JP3427889B2 - ArFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置 - Google Patents

ArFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置

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JP3427889B2
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capacitor
laser device
peaking capacitor
discharge
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    • H01S3/00Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線を放出する
ガスレーザ装置に関し、特に、ArFエキシマレーザ装
置及びフッ素レーザ装置において、レーザ発振パルス幅
の長いレーザ動作を行うガスレーザ装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路の微細化、高集積化につ
れて、その製造用の投影露光装置においては解像力の向
上が要請されている。このため、露光用光源から放出さ
れる露光光の短波長化が進められており、次世代の半導
体露光用光源として、ArFエキシマレーザ装置及びフ
ッ素レーザ装置等の紫外線を放出するガスレーザ装置が
有力である。
【0003】ArFエキシマレーザ装置においては、フ
ッ素(F2 )ガス、アルゴン(Ar)ガス及びバッファ
ーガスとしてのネオン(Ne)等の希ガスからなる混合
ガス、あるいは、フッ素レーザ装置においては、フッ素
(F2 )ガス及びバッファーガスとしてヘリウム(H
e)等の希ガスからなる混合ガスであるレーザガスが数
百kPaで封入されたレーザチェンバの内部で放電を発
生させることにより、レーザ媒質であるレーザガスが励
起される。
【0004】この中、ArFエキシマレーザ装置は、放
出するレーザ光のスペクトル幅が400pm程度と広い
ので、露光装置の投影光学系における色収差の問題を回
避するためには、スペクトル幅を1pm以下に狭帯域化
することが必要となる。スペクトル線幅の狭帯域化は、
例えば拡大プリズムと回折格子からなる狭帯域化光学系
をレーザ共振器内に配置することにより実現される。
【0005】ところで、ArFエキシマレーザ装置は、
中心発振波長が193.3nmであり、現在露光用光源
として使用されているKrFエキシマレーザ装置の中心
発振波長248nmより短い。このため、ステッパー等
の露光装置の投影レンズ系に使用されている硝材である
石英に与えるダメージがKrFエキシマレーザ装置を使
用した場合と比較して大きく、レンズ系の寿命が短くな
るという問題がある。
【0006】石英のダメージとしては、2光子吸収によ
るカラーセンターの形成とコンパクション(屈折率上
昇)がある。前者は透過率の減少、後者はレンズ系の分
解能の減少として現れる。この影響は、レーザパルスの
エネルギーを一定とした場合、次式で定義されるレーザ
パルス幅(Tis)に反比例する。
【0007】 Tis=(∫T(t)dt)2 /∫(T(t))2 dt ・・・(1) ここで、T(t)は時間的なレーザ形状である。
【0008】ここで、このレーザパルス幅Tisの定義に
ついて説明しておく。光学素子のダメージが2光子吸収
により生じると仮定すると、ダメージは、レーザ光強度
の2乗に比例するため、1パルス当たり蓄積されるダメ
ージDは次式で与えられる。
【0009】 D=k・∫(P(t))2 dt ・・・(2) ここで、kは物質により決まる定数、P(t)は時間的
なレーザ強度(MW)である。
【0010】レーザ強度P(t)は、次式により、時間
とエネルギーに分離することができる。
【0011】 P(t)=I・T(t)/∫T(t’)dt’ ・・・(3) ここで、Iはエネルギー(mJ)、T(t)は時間的な
レーザ形状である。
【0012】P(t)を時間的に積分するとIになり、
ArFエキシマレーザの場合、Iは例えば5mJであ
る。
【0013】ここで、(3)式を(2)式に代入する
と、ダメージDは以下の式で表される。
【0014】 D=k・I2 ・∫(T(t)/∫T(t’)dt’)2 dt =k・I2 ・∫(T(t))2 dt/(∫T(t)dt)2 ・・・(4) ここで、(1)式を代入すると、 D=k・I2 /Tis ・・・(5) となる。この(5)式より、k・I2 は一定であるため
(Iは一定に維持される。)、ダメージDに反比例する
パルス幅Tisが(1)式により定義される。
【0015】従来、レーザパルス幅を時間的なレーザ形
状の半値全幅FWHMで定義する場合があった。半値全
幅でレーザパルス幅を定義する場合、図8のモデル図に
示すように、時間的なレーザ形状が互いに異なっても同
じ値となる。しかしながら、図8に示す例では、実際の
レーザパルスの継続時間は、三角形形状の方が矩形形状
よりも長い。一方、(1) 式で定義されるレーザパルス
幅Tisでは、図8に示す三角形形状の方が矩形形状より
も長い。例えば図8に示す例では、三角形形状のレーザ
