JP3429132B2 - ピアノのピン板構造 - Google Patents

ピアノのピン板構造

Info

Publication number
JP3429132B2
JP3429132B2 JP14911996A JP14911996A JP3429132B2 JP 3429132 B2 JP3429132 B2 JP 3429132B2 JP 14911996 A JP14911996 A JP 14911996A JP 14911996 A JP14911996 A JP 14911996A JP 3429132 B2 JP3429132 B2 JP 3429132B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pin
sheet material
pin plate
piano
sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP14911996A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09330077A (ja
Inventor
雅彦 安孫子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd filed Critical Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Priority to JP14911996A priority Critical patent/JP3429132B2/ja
Publication of JPH09330077A publication Critical patent/JPH09330077A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3429132B2 publication Critical patent/JP3429132B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Building Environments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピアノのピン板構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】グランドピアノのピン板へのチューニン
グピン取り付け用のネジ孔は、切削屑を掃き出しやすい
ようにすることと、材料厚さをできるだけ小さくするこ
とから、貫通孔とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、こうした従
来のピン板では、季節や天候によってチューニングピン
が緩み易くなったり、逆に、きつくて調律がし難くなっ
たりするという問題がある。
【0004】そこで、本発明は、チューニングピンの締
め付けトルクが気候等によってばらつかないようにする
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段、発明の実施の形態及び発
明の効果】かかる目的を達成するためになされた本発明
のピアノのピン板構造は、チューニングピン取り付け用
としてピン板に貫通された取付孔のチューニングピン挿
入側と反対側の開口を塞ぐ様に、合成樹脂製又は金属製
の水分透過抑制用シート材でピン板を覆い、前記シート
材は、ピン板表面にサンディングシーラーを塗布した上
に貼付けられることを特徴とする。
【0006】シート材で覆うことにより、取付孔の開口
からピン板が吸湿したり、脱湿したりすることがなくな
り、冬場の乾燥による取付孔の孔径拡張や、梅雨による
孔径縮小を防止することができ、チューニングピンの締
め付けトルクを適度に保つことができる。また、シート
材は、ピン板表面にサンディングシーラーを塗布した上
に貼付けるようにしているので、密着性がよく、一層望
ましい。
【0007】なお、この場合、ピン取付孔近傍だけ覆う
様にピン板を水分透過抑制用のシート材で覆ってやれば
十分であるが、より望ましくは、チューニングピン取付
孔のピン挿入用開口を残して、合成樹脂製又は金属製の
水分透過抑制用シート材でピン板全面を覆うとよい。全
面を覆うことで、ピン板全体の乾燥や吸湿を防止できる
からである。
【0008】また、前記シート材としては、例えば、ポ
リエステルフィルム、塩化ビニールシート又はアルミ箔
を例示することができる。少なくとも、ピン板自体より
も水分透過率が低い材料を用いれば、それなりに効果が
あり、これらに限らないことはもちろんである。これら
例示したシート材は、安価で比較的手に入れ易く、ま
た、接着剤などで貼り付け易い性質を有するものであ
る。
【0009】さらに、前記シート材が、木目模様をプリ
ントされた塩化ビニールシートであると、シート材を貼
り付けた後の見栄えがよい
【0010】
【実施例】次に、本発明の実施の形態である一実施例を
図面と共に説明する。実施例では、図1に示す様に、チ
ューニングピン1をねじ込むためのネジ孔2を集成材又
は合板製のピン板3を貫通する様に設けた上で、ピン板
下面側のネジ孔2周辺のバリを取り去り、ピン板3表面
全体にサンディングシーラーをローラー塗布して目地を
平にした上で、ピン板下面を覆う様に厚さ0.16mm
の塩化ビニール製のシート材4を貼り付ける。このシー
ト材4の表側には、木目模様をプリントしておく。な
お、図中符号5はフレーム、6はピンブッシュである。
【0011】このシート材4の貼り付けに当たっては、
シート材4に感圧接着剤を薄く塗布しておき、シート材
4を圧着しながら熱を加えてやる。感圧接着剤として
は、ゴム系感圧接着剤やアクリル系感圧接着剤など種々
のものが知られており、適宜選択すればよい。なお、接
着に当たってはホットメルト型接着剤を用いることもで
きる。しかし、感圧接着剤は作業者が手で圧着するだけ
でよいので、作業性の点でより優れている。
【0012】この実施例の効果を調べるため、図2に示
す様に、ピン板と同じ木材を100mm角×36mm厚
さに切り出したテストピースを用いて、その平面1面と
木口2面に厚さ0.16mmの塩化ビニル製シートを上
述の実施例と同様に貼付けた試料1と、単に全面にサン
ディングシーラーを塗布しただけの試料2と、全く何も
していない試料3とを作成し、脱湿及び加湿試験を実施
した。
【0013】脱湿試験では、温度50℃、湿度35%に
保った試験装置内に上記試料1〜3を置いて136時間
経過するまでの湿度変化を計測した。また、加湿試験で
は、温度23℃、湿度90%に保った試験装置内に上記
試料1〜3を置いて24時間経過するまでの湿度変化を
計測した。その結果を図2に併せて表示する。
【0014】なお、初期状態における各試料1〜3の含
水率は、いずれも約9%であった。これが、脱湿試験中
に、試料2,3では、飽和状態(EMC:Equili
brium Moisture Content、平衡
含水率)である約5.5%程度まで低下していることが
分かる。これに対し、試料1では、136時間経過後で
もまだ約7%程度の水分を含有しており、乾燥速度が大
幅に遅くなっていることが分かる。
【0015】この後の加湿試験では、試料3は24時間
で含水率=約9%に戻ったが、試料1では吸湿速度が極
端に遅くなっていることが分かる。試料2は試料1に比
べて乾燥した状態からスタートしているので24時間経
過後の含水率は試料1とほぼ同じであるが、吸湿速度を
比べると、試料1よりもかなり速いことが分かる。
【0016】これらの試験結果から分かる様に、サンデ
ィングシーラーを塗布しただけでは、十分に吸湿及び乾
燥を抑えきれないものの、塩化ビニールシートを平面1
面及び木口2面に貼付けるだけで、吸湿及び乾燥を相当
に抑制できることが分かる。試験では、小さなテストピ
ースを用いているので木口2面にもシート材を貼付けた
が、実際のピン板はこのテストピースに比べると無限大
の平板と考えてもよいので、実施例においてもこの試料
1と全く同様か、それ以上の効果が期待できる。
【0017】よって、本実施例によれば、ピン板の吸湿
及び乾燥を十分に抑制することができ、天候や季節に左
右されることなく、常に安定したチューニングピン締り
状態を実現することができる。なお、図2には書かなか
ったが、テストピースの全面に塩化ビニール製シート材
を貼付けたもので試験したところ、最初から最後まで、
含水率にほとんど変化が見られなかった。よって、全面
にシート材を貼り付ける様にすると一層効果的であるこ
とが分かる。
【0018】ただし、ネジ孔4の部分の含水率変化を抑
制できれば、チューニングピンの緩み等を防止するには
十分であるから、ネジ孔の下面近傍だけにシート材を貼
付ける様にしてもそれなりの効果が期待できる。また、
本実施例では、木目模様をプリントしたシート材4を用
いたので、外観上違和感がない。なお、塩化ビニール
は、こうした木目模様のプリントをし易いという点で適
するものである。
【0019】以上、本発明の一実施例を説明したが、本
発明はこれに限られるものではなく、さらに種々なる態
様にて実施し得ることはもちろんであって、シート材と
しては、実施例の他に、ポリエステルフィルムやアルミ
箔などピン板自体の水分透過率よりも透過率の低い種々
なる材料のものを用いることができる。また、シート材
に両面テープをラミネートしておき、これを用いてピン
板に貼り付ける様にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の説明図である。
【図2】 実施例の効果を確認するための試験結果の説
明図である。
【符号の説明】
1・・・チューニングピン、2・・・ネジ孔、3・・・
ピン板、4・・・シート材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10C 3/10 G10C 3/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チューニングピン取り付け用としてピン
    板に貫通された取付孔のチューニングピン挿入側と反対
    側の開口を塞ぐ様に、合成樹脂製又は金属製の水分透過
    抑制用シート材でピン板を覆い、 前記シート材は、ピン板表面にサンディングシーラーを
    塗布した上に貼付けられることを特徴とするピアノのピ
    ン板構造。
  2. 【請求項2】 チューニングピン取付孔のピン挿入用開
    口を残して、合成樹脂製又は金属製の水分透過抑制用シ
    ート材でピン板全面を覆い、前記シート材は、ピン板表面にサンディングシーラーを
    塗布した上に貼付けられることを特徴とするピアノのピ
    ン板構造。
  3. 【請求項3】 前記シート材が、ポリエステルフィル
    ム、塩化ビニールシート又はアルミ箔であることを特徴
    とする請求項1又は2記載のピアノのピン板構造。
  4. 【請求項4】 前記シート材が、木目模様をプリントさ
    れた塩化ビニールシートであることを特徴とする請求項
    1又は2記載のピアノのピン板構造。
JP14911996A 1996-06-11 1996-06-11 ピアノのピン板構造 Expired - Fee Related JP3429132B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14911996A JP3429132B2 (ja) 1996-06-11 1996-06-11 ピアノのピン板構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14911996A JP3429132B2 (ja) 1996-06-11 1996-06-11 ピアノのピン板構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09330077A JPH09330077A (ja) 1997-12-22
JP3429132B2 true JP3429132B2 (ja) 2003-07-22

