JP3428910B2 - 電解質の製造方法及び二次電池の製造方法 - Google Patents

電解質の製造方法及び二次電池の製造方法

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JP3428910B2 JP27158698A JP27158698A JP3428910B2 JP 3428910 B2 JP3428910 B2 JP 3428910B2 JP 27158698 A JP27158698 A JP 27158698A JP 27158698 A JP27158698 A JP 27158698A JP 3428910 B2 JP3428910 B2 JP 3428910B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二次電池、特にリ
チウムイオンのインターカレート反応及びデインターカ
レート反応を充放電に利用した二次電池において、充放
電の繰り返しによる性能劣化の少ない、サイクル寿命の
長い二次電池を提供する電解質の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、大気中に含まれるCO2ガス量が
増加しつつある為、温室効果により地球の温暖化が生じ
ると予測されている。このため、CO2ガスを多量に排
出する火力発電所は、新たに建設することが難しくなっ
て来ている。したがって、火力発電所などの発電機にて
作られた電力の有効利用として、夜間電力を一般家庭に
設置した二次電池に蓄えて、これを電力消費量が多い昼
間に使用して負荷を平準化する、いわゆるロードレベリ
ングが提案されている。また、大気汚染物質を排出しな
いという特徴を有する電気自動車に必須な二次電池とし
て、高エネルギー密度の二次電池の開発が期待されてい
る。さらに、ブック型パーソナルコンピューター、ワー
ドプロセッサー、ビデオカメラ及び携帯電話などのポー
タブル機器の電源用途では、小型・軽量で高性能な二次
電池の開発が急務になっている。
【0003】このような小型・軽量で高性能な二次電池
としては、充電時の反応で、リチウムイオンを層間から
デインターカレートするリチウムインターカレーション
化合物を正極物質に用い、金属リチウムを負極に用いる
二次電池や、リチウムイオンを炭素原子で形成される六
員環網状平面の層間にインターカレートできる黒鉛に代
表される炭素材料を負極物質に、用いたロッキングチェ
アー型のいわゆる"リチウムイオン電池"の開発が進めら
れている(本願明細書では、以下充放電によるリチウム
イオンのインターカレーションとデインターカレーショ
ン反応を利用した二次電池を、炭素材料を負極に用い
る"リチウムイオン電池"も含めて、リチウム二次電池と
呼ぶ)。
【0004】しかしながら、金属リチウムを負極に用い
る高容量のリチウム二次電池は、充放電のサイクル寿命
が極めて短く実用レベルには至っていない。本発明者ら
の研究によれば、金属リチウムを負極に用いるリチウム
二次電池の充放電のサイクル寿命が極めて短い主原因と
して、金属リチウムが電解液中の水分などの不純物や有
機溶媒と反応して絶縁膜を形成して、これが原因で充放
電の繰り返しによってリチウム金属がデンドライト(樹
枝)状に成長し、負極と正極間の内部短絡を引き起こす
こと、または解離した電解質が重合開始剤になって電解
液の有機溶媒が重合し電池内部のインピーダンスが高ま
り、充放電の繰り返しで電解液の分解も促進され寿命に
至ることが推定されている。
【0005】また、上述のリチウムのデンドライトが成
長して負極と正極が短絡状態となった場合、電池の持つ
エネルギーがその短絡によって短時間に消費されること
によって発熱したり、電解液の溶媒が分解してガスを発
生することによって内圧が高まったりして電池を破損し
てしまう場合もある。
【0006】一方、上述した"リチウムイオン電池"で
は、黒鉛構造の炭素材料で構成される負極は理論的には
炭素原子当たり最大1 / 6のリチウム原子しかインター
カレートできないため、金属リチウムを負極物質に使用
したときのリチウム一次電池に匹敵する高エネルギー密
度の二次電池は実現できていない。もし、充電時に"リ
チウムイオン電池"の炭素材負極に理論量以上のリチウ
ム量をインターカレートしようとした場合には、炭素材
負極表面にリチウム金属が析出し、上述のリチウム金属
を負極に用いる電池の場合と同様に金属リチウムが電解
液中の水分などの不純物や有機溶媒と反応して絶縁膜を
形成し、充放電サイクルの繰り返しでデンドライト(樹
枝)状に成長し、負極と正極間の内部短絡を引き起こし
寿命に至る。こうして、黒鉛負極の理論容量を越える"
リチウムイオン電池"では実用化するに十分なサイクル
寿命が得られていない。
【0007】したがって、リチウム二次電池では、エネ
ルギー密度の増大やサイクル寿命の長寿命化が強く望ま
れている。
【0008】これを達成するために、特開平9−823
59では、リチウム二次電池において、有機フッ素珪素
化合物の塩からなる電解質を使用し、充放電の繰り返し
による性能劣化を低減し、サイクル寿命を長くすること
が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、サイクル寿
命の長い二次電池を提供する高性能の電解質、特にリチ
ウムイオンのインターカレート反応及びデインターカレ
ート反応を充放電に利用した二次電池において、充放電
の繰り返しによる性能劣化を高め、サイクル寿命を向上
するために有用な高性能の電解質を、不純物が少なくか
つ高収率で製造することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、非水溶媒を主
成分とする溶媒中で少なくとも珪素元素及び炭素元素を
含有する有機シラン化合物とフッ素化合物を反応させる
工程を有する、珪素元素、フッ素元素、炭素元素を含有
する有機フッ素珪素化合物の塩からなる電解質を製造す
る方法を提供するものである。
【0011】更に本発明は、少なくとも正極、負極、セ
パレータを電池ハウジング内に収容した構造のリチウム
イオンのインターカレート反応及びデインターカレート
反応を充放電に利用した二次電池の製造方法であって、
上記非水溶媒を主成分とする溶媒中で少なくとも珪素元
素及び炭素元素を含有する有機シラン化合物とフッ素化
合物を反応させる工程を有する方法により珪素元素、フ
ッ素元素、炭素元素を含有する有機フッ素珪素化合物の
塩からなる電解質を得て、該電解質を電池ハウジング内
に配置する二次電池の製造方法を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の電解質の製造方法では、
非水溶媒を主成分とする溶媒中で有機シラン化合物とフ
ッ素化合物を反応させることで、不純物が少なくかつ高
収率で電解質を製造することを可能にした。これは、非
水溶媒を主成分とする溶媒中には水酸イオン等のアニオ
ンが少ないため、有機シラン化合物の置換基がフッ素イ
オンと置換する反応段階で、アニオンであるフッ素イオ
ンと水酸イオン等が競争反応する割合が少なくなり優先
的にフッ素元素の置換反応が進むため不純物の生成が低
減できると考えられる。また、非水溶媒を主成分とする
