JP4367836B2 - Mopo方式2ステージレーザ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、MOPO方式2ステージレーザ装置に関するものであり、更に詳細にはブロードなスペクトル成分が含まれる割合が小さいレーザ光を出力可能なMOPO方式2ステージレーザ装置に関するものである。
半導体集積回路の微細化、高集積化につれて、その製造用の露光装置においては解像力の向上が要請されている。このため、露光用光源から放出される露光光の短波長化が進められている。従来、半導体露光用光源として、波長248nmの紫外線を放出するKrFエキシマレーザ装置が用いられている。また、現在、より短波長の露光用光源として、波長193nmの紫外線を放出するArFエキシマレーザ装置が実用段階に到達しつつある。さらには、次世代を担う半導体露光用光源として、波長157nmの紫外線を放出するフッ素分子(F2)レーザ装置の採用が有力視されている。
近年、露光装置のスループットの向上と超微細加工の均一化が要請されている。そのためには、次の二点が必要とされている。
第一点目はレーザ光の高出力化である。高出力化のためには、前記レーザから出力されるレーザパルスの1パルスあたりのパルスエネルギーを増加させる方法がある。また、1パルスあたりのパルスエネルギーが低い場合は、繰り返し周波数を増加させる方法によってエネルギー不足分を補うことができる。
第二点目はスペクトルの超狭帯域化である。スペクトルの超狭帯域化のためには、例えば、プリズムとグレーティングで構成される狭帯域化モジュール(Line Narrow Module、以下「LNM」という)の高分解能化による方法や、下記特許文献1に記載されているようなレーザパルスのロングパルス化等による方法がある。
しかしながら、LNMの高分解能化やロングパルス化は、一般的に光学的ロスを増加させるため、パルスエネルギーの低下を招く。つまり、スペクトルの超狭帯域化とパルスエネルギーの増加とは相反する関係にある。また、コスト低減ということを前提に考えると、繰り返し周波数の増加、例えば4kHzを超える繰り返し周波数は技術的ハードルが高い。このため、1台のチャンバのみを有するエキシマレーザ装置やフッ素分子レーザ装置において超狭帯域化スペクトルを維持しつつ、繰り返し周波数を増加させて高出力化を実現するには限界がある。
そこで、上記二点を共に満たすべく、発振用レーザ及び増幅用レーザもしくは増幅器を備えた2ステージレーザが、例えば、下記特許文献2等で提案されている。発振用レーザ及び増幅用レーザもしくは増幅器は共にレーザガスが封入され且つ1対の対向する電極が設けられたチャンバを有する。発振用チャンバの電極間で放電が生ずると、レーザガスが励起され励起状態に遷移し、更にこの励起状態から基底状態に遷移する際に光が発生する。この光のエネルギーがある程度増幅されると、発振用レーザからレーザ光(シード光)が出力される。出力されたレーザ光は増幅用チャンバに注入される。増幅用チャンバの電極間で放電が生ずると、注入されたレーザ光のエネルギーが増幅されて出力される。
すなわち、発振段レーザから放出されるレーザビームはレーザシステムのシードレーザビーム(種レーザビーム)としての機能を有する。増幅段レーザはそのシードレーザ光を増幅する機能を有する。すなわち、主に発振段レーザのスペクトル特性によりレーザシステムの全体のスペクトル特性が決定される。そして、レーザシステムからのレーザ出力(エネルギまたはパワー)は、主に増幅段レーザによって決定される。
この2ステージレーザには、増幅側に共振器を持たない増幅器を用いる形式(MOPA方式(Master Oscillator Power Amplifier)と呼ばれる)と、増幅側にレーザ共振器を有する増幅用レーザを用いる形式(MOPO方式(Master Oscillator Power Oscillator)と呼ばれる)がある。
図12にMOPO方式による2ステージレーザ装置の構成例を示す。また、図13(a)は発振用チャンバ及びその近傍の構成図であり、図13(b)は増幅用チャンバ及びその近傍の構成図である。図12ではMOPO方式の2ステージレーザ装置を示している。なお、これ以降、増幅側が増幅用レーザ装置であるMOPO方式を例に取って説明するが、増幅側が増幅器であるMOPA方式でも、レーザ共振器が設けられていない部分以外、構成は同等である。
2ステージレーザ装置においては、発振用レーザ(osc)100でシード光(種レーザ光)が生成され狭帯域化される。そして、増幅用レーザ(amp)300でそのシード光が増幅される。すなわち、主に発振用レーザ100から出力されるレーザ光のスペクトル特性によってレーザシステム全体のスペクトル特性が決定され、主に増幅用レーザ300によってレーザシステム自体のレーザ出力(エネルギーまたはパワー)が決定される。増幅用レーザ300から出力されるレーザ光は露光装置3に入力され、このレーザ光は露光対象(例えばウエハ)の露光に用いられる。
発振用レーザ100は、発振用チャンバ10と、充電器11と、発振用高電圧パルス発生器12と、ガス供給・排気ユニット14と、冷却水供給ユニット15と、LNM16と、フロントミラー17と、第1のモニタモジュール19と、放電検出部20と、で構成される。
増幅用レーザ300は増幅用チャンバ30と、充電器31と、増幅用高電圧パルス発生器32と、ガス供給・排気ユニット34と、冷却水供給ユニット35と、リア側ミラー36と、出力ミラー37と、第2のモニタモジュール39と、で構成される。
ここで発振用レーザ100と増幅用レーザ300について説明するが、その構成は同一する部分があるため、その部分に関しては発振用レーザ100を代表して説明する。
図13(a)に示す通り、発振用チャンバ10の内部には、所定距離だけ離隔し、互いの長手方向が平行であって且つ放電面が対向する一対の電極(カソード電極及びアノード電極)10a、10bが設けられる。これらの電極10a、10bには、充電器11と発振用高電圧パルス発生器12と、で構成された電源によって高電圧パルスが印加される。すると、電極10a、10b間で放電が生じ、この放電によって発振用チャンバ10内に封入されたレーザガスが励起される。前記電源の一例を図14に示す。
図14は充電器と高電圧パルス発生器とから構成される電源、及びチャンバ内部の回路構成の一例を示す図である。
図14(a)に示す発振用高電圧パルス発生器12は、可飽和リアクトルからなる3個の磁気スイッチSR1、SR2、SR3を有し、2段の磁気パルス圧縮回路を備える。ここで、磁気スイッチSR1は固体スイッチSWでのスイッチングロスの低減用のものであり、磁気アシストとも呼ばれる。なお、固体スイッチSWは、例えば、IGBT等の半導体スイッチング素子である。また、第1の磁気スイッチSR2と第2の磁気スイッチSR3により2段の磁気パルス圧縮回路を構成している。
ここで、図14(a)に示す回路構成の代わりに図14(b)に示す回路構成のものを採用してもよい。図14(a)は磁気圧縮回路に加え昇圧トランスTr1を含む回路、図14(b)は昇圧トランスを含まず、昇圧トランスの代わりに主コンデンサC0の充電用のリアクトルL1を含む例である。
以下に図14(a)にしたがって、回路の構成と動作を説明する。なお、図14(b)の回路は昇圧トランスにより昇圧される動作が無いだけで、他の動作は図14(a)と同様なので、説明を省略する。
なお、増幅用レーザ300の電源は、充電器31と増幅用高電圧パルス発生器32とから構成され、電極30a、30b間に高電圧パルスを印加するものである。発振用レーザ100の電源と増幅用レーザ300の電源の構成及び動作は同じであるため、増幅用レーザ300の電源の説明を省略する。
充電器11の電圧が所定の値HVに調整され、主コンデンサC0が充電される。このとき、固体スイッチSWはオフになっている。主コンデンサC0の充電が完了し、固体スイッチSWがオンとなったとき、固体スイッチSW両端にかかる電圧は主に磁気スイッチSR1の両端にかかる。磁気スイッチSR1の両端にかかる主コンデンサC0の充電電圧V0の時間積分値が磁気スイッチSR1の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR1が飽和して磁気スイッチが導通状態になり、主コンデンサC0、磁気スイッチSR1、昇圧トランスTr1の1次側、固体スイッチSWのループに電流が流れる。同時に、昇圧トランスTr1の2次側、コンデンサC1のループに電流が流れ、主コンデンサC0に蓄えられた電荷がコンデンサC1に移行して、コンデンサC1が充電される。
この後、コンデンサC1における電圧V1の時間積分値が磁気スイッチSR2の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR2が飽和して磁気スイッチが導通状態となり、コンデンサC1、コンデンサC2、磁気スイッチSR3のループに電流が流れ、コンデンサC1に蓄えられた電荷がコンデンサC2に移行して、コンデンサC2が充電される。
さらにこの後、コンデンサC2における電圧V2の時間積分値が磁気スイッチSR3の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR3が飽和して磁気スイッチが導通状態となり、コンデンサC2、ピーキングコンデンサCp、磁気スイッチSR3のループに電流が流れ、コンデンサC2に蓄えられた電荷がピーキングコンデンサCpに移行して、ピーキングコンデンサCpが充電される。
