JP3334475B2 - ホルマリン捕捉防湿シート及び化粧板及び内装用部材 - Google Patents

ホルマリン捕捉防湿シート及び化粧板及び内装用部材

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JP3334475B2 JP01589896A JP1589896A JP3334475B2 JP 3334475 B2 JP3334475 B2 JP 3334475B2 JP 01589896 A JP01589896 A JP 01589896A JP 1589896 A JP1589896 A JP 1589896A JP 3334475 B2 JP3334475 B2 JP 3334475B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、壁面材や造作部
材、建具等の建装材や家具等に使用して、基材から発生
するホルマリンを捕捉して無臭化、無害化するホルマリ
ン捕捉機能を有するとともに、基材の吸放湿による反り
の発生を防止する防湿効果を有するホルマリン捕捉シー
ト、及びそれを用いた化粧板及び内装用部材に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、壁面材や造作部材、建具等の建装
材や家具等の製造において、天然木材の無垢材よりも安
価な材料として、合板、パーティクルボード、ハードボ
ード、中密度繊維板(MDF)等の繊維板、珪酸カルシ
ウム板や石膏ボード等の無機質板等の基材が広く用いら
れている。これらの基材は天然木材の無垢材と比較して
表面の意匠性が劣るため、紙や合成樹脂フィルム等に木
目、石目や抽象柄等の各種意匠を施した化粧紙や化粧シ
ートが別途用意されていてこれを表面に貼付して用いた
り、または予め表面に化粧紙や化粧シート等で意匠を施
してなる化粧板が用意されていてこれを用いる方法が、
ますます広く行われる様になっている。
【0003】前記した合板、中密度繊維板等の木質材料
を樹脂加工してなる基材は、製造時にホルマリンを含有
する接着剤を使用したものが多く、製造後も遊離のホル
マリンや熱処理時の分解によるホルマリンが残留するた
め、こうした基材を使用して製造された部材からは、有
害で特異な不快臭を有するホルマリンが発散し、使用者
にアレルギー症状等の健康被害や不快感を与える場合が
あり、非常に大きな問題となっている。
【0004】この問題を解決する手段として従来、
(A)ホルマリンを含有・発生しない接着剤を使用して
基材を製造する方法、(B)ホルマリン捕捉剤を配合し
た接着剤を使用して基材を製造する方法、(C)基材の
製造後にホルマリン捕捉剤を塗布または含浸する方法、
(D)基材への化粧紙の貼着時にホルマリン捕捉剤を含
有する接着剤を使用する方法、(E)ホルマリン捕捉剤
を含浸した紙を、部材内部の空洞部に充填する方法、
(F)ホルマリン捕捉剤を含浸した紙を、基材や化粧
板、部材等の梱包に使用する方法、等が提案されてい
た。
【0005】しかしながら、上記した各種の方法の内、
(A)は性能面・価格面で満足できる接着剤が存在しな
いという問題点があり、(B)はホルマリン発生を嫌う
特定用途向けのみの小ロット生産はコスト高となるとい
う問題点があり、(C)は専用の塗装機が必要となり、
また工程が煩雑になるという問題点があり、(D)は特
定用途のみに接着剤を使い分ける必要が生じ、資材管理
や工程管理が煩雑になるという問題点があり、(E)は
適用可能な部材の種類が限定される他、部材の表面側か
らのホルマリンの発散に対しては効果が得られないとい
う問題点があり、(F)は当然ながら、開梱により効果
が失われてしまうという問題点があった。
【0006】そこで、簡便な方法で永続的なホルマリン
捕捉効果を得る目的で、(G)ホルマリン捕捉剤を含浸
した紙を基材とした化粧紙を基材に貼付する方法も提案
されていた(特公昭52−134号公報参照)。しかし
ながらこの方法は、ホルマリン捕捉効果は得られても、
基材の吸放湿による反りの発生を防止する防湿効果は得
られないものであった。