パルス幅Tisは、矩形形状のレーザパルス幅Tisの2倍
となる。
【0016】上記のように、レーザパルスのエネルギー
を一定とした場合、2光子吸収による透過率の減少、コ
ンパクションによる分解能の減少は、(1)式で与えら
れるレーザパルス幅Tisに反比例するので、レーザパル
ス幅Tisを長くすること(ロングパルス化)が望まれて
いる。
【0017】現状、商品化されている露光用狭帯域化A
rFエキシマレーザ装置は、発振動作の繰返し周波数
(以後、繰返し周波数と呼ぶ。)1kHz、レーザ光出
力が5Wのものが一般的であり、半導体露光装置に塔載
される光学系のダメージを回避するためには、レーザパ
ルス幅Tisは30ns以上であることが必要とされてい
る。
【0018】上記したように、露光装置に塔載される光
学系のダメージを低減するためには、レーザパルス幅T
isを長くするロングパルス化が求められるが、このロン
グパルス化は、以下の点からも要請される。
【0019】投影露光装置において、回路パターン等が
施されたマスクの像が、投影レンズを介してフォトレジ
ストが塗布されたウエーハ等のワークに投影される投影
像の解像度Rと焦点深度DOFは、次式で表される。
【0020】 R=k1 ・λ/NA ・・・(6) DOF=k2 ・λ/(NA)2 ・・・(7) ここで、k1 、k2 はレジストの特性等を反映する係
数、λは露光用光源から放出される露光光の波長、NA
は開口数である。
【0021】解像度Rを向上させるため、(6)式から
明らかなように、露光光の波長の短波長化、高NA化が
進んでいるが、その分、(7)式が示す通り、焦点深度
DOFが小さくなる。そのため、色収差の影響が大きく
なるので、露光光のスペクトル線幅をより狭くする必要
がある。すなわち、ArFエキシマレーザ装置から放出
されるレーザ光のスペクトル線幅のさらなる狭帯化が要
請される。
【0022】ここで、Proc.SPIE Vol.3
679.(1999)1030〜1037には、レーザ
パルス幅が長くなると、それに伴って、レーザ光のスペ
クトル線幅が狭くなって行くことが記載されており、実
際、本発明者等の実験でもこれは証明された。すなわ
ち、解像度Rを向上させるためには、レーザ光のスペク
トル線幅のさらなる狭帯化が要請され、そのためにはレ
ーザパルス幅のロングパルス化が必要となる。
【0023】以上のように、露光装置の光学系へ与える
ダメージの回避、及び、解像度の向上のために、レーザ
パルス幅Tisのロングパルス化が必須となってきた。レ
ーザパルス幅Tisは、レーザチェンバに封入されるレー
ザガス中のフッ素ガス濃度に依存することが知られてお
り(前出:Proc.SPIE Vol.3679.
(1999)1030〜1037)、フッ素ガス濃度を
調整することにより、レーザパルス幅TisをTis≧30
nsとなるようにロングパルス化することが可能とな
る。
【0024】また、特願平11−261628号では、
本発明者等により、極性が反転する1パルスの放電振動
電流波形の始めの半周期と、それに続く少なくとも1つ
の半周期によってレーザ発振動作を行わせるように構成
して、Tis≧30nsのレーザパルスを形成する方法が
提案されている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】次世代の半導体露光用
光源として有力視されているArFエキシマレーザ装置
あるいはフッ素レーザ装置に対し、さらなる高解像度
化、高スループット化、石英に対する低ダメージ化が要
請されている。
【0026】しかしながら、高解像度化、低ダメージ化
に効果のあるロングパルス化と、高スループット化のた
めの高繰り返し化は、放電の安定持続性の観点から相反
する技術であり、両立は困難と考えられていた。
【0027】本発明は従来技術のこのような問題点に鑑
みてなされたものであって、その目的は、繰返し周波数
が2kHzを越えてもロングパルス化が可能な露光用A
rFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置を提供す
ることである。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明のArFエキシマレーザ装置は、磁気パルス圧
縮回路の出力端に接続され、レーザチェンバー内に配置
された一対のレーザ放電電極とその一対のレーザ放電電
極と並列に接続されたピーキングコンデンサとを有する
ArFエキシマレーザ装置において、前記磁気パルス圧
縮回路から前記ピーキングコンデンサを介して前記放電
電極へエネルギーを注入する1次電流と、前記磁気パル
ス圧縮回路の最終段の前記ピーキングコンデンサ充電用
のコンデンサから前記放電電極へエネルギーを注入する
2次電流とを重畳させ、かつ、前記2次電流の振動周期
を前記1次電流の振動周期より長く設定して、前記2次
電流が重畳した前記1次電流の極性が反転する放電振動
電流波形の始めの半周期と、それに続く少なくとも2つ
の半周期とによって1パルスのレーザ発振動作を行うよ
うに構成し、繰返し周波数2kHz以上で、レーザパル
ス幅Tisが40ns以上であることを特徴とするもので
ある。
【0029】この場合に、前記磁気パルス圧縮回路は、
半導体スイッチと少なくとも1段以上のコンデンサ及び
磁気スイッチからなる磁気パルス圧縮部を備え、前記ピ