図14(a)に示すように、発振用チャンバ10内には、第1電極91と、この第1電極91が挿入されている誘電体チューブ92と、第2電極93とからなる予備電離手段が設けられている。予備電離のためのコロナ放電は、第1電極91が挿入されている誘電体チューブ92と第2電極93とが接触している個所を基点として誘電体チューブ92の外周面に発生する。ピーキングコンデンサCpの充電が進むにつれてその電圧Vpが上昇し、Vpが所定の電圧になるとコロナ予備電離部の誘電体チューブ92表面にコロナ放電が発生する。このコロナ放電によって誘電体チューブ92の外周表面に紫外線が発生し、一対の電極10a、10b間のレーザガスが予備電離される。
ピーキングコンデンサCpの充電がさらに進むにつれて、ピーキングコンデンサCpの電圧Vpが上昇する。この電圧Vpがある値(ブレークダウン電圧)Vbに達すると、一対の電極10a、10b間のレーザガスが絶縁破壊されて主放電が開始する。この主放電によりレーザ媒質が励起され、発振用レーザ100の場合、レーザ光が発生する。また、増幅用レーザ300の場合、注入されたシード光が増幅される。主放電によりピーキングコンデンサCpの電圧が急速に低下し、やがて充電開始前の状態に戻る。
固体スイッチSWのスイッチング動作によってこのような放電動作が繰り返し行なわれることにより、パルスレーザ発振が行われる。固体スイッチSWのスイッチング動作は、外部からのトリガ信号に基づき行われる。このトリガ信号を送出する外部コントローラは、例えば、同期コントローラ8である。
ここで、磁気スイッチSR2、SR3及びコンデンサC1、C2で構成される各段の容量移行型回路のインダクタンスを後段に行くにつれて小さくなるように設定することにより、各段を流れる電流パルスのパルス幅が順次狭くなるようなパルス圧縮動作が行われ、一対の電極10a、10b間に短パルスの強い放電が実現される。
ここで、図12、図13に戻り、他の構成の説明をする。
発振用チャンバ10の内部には、ガス供給・排気ユニット14から供給されるレーザガスが封入される。ガス供給・排気ユニット14は、発振用チャンバ10内にレーザガスを供給するガス供給系と、発振用チャンバ10内のレーザガスを排気するガス排気系とが設けられる。ガス供給・排気ユニット14は、アルゴン(Ar)ガス及びフッ素(F2)ガスと、ヘリウム(He)やネオン(Ne)等からなるバッファガスとを発振用チャンバ10に供給する。各ガスの供給及び排気はガス供給・排気ユニット14の各バルブの開閉で制御される。ガス供給・排気ユニット14(34)の詳細な構成は、後述する。
また、発振用チャンバ10の内部には、クロスフローファン10cが設けられる。クロスフローファン10cによってレーザガスがチャンバ内で循環され、電極10a、10b間に送り込まれる。
また、発振用チャンバ10の内部には、熱交換器10dが設けられる。熱交換器10dは冷却水によって発振用チャンバ10内の排熱を行う。冷却水は冷却水供給ユニット15から供給される。冷却水の供給は冷却水供給ユニット15のバルブの開閉で制御される。
発振用チャンバ10において、レーザ光の光軸上であってレーザ光出力部分には、ウィンドウ10e、10fが設けられる。ウィンドウ10e、10fはレーザ光に対して透過性がある材料、例えばCaF2等、で形成される。両ウィンドウ10e、10fは、外側の面が互いに平行に配置され、また、レーザ光に対して反射損失を低減すべくブリュースタ角で設置され、例えば、レーザ光の直線偏光方向がウィンドウ面に対して垂直になるように設置される。
圧力センサPlは、発振用チャンバ10内のガス圧力をモニタしており、ガス圧力を示す信号をユーティリティコントローラ5に出力する。ユーティリティコントローラ5は後述する処理に基づいて、ガス供給・排気ユニット14に各バルブの開閉及びその開度(又はガス流量)を指示する信号を生成し出力する。すると、ガス供給・排気ユニット14が各バルブの開閉を制御するため、発振用チャンバ10内のガス組成やガス圧力が制御される。
レーザ出力はガス温度によって変化する。そこで、温度センサTlは、発振用チャンバ10内の温度をモニタしており、温度を示す信号をユーティリティコントローラ5に出力する。ユーティリティコントローラ5は発振用チャンバ10内の所望温度にすべく、冷却水供給ユニット15にバルブの開閉及びその開度(又は冷却水流量)を指示する信号を生成し出力する。すると、冷却水供給ユニット15がバルブの開閉を制御するため、発振用チャンバ10内の熱交換器10dに供給される冷却水の流量すなわち排熱量が制御される。
発振用チャンバ10の外部であり、ウィンドウ10e側のレーザ光の光軸上にはLNM16が設けられ、ウィンドウ10f側のレーザ光の光軸上にはフロントミラー17が設けられる。LNM16は例えば拡大プリズムと波長選択素子であるグレーティング(回折格子)等の光学素子で構成される。また、LNM16は波長選択素子であるエタロンと全反射ミラー等の光学素子で構成される場合もある。このLNM16内の光学素子とフロントミラー17とでレーザ共振器が構成される。
第1のモニタモジュール19はフロントミラー17を透過したレーザ光のエネルギーや出力線幅や中心波長等のレーザビーム特性をモニタする。モニタモジュール19はレーザ光の中心波長を示す信号を生成し、この信号を波長コントローラ6に出力する。また、モニタモジュール19はレーザ光のエネルギーを測定し、このエネルギーを示す信号をエネルギーコントローラ7に出力する。
なお、増幅用チャンバ30の電極30a、30b、クロスフローファン30c、熱交換器30d、ウィンドウ30e、30fの構成及び機能は、上述した発振用チャンバ10の各部の構成及び機能と同じである。また、増幅用レーザ300に設けられた充電器31、増幅用高電圧パルス発生器32、ガス供給・排気ユニット34、冷却水供給ユニット35、第2のモニタモジュール39、放電検出器40、圧力センサP2、温度センサT2の構成及び機能は、上述した発振用レーザ100側に設けられた同一要素の構成及び機能と同じである。
一方、MOPO方式の2ステージレーザ装置の場合、増幅用レーザ300には、発振用レーザ100で設けられたLNM等からなる共振器に代わり、例えば、次に述べる不安定共振器が設けられる。
図13(b)に示すように、増幅用チャンバ30の外部であり、ウィンドウ30e側のレーザ光の光軸上にはリア側ミラー36が設けられ、ウィンドウ30f側のレーザ光の光軸上には出力ミラー37が設けられる。リア側ミラー36と出力ミラー37とで、例えば倍率が3倍以上の不安定型共振器が構成される。リア側ミラー36の反射面は凹面であって、その中央部にはミラー後方側から反射面側へレーザ光を通過させる孔が設けられる。リア側ミラー36の反射面はHR(High Reflection)コートが施される。出力ミラー37の反射面は凸面であって、その中央部にはHR(High Reflection)コートが施され、中央部周囲にはAR(Anti Reflection)コートが施される。
発振用レーザ100からのレーザ光は、リア側ミラー36に設けられた孔を通過して増幅用チャンバ30内にシードレーザ光として注入される。注入されたシードレーザ光の一部は出力ミラー37の反射面によって反射され、ビームサイズが拡大する。そして、増幅用チャンバ30の電極30a、30b間の放電部を有効に通過してレーザビームのパワーが増大し、リア側ミラー36の反射面によって反射されて再度、放電部を通過して、一部が出力ミラー37が出射される。
なお、リア側ミラー36としては、中央に孔が開いたものを使用するのではなく、孔に相当する部分のみARコートが施されたミラー基板を使用してもよい。また、不安定共振器でなく安定共振器でもよい。
発振用レーザ100のフロントミラー17と増幅用レーザ300のリア側ミラー36との間には、反射ミラーを含むビーム伝搬部42が設けられる。
フロントミラー17を透過したレーザ光はビーム伝搬部42によってリア側ミラー36まで案内される。更にこのレーザ光はリア側ミラー36の孔を通過し、増幅用チャンバ30内を通過し、出力ミラー37の中央部で反射される。出力ミラー37で反射されたレーザ光は、増幅用チャンバ30内を通過し、リア側ミラー36の孔周囲に設けられた反射部により反射される。更に、リア側ミラー36で反射されたレーザ光は、増幅用チャンバ30内を通過し、出力ミラー37の中央部周囲を透過し出力される。レーザ光が増幅用チャンバ30の放電部すなわち電極30a、30b間を通過する際に放電が発生すると、レーザ光のパワーは増幅される。
波長コントローラ6にはモニタモジュール19、39からの信号が入力される。波長コントローラ6はレーザ光の中心波長を所望の波長にすべくLNM16内の波長選択素子(グレーティング、エタロン等)の選択波長を変化させる信号を生成し、この信号をドライバ21に出力する。波長選択素子の選択波長は、例えば、波長選択素子へ入射するレーザ光の入射角を変化させることにより変化する。ドライバ21は、受信した前記信号に基づき、波長選択素子へ入射するレーザ光の入射角が変化するように、LNM16内の光学素子(例えば、拡大プリズム、全反射ミラー、グレーティング等)の姿勢角等を制御する。なお、波長選択素子の波長選択制御はこれに限るものではない。例えば、波長選択素子がエアギャップエタロンの場合、LNM16内のエアギャップ内の気圧(窒素等)を制御してもよいし、ギャップ間隔を制御してもよい。
エネルギーコントローラ7にはモニタモジュール19、39からの信号が入力される。エネルギーコントローラ7は、発振用レーザ100、および、増幅用レーザ300から放出されるレーザ光のパルスエネルギーを所望の値にするために、高電圧パルス発生装置12、32の主コンデンサC0の充電電圧HV1、HV2を示す信号を生成し、この信号を同期コントローラ8に出力する。
同期コントローラ8にはエネルギーコントローラ7からの信号と、放電検出器20、40から出力される各チャンバ10、30における放電開始を知らせる信号とが入力される。