【0007】すなわち、ドア等の様に大型平面状の内装
用部材では、価格の低減と共に軽量化をも目的として、
角材を縦横に組んでなる枠心(フレームコア)の表裏に
単板、合板等の板材を張り合わせた所謂フラッシュ構造
が広く採用されているが、このフラッシュ構造の部材は
環境条件の異なる二つの空間の境界に置かれると、表裏
の2枚の板材の吸放湿による伸縮が異なるために、部材
が全体として反ってしまうという問題点があり、この問
題点を解決する方法として、フラッシュ構造の部材の表
裏の板材の表裏両面に防湿性(非透水・非透湿性)シー
トを積層しておく方法が提案されている(特開平6−2
72455号公報参照)。
【0008】しかしながら、この方法でホルマリン捕捉
効果をも持たせようとすると、フラッシュ構造の部材の
表裏の板材にまずホルマリン捕捉剤を含浸した紙を積層
したのちに、さらに防湿性シートを積層する必要が生じ
る為、工程が著しく煩雑になるという問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
技術の問題点に鑑みてなされたものであって、有害で不
快臭を有するホルマリンを発散することがなく、しかも
耐湿性にも優れた化粧部材を、簡便な工程で製造するた
めの、ホルマリン捕捉防湿シート、及びホルマリンを発
散することがなく耐湿性にも優れた化粧板及び内装用部
材を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のホルマリン捕捉
防湿シートは、ホルマリン捕捉剤含有基体層と、防湿層
と、繊維質基体層とをこの順に積層してなることを特徴
とするものである。
【0011】また本発明のホルマリン捕捉防湿シート
は、防湿層の両面に、ホルマリン捕捉剤含有基体層を
層してなることを特徴とするものである。
【0012】本発明の化粧板は、少なくともホルマリン
捕捉剤含有基体層と防湿層とを積層してなるホルマリン
捕捉防湿シートを、基材の両面に貼付してなる化粧板で
あって、前記ホルマリン捕捉防湿シートの少なくとも一
方が、上記のいずれかのホルマリン捕捉防湿シートであ
ことを特徴とするものである。
【0013】また本発明の化粧板は、前記ホルマリン捕
捉防湿シートの少なくとも一方が、防湿層の両面にホル
マリン捕捉剤含有基体層をホルマリン捕捉防湿シートで
あることを特徴とするものである。
【0014】本発明の内装用部材は、角材を縦横に組ん
でなる枠心の表裏に板材を張り合わせたフラッシュ構造
のドア等の内装用部材において、前記板材が上記のいず
れかの化粧板であることを特徴とするものである。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態につき説
明する。図1は本発明のホルマリン捕捉防湿シートの実
施の形態を示す側断面図であり、図2は本発明のホルマ
リン捕捉防湿シートの他の実施の形態を示す側断面図で
あり、図3は本発明の化粧板の実施の形態を示す側断面
図である。
【0020】本発明のホルマリン捕捉防湿シート1は、
図1や図2に示す様に、少なくともホルマリン捕捉剤含
有基体層3と防湿層4とを積層してなるものである。図
1に示す例では、防湿層4上に絵柄用基体層5を介して
絵柄層6が積層され、さらにその上に保護樹脂層7が設
けられている。
【0021】ホルマリン捕捉剤含有基体層3は、ホルマ
リン捕捉防湿シート1を貼付する基材9が発散するホル
マリンを捕捉し、無臭化・無害化するために設けられる
ものであって、紙、不織布、織布等の繊維質基体にホル
マリン捕捉剤を内添、含浸または塗布して含有させたも
のを用いることが出来る。
【0022】ホルマリン捕捉剤としては、ホルマリンと
化学的に反応して無害・無臭の物質に変化させる機能を
有する物質であれば何でも使用可能であるが、特にジシ
アンジアミド、メラミン等のアミノ化合物、尿素、バル
ビツール酸、セミカルバジッド塩酸塩等のアマイド類、
グルタミン酸塩、グリシン、アラニン等のアミノ酸類等
の含窒素化合物を使用することが好ましい。
【0023】ホルマリン捕捉剤含有基体層3の厚さは特
に限定されないが、例えば紙の場合、坪量20〜100
