JP3755577B2 - 露光用ArF、KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置 - Google Patents
露光用ArF、KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3755577B2 JP3755577B2 JP2000309270A JP2000309270A JP3755577B2 JP 3755577 B2 JP3755577 B2 JP 3755577B2 JP 2000309270 A JP2000309270 A JP 2000309270A JP 2000309270 A JP2000309270 A JP 2000309270A JP 3755577 B2 JP3755577 B2 JP 3755577B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- laser
- capacitor
- exposure
- fluorine
- circuit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01S—DEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
- H01S3/00—Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
- H01S3/14—Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range characterised by the material used as the active medium
- H01S3/22—Gases
- H01S3/223—Gases the active gas being polyatomic, i.e. containing two or more atoms
- H01S3/225—Gases the active gas being polyatomic, i.e. containing two or more atoms comprising an excimer or exciplex
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01S—DEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
- H01S3/00—Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
- H01S3/05—Construction or shape of optical resonators; Accommodation of active medium therein; Shape of active medium
- H01S3/08—Construction or shape of optical resonators or components thereof
- H01S3/08004—Construction or shape of optical resonators or components thereof incorporating a dispersive element, e.g. a prism for wavelength selection
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01S—DEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
- H01S3/00—Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
- H01S3/09—Processes or apparatus for excitation, e.g. pumping
- H01S3/097—Processes or apparatus for excitation, e.g. pumping by gas discharge of a gas laser
- H01S3/0975—Processes or apparatus for excitation, e.g. pumping by gas discharge of a gas laser using inductive or capacitive excitation
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01S—DEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
- H01S3/00—Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
- H01S3/14—Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range characterised by the material used as the active medium
- H01S3/22—Gases
- H01S3/223—Gases the active gas being polyatomic, i.e. containing two or more atoms