同期コントローラ8はエネルギーコントローラ7からの信号に基づいて、充電器11、31の充電電圧を制御する。
2ステージレーザ装置においては、発振用レーザから放出されたレーザビームが増幅用レーザに注入されるタイミングと増幅用レーザが放電するタイミングを調整する必要がある。すなわち、発振用チャンバ10内での放電、発光タイミングと増幅用チャンバ30内での放電、発光タイミングに所定の遅延時間を設ける必要がある。両者の放電、発光のタイミングがずれると、発振用レーザから放出されたレーザビームは良好に増幅されない。
同期コントローラ8は、放電検出器20、40から出力される各チャンバ10、30における放電開始を知らせる信号に基づき、上記遅延時間を設定する。そして、最適なタイミングで各チャンバ10、30において放電が発生するように、上記遅延時間を考慮したトリガ信号を高電圧パルス発生装置12、32の固体スイッチにそれぞれ送信する。
なお、一般に、コンデンサと可飽和リアクトルからなる磁気パルス圧縮回路では、コンデンサの充電電圧(V)と電荷の転送時間(t)との積であるVt積の値が一定という関係がある。電圧Vの値が大きいと転送時間tは短くなり、電圧Vが小さいと転送時間tは長くなる。よって、充電電圧の充電精度がばらつくと、転送時間がばらつき、結局、放電、発光タイミングがばらつくことになる。このようなばらつきを、以下、ジッタと呼ぶことにする。同期精度を向上させることが必要な場合は、ジッタの大きさを予め測定し、その分を考慮して同期コントローラによる遅延時間を設定するようにすればよい。
この2ステージレーザによれば、増幅用レーザもしくは増幅器にLNM等の光学的ロスとなる要素が含まれていないため、レーザ発振効率が非常に高い。したがって、所望の超狭帯域化スペクトル及びレーザ出力を得ることが可能となる。所望のレーザ出力は1パルスあたりのパルスエネルギーと繰り返し周波数の積である。例えば、次世代ArFエキシマレーザに要求される性能は、スペクトルが半値幅FWHM(Full Width at Half Maximum)で0.25pm以下であり、レーザ出力が繰り返し周波数4kHz動作時で40W以上である。
なお、2ステージレーザ装置がフッ素分子(F2)レーザ装置として構成され、スペクトル線幅がFWHMで1pm以下でよい場合は、発振用レーザ100のレーザ共振器に必ずしもLNMを設ける必要はない。すなわち、フッ素分子レーザ装置から放出されるレーザ光は主な発振ラインが2つありいずれもスペクトル線幅で1pm以下であるので、LNMの代わりに上記発振ラインのうちの1本を選択するLSM(Line Select Module)を設ければよい。LSMは1個以上のプリズムからなる。ここでLSMは、発振用レーザ100のレーザ共振器内に設けてもよいし、発振用レーザ100と増幅用レーザ300との間、または増幅用レーザ300の出力側に設けてもよい。
特開2001−156367号公報 特開2001−24265号公報(第1図) IEEE Journal of Quantum Electronics, Vol. 26, No. 1, January 1990, p.169〜176
上記したように2ステージレーザ装置には、増幅側がレーザ共振器を設けない増幅器であるMOPA方式と、増幅側が不安定共振器等のレーザ共振器を設ける増幅用レーザであるMOPO方式とがある。このMOPO方式とMOPA方式には次の特徴と課題がある。
MOPO
(ア) 空間コヒーレンスが高い。すなわち、ビーム横断方向のシェア量(ピンホール間隔)を同じとした場合に、干渉縞のビジビリティーが高い(欠点)
(イ) チャンバー間の同期励起タイミング変動に対して出力変動が鈍感で、エネルギー安定性が高い。すなわち、同期許容幅が広い(利点)
(ウ) MOPA方式と比較して高出力効率であり、発振用レーザから放出されるレーザ光(シードレーザ光)のパルスエネルギーがMOPA方式よりも小さくてよい(利点)
(エ) 発振用レーザからのレーザパルスの後半部はラウンドトリップが多くなるためスペクトル線幅が狭く、この後半部の裾部分(tail)の瞬時エネルギーは小さい。MOPO方式の増幅部はレーザ共振器を有する増幅用レーザであって増幅効率(シードレーザ光のパルスエネルギーに対する2ステージレーザ装置から放出されるレーザ光のパルスエネルギーの比率)が大きいので、瞬時エネルギーの小さいレーザパルスの後半部の裾部分を増幅して所定のパルスエネルギーを有するレーザ光を出力させる事が可能となる。そのため、結果として、出力されるレーザ光のスペクトル線幅を細くできる(利点)
(オ) MOPA方式と比較してパルス幅が長い。よって、MOPA方式と比較してピークパワーが小さく、露光装置の光学素子等へ与えるダメージが小さい(利点)
(カ) 上記したように、MOPO方式の増幅用レーザは発振用レーザから注入されるシードレーザ光(時間的に一部分:上記したレーザパルスの後半部の裾部分)を増幅するので、スペクトル特性は発振段レーザと同様に狭帯域化されている。しかし増幅用レーザは、通常レーザ共振器を備えており、単独でも発振可能である。この増幅用レーザに設けられているレーザ共振器は狭帯域化手段(LNM)を持たないため、増幅用チャンバ内の放電により発生した光のうち、増幅用レーザのレーザ共振器により共振してしまう成分も発生する。その結果、増幅用レーザ自身での放電により、増幅用チャンバ内で発生する自然放出光を種として増幅されたブロードなスペクトル成分が発生してしまう。よってMOPO方式で生じたレーザ光には、ブロードなスペクトル成分が含まれてしまう。このようなレーザ光を露光に用いた場合、露光の解像度が低下してしまうといった不具合が生じる(欠点)
(キ) また、上記したように増幅用レーザが単独で発振可能であるため、発振用レーザでの放電発生タイミングと増幅用レーザでの放電発生タイミングとの同期ずれが発生した場合、スペクトル線幅が狭帯域化されていないフリーランレーザ光が出力されてしまう(欠点)
MOPA
(ア) 空間コヒーレンスが低い。すなわち、ビーム横断方向のシェア量(ピンホール間隔)を同じとした場合に、干渉縞のビジビリティーが低い(利点)
(イ) チャンバー間の同期励起タイミング変動に対して出力変動が敏感で、エネルギー安定性が低い。すなわち、同期許容幅が狭い(欠点)
(ウ) MOPO方式と比較して低出力効率であり、発振段レーザからのレーザ(seed)エネルギーがMOPO方式よりも必要(欠点)
(エ) 発振段レーザからのレーザパルスの後半部はラウンドトリップが多くなるためスペクトル線幅が狭くなるが、この後半部の裾部分(tail)は瞬時エネルギーは小さい。MOPA方式の増幅部はレーザ共振器を持たず増幅効率が小さいので、所定のパルスエネルギーを有するレーザ光を出力するためには、ある程度瞬時エネルギーの大きい発振段レーザからのレーザパルスの前半部を増幅せざるを得ない。そのため、結果として、出力されるレーザ光のスペクトル線幅は細くなりにくい(欠点)
(オ) MOPO方式と比較してパルス幅が短い。よって、MOPO方式と比較してピークパワーが大きく、露光装置の光学素子等へ与えるダメージが大きい(欠点)
(カ) 増幅側の増幅器はレーザ共振器を持たないので、増幅器自身でのレーザ発振は発生しない。そのため、増幅器から出力されるレーザ光に含まれるブロードなスペクトル成分は、MOPO方式と比較すると少ない(利点)
(キ) また、上記したように増幅器は単独で発振可能ではないので、発振用レーザでの放電発生タイミングと増幅用レーザでの放電発生タイミングとの同期ずれが発生した場合、スペクトル線幅が狭帯域化されていないフリーランレーザ光が出力されることはない(利点)
ここで、理解を容易にするために、同期許容幅について概略的に説明する。図15はMOPA方式の2ステージレーザ装置における同期タイミングの説明図である。図15に示すように、発振用レーザ100から放出されるシードレーザパルスが存在する時間と増幅器で放電が発生してゲインが存在する時間とが重なった時間領域(図15(a)の斜線部)にあるシードレーザパルスが増幅される(図15(b))。
従って、発振用レーザ100で放電が発生するタイミングと増幅器で放電が発生するタイミングとがずれて、シードレーザパルスが存在する時間と増幅器でゲインが存在する時間とが重なる時間領域が変化すると(図15(c))、増幅されたレーザパルスのエネルギー、パルス幅等が変化する。(図15(d))すなわち、発振用チャンバ10、増幅用チャンバ30間の同期励起タイミング変動に対して出力変動が敏感で、エネルギー安定性が低い。よって、所定のエネルギーの増幅レーザ光が得られるタイミングの時間幅(同期許容幅)が狭く、同期タイミングを精度よく合わせる必要がある。
一方、図16にMOPO方式の2ステージレーザ装置における同期タイミングの説明図を示す。MOPO方式では、シードレーザ光のレーザパルスに含まれる瞬時の光をシードとして、増幅用レーザ300で増幅レーザ発振が行われる。よって、シードレーザパルスが存在している任意の時間に増幅用レーザ300で放電が発生してレーザゲインが立ち上がれば、レーザ光が得られる。
シードレーザパルスの瞬時エネルギーがある値(Eth1)以上であれば、増幅されたレーザ光のパルスエネルギーが定格エネルギーEsとなる場合、図16に示す時間t1内に増幅用レーザ300で放電が発生すれば、増幅用レーザ300から放出されるレーザ光のパルスエネルギーは定格エネルギーEsとなる。すなわち、発振用チャンバ10、増幅用チャンバ30間の同期励起タイミング変動に対して出力変動が鈍感で、エネルギー安定性が高い。よって、所定のエネルギーの増幅レーザ光が得られるタイミングの時間幅(同期許容幅)が広く、同期タイミング精度は、MOPA方式と比較すれば、低精度でよい。
