JP3429242B2 - 打抜き刃およびシート打抜き型 - Google Patents

打抜き刃およびシート打抜き型

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JP3429242B2 JP2000001017A JP2000001017A JP3429242B2 JP 3429242 B2 JP3429242 B2 JP 3429242B2 JP 2000001017 A JP2000001017 A JP 2000001017A JP 2000001017 A JP2000001017 A JP 2000001017A JP 3429242 B2 JP3429242 B2 JP 3429242B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、段ボールシート
等のシートを所定の形状に打抜く打抜き刃およびシート
打抜き型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は、商品を包装するケースのブラン
クAを示す。このブランクAは、正面パネル11、側面
パネル12、背面パネル13および側面パネル14を縦
罫線15を介して一方向に連設し、前記正面パネル11
の側縁に縦罫線15を介して継ぎ代パネル16を連設し
ている。
【0003】また、正面パネル11、一対の側面パネル
12、14および背面パネル13の両端に横罫線17を
介して底形成用のフラップ18および蓋形成用のフラッ
プ19を連設している。20は隣接するフラップ18、
19間に形成されたスロットを示す。
【0004】上記の構成から成るブランクAにおいて、
縦罫線15に沿って継ぎ代パネル16、正面パネル1
1、側面パネル12、背面パネル13および側面パネル
14を折曲げ、継ぎ代パネル16を側面パネル14に接
着することよりケースの四角筒状の胴部を形成すること
ができる。
【0005】また、横罫線17に沿って底形成用のフラ
ップ18および蓋形成用のフラップ19を内方に90°
折曲げ、各フラップ18、19の重なり部を接着するこ
とにより、底および蓋が形成される。
【0006】上記のようなブランクは、矩形の段ボール
シートを打抜くことによって形成される。シート打抜き
機には、段ボールシートを支持する受台に対して打抜き
刃および罫入れ刃を有する打抜き型を進退させて、段ボ
ールシートに打抜きと罫入れを行なうようにした平盤式
と、打抜き刃および罫入れ刃を有する円弧状の打抜き型
をダイロールに取付け、そのダイロールとこれに対設さ
れたアンビルロールとを逆方向に回転し、その両ロール
間に送り込まれる段ボールシートに打抜きと罫入れとを
行なうようにしたロータリ式とが存在する。
【0007】ところで、図5に示すブランクAが面積の
小さなものである場合、一枚の段ボールシートから一つ
のブランクAを形成する打抜きであると生産性が悪いた
め、普通、図6に示すように、一枚の段ボールシートS
から複数のブランクA1 、A 2 を同時に打抜く打抜き方
法が採用される。
【0008】この場合、隣接するブランクA1 、A2
の打抜きに際し、図7に示すように、型板21に隣接す
るブランクA1 、A2 のフラップ18、19間を打抜く
境界位置切り離し用の直線状打抜き刃T3 と各ブランク
1 、A2 のフラップ18、19間にスロット20を形
成するスロット形成用の長円状打抜き刃T4 とを連続し
て設ける必要が生じる。
【0009】このとき、直線状打抜き刃T3 と長円状打
抜き刃T4 を一枚の刃板からの折曲げによって形成する
ことはできない。
【0010】そこで、従来では、図8に示すように、直
線状打抜き刃T3 と、一対のU字状打抜き刃T4 とを型
板21に取付けるようにしている。ここで、一対のU字
状打抜き刃T4 の両端には外側方に折曲がる屈曲部22
が設けられており、上記屈曲部22の先端を直線状打抜
き刃T3 の端縁に突き合わせるようにしている。