g/m2 の範囲とすることが好ましく、中でも20〜5
0g/m2 の範囲とすることが、貼付作業性上及びコス
ト上、最も好ましい。
【0024】防湿層4は、外気中の湿気がホルマリン捕
捉防湿シート1を透過して基材9に達し、または逆に基
材9中の水分がホルマリン捕捉防湿シート1を透過して
外気中に失われるのを防止し、外気の温湿度条件に拘わ
らず基材9中の水分を一定に保つために設けられるもの
であって、その材質としては例えばポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリテトラフロロエチレン等の
合成樹脂、アルミニウム、ステンレス等の金属、ガラ
ス、酸化珪素、窒化珪素、酸化マグネシウム等の無機物
質、または樹脂含浸紙、樹脂含浸布等の様に、木材や紙
等と比較して透湿度の低い材質であれば何でも使用可能
であるが、基材9への貼付時の加工性や角部・局面部等
への追随性等の点で、合成樹脂または金属箔を使用する
ことが好ましい。
【0025】上記合成樹脂を用いる場合には、例えばア
クリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等の親水性樹脂
を用いると、要求される防湿性を得るために必要な膜厚
が厚くなり物性上・加工性上・価格上好ましくないの
で、疎水性樹脂を用いることが好ましい。また上記金属
箔を用いる場合には、加工性、耐久性、価格等を考慮す
ると、アルミニウム箔を用いることが最も好ましい。
【0026】また上記防湿層4の膜厚は特に限定されな
いが、加工性の面からは概ね100μm以下であること
が好ましい。膜厚の下限は透湿度によって決定され、透
湿度は概ね50g/m2 ・24hour以下であれば一
応の効果は得られるが、長年の経時による変化を考慮す
ると20g/m2 ・24hour以下とすることが好ま
しく、特に屋外の風雨や浴室の湿気等に曝される過酷な
環境で用いるものにあっては、5g/m2 ・24hou
r以下とすることが好ましい。
【0027】上記ホルマリン捕捉剤含有基体層3と上記
防湿層4とは通常接着剤を介して積層されるが、接着剤
の材質としては、酢酸ビニル系接着剤、ウレタン系接着
剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、合成ゴム系
接着剤、繊維素系接着剤等、従来公知の任意の接着剤が
使用できる。また接着剤を使用せずに、防湿層4を溶液
塗工法、融液塗工法、熱融着法、超音波融着法、真空製
膜法等によりホルマリン捕捉剤含有基体層3の表面に直
接積層しても良い。
【0028】本発明のホルマリン捕捉防湿シート1は、
絵柄層6を設けることによって、基材9に意匠性を付与
するための化粧シートとして使用することができる。こ
の様にすると、基材9にホルマリン捕捉防湿シート1を
貼着するという単一の工程だけで、基材9にホルマリン
発散防止機能、防湿機能に加えて意匠性をも極めて簡便
に付与することができるので、最も好適である。絵柄層
6の形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラ
ビア印刷法、スクリーン印刷法等の各種印刷法、ロール
コート法、グラビアコート法、ナイフコート法、スプレ
ーコート法等の各種コーティング法、転写法、直描法
等、従来公知の任意の方法を使用することができる。
【0029】上記絵柄層6は、防湿層4上に直接設けて
も良いし、防湿層4が透明な材質である場合には、防湿
層4とホルマリン捕捉剤含有基体層3との間に挟持した
構成とすることも可能である。また絵柄層6をホルマリ
ン捕捉剤含有基体層3上に設け、防湿層4側を基材9に
貼付する構成としても、本発明の目的は達せられる。し
かし、ホルマリン捕捉効率上、ホルマリン捕捉剤含有基
体層3は、ホルマリンの発生源たる基材9に接して貼付
する構成とした方がより好ましく、また防湿層4を構成
する合成樹脂や金属箔等は、印刷適性があまり良くない
場合があるので、図1に示す様に、防湿層4上に絵柄用
基体層5を介して絵柄層6を積層した構成とすることが
好ましい。
【0030】この様な構成とすると、例えばホルマリン