また、MOPA方式の場合は、シードレーザパルスが存在する時間と増幅用レーザ300でレーザゲインが存在する時間とが重なる時間領域に存在するシードレーザパルスが増幅されるので、増幅されたレーザ光のレーザパルス幅は上記時間領域とほぼ同等である。一方、MOPO方式の場合、増幅されたレーザ光のレーザパルス幅は増幅用レーザ300が単体で発振したときのレーザパルス幅とほぼ同等となる。一般にMOPA方式における上記時間領域は、MOPO方式の増幅用レーザ300が単体で発振したときのレーザパルス幅より短い場合が多い。そのため、MOPA方式と比較してMOPO方式の方がレーザパルス幅が長い。よって、MOPA方式と比較して、MOPO方式の2ステージレーザ装置から放出されるレーザ光の方が露光装置の光学素子等へ与えるダメージが小さい。
上記のように、MOPA方式とMOPO方式の比較すると、(ア)の空間コヒーレンスの点、(カ)(キ)のレーザ光のブロードなスペクトル成分の点を除くと、MOPO方式の方が利点が多く、空間コヒーレンスを低くする方策、レーザ光のブロードなスペクトル成分を抑制する方策が得られれば、エキシマレーザやF2 レーザ等の半導体露光装置用の光源としてMOPO方式がより適していることになる。
このうち、(ア)の空間コヒーレンスの点の課題については、発明者等の一部が特願2003−298286にて提案したように、例えば、発振用レーザから放出されるレーザ光が発散を有していて、増幅用レーザのレーザ共振器が安定共振器であるように構成することにより克服することが可能である。
また、(キ)の同期ずれにより発生するレーザ光のブロードなスペクトル成分の点の課題については、例えば、ジッタの大きさを考慮して同期コントローラの同期精度を向上させることにより、問題を回避することが可能となる。同期コントローラの同期精度の向上例については、例えば、発明者等の一部が特願2003−140070にて提案したように、発振用高電圧パルス発生器12、増幅用高電圧パルス発生器32に含まれる各磁気パルス圧縮回路における電圧パルスの移行時間tmと発振用チャンバ10、増幅用チャンバ30における各電極間に電圧が印加されてから放電が開始するまでの時間tbとを考慮して、放電発生指令であるトリガ信号を発振用高電圧パルス発生器12、増幅用高電圧パルス発生器32へ送出するタイミングが一定となるように制御することによってなされる。また、発振用レーザ、増幅用レーザにおいて、トリガ信号から放電の発生までの時間の変動をそれぞれ測定し、測定結果に基づいて、放電発生指令であるトリガ信号を発振用高電圧パルス発生器12、増幅用高電圧パルス発生器32へ送出するタイミングのフィードバック制御も合わせて行っても良い。
一方、(カ)の増幅用レーザ自身で行われるレーザ発振により発生するレーザ光のブロードなスペクトル成分の点の課題については、発明者等の一部が特願2003−130447にて提案したような方策を採用すれば、問題を回避することが可能となると考えられる。以下、この方策について説明する。
MOPO方式において、発振用レーザから放出され増幅用レーザに注入されるレーザ光(シードレーザ光)のパルスエネルギーが増大すると、2ステージレーザ装置から出力されるレーザ光のスペクトル純度が向上する(上記したブロードな成分が減少する)ことが、非特許文献1に記載されている。発明者等の一部は鋭意研究の結果、単にパルスエネルギーの大小に上記スペクトル純度が依存しているのではなく、発振用レーザからのシードレーザパルス波形における瞬時エネルギーが所定値を越えていて、この所定値を越えている時間範囲内において増幅用レーザを放電させるように同期タイミングを制御することにより、上記したブロードな成分を低減することが可能であることを見出した。
すなわち、所望のスペクトル純度を得るには、発振用レーザからのレーザ光のレーザパルス内において、瞬時エネルギーが所定の値Ith以上となる時間領域t1にて増幅段レーザが立ち上がるようにすることにより、2ステージレーザシステムから出力される(増幅用レーザから出力される)レーザ光のスペクトル純度が向上することを見出した。
図17、図18では、発振用レーザからのレーザ光のパルスエネルギー(図17、図18のレーザパルス波形の面積に相当)は等しい。従来は、非特許文献1にあるように、単にパルスエネルギーの大小に上記スペクトル純度が依存していると考えられていたので、図18のようなレーザパルス波形を有する発振段レーザからのレーザ光を増幅しても、上記した所望のスペクトル純度を得ることが可能なはずであった。しかしながら、2ステージレーザ装置から出力されるレーザ光のスペクトル純度は、図17の時間領域t1において増幅段レーザを動作させたとき以外、所望のスペクトル純度が得られなかった。
すなわち、ある時点での瞬間的なパワー密度Iが所定の閾値Ithを越えているシードレーザレーザ光を増幅用チャンバ30に入射させ、瞬間的なパワー密度Iが所定の閾値Ithを越えている時間内に増幅用チャンバでの放電を発生させるようにすることにより、増幅用レーザ自身で行われるレーザ発振により発生するレーザ光のブロードなスペクトル成分を抑制することが可能であると考えられる。
しかしながら、この方式では、発振用レーザ光のパワー密度が一定の閾値Ithを超えていることが前提となるため、上記MOPO方式の特徴(ウ)に記載した増幅効率が高いという利点が低減し、発振用レーザ装置の大型化や低寿命化につながってしまうという問題が発生する。
本発明は、以上のような事情に鑑み成されたものであり、その課題は、MOPO方式の利点、特に、増幅効率が高いという利点を維持したまま、ブロードなスペクトル成分が含まれる比率を抑制したMOPO方式の2ステージレーザ装置を提供することである。
発明者等は、MOPO方式の2ステージレーザ装置において、レーザ光のパルスエネルギーが露光装置から要求される値(以下、定格エネルギーEsと呼ぶ)となるときの増幅用レーザ300の動作について調べた。具体的には、MOPO方式の2ステージレーザ装置を動作させ、発振用レーザ100からのシードレーザ光を増幅用レーザ300に注入したときとしないときのレーザ光のパルスエネルギー特性を調べた。
図1にその結果を示す。図1において、横軸は増幅用チャンバ30内のレーザガス圧力を示し、縦軸はレーザ光のパルスエネルギーを示す。図1において、白丸で表示したデータは、発振用レーザ100からのシードレーザ光を増幅用レーザ300に注入したときのレーザ光のパルスエネルギーP(MOPO)を示し、黒丸で表示したデータは、発振用レーザ100からのシードレーザ光を増幅用レーザ300に注入しないときのレーザ光のパルスエネルギー(すなわち、増幅用レーザ300単独で発振したレーザ光のパルスエネルギー)P(AMP)を示す。また、同図に示すように、増幅用レーザ300によるシードレーザ光の増幅量をP(MOPO)−P(AMP)で表す。
図1から明らかなように、P(MOPO)が定格エネルギーEsとなるとき、P(AMP)が0でないことが分る。
発明者らは上記事実に着目し、P(MOPO)が定格エネルギーEsとなるときにP(AMP)の大きさがほぼ0となるように増幅用レーザ300の動作を設定すれば、MOPO方式の2ステージレーザから出力されるレーザ光に含まれるブロードなスペクトル成分を著しく小さくすることが可能であることを見いだした。そのときの増幅用チャンバ30のレーザガス圧力に対するP(MOPO)、P(AMP)の関係を図2に示す。
すなわち、増幅用レーザ300を単独で動作させるとき、出力されるレーザ光の出力がほぼ0となるように、増幅用レーザ300のレーザゲインと損失との関係を設定する。そして発振用レーザ100からシードレーザ光が注入されたとき、シードレーザ光をシードとして増幅用レーザ300のレーザ発振の結果、出力されるレーザ光のパルスエネルギーが定格エネルギーEsとなるように、発振用レーザ100、増幅用レーザ300を構成する。
図2から明らかなように、P(MOPO)が定格エネルギーEsとなるとき、P(AMP)の大きさはほぼ0となっている。
以上のような知見に基づき、本発明は以下のようにして課題を解決する。
本発明のMOPO方式2ステージレーザ装置は、レーザガスが封入された発振用レーザチャンバと、この発振用レーザチャンバ内に配置され、第1の磁気パルス圧縮回路の出力端に接続される一対の放電電極と、レーザ共振器とを含む発振用ガスレーザと、
レーザガスが封入された増幅用レーザチャンバと、この増幅用レーザチャンバ内に配置され、第2の磁気パルス圧縮回路の出力端に接続される一対の放電電極と、リア側ミラーと出力ミラーとからなるレーザ共振器とを含み、上記発振用ガスレーザから放出され、増幅用レーザチャンバ内に入射して、上記一対の放電電極間の放電空間に注入されるレーザ光を増幅して放出する増幅用ガスレーザと、上記発振用ガスレーザと上記増幅用ガスレーザとの発光タイミングを調整する同期コントローラとを含むMOPO方式2ステージレーザ装置において、発振用ガスレーザからのシードレーザ光を増幅用ガスレーザに注入して増幅用ガスレーザを動作させたときに、MOPO方式2ステージレーザ装置から出力されるMOPOレーザ光のパルスエネルギーが所定の定格エネルギーになっている状態から当該MOPOレーザ光のパルスエネルギーが上昇するに応じて、発振用ガスレーザからのシードレーザ光を増幅用ガスレーザに注入しないで増幅用ガスレーザのみを動作させたときの該増幅用ガスレーザから出力されるAMPレーザ光のパルスエネルギーがほぼ0になっている状態から当該AMPレーザ光のパルスエネルギーが上昇する状態に、MOPO方式2ステージレーザ装置の各パラメータが調節されている。ここで、MOPO方式2ステージレーザ装置は、露光装置の光源として用いられるものであって、所定の定格エネルギーは、露光装置から要求される値であることが望ましい。また、増幅用ガスレーザの光学ロスの増大化、増幅用ガスレーザのレーザゲインの減少化のうち少なくとも一方が得られるように、MOPO方式2ステージレーザ装置のパラメータが調節されて、増幅用ガスレーザから出力されるAMPレーザ光のパルスエネルギーがほぼ0となっているとともに、MOPOレーザ光のレーザビーム断面積の増大、シードレーザ光のパルスエネルギーの増大のうち少なくとも一方が得られるように、MOPO方式2ステージレーザ装置のパラメータが調節されて、MOPOレーザ光のパルスエネルギーが所定の定格エネルギーとなっていることが望ましい。
