JP2010135167A - 電極活物質および蓄電デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】蓄電デバイスの軽量化および高エネルギー密度化に寄与できる有機化合物からなる電極活物質において、充放電サイクル数の増加に伴って、電極活物質が劣化するのを抑制し、高出力および高容量を有し、繰り返し特性に優れる蓄電デバイスを提供する。
【解決手段】2,2’−エタンジイリデン−ビス−1,3−ジチオールの多量体、または、2,2’−エタンジイリデン−ビス−1,3−ジチオールとテトラチアフルバレンとの複合多量体を、蓄電デバイス用電極活物質として用いる。これにより、高容量、高電圧であり、かつ繰り返し特性に優れた蓄電デバイスが得られる。また、電極活物質としての材料設計の自由度が非常に大きくなり、蓄電デバイスの設計変更に容易に対応できる。
【選択図】なし
【解決手段】2,2’−エタンジイリデン−ビス−1,3−ジチオールの多量体、または、2,2’−エタンジイリデン−ビス−1,3−ジチオールとテトラチアフルバレンとの複合多量体を、蓄電デバイス用電極活物質として用いる。これにより、高容量、高電圧であり、かつ繰り返し特性に優れた蓄電デバイスが得られる。また、電極活物質としての材料設計の自由度が非常に大きくなり、蓄電デバイスの設計変更に容易に対応できる。
【選択図】なし
Description
本発明は、電極活物質および蓄電デバイスに関する。さらに詳しくは、本発明は主に、新規な電極活物質の提供に関する。
近年、ガソリンと電気の両方のエネルギーで駆動するハイブリッド電気自動車や、無停電電源、移動体通信機器、携帯電子機器などの電源を必要とする機器の普及に伴い、その電源として用いられる蓄電デバイスの高性能化の要求が非常に高まっている。具体的には、高出力、高容量、および優れた繰り返し特性を有する高性能な蓄電デバイスが要求されている。
蓄電デバイスの高性能化については、様々な取り組みがなされている。特に、電極活物質の高エネルギー密度化は、蓄電デバイス自体の高エネルギー密度化に直接的につながるため、電極活物質の検討が積極的に行われている。
例えば、電極活物質としてジスルフィド結合を有する有機化合物(以下「ジスルフィド化合物」とする)を用いた二次電池が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。ジスルフィド化合物は、電気化学的酸化反応によりS−S結合を介して結合し、式
M+−S-−R−S−S−R−S−S−R−S-−M+
(式中、Rは2価の脂肪族有機基または芳香族有機基を示す。M+はプロトンまたは金属カチオンを示す。)
で表される形態でポリマー化する。このポリマーは電気化学的還元反応により元のジスルフィド化合物に分解する。この反応が充放電反応に利用される。また、硫黄を電極活物質として用いることが提案されている(たとえば、特許文献3参照)。
M+−S-−R−S−S−R−S−S−R−S-−M+
(式中、Rは2価の脂肪族有機基または芳香族有機基を示す。M+はプロトンまたは金属カチオンを示す。)
で表される形態でポリマー化する。このポリマーは電気化学的還元反応により元のジスルフィド化合物に分解する。この反応が充放電反応に利用される。また、硫黄を電極活物質として用いることが提案されている(たとえば、特許文献3参照)。
また、ハイレ−トでの充放電が期待される新しい電極活物質として、π電子共役雲を有する有機化合物を用いた蓄電デバイスが提案されている(例えば、特許文献4〜6参照)。特許文献4には、例えば、化学構造式(X)で表されるテトラチアフルバレン(以下「TTF」とする)に代表される有機化合物が提案されている。TTFでは、約260mAh/gの高エネルギー密度が得られる。
また、特許文献5には、例えば、化学構造式(Y)で表される2,2’−エタンジイリデン−ビス−1,3−ジチオール(以下「EBDT」とする)に代表される有機化合物が開示されている。EBDTでは、約230mAh/gの高エネルギー密度が得られる。
さらに、特許文献6には、例えば、化学構造式(Z)で表されるTTF三量体に代表される、TTF多量体が開示されている。この電極活物質は、複数のTTF骨格を平面的に拡張した構造を有している。TTF多量体は、高容量、高出力、および優れた繰り返し特性を有する蓄電デバイス用電極活物質である。なぜなら骨格に反応に寄与しない置換基を導入しなくても、電解質への溶解が抑制された材料であるためである。
特許文献1および2に記載のジスルフィド化合物では、高容量が得られるが、繰り返し特性が経時的に低下する。これは、酸化還元反応がジスルフィド結合の解裂および再結合により起こるが、ジスルフィド結合は一度解裂すると再結合する頻度が低いためである。このように、ジスルフィド化合物では、理論的なエネルギー密度は高いが、すべての反応部位が効率よく反応に寄与しないので、実際には高エネルギー密度は得られないという問題がある。
特許文献4および5に記載のπ電子共役雲を有する有機化合物は、高容量、高出力および優れた繰り返し特性を有するものと考えられているが、電解質組成や蓄電デバイスの構成によっては、電解質に溶解することがある。電解質への溶解を抑制するためには、TTF骨格またはEBDT骨格の両端にエチレンジチオ基などの不溶解性置換基を導入するなどの誘導体するか、または、高分子化することが有効である。
しかし、不溶解性置換基の導入により、特許文献4および5の有機化合物に酸化還元反応に関与しない部位を導入することになってしまい、反応骨格の有するエネルギー密度を低下させてしまう。高分子化においても、酸化還元反応に関与しない置換基の導入が、合成上不可欠である。したがって、得られる誘導体や高分子体は、反応骨格であるTTF、EBDTよりもエネルギー密度が低くなり、反応骨格と同程度の高エネルギー密度化は困難である。
また、特許文献6のTTF多量体は優れた反応骨格であり、高エネルギー密度の蓄電デバイス用活物質になる。これは、酸化還元部位である2つの硫黄元素を含む5員環のみにより拡張した構造を有するためである。TTF多量体は、分子が平面構造をとり、平面的に分子がスタックしやすく、スタックした分子間に強い分子間力を生じるため、溶媒への溶解性が大きく低下する。また、この場合、酸化還元反応に寄与しない部分を導入することなく、不溶解性の分子を構成することが可能であるため、高エネルギー密度化を実現できる。
しかし、TTF多量体は、置換基を容易に導入できる部位が少ないので、分子設計がこの構造に限定される。このため、多くの誘導体を合成できず、材料設計の自由度が必ずしも大きいとは言えない。TTF多量体の誘導体は、分子末端にあるTTF部に結合する水素原子を官能基で置換する場合にのみ得られる。蓄電デバイスは、用途に応じて、電圧、容量などの特性を適宜変更する必要があるが、多くの誘導体を合成できないTTF多量体では、そのような変更に対応できない。すなわち、TTF多量体は、材料設計の自由度が不十分であるという課題を有している。
本発明の目的は、高エネルギー密度を有し、材料設計の自由度が高い新規な蓄電デバイス用電極活物質、および前記電極活物質を含み、高出力、高容量、および優れた繰り返し特性を有する蓄電デバイスを提供することである。
本発明者らは、従来技術の課題を解決できる新しい蓄電デバイス用電極活物質を得るため、鋭意研究を行なった。
蓄電デバイス用電極活物質として用いられる化合物は、酸化還元反応が可能であることが必要である。より具体的には、酸化還元反応に伴って有機化合物の価数が変化し、酸化体または還元体を形成し、酸化体および還元体の両方が分解などの副反応を伴わずに安定に存在することが必要である。このためには、当該有機化合物が、次の(イ)〜(ハ)のいずれか1つに該当することが必要である。
蓄電デバイス用電極活物質として用いられる化合物は、酸化還元反応が可能であることが必要である。より具体的には、酸化還元反応に伴って有機化合物の価数が変化し、酸化体または還元体を形成し、酸化体および還元体の両方が分解などの副反応を伴わずに安定に存在することが必要である。このためには、当該有機化合物が、次の(イ)〜(ハ)のいずれか1つに該当することが必要である。
(イ)ジスルフィド化合物の酸化還元反応のように、解裂/再結合反応による酸化還元反応を起こすことが可能である。(ロ)酸化体および還元体が中性状態/ラジカル状態をとる酸化還元反応が可能である。(ハ)酸化体および還元体の両方がヒュッケル則を満たす構造を有する化合物である。
しかし、(イ)のジスルフィド化合物の酸化還元反応では、繰り返し特性が低下する。また、(ロ)の酸化還元反応では、分子内に安定なラジカルを有する化合物が必要になる。一般にラジカルは不安定であるが、安定なラジカルを形成する化合物として、たとえば、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルが挙げられる。この化合物では、ラジカルが発生する部位であるNO位の両側に立体的に大きなメチル基を4つ配置することにより、安定なラジカルが形成されている。しかし、反応に関与しないメチル基が比較的多く存在し、1分子内に多数のラジカル部位を形成するのは困難なので、高エネルギー密度化が困難になることが多い。
そこで、本発明者らは、上記(ハ)の条件を満たす材料を選択した。(ハ)の条件を満たす有機化合物としては、たとえば、ポリアニリンやポリピロールなどの導電性高分子化合物が知られている。これらは、分子内においてπ電子共役雲が大きく広がるため、単位ユニット(ピロール環またはアニリン環1つ)あたりの反応電子数が0.5以下である。よって、一様にπ電子共役雲が広がった構造は高エネルギー密度化には適さない。
次に、高容量および高出力を有し、繰り返し特性に優れる蓄電デバイス用電極活物質に求められる有機化合物の物性について考察した。これについては、(A)〜(C)に示すとおりである。