捕捉剤含有基体層3に含有される、反応性の官能基を有
するホルマリン捕捉剤が、直接若しくは紫外線の作用を
受けて、基体となる紙等や絵柄層6中の着色用顔料等と
反応して、これらを変褪色させる性質を有するものであ
っても、絵柄用基体層5及び絵柄層6が、防湿層4を介
してホルマリン捕捉剤含有基体層3から隔てられている
ので、上記の様な反応によって変褪色を発生することが
なく、長期に亘り良好な意匠性を維持することができる
ので、より好適である。
【0031】上記絵柄用基体層5は、絵柄層6の形成に
好適な材質であれば何でも良いが、印刷適性の優れた紙
を使用すると、意匠性に優れたホルマリン捕捉防湿シー
ト1を得ることができるので最も好適である。またその
厚さも特に限定されないが、印刷適性上、通常20〜5
0g/m2 の範囲が好適である。また防湿層4上への絵
柄用基体層5の積層方法としては、適当な接着剤を介す
る方法や、熱融着法等により直接積層する方法等、従来
公知の任意の方法を使用することができる。
【0032】この様にして、ホルマリン捕捉剤含有基体
層3と防湿層4に、絵柄用基体層5を介して絵柄層6を
積層した構成とすると、まず絵柄用基体層5の表面に印
刷法等により絵柄層6を設けておき、しかる後に防湿層
4を介してホルマリン捕捉剤含有基体層3と積層する方
法によるホルマリン捕捉防湿シート1の製造が可能にな
る。特に、防湿層4としてポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニリデンから選ばれる合成樹脂を使用す
ると、表面に絵柄層6を設けた絵柄用基体層5とホルマ
リン捕捉剤含有基体層3との間に、高温で溶融した樹脂
を押し出して貼り合わせ冷却硬化する、所謂エクストル
ージョンラミネート法を使用して、防湿層4の形成と同
時に接着することができるので、最も好適である。ま
た、防湿層4としてアルミニウム等の金属箔を使用する
場合にも、防湿層4と絵柄用基体層5やホルマリン捕捉
剤含有基体層3との接着に上記エクストルージョンラミ
ネート法を利用することも可能である。
【0033】保護樹脂層7は、表面の絵柄層6を保護
し、表面に耐汚染性、耐擦傷性等を付与する目的で設け
られるものであって、透明な樹脂フィルムをラミネート
したものであってもコーティング層であっても良く、例
えばアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系
樹脂、メラミン系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素系樹
脂等、従来公知の任意の材料を使用することができる。
【0034】こうして得た本発明のホルマリン捕捉防湿
シート1は、これを例えば合板、パーティクルボード、
ハードボード、中密度繊維板等、吸放湿性の木質材料を
ホルマリンを含有する接着剤を用いて樹脂加工してなる
基材9の表面に貼付することにより、その真価を発揮す
ることができる。基材9への貼付には、従来公知の任意
の接着剤を使用することができるが、本発明のホルマリ
ン捕捉防湿シート1の基材9と貼付する面のホルマリン
捕捉剤含有基体層3は、前述の通り本質的に紙、不織
布、織布等の繊維質基体を主体としたものであるので、
例えば酢酸ビニル系エマルジョン接着剤の様に、木材加
工業界や建築業界において多用されている接着剤を使用
して、従来と同様の要領で好適に施工することができ
る。
【0035】本発明のホルマリン捕捉防湿シート1を例
えばフラッシュ構造のドアの表面装飾材として使用する
場合に、基材9の表面のみならず裏面にも、ホルマリン
発散防止及び防湿効果の付与の目的でホルマリン捕捉防
湿シート1を貼付する必要があるが、裏面には意匠性付
与の必要はないので絵柄層6は必要なく、従ってホルマ
リン捕捉剤含有基体層3と防湿層4の2層構成であって
も本発明の目的は達成できる。
【0036】しかしながら、枠心との接着を考慮する
と、防湿層4の材質として上に例示した合成樹脂や金属
箔等は一般に接着性に乏しい場合が多く、特に木材加工
業界や建築業界で多用されている酢酸ビニル系エマルジ