ここで、上記発振用レーザのレーザ共振器は、レーザ光を狭帯域化する狭帯域化モジュールを有することが望ましい。
また、上記構成において、上記発振用ガスレーザから放出されるレーザ光は、上記増幅用レーザの放電空間の略全域に所定以上のエネルギー密度で注入されるように増幅用レーザチャンバ内に入射するよう設定されていることが望ましい。
具体的には、上記増幅用レーザのレーザ共振器は安定共振器を構成していて、上記発振用ガスレーザから放出されるレーザ光が、上記リア側ミラーの周辺から上記増幅用レーザのレーザ共振器中に導入するように構成されていることが望ましい。
あるいは、上記増幅用レーザのレーザ共振器は安定共振器を構成していて、上記発振用ガスレーザから放出されるレーザ光が、上記出力ミラーの周辺から上記増幅用レーザのレーザ共振器中に導入するように構成されていることが望ましい。
あるいは、上記リア側ミラーには孔部が設けられていて、上記発振用レーザと上記増幅用レーザとの間に、上記発振用レーザで発振されたレーザ光のビーム形状を圧縮する機能と、上記発振用段レーザで発振されたレーザ光の発散を拡大する機能を有する変換光学系を備え、この変換光学系により変換されたレーザ光が上記孔部を通過するように構成されていることが望ましい。
あるいは、上記出力ミラーには孔部が設けられていて、上記発振用レーザと上記増幅用レーザとの間に、上記発振用レーザで発振されたレーザ光のビーム形状を圧縮する機能と、上記発振用段レーザで発振されたレーザ光の発散を拡大する機能を有する変換光学系を備え、この変換光学系により変換されたレーザ光が上記孔部を通過するように構成されていることが望ましい。
ここで、上記変換光学系は、1つ以上のビーム幅縮小プリズムから構成してもよい。
あるいは、上記変換光学系は、第1の正レンズと焦点距離が上記第1の正レンズの焦点距離より短い第2正レンズとを共焦点で配置してなる望遠光学系であるように構成してもよい。
あるいは、上記変換光学系は、正レンズと焦点距離が上記第1の正レンズの焦点距離より短い負レンズとを共焦点で配置してなる望遠光学系であるように構成してもよい。
ここで、上記増幅用ガスレーザから放出されるレーザ光のパルスエネルギーが露光に必要な所定の定格エネルギーとなるように、増幅用レーザの一対の放電電極間距離、電極幅の少なくとも1つが調整されていることが望ましい。
上記したMOPO方式2ステージレーザ装置は、KrFエキシマレーザ装置、ArFエキシマレーザ装置、フッ素分子レーザ装置のいずれかに構成することが可能である。
本発明によれば、発振用レーザと発振用レーザからのシードレーザ光を増幅する増幅用レーザとからなるMOPO方式2ステージレーザ装置において、増幅用ガスレーザのみ放電させたときに出力されるレーザ出力がほぼ0となるように設定したので、増幅用チャンバ内で発生する自然放出光を種として増幅されたブロードなスペクトル成分が発生することが抑制され、MOPO方式の2ステージレーザ装置から放出されるレーザ光に含まれるブロードなスペクトル成分を、MOPA方式の場合方式と同様、小さくすることが出来た。そのため、露光用光源として用いた場合において、上記ブロードバンド成分による露光の解像度が低下してしまうといった不具合を回避することが可能となった。
また、発振用レーザでの放電発生タイミングと増幅用レーザでの放電発生タイミングとの同期ずれが万一発生した場合でも、スペクトル線幅が狭帯域化されていないフリーランレーザ光が出力されることはほとんどない。
ここで、MOPO方式のMOPA方式に対する優位点である同期許容幅が広い点、シードレーザ光のエネルギーが小さくても良い点、スペクトル線幅を細くできる点、レーザパルス幅が広い点は、依然として成立するので、露光装置の露光用光源として最適な2ステージレーザ装置を提供することが可能となった。
ここで、増幅用レーザを単独で動作させても出力されるレーザ光の出力はほぼ0であり、また、発振用レーザから放出されるシードレーザ光のパルスエネルギーも小さい(1mJ以下)であるので、それぞれを単独で動作させても露光装置へはレーザ光は到達しない。よって、シャッター等を設けることなく、おのおの単独で動作させてジッタの大きさや中心波長等の光品位を調査することが可能となる。
特に、上記シードレーザ光を増幅後、増幅用ガスレーザから放出されるレーザ光のパルスエネルギーが露光に必要な所定の定格エネルギーであるように設定することにより、露光装置の露光用光源として最適な2ステージレーザ装置とすることができた。
先に説明したように、本発明の露光用MOPO方式2ステージレーザ装置は、以下のようにして構成される
(1) 増幅用レーザを単独で動作させたとき、出力されるレーザ光の出力がほぼ0となるように、増幅用レーザのレーザゲインと損失との関係を設定
(2) 発振用レーザ100から注入されるシードレーザ光をシードとした増幅用レーザのレーザ発振の結果、出力されるレーザ光のパルスエネルギーが定格エネルギーとなるように、発振用レーザ100、増幅用レーザ300を構成
まず、上記(1)について、説明する。
増幅用レーザ300を動作させるとき、ある励起強度を超えると単独でレーザ発振する。よって、増幅用レーザ300を単独で動作させたときに出力されるレーザ光の出力がほぼ0となるようにするには、レーザゲインとロスとの大小関係を規定する必要がある。そのためには、レーザゲインとロスの大きさが略一致しているように規定すればよいと考えられる。
具体的な方策としては、以下の設定が考えられる
(A)ロスが大きくなるように設定する
(B)レーザゲインが小さくなるように設定する
まず、(A)について説明する。
(A)ロスが大きくなるように設定
増幅用レーザ300のレーザゲインがロスに対して大きいとき、レーザの励起強度がある閾値を超えてしまい増幅用レーザ300は単独で発振する。この場合、ロスを大きくするか、レーザゲインを小さくする必要がある。
ロスを大きくする方策の具体例としては、レーザ共振器の光学ロスを大きくすることによって、ロスを大きくする。光学ロスを大きくするには、以下のパラメータの少なくとも1つを調節する。
(a)レーザ共振器長
レーザ共振器において、レーザ媒質が存在しない領域、すなわち、電極30a、30b間の放電領域以外の領域が占める部分の長さ(以下、共振器空走距離)を調整する。共振器空走距離が長いと、レーザ媒質が存在しない領域が長くなるので、レーザ光はその部分で減衰する。よって、共振器空走距離を調整することにより、増幅用レーザ300を単独で動作させたときに出力されるレーザ光の出力がほぼ0となるようにすることができる。なお、この構成では、共振器空走距離が長くなる分だけ増幅用レーザ300が大きくなる。よって、露光用MOPO方式2ステージレーザ装置自体が大型化する。
(b)リア側ミラー36、出力ミラー37の反射率
レーザ共振器を構成するリア側ミラー36をレーザ発振に寄与しない程度に低下させる。または、出力ミラー37の各反射率の少なくとも1つをレーザ発振に寄与しない程度に低下もしくは増加させる。この方法によれば、上記した共振器空走距離を調整するわけではないので、露光用MOPO方式2ステージレーザ装置自体が大型化することはない。
(c)レーザ共振器のアライメント
増幅用レーザ300のレーザ共振器の光軸ずれを発生させる。具体的には、レーザ共振器を構成するリア側ミラー36、出力ミラー37の配置、もしくはレーザ共振器に対する増幅用チャンバ30の位置をずらす。しかしながら、レーザ共振器のアライメントのみを調節して増幅用レーザ300を単独で動作させたときに出力されるレーザ光の出力がほぼ0となるようにすると、シードレーザ光が注入されても、もはや増幅用レーザ300はレーザ動作を行わず単なる増幅器となってしまい、結果として2ステージレーザ装置はMOPA方式として機能してしまう。よって、レーザ共振器のアライメントによる方法は、レーザ共振器の光軸ずれの発生度合いを小さくして、以下に示す(B)レーザゲインが小さくなるように設定方法と併用することが望ましい。
(B)レーザゲインが小さくなるように設定
レーザゲインを小さくするには、以下のパラメータの少なくとも1つを調節する。
(d)レーザガス条件
(d−1)レーザガス圧力
レーザガスの圧力を低下させると、増幅用チャンバ30内の電極30a、30b間で発生する放電の放電開始電圧が低下する。そのため、レーザ媒質であるレーザガスに放電によって注入される励起エネルギーが小さくなるので、結果としてレーザゲインが小さくなる。
(d−2)バッファーガス以外のレーザガス組成
2ステージレーザ装置が、KrFエキシマレーザ装置である場合、クリプトン(Kr)およびフッ素(F2)の少なくとも1方の濃度を減少させる。これにより、放電によって生成されるKrFエキシマ分子の数が減少し、レーザゲインが小さくなる。
2ステージレーザ装置が、ArFエキシマレーザ装置である場合、アルゴン(Ar)およびF2の少なくとも1方の濃度を減少させる。これにより、放電によって生成されるArFエキシマ分子の数が減少し、レーザゲインが小さくなる。