(A)高容量を得る条件としては、単位分子あたりの反応電子数が多く、分子量が小さいことが挙げられる。これは、蓄電デバイス用活物質のエネルギー密度を求める以下の式に基づいている。
エネルギー密度[mAh/g]=[(反応電子数×96500)/(分子量)]×(1000/3600)
(A)高容量を得る条件としては、単位分子あたりの反応電子数が多く、分子量が小さいことが挙げられる。これは、蓄電デバイス用活物質のエネルギー密度を求める以下の式に基づいている。
エネルギー密度[mAh/g]=[(反応電子数×96500)/(分子量)]×(1000/3600)
(B)高出力を得る条件としては、酸化還元の反応速度が高いことが挙げられる。たとえば、反応時の構造変化が大きいと、酸化還元反応が阻害される。よって、高出力化に対しては、酸化還元反応時に構造が大きく変化しないことが求められる。
(C)優れた繰り返し特性を得る条件としては、当該有機化合物の酸化還元反応が、分子上への配位反応などのように、結合の形成/解裂反応でないことが挙げられる。
(C)優れた繰り返し特性を得る条件としては、当該有機化合物の酸化還元反応が、分子上への配位反応などのように、結合の形成/解裂反応でないことが挙げられる。
これらの点を考慮して、本発明者らが鋭意検討した結果、EBDT多量体または少なくとも1つのEBDT構造を含むEBDTと、TTFとの複合多量体が蓄電デバイス用電極活物質として、好適に使用できることを見出した。そして、EBDT構造とTTF構造とを複合化することにより、相乗的な効果が得られることを本発明者らは見出した。すなわち、EBDT構造のエネルギー密度が低い点およびTTF構造の設計自由度が低い点が相補的に解消されるだけでなく、エネルギー密度がさらに高くなり、さらに繰り返し特性が顕著に向上し、充放電を繰り返しても放電容量の低下が少なくなる。本発明者は、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
本発明は、蓄電デバイス用電極活物質であって、前記蓄電デバイス用電極活物質が、
一般式(1):
一般式(1):
(式(1)中、R1〜R6は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、不飽和脂肪族基または飽和脂肪族基であり、前記不飽和脂肪族基および前記飽和脂肪族基は、ハロゲン原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子または珪素原子を含んでもよく、前記不飽和脂肪族基および前記飽和脂肪族基は直鎖状でもよく、環状でもよい。R1およびR2は互いに結合して環を形成してもよい。R3およびR4は互いに結合して環を形成してもよい。また、mは0以上の整数であり、かつnは1以上の整数である。)
で表される構造を有する化合物(以下「EBDT/TTF化合物(1)」とする)を含むことを特徴とする蓄電デバイス用電極活物質を提供する。
また本発明は、蓄電デバイス用電極活物質であって、前記蓄電デバイス用電極活物質が、一般式(2):
で表される構造を有する化合物(以下「EBDT/TTF化合物(1)」とする)を含むことを特徴とする蓄電デバイス用電極活物質を提供する。
また本発明は、蓄電デバイス用電極活物質であって、前記蓄電デバイス用電極活物質が、一般式(2):
(式(2)中R7〜R14は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、不飽和脂肪族基または飽和脂肪族基であり、前記不飽和脂肪族基および前記飽和脂肪族基は、ハロゲン原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子または珪素原子を含んでもよく、前記不飽和脂肪族基および前記飽和脂肪族基は直鎖状でもよく、環状でもよい。R7およびR8は互いに結合して環を形成してもよい。R9およびR10は互いに結合して環を形成してもよい。また、mおよびnは上記に同じである。)
で表される構造を有する化合物(以下「EBDT/TTF化合物(2)」とする)を含むことを特徴とする蓄電デバイス用電極活物質を提供する。
また本発明は、蓄電デバイス用電極活物質であって、前記蓄電デバイス用電極活物質が、一般式(3):
で表される構造を有する化合物(以下「EBDT/TTF化合物(2)」とする)を含むことを特徴とする蓄電デバイス用電極活物質を提供する。
また本発明は、蓄電デバイス用電極活物質であって、前記蓄電デバイス用電極活物質が、一般式(3):
(式(3)中R15〜R20は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、不飽和脂肪族基または飽和脂肪族基であり、前記不飽和脂肪族基および前記飽和脂肪族基は、ハロゲン原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子または珪素原子を含んでもよく、前記不飽和脂肪族基および前記飽和脂肪族基は直鎖状でもよく、環状でもよい。R15およびR16は互いに結合して環を形成してもよい。R17およびR18は互いに結合して環を形成してもよい。また、rは1以上の整数であり、かつnは上記に同じである。)
で表される構造を有する化合物(以下「EBDT/TTF化合物(3)」とする)を含むことを特徴とする蓄電デバイス用電極活物質を提供する。
また、一般式(1)で表される構造を有する化合物は、一般式(1’):
で表される構造を有する化合物(以下「EBDT/TTF化合物(3)」とする)を含むことを特徴とする蓄電デバイス用電極活物質を提供する。
また、一般式(1)で表される構造を有する化合物は、一般式(1’):
(式(1’)中R5〜R6、mおよびnは上記に同じである。)
で表される構造を有する化合物(以下「化合物(1’)」とする)であることが好ましい。
また、一般式(2)で表される構造を有する化合物は、一般式(2’):
で表される構造を有する化合物(以下「化合物(1’)」とする)であることが好ましい。
また、一般式(2)で表される構造を有する化合物は、一般式(2’):
(式(2’)中R11〜R14、mおよびnは上記に同じである。)
で表される構造を有する化合物(以下「化合物(2’)」とする)であることが好ましい。
一般式(3)で表される構造を有する化合物は、一般式(3’):
で表される構造を有する化合物(以下「化合物(2’)」とする)であることが好ましい。
一般式(3)で表される構造を有する化合物は、一般式(3’):
(式(3’)中R19〜R20、rおよびnは上記に同じである。)
で表される構造を有する化合物(以下「化合物(3’)」とする)であることが好ましい。
で表される構造を有する化合物(以下「化合物(3’)」とする)であることが好ましい。
また、本発明は、正極活物質を含む正極、負極活物質を含む負極および電解質を含む蓄電デバイスであって、前記正極活物質および前記負極活物質の少なくとも一方が、本発明の蓄電デバイス用電極活物質であることを特徴とする蓄電デバイスを提供する。
電解質は、非水溶媒と、非水溶媒中に溶解したアニオンおよびカチオンからなる塩とを含有し、非水溶媒の比誘電率が10以上30以下であることが好ましい。
電解質は、非水溶媒と、非水溶媒中に溶解したアニオンおよびカチオンからなる塩とを含有し、非水溶媒の比誘電率が10以上30以下であることが好ましい。
非水溶媒は、比誘電率が10以下の溶媒と、比誘電率が30以上の溶媒との混合物であることが好ましい。
比誘電率が10以下の溶媒は、鎖状炭酸エステル、鎖状エステルおよび鎖状エーテルよりなる群から選ばれる少なくとも1つであり、比誘電率が30以上の溶媒は、環状炭酸エステルおよび環状エーテルから選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
比誘電率が10以下の溶媒は、鎖状炭酸エステル、鎖状エステルおよび鎖状エーテルよりなる群から選ばれる少なくとも1つであり、比誘電率が30以上の溶媒は、環状炭酸エステルおよび環状エーテルから選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
カチオンは4級アンモニウムイオンを含むことが好ましい。
カチオンはリチウムイオンを含むことが好ましい。
負極は、金属リチウム、リチウム合金またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な材料を含むことが好ましい。
カチオンはリチウムイオンを含むことが好ましい。
負極は、金属リチウム、リチウム合金またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な材料を含むことが好ましい。
また、本発明は本発明の蓄電デバイスを備えることを特徴とする携帯型電子機器を提供する。
また、本発明は本発明の蓄電デバイスを備えることを特徴とする車両を提供する。
また、本発明は本発明の蓄電デバイスを備えることを特徴とする車両を提供する。
本発明によれば、エネルギー密度が高く、かつ設計自由度が高い新規な電極活物質が提供される。この電極活物質を用いることにより、高出力、高容量、および優れた繰り返し特性を有する蓄電デバイスが得られる。本発明の蓄電デバイスは、特に充放電の繰り返し回数が増加しても、放電容量の低下が極めて少ないという優れた繰り返し特性を有している。
本明細書において、一般式(1)〜(3)において、符号R1〜R20で示される各基は、具体的には次の通りである。
