JP3022349B2 - 化粧板及び内装用部材 - Google Patents

化粧板及び内装用部材

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JP3022349B2
JP3022349B2 JP8280527A JP28052796A JP3022349B2 JP 3022349 B2 JP3022349 B2 JP 3022349B2 JP 8280527 A JP8280527 A JP 8280527A JP 28052796 A JP28052796 A JP 28052796A JP 3022349 B2 JP3022349 B2 JP 3022349B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、壁面材や造作部
材、建具等の建装材や家具等に使用して、基材から発生
するホルムアルデヒドを捕捉して無臭化、無害化するホ
ルムアルデヒド捕捉機能と、基材の吸放湿による反りの
発生を防止する防湿機能とを兼備した化粧板及び内装用
部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、壁面材や造作部材、建具等の建装
材や家具等の製造において、天然木材の無垢材よりも安
価な材料として、合板、パーティクルボード、ハードボ
ード、中密度繊維板(MDF)等の繊維板、珪酸カルシ
ウム板や石膏ボード等の無機質板等の基材が広く用いら
れている。これらの基材は天然木無垢材と比較して表面
の意匠性に劣るため、紙や合成樹脂フィルム等に木目、
石目や抽象柄等の各種意匠を施した化粧紙や化粧シート
を別途用意してこれを表面に貼付して用いたり、または
予め表面に化粧紙や化粧シート等で意匠を施してなる化
粧板が用意されていてこれを用いる方法が、ますます広
く行われる様になっている。
【0003】前記した合板、中密度繊維板等の木質材料
を樹脂加工してなる基材は、製造時に例えば尿素系接着
剤等のホルムアルデヒドを含有する接着剤を使用したも
のが多く、製造後も遊離のホルムアルデヒドや熱処理時
の分解によるホルムアルデヒドが残留するため、こうし
た基材を使用して製造された部材からは、有害で特異な
不快臭を有するホルムアルデヒドが発散し、使用者にア
レルギー症状等の健康被害や不快感を与える場合があ
り、一部で問題視されている。
【0004】この問題を解決する手段として従来、
(A)ホルムアルデヒドを含有・発生しない接着剤を使
用して基材を製造する方法、(B)ホルムアルデヒド捕
捉剤を配合した接着剤を使用して基材を製造する方法、
(C)基材の製造後にホルムアルデヒド捕捉剤を塗布ま
たは含浸する方法、(D)基材への化粧紙の貼着時にホ
ルムアルデヒド捕捉剤を含有する接着剤を使用する方
法、(E)ホルムアルデヒド捕捉剤を含浸した紙を、部
材内部の空洞部に充填する方法、(F)ホルムアルデヒ
ド捕捉剤を含浸した紙を、基材や化粧板、部材等の梱包
に使用する方法、等が提案されていた。
【0005】しかしながら、上記した各種の方法の内、
(A)は性能面・価格面で満足できる接着剤が存在しな
いという問題点があり、(B)はホルムアルデヒド発生
を嫌う特定用途向けのみの小ロット生産はコスト高とな
るという問題点があり、(C)は専用の塗装機が必要と
なり、また工程が煩雑になるという問題点があり、
(D)は特定用途のみに接着剤を使い分ける必要が生
じ、資材管理や工程管理が煩雑になるという問題点があ
り、(E)は適用可能な部材の種類が限定される他、部
材の表面側からのホルムアルデヒドの発散に対しては効
果が得られないという問題点があり、(F)は当然なが
ら、開梱により効果が失われてしまうという問題点があ
った。
【0006】そこで、簡便な方法で永続的なホルムアル
デヒド捕捉効果を得る目的で、(G)ホルムアルデヒド
捕捉剤を含浸した紙を基材とした化粧紙を基材に貼付す
る方法も提案されていた(特公昭52−134号公報参
照)。しかしながらこの方法は、ホルムアルデヒド捕捉
効果は得られても、基材の吸放湿による反りの発生を防
止する防湿効果は得られないものであった。
【0007】すなわち、ドア等の様に大型平面状の内装
用部材では、価格の低減と共に軽量化をも目的として、
角材を縦横に組んでなる枠心(フレームコア)の表裏に
単板、合板等の板材を張り合わせた所謂フラッシュ構造
が広く採用されているが、このフラッシュ構造の部材は
環境条件の異なる二つの空間の境界に置かれると、表裏
の2枚の板材の吸放湿による伸縮が異なるために、部材
が全体として反ってしまうという問題点があり、この問
題点を解決する方法として、フラッシュ構造の部材の表
裏の板材の表裏両面に防湿性(非透水・非透湿性)シー
トを積層しておく方法が提案されている(特開平6−2
72455号公報参照)。
【0008】しかしながら、この方法でホルムアルデヒ
ド捕捉効果をも持たせようとすると、フラッシュ構造の
部材の表裏の板材にまずホルムアルデヒド捕捉剤を含浸
した紙を積層したのちに、さらに防湿性シートを積層す
る必要が生じる為、工程が著しく煩雑になるという問題
点があった。
【0009】上述の問題点に鑑みて、本発明者らは既
に、少なくともホルムアルデヒド捕捉層と防湿層とを積
層してなり、必要に応じてさらに所望の意匠等を施した
ホルムアルデヒド捕捉防湿シートを、木質系基材の表裏
面に貼付することにより、ホルムアルデヒド捕捉機能と
防湿機能とを兼ね備えた化粧板や内装用部材を簡便に製
造する方法を提案した(特願平8−15898号参
照)。
【0010】ところが、本発明者らが上記した方法によ
る化粧板や内装用部材の試作、実用化試験を実施したと
ころ、以下の様な問題点があることが判明した。すなわ
ち、上記方法では、ホルムアルデヒド捕捉防湿シートの
ホルムアルデヒド捕捉層側を木質系基材側に向けて貼付
したので、確かに木質系基材の表裏面から発散されるホ
ルムアルデヒドは効果的に捕捉除去することができる。
【0011】しかしながら、係る化粧板は一般に、予め
表裏に化粧等を施した大面積の化粧板を用意して置き、
これから用途に応じて必要な面積分だけを切断して使用
するのであるが、その際切断された化粧板の切断面(木
口部)は、人目に触れにくいこともあって、木質系基材
の断面が露出したままの状態か、簡単な塗装を施す程度
で使用される場合も多く、従ってこの木口部からのホル
ムアルデヒドの発散は防止できない。しかも、こうして
空気中に発散されたホルムアルデヒドは、化粧板の表裏
面に触れても、防湿層に阻まれてホルムアルデヒド捕捉
層に到達できないので、これを捕捉除去することができ
ない。
【0012】勿論、前記木口部にもホルムアルデヒド捕
捉シートを貼付すれば、上記問題点の解決は可能であろ
う。しかしそれでは、木口貼付用のホルムアルデヒド捕
捉シートを別途用意する必要が生じ、またその貼付の為
の工程や設備の増設も必要となるので、製造原価上昇の
要因となる。また、例えば内装ドア等では、木口面にシ
ートを貼付しても、摩擦等により摩耗または剥離し易
く、ホルムアルデヒド捕捉効果の永続性の点でも問題が
残るものであった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
技術の問題点に鑑みてなされたものであって、永続的に
安定した優れたホルムアルデヒド捕捉効果と防湿効果と
をね備え、しかも簡便に製造可能な化粧板及び内装用部
材を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の化粧板は、木質
系基材の表面に表面防湿層を、裏面に裏面防湿層とホル
ムアルデヒド捕捉層とを少なくとも積層してなる化粧板
であって、前記ホルムアルデヒド捕捉層が、裏面に露出
していることを特徴とするものである。
【0015】また特に、前記ホルムアルデヒド捕捉層
が、ホルムアルデヒド捕捉剤を含浸または塗布した繊維
質層であることを特徴とするものである。
【0016】また特に、前記木質系基材と、前記裏面防
湿層との間に、繊維質中間層が設けられてなり、前記裏
面防湿層は、前記繊維質中間層と、前記ホルムアルデヒ
ド捕捉層との間に押し出しラミネート形成された合成樹
脂層であることを特徴とするものである。
【0017】また特に、前記表面防湿層が、防湿性の化
粧シートであることを特徴とするものである。
【0018】本発明の内装用部材は、角材を縦横に組ん
でなる枠心の表裏に、上記のいずれかの同種または異種
の化粧板を貼り合わせてなるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態につき、
図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明の化粧
板の実施の形態を示す側断面図である。
【0020】本発明の化粧板は、図1に示す様に、表面
側から順に、表面防湿層1と、木質系基材3と、裏面防
湿層6と、ホルムアルデヒド捕捉層7とが少なくとも順
次積層されて構成され、このうち前記ホルムアルデヒド
捕捉層7が、裏面に露出していることを特徴とするもの
であって、この他必要に応じて、接着剤層2、4や繊維
質中間層5等が適宜設けられる。
【0021】木質系基材1としては、例えば合板、単板
積層材、パーティクルボード、ハードボード、中密度繊
維板等、吸放湿性の木質材料をホルムアルデヒドを含有
する接着剤を用いて樹脂加工してなる基材を使用する。
また木材単板であっても良く、この場合は木材単板自体
はホルムアルデヒドを発散することはないが、枠心等他
の木質系部品から発散されるホルムアルデヒドの捕捉除
去の目的で使用することも可能であるし、吸放湿による
反りの防止には勿論有効である。
【0022】表面防湿層1や裏面防湿層6は、外気中の
湿気が木質系基材3に吸収され、または逆に木質系基材
3中の水分が外気中に失われるのを防止し、外気の温湿
度条件に拘わらず木質系基材3中の水分を一定に保ち、
以て木質系基材3の伸縮や反り等の変形を防止する目的
で設けられるものである。
【0023】その材質としては、例えばポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリフッ化
ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフロロエチ
レン等の合成樹脂、天然ゴム、クロロプレンゴム、スチ
レンゴム、ニトリルゴム等のゴム系材料、鉄、銅、アル
ミニウム、ステンレス等の金属、ガラス、酸化珪素、窒
化珪素、酸化マグネシウム等の無機物質、樹脂含浸紙、
樹脂含浸布等、または係る材質を少なくとも含む混合
物、複合体、積層体等の様に、通常の木材や紙等と比較
して透湿度の低い材質であれば、何であっても使用可能
である。但し、木質系基材3への貼付時の加工性や角部
・曲面部等への追随性等の点で、合成樹脂または金属箔
を使用することが好ましい。
【0024】特に、化粧板の廃材や使用後の部材の廃棄
処分の便宜を考慮すると、木質系基材3や枠心等の木質
系材料と共に焼却処分が可能な可燃性の合成樹脂を使用
することが最も好ましい。具体的には、例えばポリエチ
レン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂や、ポ
リエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポ
リメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、エチレン
−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重
合体樹脂等、焼却しても塩化水素等の有害ガスを発生し
ない合成樹脂を使用することが好ましい。
【0025】表面防湿層1や裏面防湿層6の膜厚は特に
限定されないが、加工性の面からは概ね100μm以下
であることが好ましい。膜厚の下限は透湿度によって決
定され、透湿度は概ね50g/m2 ・24hour以下
であれば一応の効果は得られるが、長年の経時による変
化を考慮すると20g/m2 ・24hour以下とする
ことが好ましく、特に屋外の風雨や浴室の湿気等に曝さ
れる過酷な環境で用いるものにあっては、5g/m2
24hour以下とすることが好ましい。より具体的に
は、例えばポリエチレン樹脂を使用する場合には、概ね
10μm以上とすることが好ましい。
【0026】表面防湿層1や裏面防湿層6の透湿度は低
いほど好ましいことは言うまでもないが、現実には透湿
度を零とすることは困難であるので、上述の様に実用上
支障のない範囲で透湿度を設定すべきである。但し、両
者の透湿度に極端な差があると、環境条件によっては化
粧板の表裏面からの吸放湿のバランスが崩れて反りを発
生する場合がある。従って、表面防湿層1と裏面防湿層
6との透湿度は、概ね同程度に設定することが好まし
い。
【0027】ホルムアルデヒド捕捉層7は、木質系基材
3が発散するホルムアルデヒドを捕捉し、無害化・無臭
化する目的で設けられるものであって、適当なシート状
基材にホルムアルデヒド捕捉剤を内添、含浸または塗布
して含有させたものを用いることができる。
【0028】上記シート状基材の材質は特に問わない
が、空気中のホルムアルデヒドが容易に基材中のホルム
アルデヒド捕捉剤により捕捉除去される様に、気体の透
過し易い多孔質の材質であることが好ましく、例えば
紙、不織布、織布等の繊維質層にホルムアルデヒド捕捉
剤を含浸または塗布したものを使用することが最も好ま
しい。係る如く、ホルムアルデヒド捕捉層7として繊維
質層を使用すると、ホルムアルデヒド捕捉剤の含浸また
は塗布が容易であり、また枠心等への貼付の際にも、酢
酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤等の木材用の汎用接
着剤を使用して、容易に貼付することができるので好適
である。
【0029】ホルムアルデヒド捕捉剤としては、ホルム
アルデヒドと物理的または化学的に反応して無害・無臭
の状態に変化させる機能を有する物質であれば何でも使
用可能であるが、特にジシアンジアミド、メラミン等の
アミノ化合物、尿素、バルビツール酸、セミカルバジッ
ド塩酸塩等のアマイド類、グルタミン酸塩、グリシン、
アラニン等のアミノ酸類等の含窒素化合物を使用するこ
とが好ましい。
【0030】ホルムアルデヒド捕捉層3の厚さは特に限
定されないが、例えば紙の場合、坪量20〜100g/
2 の範囲とすることが好ましく、中でも20〜50g
/m 2 の範囲とすることが、貼付作業性上及びコスト
上、最も好ましい。また、内部強度の低い材料を使用す
ると、フラッシュ構造の内装用部材とした時に、枠心と
の接着部の強度が不足して剥離し易いので、内部強度の
強い紙間強化紙等を使用することが好ましい。
【0031】なお、前記裏面防湿層6を構成する防湿性
樹脂中にホルムアルデヒド捕捉剤を添加するか、防湿性
シート材の表面にホルムアルデヒド捕捉剤を直接塗布す
ることによって、裏面防湿層6とホルムアルデヒド捕捉
層7との機能を一層で兼ね備えさせることも、理論的に
は可能である。しかしながら、前者の内添法では、空気
中のホルムアルデヒドが樹脂中には浸透しにくい為に十
分な効果が得られない場合が多く、後者の塗布法では、
塗布量の限界の為に効果が十分でなかったり、摩擦等に
より剥落して効果が失われ易い等の問題点がある。従っ
て、裏面防湿層6とホルムアルデヒド捕捉層7とは、別
種の材料を使用して設けた別個の層とすることが好まし
い。
【0032】裏面防湿層6とホルムアルデヒド捕捉層7
とは通常接着剤を介して積層されるが、接着剤の材質と
しては、酢酸ビニル系接着剤、ウレタン系接着剤、エポ
キシ系接着剤、アクリル系接着剤、合成ゴム系接着剤、
繊維素系接着剤等、従来公知の任意の接着剤が使用でき
る。また接着剤を使用せずに、裏面防湿層4を溶液塗工
法、融液塗工法、熱融着法、超音波融着法、真空製膜法
等によりホルムアルデヒド捕捉層7の表面に直接積層し
ても良い。
【0033】特に、裏面防湿層6としてポリエチレン等
の熱可塑性合成樹脂を使用する場合には、ホルムアルデ
ヒド捕捉層7や木質系基材3と接着剤を介して接着しよ
うとしても、良好な接着性が得られにくい場合も多い。
そこで、ホルムアルデヒド捕捉層7と、別途用意した紙
等の繊維質中間層5との間に、熱可塑性合成樹脂を押し
出しラミネートして裏面防湿層6を形成し、しかる後に
その繊維質中間層5側を木質系基材3に貼付する方法に
よれば、裏面防湿層6とホルムアルデヒド捕捉層7や繊
維質中間層5との間に強固な接着が形成され、繊維質中
間層5は木材用の汎用接着剤を使用して木質系基材3に
容易に接着することができ、生産性にも優れるので最も
好適である。
【0034】上記繊維質中間層5としては、例えば紙、
織布、不織布等、木質系基材への貼付適性に優れた材質
であれば何でも適用可能であるが、枠心との接着部の強
度等を考慮すると、紙間強化紙を使用することが最も好
ましい。その厚みは特に限定されないが、ホルムアルデ
ヒド捕捉層7とほぼ同様の20〜50g/m2 程度が好
ましい。
【0035】また、繊維質中間層5にもホルムアルデヒ
ド捕捉剤を含浸または塗布することによって、木質系基
材3が発散するホルムアルデヒドを捕捉させることも可
能である。しかし、本発明者らの実験によれば、裏面防
湿層6として使用する合成樹脂等は一般にホルムアルデ
ヒド透過性も低く、また最裏面に設けたホルムアルデヒ
ド捕捉層7で十分に捕捉除去できるので、繊維質中間層
5にホルムアルデヒド捕捉剤を含有させなくても特に不
都合はない。
【0036】表面防湿層1は、前記した様に、好ましく
は合成樹脂からなる層であって、塗装被膜であっても良
いが、通常のウレタン塗装等では防湿性が不十分である
場合が多いので、防湿性に優れた合成樹脂フィルムを使
用することが好ましい。
【0037】前記合成樹脂フィルムとしては、特に木質
系基材3が木材単板または合板等、表面に木目の意匠性
を有する場合には、透明または半透明の合成樹脂フィル
ムを木質系基材3の表面に単に貼付するだけでも、十分
に実用的価値のある化粧板を得ることができる。しかし
ながら一般的には、例えば中密度繊維板等の様に、木目
の意匠を有さないか意匠性に劣る木質系基材を使用し
て、優れた意匠性を有する化粧板を安価且つ安定的に生
産する必要があるので、印刷等により所望の意匠性を付
与した化粧シートを使用すると好適である。
【0038】上記化粧シートとしては、吸放湿による反
り等の防止上必要な防湿性を有するものであれば、その
材質や構成、意匠等は特に限定されず、従来公知の種々
の化粧シートの内、合成樹脂等の防湿性の材質からなる
層を備えたものであれば、任意のものが適用可能であ
る。
【0039】具体的には、例えばポリ塩化ビニル樹脂や
ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂等の、防湿
性を有する透明または半透明の合成樹脂フィルムの裏面
に、所望の絵柄の印刷を施したものや、合成樹脂フィル
ムまたは紙等の表面に所望の絵柄の印刷を施し、その上
に更に1層以上の透明な合成樹脂層を塗工法、溶融樹脂
押し出し積層法またはフィルムラミネート法等により設
けたもの、下地紙層上に防湿性樹脂層を介して印刷紙を
積層したものや、その上に更に1層以上の透明な合成樹
脂層を設けたもの、及びこれらの表面に必要に応じてト
ップコート層や艶調整層、エンボス、ワイピング等を適
宜施してなるもの等を使用することができる。
【0040】上記した種々の化粧シートの内、多層構成
の化粧シートを使用する場合にあっては、そのうちの少
なくとも一層が、吸放湿による反りの防止に必要な防湿
性を有していれば良い。
【0041】但し、化粧板の廃材や使用後の部材の廃棄
処分の便宜を考慮すると、木質系基材3や枠心等の木質
系材料と共に焼却処分が可能な可燃性の材質からなる化
粧シートを使用することが最も好ましい。具体的には、
例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート等のポリエス
テル系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系
樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−
酢酸ビニル共重合体樹脂等、焼却しても塩化水素等の有
害ガスを発生しない合成樹脂を使用した化粧シートを使
用することが好ましい。
【0042】上記化粧シート乃至表面防湿層1は、ホル
ムアルデヒド捕捉機能を有していても良いが、有してい
なくても、十分な防湿性を有する材質であれば一般にホ
ルムアルデヒド透過性も低いので、化粧シートを透過し
てホルムアルデヒドが発散される危惧はなく、またもし
発散されても、裏面側のホルムアルデヒド捕捉層7によ
って捕捉除去することができるので、特に不都合はな
い。尤も、該化粧シートの表面がホルムアルデヒド捕捉
機能を有していれば、木口部等から空気中に発散された
ホルムアルデヒドの捕捉効率が高まるので、より好まし
いと言うことができる。
【0043】本発明の内装用部材は、角材を縦横に組ん
でなる枠心の表裏に、上記した構成の化粧板を貼付して
フラッシュ構造としてなるものである。枠心への化粧板
の貼付にあたっては、意匠上当然のことながら、化粧シ
ート等の表面防湿層1側を外側に向け、最裏面のホルム
アルデヒド捕捉層7面を枠心に貼付する。この様に貼付
しても、枠心には気圧調整用の空気穴が設けてあるの
で、化粧板の木口部から空気中に発散されたホルムアル
デヒドは、この空気穴を通過して内部空間に至り、内面
のホルムアルデヒド捕捉層7によって捕捉除去される。
【0044】化粧板の木口部からのホルムアルデヒドの
発散は、切断直後にはかなり多いものの経時により減少
するので、部材の製造工程において多量に発散したホル
ムアルデヒドを、ホルムアルデヒド捕捉層によって捕捉
除去してしまえば、その後木口部から発散されるホルム
アルデヒドは、上記の作用によって十分に問題のない水
準にまで捕捉除去できる程度のものである。
【0045】なお、例えば押し入れ扉や収納扉等の様
に、裏面側が通常人目に触れることのない用途に使用す
る場合には、裏面側の化粧板には特に意匠を施さなくて
も良い。この場合には例えば、裏面側の化粧板の表面防
湿層1として、二枚の紙の間に合成樹脂層を挟持した三
層構成の防湿シートを使用し、表裏逆に、すなわちホル
ムアルデヒド捕捉層7面を外側に向けて、表面防湿層1
面を枠心に貼付して使用しても良い。この様にすると、
木口部等から発散されたホルムアルデヒドの捕捉効率を
さらに向上することができる。
【0046】本発明の化粧板の用途は、上記したフラッ
シュ構造の内装用部材のみに限定されるものではなく、
表裏面が極端に温湿度の異なる環境にさらされる箇所に
使用される部材や、ホルムアルデヒドを発散する他の部
材の周囲に使用される部材等をはじめとして、住宅等の
室内で使用される内装材や家具材として広く適用可能な
ものである。
【0047】
【実施例】
<実施例1>坪量30g/m2 の紙間強化紙の片面に、
メラミン水溶液を乾燥後の塗布量5g/m2 に塗布、乾
燥し、その反対面と、別の坪量30g/m2 の紙間強化
紙との間に、ポリエチレンを厚さ40μmに押し出しラ
ミネート成形し、ホルムアルデヒド捕捉層・裏面防湿層
・繊維質中間層の複合シートを作製した。
【0048】厚さ50μmの着色不透明ポリプロピレン
樹脂フィルムの表面に、コロナ処理後、ウレタン系イン
キにてグラビア印刷法により木目柄の絵柄層を設け、そ
の上にポリオレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂を厚
さ50μmに溶融押し出し積層し、同時に金属性エンボ
スロールにて導管柄のエンボスを施し、エンボス溝部を
ワイピング法により着色した後、全面に2液ウレタン系
トップコートを厚さ6μmに施して、防湿性の化粧シー
トを作製した。
【0049】厚さ3mmの中密度繊維板(MDF)を基
材とし、表面に上記防湿性の化粧シートの着色不透明ポ
リプロピレン樹脂フィルム面を、裏面に上記ホルムアル
デヒド捕捉層・裏面防湿層・繊維質中間層の複合シート
の繊維質中間層面を、それぞれ接着剤を介して貼付し
て、本発明の化粧板を作製した。
【0050】上記化粧板を、5cm×15cmの大きさ
に切断し、切断面未処理のまま、JIS A 5906
に記載のホルムアルデヒド放散量測定試験(デシケータ
ー法)を行ったところ、ホルムアルデヒド放散量は1〜
2mg/lであった。
【0051】また、30mm角の角材を縦横に組んでな
る枠心の表裏に、上記化粧板を、それぞれ化粧シート面
を外側に向けて貼り合わせ、フラッシュ構造のドア用部
材を作製した。これを片面は40℃60%RH、他面は
20℃30%RHの環境条件で1週間の反り試験を行っ
たところ、反りは1mあたり1mm以下であった。
【0052】<比較例1>上記実施例1において使用し
たものと同一銘柄の中密度繊維板を使用して、同一の条
件でホルムアルデヒド放散量を測定したところ、放散量
は12〜15mg/lに達した。
【0053】また、上記中密度繊維板を枠心の表裏に貼
り合わせ、実施例1と同一の条件で反り試験を行ったと
ころ、1mあたり5mm以上の反りが発生した。
【0054】<比較例2>前記実施例1において、前記
ホルムアルデヒド捕捉層・裏面防湿層・繊維質中間層の
複合シートに替えて、坪量30g/m2 の紙間強化紙2
枚の間に厚さ40μmのポリエチレン樹脂層を設けた三
層構成の防湿シートを使用して化粧板を作製し、同一の