2ステージレーザ装置が、F2レーザ装置である場合、F2の濃度を減少させる。これにより、放電によって生成される励起F2分子の数が減少し、レーザゲインが小さくなる。
(d−3)バッファーガス
2ステージレーザ装置が、KrFエキシマレーザ装置、もしくは、ArFエキシマレーザ装置である場合、バッファーガスがネオン(Ne)であると、エキシマ分子を生成しやすい。よって、バッファーガスをヘリウム(He)、もしくはNeとHeの混合ガスにする。このようにバッファーガス種を選択することにより、放電によって生成されるエキシマ分子の数が減少し、レーザゲインが小さくなる。
2ステージレーザ装置が、F2レーザ装置である場合、バッファーガスがHeであると、励起F2分子を生成しやすい。よって、バッファーガスをNe、もしくはNeとHeの混合ガスにする。このようにバッファーガス種を選択することにより、放電によって生成される励起F2分子の数が減少し、レーザゲインが小さくなる。
(e)主コンデンサへの充電電圧
高電圧パルス発生装置32の主コンデンサC0の充電電圧を小さくする。すなわち、増幅用チャンバ30内の電極30a、30b間に印加される電圧が小さくなるので、放電開始電圧が低下する。そのため、レーザ媒質であるレーザガスに放電によって注入される励起エネルギーが小さくなるので、結果としてレーザゲインが小さくなる。
(f)放電サイズ
増幅用チャンバ30内の電極30a、30b間の放電領域の長さを短くする。このように設定することによりレーザゲイン長が短くなり、レーザゲインが小さくなる。
なお、上記した(A)(B)の具体的な方策を、適当に組み合わせて増幅用レーザ300を単独で動作させたときに出力されるレーザ光の出力がほぼ0となるようにしてもよい。
以上説明したような方策を取ることにより、増幅用レーザ300を単独で動作させたとき、出力されるレーザ光の出力がほぼ0となる。次に(2)の発振用レーザ100から注入されるシードレーザ光をシードとした増幅用レーザのレーザ発振の結果、出力されるレーザ光のパルスエネルギーが定格エネルギーとなるように、発振用レーザ100、増幅用レーザ300を構成するための具体的な方策について説明する。
上記したように、増幅用レーザ300を単独で動作させたとき、出力されるレーザ光の出力がほぼ0とするために、レーザゲインとロスとの大小関係をレーザゲインとロスの大きさが略一致しているように規定した。このことは、言い換えるとP(MOPO)−P(AMP)で表される増幅量が小さくなったことを意味する。そのため、2ステージレーザ装置から放出されるレーザ光のパルスエネルギーを定格エネルギーとするには、増幅量が小さくなった分を補償するように発振用レーザ100、増幅用レーザ300を構成して、定格エネルギーEsを得る必要がある。以下、具体的な構成例について説明する。
(C)MOPOレーザビーム断面積の増大
上記したように、増幅用レーザ300を単独で動作させたときに出力されるレーザ光の出力がほぼ0となるように設定すると、P(MOPO)−P(AMP)で表される増幅量が小さくなる。そこで、増幅量を増やすために放電(レーザゲイン)体積を増加させる。このとき、放電体積を増加させるために、放電領域の長さを増加させることは、レーザゲイン長の増加となり、増幅用レーザ300が発振しやすくなる(すなわち、上記した(B)レーザゲインを小さくする方策の(f)と相反する方向になる)ので好ましくない。したがって、MOPOレーザビーム断面積を増大させることにより、上記増幅量が減少した分を補償して定格エネルギーEsを得る。
MOPOレーザビーム断面積を増加させるには、まず、(ア)放電空間(レーザゲイン領域)を拡大させる。そのためには、増幅用レーザ300の増幅用チャンバ30内の電極30a、30b間距離を増加させる(例えば、電極間距離>13mm)、あるいは電極幅を増加させる(例えば、電極幅>3mm)、あるいはその両方を行う。(イ)さらに、その拡大した放電空間に、所定以上のエネルギー密度でレーザ光が注入されるように発振用レーザ100から放出されるレーザ光(シードレーザ光)を入射させる必要がある。
(イ)のシードレーザ光を増幅用レーザ300へ注入する方法のうち、本発明として有効なものは、サイド注入方式や拡大注入方式である。図13(b)に示すような、従来のリア側ミラー36に設けられた孔からシードレーザ光を増幅用チャンバ30内に注入する孔注入方式では、MOPOレーザビーム断面積を増加させた場合には、リア側ミラー36に設けた孔の面積も同様に拡大する必要がある。そのため、増幅用チャンバ30内に注入後、出力ミラー37の反射面で一部反射されてくるレーザ光のうち、上記孔を通過してしまいレーザ発振に寄与しない戻り光が多くなり、結果として増幅量を大きくすることは難しい。
一方、図3に示すサイド注入方式では注入孔がなくなり、図6に示す拡大注入方式ではリア側ミラー36に設ける孔を小さくすることが可能となる。よって、戻り光を少なくすることができるので、MOPOレーザビーム断面積を増加させて放電空間の略全域に所定のエネルギー密度でレーザ光を効率よく注入させることが可能となる。そのため、増幅量が減少した分を補償して定格エネルギーEsを得ることが可能になる。
次に、上記したサイド注入方式、拡大注入方式について説明する。
(g)サイド注入方式
図3にサイド注入方式でシードレーザ光が注入される場合の増幅用レーザ300の構成例を示す。ここで、図3(a)は上面図、図3(b)は側面図である。図13(b)に示した増幅用レーザ300の構成例と本構成例の相違点は、レーザ共振器を安定共振器としたこと、リア側ミラーに孔を設けず、発振用レーザ100からのシードレーザ光をリア側ミラーの側面から注入したことである。なお、図3において、符号が図13(b)と同一のものは、同様の構成要素であるので説明は省略する。また、理解を容易にするために、ガス供給・排気ユニット34、冷却水供給ユニット35、クロスフローファン30c、熱交換器30dは省略されている。
また、発振用レーザ100の構成は、図13(a)と同等であるので、発振用レーザ100から放出されるシードレーザ光以外、発振用レーザ100の図示ならびに説明は省略する。
本構成例においては、電極30a、30b間の距離が従来より長く設定されていて、放電空間(レーザゲイン領域)が大きくなっている。なお、電極間距離を長くするのではなく、電極幅を増加させて放電空間を大きくしてもよい。また、両者を同時に行っても良い。
このように従来より大きくなった放電空間に、図4に示すように、発振用レーザ100から放出されるシードレーザ光をリア側ミラー36sの側面から入射させて増幅用チャンバ30に注入するように設定したので、図13(b)の構成例のように、リア側ミラー36に孔を設け、孔を通して増幅用チャンバ30に注入する場合と比較して、入射するシードレーザ光のレーザビーム断面積を大きくすることが可能となる。
入射するシードレーザ光のレーザビーム断面積が大きくなり、また、レーザ共振器に孔を設けないので上記した戻り光を少なくすることができるので、効率よく放電空間の略全域に所定のエネルギー密度でシードレーザ光を注入させることが可能となる。また、放電空間が拡大してあるので、MOPOレーザビーム断面積を増加させることができ、結果として、上記増幅量が減少した分を補償して定格エネルギーEsを得ることが可能となる。
なお、図4に示す電極30a、30b間の放電空間の長手方向の中心軸とリア側ミラー36sの中心軸との距離dやシードレーザ光の入射角度を調整することにより、増幅量を調整することができる。
また、図5に示すように、発振用レーザ100から放出されるシードレーザ光を、出力ミラー37sの側面から入射させて増幅用チャンバ30に注入するように設定してもよい。
(h)拡大注入方式
図6に拡大注入方式でシードレーザ光が注入される場合の増幅用レーザ300の構成例を示す。ここで、図6は一対の電極30a、30b間の放電方向の側面から見た図である。図13(b)に示した増幅用レーザ300の構成例と本構成例の相違点は、リア側ミラー36に設けた孔を小さくしたこと、リア側ミラー36の前(すなわち、発振用レーザ100と増幅用レーザ300との間)にシードレーザ光の断面積ならびに発散角を変換する変換光学系70を配置したことである。なお、図6において、符号が図13(b)と同一のものは、同様の構成要素であるので説明は省略する。また、理解を容易にするために、ガス供給・排気ユニット34、冷却水供給ユニット35、クロスフローファン30c、熱交換器30dは省略されている。
また、発振用レーザ100の構成は、図13(a)と同等であるので、発振用レーザ100から放出されるシードレーザ光以外、発振用レーザ100の図示ならびに説明は省略する。
本構成例においては、電極30a、30b間の距離が従来より長く設定されていて、放電空間(レーザゲイン領域)が大きくなっている。なお、電極間距離を長くするのではなく、電極幅を増加させて放電空間を大きくしてもよい。また、両者を同時に行っても良い。
このように従来より大きくなった放電空間に、リア側ミラー36に設けられた従来より小さくした孔を通過するように断面積を小さく整形し、かつ、発散角を大きくしたシードレーザ光を入射させる。ここで、シードレーザ光の断面積が小さくなるように変換し、発散角が大きくなるように変換するには、変換光学系70を用いる。変換光学系70の具体的構成例については後述する。
このように、発散角が大きく断面積の小さいシードレーザ光を入射させるので、増幅用チャンバ30内に注入されたシードレーザ光速やかにレーザゲイン空間を埋めることになり、また、レーザ共振器のリア側ミラー36に設ける孔を従来と比較して小さくすることでき上記した戻り光を少なくすることが可能となるので、効率よく放電空間の略全域に所定のエネルギー密度でシードレーザ光を注入させることが可能となる。