鎖状または環状の脂肪族基としては、たとえば、アルキル基、シクロアルキル基などが挙げられる。アルキル基として、たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、n−ノニル、イソノニル、n−デシル、イソデシル、n−ウンデシル、イソウンデシル、n−ドデシル、イソドデシル、トリデシル、イソトリデシルなどの炭素数1〜22の直鎖または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、たとえば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの炭素数3〜6のシクロアルキル基が挙げられる。
鎖状または環状の不飽和脂肪族基としては、たとえば、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルケニル基、フェニル基などが挙げられる。
鎖状または環状の不飽和脂肪族基としては、たとえば、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルケニル基、フェニル基などが挙げられる。
アルケニル基としては、たとえば、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチル−1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、2−プロペニル、2−ブテニル、1−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニル、1−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1,3−ブタジエニル、1,3−ペンタジエニル、2−ペンテン−4−イル、2−ヘキセニル、1−ヘキセニル、5−へキセニル、3−ヘキセニル、4−へキセニル、3,3−ジメチル−1−プロペニル、2−エチル−1−プロペニル、1,3,5−ヘキサトリエニル、1,3−ヘキサジエニル、1,4−ヘキサジエニル基などの、二重結合を1個以上3個以下有し、炭素数2以上6以下(好ましくは炭素数2以上4以下)である直鎖または分枝鎖状アルケニル基が挙げられる。アルケニル基はトランス体およびシス体の両者を包含する。
アルキニル基としては、たとえば、エチニル、2−プロピニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−メチル−2−プロピニル、2−ペンチニル、2−ヘキシニル基などの、が含まれる。炭素数2以上炭素数6以下(好ましくは炭素数2以上炭素数4以下)の直鎖または分枝鎖状アルキニル基が挙げられる。また、シクロアルケニル基としては、たとえば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニルなどの炭素数3以上7以下のシクロアルケニル基が挙げられる。
R1〜R20で示される不飽和脂肪族基および飽和脂肪族基(以下「脂肪族基」と総称する)は、ハロゲン原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子および珪素原子よりなる群から選ばれる少なくとも1つの原子を含んでいてもよい。ハロゲン原子は、たとえば、脂肪族基の水素原子と置換して存在する。ハロゲン原子としては、たとえば、フッ素、塩素、臭素、沃素などが挙げられる。窒素原子は、たとえば、ニトロ基、アミノ基、アミド基、イミノ基、シアノ基などの形態で脂肪族基に置換する。
酸素原子は、たとえば、水酸基、オキソ基、カルボキシル基などの形態で脂肪族基に置換する。硫黄原子は、たとえば、アルキルチオ基、スルホ基、スルフィノ基、スルフェノ基、メルカプト基などの形態で脂肪族基に置換する。珪素原子は、たとえば、シリル基などの形態でこれら各基に置換する。ここに挙げた各種置換基の中でも、ニトロ基、アルキルチオ基、フェニル基などの電子吸引性の置換基が好ましい。
脂肪族基は、ここに挙げた各種置換基を、1個または2個以上を組み合わせて有することができる。
脂肪族基は、ここに挙げた各種置換基を、1個または2個以上を組み合わせて有することができる。
本発明の蓄電デバイス用電極活物質は、EBDT/TTF化合物(1)から選ばれる1または2以上の化合物を含む。また、本発明の蓄電デバイス用電極活物質は、EBDT/TTF化合物(2)から選ばれる1または2以上の化合物を含む。また、本発明の蓄電デバイス用電極活物質は、EBDT/TTF化合物(3)から選ばれる1または2以上の化合物を含む。本発明の蓄電デバイス用電極活物質は、エネルギー密度が高いだけでなく、非常に多くの分子構造をとりうることから、蓄電デバイスの特性、合成ルートなどの変更に容易に対応でき、材料設計の自由度が高い。
EBDT/TTF化合物(1)の中でも、R1〜R4が同じ基である化合物が好ましく、化合物(1’)がさらに好ましい。EBDT/TTF化合物(2)の中でも、R7〜R10が同じ基である化合物が好ましく、化合物(2’)がさらに好ましい。EBDT/TTF化合物(3)の中でも、R15〜R18が同じ基である化合物が好ましく、化合物(3’)がさらに好ましい。
EBDT/TTF化合物(1)〜(3)は、EBDTの多量体もしくは少なくとも1つのEBDT構造を含んだEBDTと、TTFとの複合多量体であり、構造対称性および平面構造を有し、酸化還元反応時に構造が大きく変化しないという特徴を有している。
また、EBDT/TTF化合物(1)〜(3)は、その分子中にEBDT骨格またはTTF骨格を含み、分子上には、電子の授受が可能なπ電子共役電子雲が形成されている。電子授受は、この化合物への酸化還元反応によって進行する。例えば、酸化反応(充電反応)時には、EBDT/TTF化合物(1)〜(3)が酸化され、電解質中のアニオン種が前記π電子共役電子雲に配位する。還元反応(放電反応)時には、EBDT/TTF化合物(1)〜(3)の上に配位したアニオン種が脱離する。この反応を蓄電反応として利用できる。
EBDT/TTF化合物(1)〜(3)は、この一連の酸化還元反応において、結合の解裂および再結合といった大きな構造変化を起こさない。この酸化還元反応は、上記(A)および(B)の条件を満たしているので、蓄電デバイスに高容量、高出力、および優れた繰り返し特性を付与できる蓄電デバイス用電極活物質が得られる。また、EBDT/TTF化合物(1)〜(3)の分子構造がTTF骨格およびEBDT骨格のみで構成されていることから、高エネルギー密度化を実現できる。
また、TTFの単量体またはEBDTの単量体と比較すると、EBDT/TTF化合物(1)〜(3)は、分子が平面的に拡張された長い分子になる。このため、平面分子が積層し易く、それにより分子間に強い分子間力が作用する。この分子間力により、電解質に対する耐溶解性を有し、繰り返し特性に優れた蓄電デバイス用電極活物質になる。
EBDT/TTF化合物(1)の具体例としては、たとえば、下記表1に示す化合物(1A)〜(1B)が挙げられる。化合物(1A)は、TTFとEBDTとの二量体である。化合物(1B)は、TTFとEBDTとを含む三量体である。
EBDT/TTF化合物(2)の具体例としては、たとえば、下記表1に示す化合物(2A)〜(2C)が挙げられる。化合物(2A)は、EBDTの二量体である。化合物(2B)はTTFとEBDTとを含む三量体である。化合物(2C)はEBDTの三量体である。EBDT/TTF化合物(3)の具体例としては、たとえば、下記表1に示す化合物(3A)が挙げられる。化合物(3A)はTTFとEBDTとを含む三量体である。
EBDT/TTF化合物(1)〜(3)は、3量体だけでもここで挙げた限りではなく、さらに4量体、5量体と構成することが可能である。すなわち、EBDT構造とTTF構造との組み合わせにより、非常に多くの分子構造をとることができ、材料設計の自由度が非常に大きい。EBDT/TTF化合物(1)〜(3)における繰り返し単位m、rおよびnに関して特に制限はないが、EBDT/TTF化合物(1)〜(3)の電解質への不溶化効果、合成ステップ数、合成時間などの観点から、m、rおよびnともに好ましくは3以下である。
EBDT/TTF化合物(1)〜(3)は、たとえば、反応式1に示すカップリング反応または反応式2に示すウィテッヒ(Witting)反応を繰り返し実施するか、または組み合わせて実施することにより合成できる。すなわち、EBDT多量体およびEBDTとTTFとの複合多量体を合成できる。EBDT多量体は、複数のEBDT構造を含んでいる。また、EBDTとTTFとの複合多量体は、少なくとも1つのEBDT構造とTTF構造とを含んでいる。
反応式1のカップリング反応により、ジチオール環上の2位の炭素原子が2重結合を形成したTTF環を合成することができる。反応式2のウィテッヒ反応により、1,3−ジチオール環の2位の位置の炭素原子が1つ以上の炭素原子を介した形で結合を形成したEBDT骨格を合成できる。なお、ウィテッヒ反応はアルデヒトやケトンから炭素−炭素2重結合を形成する一般的な合成方法である。
また、EBDT/TTF化合物(1)〜(3)は、TTF多量体に比べて、多くの誘導体を形成することが可能である。これは、EBDT構造がその分子中に炭素−炭素一重結合を有し、その炭素−炭素一重結合を構成する炭素原子に結合する水素原子を他の官能基に置換することが可能であることによる。誘導体の具体例を下記表2および表3に示す。
表2に示す化合物(2D)はTTFとEBDTとを含む三量体であり、表1に示す化合物(2B)の誘導体である。化合物(2D)は、分子末端のR7とR8とが互いに結合して、1,4−ジチア−シクロヘキサン環を形成している。また、もう一方の分子末端のR9とR10とが互いに結合して、1,4−ジチア−シクロヘキサン環を形成している。R11〜14は水素原子であり、m=n=1である。分子末端に1,4−ジチア−シクロヘキサン環を付加することにより、化合物(2D)の電解質への溶解性を制御することが可能であり、用途に応じた蓄電デバイス設計が可能となる。