- H01S3/225—Gases the active gas being polyatomic, i.e. containing two or more atoms comprising an excimer or exciplex
- H01S3/2251—ArF, i.e. argon fluoride is comprised for lasing around 193 nm
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01S—DEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
- H01S3/00—Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
- H01S3/14—Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range characterised by the material used as the active medium
- H01S3/22—Gases
- H01S3/223—Gases the active gas being polyatomic, i.e. containing two or more atoms
- H01S3/225—Gases the active gas being polyatomic, i.e. containing two or more atoms comprising an excimer or exciplex
- H01S3/2256—KrF, i.e. krypton fluoride is comprised for lasing around 248 nm
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Electromagnetism (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Plasma & Fusion (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Lasers (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光用ArF、KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置に関し、特に、レーザ発振パルス幅の長いレーザ動作を行うArFエキシマレーザ装置、KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置等のガスレーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の微細化、高集積化につれて、その製造用の投影露光装置においては解像力の向上が要請されている。このため、露光用光源から放出される露光光の短波長化が進められており、現在KrFエキシマレーザ装置が露光用光源に使用されており、次世代露光用光源としては、ArFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置が有力である。
【0003】
KrF、ArFエキシマレーザ装置においては、フッ素(F2 )ガス、クリプトン(Kr)あるいはアルゴン(Ar)ガス、及びバッファーガスとしてのネオン(Ne)等の希ガスからなる混合ガス、あるいは、フッ素レーザ装置においては、フッ素(F2 )ガス及びバッファーガスとしてネオン(Ne)等の希ガスからなる混合ガスであるレーザガスが数百kPaで封入されたレーザチェンバーの内部で放電を発生させることにより、レーザ媒質であるレーザガスが励起される。
【0004】
これらのレーザ装置においては、放出するレーザ光のスペクトル幅が広いので、露光装置の投影光学系における色収差の問題を回避するためには、スペクトル幅を1pm以下に狭帯域化することが必要となる。スペクトル線幅の狭帯域化は、例えば拡大プリズムと回折格子からなる狭帯域化光学系をレーザ共振器内に配置することにより実現される。
【0005】
ところで、ArFエキシマレーザ装置は、中心発振波長が193.3nmであり、現在露光用光源として使用されているKrFエキシマレーザ装置の中心発振波長248nmより短い。このため、ステッパー等の露光装置の投影レンズ系に使用されている硝材である石英に与えるダメージがKrFエキシマレーザ装置を使用した場合と比較して大きく、レンズ系の寿命が短くなるという問題がある。
【0006】
石英のダメージとしては、2光子吸収によるカラーセンターの形成とコンパクション(屈折率上昇)がある。前者は透過率の減少、後者はレンズ系の分解能の減少として現れる。この影響は、レーザパルスのエネルギーを一定とした場合、次式で定義されるレーザパルス幅(Tis)に反比例する。
【0007】
Tis=(∫T(t)dt)2 /∫(T(t))2 dt ・・・(1)
ここで、T(t)は時間的なレーザ形状である。
【0008】
ここで、このレーザパルス幅Tisの定義について説明しておく。光学素子のダメージが2光子吸収により生じると仮定すると、ダメージは、レーザ光強度の2乗に比例するため、1パルス当たり蓄積されるダメージDは次式で与えられる。
【0009】
D=k・∫(P(t))2 dt ・・・(2)
ここで、kは物質により決まる定数、P(t)は時間的なレーザ強度(MW)である。
【0010】
レーザ強度P(t)は、次式により、時間とエネルギーに分離することができる。
【0011】
P(t)=I・T(t)/∫T(t’)dt’ ・・・(3)