溶媒は元々溶媒中に存在するイオンが少ないためフッ素
イオンと他のイオン間での相互作用が起りにくく、フリ
ーのフッ素イオンが増大することにより上記の置換反応
が効率的に起こり収率が増加すると考えられる。更に非
水溶媒を主成分とする溶媒に非プロトン性溶媒を用いた
ときは、溶媒中のアニオンをほとんど無くすことができ
るので不純物の更なる低減が可能となる。また、有機シ
ラン化合物とフッ素化合物を溶かす非水溶媒であれば、
単分子状の有機シラン化合物とフッ素イオンの濃度がよ
り増大するため、置換反応が更に効率的に起こり収率の
増大が可能になる。
【0013】また、有機シラン化合物として、珪素元素
の置換基としてすでにフッ素元素を持っている化合物を
用いる場合も、非水溶媒中には上記と同様に他のアニオ
ンが少ないためフッ素イオンの脱離が起こりにくく不純
物の生成が抑えられると考えられる。
【0014】このように得られる、珪素元素、フッ素元
素、炭素元素を少なくとも含有する有機フッ素珪素化合
物の塩からなる電解質は、電解質自体が水分を吸着しに
くいため、二次電池、特にリチウムイオンのインターカ
レート反応及びデインターカレート反応を充放電に利用
した二次電池の電解質として用いた際に、電解液中の水
分を低濃度に管理しやすくなる。その結果、充電反応で
析出するリチウム等の金属と水分との反応を抑えられる
ので、非水系二次電池のサイクル寿命を延ばすことがで
きる。また、上記電解質では重合反応の開始剤としての
触媒活性が低く、電解液中の溶媒の重合が抑えられるの
で、この電解質を利用した非水系二次電池では充放電サ
イクル寿命を延ばすことができる。
【0015】本発明の製造方法における、非水溶媒を主
成分とする溶媒中で少なくとも珪素元素及び炭素元素を
含有する有機シラン化合物とフッ素化合物を反応させる
工程では、例えば、下記式(1)又は(2)の反応過程
が進行するとみられる。
【0016】
【0017】上記式中、RnSiX4-n、RnSiF4-n
有機シラン化合物であり、そのRはアルキル基、アリー
ル基、アルケニル基、アルキニル基等であり、Xはハロ
ゲンハロゲン基、水酸基、アルコキシ基、アシロキシ
基、アレノキシ基、アミノ基、水素等である(Rまたは
Xが複数個ある場合は、それぞれ上記の群の中で互いに
異なる基を持ってもよい)。また、MFはフッ素化合物
であり、Mは金属(イオン)、アンモニウム基等であ
る。nは1〜3、mは1又は2である。
【0018】尚、(2)式で使用するRnSiF4-nにつ
いては、有機シラン化合物とフッ素化合物を非水溶媒を
主成分とする溶媒中で反応させ、下記式(3)の反応を
進行させ、調製することができる。
【0019】
【0020】このように本発明の方法では、有機シラン
化合物とフッ素化合物を非水溶媒を主成分とする溶媒中
で反応させる工程において、例えば上記(1)乃至
(3)の反応を進行させ、最終的に珪素元素、フッ素元
素、炭素元素を含有する有機フッ素珪素化合物の塩(一
般式Mm〔RnSiF4-n+m〕で表される例えばリチウム
塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第四
級アンモニウム塩、からなる塩)、及びこれらの混合物
からなる電解質を得る。このような珪素元素、フッ素元
素、炭素元素を少なくとも含有する有機フッ素珪素化合
物の塩からなる電解質は、前述したように電解質自体が
水分を吸着しにくく、ひいてはリチウム二次電池の電解
質として用いられた際に充電反応で析出するリチウム等
の金属と水分との反応を抑えられるので、非水系二次電
池のサイクル寿命を延ばすことができる。
【0021】また、フェニル基などのアリール基を有し
た有機フッ素珪素化合物の塩は、有機溶媒に溶解しやす
いので、より高いイオン伝導度の電解液を得ることがで
き、特にこの電解液を使用したリチウム二次電池では内
部インピーダンスを低減でき、より大きな電流を流すこ
とが可能になり、充放電サイクル寿命も長くなる。
【0022】次に、本発明の電解質の製造方法の一実施
態様について説明する。当該実施態様では、基本的に、
有機シラン化合物とフッ素化合物を非水溶媒を主成分と
する溶媒中で攪拌し反応させて目的の有機フッ素珪素化
合物を合成する。以下具体的な製造工程例について図1
を参照して詳細に説明する。
【0023】まず、還流装置及び攪拌装置をつけた密閉
容器中に乾燥した空気、より好ましくは乾燥した窒素ま
たは不活性ガス、を充填し、フッ素化合物と非水溶媒を
主成分とする溶媒を容器内に入れ攪拌し(工程A)、有
機シラン化合物を少量ずつ添加し(工程B)、その後攪
拌を続け(工程C)、非水溶媒を主成分とする溶媒中
で、少なくとも珪素元素及び炭素元素を含有する有機シ
ラン化合物と、フッ素化合物の例えば前述の式(1)乃
至(3)の反応を進行させる。また上記反応後は、常法
により合成物を抽出・濃縮・乾燥し(工程D)、より好
ましくはさらに精製工程(工程E)を行い、有機フッ素
珪素化合物の塩からなる電解質を得る。
【0024】この時、反応容器を加温または冷却し温度
を一定に保つことが好ましく、温度は100℃以下でコ
ントロールすることが好ましい。有機シラン化合物に珪
素元素の置換基としてハロゲン基、アルコキシ基等置換
反応性の高いものを持つ化合物を使用する場合は、反応
前期は室温以下に冷却し反応後期で温度を上げることが
より好ましい。また、有機シラン化合物を添加(滴下)
する際(工程B)、有機シラン化合物が固体または気体
ならば反応に使用する非水溶媒を主成分とする溶媒に溶
かしものを、有機シラン化合物が液体ならばそのまま
で、少量ずつ滴下等の手段で添加することが好ましい
(工程B')。
【0025】有機シラン化合物とフッ素化合物を非水溶
媒を主成分とする溶媒中で反応させる際(特に工程B〜
C)、フッ素化合物を有機シラン化合物に対し有機フッ
素珪素化合物の塩を合成するのに相当するだけの量を使
用すればよいが、フッ素化合物を過剰量使用すると収率
が良好で好ましい。好ましい量としては、有機シラン化
合物に対してモル比で100%〜300%、より好まし
くは100%〜200%である。また、非水溶媒を主成
分とする溶媒の量は特に制限はないが、置換反応が急激
に進行する有機シラン化合物またはフッ素化合物を使用
する場合は、溶媒量を多くすることが好ましく、溶媒量
としては有機シラン化合物の重量モル濃度が1モル/k
g以下になるように調整することが好ましい。
【0026】さらに、合成した有機フッ素珪素化合物の
塩の珪素元素の置換基としてのフッ素元素を、珪素元素
1個あたり3個以下となるように反応条件を調整する
と、反応後の濃縮及び乾燥時に有機フッ素珪素化合物の
熱分解が抑えられ収率および不純物の面で好ましい。
【0027】有機シラン化合物とフッ素化合物を反応さ
せた後、次いで、得られた有機フッ素珪素化合物の塩の
カチオンを他のイオン種と交換する工程を行うと(工程
F)、有機シラン化合物とフッ素化合物の反応段階で生
成する有機フッ素珪素化合物塩のイオン化数の異なる不
純物塩を低減することができ好ましい。特に、工程Aか
らD(又はE)において、アンモニウムイオン、(C4
94+等の第四級アンモニウムイオンをカチオンと
した有機フッ素珪素化合物塩を得て、そのカチオンを工