表2に示す化合物(2E)は、表1に示す化合物(2C)の誘導体であり、炭素−炭素一重結合を構成する炭素原子には全てフェニル基が置換している。フェニル基の付加により、化合物(2D)の酸化還元電位を制御することが可能であり、用途、性能に応じた蓄電デバイス設計が可能になる。また、フェニル基の付加は、フェニル基のベンゼン環上に種々の官能基を置換できることから、合成上種々の合成ルートを経由して合成することも可能となり、材料設計の自由度が大きいということができる。
表2に示す化合物(2F)も、表1に示す化合物(2C)の誘導体であり、化合物(2E)に類似している。化合物(2F)は、化合物(2E)のフェニル基のベンゼン環上にニトロ基が置換している。ニトロ基、シアノ基などの電子吸引性官能基を置換することによって、EBDT骨格の酸化還元電位を高く設計することも可能である。したがって、用途に応じた蓄電デバイス設計が可能になる。
また、下記表3に示す化合物(1C)〜(1E)は、EBDT/TTF化合物(1)の高分子体である。なお、化合物(1C)〜(1E)の化学構造式において、R1〜R6、mおよびnは上記に同じ意味を示し、lは1以上の整数を示す。また、化合物(1E)は、主鎖であるポリプロピレンとEBDT/TTF化合物とのグラフト共重合体である。主鎖はポリプロピレンに限定されるものではなく、一般的に知られた高分子主鎖であれば何でも適応しうる。例えば、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエーテルなどが挙げられる。
化合物(1C)〜(1E)である高分子化合物は、低分子化合物に比べて、電解質に溶解しにくい性質を有するため、電極活物質として用いると、電解質への溶出が抑制され、優れた保存特性や繰り返し特性が得られる。低分子化合物の場合、電解質への溶解性を考慮して、溶媒組成、蓄電デバイス構成、導入できる官能基などに制限があるが、高分子化合物の場合、このような制限なしに、蓄電デバイスを構成することがでる。したがって、デバイスの設計自由度が大きいという利点を有する。なお、高分子化合物とは一般的に分子量が10000以上のものを指す。
なお、EBDT/TTF化合物(1)の高分子体の具体例を示したが、EBDT/TTF化合物(2)および(3)も、同様の高分子体にすることができる。
本発明の蓄電デバイスは、正極および負極のうち少なくとも一方が、EBDT/TTF化合物(1)から選ばれる1または2以上の化合物を含む本発明電極活物質、EBDT/TTF化合物(2)から選ばれる1または2以上の化合物を含む本発明電極活物質或いはEBDT/TTF化合物(3)から選ばれる1または2以上の化合物を含む本発明電極活物質を用いる。例えば、正極および負極のうちいずれか一方の電極に、本発明電極活物質のいずれか1つを用い、他方の電極に、二次電池で常用されている活物質を使用できる。
本発明の蓄電デバイスは、たとえば、正極と、負極と、セパレータと、電解質とを含む。正極と負極とは、セパレータを介して対向するように配置される。
正極は、正極集電体と正極活物質層とを含み、正極活物質層がセパレータ側に位置するように配置される。正極集電体としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ニッケル、アルミニウム、金、銀、銅、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金などの金属材料からなる多孔質または無孔のシート状物またはフィルム状物を使用できる。シート状物またはフィルム状物とは、具体的には、金属箔、メッシュ体などである。また、正極集電体の表面にカーボンなどの炭素材料を塗布し、抵抗値の低減、触媒効果の付与、正極活物質層と正極集電体とを化学的または物理的に結合させることによる正極活物質層と正極集電体と結合強化などを図ってもよい。
正極活物質層は正極集電体の少なくとも一方の表面に設けられ、正極活物質を含み、必要に応じて、電子伝導補助剤、イオン伝導補助剤、結着剤などを含む。本発明の電極活物質を正極活物質として用いる場合には、負極活物質としては、たとえば、黒鉛化炭素(グラファイト)、活性炭などの非晶質炭素材料、リチウム金属、リチウム含有複合窒化物、リチウム含有チタン酸化物、珪素、珪素酸化物、珪素合金などの珪素化合物、錫、錫酸化物、錫合金などの錫化合物などを好ましく使用できる。
電子伝導補助剤およびイオン伝導補助剤は、たとえば、電極の抵抗を低減するために用いられる。電子伝導補助剤としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、カーボンブラック、グラファイト、アセチレンブラックなどの炭素材料、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子化合物などが挙げられる。また、イオン伝導補助剤としてもこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ポリエチレンオキシドなどの固体電解質、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸メチルなどのゲル電解質などが挙げられる。
結着剤は、たとえば、電極の構成材料の結着性を向上させるために用いられる。結着剤としてもこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフルライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミドなどが挙げられる。
正極活物質層は、たとえば、正極合剤スラリーを正極集電体表面に塗布し、乾燥し、圧延することにより形成できる。正極合剤スラリーは、正極活物質および必要に応じて電子伝導補助剤、伝導補助剤、結着剤などを有機溶媒に溶解または分散させることにより調製できる。有機溶媒としては、たとえば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアミン、アセトン、シクロヘキサノンなどを使用できる。また、非水溶媒を使用せず、正極活物質および必要に応じて電子伝導補助剤、伝導補助剤、結着剤などを混合し、この混合物を正極集電体に圧着させて、正極活物質層を形成してもよい。
負極は、負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層がセパレータ側に位置するように配置される。負極集電体には、正極集電体と同様の金属材料からなる多孔性または無孔のシート状物またはフィルム状物を使用できる。具体的には、たとえば、金属箔、メッシュ体などである。負極集電体の表面にも、正極集電体と同様に、カーボンなどの炭素材料を塗布し、抵抗値の低減、触媒効果の付与、負極活物質層と負極集電体との結合強化などを図ってもよい。
負極活物質層は負極集電体の少なくとも一方の表面に設けられ、負極活物質を含み、必要に応じて、電子伝導補助剤、イオン伝導補助剤、結着剤などを含む。本発明の電極活物質を負極活物質として用いる場合には、正極活物質として、たとえば、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4などのリチウム含有金属酸化物などを好ましく使用できる。負極活物質層に含まれる電子伝導補助剤、イオン伝導補助剤および結着剤は、正極活物質層に含まれる電子伝導補助剤、イオン伝導補助剤、結着剤と同じものを使用できる。
負極活物質層は、たとえば、負極集電体の表面に負極合剤スラリーを塗布し、乾燥し、圧延することによって形成できる。負極合剤スラリーは、負極活物質を含み、必要に応じて電子伝導補助剤、イオン伝導補助剤、結着剤、増粘剤などを有機溶媒に溶解または分散させることにより調製できる。有機溶媒は、正極合剤スラリーの調製に用いられる有機溶媒と同様のものを使用できる。また、非水溶媒を使用せず、負極活物質および必要に応じて電子伝導補助剤、伝導補助剤、結着剤などを混合し、この混合物を負極集電体に圧着させて、負極活物質層を形成してもよい。また、負極活物質として珪素化合物または錫化合物を用いる場合は、真空蒸着、スパッタリングなどにより負極活物質層を形成できる。さらに、負極には、リチウム金属板と負極集電体との積層体を用いてもよい。
セパレータは、正極と負極との間に設けられる。セパレータには、所定のイオン透過度、機械的強度、絶縁性などを併せ持つシート状物またはフィルム状物が用いられる。セパレータの具体例としては、たとえば、微多孔膜、織布、不織布などの、多孔性のシート状物またはフィルム状物が挙げられる。セパレータの材料には各種樹脂材料を使用できるが、耐久性、シャットダウン機能、電池の安全性などを考慮すると、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンが好ましい。なお、シャットダウン機能とは、電池の異常発熱時に貫通孔が閉塞し、それによりイオンの透過を抑制し、電池反応を遮断する機能である。
電解質は、主にセパレータに含浸される液状電解質である。液状電解質は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解可能な支持塩とを含む。支持塩としては、以下に挙げるカチオンとアニオンとからなる支持塩が挙げられる。カチオンとしては、たとえば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属のカチオン、マグネシウムなどのアルカリ土類金属のカチオン、テトラエチルアンモニウム、1,3−エチルメチルイミダゾリウムなどの4級アンモニウムカチオンを使用できる。カチオンは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。これらの中でも、リチウムのカチオン、4級アンモニウムカチオンなどが好ましい。