ョン接着剤の使用は困難である。従って、図2に示す様
に、防湿層4上に、上記酢酸ビニル系エマルジョン接着
剤との接着性に優れた紙、織布、不織布等の繊維質基体
層8を積層した構成のホルマリン捕捉防湿シート1を使
用することが好ましい。
【0037】また、例えば上記したフラッシュ構造の部
材の枠心との接着部等の様に、この接着部分において特
に強度を要求される場合には、通常の紙では強度が不足
であるので、ホルマリン捕捉剤含有基体層3や繊維質基
体層8として紙間強化紙を使用することが好ましい。
【0038】また、上記したフラッシュ構造の部材の枠
心を構成する芯材や内部空間の充填材等として、平行合
板(LVL)や繊維板ハニカム材等、ホルマリンを発散
する材料を使用する場合には、防湿層4の両面側にホル
マリン捕捉剤含有基体層3を積層してなるホルマリン捕
捉防湿シート1を基材9の裏面に貼付することが好まし
い。この様な構成とすると、防湿層4の裏面側のホルマ
リン捕捉剤含有基体層3が上記芯材や充填材等に接して
いるので、芯材や充填材等からホルマリンが発生して
も、上記ホルマリン捕捉剤含有基体層3に含有されるホ
ルマリン捕捉剤により、これを効率よく捕捉することが
できるので好適である。
【0039】図3は本発明の化粧板2の一例を示したも
ので、ホルマリン捕捉剤含有基体層3、防湿層4、絵柄
用基体層5、絵柄層6及び保護樹脂層7を積層してなる
ホルマリン捕捉防湿シート1を基材9の表面に、またホ
ルマリン捕捉剤含有基体層3、防湿層4及び繊維質基体
層8を積層してなるホルマリン捕捉防湿シート1を基材
9の裏面にそれぞれ貼着してなるものである。
【0040】この様な化粧板2を予め用意しておくと、
これを枠心の表裏にそれぞれ絵柄層6が外側を向く様に
張り合わせることにより、基材9が発生するホルマリン
を外気中に発散することがなく、また外気との間の吸放
湿により基材9が伸縮して全体として反り等の変形を生
じることがなく、しかも表面に印刷等による優れた意匠
が施されたドア等のフラッシュ構造の大型平面状の内装
用部材を、極めて簡便に製造することができる。
【0041】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する。
【0042】〈実施例1〉坪量30g/m2 の紙間強化
紙に、グルタミン酸ナトリウムを25重量%、ジシアン
ジアミドを5重量%それぞれ溶解した水溶液を含浸して
脱水、乾燥し、坪量35g/m2 のホルマリン補足剤含
有基体層を得た。
【0043】上記と同一の坪量30g/m2 の紙間強化
紙を絵柄用基体層とし、これにグラビア印刷法により木
目模様の絵柄層と2液硬化ウレタン樹脂による保護樹脂
層とを施し、これと上記ホルマリン補足剤含有基体層と
の間に、エクストルージョンラミネート法により、ポリ
エチレン樹脂層を厚さ25μmに設けて防湿層を形成し
て、絵柄の意匠が施されたホルマリン捕捉防湿シートを
得た。
【0044】一方、上記と同一の坪量30g/m2 の紙
間強化紙を繊維質基体層とし、これと上記ホルマリン補
足剤含有基体層との間に、エクストルージョンラミネー
ト法により、ポリエチレン樹脂層を厚さ25μmに設け
て防湿層を形成して、絵柄の意匠のないホルマリン捕捉
防湿シートを得た。
【0045】厚さ2.5mmの中密度繊維板を基材と
し、この片面に上記絵柄の意匠が施されたホルマリン捕
捉防湿シートを、もう片面に上記絵柄の意匠のないホル
マリン捕捉防湿シートを、それぞれホルマリン補足剤含
有基体層を基材表面側に向けて、酢酸ビニル系エマルジ
ョン接着剤を使用して貼付し、化粧板を得た。
【0046】30mm角の角材を縦横に組んでなる枠心
の表裏に、上記化粧板を、それぞれ絵柄の意匠が施され
た面を外側に向けて、酢酸ビニル系エマルジョン接着剤
を使用して張り合わせ、ドア用部材を得た。
【0047】このドア用部材を、片面は40°C60%
RH、他面は20°C30%RHの環境条件で1週間の
反り試験を行ったところ、反りは1mあたり1mm以下
であった。また、このドア用部材に使用した化粧板を用
いて、JIS−A−5905に記載のホルムアルデヒド
放出量試験を行ったところ、ホルムアルデヒド放出量は