程FでLi+、Na+、K+等のアルカリ金属イオン等に
交換すると、イオン化数の異なる不純物塩の低減が効率
的になされた上で有機フッ素珪素化合物塩を得ることが
できる。中でもLi+イオンに交換する場合が最も不純
物が低減できより好ましい。
【0028】かかる工程Fにおけるイオン種の交換反応
は下記式(4)の反応式により進行する。
【0029】 ここで、M'=Li、Na、K等である。
【0030】上記のイオン交換反応後は、常法により合
成物を抽出・濃縮・乾燥し(工程G)、より好ましくは
さらに精製工程(工程H)を行い、イオン交換がなされ
た有機フッ素珪素化合物塩からなる電解質を得る。
【0031】イオン交換する方法としては、常法のイオ
ン交換手段を使用することができるが、カチオン交換樹
脂または膜で直接交換する方法、カチオン交換樹脂また
は膜で水素と交換し次いで目的のカチオンで中和して交
換する方法、目的とするイオンを含有する塩と溶媒中で
混ぜイオン強度または沈殿発生を利用してカチオン交換
する方法は、イオン化数の異なる不純物塩の低減がより
効率的に行うことができ好ましい。
【0032】次に、上述した一連の工程における、有機
シラン化合物とフッ素化合物の反応において、使用され
る各材料について詳細に説明する。
【0033】(非水溶媒を主成分とする溶媒)本発明の
製造方法で使用する溶媒としては、非水溶媒、即ち水以
外の溶媒を主成分とする溶媒であり、水分を微量しか含
まないものを使用する。溶媒中の非水溶媒の含有量とし
ては95重量%以上であることが好ましく、水分が全く
含まれていていない溶媒を使用すると不純物の生成がさ
らに減少しより好ましい。
【0034】また、珪素元素及び炭素元素を含有する有
機シラン化合物とフッ素化合物を溶かすことのできる溶
媒を使用すると電解質がより高収率で得られ好ましい。
有機シラン化合物とフッ素化合物を溶かすことのできる
溶媒としては、溶媒の比誘電率の大きいものが良く、比
誘電率が3以上(溶媒温度20℃の時)であると有機シ
ラン化合物とフッ素化合物、特に一般的に有機溶媒に対
する溶解性の悪いフッ素元素を含有する化合物、をより
多く溶かすことができるため、合成物である電解質の収
率が高くなり好ましい。尚、比誘電率とは、溶媒等絶縁
物の誘電率を真空の誘電率1と比較した値であり、以下
の式で表される。
【0035】ε=C/C0 (ε:比誘電率、C:
コンデンサーに絶縁物を入れた場合の静電容量、C0:
コンデンサーに絶縁物を入れず真空にした場合の静電容
量)
【0036】更に、電解質の合成反応段階でフッ素イオ
ンと競争反応を起こす他のアニオンが溶媒中に少ない非
プロトン性溶媒を使用すると、不純物の生成が抑えられ
より好ましい。使用可能な好ましい非プロトン性溶媒と
しては、エーテル類、ケトン類、エステル類、アミド
類、ニトリル類、アミン類、ハロゲン化合物類、ニトロ
化合物類、硫黄化合物類が挙げられる。より好ましい具
体例としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエー
テル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,
2−メトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサ
ノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸エチレン、炭酸プ
ロピレン、ジメチルカーボネート、ホルムアミド、N,
N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミド、1,3−ジメチル−2イミダゾリジノン、N−メ
チルピロリドン、アセトニトリル、プロピオニトリル、
スリシノニトリル、ベンゾニトリル、エチレンジアミ
ン、トリエチレンアミン、アニリン、ピリジン、ピペリ
ジン、モルホリン、塩化メチレン、クロロホルム、1,
2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1−ブロモ−2
−クロロエタン、ニトロメタン、ニトロベンゼン、o−
ニトロトルエン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等
が挙げられる。なお、これらの溶媒は単独溶液でも2種
以上の混合溶液でも使用することが可能である。
【0037】(有機シラン化合物)本発明で使用する少
なくとも珪素元素及び炭素元素を含有する有機シラン化
合物としては、珪素元素を少なくとも1個以上持ち、か
つ該珪素元素に炭素元素が少なくとも1個以上結合して
いるシラン化合物が挙げられるが、珪素元素1個を有
し、該珪素元素に結合した4個の置換基(本発明に関し
ては、珪素元素に対し結合する基を置換基と呼ぶ)を持
つシラン化合物(例えば前述のRnSiX4-n)、は反応
性が良好なため収率向上の面で好ましい。
【0038】さらに、有機シラン化合物が珪素元素の4
個の置換基のうちフッ素イオンと置換反応を起こしやす
い置換基を1−3個持つものが好ましく、置換基として
すでにフッ素元素をもつものはより好ましい。フッ素イ
オンと置換反応を起こしやすい置換基(上記式のX)と
しては、−Cl、−Br、−I等のハロゲン基、−OH
の水酸基、−OCH3、−OC25、−OC49等のア
ルコキシ基、−OCOCH3、−OCOC25等のアシ
ロキシ基、−OC65、−OC64CH3、−OC107
等のアレノキシ基、−NRH、−NR12(R1
2:アルキル基)等のアミノ基、−H(水素)が挙げ
られる。
【0039】また、有機シラン化合物が、上記のフッ素
イオンと置換反応を起こしやすい置換基以外に残りの置
換基(上記式のR)として、フッ素イオンと置換反応を
起こしにくい置換基を持っていると、置換反応中、有機
溶媒に対する溶解性を良好に維持することができ反応が
効率的に進行するので好ましい。フッ素イオンと置換反
応を起こしにくい置換基Rとしては、珪素元素に炭素元
素が直接結合する置換基が挙げられるが、−CH3、−
25、−C49等のアルキル基、−C65、−C64
CH3、−C107等のアリール基は、フッ素イオンとの
反応が起こりにくく、フッ素イオンが有効的に置換反応
に利用されるため好ましく、フェニル基が溶解性の面で
より好ましい。
【0040】又、置換基が−C23、−C47、−C2
H、−C33等置換基内に二重結合や三重結合等の不飽
和結合を有するアルケニル基やアルキニル基である場
合、この置換基を持つ化合物をフッ素化合物と反応させ
た後、更にこの置換基について付加反応等の前の反応を
行い使用することができる。
【0041】(フッ素化合物)本発明で使用するフッ素
化合物としては、フッ素イオンを生成することができる
化合物であり(例えば前述のMF)、例えばフッ化水
素、フッ素ガス、フッ化キセノン、四フッ化硫黄、フッ
化ペルクロリル、フッ化硫酸セシウム、ヒポフルオライ
ト類、N−フルオロアンモニウム類、フッ化物塩等の無
機及び有機フッ素化合物が使用できるが、取り扱い及び
安全性の面で、テトラエチルフルオリド、テトラブチル
フルオリド等のフッ化第四級アンモニウム塩、フッ化ア
ンモニウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ
化カリウム、等のフッ化物塩がより好ましい。中でも、
フッ化アンモニウム塩(特にNH4F及び一般式 R3 4
F (R3:アルキル基)で示される第四級アンモニウム
塩)は非水溶媒に対する溶解性が特に良好なためより好
ましい。
【0042】以上が本発明の電解質の製造方法である
が、こうして合成された電解質を使用して通常の処方で
二次電池を製造する。以下、本発明の製造方法で合成し
た電解質を使用するリチウム二次電池の一実施態様を、
図3、図4、図5を参照して説明する。
【0043】図3は、二次電池の構成の概略を示す断面
図である。同図に示す二次電池300では、負極301
と、正極302が、電解質もしくは電解液(電解質溶
液)303及びセパレーター304を介して対向配置、
これらの部材が電池ハウジング307内に収容されてい
る。本発明の方法で合成した有機フッ素珪素化合物の塩
はこの電解質303に用いられる。負極301には出入
力端子305に接続し、正極302は出入力端子306
に接続する。
【0044】(電解質の使用方法)本発明の方法で合成
した電解質(303)の二次電池内での使用法として
は、次の3通りが挙げられる。 (1)そのままの状態で用いる方法。 (2)溶媒に溶解した溶液として用いる方法。 (3)溶液にポリマーなどのゲル化剤を添加することによ
って、固定化したものとして用いる方法。
【0045】一般的には、溶媒に電解質を溶かした電解
液を、多孔性のセパレータに保液させて使用する。な
お、本発明の製造方法で合成した電解質は、減圧下で加
熱したりして、十分な脱水と脱酸素を行っておくことが
望ましい。
【0046】電解質の溶媒としては、例えば、アセトニ
トリル、ベンゾニトリル、プロピレンカーボネイト、エ
チレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチル
カーボネート、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフ
ラン、ニトロベンゼン、ジクロロエタン、ジエトキシエ
タン、1,2-ジメトキシエタン、クロロベンゼン、γ-ブ
チロラクトン、ジオキソラン、スルホラン、ニトロメタ
ン、ジメチルサルファイド、ジメチルサルオキシド、ギ
酸メチル、3-メチル-2-オキダゾリジノン、2-メチルテ
トラヒドロフラン、3-プロピルシドノン、二酸化イオ
ウ、塩化ホスホリル、塩化チオニル、塩化スルフリル、
又は、これらの混合液が使用できる。
【0047】上記溶媒は、例えば、活性アルミナ、モレ
キュラーシーブ、五酸化リン、塩化カルシウムなどで脱
水するか、溶媒によっては、不活性ガス中でアルカリ金
属共存下で蒸留して不純物除去と脱水をも行うのがよ
い。
【0048】電解液の漏洩を防止するために、ゲル化す
ることが好ましい。ゲル化剤としては電解液の溶媒を吸
収して膨潤するようなポリマーを用いるのが望ましい。
このようなポリマーとしては、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミドなどが
用いられる。本発明で得られる電解質は、特にリチウム
二次電池における電解質に用いられ、前述したように充
電反応で析出するリチウム等の金属と水分との反応を抑
えられるので、非水系二次電池のサイクル寿命を延ばす
ことができる。
【0049】以下に図1に示す二次電池をリチウム二次
電池とした場合の各部材について説明する。
【0050】(正極)リチウム二次電池に用いる正極
(301)は、集電体、正極活物質、導電補助材、結着
剤、などから構成されたものである。この正極は、正極
活物質、導電補助材、及び結着剤名度を混合したもの
を、集電体の表面上に成形して作製される。
【0051】正極活物質をしては、遷移金属酸化物、遷
移金属硫化物、リチウムー遷移金属酸化物、又はリチウ
ムー遷移金属硫化物が一般に用いられる。遷移金属酸化
物や遷移金属硫化物の遷移金属元素としては、例えば、
部分的にd殻あるいはf殻を有する元素であるところの、
Sc, Y, ランタノイド, アクチノイド, Ti, Zr, Hf, V,
Nb, Ta, Cr, Mo, W, Mn, Tc, Re, Fe, Ru, Os, Co, Rh,
Ir, Ni, Pd, Pt, Cu,Ag, Auが挙げられる。特に、第一
遷移系列金属であるTi, V, Cr, Mn, Fe, Co,Ni, Cuが好
適に用いられる。
【0052】正極に使用する導電補助剤としては、黒
鉛、ケッチェンブラックやアセチレンブラックなどのカ
ーボンブラックと呼ばれる非晶質炭素、ニッケルなどの
金属微粉末、などが挙げられる。正極に使用する結着剤
としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオ
レフィン、又はポリフッ化ビリニデンやテトラフルオロ
エチレンポリマーのようなフッ素樹脂、が挙げられる。
【0053】正極の集電体は、充電時の電極反応で消費
する電流を効率よく供給するあるいは放電時の発生する
電流を集電する役目を担っている。したがって、正極の
集電体を形成する材料としては、電導度が高く、かつ、
電池反応に不活性な材質が望ましい。好ましい材質とし
ては、ニッケル、ステンレススチール、チタン、アルミ
ニウム、銅、白金、パラジウム、金、亜鉛、各種合金、
及び上記二種以上の複合金属が挙げられる。集電体の形
状としては、例えば、板状、箔状、メッシュ状、スポン
ジ状、繊維状、パンチングメタル、エキスパンドメタル
などの形状が採用できる。(負極)リチウム二次電池に用
いる負極(302)において、リチウムイオンのホスト
材となる負極活物質としては、グラファイトも含めたカ
ーボン材、リチウム金属、リチウム合金、リチウムと合
金を形成する金属元素を有する材料、多孔質金属、正極
活物質と起電力を有する遷移金属酸化物、が用いられ
る。上記負極活物質の形状が粉末である場合には、結着
剤を用いるか、焼結させて負極活物質層を集電体上に形
成して負極を作製する。また、上記負極活物質粉の導電
性が低い場合には、正極の活物質層の形成と同様に、導
電補助材を混合することが適宜必要になる。上記集電体
及び導電補助材としては、前記正極に用いるものが同様
に使用できる。
【0054】(セパレータ)セパレータ(304)は、負
極と正極の短絡を防ぐ役割がある。また、電解液(30
3)を保持する役割を有する場合もある。
【0055】セパレータは、リチウムイオンが移動でき
る細孔を有し、かつ、電解液に不溶で安定である必要が
ある。したがって、セパレータとしては、例えば、ガラ
ス、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィ
ン、フッ素樹脂、などの不織布あるいはミクロポア構造
の材料が好適に用いられる。また、微細孔を有する金属
酸化物フィルム、又は、金属酸化物を複合化した樹脂フ
ィルムも使用できる。特に、多層化した構造を有する金
属酸化物フィルムを使用した場合には、デンドライトが
貫通しにくいため、短絡防止に効果がある。難燃材であ
るフッ素樹脂フィルム、又は、不燃材であるガラス、若
しくは金属酸化物フィルムを用いた場合には、より安全
性を高めることができる。