ーキングコンデンサと前記主放電電極とが形成する回路
ループのインダクタンスが5〜8nH、前記レーザチャ
ンバ内の全ガス圧が2.5〜3.7気圧であり、この中
のフッ素分圧が0.1%以下であって、さらに、前記主
放電電極に印加される電圧のブレークダウンが発生する
までの立ち上がり時間が30〜80nsであるとき、前
記ピーキングコンデンサの容量Cpと、前記磁気パルス
圧縮回路の最終段の前記ピーキングコンデンサ充電用の
コンデンサの容量Cnとが、0.45<Cp/Cn<
0.75の関係にあることが望ましい。
【0030】この場合に、ピーキングコンデンサの容量
Cpは10nF未満であることが望ましい。
【0031】また、主放電電極の一方には予備電離電極
が近接して配置されており、ピーキングコンデンサと並
列に接続され、かつ、予備電離電極と直列に接続された
予備電離用コンデンサの容量Ccが、ピーキングコンデ
ンサの容量Cpの5%以下であることが望ましい。
【0032】また、レーザチャンバ内に配置された光共
振器の出力鏡の反射率が50%以上であることが望まし
い。
【0033】また、光共振器のラウンドトリップ回数が
6回以上であることが望ましい。
【0034】また、主放電電極は、長さが550〜75
0mm、電極間距離が14〜18mmであることが望ま
しい。
【0035】本発明のフッ素レーザ装置は、磁気パルス
圧縮回路の出力端に接続され、レーザチェンバー内に配
置された一対のレーザ放電電極とその一対のレーザ放電
電極と並列に接続されたピーキングコンデンサとを有す
るフッ素レーザ装置において、前記磁気パルス圧縮回路
から前記ピーキングコンデンサを介して前記放電電極へ
エネルギーを注入する1次電流と、前記磁気パルス圧縮
回路の最終段の前記ピーキングコンデンサ充電用のコン
デンサから前記放電電極へエネルギーを注入する2次電
流とを重畳させ、かつ、前記2次電流の振動周期を前記
1次電流の振動周期より長く設定して、前記2次電流が
重畳した前記1次電流の極性が反転する放電振動電流波
形の始めの半周期と、それに続く少なくとも2つの半周
期とによって1パルスのレーザ発振動作を行うように構
成し、繰返し周波数2kHz以上で、レーザパルス幅T
isが40ns以上であることを特徴とするものである。
【0036】本発明においては、磁気パルス圧縮回路か
らピーキングコンデンサを介して放電電極へエネルギー
を注入する1次電流と、磁気パルス圧縮回路の最終段の
ピーキングコンデンサ充電用のコンデンサから放電電極
へエネルギーを注入する2次電流とを重畳させ、かつ、
2次電流の振動周期を1次電流の振動周期より長く設定
して、2次電流が重畳した1次電流の極性が反転する放
電振動電流波形の始めの半周期と、それに続く少なくと
も2つの半周期とによって1パルスのレーザ発振動作を
行うように構成したので、繰返し周波数2kHz以上の
場合において、高繰返しロングパルス化狭帯域ArFエ
キシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置を実現すること
ができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の原理とその実施例
について、図面に基づいて説明する。
【0038】本発明者は、上記のような要請に対応する
ために、レーザ放電回路において高繰返し動作に対応す
るロングパルス化回路を形成することにより、繰返し周
波数が2kHz以上でも、安定に動作可能なTis≧40
nsとなるロングパルス露光用ArFエキシマレーザ装
置を開発した。
【0039】その原理としては、ロングパルス化回路の
具体的な動作として、レーザチェンバー内に配置された
一対のレーザ放電電極と並列に接続されたピーキングコ
ンデンサから放電空間に流れる1次電流の立上りを速
く、かつ、ピーク値を高くし、さらに、その周期を短く
し、放電を安定持続しやすくすると共に、ピーキングコ
ンデンサから放電空間に流れる1次電流の第2周期に、
磁気パルス圧縮回路のピーキングコンデンサ充電用のコ
ンデンサに残留している電荷(放電までにピーキングコ
ンデンサに移行せずに残った分)を合わせて流れるよう
にすることによって、1次電流極性が反転する1パルス
の放電振動電流波形の始めの半周期と、それに続く少な
くとも2つの半周期によってレーザ発振動作をするよう
にすることである。
【0040】この状態の概念図を図1に示す。ピーキン
グコンデンサから流れる1次電流の立上りが速く、ピー
ク値が高く、その周期が短くなるように回路定数を定め
ることにより(具体的な回路構成、回路定数は後述す
る。)、放電を安定持続しやすくする。
【0041】一方、放電開始時に、磁気パルス圧縮回路
のピーキングコンデンサ充電用のコンデンサ(最終段の
コンデンサ)に電荷が残留するように回路定数を定めて
(具体的な回路構成、回路定数は後述する。)、その残
留電荷が放電空間に流れる2次電流の周期を1次電流の
周期より長く(例えば3倍以上6倍以下)に設定する。
【0042】そして、放電電極間に流れる電流をこの1
次電流と2次電流とが重畳したものとして、図1のよう
に、重畳した電流の極性が反転する振動電流波形の始め
の半周期と、それに続く少なくとも2つの半周期とによ
って1パルスのレーザ発振動作を行うようにする。