ここで、Iはエネルギー(mJ)、T(t)は時間的なレーザ形状である。
【0012】
P(t)を時間的に積分するとIになり、ArFエキシマレーザの場合、Iは例えば5mJである。
【0013】
ここで、(3)式を(2)式に代入すると、ダメージDは以下の式で表される。
【0014】
ここで、(1)式を代入すると、
D=k・I2 /Tis ・・・(5)
となる。この(5)式より、k・I2 は一定であるため(Iは一定に維持される。)、ダメージDに反比例するパルス幅Tisが(1)式により定義される。
【0015】
従来、レーザパルス幅を時間的なレーザ形状の半値全幅FWHMで定義する場合があった。半値全幅でレーザパルス幅を定義する場合、図8のモデル図に示すように、時間的なレーザ形状が互いに異なっても同じ値となる。しかしながら、図8に示す例では、実際のレーザパルスの継続時間は、三角形形状の方が矩形形状よりも長い。一方、(1) 式で定義されるレーザパルス幅Tisでは、図8に示す三角形形状の方が矩形形状よりも長い。例えば図8に示す例では、三角形形状のレーザパルス幅Tisは、矩形形状のレーザパルス幅Tisの2倍となる。
【0016】
上記のように、レーザパルスのエネルギーを一定とした場合、2光子吸収による透過率の減少、コンパクションによる分解能の減少は、(1)式で与えられるレーザパルス幅Tisに反比例するので、レーザパルス幅Tisを長くすること(ロングパルス化)が望まれている。
【0017】
現状、商品化されている露光用狭帯域化ArFエキシマレーザ装置は、発振動作の繰返し周波数(以後、繰返し周波数と呼ぶ。)1kHz、レーザ光出力が5Wのものが一般的であり、半導体露光装置に塔載される光学系のダメージを回避するためには、レーザパルス幅Tisは30ns以上であることが必要とされている。
【0018】
上記したように、ArFエキシマレーザ装置においては、露光装置に塔載される光学系のダメージを低減するために、レーザパルス幅Tisを長くするロングパルス化が求められる。このロングパルス化は、以下の点からKrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置にも要請される。
【0019】
投影露光装置において、回路パターン等が施されたマスクの像が、投影レンズを介してフォトレジストが塗布されたウエーハ等のワークに投影される投影像の解像度Rと焦点深度DOFは、次式で表される。
【0020】
R=k1 ・λ/NA ・・・(6)
DOF=k2 ・λ/(NA)2 ・・・(7)
ここで、k1 、k2 はレジストの特性等を反映する係数、λは露光用光源から放出される露光光の波長、NAは開口数である。
【0021】
解像度Rを向上させるため、(6)式から明らかなように、露光光の波長の短波長化、高NA化が進んでいるが、その分、(7)式が示す通り、焦点深度DOFが小さくなる。そのため、色収差の影響が大きくなるので、露光光のスペクトル線幅をより狭くする必要がある。すなわち、露光用レーザ装置から放出されるレーザ光のスペクトル線幅のさらなる狭帯化が要請される。
【0022】
ここで、Proc.SPIE Vol.3679.(1999)1030〜1037等には、レーザパルス幅が長くなると、それに伴って、レーザ光のスペクトル線幅が狭くなって行くことが記載されており、実際、本発明者等の実験でもこれは証明された。すなわち、解像度Rを向上させるためには、レーザ光のスペクトル線幅のさらなる狭帯化が要請され、そのためにはレーザパルス幅のロングパルス化が必要となる。
【0023】
以上のように、露光装置の光学系へ与えるダメージの回避、及び、解像度の向上のために、レーザパルス幅Tisのロングパルス化が必須となってきた。レーザパルス幅Tisは、レーザチェンバーに封入されるレーザガス中のフッ素ガス濃度に依存することが知られており(前出:Proc.SPIE Vol.3679.(1999)1030〜103)、フッ素ガス濃度を調整することにより、レーザパルス幅TisをTis≧30nsとなるようにロングパルス化することが可能となる。
【0024】
また、特願平11−261628号では、本発明者等により、極性が反転する1パルスの放電振動電流波形の始めの半周期と、それに続く少なくとも1つの半周期によってレーザ発振動作を行わせるように構成して、Tis≧30nsのレーザパルスを形成する方法が提案されている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
現在の半導体露光用光源であるKrFエキシマレーザ装置、次世代の半導体露光用光源として有力視されているArFエキシマレーザ装置あるいはフッ素レーザ装置に対し、さらなる高解像度化、高スループット化、石英に対する低ダメージ化が要請されている。
【0026】
しかしながら、高解像度化、低ダメージ化に効果のあるロングパルス化と、高スループット化のための高繰り返し化は、放電の安定持続性の観点から相反する技術であり、両立は困難と考えられていた。特に、フッ素を使用するガスレーザ装置においては、ロングパルス化が困難であると報告されている(例えば、前田三男「エキシマレーザー」p.163、IEEE JOURNAL OF SELECTED TOPICS IN QUANTUM ELECTRONICS,VOL.5,No.6(1999),p.1515等)。