アニオンとしては、たとえば、ハロゲン化物アニオン、過塩素酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、四ホウフッ化物アニオン、トリフルオロリン6フッ化物アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(パーフルオロエチルスルホニル)イミドアニオンなどが挙げられる。アニオンは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。支持塩の具体例としては、例えば、フッ化リチウム、塩化リチウム、過塩素酸リチウム、トリフロロメタンスルホン酸リチウム、四ホウフッ化リチウム、ビストリフロロメチルスルホニルイミドリチウム、チオシアン酸リチウム、過塩素酸マグネシウム、トリフロロメタンスルホン酸マグネシウム、四ホウフッ化ナトリウムなどが挙げられる。
蓄電デバイスにおいて電気化学反応を生じさせるためには、例えば、支持塩を非水溶媒中で溶解させて解離させる必要がある。このため、非水溶媒の比誘電率が高いことが要求される。また、本発明の電極活物質の種類により、電極活物質が比誘電率の高い非水溶媒に溶解しやすい場合がある。従って、本発明の蓄電デバイスにおいて、適切な比誘電率を有する非水溶媒を電解質に用いる必要がある。
上記の観点から、非水溶媒としては比誘電率10以上30以下の非水溶媒が好ましい。比誘電率が10以上30以下の非水溶媒としては、前記範囲の比誘電率を有する非水溶媒をそのまま用いてもよい。また、比誘電率の異なる複数の非水溶媒を混合し、得られる混合物の比誘電率を前記範囲に調整してもよい。より具体的には、たとえば、比誘電率10以下の非水溶媒と比誘電率30以上の非水溶媒とを混合することにより、比誘電率が前記範囲である非水溶媒が得られる。
比誘電率が10未満では、支持塩の非水溶媒に対する溶解性が低下し、電気化学的な酸化還元反応が円滑に進行しない場合が生ずるおそれがある。支持塩と非水溶媒とを含む液状電解質を用いる蓄電デバイスにおいて、電気化学的な酸化還元反応を行うためには、非水溶媒が支持塩を溶解し、支持塩を構成するイオンの結合および解離を可逆的に行い得る状態にする必要がある。比誘電率が30を超えると、本発明の電極活物質が有機溶媒に対して溶解性を示すおそれがある。本発明の電極活物質は誘導体化がなされているものの、比誘電率が30を超える有機溶媒に対しては、蓄電デバイスの各種特性を低下させる程度の溶解性を示すおそれがある。
比誘電率が10以下の溶媒としては、鎖状炭酸エステル、鎖状エステル、鎖状エーテルが挙げられる、これらの中から1または2以上を使用できる。比誘電率が30以上の溶媒としては、環状炭酸エステル、環状エーテルが挙げられ、これらの中から1または2以上を使用できる。
鎖状炭酸エステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジn−プロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどが挙げられる。
鎖状炭酸エステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジn−プロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどが挙げられる。
鎖状エステルとしては、例えば、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、吉草酸メチルなどが挙げられる。
鎖状エーテルとしては、例えば、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジプロピルエーテルが挙げられる。
鎖状エーテルとしては、例えば、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジプロピルエーテルが挙げられる。
環状炭酸エステルとしては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートが挙げられる。
環状エーテルとしては、例えば、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル−1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソランなどが挙げられる。
環状エーテルとしては、例えば、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル−1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソランなどが挙げられる。
また、電解質として、固体電解質やゲル状ポリマー電解質を用いてもよい。
固体電解質としては、Li2S−SiS2−リチウム化合物(ここでリチウム化合物はLi3PO4、LiIおよびLi4SiO4よりなる群から選ばれる少なくとも1種である。)、Li2S−P2O5、Li2S−B2S5、Li2S−B2S5、Li2S−P2S5−GeS2、ナトリウム/アルミナ(Al2O3)、相転移温度(Tg)の低い無定形ポリエーテル、無定形フッ化ビニリデンコポリマー、異種ポリマーのブレンド体、ポリエチレンオキサイドなどが挙げられる。
固体電解質としては、Li2S−SiS2−リチウム化合物(ここでリチウム化合物はLi3PO4、LiIおよびLi4SiO4よりなる群から選ばれる少なくとも1種である。)、Li2S−P2O5、Li2S−B2S5、Li2S−B2S5、Li2S−P2S5−GeS2、ナトリウム/アルミナ(Al2O3)、相転移温度(Tg)の低い無定形ポリエーテル、無定形フッ化ビニリデンコポリマー、異種ポリマーのブレンド体、ポリエチレンオキサイドなどが挙げられる。
ゲル状ポリマー電解質としては、たとえば、液状電解質をポリマーでゲル化したものを使用できる。液状電解質としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの低分子量非水溶媒を含むものが好ましい。ポリマーとしては、たとえば、ポリアクリロニトリル、エチレンとアクリロニトリルとのコポリマー、これらの架橋物などを使用できる。
本発明の蓄電デバイスは、電気化学的な酸化還元反応によって得られた電気エネルギーを内部に蓄えることができる装置である。蓄電デバイスの具体例としては、たとえば、一次電池、二次電池、電気化学キャパシタ、電解コンデンサ、センサー、エレクトロクロミック素子などが挙げられる。
また、本発明の蓄電デバイスは、電子機器、車両などの主電源または補助電源として好適に使用できる。電子機器としては、たとえば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、モバイル機器、携帯情報端末(PDA)、携帯用ゲーム機器、ビデオカメラなどの携帯用電子機器が挙げられる。車両としては、たとえば、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、燃料自動車などの、電池を主電源または補助電源とする車両が挙げられる。
また、本発明の電子機器は、従来の電源用二次電池に代えて本発明の蓄電デバイスを用いる以外は、従来の電子機器と同じ構成を有している。また、本発明の車両も、従来の主電源用二次電池または補助電源用二次電池に代えて本発明の蓄電デバイスを用いる以外は、従来の車両と同じ構成を有している。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
本発明の蓄電デバイスとして、図1に示すコイン型蓄電デバイス1を作製した。図1は、本発明の実施形態の1つであるコイン型蓄電デバイス1の構成を模式的に示す縦断面図である。
(実施例1)
本発明の蓄電デバイスとして、図1に示すコイン型蓄電デバイス1を作製した。図1は、本発明の実施形態の1つであるコイン型蓄電デバイス1の構成を模式的に示す縦断面図である。
(1)正極活物質の作製
以下に示す合成工程(I)および合成工程(II)に従って、化合物(2G)である電極活物質を合成した。化合物(2G)は、表1に示す化合物(2B)の両末端に、それぞれ2個のメチルチオ基が置換した誘導体である。
以下に示す合成工程(I)および合成工程(II)に従って、化合物(2G)である電極活物質を合成した。化合物(2G)は、表1に示す化合物(2B)の両末端に、それぞれ2個のメチルチオ基が置換した誘導体である。
合成工程(I)では、化合物3を合成した。合成工程(II)では、化合物10を原料と
し、各中間体である化合物11〜14を経て得られる最終中間体15と、合成工程(I)で得られる化合物3とを、ウィテッヒ反応により反応させて、化合物(2G)を合成した。合成に用いた化合物は特に記載の無い限り、市販品をそのまま用いた。また、合成は特に記載のない限り、アルゴン置換したナスフラスコ内にてアルゴン雰囲気下で実施した。
以下に、合成工程(I)および合成工程(II)について、より具体的に説明する。
し、各中間体である化合物11〜14を経て得られる最終中間体15と、合成工程(I)で得られる化合物3とを、ウィテッヒ反応により反応させて、化合物(2G)を合成した。合成に用いた化合物は特に記載の無い限り、市販品をそのまま用いた。また、合成は特に記載のない限り、アルゴン置換したナスフラスコ内にてアルゴン雰囲気下で実施した。
以下に、合成工程(I)および合成工程(II)について、より具体的に説明する。
(I−1)化合物31の合成