また、放電空間が拡大してあるので、MOPOレーザビーム断面積を増加させることができ、結果として、上記増幅量が減少した分を補償して定格エネルギーEsを得ることが可能となる。
図7に上記した変換光学系70の第1の構成例を示す。第1の構成例においては、図7に示すように、変換光学系70をビーム幅縮小プリズム71、72を用いて構成する。この場合、プリズム71、72は三角屈折プリズムからなり、入射側の平面に垂直に入力光を入射させると、入射側の平面を略垂直に透過し、射出側の斜面で屈折して紙面内の断面が縮小する。したがって、このようなプリズム71、72を複数、望ましくは偶数個用いることにより、1次元方向(縦方向あるいは横方向)又は2次元方向(縦方向及び横方向)のシードレーザ光のビーム幅を縮小させ、発散角を大きくすることができる。
図8に上記した変換光学系70の第2の構成例を示す。第2の構成例においては、図8に示すように、変換光学系70を、図8(a)、(b)に示すような望遠光学系を用いた光学系を用いて構成する。図8(a)の場合は、焦点距離のより長い正レンズ73と焦点距離がそれより短い正レンズ74とを共焦点で配置してなる光学系であり、焦点距離の比分ビーム幅が縮小される。また、図8(b)の場合は、焦点距離のより長い正レンズ75と焦点距離がそれより短い負レンズ76とを同様に共焦点で配置してなる光学系であり、この場合も焦点距離の比(絶対値)分ビーム幅が縮小される。
また、正レンズ73、74間の距離、正レンズ75、負レンズ76間の距離を調節することによりシードレーザ光の発散角を調整することができる。
なお、レーザ共振器のリア側ミラー36ではなく、出力ミラー37に孔部を設け、変換光学系70を透過したシードレーザ光を出力ミラー37側から入射するように構成してもよい。
(D)シードレーザ光のパルスエネルギーの増大
発振用レーザ100から放出されるシードレーザ光のパルスエネルギーを増大させることにより上記増幅量が減少した分を補償して、定格エネルギーEsを得る。シードレーザ光のパルスエネルギーを増大させるための方策について、以下説明する。
(i)レーザガス圧力
発振用チャンバ10内のレーザガスの圧力を増加させ、電極10a、10b間で発生する放電の放電開始電圧が増加させる。これにより、レーザ媒質であるレーザガスに放電によって注入される励起エネルギーを大きくして、シードレーザ光のパルスエネルギーを増大させる。
(j)主コンデンサへの充電電圧
シードレーザ光のパルスエネルギーを増大させるには、例えば、発振用レーザ100の高電圧パルス発生器12の主コンデンサC0の充電電圧を大きし、レーザ媒質であるレーザガスに放電によって注入される励起エネルギーを大きくする。
なお、上記した(C)(D)の具体的な方策を、適当に組み合わせて定格エネルギーEsを得るようにしてもよい。
以上、本発明のMOPO方式2ステージレーザ装置の構成例をまとめると以下のようになる。
(1) 増幅用レーザ単独動作をさせたときに出力されるレーザ光出力をほぼ0に設定する。そのために、以下(A)(B)の少なくとも1方のように構成する
(A)光学ロスの増大化(具体的方策は、以下の(a)(b)(c))
(a)共振器空走距離の長大化
(b)リア側ミラー36の反射率の低下、または、出力ミラー37の反射率の低下もしくは増加
(c)レーザ共振器のミスアライメント
(B)レーザゲインの減少化(具体的方策は、以下の(d)(e)(f))
(d)増幅用チャンバー30内レーザガス圧力、レーザガス組成の調整
(e)高電圧パルス発生器32の主コンデンサC0への充電電圧の低下
(f)増幅用チャンバ30内の放電サイズの小型化(レーザゲイン長さの短小化)
(2) 上記(1)を行った上で、定格エネルギーを得る。そのために、以下、(C)(D)の少なくとも1方のように構成する
(C)MOPOレーザビーム断面積の増大(具体的方策は、以下(ア)(イ)を両方とも行う)
(ア) 放電空間の拡大(電極間隔、電極幅の増加)
(イ) 注入方式の選択(具体的方策は、以下の(g)(h))
(g)サイド注入方式
(h)拡大注入方式
(D)シードレーザ光のパルスエネルギーの増大(具体的方策は、以下の(i)(j))
(i)発振用チャンバー内のレーザガス圧力の調整
(j)高電圧パルス発生器32の主コンデンサへの充電電圧の増加
以上のように構成することにより、MOPO方式の2ステージレーザ装置から放出されるレーザ光に含まれるブロードなスペクトル成分を、MOPA方式の場合方式と同様、小さくすることが出来た。
ここで、MOPO方式のMOPA方式に対する優位点である同期許容幅が広い点、シードレーザ光のエネルギーが小さくても良い点、スペクトル線幅を細くできる点、レーザパルス幅が広い点は、依然として成立するので、露光装置の露光用光源として最適な2ステージレーザ装置を提供することが可能となった。
なお、増幅用レーザ300を単独で動作させても出力されるレーザ光の出力はほぼ0であり、また、発振用レーザ100から放出されるシードレーザ光のパルスエネルギーも小さい(1mJ以下)であるので、それぞれを単独で動作させても露光装置へはレーザ光は到達しない。よって、シャッター等を設けることなく、おのおの単独で動作させてジッタの大きさや中心波長等の光品位を調査することが可能となる。
以下、2ステージレーザ装置の具体的な実施例について説明する。本実施例では、上記した(g)のサイド注入方式を採用した。増幅用レーザ300の構成は図3と同等である。また、発振用レーザ100の構成は図13(a)と同等である。よって、発振用レーザ100、増幅用レーザ300の図示ならびに説明は省略する。
以下、MOPO方式の2ステージレーザ装置をArFレーザ装置として構成したときの具体的数値例を列挙する
・増幅用レーザ300のレーザ共振器長 1100mm
・出力ミラー37sの反射率 30%
・リア側ミラー36sの反射率 100%
・ レーザガス圧力 250kPa(発振用レーザ100)
・ レーザガス圧力 150kPa(増幅用レーザ300)
・ フッ素濃度 0.1%(発振用レーザ100、増幅用レーザ300共通)
・ アルゴン濃度 3.5%(発振用レーザ100、増幅用レーザ300共通)
・ 放電入力 1.5J(発振用レーザ100、増幅用レーザ300共通)
・ 放電サイズ 600×3×16mm(16mmは電極間距離)
(発振用レーザ100、増幅用レーザ300共通)。
本実施例では、増幅用レーザ300単独動作をさせたときに出力されるレーザ光出力がほぼ0となるようにレーザゲインが減少するように構成した。具体的には、増幅用レーザ300の増幅用チャンバ30内に充填されるレーザガス圧力を低下させた。すなわち、従来は発振用レーザ100におけるレーザガス圧力250kPaと等しく設定していたレーザガス圧力を150kPaとした。その結果、増幅用レーザ300単独動作をさせたときに出力されるレーザ光出力がほぼ0となった。
次に、定格エネルギー(ここでは、13mJとした)を得るために、MOPOレーザビーム断面積を増大させた。まず、増幅用レーザ300の電極30a、30b間距離を、従来の13mmから16mmに増大させ放電空間(レーザゲイン領域)を拡大させた。
また、図3に示すように、シードレーザ光のサイド注入方式を採用したので、入射するシードレーザ光のレーザビーム断面積が大きくなり、また、レーザ共振器に孔を設けないので上記した戻り光を少なくすることができるので、効率よく放電空間の略全域に所定のエネルギー密度でシードレーザ光を注入させることが可能となった。以上によりMOPOレーザビーム断面積を増大させた。
本実施例では更に、発振用レーザ100の電極10a、10b間距離を、従来の13mmから16mmに増大させ、シードレーザ光のビーム断面積をさらに大きくした。
以上により、レーザ光に含まれるブロードなスペクトル成分を、MOPA方式の場合方式と同様、小さくすることができ、かつ、定格エネルギー13mJのレーザ光を得ることができた。
本実施例のMOPO方式2ステージレーザ装置の同期タイミングとパルスエネルギーとの関係を図9に示す。図9において、横軸は発振用レーザ100で放電が発生してから増幅用レーザ300で放電が発生するまでの遅延時間、縦軸はパルスエネルギーである。図9から明らかなように、ほぼ定格エネルギー13mJとなる遅延時間領域は15〜35nsである。すなわち、同期許容幅は約20ns程度と広く、MOPO方式の2ステージレーザ装置の利点を維持している。
また、図10にパルスエネルギーとレーザパルス幅との関係を示す。図10から明らかなように、パルスエネルギーの値が定格エネルギーとして設定した13mJとなる付近で40ns以上の長いレーザパルス幅が得られており。MOPO方式の2ステージレーザ装置の利点が維持されている。
ところで、従来の露光用ガスレーザ装置と同様、本発明の2ステージレーザ装置もレーザ動作時間の経過に伴い、レーザガスが劣化する。図11にその様子を示す。図11において、実線上黒丸は、レーザ動作開始当初のP(MOPO)を示し、破線上白丸はレーザ動作が開始してから所定の時間経過したときのP(MOPO)を示す。一方、実線上黒四角は、レーザ動作開始当初のP(AMP)を示し、破線上白四角はレーザ動作が開始してから所定の時間経過したときのP(AMP)を示す。なお、発振用レーザ100からのシードレーザ光のパルスエネルギーは、エネルギー一定制御がなされている。このエネルギー一定制御は、発振用チャンバ10内のレーザガス圧力、発振用レーザ100の電源の主コンデンサC0への充電電圧等を制御して行われる。