【0027】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、繰返し周波数が4kHzを越えてもロングパルス化が可能な露光用ArFキシマレーザ装置、並びに、繰返し周波数が2kHzを越えてもロングパルス化が可能な露光用KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置(露光用レーザ装置)を提供することである。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の露光用ArF、KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置は、磁気パルス圧縮回路の出力端に接続され、レーザチェンバー内に配置された一対のレーザ放電電極とその一対のレーザ放電電極と並列に接続されたピーキングコンデンサとを有する露光用ArF、KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置において、
前記磁気パルス圧縮回路の最終段のコンデンサ容量をCn(nは磁気パルス圧縮回路の段数)として、ピーキングコンデンサの容量をCpとし、最終段コンデンサとレーザ放電電極により形成される第1の回路ループのインダクタンスをLnとし、ピーキングコンデンサとレーザ放電電極により形成される第2の回路ループのインダクタンスをLpとしたとき、
第1の回路ループによる振動電流波形の周期Tn=2π√(Ln×Cn)と、第2の回路ループによる振動電流波形の周期Tp=2π√(Lp×Cp)との関係が、
5Tp≦Tn
を満足し、かつ、
Tn<250ns
の条件を満たすことによってレーザ放電電極間を流れる振動電流の2.5周期以上によってレーザ発振動作を行わせることを特徴とするものである。
【0029】
本発明のもう1つの露光用ArF、KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置は、磁気パルス圧縮回路の出力端に接続され、レーザチェンバー内に配置された一対のレーザ放電電極とその一対のレーザ放電電極と並列に接続されたピーキングコンデンサとを有する露光用ArF、KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置において、
前記磁気パルス圧縮回路の最終段のコンデンサ容量をCn(nは磁気パルス圧縮回路の段数)として、ピーキングコンデンサの容量をCpとし、最終段コンデンサとレーザ放電電極により形成される第1の回路ループのインダクタンスをLnとし、ピーキングコンデンサとレーザ放電電極により形成される第2の回路ループのインダクタンスをLpとしたとき、
第1の回路ループによる振動電流波形の周期Tn=2π√(Ln×Cn)と、第2の回路ループによる振動電流波形の周期Tp=2π√(Lp×Cp)との関係が、
3Tp≦Tn<5Tp
を満足し、かつ、
Tn<250ns
の条件を満たすことによってレーザ放電電極間を流れる振動電流の1.5周期以上によってレーザ発振動作を行わせることを特徴とするものである。
【0030】
これらにおいて、放電電極は長さ600〜750mm、間隔15〜18mm、レーザチャンバー内の全ガス圧が2〜4気圧、この中のフッ素濃度が0.15%以下、最終段コンデンサの容量Cnが8nF以上であることが望ましい。
【0031】
また、ピーキングコンデンサと並列かつコロナ予備電離電極と直列に予備電離用コンデンサが接続され、そのコロナ予備電離電極の静電容量と予備電離用コンデンサの容量との合成容量Ccがピーキングコンデンサの容量Cpの5%以下であることが望ましい。
【0032】
また、光共振器の出力鏡の反射率が40%以上であることが望ましい。
【0033】
以上の本発明においては、磁気パルス圧縮回路からピーキングコンデンサを介して放電電極へエネルギーを注入する1次電流と、磁気パルス圧縮回路の最終段のピーキングコンデンサ充電用のコンデンサから放電電極へエネルギーを注入する2次電流との重畳において、2次電流の振動周期を1次電流の振動周期の5倍以上、あるいは3倍以上5倍未満と設定し、かつ、2次電流の振動周期を250ns未満と設定することによって、2次電流が重畳した1次放電振動電流波形の始めの半周期と、それに続く少なくとも4つの半周期あるいは2つの半周期とによって1パルスのレーザ発振動作を行うように構成したので、繰返し周波数4kHz以上の場合において、半導体露光用の高繰返しロングパルス化狭帯域ArFエキシマレーザ装置を実現することができる。また、繰返し周波数2kHz以上の場合において、半導体露光用の高繰返しロングパルス化狭帯域KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置を実現することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の原理とその実施例について、図面に基づいて説明する。
【0035】
本発明者は、上記のような要請に対応するために、レーザ放電回路において高繰返し動作に対応するロングパルス化回路を形成することにより、繰返し周波数が4kHz以上でも、安定に動作可能なTis≧50nsとなるロングパルス露光用ArFエキシマレーザ装置を開発した。
【0036】
その原理としては、ロングパルス化回路の具体的な動作として、レーザチェンバー内に配置された一対のレーザ放電電極と並列に接続されたピーキングコンデンサから放電空間に流れる1次電流の立上りを速く、かつ、ピーク値を高くし、さらに、その周期を短くし、放電を安定持続しやすくすると共に、ピーキングコンデンサから放電空間に流れる1次電流の第1周期から第3周期の前半までに、磁気パルス圧縮回路のピーキングコンデンサ充電用のコンデンサに残留している電荷(放電までにピーキングコンデンサに移行せずに残った分)を合わせて流れるようにすることによって、放電振動電流波形の始めの半周期と、それに続く少なくとも4つの半周期、合計5つの半周期によってレーザ発振動作をするようにすることである。