【0011】この場合、直線状打抜き刃T3 やU字状打
抜き刃T4 に形成された切刃23が直線状のものである
と、打抜きによって得られたブランクA1 、A2 の側縁
にはシャープなエッジが形成され、そのブランクA1
2 の取扱い時にエッジによって怪我するおそれがあ
る。そこで、直線状打抜き刃T3 およびU字状打抜き刃
4 としては、切刃23が平面形状で波形とされたもの
を用いるようにしている。図9は、上記直線状打抜き刃
3 およびU字状打抜き刃T4 を型板21に取付けたシ
ート打抜き型を示す。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図9に示す
シート打抜き型においては、直線状打抜き刃T3 の端縁
と一対のU字状打抜き刃T4 の端縁とを突き合わせる構
成であるため、波形に成形された切刃23の突き合わせ
端を突き合わせることがきわめて困難であって、切刃2
3の突き合わせ端に隙間δ1 が形成されることが多く、
打抜き線が連続する精度の高い打抜きを施すことができ
ないという問題があった。
【0013】また、打抜き時の負荷によって、U字状打
抜き刃T4 の端部に形成された屈曲部22が外方に変形
し易いという問題もあった。
【0014】ところで、図10に示すように、スロット
形成用打抜き刃T4 を、両端に屈曲部24を有する第1
分割刃P1 と、その第1分割刃P1 の両端間にわたる第
2分割刃P2 とで形成し、各分割刃P1 、P2 の長さ方
向中央部に平面形状が山形の折曲げ部25を形成し、こ
の折曲げ部25の頂部25aを直線状打抜き刃T3 の端
縁に突き合わせることによって、突き合わせ端に変形が
生じることのない耐久性に優れた打抜き刃を形成するこ
とができる。
【0015】しかし、各分割刃P1 、P2 に形成された
切刃23が波形であるため、折曲げ部25の折曲げ加工
時に、頂部25aに形成された切刃23は波のどの位置
で折曲げられるか解らず、波の山が頂部25aからずれ
ることが多い。この場合、切刃23と第1分割刃P1
切刃23の端間に隙間δ2 が生じることになり、打抜き
線が連続する精度の高い打抜きを行なうことができな
い。
【0016】また、切刃23は波形に成形されているた
め、加工硬化によって硬度が高く、靱性が乏しい。この
ため、第1分割刃P1 および第2分割刃P2 を折曲げて
折曲げ部25を形成した場合、折曲げ部25の頂部25
aに亀裂が生じ易くなる。
【0017】この発明の第1の課題は、スロット形成用
打抜き刃のように、山形の折曲げ部を必要とする打抜き
刃において、その折曲げ部の頂部に亀裂を発生させるこ
となく折曲げることができるようにすることである。
【0018】また、この発明の第2の課題は、切り離し
用打抜き刃とスロット形成用打抜き刃のように、切刃が
波形とされた2枚の打抜き刃を交差状に配置したシート
打抜き型において、その2枚の打抜き刃の切刃を連続さ
せることができるようにすることである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の第1の課題を解決
するために、第1の発明においては、波形に成形された
切刃を一側縁に有する刃板に平面形状が山形の折曲げ部
を設けた打抜き刃において、前記折曲げ部の頂部におけ
る切刃を、折曲げ部の折曲げ加工前の状態で波形成形さ
れない未成形部分として残された直線刃とした構成を採
用したのである。
【0020】上記のように、折曲げ部の頂部に形成され
た切刃を折曲げ加工前の状態で未成形部分として残され
た直線刃としたことにより、その直線刃は加工硬化して
いないため、靱性を有し、そのため、切刃に亀裂を生じ
させることなく折曲げ部の頂部を曲げ加工することがで
きる。
【0021】また、第2の課題を解決するために、第2
の発明においては、型板に第1打抜き刃と、その第1打
抜き刃に対して交差する第2打抜き刃とを取付け、各打
抜き刃が帯状鋼板から成る刃板の両側面からの面取りに
よって形成された切刃を一側縁に有し、その切刃が平面