図11から明らかなように、時間の経過に伴い、定格エネルギー(例えば、13mJ)を維持することは困難になる。ここで、発明者等の鋭意研究の結果、レーザ動作開始当初のP(MOPO)−P(AMP)で表される増幅量とレーザ動作開始後所定の時間経過したときの増幅量とは、図11に示す通り、ほぼ同等であることが判明した。すなわち、増幅量が維持されるので、レーザガスの劣化に対しては、増幅用チャンバ30内のレーザガス圧力を増加させたり、増幅用レーザ300の電源の主コンデンサC0への充電電圧を増加させることにより、レーザ光に含まれるブロードなスペクトル成分がMOPA方式の場合方式と同様小さく、かつ、定格エネルギー13mJであるレーザ光を維持することが可能である。
発振用レーザ100からのシードレーザ光を増幅用レーザ300に注入したときとしないときのレーザ光のパルスエネルギー特性を示す図である。 増幅用チャンバ30のレーザガス圧力に対するP(MOPO)、P(AMP)の関係を示す図である。 サイド注入方式を示す図である。 シードレーザ光をリア側ミラー36sの側面から入射させて増幅用チャンバ30に注入することを説明する図である。 シードレーザ光を出力ミラー37sの側面から入射させて増幅用チャンバ30に注入することを説明する図である。 拡大注入方式を示す図である。 変換光学系70の第1の構成例を示す図である。 変換光学系70の第2の構成例を示す図である。 同期タイミングとパルスエネルギーとの関係を示す図である。 パルスエネルギーとレーザパルス幅との関係を示す図である。 レーザ動作時間の経過に伴いレーザガスが劣化する様子を示す図である。 MOPO方式による2ステージレーザ装置の構成例である。 発振用チャンバ及びその近傍の構成図、増幅用チャンバ及びその近傍の構成図である。 電源の一例を示す図である。 MOPA方式の2ステージレーザ装置における同期タイミングの説明図である。 MOPO方式の2ステージレーザ装置における同期タイミングの説明図である。 発振用レーザからのレーザ光のレーザパルス波形を示す図である。 発振用レーザからのレーザ光のレーザパルス波形を示す図である。
符号の説明
100 発振用レーザ
10 発振用チャンバ
10a、10b 電極
10c クロスフローファン
10d 熱交換器
10e、10f ウィンドウ
11 充電器
12 発振用高電圧パルス発生器
14 ガス供給・排気ユニット
15 冷却水供給ユニット
16 狭帯域化モジュール(LNM)
17 フロントミラー
19 第1のモニタモジュール
20 放電検出部
21 ドライバ
P1 圧力センサ
T1 温度センサ
300 増幅用レーザ
30 増幅用チャンバ
30a、30b 電極
30c クロスフローファン
30d 熱交換器
30e、30f ウィンドウ
31 充電器
32 増幅用高電圧パルス発生器
34 ガス供給・排気ユニット
35 冷却水供給ユニット
36、36s リア側ミラー
37、37s 出力ミラー
39 第2のモニタモジュール
40 放電検出部40
P2 圧力センサ
T2 温度センサ
3 露光装置
5 ユーティリティコントローラ5
6 波長コントローラ
7 エネルギーコントローラ
8 同期コントローラ
42 ビーム伝搬部42
70 変換光学系
71、72 ビーム幅縮小プリズム
73、74、75 正レンズ
76 負レンズ
SR1、SR2、SR3 磁気スイッチ
SW 固体スイッチ
Tr1 昇圧トランス
L1 リアクトル
C0 主コンデンサ
C1、C2 コンデンサ
Cp ピーキングコンデンサ
91 第1電極91
92 誘電体チューブ92
93 第2電極

Claims (14)

  1. レーザガスが封入された発振用レーザチャンバと、この発振用レーザチャンバ内に配置され、第1の磁気パルス圧縮回路の出力端に接続される一対の放電電極と、レーザ共振器とを含む発振用ガスレーザと、
    レーザガスが封入された増幅用レーザチャンバと、この増幅用レーザチャンバ内に配置され、第2の磁気パルス圧縮回路の出力端に接続される一対の放電電極と、リア側ミラーと出力ミラーとからなるレーザ共振器とを含み、上記発振用ガスレーザから放出され、増幅用レーザチャンバ内に入射して、上記一対の放電電極間の放電空間に注入されるレーザ光を増幅して放出する増幅用ガスレーザと、上記発振用ガスレーザと上記増幅用ガスレーザとの発光タイミングを調整する同期コントローラとを含むMOPO方式2ステージレーザ装置において、
    発振用ガスレーザからのシードレーザ光を増幅用ガスレーザに注入して増幅用ガスレーザを動作させたときに、MOPO方式2ステージレーザ装置から出力されるMOPOレーザ光のパルスエネルギーが所定の定格エネルギーになっている状態から当該MOPOレーザ光のパルスエネルギーが上昇するに応じて、発振用ガスレーザからのシードレーザ光を増幅用ガスレーザに注入しないで増幅用ガスレーザのみを動作させたときの該増幅用ガスレーザから出力されるAMPレーザ光のパルスエネルギーがほぼ0になっている状態から当該AMPレーザ光のパルスエネルギーが上昇する状態に、MOPO方式2ステージレーザ装置の各パラメータが調節されている
    ことを特徴とするMOPO方式2ステージレーザ装置。
  2. MOPO方式2ステージレーザ装置は、露光装置の光源として用いられるものであって、所定の定格エネルギーは、露光装置から要求される値であること
    を特徴とする請求項1記載のMOPO方式2ステージレーザ装置。
  3. 増幅用ガスレーザの光学ロスの増大化、増幅用ガスレーザのレーザゲインの減少化のうち少なくとも一方が得られるように、MOPO方式2ステージレーザ装置のパラメータが調節されて、増幅用ガスレーザから出力されるAMPレーザ光のパルスエネルギーがほぼ0となっているとともに、MOPOレーザ光のレーザビーム断面積の増大、シードレーザ光のパルスエネルギーの増大のうち少なくとも一方が得られるように、MOPO方式2ステージレーザ装置のパラメータが調節されて、MOPOレーザ光のパルスエネルギーが所定の定格エネルギーとなっていること
    を特徴とする請求項1もしくは2のいずれ1項に記載のMOPO方式2ステージレーザ装置。
  4. 上記発振用ガスレーザのレーザ共振器は、レーザ光を狭帯域化する狭帯域化モジュールを有する
    ことを特徴とする請求項1、2、3のいずれか1項に記載のMOPO方式2ステージレーザ装置。
  5. 上記発振用ガスレーザから放出されるシードレーザ光は、上記増幅用ガス
    レーザの放電空間の略全域に所定以上のエネルギー密度で注入されるように増幅用レーザチャンバ内に入射するよう設定されている
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4のいずれか1項に記載されたMOPO方式2ステージレーザ装置。
  6. 上記増幅用ガスレーザのレーザ共振器は安定共振器を構成していて、
    上記発振用ガスレーザから放出されるシードレーザ光が、上記リア側ミラーの周辺から上記増幅用ガスレーザのレーザ共振器中に導入するように構成されている
    ことを特徴とする請求項5記載のMOPO方式2ステージレーザ装置。
  7. 上記増幅用レーザのレーザ共振器は安定共振器を構成していて、
    上記発振用ガスレーザから放出されるシードレーザ光が、上記出力ミラーの周辺から上記増幅用ガスレーザのレーザ共振器中に導入するように構成されている
    ことを特徴とする請求項5記載のMOPO方式2ステージレーザ装置。
  8. 上記リア側ミラーには孔部が設けられていて、
    上記発振用ガスレーザと上記増幅用ガスレーザとの間に、上記発振用ガスレーザで発振されたシードレーザ光のビーム形状を圧縮する機能と、上記発振用段ガスレーザで発振されたシードレーザ光の発散を拡大する機能を有する変換光学系を備え、この変換光学系により変換されたレーザ光が上記孔部を通過するように構成されている
    ことを特徴とする請求項5記載のMOPO方式2ステージレーザ装置。
  9. 上記出力ミラーには孔部が設けられていて、
    上記発振用ガスレーザと上記増幅用ガスレーザとの間に、上記発振用ガスレーザで発振されたシードレーザ光のビーム形状を圧縮する機能と、上記発振用段ガスレーザで発振されたシードレーザ光の発散を拡大する機能を有する変換光学系を備え、この変換光学系により変換されたレーザ光が上記孔部を通過するように構成されている
    ことを特徴とする請求項5記載のMOPO方式2ステージレーザ装置。
  10. 上記変換光学系は、1つ以上のビーム幅縮小プリズムからなる
    ことを特徴とする請求項8もしくは9のいずれか1項に記載のMOPO方式2ステージレーザ装置。
  11. 上記変換光学系は、第1の正レンズと焦点距離が上記第1の正レンズの焦点距離より短い第2正レンズとを共焦点で配置してなる望遠光学系である
    ことを特徴とする請求項8もしくは9のいずれか1項に記載のMOPO方式2ステージレーザ装置。
  12. 上記変換光学系は、正レンズと焦点距離が上記第1の正レンズの焦点距離より短い負レンズとを共焦点で配置してなる望遠光学系である
    ことを特徴とする請求項8もしくは9のいずれか1項に記載のMOPO方式2ステージレーザ装置。
  13. 増幅用ガスレーザの一対の放電電極間距離、電極幅のうち少なくとも1つのパラメータが調節されて、MOPOレーザ光のパルスエネルギーが所定の定格エネルギーとなっていることを特徴とする請求項3記載のMOPO方式2ステージレーザ装置。
  14. 上記MOPO方式2ステージレーザ装置が、KrFエキシマレーザ装置、ArFエキシマレーザ装置、フッ素分子レーザ装置のいずれかである
    ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12、13のいずれか1項に記載のMOPO方式2ステージレーザ装置。
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