【0037】
この状態の概念図を図1に示す。ピーキングコンデンサから流れる1次電流の立上りが速く、ピーク値が高く、その周期が短くなるように回路定数を定めることにより(具体的な回路構成、回路定数は後述する。)、放電を安定持続しやすくする。
【0038】
一方、放電開始時に、磁気パルス圧縮回路のピーキングコンデンサ充電用のコンデンサ(最終段のコンデンサ)に電荷が残留するように回路定数を定めて(具体的な回路構成、回路定数は後述する。)、その残留電荷が放電空間に流れる2次電流の周期を1次電流の周期の5倍以上に設定する。
【0039】
そして、放電電極間に流れる電流をこの1次電流と2次電流とが重畳したものとして、図1のように、振動電流波形の始めの半周期と、それに続く少なくとも4つの半周期とによって1パルスのレーザ発振動作を行うようにする。
【0040】
補足的に説明すると、図1の重畳した振動電流(電極間の放電電流)の第1の半周期と第3の半周期と第5の半周期は同じ極性であり、上記の1次電流と2次電流が重畳して強度が大きくなっており、その間に放電空間に注入されるエネルギーは、2次電流がない従来の場合に比較して大きくなっており、発振エネルギーも大きくなる。しかし、振動電流の第2、第4の半周期においては、電流値は逆に小さくなるため、注入されるエネルギーは少なくなるが、この間も第1の半周期に続いて放電空間内で極性は反転するものの放電が持続していて効率的にエネルギーが注入されるので、レーザ発振動作は第1の半周期から第2の半周期、そして第3、第4、第5の半周期と持続させることができる。
【0041】
このように、磁気パルス圧縮回路からピーキングコンデンサを介して放電電極へエネルギーを注入する1次電流と、磁気パルス圧縮回路のピーキングコンデンサ充電用のコンデンサから放電電極へエネルギーを注入する2次電流とを重畳させ、かつ、2次電流の振動周期を1次電流の振動周期の5倍以上に設定し、2次電流が重畳した1次電流波形の始めの半周期と、それに続く少なくとも4つの半周期とによって1パルスのレーザ発振動作を行うように構成することにより、Tis≧50nsとロングパルス化が可能になり、線幅が0.45pm(半値)より狭くなり、解像度が向上し、また、そのロングパルス化によりピーク光強度が低下したことにより、石英材料のダメージを軽減することもできる。
【0042】
以下、本発明の露光用レーザ装置(ArF、KrF、フッ素レーザ装置兼用)とその励起回路の具体例を示す。
【0043】
図2は、本発明の露光用レーザ装置の構成例を示す図であり、図中、1はレーザチェンバーであり、両端に窓部が設けられ、フッ素ガス、アルゴンガスあるいはクリプトンガスあるいはどちらも入れず、及び、バッファーガス(例えばネオンガス)からなる混合ガスであるレーザガスが封入されている。
【0044】
レーザチェンバー1の内部には、所定間隔だけ離間して対向した一対の放電電極2、2が設けられ、高電圧パルス発生装置3より高電圧パルスを印加して放電電極2、2間に放電を発生させることにより、レーザ媒質であるレーザガスが励起される。
【0045】
レーザチェンバー1内に設置されたファン4によって、レーザガスはレーザチェンバー1内部を循環する。
【0046】
このレーザガス循環により、放電電極2間のレーザガスは、放電発生後、次の放電が発生する前に新しいガスに置換されるので、次の放電は安定な放電となる。
【0047】
本発明者等はレーザチェンバー1のレーザガス循環構造、放電電極などの改良及び高電圧パルス発生装置の新規開発を行い、繰返し周波数4kHz以上を実現した。
【0048】
レーザチェンバー1の一方の端部側には、レーザ光のスペクトル幅を狭帯域化するための狭帯域化光学系を有する狭帯域化モジュール5が設けられる。狭帯域化モジュール5は、例えば、1個以上のプリズムからなるビーム径拡大光学系とリトロー配置の反射型回折格子とから構成される。レーザチェンバー1の他方の端部側には出力鏡6が設けられ、この出力鏡6と狭帯域化モジュール5に設置された狭帯域化光学系によりレーザ共振器が構成される。
【0049】
出力鏡6より放出されたレーザ光の一部はビームサンプラー7により取り出され、レーザ光の時間的波形を検出する波形検出手段8に導かれる。波形検出手段8、例えば、フォトダイオード又は光電子増倍管を光電変換手段として備えている。波形検出手段8で得られた波形データは、パルス幅算出手段9に送られる。パルス幅算出手段9は、受け取ったパルス幅データに基いて、前記した式(1)に従って、レーザパルス幅Tisを算出する。
【0050】
このような露光用レーザ装置の主放電電極2、2の間に図3に示すような励起回路により主放電電圧が、また、コロナ予備電離部10の電極11と13の間に予備電離用コンデンサCc1を介して予備放電電圧が印加される。なお、この例において、コロナ予備電離部10は、例えば、第1電極11が高純度アルミナセラミックス等の誘電体物質製のチューブ12内に円柱状電極を挿入して構成され、第2電極13が矩形の板状体電極から構成され、第2電極13の板状体はその1つの直線状のエッジ近傍で屈曲されており、そのエッジにおいて第1電極11の誘電体チューブ12の外面に平行に線接触してなり、その接触位置が、主放電電極2、2の間のレーザ励起空間を見込むことができる位置の一方の主放電電極2に近接して配置されてなるものである。そして、このコロナ予備電離部10は、静電容量Cc2を持っている。
【0051】