アルゴン置換した300mlナスフラスコ中で、化合物30である4,5−ビス(ベンゾイルチオ)−1,3−ジチオール2−オン(東京化成(株)製)12.2g(31.2mmol)をジクロロメタン−アセトン混合溶媒(体積比1:1)160mlに溶解させた。この溶液に、28重量%のナトリウムメトキシド/メタノ−ル溶液を12.0g(62.2mmol)加えた。室温にて40分間攪拌し、ジエチルエーテルを加え、ろ過および洗浄し、固形分を分離した。この固形物をアセトン200mlに加え、さらにジクロロメチルメチルエーテル6.94g(60.3mmol)加えて室温にて1時間攪拌した。ろ過および洗浄し、固形物を分離し、化合物31を茶色固体として3.65g得た。収率は52%であった。
アルゴン置換した300mlナスフラスコ中で、化合物30である4,5−ビス(ベンゾイルチオ)−1,3−ジチオール2−オン(東京化成(株)製)12.2g(31.2mmol)をジクロロメタン−アセトン混合溶媒(体積比1:1)160mlに溶解させた。この溶液に、28重量%のナトリウムメトキシド/メタノ−ル溶液を12.0g(62.2mmol)加えた。室温にて40分間攪拌し、ジエチルエーテルを加え、ろ過および洗浄し、固形分を分離した。この固形物をアセトン200mlに加え、さらにジクロロメチルメチルエーテル6.94g(60.3mmol)加えて室温にて1時間攪拌した。ろ過および洗浄し、固形物を分離し、化合物31を茶色固体として3.65g得た。収率は52%であった。
(I−2)化合物32の合成
アルゴン置換した100mlナスフラスコに、化合物31の3.60g(16.1mmol)が溶解した100mlジクロロメタン−無水酢酸混合溶媒(体積比1:1)を入れ、これに42%ほうフッ化水素酸水溶液6.50g(32.2mmol)を滴下した。0℃にて1時間攪拌後、ジエチルエーテルを加え、分離および洗浄し、化合物32を淡黄色結晶として4.16g得た。収率は92%であった。
アルゴン置換した100mlナスフラスコに、化合物31の3.60g(16.1mmol)が溶解した100mlジクロロメタン−無水酢酸混合溶媒(体積比1:1)を入れ、これに42%ほうフッ化水素酸水溶液6.50g(32.2mmol)を滴下した。0℃にて1時間攪拌後、ジエチルエーテルを加え、分離および洗浄し、化合物32を淡黄色結晶として4.16g得た。収率は92%であった。
(I−3)化合物33の合成
化合物32の4.16g(14.8mmol)およびヨウ化ナトリウム4.45g(29.7mmol)をアセトン450mlに溶解し、この溶液にトリエチルホスフィン4.93g(29.7mmol)をゆっくり加え、室温にて攪拌した。反応終了後、分離および洗浄し、化合物33を暗紫色オイルとして3.96g得た。収率は81%であった。
化合物32の4.16g(14.8mmol)およびヨウ化ナトリウム4.45g(29.7mmol)をアセトン450mlに溶解し、この溶液にトリエチルホスフィン4.93g(29.7mmol)をゆっくり加え、室温にて攪拌した。反応終了後、分離および洗浄し、化合物33を暗紫色オイルとして3.96g得た。収率は81%であった。
(I−4)化合物3の合成
100mlナスフラスコにトルエン10ml、化合物33の611mgおよびトリエチルホスフィン20mlを加え110℃に加熱した。同温度で2時間攪拌した後、冷却およびろ過による分離を行い、化合物3を赤橙色固体として470mgを得た。
100mlナスフラスコにトルエン10ml、化合物33の611mgおよびトリエチルホスフィン20mlを加え110℃に加熱した。同温度で2時間攪拌した後、冷却およびろ過による分離を行い、化合物3を赤橙色固体として470mgを得た。
(II−1)化合物11の合成
アルゴン置換した200mlナスフラスコに化合物10(4,5−ビス(メチルチオ)−1,3−ジチオ−2−チオン、東京化成(株)製)を2.26g(10mmol)とり、硫酸ジメチル14.2ml(150mmol)加えて70℃にて2時間攪拌を行った。その後0℃まで冷却し、42%ほうフッ化水素酸水溶液2.3g(11mmol)加えて1時間攪拌した。その後エーテルにて洗浄し、分離し、乾燥後、化合物11を赤茶色オイルとして3.28g得た。
アルゴン置換した200mlナスフラスコに化合物10(4,5−ビス(メチルチオ)−1,3−ジチオ−2−チオン、東京化成(株)製)を2.26g(10mmol)とり、硫酸ジメチル14.2ml(150mmol)加えて70℃にて2時間攪拌を行った。その後0℃まで冷却し、42%ほうフッ化水素酸水溶液2.3g(11mmol)加えて1時間攪拌した。その後エーテルにて洗浄し、分離し、乾燥後、化合物11を赤茶色オイルとして3.28g得た。
(II−2)化合物12の合成
アルゴン置換した200mlナスフラスコに化合物11を3.28g(10mmol)とり、アセトニトリル45ml加え0℃まで冷却した。その後水素化ホウ素ナトリウム0.76g(20mmol)を加えて1時間攪拌後、反応液を冷水に投入し、ろ過、硫酸ナトリウムにて脱水および乾燥を行い、化合物12を橙色固体として2.42g得た。収率は94.2%であった。
アルゴン置換した200mlナスフラスコに化合物11を3.28g(10mmol)とり、アセトニトリル45ml加え0℃まで冷却した。その後水素化ホウ素ナトリウム0.76g(20mmol)を加えて1時間攪拌後、反応液を冷水に投入し、ろ過、硫酸ナトリウムにて脱水および乾燥を行い、化合物12を橙色固体として2.42g得た。収率は94.2%であった。
(II−3)化合物13の合成
アルゴン置換した200mlナスフラスコに化合物12を2.28g(9.42mmol)取り、0℃に冷却後無水酢酸40mlを加え、その後42%ほうフッ化水素酸3.94g(18.84mmol)をゆっくり滴下した。1時間攪拌した後、エーテルで抽出し、洗浄、ろ過および乾燥を行い、化合物13を黄緑色固体として2.65g得た。
アルゴン置換した200mlナスフラスコに化合物12を2.28g(9.42mmol)取り、0℃に冷却後無水酢酸40mlを加え、その後42%ほうフッ化水素酸3.94g(18.84mmol)をゆっくり滴下した。1時間攪拌した後、エーテルで抽出し、洗浄、ろ過および乾燥を行い、化合物13を黄緑色固体として2.65g得た。
(II−4)化合物14の合成
アルゴン置換した300mlナスフラスコに化合物13を2.65g(9.42mmol)とり、アセトニトリル75mlを加えて溶解させた。その後トリフェニルホスフィン2.96g(11.3mmol)加えて1時間室温にて攪拌した。エーテルで洗浄し、ろ過および乾燥を行い、化合物14を白色固体として5.12gを得た。収率は86%であった。
アルゴン置換した300mlナスフラスコに化合物13を2.65g(9.42mmol)とり、アセトニトリル75mlを加えて溶解させた。その後トリフェニルホスフィン2.96g(11.3mmol)加えて1時間室温にて攪拌した。エーテルで洗浄し、ろ過および乾燥を行い、化合物14を白色固体として5.12gを得た。収率は86%であった。
(II−5)化合物15の合成
アルゴン置換した200mlナスフラスコに化合物14を2.72g(5mmol)とり、0℃まで冷却し、アセトニトリル75mlを加えて溶解させた。その後、39%グリオキサール水溶液2.9g(20mmol)を加え、さらにトリエチルアミン12.5mlをゆっくり滴下して1時間攪拌した。塩化メチレン、水にて抽出し、洗浄、硫酸ナトリウムによる脱水し、ろ過および乾燥を行い、化合物15を黄茶色オイルとして1.18gを得た。収率は79%であった。
アルゴン置換した200mlナスフラスコに化合物14を2.72g(5mmol)とり、0℃まで冷却し、アセトニトリル75mlを加えて溶解させた。その後、39%グリオキサール水溶液2.9g(20mmol)を加え、さらにトリエチルアミン12.5mlをゆっくり滴下して1時間攪拌した。塩化メチレン、水にて抽出し、洗浄、硫酸ナトリウムによる脱水し、ろ過および乾燥を行い、化合物15を黄茶色オイルとして1.18gを得た。収率は79%であった。
(II−6)化合物(2G)の合成
30mlナスフラスコにテトラヒドロフラン2.5mlおよびジイソプロピルアミン0.28mlを加え、ドライアイスにて−70℃まで冷却した。次に、ブチルリチウム1.25mlを加えて30分間攪拌し、リチウムジイソプロピルアミンを得た。
30mlナスフラスコにテトラヒドロフラン2.5mlおよびジイソプロピルアミン0.28mlを加え、ドライアイスにて−70℃まで冷却した。次に、ブチルリチウム1.25mlを加えて30分間攪拌し、リチウムジイソプロピルアミンを得た。
アルゴン置換した50mlナスフラスコに、化合物15を0.052g(0.22mmol)、化合物3を0.063g(0.1mmol)を取り、さらに脱水テトラヒドロフランを10ml加えてドライアイスバスにて−70℃まで冷却した。10分攪拌後、上記で得られたリチウムジイソプロピルアミンを0.48ml加えて1時間攪拌した後、−50℃まで昇温した。反応混合物にメタノールを30ml加えて沈殿を生成させ、この沈殿をろ取し、洗浄し、乾燥し、黄茶色の化合物(2G)0.0793gを得た。収率は93%であった。
得られた化合物(2G)のIR測定(KBr法)を実施した。結果を図2に示す。図2は、化合物(2G)の赤外線吸収スペクトルである。図2から、1531、1509、1489、1425、1307、1267、1171、1021、967、891、795、762、671、583cm-1に吸収を確認した。
(2)蓄電デバイスの作製
上記のようにして合成した電極活物質(化合物(2G))を用いて、まず正極を作製した。化合物(2G)は混合前に、乳鉢で粉砕してから用いた。乳鉢で粉砕後の化合物(2G)の粒子径はおよそ10μmであった。
上記のようにして合成した電極活物質(化合物(2G))を用いて、まず正極を作製した。化合物(2G)は混合前に、乳鉢で粉砕してから用いた。乳鉢で粉砕後の化合物(2G)の粒子径はおよそ10μmであった。