【0043】補足的に説明すると、図1の重畳した振動
電流の第1の半周期と第3の半周期は同じ極性であり、
電流が重畳して強度が大きくなっており、その間に放電
空間に注入されるエネルギーは、2次電流がない従来の
場合に比較して大きくなっており、発振エネルギーも大
きくなる。しかし、振動電流の第2の半周期において
は、電流値は逆に小さくなるため、注入されるエネルギ
ーは少なくなるが、この間も第1の半周期に続いて放電
空間内で極性は反転するものの放電が持続していて効率
的にエネルギーが注入されるので、レーザ発振動作は第
1の半周期から第2の半周期、そして第3の半周期と持
続させることができる。
【0044】このように、磁気パルス圧縮回路からピー
キングコンデンサを介して放電電極へエネルギーを注入
する1次電流と、磁気パルス圧縮回路のピーキングコン
デンサ充電用のコンデンサから放電電極へエネルギーを
注入する2次電流とを重畳させ、かつ、2次電流の振動
周期を1次電流の振動周期より長く設定し、2次電流が
重畳した1次電流の極性が反転する放電振動電流波形の
始めの半周期と、それに続く少なくとも2つの半周期と
によって1パルスのレーザ発振動作を行うように構成す
ることにより、Tis≧40nsとロングパルス化が可能
になり、線幅が0.5pm(半値)より狭くなり、解像
度が向上し、また、そのロングパルス化によりピーク光
強度が低下したことにより、石英材料のダメージを軽減
することもできる。
【0045】以下、本発明のArFエキシマレーザ装置
とその励起回路の具体例を示す。
【0046】図2は、本発明の露光用ArFエキシマレ
ーザ装置の構成例を示す図であり、図中、1はレーザチ
ェンバであり、両端に窓部が設けられ、フッ素ガス、ア
ルゴンガス及びバッファーガス(例えばネオンガス)か
らなる混合ガスであるレーザガスが封入されている。
【0047】レーザチェンバ1の内部には、所定間隔だ
け離間して対向した一対の放電電極2、2が設けられ、
高電圧パルス発生装置3より高電圧パルスを印加して放
電電極2、2間に放電を発生させることにより、レーザ
媒質であるレーザガスが励起される。 レーザチェンバ
1内に設置されたファン4によって、レーザガスはレー
ザチェンバ1内部を循環する。
【0048】このレーザガス循環により、放電電極2間
のレーザガスは、放電発生後、次の放電が発生する前に
新しいガスに置換されるので、次の放電は安定な放電と
なる。
【0049】本発明者等はレーザチェンバ1のレーザガ
ス循環構造、ファン4の形状等の改良を行い、繰返し周
波数2kHz以上を実現した。
【0050】レーザチェンバ1の一方の端部側には、レ
ーザ光のスペクトル幅を狭帯域化するための狭帯域化光
学系を有する狭帯域化モジュール5が設けられる。狭帯
域化モジュール5は、例えば、1個以上のプリズムから
なるビーム径拡大光学系とリトロー配置の反射型回折格
子とから構成される。レーザチェンバ1の他方の端部側
には出力鏡6が設けられ、この出力鏡6と狭帯域化モジ
ュール5に設置された狭帯域化光学系によりレーザ共振
器が構成される。
【0051】出力鏡6より放出されたArFエキシマレ
ーザ光の一部はビームサンプラー7により取り出され、
レーザ光の時間的波形を検出する波形検出手段8に導か
れる。波形検出手段8、例えば、フォトダイオード又は
光電子増倍管を光電変換手段として備えている。波形検
出手段8で得られた波形データは、パルス幅算出手段9
に送られる。パルス幅算出手段9は、受け取ったパルス
幅データに基いて、前記した式(1)に従って、レーザ
パルス幅Tisを算出する。
【0052】このようなArFエキシマレーザ装置の主
放電電極2、2の間に図3に示すような励起回路により
主放電電圧が、また、コロナ予備電離部10の電極11
と13の間に予備電離用コンデンサCcを介して予備放
電電圧が印加される。なお、この例において、コロナ予
備電離部10は、例えば、第1電極11が高純度アルミ
ナセラミックス等の誘電体物質製の片側開放のチューブ
12内に円柱状電極を挿入して構成され、第2電極13
が矩形の板状体電極から構成され、第2電極13の板状
体はその1つの直線状のエッジ近傍で屈曲されており、
そのエッジにおいて第1電極11の誘電体チューブ12
の外面に平行に線接触してなり、その接触位置が、主放
電電極2、2の間のレーザ励起空間を見込むことができ
る位置の一方の主放電電極2に近接して配置されてなる
ものである。
【0053】図3の励起回路は、可飽和リアクトルから
なる3個の磁気スイッチSL0、SL1、SL2を用い
た2段の磁気パルス圧縮回路からなる。磁気スイッチS
L0は固体スイッチSW保護用のものであり、第1の磁
気スイッチSL1と第2の磁気スイッチSL2により2
段の磁気パルス圧縮回路を構成している。
【0054】図3に従って回路の構成と動作を以下に説
明する。まず、高電圧電源HVの電圧が所定の値に調整
され、磁気スイッチSL0、インダクタンスL1を介し
て主コンデンサC0が充電される。このとき、固体スイ
ッチSWはオフになっている。主コンデンサC0の充電
が完了し、固体スイッチSWがオンとなったとき、固体
スイッチSW両端にかかる電圧は磁気スイッチSL0の
両端にかかるよう移り、固体スイッチSWを保護する。
磁気スイッチSL0の両端にかかる主コンデンサC0の
充電電圧V0の時間積分値が磁気スイッチSL0の特性