【0056】(電池の形状と構造)二次電池の形状として
は、図3に示す構造を基本構造として、具体的には例え
ば、扁平形、円筒形、直方体形、シート形等などがあ
る。又、電池内の部材の構造としては、例えば、単層
式、多層式、スパイラル式などがある。その中でも、ス
パイラル式円筒形の電池は、負極と正極の間にセパレー
タを挟んで巻くことによって、電極面積を大きくするこ
とができ、充放電時に大電流を流すことができるという
特徴を有する。また、直方体形やシート形の電池は、電
池を収納する機器の収納スペースを有効に利用すること
ができる特徴を有する。
【0057】以下では、図4と図5を参照して、電池の
形状と構造についてより詳細な説明を行う。図4は単層
式扁平形(コイン形)電池の断面図であり、図5はスパイ
ラル式円筒形電池の断面図を表している。これらのリチ
ウム電池の基本的には図3と同様な構成で、負極、正
極、電解質・セパレータ、電池ハウジング、出力端子、
などから成る。
【0058】図4と図5において、400と500は負
極集電体、401と501は負極活物質、403と50
3は正極活物質、405と505は負極端子(負極キャ
ップ)、406と506は正極缶、407と507は電
解液を保持したセパレーター、410と510は絶縁パ
ッキング、511は絶縁板、である。図4に示す偏平構
造のリチウム二次電池では、正極活物質403を含む正
極と、負極活物質401及び負極集電体400を含む負
極が、前述のように合成された珪素元素、フッ素元素、
炭素元素を少なくとも含有する有機フッ素珪素化合物の
塩からなる電解質を保持したセパレータ407を少なく
とも介して積層された積層体が正極側から正極缶406
内に収容され、負極側が負極端子(負極キャップ)40
5により被覆されている。そして正極缶内の他の部分
は、例えば絶縁材が配置されている(絶縁パッキング4
10)。
【0059】図5に示す円筒状のリチウム二次電池で
は、正極活物質503を含む正極と、負極活物質501
を負極の間に、前述のように合成された珪素元素、フッ
素元素、炭素元素を少なくとも含有する有機フッ素珪素
化合物の塩からなる電解質を保持したセパレータ507
を少なくとも挟装し、所定の軸を中心に多重に巻回され
た円筒状構造の積層体が、その側面及び一底面側から正
極缶506内に収容されている。また、該積層体の他の
底面(上面)側は、負極端子(負極キャップ)505に
より被覆されている。そして正極缶内の他の部分は絶縁
体が配置されている(絶縁パッキング510)。以下で
は、図4や図5に示した電池の組み立て方法の一例を説
明する。 (1)負極活物質層(401, 501)と成形した正極活物
質層(403, 503)の間に、セパレータ(407, 5
07)を挟んで、正極缶(406, 506)に組み込む。 (2)電解質を注入した後、負極キャップ(405, 50
5)と絶縁パッキング(410, 510)を組み立てる。 (3)上記(2) を、かしめることによって、電池は完成
する。
【0060】なお、上述したリチウム電池の材料調製、
および電池の組立は、水分が十分除去された乾燥空気
中、又は乾燥不活性ガス中で行うのが望ましい。
【0061】(絶縁パッキング)ガスケット(410, 5
10)の材料としては、例えば、フッ素樹脂,ポリアミ
ド樹脂,ポリスルフォン樹脂,各種ゴムが使用できる。
電池の封口方法としては、図4と図5のように絶縁パッ
キングを用いた「かしめ」以外にも、ガラス封管,接着
剤,溶接,半田付けなどの方法が用いられる。
【0062】また、図5の絶縁板の材料としては、各種
有機樹脂材料やセラミックスが用いられる。
【0063】(外缶)電池の外缶は、電池の正極缶(40
6, 506)、及び負極キャップ(405,505)により構
成されている。外缶の材料としては、ステンレススチー
ルが好適に用いられる。特に、チタンクラッドステンレ
ス板や銅クラッドステンレス板、ニッケルメッキ鋼板な
どが多用される。
【0064】図4と図5に示す態様では正極缶(406,
506)が電池ハウジングを兼ねているため、上記のス
テンレススチールが好ましい。ただし、正極缶が電池ハ
ウジングを兼用しない場合には、電池ハウジングの材質
としては、ステンレススチール以外にも亜鉛などの金
属、ポリプロピレンなどのプラスチック、又は、金属若
しくはガラス繊維とプラスチックの複合材が用いられ
る。
【0065】(安全弁)リチウム二次電池には、電池の内
圧が高まった時の安全対策として、安全弁が備えられて
いる。図4と図5には図示されていないが、安全弁とし
ては、例えば、ゴム、スプリング、金属ボール、破裂箔
などが使用できる。
【0066】以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明
する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、文中、部、及び%とあるのは重量基準であ
る。
【0067】実施例1 (有機フッ素珪素化合物塩の合成)まず、還流装置、攪
拌装置および滴下ロートをつけた三つ口フラスコの反応
容器内に乾燥した窒素ガスを充填した。この三つ口フラ
スコ内に、50℃で真空乾燥して水分を除去したテトラ
n−ブチルアンモニウムフロオリド(n−Bu)4NF
(純度99%)10.4部(0.04mol)及びモレ
キュラーシーブ3Aで乾燥したジエチルエーテル(純度
99.5%)100部を入れ、テトラn−ブチルアンモ
ニウムフロオリドが解けるまで攪拌した。なお、モレキ
ュラーシーブで乾燥した後のジエチルエーテルの水分量
を、カールフィッシャ水分計で測定したところ、0.5
%であり、また、モレキュラーシーブで乾燥した後のジ
エチルエーテルの比誘電率を、Impedance Analyzer(H
P社製)で測定したところ、4.3(20℃)であっ
た。
【0068】次に、50℃で真空乾燥して水分を除去し
たトリフェニルクロロシランPh3SiCl5.5部
(0.02mol)を、上記と同じ乾燥したジエチルエ
ーテル100部に溶かし、この溶液を上記反応容器の滴
下ロート内に入れた。
【0069】上記の反応容器を氷浴で0℃に冷却し、容
器内を攪拌しながら滴下ロート内の溶液を徐々に滴下し
ながら容器内に加えた。添加後0℃で1時間攪拌し、次
いで50℃に加温して更に2時間攪拌を続けた。
【0070】反応終了後、溶媒のジエチルエーテルをロ
ータリーエバポレーターで濃縮し、乾燥し、その後得ら
れた結晶を冷水で洗浄し副生成物であるテトラn−ブチ
ルアンモニウムクロリドを除去し、目的のトリフェニル
ジフルオロ珪酸テトラn−ブチルアンモニウム塩(n−
Bu)4N〔Ph3SiF2〕を得た。
【0071】(有機フッ素珪素化合物塩のイオン交換)
上記で得られた、トリフェニルジフルオロ珪酸テトラn
−ブチルアンモニウム塩およびテトラフルオロ硼酸リチ
ウムLiBF4(純度98%)をアセトンに溶かし、2時
間攪拌後ロータリーエバポレーターで濃縮し、乾燥し、
その後得られた結晶を冷水で洗浄し副生成物であるテト
ラフルオロ硼酸テトラn−ブチルアンモニウム塩を除去
し、目的のトリフェニルジフルオロ珪酸リチウム塩Li
〔Ph3SiF2〕を得た。
【0072】比較例1 (有機フッ素珪素化合物塩の合成)実施例1で使用した