化合物(2G)12.5mgおよびアセチレンブラック(導電剤)100mgを均一に混合し、さらにポリテトラフルオロエチレン(結着剤)25mgを加えて混合することにより、正極合剤を調製した。この正極合剤をアルミニウム金網からなる正極集電体12の上に圧着し、真空乾燥を行い、正極集電体12上に正極合剤層13を形成した。これを直径13.5mmの円盤状に打ち抜き裁断して正極21を作製した。正極活物質の塗布重量は、極板単位面積あたり1.5mg/cm2であった。
負極活物質層16としてリチウム金属板(厚み300μm)を直径15mmの円盤状に打ち抜き、これを直径15mmの円盤状のステンレス鋼製の負極集電体17に重ね合わせ、負極22を作製した。電解質として、エチレンカーボネートおよびジエチルカーボネートの混合溶媒(体積比1:5)に、支持塩として四ホウフッ化リチウム(LiBF4)を1mol/Lの濃度で溶解させ、電解質を作製した。前記混合溶媒の比誘電率は18であった。
ケース11の内面に正極21を、正極集電体がケース11の上に接触するように配置し、正極21の上に多孔質ポリエチレンシートからなるセパレータ14を設置した。上記で得られた電解質をケース11内に注液した。内面に負極が圧着され、周縁部に封止リング18を装着した封口板15を、負極22と正極21とがセパレータ14を介して対向するように、ケース11の開口部に装着した。そして、プレス機でケース11の開口端部を樹脂製の封止リング18を介して封口板15の周縁部にかしめて、ケース11を封口板15で封口した。このようにして、本発明のコイン型蓄電デバイスを作製した。
(実施例2)
(1)正極活物質の作製
以下に示す合成工程(III)に従って、表2に示す化合物(2D)である電極活物質を合成した。
(1)正極活物質の作製
以下に示す合成工程(III)に従って、表2に示す化合物(2D)である電極活物質を合成した。
合成工程(III)では、化合物20を原料とし、各中間体である化合物21〜24を経て得られる最終中間体25と、合成工程(I)で得られる化合物3とを、ウィテッヒ反応により反応させて、化合物(2D)を合成した。合成に用いた化合物は特に記載の無い限り、市販品をそのまま用いた。また、合成は特に記載のない限り、アルゴン置換したナスフラスコ内にてアルゴン雰囲気下で実施した。以下に、合成工程(III)について、より具体的に説明する。
(III−1)化合物21の合成
アルゴン置換した300mlナスフラスコに化合物20(4,5−エチレンジチオ−1,3−ジチオ−2−チオン、東京化成(株)製)を3.36g(15mmol)とり、硫酸ジメチル35.6ml(375mmol)加えて70℃にて2時間攪拌を行った。その後0℃まで冷却し、42%ほうフッ化水素酸水溶液3.45g(16.5mmol)加えて1時間攪拌した。得られた反応混合物をエーテルで洗浄し、分離および乾燥し、化合物21を暗橙色オイルとして4.89g得た。
アルゴン置換した300mlナスフラスコに化合物20(4,5−エチレンジチオ−1,3−ジチオ−2−チオン、東京化成(株)製)を3.36g(15mmol)とり、硫酸ジメチル35.6ml(375mmol)加えて70℃にて2時間攪拌を行った。その後0℃まで冷却し、42%ほうフッ化水素酸水溶液3.45g(16.5mmol)加えて1時間攪拌した。得られた反応混合物をエーテルで洗浄し、分離および乾燥し、化合物21を暗橙色オイルとして4.89g得た。
(III−2)化合物22の合成
アルゴン置換した200mlナスフラスコに化合物21を4.89g(15mmol)とり、アセトニトリル100ml加えて0℃まで冷却した。次に、水素化ホウ素ナトリウム1.14g(30mmol)を加えて1時間攪拌した後、反応混合物を冷水に投入し、ろ過、硫酸ナトリウムによる脱水および乾燥を行い、化合物22をオイル状茶色物質として3.60g得た。収率はほぼ100%であった。
アルゴン置換した200mlナスフラスコに化合物21を4.89g(15mmol)とり、アセトニトリル100ml加えて0℃まで冷却した。次に、水素化ホウ素ナトリウム1.14g(30mmol)を加えて1時間攪拌した後、反応混合物を冷水に投入し、ろ過、硫酸ナトリウムによる脱水および乾燥を行い、化合物22をオイル状茶色物質として3.60g得た。収率はほぼ100%であった。
(III−3)化合物23の合成
アルゴン置換した300mlナスフラスコに化合物22を3.60g(15mmol)取り、ジクロメタン40mlを加えて溶解させた。この溶液を0℃に冷却した後、無水酢酸32mlを加え、さらに42%ほうフッ化水素酸6.29g(30mmol)をゆっくり滴下した。1時間攪拌した後、エーテルにて抽出し、洗浄、ろ過および乾燥し、化合物22を茶色固体として3.36g得た。収率は80%であった。
アルゴン置換した300mlナスフラスコに化合物22を3.60g(15mmol)取り、ジクロメタン40mlを加えて溶解させた。この溶液を0℃に冷却した後、無水酢酸32mlを加え、さらに42%ほうフッ化水素酸6.29g(30mmol)をゆっくり滴下した。1時間攪拌した後、エーテルにて抽出し、洗浄、ろ過および乾燥し、化合物22を茶色固体として3.36g得た。収率は80%であった。
(III−4)化合物24の合成
アルゴン置換した300mlナスフラスコに化合物23を3.36g(12mmol)とり、アセトニトリル100mlを加えて溶解させた。この溶液にトリフェニルホスフィン3.77g(14.4mmol)加えて室温下で1時間攪拌した。反応混合物をエーテルで洗浄し、ろ過および乾燥を行い、化合物24を紫色固体として5.27gを得た。収率は81%であった。
アルゴン置換した300mlナスフラスコに化合物23を3.36g(12mmol)とり、アセトニトリル100mlを加えて溶解させた。この溶液にトリフェニルホスフィン3.77g(14.4mmol)加えて室温下で1時間攪拌した。反応混合物をエーテルで洗浄し、ろ過および乾燥を行い、化合物24を紫色固体として5.27gを得た。収率は81%であった。
(III−5)化合物25の合成
アルゴン置換した200mlナスフラスコに化合物24を1.00g(1.84mmol)とり、アセトニトリル100mlを加えて溶解させた。この溶液に、39%グリオキサール水溶液1.07g(7.36mmol)を加え、さらにトリエチルアミン1.86gをゆっくり滴下し、0℃にて1時間攪拌した。反応混合物にアセトニトリル65mlを加えて十分攪拌した。得られた反応混合物を塩化メチレン、水にて抽出し、得られた抽出物を洗浄し、硫酸ナトリウムによる脱水、ろ過および乾燥を行い、化合物25を茶色オイルとして0.43gを得た。収率は97%であった。
アルゴン置換した200mlナスフラスコに化合物24を1.00g(1.84mmol)とり、アセトニトリル100mlを加えて溶解させた。この溶液に、39%グリオキサール水溶液1.07g(7.36mmol)を加え、さらにトリエチルアミン1.86gをゆっくり滴下し、0℃にて1時間攪拌した。反応混合物にアセトニトリル65mlを加えて十分攪拌した。得られた反応混合物を塩化メチレン、水にて抽出し、得られた抽出物を洗浄し、硫酸ナトリウムによる脱水、ろ過および乾燥を行い、化合物25を茶色オイルとして0.43gを得た。収率は97%であった。
(III−6)化合物(2D)の合成
30mlナスフラスコにテトラヒドロフラン2.5ml、ジイソプロピルアミン0.28mlを加えてドライアイスにて−70℃まで冷却した。これに、ブチルリチウム1.25mlを加えて30分攪拌し、リチウムジイソプロピルアミンを得た。
30mlナスフラスコにテトラヒドロフラン2.5ml、ジイソプロピルアミン0.28mlを加えてドライアイスにて−70℃まで冷却した。これに、ブチルリチウム1.25mlを加えて30分攪拌し、リチウムジイソプロピルアミンを得た。
アルゴン置換した100mlナスフラスコに化合物25を0.124g(0.53mmol)、化合物3を0.15g(0.24mmol)を取り、さらに脱水テトラヒドロフランを20ml加えてドライアイスバスにて−70℃まで冷却した。これを10分攪拌し、、リチウムジイソプロピルアミンを1.16ml加えて1時間攪拌し、−50℃まで昇温した。反応混合物にメタノールを60ml加えて沈殿を生成させ、この沈殿をろ取し、洗浄および乾燥を行い、黄茶色色の化合物(2D)0.159gを得た。収率は84%であった。
得られた化合物(2D)の元素分析を実施した。結果、理論値が炭素33.39重量%、水素1.78重量%、硫黄64.83重量%であるのに対し、測定値が炭素35.07重量%、水素2.01重量%、硫黄62.92重量%であった。また、化合物(2D)のIR測定(KBr法)を実施した。結果を図3に示す。図3は、化合物(2D)の赤外線吸収スペクトルである。図3から1499、1406、1243、1157、1044、879、798、671、583cm-1に吸収を確認した。
(2)蓄電デバイスの作製
上記で得られた電極活物質(化合物(2D))を用いる以外は、実施例1と同様にして、コイン型蓄電デバイスを作製した。
上記で得られた電極活物質(化合物(2D))を用いる以外は、実施例1と同様にして、コイン型蓄電デバイスを作製した。
(比較例1)
有機硫黄系正極活物質として2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾ−ル(以下「DMcT」とする)(アルドリッチ(Ald Rich)社製)を正極活物質として用い、以下のようにして、正極を作製した。
有機硫黄系正極活物質として2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾ−ル(以下「DMcT」とする)(アルドリッチ(Ald Rich)社製)を正極活物質として用い、以下のようにして、正極を作製した。