1mg/l以下であった。
【0048】<比較例1>実施例1と同一の坪量30g
/m2 の紙間強化紙に、実施例1と同一の要領で絵柄層
及び保護樹脂層を施した化粧シートを、実施例1と同一
の中密度繊維板の片面に、実施例1と同一の要領で貼付
し、化粧板を得た。
【0049】実施例1と同一の枠心の表裏に、上記化粧
板を、化粧シートが貼付された面を外側に向けて、実施
例1と同一の要領で張り合わせ、ドア用部材を得た。
【0050】このドア用部材を、実施例1と同一の条件
で反り試験を行ったところ、1mあたり約4mmの反り
が発生した。また、実施例1と同一の条件でホルムアル
デヒド放出量試験を行ったところ、ホルムアルデヒド放
出量は約4.8mg/lに達した。
【0051】
【発明の効果】本発明のホルマリン捕捉防湿シートは、
少なくともホルマリン捕捉剤含有基体層と防湿層とを積
層した構成としたことにより、各種部材の基材として、
有害で不快臭を有するホルマリンを発散する、木質材料
を樹脂加工してなる基材を使用しても、その基材の表面
に前記ホルマリン捕捉防湿シートを貼付するという単一
の工程を経るだけで、有害で不快臭を有するホルマリン
を発散することがなく、また吸放湿による伸縮や変形を
発生することのない高品質の部材を、極めて簡便に製造
することができるという優れた利点を有するものであ
る。
【0052】また本発明のホルマリン捕捉防湿シート
は、前記防湿層上に、絵柄用基体層を介して絵柄層を積
層した構成としたことにより、基材の表面に前記ホルマ
リン捕捉防湿シートを貼付するという単一の工程を経る
だけで、有害で不快臭を有するホルマリンを発散するこ
とがなく、吸放湿による伸縮や変形を発生することもな
く、しかも表面に印刷等により自由に表現された優れた
意匠をも兼ね備えた高品質の部材を、極めて簡便に製造
することができるという優れた利点を有するものであ
る。
【0053】また本発明のホルマリン捕捉防湿シート
は、前記防湿層上に、繊維質基体層を有する構成とした
ことにより、例えばドア等のフラッシュ構造の大型平面
状の部材の表裏板材の内面に使用する場合の枠心との接
着の様に、他の部材・要素等との接着に用いる接着剤と
して、例えば酢酸ビニル系エマルジョン接着剤の様に、
木材加工業界や建築業界において多用されている接着剤
を使用して、従来と同様の要領で好適に施工することが
できるという優れた利点を有するものである。
【0054】また本発明のホルマリン捕捉防湿シート
は、前記防湿層の両面に、ホルマリン捕捉剤含有基体層
を有する構成としたことにより、また、例えばドア等の
フラッシュ構造の大型平面状の部材の表裏板材の内面に
使用した場合に、枠心を構成する芯材や内部空間の充填
材等としてホルマリンを発散する材料を使用しても、防
湿層の裏面側のホルマリン捕捉剤含有基体層が上記芯材
や充填材等に接しているので、芯材や充填材等からホル
マリンが発生しても、上記ホルマリン捕捉剤含有基体層
に含有されるホルマリン捕捉剤により、これを効率よく
捕捉することができるのという優れた利点を有するもの
である。
【0055】また本発明の化粧板は、少なくともホルマ
リン捕捉剤含有基体層と防湿層とを積層してなるホルマ
リン捕捉防湿シートを、基材の両面に貼付した構成とし
たことにより、基材が発散する有害で不快臭を有するホ
ルマリンを、ホルマリン捕捉剤含有基体層に含有される
ホルマリン捕捉剤が捕捉、無害化・無臭化するために、
このホルマリンが外気中へ発散して使用者に健康被害や
不快感を与えることがなく、しかも防湿層が外気と基材
との間の水分の移動を阻止するために、基材の吸放湿に
よる寸法変化が発生することがないという優れた利点を
有するものである。
【0056】また本発明の化粧板は、前記ホルマリン捕
捉防湿シートの少なくとも一方が、絵柄層を有する構成
としたことにより、ホルマリンを発散することがなく、
耐湿性に優れると同時に、印刷等により自由に表現され
た優れた意匠をも兼ね備えることができるという優れた
利点を有するものである。
【0057】また本発明の化粧板は、前記ホルマリン捕
捉防湿シートが、そのホルマリン捕捉剤含有基体層を前
記基材表面に接して貼付された構成としたことにより、
基材が発散したホルマリンを、基材表面に接して配設さ
れたホルマリン捕捉剤含有基体層に含有されるホルマリ
ン捕捉剤によって、迅速に且つ遺漏なく、高効率に捕
捉、無害化・無臭化することができるという優れた利点
を有するものである。
【0058】また本発明の化粧板は、前記ホルマリン捕
捉防湿シートの少なくとも一方が、防湿層の両面にホル
マリン捕捉剤含有基体層を有する構成としたことによ
り、例えばドア等のフラッシュ構造の大型平面状の部材
の表裏板材として使用した場合に、上記防湿層の両面に
ホルマリン捕捉剤含有基体層を有するホルマリン捕捉防
湿シートを貼付した面を内面側に向けて使用することに
より、枠心を構成する芯材や内部空間の充填材等として
ホルマリンを発散する材料を使用しても、防湿層の裏面
側のホルマリン捕捉剤含有基体層が上記芯材や充填材等
に接しているので、芯材や充填材等からホルマリンが発
生しても、上記ホルマリン捕捉剤含有基体層に含有され
るホルマリン捕捉剤により、これを効率よく捕捉するこ
とができるのという優れた利点を有するものである。
【0059】本発明の内装用部材は、角材を縦横に組ん
でなる枠心の表裏に板材を張り合わせたフラッシュ構造
のドア等の内装用部材において、少なくともホルマリン
捕捉剤含有基体層と防湿層とを積層してなるホルマリン
捕捉防湿シートを基材の両面に貼付してなる化粧板を、
枠心の表裏に張り合わせた構成としたことにより、基材
が発散する有害で不快臭を有するホルマリンが、ホルマ
リン捕捉剤によって捕捉、無害化・無臭化され、外気中
へ放出されることがないので、居住者に健康被害や不快
感等を与えることがなく、また部材の両面側の外気の温
湿度条件の差や時間的な温湿度条件の変動があっても、
外気と基材との間の水分の移動が防湿層によって阻止さ
れ、基材の吸放湿による部材の反りや歪み等の変形が発
生することがないという優れた利点を有するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホルマリン捕捉防湿シートの実施の形
態を示す側断面図である。
【図2】本発明のホルマリン捕捉防湿シートの実施の形
態を示す側断面図である。
【図3】本発明の化粧板の実施の形態を示す側断面図で
ある。
【符号の説明】
1‥‥ホルマリン捕捉防湿シート 2‥‥化粧板 3‥‥ホルマリン捕捉剤含有基体層 4‥‥防湿層 5‥‥絵柄用基体層 6‥‥絵柄層 7‥‥保護樹脂層 8‥‥繊維質基体層 9‥‥基材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−121713(JP,A) 特開 平6−272455(JP,A) 特公 昭52−134(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホルマリン捕捉剤含有基体層と、防湿層
    と、繊維質基体層とをこの順に積層してなることを特徴
    とするホルマリン捕捉防湿シート。
  2. 【請求項2】防湿層の両面に、ホルマリン捕捉剤含有基
    体層を積層してなることを特徴とするホルマリン捕捉防
    湿シート。
  3. 【請求項3】少なくともホルマリン捕捉剤含有基体層と
    防湿層とを積層してなるホルマリン捕捉防湿シートを、
    基材の両面に貼付してなる化粧板であって、前記ホルマ
    リン捕捉防湿シートの少なくとも一方が、請求項1又は
    2に記載のホルマリン捕捉防湿シートであることを特徴
    とする化粧板。
  4. 【請求項4】前記ホルマリン捕捉防湿シートの少なくと
    も一方が、請求項2に記載のホルマリン捕捉防湿シート
    であることを特徴とする請求項3に記載の化粧板。
  5. 【請求項5】角材を縦横に組んでなる枠心の表裏に板材
    を張り合わせたフラッシュ構造のドア等の内装用部材に
    おいて、前記板材が請求項3又は4に記載の化粧板であ
    ることを特徴とする内装用部材。
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