乾燥ジエチルエーテルの変わりに、ジエチルエーテル/
水(10%:90%)の混合水溶液を使用する以外は、
実施例1と同様の処理を行い、トリフェニルジフルオロ
珪酸テトラn−ブチルアンモニウム塩(n−Bu)4
〔Ph3SiF2〕を得た。
【0073】実施例2 (有機フッ素珪素化合物塩の合成)実施例1と同様にま
ず、還流装置、攪拌装置および滴下ロートをつけた三つ
口フラスコの反応容器内に乾燥した窒素ガスを充填し
た。この三つ口フラスコ内に、50℃で真空乾燥して水
分を除去したテトラエチルアンモニウムフロオリドEt
4NF(純度99%)9.0部(0.06mol)及び
モレキュラーシーブ3Aで乾燥したジメチルスルホキサ
イド(純度99%)80部を入れ、テトラエチルアンモ
ニウムフロオリドが解けるまで攪拌した。なお、モレキ
ュラーシーブで乾燥した後のジメチルスルホキサイドの
水分量を、カールフィッシャ水分計で測定したところ、
0.05%であり、また、モレキュラーシーブで乾燥し
た後のジメチルスルホキサイドの比誘電率を、Impedanc
e Analyzerで測定したところ、48.9(20℃)であ
った。
【0074】次に、50℃で真空乾燥して水分を除去し
たジフェニルジクロロシランPh2SiCl25.1部
(0.02mol)を、上記と同じ乾燥したジメチルス
ルホキサイド80部に溶かし、この溶液を上記反応容器
の滴下ロート内に入れた。
【0075】以下実施例1と同様の方法で、目的のジフ
ェニルトリフルオロ珪酸テトラエチルアンモニウム塩
Et4N〔Ph2SiF3〕を得た。
【0076】(有機フッ素珪素化合物塩のイオン交換)
上記で得られた、ジフェニルトリフルオロ珪酸テトラエ
チルアンモニウム塩および過塩素酸リチウムLiClO
4(純度98%)をアセトンに溶かし、2時間攪拌後ロー
タリーエバポレーターで濃縮し、乾燥し、その後得られ
た結晶を冷水で洗浄し副生成物である過塩素酸テトラエ
チルアンモニウム塩を除去し、目的のジフェニルトリフ
ルオロ珪酸リチウム塩Li〔Ph2SiF3〕を得た。
【0077】比較例2 (有機フッ素珪素化合物塩の合成)実施例2で使用した
乾燥ジメチルスルホキシドの変わりに、ジメチルスルホ
キシド/水(30%:70%)の混合水溶液を使用する
以外は実施例2と同様の処理を行い、ジフェニルトリフ
ルオロ珪酸テトラエチルアンモニウム塩 Et4N〔Ph
2SiF3〕を得た。
【0078】実施例3 (有機フッ素珪素化合物塩の合成)実施例1と同様にま
ず、還流装置、攪拌装置および滴下ロートをつけた三つ
口フラスコの反応容器内に乾燥した窒素ガスを充填し
た。この三つ口フラスコ内に、50℃で真空乾燥して水
分を除去したフッ化アンモニウムNH4F(純度97
%)3.7部(0.1mol)及びモレキュラーシーブ
3Aで乾燥したアセトニトリル(純度99.5%)10
0部を入れ、フッ化アンモニウムが解けるまで攪拌し
た。なお、モレキュラーシーブ3Aで乾燥した後のアセ
トニトリルの水分量を、カールフィッシャ水分計で測定
したところ、0.1%であり、また、モレキュラーシー
ブで乾燥した後のアセトニトリルの比誘電率を、Impeda
nce Analyzerで測定したところ、37.5(20℃)で
あった。
【0079】つぎに、50℃で真空乾燥して水分を除去
したフェニルメチルジメトキシシランPhMeSi(O
Me)2 3.6部(0.02mol)を、上記と同じ乾
燥したアセトニトリル80部に溶かし、この溶液を上記
反応容器の滴下ロート内に入れた。
【0080】以下実施例1と同様の方法で、目的のフェ
ニルメチルトリフルオロ珪酸アンモニウム塩NH4〔P
hMeSiF3〕を得た。
【0081】(有機フッ素珪素化合物塩のイオン交換)
上記で得られた、フェニルメチルトリフルオロ珪酸アン
モニウム塩およびヘキサフルオロ燐酸リチウムLiPF
6(純度99%)をアセトニトリルに溶かし、2時間攪
拌後ロータリーエバポレーターで濃縮し、乾燥し、その
後得られた結晶を冷水で洗浄し副生成物であるヘキサフ
ルオロ燐酸アンモニウム塩を除去し、目的のフェニルメ
チルトリフルオロ珪酸リチウム塩Li〔PhMeSiF
〕を得た。
【0082】比較例3 (有機フッ素珪素化合物塩の合成)実施例3で使用した
乾燥アセトニトリルの変わりに、アセトニトリル/水
(50%:50%)の混合水溶液を使用する以外は、実
施例3と同様の処理を行い、フェニルメチルトリフルオ
ロ珪酸アンモニウム塩NH4〔PhMeSiF3〕を得
た。
【0083】実施例4 (有機フッ素珪素化合物塩の合成)実施例1と同様にま
ず、還流装置、攪拌装置および滴下ロートをつけた三つ
口フラスコの反応容器内に乾燥した窒素ガスを充填し
た。この三つ口フラスコ内に、50℃で真空乾燥して水
分を除去したフッ化アンモニウムNH4F(純度97
%)3.7部(0.1mol)及びモレキュラーシーブ
で乾燥したクロロベンゼン(純度99.5%)120部
を入れ、フッ化アンモニウムが解けるまで攪拌した。な
お、モレキュラーシーブ3Aで乾燥した後のクロロベン
ゼンの水分量を、カールフィッシャ水分計で測定したと
ころ、0.005%であり、また、モレキュラーシーブ
で乾燥した後のクロロベンゼンの比誘電率を、Impedanc
e Analyzerで測定したところ、5.6(20℃)であっ
た。
【0084】つぎに、50℃で真空乾燥して水分を除去
したフェニルトリエトキシシランPhSi(OEt)3
4.8部(0.02mol)を、上記と同じ乾燥したク
ロロベンゼン50部に溶かし、この溶液を上記反応容器
の滴下ロート内に入れた。
【0085】以下実施例1と同様の方法で、目的のフェ
ニルペンタフルオロ珪酸アンモニウム塩(NH42〔P
hSiF5〕を得た。
【0086】(有機フッ素珪素化合物塩のイオン交換)
上記で得られた、フェニルペンタフルオロ珪酸アンモニ
ウム塩をアセトニトリルに溶かし、カチオン交換樹脂ダ
イヤイオンSK1Bを充填したカラムにアセトニトリル
溶液を通し、次いでこの溶液に水酸化リチウム(純度9
9%)を添加し、2時間攪拌した。その後この溶液をロ
ータリーエバポレーターで濃縮し、乾燥し、目的のフェ
ニルペンタフルオロ珪酸リチウム塩Li2〔PhSi
5〕を得た。
【0087】比較例4 (有機フッ素珪素化合物塩の合成)実施例4で使用した
乾燥クロロベンゼンの変わりに、水を使用する以外は、
実施例4と同様の処理を行い、フェニルペンタフルオロ
珪酸アンモニウム塩(NH42〔PhSiF5〕を得
た。
【0088】実施例5 (有機フッ素珪素化合物塩の合成)実施例1と同様にま
ず、還流装置、攪拌装置および滴下ロートをつけた三つ
口フラスコの反応容器内に乾燥した窒素ガスを充填し
た。この三つ口フラスコ内に、50℃で真空乾燥して水
分を除去したフッ化リチウム(純度98%)2.6部
(0.1mol)及び吸湿させたエチルメチルケトン
(純度99.5%)200部を入れ、攪拌した。なお、
このエチルメチルケトンの水分量を、カールフィッシャ
水分計で測定したところ、3.5%であり、また、この
エチルメチルケトンの比誘電率を、Impedance Analyzer
で測定したところ、18.9(20℃)であった。
【0089】次に、50℃で乾燥させたエチルトリアセ
トキシシランEtSi(OCOCH3)3 4.7部(0.