で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSL0が飽和
して磁気スイッチが入り、主コンデンサC0、磁気スイ
ッチSL0、固体スイッチSW、コンデンサC1のルー
プに電流が流れ、主コンデンサC0に蓄えられた電荷が
移行してコンデンサC1に充電される。
【0055】この後、コンデンサC1における電圧V1
の時間積分値が磁気スイッチSL1の特性で決まる限界
値に達すると、磁気スイッチSL1が飽和して磁気スイ
ッチが入り、コンデンサC1、コンデンサC2、磁気ス
イッチSL2のループに電流が流れ、コンデンサC1に
蓄えられた電荷が移行してコンデンサC2に充電され
る。
【0056】さらに、この後、コンデンサC2における
電圧V2の時間積分値が磁気スイッチSL2の特性で決
まる限界値に達すると、磁気スイッチSL2が飽和して
磁気スイッチが入り、コンデンサC2、ピーキングコン
デンサCp、磁気スイッチSL2のループに電流が流
れ、コンデンサC2に蓄えられた電荷が移行してピーキ
ングコンデンサCpが充電される。
【0057】図3の説明から明らかなように、予備電離
のためのコロナ放電は、誘電体チューブ12と第2電極
13とが接触している個所を基点として誘電体チューブ
12の外周面に発生するが、図3のピーキングコンデン
サCpの充電が進むにつれてその電圧V3が上昇し、V
3が所定の電圧になるとコロナ予備電離部の誘電体チュ
ーブ12表面にコロナ放電が発生する。このコロナ放電
によって誘電体チューブ12の表面に紫外線が発生し、
主放電電極2、2間のレーザ媒質であるレーザガスが予
備電離される。
【0058】ピーキングコンデンサCpの充電がさらに
進むにつれて、ピーキングコンデンサCpの電圧V3が
上昇し、この電圧V3がある値(ブレークダウン電圧)
Vbに達すると、主放電電極2、2間のレーザガスが絶
縁破壊されて主放電が開始し、この主放電によりレーザ
媒質が励起され、レーザ光が発生する。
【0059】この後、主放電によりピーキングコンデン
サCpの電圧が急速に低下し、やがて充電開始前の状態
に戻る。
【0060】このような放電動作が固体スイッチSWの
スイッチング動作によって繰り返し行なわれることによ
り、所定の繰り返し周波数でのパルスレーザ発振が行わ
れる。
【0061】ここで、磁気スイッチSL1、SL2及び
コンデンサC1、C2で構成される各段の容量移行型回
路のインダクタンスを後段に行くにつれて小さくなるよ
うに設定することにより、各段を流れる電流パルスのパ
ルス幅が順次狭くなるようなパルス圧縮動作が行われ、
主放電電極2、2間に短パルスの強い放電が実現され
る。
【0062】ところで、半導体露光用の光源としてのA
rFエキシマレーザ装置の場合、露光に必要なレーザ出
力エネルギーからそれに必要な放電体積が自ずから決ま
り、その放電体積から主放電電極2、2間の間隔は14
〜18mm程度、長さは550〜750mm程度ある必
要がある。
【0063】また、そのレーザ出力エネルギーは一般に
はピーキングコンデンサCpの容量で決まり(放電によ
る入力エネルギーは1/2×Cp・Vb2 )、Cpは大
きい方が良いが、ピーキングコンデンサCpから主放電
電極2、2間を流れる電流の周期を短くするにはCpは
小さくしなけばならない。しかも、図1に関して説明し
たように、Cpから主放電電極2、2間を電流が流れて
も、C2に電荷が残留しているようにするには、Cpは
余り大きくできない。これらの条件からピーキングコン
デンサCpの容量は10nF未満にする必要がある。
【0064】ここで、上記したように、本発明に基づい
て、ピーキングコンデンサCpから主放電電極2、2間
を流れる電流の立上りを速く、かつ、電流のピーク値を
高くするように回路定数を定める必要がある。電流のピ
ーク値を大きくするには、主放電電極2、2間で放電が
開始する電圧(ブレークダウン電圧)Vbが主放電電極
2、2間に加えられる電圧の立ち上がりに依存し、立上
り時間が高速である場合に放電開始電圧Vbが高くなる
(過電圧の発生)ので、その印加電圧を急激に上昇する
ようにする必要がある。ここで、主放電電極2、2に印
加される電圧のブレークダウンが発生するまでの立ち上
がり時間は、30〜80nsの範囲にあることが重要で
ある。ここで、ブレークダウン電圧Vbまでの立上り時
間の定義は、主放電電極2、2間に印加される電圧V3
の最初の1/2周期の立ち上がり部の最も急峻になる部
分を直線近似し、その直線が電圧0の直線と交差する点
からブレークダウン電圧Vbに至る点までの時間であ
る。ここで、立ち上がり時間が30nsより短い場合、
予備電離に必要な時間がとれなくなる。逆に、立上り時
間が80nsより大きい場合、出力するレーザ光パルス
幅が減少し、所望のパルス幅40ns以上を得ることが
できない。
【0065】なお、この主放電電極2、2に印加される
電圧のブレークダウンが発生するまでの立ち上がり時間
の規定によって、磁気スイッチSL2の残留インダクタ
ンスが決まるので、この規定によって、コンデンサC
2、磁気スイッチSL2、主放電電極2、2のループに
流れる電流(図1のコンデンサC2から放電空間に流れ
る電流)の周期を決めるインダクタンスが決まる。
【0066】次に、ピーキングコンデンサCpから主放
電電極2、2間を流れる電流の周期を短くして放電を安