Family

ID=15468144

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14911996A Expired - Fee Related JP3429132B2 (ja) 1996-06-11 1996-06-11 ピアノのピン板構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3429132B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4491926B2 (ja) * 2000-07-19 2010-06-30 株式会社デンソー 反射測定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09330077A (ja) 1997-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3429132B2 (ja) ピアノのピン板構造
JPS6067153A (ja) シ−ト貼り化粧板の製造方法
CN217547578U (zh) 一种封边条
JPS627468Y2 (ja)
JPH11291202A (ja) 桐材合板
JPS62121002A (ja) シ−ト状ツキ板
FI911989A (fi) Blankett och foerfarande.
JP2001290448A (ja) パネルの製造方法
JPH0410029Y2 (ja)
JP2000079607A (ja) 集積木材
JPS6114355A (ja) 野地板及びその野地板を用いた屋根構造
JP2576213Y2 (ja) ド ア
JP3022349B2 (ja) 化粧板及び内装用部材
JPS6328443Y2 (ja)
JPS5823634Y2 (ja) 框材
CN2361722Y (zh) 塑木复合地板块
JP2003053925A (ja) 耐水パネル
JPS6349483Y2 (ja)
JPS60194186A (ja) 透湿、遮水、防露性片面塗着ル−フイング
JPH06272455A (ja) 反りを防止した扉の製造方法
KR820001275B1 (ko) 자착식 앨범대지의 연속 제조방법
JPS5850976Y2 (ja) 長押等の木質建材
JPS5872440A (ja) 外壁パネル製造法
JPS58124635A (ja) 引戸等に用いる芯材の製造方法
JPH01247156A (ja) 無機質板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080516

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090516

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees