JPH10217399A - 防湿シート及び化粧板 - Google Patents

防湿シート及び化粧板

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JPH10217399A
JPH10217399A JP3293797A JP3293797A JPH10217399A JP H10217399 A JPH10217399 A JP H10217399A JP 3293797 A JP3293797 A JP 3293797A JP 3293797 A JP3293797 A JP 3293797A JP H10217399 A JPH10217399 A JP H10217399A
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ammonia
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layer
proof sheet
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JP3293797A
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Hitoshi Nakagawa
均 中川
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 木質系基材の吸湿や放湿による反りと木質系
基材からのアンモニアの放出を防止した防湿シートある
いは化粧板を提供することにある。 【解決手段】 紙層と防湿性の樹脂層からなり、前記ア
ンモニア吸着剤は前記紙層に含有されているアンモニア
吸着剤含有防湿シート、およびその防湿シートを木質系
基材に貼着したアンモニア吸着剤含有化粧板とすること
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木質系の基材に貼着
する防湿シートあるいはそれを用いる化粧板に関するも
のであり、特に木質系基材の吸湿や放湿による反りと木
質系基材からのアンモニアの放出を防止した防湿シート
あるいは化粧板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、合板、中密度ファイバーボー
ド、パーティクルボード等の木質系基材の表面に化粧シ
ートを貼着してなる化粧板が多用されている。木質系基
材は、ある程度の水分を含んでいるが、環境の湿度が高
いときには水分をさらに吸収して伸張し、環境の湿度が
低いときには水分を放出して収縮するという性質があ
る。
【0003】化粧シートが樹脂含浸紙や樹脂フィルムか
ら構成されている場合、化粧シートは防湿性を有するこ
とになり、この化粧シートを木質系基材の一方の面に貼
着した化粧板は、一方の面と他方の面とで水分の透過性
に差が生じて、木質系基材の水分分布にも差が生じる。
その結果、一方の面と他方の面とで伸張や収縮の度合い
に差が生じて化粧板に反りが発生する。この現象は、化
粧板の両面が同じ湿度の環境におかれているときにも発
生する。
【0004】化粧シートが防湿性を持たず水分を透過さ
せる場合は、化粧板の両面の水分の透過性に大差がな
く、両面が同じ湿度環境にあるときは反りは生じ難い。
しかしながら、例えば化粧板をドアに用いるときのよう
に、両面の湿度環境に大きな差がある場合は、木質系基
材の水分分布に一方の面側と他方の面側とで差が生じ
て、その結果、両面の伸張や収縮の度合いが異なって反
りが発生することになる。
【0005】いずれの場合も十分な補強を行えば反りの
発生はある程度防止されるが、例えばフラッシュ構造の
ドアのように補強を十分にすることができない構造のと
きは、反りの発生は不可避となる。
【0006】木質系基材を用いる化粧板の反りを防止す
る簡便な方法として、本出願人は、紙層と防湿性樹脂層
からなる防湿シートを木質系基材の裏面に貼着すること
を、特願平7−206644号公報にて提案した。この
防湿シートは、カールし難いため木質系基材への貼着作
業が容易な上、火気に対して安全なエマルジョン型接着
剤によって基材への貼着ができるという特徴を有するも
のであった。
【0007】一方、合板、中密度ファイバーボード、パ
ーティクルボード等は接着剤によって結合されており、
この接着剤としては接着性能やコストの点から尿素或い
は酢ビ・尿素系の接着剤を用いることが多い。この場
合、接着剤中にホルムアルデヒドが残留して刺激臭を放
ち、使用に耐えないという欠点があるが、それを防止す
る方法として特公昭50−28485号公報のような解
決法等がいろいろ提案されてきた。
【0008】そのことにより、残留ホルムアルデヒドを
少なくすることは可能となるが、この残留ホルムアルデ
ヒドの問題以外に、アンモニアを放出するものもあり、
その場合ホルムアルデヒド同様、刺激臭の非常に強い、
使用に耐えないアンモニア臭が発生するとの欠点が伴う
ものも多く見受けられるものであった。
【0009】その発生原因としては、明確ではないとこ
ろもあるが、尿素或いは酢ビ・尿素系等の接着剤の硬化
剤または触媒として使用される塩化アンモニウムが木質
系基材中に残留し、それが空気中の水分や、化粧シート
を貼着する際に使用される水溶性の接着剤等によりアン
モニアガスとなり、アンモニア臭が発生する、または、
上述した残留ホルムアルデヒドの放出量を現象させ、か
つ尿素或いは酢ビ・尿素系等の接着剤の接着強度の低下
を防ぐものとして、脱脂大豆粉や小麦粉等の蛋白質に富
む粉末を増量剤として製糊時に添加する方法があるが、
これを添加することで逆にアンモニア臭を放つ原因とな
ることが考えられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とする
ところは、吸湿または放湿による反りとアンモニアの放
出、さらにはホルムアルデヒドの放出という木質系基材
の本質的な問題点を一挙に解決することであり、またこ
れらの問題が解消された木質系基材化粧板を提供するこ
とである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、防湿シートにアンモニア吸着剤を含有
させる。この防湿シートは、水分の透過を防止するのみ
ならずアンモニアを捕捉するものとなる。
【0012】防湿シートは紙層と防湿性の樹脂層から構
成することができる。この場合、アンモニア吸着剤を紙
層に含有させてもよく、防湿性の樹脂層に含有させても
よい。さらに、紙層と防湿性の樹脂層をアンカーコート
層を介して貼着した構成とし、アンモニア吸着剤をアン
カーコート層に含有させてもよい。また、これらの層間
を接着剤にて貼着する構成とする場合には、その接着剤
層にアンモニア吸着剤を含有させてもよい。
【0013】防湿シートを接着層を介して貼着された紙
層と珪素酸化物あるいは金属、金属酸化物を蒸着したも
しくはポリ塩化ビニリデンを施した樹脂層、または金属
箔から構成し、アンモニア吸着剤を紙層または接着層に
含有させてもよい。樹脂層はそれ自体が防湿性を有しな
い場合でも、珪素酸化物あるいは金属、金属酸化物を蒸
着したもしくはポリ塩化ビニリデンを施した樹脂層、ま
たは金属箔とすることにより防湿性を有するものとな
る。なお、アンモニア吸着剤は紙層と接着層の両方に含
有させてもよい。
【0014】2つの紙層を防湿性の樹脂層または珪素酸
化物あるいは金属、金属酸化物を蒸着したもしくはポリ
塩化ビニリデンを施した樹脂層、または金属箔の両面に
設けた防湿シートとしてもよい。両面に紙層が存在する
ことにより防湿シートの接着性が向上する。
【0015】前記目的を達成するために、本発明ではま
た、木質系基材から成る化粧板において、上記の防湿シ
ートを木質系基材に貼着する。防湿シートを貼着した化
粧板の面は水分の透過が防止されるため、木質系基材の
内部と外界とで水分の平衡が保たれないような湿度環境
に化粧板を用いる場合でも、木質系基材が吸湿したり放
湿したりすることがない。したがって、木質系基材の水
分含有量が一定に保たれ、化粧板の伸張や収縮が防止さ
れる。また、木質系基材に含まれていたアンモニアや結
合用接着剤の分解等によって木質系基材中に発生するア
ンモニアは、防湿シート中の吸着剤に捕捉されるため、
アンモニアが外界に放出されることがない。
【0016】防湿シートを貼着していない木質系基材の
面に防湿性の化粧シートを貼着した化粧板としてもよ
い。この化粧板は両面に防湿性のシートを有しているた
め、化粧板内部と外界の間での水分の移動が防止され
る。したがって、外界の湿度の高低に関わらず木質系基
材の水分含有量が常時一定になり、木質系基材の水分分
布が一様になる。それ故、木質系基材は伸張したり収縮
したりしない。特に、同一構成からなる防湿性を有する
シートを使用することにより、表裏面の吸・放湿を一定
化できるので木質系基材の反りを防止でき、さらにアン
モニアの外界への放出を防ぐことが可能となる。
【0017】本発明では、また、木質系基材から成る化
粧板において、防湿シートをアンモニア吸着剤を含有す
る接着剤によって木質系基材に接着する構成としてもよ
い。この化粧板も、木質系基材の内部と外界とで水分の
平衡が保たれないような湿度環境に用いる場合でも、木
質系基材の吸湿や放湿が防がれて、木質系基材の水分含
有量が変化せず化粧板の伸張や収縮が防止される。ま
た、木質系基材中のアンモニアは接着剤中の吸着剤によ
って捕捉されて、外界に放出されない。さらに、防湿シ
ートにもアンモニア吸着剤が含有されているものを利用
することで、より確実にアンモニアの外界への放出を防
ぐことが可能となる。
【0018】さらに、本発明では、防湿シートまたは接
着剤の少なくとも一方にホルムアルデヒド吸着剤を含有
した化粧板としてもよく、このような構成とすることに
より、吸湿や放湿に起因する反りの発生を防止し、アン
モニアの放出を防止するとともに、ホルムアルデヒドの
放出をも防ぐことが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明のアンモニア吸着剤を含有
する防湿シートおよび化粧板について、図1〜図5を参
照して説明する。図1は本発明の第1の実施形態の化粧
板10の構造を模式的に示す断面図である。化粧板10
は木質系基材1の上面(表面)および下面(裏面)に化
粧シート2およびアンモニア吸着剤含有防湿シート3a
をそれぞれ接着して構成されている。上面および下面の
接着に用いた接着剤はそれぞれ接着剤層4および5を形
成している。
【0020】木質系基材としては、合板、中密度ファイ
バーボード、パーティクルボード等の、木質系の材料を
接着剤によって結合したものを用い、その材料の結合
は、尿素系樹脂からなる接着剤によって行っている。こ
の接着剤は接着性能、使用方法の簡便さ、低価格等の利
点を有しているが、その硬化剤または触媒として、通
常、塩化アンモニウムが使用されるものであり、この塩
化アンモニウムが木質系基材中に残留し、その後、使用
時等にアンモニアガスとして発生することにより、アン
モニアの刺激臭がするものであると考えられる。
【0021】化粧シート2は特定の材質や構成に限定さ
れるものではなく、任意の材質の単層あるいは積層構造
のものを用途に応じて選択することができ、例えば、上
質紙、薄葉紙、和紙、クラフト紙、リンター紙、板紙、
石膏ボード紙等の紙、ポリエチレンフィルム、ポリプロ
ピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビ
ニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポ
リエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネート
フィルム、アクリル樹脂フィルム、ナイロンフィルム、
ポリスチレンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フ
ィルム、エチレンビニルアルコール共重合体フィルム、
ポリエステル、ビニロン等の合成樹脂繊維・ガラス繊維
等からなる不織布、アイオノマー等のプラスチックフィ
ルム、鉄、アルミニウム、銅等の金属箔若しくはシート
が使用される。ここではインキの付着性の良さ、強度の
高さ、成形の容易さ等を考慮して、薄葉紙、強化紙、混
抄紙等の紙やポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリプロ
ピレン等の熱可塑性樹脂フィルムが用いられ、その表面
にインキで木目等の絵柄を印刷したものを用いている。
【0022】アンモニア吸着剤含有防湿シート3aは、
アンモニア吸着剤を含有した防湿性の樹脂層31aの両
面に薄葉紙32、33を貼着した3層構造である。アン
モニア吸着剤は、酸化ジルコニウム、リン酸ジルコニウ
ム等のジルコニウム酸化物、クロム(Cr)、マンガン
(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅
(Cu)、バナジウム(V)等の酸化物、チタン、アル
ミニウム、マグネシウム、カルシウム、珪素から選ばれ
る1種以上と亜鉛とを主成分とする酸化物凝集粒子、硫
化鉄、酸化鉄や硫化鉄にL−アスコルビン酸を結合させ
たもの、ケイ酸マグネシウム、金属イオンと高分子から
なるキレート化合物、ゼオライト、活性炭、あるいは
酸、金属イオン(Cr、Mn、Co、Ni、Cu、V
等)、ハロゲン化物を担持させた添着炭、スルホン化炭
等のものが挙げられ、その接着剤の種類や用途等によ
り、適宜選択すればよいものである。
【0023】防湿性の樹脂としては、悪条件下での化粧
板の使用を考えるとポリエチレンに代表される疎水性の
高いポリオレフィン系を用いるとよい。ただし、使用環
境に応じて、ポリエチレンテレフタレートに代表される
ポリエステル系またはナイロンに代表されるポリアミド
系の樹脂を用いることもできる。成形や加工の容易性、
アンモニア吸着剤の混合の良否を考慮して選択する。こ
こでは、ポリエチレン樹脂を用いており、溶融した樹脂
にアンモニア吸着剤を添加して押し出し、エクストルー
ジョンラミネート法によって薄葉紙32、33と積層し
ている。
【0024】こうして得られたアンモニア吸着剤含有防
湿シート3aを、例えば酢酸ビニル系接着剤によって、
表面に化粧シート2を貼着された木質系基材1の裏面に
接着して、化粧板10を得る。
【0025】この化粧板10は、両面が防湿性を有して
おり、表面および裏面からの水分の出入りが防止され、
木質系基材1の水分含有量は、環境の湿度によらず一定
に保たれる。また、木質系基材1の内部の水分分布は一
様になる。その結果、吸湿または放湿に起因する木質系
基材1の伸張や収縮が防止されて、化粧板10には反り
が発生しない。
【0026】化粧板10の側面は防湿処理されていない
ため、ここから水分の出入りは可能であるが、側面の面
積は表裏両面の面積に比べて小さく、水分の出入りは僅
かであり、その速度も低い。したがって、環境湿度が極
端に高いか極端に低い場合以外には、木質系基材1に伸
張や収縮は生じ難い。たとえかなりの量の吸湿や放湿が
あった場合でも、木質系基材1の表裏両面間の水分分布
に差が生じることはなく、化粧板10が反ることはな
い。
【0027】また、アンモニアは接着剤層5および薄葉
紙層32を透過してアンモニア吸着剤含有防湿性樹脂層
31aに達し、これに含有されているアンモニア吸着剤
に捕捉される。化粧板10の側面にはアンモニア吸着剤
添加処理をしていないが、大部分のアンモニアは広い面
積に亙って分布するアンモニア吸着剤によって捕捉され
るため、側面から外界に出るアンモニアはごく限られた
量となる。
【0028】化粧板10の側面に防湿処理およびアンモ
ニア吸着剤塗布処理を行って、化粧板10の伸張や収縮
およびアンモニアの放出を完全に防止するようにしても
よい。また、ここでは防湿性を有する化粧シート2を用
いたが、化粧板の表面側を、例えば室内等の、木質系基
材との水分平衡が略保たれる湿度環境に設置するときに
は、化粧シート2を必ずしも防湿性とする必要はない。
【0029】本発明の第2の実施形態の化粧板20の構
造を模式的に図2に示す。以下、既に説明した構成要素
は同一の符号によって表記し、重複する説明は省略す
る。本実施形態の化粧板20は第1の実施形態の化粧板
10とアンモニア吸着剤含有防湿シートの構成が異な
る。化粧板20のアンモニア吸着剤含有防湿シート3b
は、アンモニア吸着剤を含有しない防湿性樹脂層31を
有しており、木質系基材1側の薄葉紙32aがアンモニ
ア吸着剤を含有している。他の構成は前述の化粧材10
と同様である。
【0030】アンモニア吸着剤含有薄葉紙32aは、3
通りの方法で作製することができる。第1の方法は、薄
葉紙を漉く際に、水溶性のアンモニア吸着剤を添加して
混抄するものである。第2の方法は、薄葉紙をアンモニ
ア吸着剤の水溶液に浸漬した後、乾燥するものである。
第3の方法は、微細粉末としたアンモニア吸着剤を薄葉
紙表面に擦り込むものである。
【0031】この化粧板20においても、木質系基材1
の吸湿または放湿による反りと、アンモニアの放出とを
防止することができる。
【0032】本発明の第3の実施形態の化粧板30の構
造を模式的に図3に示す。化粧板30のアンモニア吸着
剤含有防湿シート3cは、アンモニア吸着剤を含有する
アンカーコート層34aを介して、アンモニア吸着剤を
含有しない防湿性樹脂31を薄葉紙32に貼着している
点で、第1の実施形態の化粧板10と異なっている。ア
ンカーコート層は紙面と樹脂との密着性を良好なものと
して紙層と樹脂層の密着性を高めるものであり、ここで
は、湿気硬化型イソシアネート樹脂を用いている。アミ
ン系樹脂によってアンカーコート層を形成してもよい。
本実施形態の場合、薄葉紙33の防湿性樹脂31側に
も、同様にしてアンカーコート層を形成してもよい。
【0033】アンカーコート層となる樹脂溶液を薄葉紙
32に塗布する前に、この樹脂溶液に粉末のアンモニア
吸着剤を懸濁するか、または有機溶媒に可溶なアンモニ
ア吸着剤を溶解することにより、アンモニア吸着剤含有
アンカーコート層34aが得られる。
【0034】木質系基板1のアンモニアは接着剤層5お
よび薄葉紙層32を透過してアンカーコート層34aに
達し、これに含有されているアンモニア吸着剤に捕捉さ
れる。この構成の化粧板30も反りとアンモニアの放出
が効果的に防止される。
【0035】本発明の第4の実施形態の化粧板40の構
造を模式的に図4に示す。この化粧板40のアンモニア
吸着剤含有防湿シート3dは、アンモニア吸着剤を含有
する薄葉紙32a、防湿性の樹脂層35、薄葉紙33よ
り成る。防湿性の樹脂層35は、化粧板10、20、3
0の防湿性樹脂層31a、31と異なり、樹脂自体が高
い防湿性を有するものではなく、樹脂層36に防湿性の
珪素酸化物蒸着層37を形成することにより防湿性を付
与されている。したがって、樹脂層36としてはポリオ
レフィン系、ポリエステル系、あるいはポリアミド系の
みなず、セルロース系のような親水性樹脂を用いること
もできる。ここでは、2軸延伸ポリエステルフィルムを
使用している。
【0036】樹脂層36は5〜300μmの厚さとする
ことが、蒸着層37の亀裂や剥離が生じない範囲で適度
の柔軟性をもたせるために好適である。珪素酸化物蒸着
層37は、亀裂や剥離を生じることなくかつ十分な防湿
性を得るために、10〜300nmの厚さに形成するの
が好ましい。
【0037】防湿性の樹脂層35により、化粧板40の
下面側の水分の透過が防止される。また、木質系基材1
のアンモニアは接着剤層5を透過して、薄葉紙32aに
含有されるアンモニア吸着剤に捕捉される。したがっ
て、化粧板40は木質系基材1の吸湿や放湿に起因する
反りと、アンモニアの放出が防止されることになる。
【0038】なお、珪素酸化物の代わりに、アルミニウ
ム等の金属またはアルミニウム酸化物、マグネシウム酸
化物等の金属酸化物を樹脂層36に蒸着して蒸着層を形
成してもよく、蒸着層37に代えてポリ塩化ビニリデン
によって樹脂層36の表面を覆ってもよい。また、アル
ミニウムや鉄等の金属箔を使用してもよい。いずれの構
成でも水分の透過が防止されて、木質系基材1に反りが
生じない。特に、この場合には、透湿度が1g/m2
24hr以下の防湿性に非常に優れたものとすることも
可能である。
【0039】本発明の第5の実施形態の化粧板50の構
造を模式的に図5に示す。この化粧板50では、防湿シ
ートにアンモニア吸着剤を含有させることに代えて、ア
ンモニア吸着剤を含有しない防湿シート3と木質系基材
1間の接着剤層5aにアンモニア吸着剤を含有させる構
成としている。
【0040】防湿シート3は、例えば、前述のアンモニ
ア吸着剤含有防湿シート3a、3b、3cと同様の構成
でアンモニア吸着剤を加えないものとしてもよく、ある
いは、珪素酸化物蒸着層を有する防湿シート3dにアン
モニア吸着剤を加えないものとしてもよい。さらには、
防湿性を有する限り、任意の構成とすることができるも
のである。
【0041】接着剤層5aは、例えば、酢酸ビニル系樹
脂の接着剤原料溶液に、有機溶媒可溶性のアンモニア吸
着剤を溶解するかまたは粉末のアンモニア吸着剤を懸濁
しておいて、これによって木質系基材1と防湿シート3
を接着した後乾燥することによって形成する。
【0042】この化粧板50においても、反りとアンモ
ニアの放出が効果的に防止される。なお、同様に、木質
系基材1と化粧シート2間の接着剤層4にアンモニア吸
着剤を含有させると、アンモニア捕捉効果が一層高ま
り、より安全で無臭の化粧板を得ることができる。
【0043】接着剤にアンモニア吸着剤を含有させる方
法は、防湿シート内の樹脂層と紙層を接着するときにも
適用することができる。防湿シートを構成するいずれか
の層にアンモニア吸着剤を含有させること、防湿シート
内の層を接着する接着剤にアンモニア吸着剤を含有させ
ること、防湿シートと木質系基材とを接着する接着剤に
アンモニア吸着剤を含有させることは、それぞれ排他的
なものではなく、これらを組み合わせることでアンモニ
ア捕捉効果の一層高い防湿シートや化粧板を得ることが
できる。
【0044】上記のいずれの実施形態においても紙層に
薄葉紙を使用する場合を例示したが、防湿シートを構成
する紙層に、他の種類の紙を使用しても差し支えない。
また、アンモニア吸着剤含有防湿シートは、枚葉成形に
よっても連続成形によっても製造することができる。
【0045】さらに、前記図1〜図5の実施例に示され
た、いずれかの層および化粧シート層の印刷インキ等の
化粧層にホルムアルデヒド吸着剤を含有させることによ
り、ホルムアルデヒドの放出を防止するようにしてもよ
いものである。ホルムアルデヒド吸着剤としては、代表
的な物質は有機アミノ化合物であり、この化合物はホル
ムアルデヒドと容易に反応し、その生成物がホルムアル
デヒドを解離せず、無害で安定な物質であって、例えば
ジシアンジアミド、尿素などのアミド類、エチレン尿
素、プロピレン尿素、5−ヒドロキシプロピレン尿素、
5−メトキシプロピレン尿素、5−メチルプロピレン尿
素、パラバン酸(グリオキザールモノウレイン)、4,
5−ジメトキシエチレン尿素等の環状アルキレン尿素、
酸イミド類、アミン類等が挙げられ、中でも尿素または
環状アルキレン尿素が特に好ましいものである。さらに
必要に応じて水酸化アンモニウムを添加してもよいもの
である。
【0046】
【発明の効果】請求項1の防湿シートによるときは、水
分の透過を防止することができるのみならずアンモニア
を捕捉することも可能であるから、木質系基材に貼着す
ることにより、その吸湿と放湿に起因する反りとアンモ
ニアの放出を防止することができる。
【0047】請求項2ないし請求項5の防湿シートはい
ずれも、水分透過の防止とアンモニアの捕捉の両機能を
兼ね備えるシートを、簡素な構成によって実現したもの
となっている。これらの防湿シートは、アンモニア吸着
剤を含有する層と他の層を積層するだけで容易に作製さ
れ、しかもどの層にも1工程程度で容易にアンモニア吸
着剤を含有させておくことが可能であるから、製造工程
が複雑にならない。これらの防湿シートの木質系基材へ
の貼着も容易である。
【0048】請求項6の防湿シートも簡素な構成であ
り、木質系基材に容易に貼着することができる。この防
湿シートの樹脂層は珪素酸化物あるいは金属、金属酸化
物を蒸着したもしくはポリ塩化ビニリデンを施した樹脂
層、または金属箔からなりことによって防湿性を与えら
れるものであるから、樹脂層を成す樹脂自体が防湿性を
有する必要がなく、樹脂材料を広い範囲の中から選択す
ることができる。また、紙層にあらかじめアンモニア吸
着剤を含有させておくことや、紙層と樹脂層を接着する
接着剤にアンモニア吸着剤を含有させてこくことは容易
であるから、この防湿シート自体の製造も容易である。
【0049】請求項7の防湿シートは、両面の接着性が
高くなり、化粧板とこの防湿シートを介して接着される
面とを強固に結合することができる。
【0050】請求項8の化粧板は、吸湿や放湿に起因す
る反りの発生が防止されるため、反り防止のための補強
構造を用いることなく、様々な湿度環境で使用すること
ができる。しかも、アンモニアの放出が防止されるた
め、安全で無臭な化粧板となっている。また、木質系基
材にアンモニア吸着剤を含有させておく必要がないため
木質系基材の製造が容易であり、防湿シートの貼着も容
易であるから、従来より確立されている少工程数で短時
間の製造法によって、容易に化粧板を製造することがで
きる。
【0051】請求項9、10の化粧板は、両面が防湿性
であるため、湿度条件に関し悪環境で使用する場合でも
反りが発生しない。また、安全無臭な化粧板であり、木
質系基材に化粧シートと防湿シートを貼着するだけで容
易に製造することができる。特に、同一構成からなる防
湿性を有するシートを使用することにより、表裏面の吸
・放湿を一定化できるので木質系基材の反りを確実に防
止できる。
【0052】請求項11の化粧板も、吸湿や放湿に起因
する反りの発生およびアンモニアの放出が防止された化
粧板となっている。しかも、木質系基材の種類や製造方
法および防湿シートの種類や製造方法に制約がなく、最
終的に基材と防湿シートを接着するときの接着剤にアン
モニア吸着剤を含有させるだけで、容易に製造すること
ができる。
【0053】請求項12の化粧板は、防湿シートまたは
接着剤にホルムアルデヒド吸着剤を含有していることに
より、吸湿や放湿に起因する反りの発生を防止し、アン
モニアの放出を防止するとともに、ホルムアルデヒドの
放出をも防止できる安全で無害な化粧板となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の化粧板の構造を模
式的に示す断面図。
【図2】 本発明の第2の実施形態の化粧板の構造を模
式的に示す断面図。
【図3】 本発明の第3の実施形態の化粧板の構造を模
式的に示す断面図。
【図4】 本発明の第4の実施形態の化粧板の構造を模
式的に示す断面図。
【図5】 本発明の第5の実施形態の化粧板の構造を模
式的に示す断面図。
【符号の説明】