ガス精製装置を備えたドライボックス中、アルゴンガス雰囲気下において、DMcT 30mgとアセチレンブラック(導電剤)30mgとを十分に混合した。得られた混合物に、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)5mg加えて十分に混合した後、N−メチルピロリドン(関東化学(株)製)1mlを加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミ箔集電体上にキャストし、室温下で1時間真空乾燥を行った。乾燥後、これを直径13.5mmの円盤上に打ち抜いて正極を作製した。この正極を用いる以外は、実施例1と同様にしてコイン型蓄電デバイスを作製した。
[評価]
実施例1および2のコイン型蓄電デバイスを、それぞれ電流0.02mA、電圧範囲3.0V以上3.8V以下でそれぞれ5サイクルの定電流充放電試験を実施した。実施例1の試験結果を図4に示す。図4は、実施例1の蓄電デバイスの充放電試験における電池容量と電池電圧との関係を示すグラフである。また、実施例2の試験結果を図5に示す。図5は、実施例2の蓄電デバイスの充放電試験における電池容量と電池電圧との関係を示すグラフである。
実施例1および2のコイン型蓄電デバイスを、それぞれ電流0.02mA、電圧範囲3.0V以上3.8V以下でそれぞれ5サイクルの定電流充放電試験を実施した。実施例1の試験結果を図4に示す。図4は、実施例1の蓄電デバイスの充放電試験における電池容量と電池電圧との関係を示すグラフである。また、実施例2の試験結果を図5に示す。図5は、実施例2の蓄電デバイスの充放電試験における電池容量と電池電圧との関係を示すグラフである。
図4から、実施例1の蓄電デバイスは、5サイクルの充放電特性がほぼ重なるほど可逆な充放電特性を示すことがわかった。放電電圧は、3.6V以下3.3V以上と非常に高い電圧を示しており、また放電容量も115mAh/gと大きな値を示した。
図5から、実施例2の蓄電デバイスはほぼ5サイクルの充放電特性が重なるほど可逆な充放電特性を示すことがわかった。特に、2サイクル目以降の充放電特性が完全に一致する結果を示した。放電電圧は、3.6V以下3.3V以上と非常に高い電圧を示しており、また放電容量も105mAh/gと大きな値を示した。
図5から、実施例2の蓄電デバイスはほぼ5サイクルの充放電特性が重なるほど可逆な充放電特性を示すことがわかった。特に、2サイクル目以降の充放電特性が完全に一致する結果を示した。放電電圧は、3.6V以下3.3V以上と非常に高い電圧を示しており、また放電容量も105mAh/gと大きな値を示した。
これらの結果から、本発明の蓄電デバイス用活物質は、活物質として動作することが判った、また、本発明の蓄電デバイス用活物質が、高容量、高電圧であり、かつ繰り返し特性に優れていることが判った。
繰り返し特性(充放電繰り返し特性)をより正確に評価するため、実施例1〜2のコイン型蓄電デバイスを、電流0.02mA、電圧範囲3.0以上3.8V以下で充放電を繰り返し実施した。そして、1、5、10および50サイクル目の放電容量を求めた。また、同様に、比較例1のコイン型蓄電デバイスを、電流0.10mA、電圧範囲2.5V以上4.0V以下で充放電を繰り返し実施した。そして、1、5、10、および50サイクル目の放電容量を求めた。これらの繰り返し特性評価結果を表4に示す。なお、比較例1では、実施例1〜2の電圧範囲では充電が完了しないので、電圧上限を4.0Vにして充放電を行った。表4の放電電圧は、放電電圧曲線における電圧平坦部の電圧を示す。
表4の結果から、DMcTを使用する比較例1の蓄電デバイスは、初期容量は得られたものの、充放電サイクルにより大きな容量劣化が確認された。DMcTは、蓄電デバイス用電極活物質として繰り返し特性が不十分であると考えられる。実施例1および実施例2の蓄電デバイスは、ほとんど容量劣化がなく、優れた繰り返し特性を有することがわかった。また、実施例1,2の蓄電デバイスとも、放電電圧が3.3V、3.6Vと比較例1よりも高い値を示した。
これらの結果から、本発明の蓄電デバイス用活物質は、蓄電デバイス用電極活物質として動作することが判った。また、本発明の蓄電デバイス用活物質は、高容量、高電圧を有し、かつ繰り返し特性に優れていることが判った。
なお、実施例1と実施例2は、ともに酸化還元に寄与する基本反応骨格は同じEBDTとTTFの複合三量体であり、分子末端の置換基のみ異なる。実施例2がより優れた繰り返し特性を示した。実施例2の蓄電デバイス用電極活物質においては、一方の分子末端のR7とR8とが互いに結合して2価基−S−CH2−CH2−S−を形成し、これらが結合する炭素原子とともに1,4−ジチア−シクロヘキサン環を形成していた。また、他方の分子末端のR9とR10とが互いに結合して2価基−S−CH2−CH2−S−を形成し、これらが結合する炭素原子とともに1,4−ジチア−シクロヘキサン環を形成していた。このことが、本発明の蓄電デバイス用電極活物質の繰り返し特性向上に有効であることがわかった。
本発明の電極活物質は、蓄電デバイスの電極活物質として好適に使用できる。本発明の蓄電デバイスは、たとえば、一次電池、二次電池、電気化学キャパシタ、電解コンデンサ、センサー、エレクトロクロミック素子などとして使用できる。本発明の蓄電デバイスの用途としては、電子機器、車両などの主電源または補助電源が挙げられる。電子機器としては、たとえば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、モバイル機器、携帯情報端末(PDA)、携帯用ゲーム機器、ビデオカメラなどが挙げられる。車両としては、たとえば、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などが挙げられる。
1 蓄電デバイス
11 ケ−ス
12 正極集電体
13 正極活物質層
14 セパレ−タ
15 封口板
16 負極活物質層
17 負極集電体
18 封止リング
21 正極
22 負極
11 ケ−ス
12 正極集電体
13 正極活物質層
14 セパレ−タ
15 封口板
16 負極活物質層
17 負極集電体
18 封止リング
21 正極
22 負極
Claims (15)
- 蓄電デバイス用電極活物質であって、前記蓄電デバイス用電極活物質が、
一般式(1):
で表される構造を有する化合物を含むことを特徴とする蓄電デバイス用電極活物質。 - 蓄電デバイス用電極活物質であって、前記蓄電デバイス用電極活物質が、
一般式(2):
で表される構造を有する化合物を含むことを特徴とする蓄電デバイス用電極活物質。 - 蓄電デバイス用電極活物質であって、前記蓄電デバイス用電極活物質が、
一般式(3):
で表される構造を有する化合物を含むことを特徴とする蓄電デバイス用電極活物質。 - 正極活物質を含む正極、負極活物質を含む負極および電解質を含む蓄電デバイスであって、前記正極活物質および前記負極活物質の少なくとも一方が、請求項1〜6のいずれか1つに記載の蓄電デバイス用電極活物質であることを特徴とする蓄電デバイス。
- 前記電解質が、非水溶媒と、前記非水溶媒中に溶解したアニオンおよびカチオンからなる塩とを含有し、前記非水溶媒の比誘電率が10以上30以下であることを特徴とする請求項7に記載の蓄電デバイス。
- 前記非水溶媒が、比誘電率が10以下の溶媒と、比誘電率が30以上の溶媒との混合物であることを特徴とする請求項8に記載の蓄電デバイス。
- 前記比誘電率が10以下の溶媒は、鎖状炭酸エステル、鎖状エステルおよび鎖状エーテルよりなる群から選ばれる少なくとも1つであり、前記比誘電率が30以上の溶媒は、環状炭酸エステルおよび環状エーテルから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項9に記載の蓄電デバイス。
- 前記カチオンが4級アンモニウムイオンを含むことを特徴とする請求項8〜10のいずれか1つに記載の蓄電デバイス。
- 前記カチオンがリチウムイオンを含むことを特徴とする請求項8〜10のいずれか1つに記載の蓄電デバイス。
- 前記負極が金属リチウム、リチウム合金またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な材料を含むことを特徴とする請求項12に記載の蓄電デバイス。
- 請求項7〜13のいずれか1つに記載の蓄電デバイスを備えることを特徴とする携帯型電子機器。
- 請求項7〜13のいずれか1つに記載の蓄電デバイスを備えることを特徴とする車両。
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JP2008309559A JP2010135167A (ja) | 2008-12-04 | 2008-12-04 | 電極活物質および蓄電デバイス |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112242517A (zh) * | 2020-10-27 | 2021-01-19 | 福州大学 | 一种基于四硫代富瓦烯二羧酸锂的锂离子电池负极及其制备方法 |
CN113979957A (zh) * | 2021-09-09 | 2022-01-28 | 杭州师范大学 | 一种自交联十字形的有机正极材料及其制备方法和应用 |
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-
2008
- 2008-12-04 JP JP2008309559A patent/JP2010135167A/ja active Pending
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