定持続しやすくするには、以下のように構成する。すな
わち、図3の励起回路のピーキングコンデンサCpと主
放電電極2、2が形成するループ(放電電流回路)中の
容量と浮遊インダクタンスであり、両者の積のルートが
その周期に比例する。したがって、その周期を短くする
には、上記放電電流回路の浮遊インダクタンスを可能な
限り小さくすればよい。しかし、この浮遊インダクタン
スの大きさはレーザキャビティの断面積で決まるから、
実際上4〜8nH程度より小さくできない。
【0067】また、主放電電極2、2間を流れる振動電
流の2番目以降の1/2周期の電流のピーク値を大きく
して2番目以降の1/2周期においてもレーザ発振を行
わせるには、レーザガスの電気抵抗を小さくする必要が
ある。ArFにおいては、Ar+F2 +Neからなる
2.5〜3.7気圧のレーザガスを用いる場合に、フッ
素分圧が小さい程抵抗が小さくなるので、レーザガスの
全圧に対するフッ素分圧を0.1%以下にすることが望
ましい。なお、レーザガスの圧力が2.5気圧以下の場
合、注入できるエネルギーが小さくなりすぎ、露光装置
に必要な出力エネルギーが得られないくなる、逆に、
3.7気圧のより大きい場合は、抵抗が大きくなりす
ぎ、2番目以降の1/2周期においてレーザ発振を行わ
せることが困難になる。
【0068】このような知見の下で、図2に示すArF
エキシマレーザ装置において、レーザ放電電極長600
mm、間隔16mm、レーザチェンバ1内圧力を3.5
気圧(約350kPa)、フッ素濃度を0.09%、バ
ッファーガスをネオンとし、また、図3のような2段の
磁気パルス圧縮回路からなる励起回路により、繰返し周
波数を2kHzとし、ブレークダウンまでの立上り時間
50〜60ns、予備電離用コンデンサCc容量0.4
nF、出力鏡6の反射率60%、Cp容量9nFとし
て、C2容量を変化させ、図1の原理に基づいてレーザ
発振をさせたときのレーザパルス幅Tisと1パルス当た
りのレーザ出力エネルギーの関係を調べたところ、図4
のような結果が得られた。なお、C2の変化に対して、
C2≒C1≒C0となるようにした。また、レーザチェ
ンバ1内圧力はガス温度を25℃に換算したときの値で
ある。
【0069】図4の結果より、C2が12nF(Cp/
C2=0.75)以上、20nF(Cp/C2=0.4
5)以下のときに、レーザパルス幅TisをTis≧40n
sとすることができることが分った。逆に、C2が12
nF以下、20nF以上になると、Tis<40nsとな
った。しかも、レーザ出力エネルギーも、C2が12n
F以下、20nF以上で減少している。その理由は、C
2が12nF以下(Cp/C2>0.75)のとき、C
2から放電空間に注入されるエネルギーが減少する結
果、Tisもレーザ出力エネルギーも減少するのであり、
逆に、C2が20nF以上(Cp/C2<0.45)の
とき、放電空間に注入されるエネルギーが大きくなりす
ぎ、放電が不安定になる結果、Tisもレーザ出力エネル
ギーも減少し始める。
【0070】ここで、図4はCp容量9nFのときの結
果であるが、このCpの値を減少させても、レーザー出
力が減るだけで、それに応じてC2の範囲を変えれば、
図1の1次電流の周期と2次電流の周期との関係が変わ
らないので、図3の関係と同様の関係になり、Tis≧4
0nsを得るには、CpとCnの比が、0.45<Cp
/Cn<0.75の範囲にあることが必要であることが
分かった。ここで、Cnは磁気パルス圧縮回路の最終段
のコンデンサ(ここでは、コンデンサC2)の容量であ
る。
【0071】図5に、1例として、上記条件でC2=1
5nF(Cp/C2=0.6)としたときの、波形検出
手段8で得られた時間的なレーザ形状である波形データ
を示す。このとき、パルス幅算出手段9により求められ
たレーザパルス幅Tisの値は52nsであった。
【0072】図6には、図5の条件のときに電極間を流
れる電流波形(予備電離コンデンサ容量Cc=0.4n
F:実線)を示す。
【0073】以上の実施例から明らかなように、以下の
条件を満たすことにより、Tis>40nsが実現され
る。 (1)Cpを10nF未満と小さくし、放電ループのイ
ンダクタンスLdを4〜8nHと小さくすることで、放
電空間に流れる電流の周期(∝√(Cp・Ld) )を短くする。(2)立ち上がり時間30〜80nsの
高速立上り電源を用いることにより、放電開始電圧を高
めて、電流ピークを大きくする。 (3)上記高速立上り電源の使用により、CpとC2間
のインダクタンス(磁気スイッチSL2の残留インピー
ダンス)を非常に小さくし、Cpから流れる電流の第2
周期に、C2に残留した電荷による電流を重ねて流れる
ようにする。
【0074】これらの結果、(1)、(2)により放電
の安定持続性が高まり、その持続中に(3)によりエネ
ルギーが注入されるため、効率良いロングパルス発振が
可能となる。
【0075】このとき、図6中に破線で示すように、予
備電離コンデンサ容量Ccを0.8nFと大きくする
と、Ccに残留した電荷による電流が放電空間に流れる
ときに位相がずれることにより、Cp、C2から流れる
電流の第2周期以降が妨げられる。したがって、Ccは
予備電離放電に必要最低限の値にした方がよい。実験の
結果、Cpの5%以下が望ましいことが分かった。上記