形状で波形に成形され、前記第2打抜き刃に円弧状の頂
部を有する平面形状が山形の折曲げ部が設けられ、この
折曲げ部の頂部に第1の刃板の端縁を衝合させたシート
打抜き型において、前記山形折曲げ部の頂部における切
刃が、折曲げ部の折曲げ加工前の状態で波形成形されな
い未成形部分として残された直線刃とされ、前記第1打
抜き刃における切刃の端部に波形成形されない未成形部
分として残された直線刃が設けられ、この第1打抜き刃
の端縁上部に前記山形折曲げ部の頂部に形成された切刃
の一側の面取りで支持される突片を連設して、直線刃の
端を頂部の切刃に連続させた構成を採用したのである。
【0022】上記のような構成を採用することにより、
第1打抜き刃と第2打抜き刃を切刃が連続する取付けと
することができ、打抜き線が連続する高精度打抜きとす
ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
1乃至図4に基づいて説明する。図1は平盤式のシート
打抜き機に使用されるシート打抜き型1の一部分を示
す。このシート打抜き型1は図6に示すブランクA1
2 の打抜き用であり、そのブランクA 1 、A2 の境界
位置を打抜く部分を示している。
【0024】シート打抜き型1は型板2を有し、その型
板1には、図6に示すブランクA1、A2 のフラップ1
8、19の境界位置を打抜く直線状の第1打抜き刃T1
と、各ブランクA1 、A2 のフラップ18、19間に形
成されるスロット20の打抜き用第2打抜き刃T2 とが
取付けられている。
【0025】第1打抜き刃T1 および第2打抜き刃T2
は、図3に示すように、帯状鋼板から成る刃板3の両側
面からの面取り4a、4bによって一側縁に切刃5を形
成し、その切刃5を成形して、平面形状で波形としてい
る。また、切刃5は、波形成形後に焼入れされて硬度が
高められている。
【0026】前記第1打抜き刃T1 および第2打抜き刃
2 は、型板2に形成されたスリット状の刃物取付溝6
に圧入によって取付けられている。
【0027】図4に示すように、第2打抜き刃T2 は、
両端に屈曲部7を有する第1分割刃P1 と、その第1分
割刃P1 の両端間にわたる第2分割刃P2 とから成り、
第1分割刃P1 および第2分割刃P2 の長さ方向中央部
には、第1打抜き刃T1 の端縁に向く山形の折曲げ部8
が設けられている。
【0028】折曲げ部8の頂部8aは曲率半径の小さな
円弧状とされ、その頂部8aに続く裾部8bも頂部8a
の曲率半径より大きい円弧状とされている。頂部8aに
形成された切刃5aは、折曲げ部8の折曲げ加工前の状
態で、波形成形されない未成形部分として残された直線
刃とされている。
【0029】上記のように、頂部8aに形成された切刃
5aを折曲げ加工前の状態で波形成形されない未成形の
直線刃としておくことにより、その切刃5aは加工硬化
していないため、靱性を有し、折曲げ部8の折曲げ加工
時に、頂部8aの切刃5aに亀裂が生じるのを防止する
ことができる。
【0030】図2および図3に示すように、第1打抜き
刃T1 の切刃5の端部には、波形成形されない未成形部
分として残された直線刃5bが設けられている。また、
第1打抜き刃T1 の端縁9は第2打抜き刃T2 に形成さ
れた折曲げ部8の頂部8aに当接され、その端縁9の上
部に前記頂部8aに形成された切刃5aの一側の面取り
4aに支持される三角形の突片10が連設されている。
【0031】上記のように、第1打抜き刃T1 の切刃5
の端部に直線刃5bを設け、かつ端縁9の上部に突片1
0を連設することによって、第1打抜き刃T1 の切刃5
を第2打抜き刃T2 の切刃5に連続させることができ、
図6に示す段ボールシートSの打抜き時に、打抜き線が
連続する高精度の打抜きを可能とすることができる。
【0032】実施の形態では、平盤式シート打抜き機の
シート打抜き型を例にとって説明したが、型板2を円弧
状としたロータリ式打抜き機のシート打抜き型に第1打