10、20、30、40、50 化粧板 1 木質系基材 2 化粧シート 3 防湿シート 3a、3b、3c、3d アンモニア吸着剤含有防湿シ
ート 4、5 接着剤層 5a アンモニア吸着剤含有接着剤層 31 防湿性樹脂層 31a アンモニア吸着剤含有防湿性樹脂層 32、33 薄葉紙 (紙層) 32a アンモニア吸着剤含有薄葉紙 (アンモニ
ア吸着剤含有紙層) 34a アンモニア吸着剤含有アンカーコート層 35 防湿性樹脂層 36 樹脂層 37 珪素酸化物蒸着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08J 5/18 C08J 5/18

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンモニア吸着剤を含有することを特徴
    とする防湿シート。
  2. 【請求項2】 紙層と防湿性の樹脂層からなり、前記ア
    ンモニア吸着剤は前記紙層に含有されていることを特徴
    とする請求項1記載の防湿シート。
  3. 【請求項3】 紙層と防湿性の樹脂層からなり、前記ア
    ンモニア吸着剤は前記防湿性の樹脂層に含有されている
    ことを特徴とする請求項1記載の防湿シート。
  4. 【請求項4】 アンカーコート層を介して貼着された紙
    層と防湿性の樹脂層からなり、前記アンモニア吸着剤は
    前記アンカーコート層に含有されていることを特徴とす
    る請求項1記載の防湿シート。
  5. 【請求項5】 前記紙層、前記防湿性の樹脂層、前記ア
    ンカーコート層のいずれかの層間に接着層を有する構成
    からなり、前記アンモニア吸着剤は前記接着層に含有さ
    れていることを特徴とする請求項2ないし請求項4のい
    ずれかに記載の防湿シート。
  6. 【請求項6】 接着層を介して貼着された紙層と、珪素
    酸化物あるいは金属、金属酸化物を蒸着したもしくはポ
    リ塩化ビニリデンを施した樹脂層、または金属箔からな
    り、前記アンモニア吸着剤は前記紙層または前記接着層
    の少なくとも一方に含有されていることを特徴とする請
    求項1記載の防湿シート。
  7. 【請求項7】 2つの紙層が前記樹脂層の両面に設けら
    れていることを特徴とする請求項2ないし請求項6のい
    ずれかに記載の防湿シート。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7のいずれかに記
    載の防湿シートを木質系基材に貼着してなることを特徴
    とする化粧板。
  9. 【請求項9】 前記防湿シートを貼着していない前記木
    質系基材の面に防湿性の化粧シートを貼着してなること
    を特徴とする請求項8記載の化粧板
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項7のいずれかに
    記載の防湿シートを木質系基材の両面に貼着してなるこ
    とを特徴とする請求項8または9記載の化粧板。
  11. 【請求項11】 防湿シートをアンモニア吸着剤を含有
    する接着剤によって木質系基材に接着してなることを特
    徴とする化粧板。
  12. 【請求項12】 前記防湿シートまたは前記接着剤の少
    なくとも一方にホルムアルデヒド吸着剤を含有している
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか
    に記載の防湿シートまたは化粧板。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012051203A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Dainippon Printing Co Ltd 防湿化粧シート及び防湿化粧材
JP2012081761A (ja) * 2011-11-28 2012-04-26 Sumitomo Forestry Crest Co Ltd 化粧紙、化粧板及び化粧板の製造方法
JP2014148170A (ja) * 2014-03-24 2014-08-21 Dainippon Printing Co Ltd 防湿化粧シート及び防湿化粧材の製造方法
JP2017080908A (ja) * 2015-10-22 2017-05-18 凸版印刷株式会社 防湿化粧板および建具

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