02mol)を、そのままで上記反応容器の滴下ロート
内に入れた。
【0090】以下実施例1と同様の方法で、目的のエチ
ルペンタフルオロ珪酸リチウム塩Li2〔EtSiF5
を得た(尚、イオン交換の工程は行っていない)。
【0091】比較例5 (有機フッ素珪素化合物塩の合成)実施例5で使用した
エチルメチルケトンの変わりに、水を使用する以外は、
実施例5と同様の処理を行い、エチルペンタフルオロ珪
酸リチウム塩Li2〔EtSiF5〕を得た。
【0092】実施例6 (有機フッ素珪素化合物塩の合成)実施例1と同様にま
ず、還流装置、撹拌装置および滴下ロートをつけた三つ
口フラスコの反応容器内に乾燥した窒素ガスを充填し
た。この三つ口フラスコ内に、50℃で真空乾燥して水
分を除去したテトラエチルアンモニウムフロオリドEt
4NF(純度99%)15.0部(0.10mol)及
びモレキュラーシーブ3Aで乾燥したジエチルエーテル
(純度99.5%)100部を入れ、テトラエチルアン
モニウムフロオリドが解けるまで撹拌した。なお、モレ
キュラーシーブで乾燥した後のジエチルエーテルの水分
量を、カールフィッシャ水分計で測定したところ、0.
5%であり、また、モレキュラーシーブで乾燥した後の
ジエチルエーテルの比誘電率を、Impedance
Analyzerで測定したところ、4.3(20℃)
であった。
【0093】次に、50℃で真空乾燥して水分を除去し
たビニルトリエトキシシランCH2=CHSi(OC2
533.8部(0.02mol)を、上記と同じ乾燥し
たジエチルエーテル100部に溶かし、この溶液を上記
反応容器の滴下ロート内に入れた。
【0094】以下実施例1と同様の方法で、目的のビニ
ルペンタフルオロ珪酸テトラエチルアンモニウム塩(E
4N)2〔CH2=CHSiF5〕を得た。
【0095】(有機フッ素珪素化合物塩のイオン交換)
上記で得られた、ビニルペンタフルオロ珪酸テトラエチ
ルアンモニウム塩および過塩素酸リチウムLiClO4
(純度98%)をアセトンに溶かし、2時間撹拌後ロー
タリーエバポレーターで濃縮し、乾燥し、その後得られ
た結晶を冷水で洗浄し副生成物である過塩素酸テトラエ
チルアンモニウム塩を除去し、目的のビニルペンタフル
オロ珪酸リチウム塩Li2〔CH2=CHSiF5〕を得
た。
【0096】比較例6 (有機フッ素珪素化合物塩の合成)実施例6で使用した
乾燥ジエチルエーテルの変わりに、ジエチルエーテル/
水(30%:70%)の混合水溶液を使用する以外は実
施例6と同様の処理を行い、ビニルペンタフルオロ珪酸
リチウム塩Li2〔CH2=CHSiF5〕を得た。
【0097】(評価方法)実施例1〜6及び比較例1〜
6で得られた有機フッ素珪素の化合物について、収量お
よび不純物量をそれぞれ測定し、実施例1と比較例1、
実施例2と比較例2というようにそれぞれ実施例と比較
例の場合を比べて、収量、不純物量、イオン交換後の不
純物量を、下記に記載したように評価した。
【0098】その結果、すべて、実施例で得られた有機
フッ素珪素化合物塩は、表1に記載したようにそれぞれ
の比較例に対して収率が良好で、かつ不純物の割合も少
なかった。
【0099】
【表1】 *1 収量 実施例で得られた有機フッ素珪素化合物の塩の重量を、
以下の計算式のように比較例 と比べて判定した。 収量=実施例で得られた有機フッ素珪素化合物塩の重量
/比較例で得られた有機フッ素珪素化合物塩の重量 *2 不純物量、*3 イオン交換後の不純物量 得られた有機フッ素珪素化合物の塩及びイオン交換後の
有機フッ素珪素化合物の塩を、高速液体クロマトグラフ
ィーを使用し、p-トルエンスルホン酸テトラn-ブチルア
ンモニウム塩を内標準試薬として、収量を測定し、以下
の計算式のように比較例と比べて判定した。 不純物量=((1− 実施例で得られた有機フッ素珪素
化合物塩の測定濃度)/内標準試薬の測定濃度))/
((1− 比較例で得られた有機フッ素珪素化合物塩の
測定濃度)/内標準試薬の測定濃度)) イオン交換後の不純物量=((1− 実施例で得られた
イオン交換後の有機フッ素珪素化合物塩の測定濃度)/
内標準試薬の測定濃度))/((1− 比較例で得られ
た有機フッ素珪素化合物塩の測定濃度)/内標準試薬の
測定濃度)) 測定濃度:高速液体クロマトグラフィー測定での全成分
のエリア%の総計に対する各エリア%
【0100】また、実施例1〜6で得られた有機フッ素
珪素化合物のリチウム塩を使用し、図4に記載したコイ
ン型二次電池を作製して充放電を行った。以下で、電池
の各構成物の作製手順と、電池の組み立てについて説明
する。
【0101】電解液の作製 実施例1〜6で得られた有機フッ素珪素化合物のリチウ
ム塩をそれぞれプロピレンカーボネート溶媒に溶かして
1M(mol/l)の電解液を作製した。
【0102】正極403の作製 炭酸リチウムと炭酸コバルトを、1:2のモル比で混合
した後、800℃空気流で熱処理して、リチウム−コバ
ルト酸化物を調整した。このリチウム−コバルト酸化物
92%、アセチレンブラック炭素粉3%及びポリフッ化
ビニリデン粉5%をN−メチル−2−ピロリドンに添加
してペーストを調整し、エキスパンドメタル状のアルミ
ニウム箔である集電体に塗布乾燥した後、150℃で減
圧乾燥して正極403を作製した。
【0103】負極402の作製 アルゴンガス気流中2000℃で熱処理した天然黒鉛の
微粉末95%及びポリフッ化ビニリデン粉5%N−メチ
ル−2−ピロリドンに添加してペーストを調整し、銅箔
である集電体に塗布乾燥した後、150℃で減圧乾燥し
て負極402を作製した。
【0104】セパレーター ポリエチレンの微孔セパレーターを用いた。
【0105】電池の組み立て アルゴンガス雰囲気中で、負極402と正極403の間
に電解液を保液させたセパレーター407を挟み、チタ
ンクラッドのステンレススチール材の正極缶406に挿
入した。得られた正極缶406に、ポリプロピレンの絶
縁パッキング410とチタンクラッドのステンレススチ
ール材の負極キャップ405をかぶせ、かしめてリチウ
ム二次電池を得た。
【0106】図2は、実施例1の有機フッ素珪素化合物
のリチウム塩を使用した二次電池の放電電流0.4mA時
の放電カーブであり、良好な充放電性能が得られた。な
お、他の実施例で得られた有機フッ素珪素化合物のリチ
ウム塩も実施例1同様の良好な充放電性能であった。
【0107】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電解質の
製造方法によれば、充放電の繰り返しによる性能劣化の
少ない、サイクル寿命の長いリチウム二次電池を提供す
る電解質を、不純物が少なくかつ高収率で製造すること
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の一態様を説明する図であ
る。