実施例では、Cc/Cp=0.4nF/9nF(4.4
%)とした。
【0076】ところで、Tis>40nsのロングパルス
波形においては、ラウンドトリップ数(光共振器中での
レーザ光の往復の回数)が多くなる。したがって、光共
振器の出力鏡6の反射率を50%以上に高くすると、2
回目以降のラウンドトリップ数の割合が増加し、レーザ
出力が増加すると共に、レーザ波形の安定性が高くな
り、パルス間のエネルギー安定性も向上する。上記実施
例では、反射率60%の出力鏡を使用した。
【0077】また、ラウンドトリップに対応する出力波
形のピークの間隔時間は、共振器長の2倍を光速で割っ
たものになる。したがって、Tis>40nsにおいてラ
ウンドトリップ数が多いとピークの数が多くなる。そし
て、ラウンドトリップ数を相対的に多くするには共振器
長を短くする必要があり、電極長(ゲイン領域)が一定
の場合には、共振器長を短くしてラウンドトリップ数を
多くすると、ゲイン領域以外の長さが減り損失が少なく
なるので望ましい。上記実施例では、Tis>40nsを
ラウンドトリップ数が6以上になる条件で達成してい
る。
【0078】以上のように、本発明に基いて、従来のよ
うにレーザチェンバ内のフッ素濃度を調整するという技
術とは異なる新規な技術である、ロングパルス化放電回
路(パルス整形回路)の新たな考案という技術により、
繰返し周波数2kHz以上、レーザパルス幅Tisが40
ns以上の、高繰返しロングパルス化の狭帯域ArFエ
キシマレーザ装置を実現することに成功した。
【0079】以上の本発明に基づいて、ピーキングコン
デンサの容量Cpと、磁気パルス圧縮回路の最終段のピ
ーキングコンデンサ充電用のコンデンサの容量Cnと
を、0.45<Cp/Cn<0.75を満たすように設
定することにより、繰返し周波数2kHz以上の場合に
おいて、レーザパルス幅Tisが40ns以上である高繰
返しロングパルス化狭帯域ArFエキシマレーザ装置を
実現することができる。
【0080】図7に、本発明によるArFエキシマレー
ザ装置を3kHzまで動作させたときのレーザ出力、レ
ーザパルス幅(Tis)、出力安定性(3σ)を示す。本
発明により、Tis>40nsが3kHzまで確実に得ら
れていることが分かる。また、本発明では、パルス幅を
広げているにも係わらず、出力の3σが5%以内であ
り、通常のパルス幅で発振させたときと同等の高い安定
性が得られることも分かる。
【0081】以上は、ArFエキシマレーザ装置につい
て説明してきたが、上記の基本原理は、フッ素(F2
ガス及びバッファーガスとしてヘリウム(He)等の希
ガスからなる混合ガスをレーザガスとして、同様に放電
励起するフッ素レーザ装置にも適用できることは明らか
である。
【0082】以上、本発明のArFエキシマレーザ装置
及びフッ素レーザ装置をその原理と実施例に基づいて説
明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々
の変形が可能である。
【0083】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の露光用ArFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装
置によれば、磁気パルス圧縮回路からピーキングコンデ
ンサを介して放電電極へエネルギーを注入する1次電流
と、磁気パルス圧縮回路の最終段のピーキングコンデン
サ充電用のコンデンサから放電電極へエネルギーを注入
する2次電流とを重畳させ、かつ、2次電流の振動周期
を1次電流の振動周期より長く設定して、2次電流が重
畳した1次電流の極性が反転する放電振動電流波形の始
めの半周期と、それに続く少なくとも2つの半周期とに
よって1パルスのレーザ発振動作を行うように構成した
ので、繰返し周波数2kHz以上の場合において、高繰
返しロングパルス化狭帯域ArFエキシマレーザ装置及
びフッ素レーザ装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づくArFエキシマレーザ装置の原
理を説明するための波形図である。
【図2】本発明を適用するArFエキシマレーザ装置の
構成例を示す図である。
【図3】本発明に基づく一例の励起回路を示す回路図で
ある。
【図4】ピーキングコンデンサに対する磁気パルス圧縮
回路の最終段のコンデンサの容量を変化させてレーザパ
ルス幅と1パルス当たりのレーザ出力エネルギーの関係
を調べた結果を示す図である。
【図5】1つの具体例におけるArFエキシマレーザ装
置から得られたレーザ出力波形データを示す図である。
【図6】図5の条件のときに放電電極間を流れる電流波
形を示す図である。
【図7】本発明によるArFエキシマレーザ装置を3k
Hzまで動作させたときのレーザ出力、レーザパルス
幅、出力安定性を示す図である。