抜き刃T1 および第2打抜き刃T2 を取付けるようにし
てもよい。
【0033】また、第1打抜き刃T1 と第2打抜き刃T
2 はT字形の交差としたがY字形の交差であってもよ
い。
【0034】
【発明の効果】この発明は以上のように構成したので下
記に示す効果を奏する。
【0035】請求項1に記載の発明においては、山形折
曲げ部の頂部に形成された切刃を、波形成形されない未
成形部分として残された直線刃としたことにより、その
直線刃は靱性を有するため、折曲げ部の曲げ加工時に頂
部の切刃に亀裂が生じるのを防止することができ、折曲
げ部を精度よく曲げ加工することができる。
【0036】請求項2に記載の発明においては、第1打
抜き刃の切刃の端部に波形成形されない未成形の部分と
して残された直線刃を設け、かつ第1打抜き刃の端縁上
部に第2打抜き刃の折曲げ部の頂部に形成された切刃の
一側の面取りで支持される突片を連設したことにより、
第1打抜き刃の切刃を第2打抜き刃の切刃に確実に連続
させることができ、打抜き線が連続する精度の高い打抜
きを可能とすることができる。
【0037】また、シート打抜き時に、第1打抜き刃の
直線刃に作用する荷重は頂部に形成された切刃の一側の
面取りで支持されるため、突片の破損が少なく、耐久性
の良好なシート打抜き型を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るシート打抜き型の一部分を示す
平面図
【図2】図1の第1打抜き刃と第2打抜き刃の交差部を
拡大して示す平面図
【図3】図2のIII −III 線に沿った断面図
【図4】図1に示す打抜き刃の分解斜視図
【図5】シート打抜き型で打抜かれるブランクの平面図
【図6】図5に示すブランクを2個取りする場合の例を
示す平面図
【図7】図6に示すブランク打抜き用のシート打抜き型
の一部分を示す斜視図
【図8】従来の打抜き刃を示す分解斜視図
【図9】図8に示す打抜き刃を取付けたシート打抜き型
の一部分を示す平面図
【図10】従来の打抜き刃を示す分解斜視図
【図11】図10に示す打抜き刃を取付けたシート打抜
き型の一部分を示す平面図
【符号の説明】
2 型板 T1 第1打抜き刃 T2 第2打抜き刃 3 刃板 4a、4b 面取り 5、5a、5b 切刃 P1 第1分割刃 P2 第2分割刃 8 折曲げ部 8a 頂部 9 端縁 10 突片

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波形に成形された切刃を一側縁に有する
    帯状鋼板から成る刃板に平面形状が山形の折曲げ部を設
    けた打抜き刃において、前記折曲げ部の頂部における切
    刃が、折曲げ部の折曲げ加工前の状態で波形成形されな
    い未成形部分として残された直線刃とされていることを
    特徴とする打抜き刃。
  2. 【請求項2】 型板に第1打抜き刃と、その第1打抜き
    刃に対して交差する第2打抜き刃とを取付け、各打抜き
    刃が帯状鋼板から成る刃板の両側面からの面取りによっ
    て形成された切刃を一側縁に有し、その切刃が平面形状
    で波形に成形され、前記第2打抜き刃に円弧状の頂部を
    有する平面形状が山形の折曲げ部が設けられ、この折曲
    げ部の頂部に第1の刃板の端縁を衝合させたシート打抜
    き型において、前記山形折曲げ部の頂部における切刃
    が、折曲げ部の折曲げ加工前の状態で波形成形されない
    未成形部分として残された直線刃とされ、前記第1打抜
    き刃における切刃の端部に波形成形されない未成形部分
    として残された直線刃が設けられ、この第1打抜き刃の
    端縁上部に前記山形折曲げ部の頂部に形成された切刃の
    一側の面取りで支持される突片を連設して、直線刃の端
    を頂部の切刃に連続させたことを特徴とするシート打抜
    き型。
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