【図2】本発明の実施例において得られる電解質を使用
するリチウム二次電池の放電カーブを示す図である。
【図3】本発明の製造方法で得られる電解質を使用する
リチウム二次電池の構造の一態様を示す断面図である。
【図4】単層式扁平形電池の断面図である。
【図5】スパイラル式円筒形電池の断面図である。
【符号の説明】
301、402 負極 302 正極 303 電解質(電解液) 304 セパレーター 305 負極端子 306 正極端子 307 電池ハウジング 400、500 負極集電体 501 負極活物質 403、503 正極活物質 505 負極キャップ(負極端子) 506 正極缶(正極端子) 407、507 電解液を保持したセパレーター 410、510 絶縁パッキング 504 正極集電体 511 絶縁板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/40

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非水溶媒を主成分とする溶媒中で、少な
    くとも珪素元素及び炭素元素を含有する有機シラン化合
    物と、フッ素化合物を反応させる工程を有することを特
    徴とする、珪素元素、フッ素元素、炭素元素を含有する
    有機フッ素珪素化合物の塩からなる電解質の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記電解質が、リチウムイオンのインタ
    ーカレート反応及びデインターカレート反応を充放電に
    利用した二次電池に使用する電解質である請求項1記載
    の電解質の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記有機シラン化合物とフッ素化合物を
    反応させる工程で有機フッ素珪素化合物の塩を合成する
    請求項1又は2記載の電解質の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記非水溶媒を主成分とする溶媒が、非
    水溶媒を95重量%以上含有する溶媒である請求項1乃
    至3のいずれかに記載の電解質の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記非水溶媒を主成分とする溶媒が、前
    記有機シラン化合物と前記フッ素化合物を溶かすことが
    できる溶媒である請求項1乃至4のいずれかに記載の電
    解質の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記非水溶媒を主成分とする溶媒が、溶
    媒の温度が20℃のとき比誘電率3以上である請求項5
    記載の電解質の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記非水溶媒が、有機溶媒である請求項
    1乃至6のいずれかに記載の電解質の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記非水溶媒が、エーテル類、ケトン
    類、エステル類、アミド類、ニトリル類、アミン類、ハ
    ロゲン化合物類、ニトロ化合物類、硫黄化合物類から選
    ばれる少なくとも一種以上の非プロトン性溶媒である請
    求項6記載の電解質の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記フッ素化合物がフッ化物塩である請
    求項1記載の電解質の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記フッ化物塩がフッ化アンモニウム
    塩である請求項9記載の電解質の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記有機シラン化合物と前記フッ化ア
    ンモニウム塩を反応させて有機フッ素珪素化合物のアン
    モニウム塩を合成する請求項10記載の電解質の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 前記合成した有機フッ素珪素化合物の
    塩を中間生成物とし、次いで該塩のカチオンとアルカリ
    金属カチオンとをイオン交換する工程を行うことを特徴
    とする請求項3記載の電解質の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記アルカリ金属カチオンがリチウム
    イオンである請求項12記載の電解質の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記イオン交換する工程が、カチオン
    交換樹脂または膜で直接イオン交換する工程、カチオン
    交換樹脂または膜で水素イオンと交換し次いで目的のカ
    チオンで中和して交換する工程、目的とするイオンを含
    有する塩と溶媒中で混ぜイオン強度または沈殿発生を利
    用してカチオン交換する工程、から選ばれる一種以上の
    工程である請求項12又は13記載の電解質の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 前記有機シラン化合物が、珪素元素の
    4個の置換基として、ハロゲン基、水酸基、アルコキシ
    基、アシロキシ基、アレノキシ基、アミノ基、及び水素
    から選ばれる置換基を1から3個持ち、かつ残りの置換
    基としてアルキル基、アリール基から選ばれる置換基を
    持つ化合物である請求項1記載の電解質の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記有機シラン化合物が、珪素元素の
    置換基として少なくとも1個以上のフェニル基を持つ有
    機シラン化合物である請求項15記載の電解質の製造方
    法。
  17. 【請求項17】 前記有機シラン化合物とフッ素化合物
    を反応させる工程において有機フッ素珪素化合物の塩の
    珪素元素の置換基としてのフッ素元素を3個以下に調整
    する条件とする請求項1記載の電解質の製造方法。
  18. 【請求項18】 少なくとも正極、負極、セパレータを
    電池ハウジング内に収容した構造のリチウムイオンのイ
    ンターカレート反応及びデインターカレート反応を充放
    電に利用した二次電池の製造方法であって、請求項1乃
    至17のいずれかいに記載の方法により得られた電解質
    を電池ハウジング内に配置する工程を有する二次電池の
    製造方法。
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