【図8】レーザパルス幅について説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1…レーザチェンバ 2…放電電極 3…高電圧パルス発生装置 4…ファン 5…狭帯域化モジュール 6…出力鏡 7…ビームサンプラー 8…波形検出手段 9…パルス幅算出手段 10…コロナ予備電離部 11…コロナ予備電離第1電極 12…誘電体チューブ 13…コロナ予備電離第2電極 SL0…固体スイッチ保護用磁気スイッチ SL1…第1の磁気スイッチ SL2…第2の磁気スイッチ HV…高電圧電源 L1…インダクタンス SW…固体スイッチ C0…主コンデンサ C1…第1のコンデンサ C2…第2のコンデンサ Cp…ピーキングコンデンサ Cc…予備電離用コンデンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−12950(JP,A) 特開 平11−163447(JP,A) 特開 平11−145794(JP,A) 特開 平11−177168(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 3/00 - 3/00 JICSTファイル(JOIS) WPI(DIALOG)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気パルス圧縮回路の出力端に接続さ
    れ、レーザチェンバー内に配置された一対のレーザ放電
    電極とその一対のレーザ放電電極と並列に接続されたピ
    ーキングコンデンサとを有するArFエキシマレーザ装
    置において、 前記磁気パルス圧縮回路から前記ピーキングコンデンサ
    を介して前記放電電極へエネルギーを注入する1次電流
    と、 前記磁気パルス圧縮回路の最終段の前記ピーキングコン
    デンサ充電用のコンデンサから前記放電電極へエネルギ
    ーを注入する2次電流とを重畳させ、かつ、 前記2次電流の振動周期を前記1次電流の振動周期より
    長く設定して、 前記2次電流が重畳した前記1次電流の極性が反転する
    放電振動電流波形の始めの半周期と、それに続く少なく
    とも2つの半周期とによって1パルスのレーザ発振動作
    を行うように構成し、繰返し周波数2kHz以上で、レ
    ーザパルス幅T is が40ns以上であることを特徴とす
    るArFエキシマレーザ装置。
  2. 【請求項2】 前記磁気パルス圧縮回路は、半導体スイ
    ッチと少なくとも1段以上のコンデンサ及び磁気スイッ
    チからなる磁気パルス圧縮部を備え、 前記ピーキングコンデンサと前記主放電電極とが形成す
    る回路ループのインダクタンスが5〜8nH、前記レー
    ザチャンバ内の全ガス圧が2.5〜3.7気圧であり、
    この中のフッ素分圧が0.1%以下であって、さらに、
    前記主放電電極に印加される電圧のブレークダウンが発
    生するまでの立ち上がり時間が30〜80nsであると
    き、 前記ピーキングコンデンサの容量Cpと、前記磁気パル
    ス圧縮回路の最終段の前記ピーキングコンデンサ充電用
    のコンデンサの容量Cnとが、0.45<Cp/Cn<
    0.75の関係にあることを特徴とする請求項1記載の
    ArFエキシマレーザ装置。
  3. 【請求項3】 前記ピーキングコンデンサの容量Cpは
    10nF未満であることを特徴とする請求項2記載のA
    rFエキシマレーザ装置。
  4. 【請求項4】 前記主放電電極の一方には予備電離電極
    が近接して配置されており、 前記ピーキングコンデンサと並列に接続され、かつ、前
    記予備電離電極と直列に接続された予備電離用コンデン
    サの容量Ccは、前記ピーキングコンデンサの容量Cp
    の5%以下であることを特徴とする請求項2又は3記載
    のArFエキシマレーザ装置。
  5. 【請求項5】 前記レーザチャンバ内に配置された光共
    振器の出力鏡の反射率が50%以上であることを特徴と
    する請求項2から4の何れか1項記載のArFエキシマ
    レーザ装置。
  6. 【請求項6】 前記光共振器のラウンドトリップ回数が
    6回以上であることを特徴とする請求項2から5の何れ
    か1項のArFエキシマレーザ装置。
  7. 【請求項7】 前記主放電電極は、長さが550〜75
    0mm、電極間距離が14〜18mmであることを特徴
    とする請求項2から6の何れか1項記載ArFエキシ
    マレーザ装置。
  8. 【請求項8】 磁気パルス圧縮回路の出力端に接続さ
    れ、レーザチェンバー内に配置された一対のレーザ放電
    電極とその一対のレーザ放電電極と並列に接続されたピ
    ーキングコンデンサとを有するフッ素レーザ装置におい
    て、 前記磁気パルス圧縮回路から前記ピーキングコンデンサ
    を介して前記放電電極へエネルギーを注入する1次電流
    と、 前記磁気パルス圧縮回路の最終段の前記ピーキングコン
    デンサ充電用のコンデンサから前記放電電極へエネルギ
    ーを注入する2次電流とを重畳させ、かつ、 前記2次電流の振動周期を前記1次電流の振動周期より
    長く設定して、 前記2次電流が重畳した前記1次電流の極性が反転する
    放電振動電流波形の始めの半周期と、それに続く少なく
    とも2つの半周期とによって1パルスのレーザ発振動作
    を行うように構成し、繰返し周波数2kHz以上で、レ
    ーザパルス幅T is が40ns以上であることを特徴とす
    るフッ素レーザ装置。
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