、活性ビニル
化合物、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロル−6−
ヒドロキシ−S−トリアジンなど)などを単独又は組み
合せて用いることができる。感光性ハロゲン化銀乳剤層
又はその隣接層には、感度上昇、コントラスト上昇又
は、現像促進の目的でリサーチ・ディスクロージャー(R
esearch Disclosure)17465号XXI項B〜D項に記載さ
れている化合物を添加することができ、特にポリエチレ
ングリコールあるいはその誘導体を添加することが好ま
しい。本発明を用いて作られる感光材料の写真乳剤層又
は他の親水性コロイド層には、塗布助剤、帯電防止、ス
ベリ性改良、乳化分散、接着防止及び写真特性改良(例
えば、現像促進、硬調化、増感)など種々の目的で界面
活性剤を含んでもよい。例えばサポニン(ステロイド
系)、アルキレンオキサイド誘導体(ポリエチレングリ
コール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル類な
ど)、グリシドール誘導体(アルケニルコハク酸ポリグ
リセリドなど)、多価アルコールの脂肪酸エステル類、
糖のアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤、
アルキルカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル類、アル
キルリン酸エステル類などの様な、カルボキシ基、スル
ホ基、ホスホ基、硫酸エステル基、リン酸エステル基等
の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミ
ノアルキルスルホン酸類、アミノアルキル硫酸又はリン
酸エステル類などの両性界面活性剤、脂肪族あるいは芳
香族第4級アンモニウム塩類、ピリジニウム、イミダゾ
リウムなどの複素環第4級アンモニウム塩類などのカチ
オン界面活性剤を用いることができる。 【0046】本発明に用いる写真感光材料には、写真乳
剤層その他の親水性コロイド層に、寸度安定性の改良な
どの目的で、水不溶又は難溶性合成ポリマーを含むこと
ができる。例えば、アルキル(メタ)アクリレート、ア
ルコキシアルキル(メタ)アクリレート、グリシジル
(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、酢酸
ビニル、アクリロニトリル、オレフィン、スチレンなど
の単独もしくは組合わせ、又はこれらとアクリル酸、メ
タクリル酸、α,β−不飽和ジカルボン酸、ヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレート、スチレンスルホン酸等
の組合わせを単量体成分とするポリマーを用いることが
できる。 【0047】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を用い
て超硬調の写真特性を得るには、従来のリス現像液や米
国特許第2,419,975号に記載されたPH13に近い高ア
ルカリ現像液を用いる必要は無く、安定な現像液を用い
ることができる。即ち、本発明のハロゲン化銀写真感光
材料は、保恒剤としての亜硫酸イオンを充分に(特に
0.15モル/l以上)含んだ現像液を用いることがで
き、またPH9.5以上特に10〜11.0の現像液に
よって充分に超硬調のネガ画像を得ることができる。以
下に本発明を実施例により説明するが、本発明を何ら限
定するものではない。 【0048】 【実施例】以下に本発明を実施例により説明するが、本
発明を何ら限定するものではない。 〔実施例1〕 〔塗布サンプルの作製〕40℃に保ったゼラチン水溶液
に銀1モル当り5.0×10-6モルの(NH43RhC
6の存在下で硝酸銀水溶液と塩化ナトリウム水溶液を
同時に混合した後、当業界で良く知られた方法にて、可
溶性塩を除去した後にゼラチンを加え、化学熟成せずに
安定化剤として2−メチル−4−ヒドロキシ−1,3,
3a,7−テトラアザインデンを添加した。この乳剤は
平均粒子サイズが0.2μの立方晶形をした単分散乳剤
であった。この乳剤に表1に示した様なヒドラジン化合
物と本発明の硬調化促進剤ポリマー及び比較化合物とし
て下記の化20、化21、化22を最終的に表1に示し
た量になる如くに添加した後、ポリエチルアクリレート
ラテックスを固形分で対ゼラチン30wt%添加し、硬
膜剤として1,3−ジビニルスルホニル−2−プロパノ
ールを加え、ポリエステルフィルム上に3.8g/m2
のAg量になる様に塗布した。ゼラチンは1.8g/m
2であった。この上に保護層としてゼラチン1.5g/
2、粒径2.5μのポリメチルメタクリレート0.3
g/m2の層を塗布した。 【0049】 【化20】 【0050】 【化21】 【0051】 【化22】 【0052】〈写真性の評価〉得られた塗布サンプルに
大日本スクリーン(株)製の明室プリンターP−627
GAで画像露光し、下記組成の〔現像液−1〕で35℃
30秒現像処理し三菱製紙(株)の定着液PURCF9
01で定着し、水洗、乾燥した。表2に各サンプルのコ
ントラスト、Dmax 及び黒ポツの評価した結果を示し
た。画像の硬調度を示すコントラストは特性曲線の直線
部の傾き(光学濃度1.0〜2.5のtanΘ)で表
し、10以下では不十分な硬調度であり実用的ではな
い。Dmax は、光学クサビを通して露光し、現像処理し
たサンプルの光学濃度で1.5を与える露光量(log
E)よりも0.5多く露光(0.5logE)した点の光学濃
度(Dmax)で示した。又、未露光部のカブリとなる黒
ポツ(黒色斑点)は100倍のルーペを使って観察し、
その発生数を5段階に評価し、黒ポツの発生していない
ものを5とし、3以上を実用的に使用できるレベルとし
た相対的なものである。 【0053】 〔現像液−1〕 ハイドロキノン 30.0g 4-ヒト゛ロキシメチル-4-メチル-1-フェニル-3-ヒ゜ラソ゛リト゛ン 0.3g 亜硫酸ナトリウム 75.0g EDTA・2Na 1.0g リン酸三カリウム 80.0g 臭化カリウム 2.0g 水酸化ナトリウム 13.0g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.3g p−トルエンスルホン酸ナトリウム 7.0g 水を加えて1リットル 水酸化カリウムでPH11.0とする。 【0054】 【表1】 【0055】 【表2】 【0056】表2の結果から分かるように本発明のポリ
マー硬調化促進剤を添加することにより、比較化合物に
比べて高いコントラストが得られ、Dmaxも高い。
又、黒ポツ発生に対しては、黒ポツの発生数が少なく、
良好な結果を示している。 【0057】〔実施例2〕次に本ポリマーの現像処理を
実施した際の現像液のPH変化による網点画質の変化を
みるために、次の様な感材を作製した。 【0058】〔塗布サンプルの作製〕銀1モル当り4×
10-7モルの六塩化イリジウム(III)カリ及びアンモ
ニアの存在下で97モル%のAgBr、3モル%のAg
Iを含む平均粒子サイズ0.25μの立方体晶からなる
ヨウ臭化銀乳剤をダブルジェット法によって調製した。
この乳剤をフロキュレーション法により脱塩を行った
後、銀1モル当り40gの不活性ゼラチンを加えた。こ
の乳剤を50℃に保ち、増感色素として5,5´−ジク
ロロ−9−エチル−3,3´−ビス−(4−スルホブチ
ル)オキサカルボシアニン300mg/Ag1モルを加
え20分間経時させた後降温した。この乳剤中へ表−3
に示されるようにヒドラジン化合物を加え、更に本発明
の硬調化促進剤ポリマーを最終的に表3になるように添
加した。比較化合物の硬調化促進剤として化20、及び
化22を同様に添加した。更に、1,3−ジビニルスル
ホニル−2−プロパノールを加え、ポリエチレンテレフ
タレートフイルム上に銀量が3.5g/m2になるよう
に塗布した。この上に保護層としてゼラチン1.5g/
2となるように塗布した。 【0059】〈写真性の評価〉このようにして得られた
試料を同様に露光し、つづいて下記の現像液〔現像液−
2〕及びこれを苛性ソーダ又は硫酸で所定のPHに調整
した液でそれぞれ35℃30秒間現像を行いコントラス
トを見た。網点画質は150線グレーコンタクトスクリ
ーンを介して50%網点原稿が50%になるように露光
し、同様にPH調整した〔現像液−2〕で現像を行い、
PH10.5での現像した網点%を標準50として、同
様に同一の露光量で露光し、PH10.2、10.8で
現像して、網点の変化を測定した。その結果を表4に示
した。 【0060】 〔現像液−2〕 ハイドロキノン 30.0g 4-ヒト゛ロキシメチル-4-メチル-1-フェニル-3-ヒ゜ラソ゛リト゛ン 0.5g 水酸化カリウム 20.0g 水酸化ナトリウム 15.0g 亜硫酸ナトリウム 30.0g EDTA・2Na 1.0g 臭化ナトリウム 12.0g 1-フェニル-5-メルカフ゜トテトラソ゛ール 0.1g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.4g 水を加えて 1リットル PH10.5に合わせる。 【0061】 【表3】 【0062】 【表4】【0063】表4の結果より現像処理時のPH変化に対
して、本発明のポリマーは、比較化合物と比べてコント
ラストの変動が少なく安定した硬調度を保っている。
又、網点の画質も比較化合物よりもPH変化に対する変
動が小さく優位にあることが分かる。 【0064】 【発明の効果】以上、表2及び表4よりハロゲン化銀写
真感光材料を用いた超硬調画像形成方法において、一般
式(1)の構造部を分子内に有するポリマーを硬調化促
進剤として使用することにより、高いコントラストと高
い画像濃度を与え、現像液のPHの変化に対しても安定
なコントラスト及び品質を得ることができ、黒ポツの発
生の少ない良好な感光材料を与える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−167939(JP,A) 特開 昭62−280733(JP,A) 特開 平5−216156(JP,A) 特開 平7−295129(JP,A) 特開 平7−301892(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 1/06 501 G03C 1/04 G03C 1/295 G03C 5/29 501 G03C 5/305

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記一般式(1)で表される構造部を有
    するポリマー化合物を含有するハロゲン化銀写真感光材
    料を露光後、現像処理することを特徴とするハロゲン化
    銀写真感光材料の処理方法。 【化1】 式中、R1 、R2 、R3 は置換基を有していてもよいア
    ルキル基、アルケニル基、アリール基、複素環基を表
    し、Xは陰イオンを表す。Lは連結基を表し、nは0又
    は1を表す。
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