条件でホルムアルデヒド放散量を測定したところ、放散
量は7〜9mg/lであった。
【0055】<比較例3>前記実施例1において、前記
ホルムアルデヒド捕捉層・裏面防湿層・繊維質中間層の
複合シートのホルムアルデヒド捕捉層面を中密度繊維板
に貼付した構成の化粧板を作製して、同一の条件でホル
ムアルデヒド放散量を測定したところ、放散量は4〜6
mg/lであった。
【0056】
【発明の効果】本発明の化粧板は、木質系基材の表面に
表面防湿層を、裏面に裏面防湿層とホルムアルデヒド捕
捉層とを少なくとも積層してなり、前記ホルムアルデヒ
ド捕捉層が、裏面に露出していることによって、ホルム
アルデヒド発散性の木質系基材を使用し、加工時に切断
面(木口部)に特別な処理を施さなくても、木口部から
空気中に発散されたホルムアルデヒドを、最裏面に露出
したホルムアルデヒド捕捉層によって捕捉除去すること
ができるので、ホルムアルデヒド捕捉効果と防湿効果の
いずれにも優れた各種部材を簡便に製造することができ
るという優れた効果を奏するものである。
【0057】特に、ホルムアルデヒド捕捉層を、ホルム
アルデヒド捕捉剤を含浸または塗布した紙等の繊維質層
から構成したことにより、極めて簡便に製造可能であ
り、しかも空気中のホルムアルデヒドが容易にその内部
に浸透することができるので、ホルムアルデヒドの捕捉
除去効率にも優れている。
【0058】また特に、裏面防湿層を、繊維質中間層
と、ホルムアルデヒド捕捉層との間に、合成樹脂を押し
出しラミネートして形成し、これを木質系基材に貼付し
た構成としたことにより、生産性が高く、しかも各層間
の接着性に優れた化粧板を容易に得ることができる。
【0059】また特に、前記表面防湿層が、防湿性の化
粧シートであることにより、本発明の目的である、ホル
ムアルデヒド発散防止効果と防湿効果とを併せ有しつ
つ、意匠性にも優れた化粧板を、簡便に製造することが
できる。
【0060】本発明の内装用部材は、上記の如き化粧板
を、角材を縦横に組んでなる枠心の表裏に貼り合わせた
構成としたことにより、従来のフラッシュ構造の内装用
部材と同様の要領によって簡便に製造することができ、
しかもホルムアルデヒド捕捉効果と防湿効果とのいずれ
にも優れた、極めて実用的価値の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧板の実施の形態を示す側断面図で
ある。
【符号の説明】
1‥‥表面防湿層 2‥‥接着剤層 3‥‥木質系基材 4‥‥接着剤層 5‥‥繊維質中間層 6‥‥裏面防湿層 7‥‥ホルムアルデヒド捕捉層
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−80980(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】木質系基材の表面に表面防湿層を、裏面に
    裏面防湿層とホルムアルデヒド捕捉層とを少なくとも積
    層してなる化粧板であって、前記ホルムアルデヒド捕捉
    層が、裏面に露出していることを特徴とする化粧板。
  2. 【請求項2】前記ホルムアルデヒド捕捉層が、ホルムア
    ルデヒド捕捉剤を含浸または塗布した繊維質層であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の化粧板。
  3. 【請求項3】前記木質系基材と、前記裏面防湿層との間
    に、繊維質中間層が設けられてなり、前記裏面防湿層
    は、前記繊維質中間層と、前記ホルムアルデヒド捕捉層
    との間に押し出しラミネート形成された合成樹脂層であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の化粧板。
  4. 【請求項4】前記表面防湿層が、防湿性の化粧シートで
    あることを特徴とする請求項1、2または3に記載の化
    粧板。
  5. 【請求項5】角材を縦横に組んでなる枠心の表裏に、請
    求項1〜4のいずれかに記載の同種または異種の化粧板
    を貼り合わせてなる、フラッシュ構造の内装用部材。
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