図3の励起回路は、可飽和リアクトルからなる3個の磁気スイッチSL0、SL1、SL2を用いた2段の磁気パルス圧縮回路からなる。磁気スイッチSL0は固体スイッチSW保護用のものであり、第1の磁気スイッチSL1と第2の磁気スイッチSL2により2段の磁気パルス圧縮回路を構成している。
【0052】
図3に従って回路の構成と動作を以下に説明する。まず、高電圧電源HVの電圧が所定の値に調整され、磁気スイッチSL0、インダクタンスL1を介して主コンデンサC0が充電される。このとき、固体スイッチSWはオフになっている。主コンデンサC0の充電が完了し、固体スイッチSWがオンとなったとき、固体スイッチSW両端にかかる電圧は磁気スイッチSL0の両端にかかるよう移り、固体スイッチSWを保護する。磁気スイッチSL0の両端にかかる主コンデンサC0の充電電圧V0の時間積分値が磁気スイッチSL0の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSL0が飽和して磁気スイッチが入り、主コンデンサC0、磁気スイッチSL0、固体スイッチSW、コンデンサC1のループに電流が流れ、主コンデンサC0に蓄えられた電荷が移行してコンデンサC1に充電される。
【0053】
この後、コンデンサC1における電圧V1の時間積分値が磁気スイッチSL1の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSL1が飽和して磁気スイッチが入り、コンデンサC1、コンデンサC2、磁気スイッチSL2のループに電流が流れ、コンデンサC1に蓄えられた電荷が移行してコンデンサC2に充電される。
【0054】
さらに、この後、コンデンサC2における電圧V2の時間積分値が磁気スイッチSL2の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSL2が飽和して磁気スイッチが入り、コンデンサC2、ピーキングコンデンサCp、磁気スイッチSL2のループに電流が流れ、コンデンサC2に蓄えられた電荷が移行してピーキングコンデンサCpが充電される。
【0055】
図3の説明から明らかなように、予備電離のためのコロナ放電は、誘電体チューブ12と第2電極13とが接触している個所を基点として誘電体チューブ12の外周面に発生するが、図3のピーキングコンデンサCpの充電が進むにつれてその電圧V3が上昇し、V3が所定の電圧になるとコロナ予備電離部の誘電体チューブ12表面にコロナ放電が発生する。このコロナ放電によって誘電体チューブ12の表面に紫外線が発生し、主放電電極2、2間のレーザ媒質であるレーザガスが予備電離される。
【0056】
ピーキングコンデンサCpの充電がさらに進むにつれて、ピーキングコンデンサCpの電圧V3が上昇し、この電圧V3がある値(ブレークダウン電圧)Vbに達すると、主放電電極2、2間のレーザガスが絶縁破壊されて主放電が開始し、この主放電によりレーザ媒質が励起され、レーザ光が発生する。
【0057】
この後、主放電によりピーキングコンデンサCpの電圧が急速に低下し、やがて充電開始前の状態に戻る。
【0058】
このような放電動作が固体スイッチSWのスイッチング動作によって繰り返し行なわれることにより、所定の繰り返し周波数でのパルスレーザ発振が行われる。
【0059】
ここで、磁気スイッチSL1、SL2及びコンデンサC1、C2で構成される各段の容量移行型回路のインダクタンスを後段に行くにつれて小さくなるように設定することにより、各段を流れる電流パルスのパルス幅が順次狭くなるようなパルス圧縮動作が行われ、主放電電極2、2間に短パルスの強い放電が実現される。
【0060】
ところで、半導体露光用の光源としてレーザ装置の場合、露光に必要なレーザ出力エネルギーからそれに必要な放電体積が自ずから決まり、その放電体積から主放電電極2、2間の間隔は15〜18mm程度、長さは600〜750mm程度である必要がある。
【0061】
また、そのレーザ出力エネルギーは一般にはピーキングコンデンサCpの容量で決まり(放電による入力エネルギーは1/2×Cp・Vb2 )、Cpは大きい方がエネルギーは大きいが、ピーキングコンデンサCpから主放電電極2、2間を流れる電流の周期を短くするにはCpは小さくしなけばならない。しかも、図1に関して説明したように、Cpから主放電電極2、2間を電流が流れても、C2に電荷が残留しているようにするには、Cpは余り大きくできない。
【0062】
ここで、上記したように、本発明に基づいて、ピーキングコンデンサCpから主放電電極2、2間を流れる電流の立上りを速く(周期を短く)、かつ、電流のピーク値を高くするように回路定数を定める必要がある。電流のピーク値を大きくするには、主放電電極2、2間で放電が開始する電圧(ブレークダウン電圧)Vbが主放電電極2、2間に加えられる電圧の立ち上がりに依存し、立上り時間が高速である場合に放電開始電圧Vbが高くなる(過電圧の発生)ので、その印加電圧を急激に上昇するようにする必要がある。そのためには、図3に示すように、磁気パルス圧縮回路の出力端での接続に伴う磁気パルス圧縮回路側の浮遊インダクタンスをLf1、その接続に伴うレーザ装置側でピーキングコンデンサCpより前の浮遊インダクタンスをLf2とすると、磁気スイッチSL2の残留インダクタンスL2sとこれら浮遊インダクタンスをLf1、Lf2の和であるインダクタンスL2’(=L2s+Lf1+Lf2)を小さくしてコンデンサC2からピーキングコンデンサCpに急速に充電が行われるようにする必要がある。
【0063】
次に、ピーキングコンデンサCpから主放電電極2、2間を流れる電流の周期を短くして放電を安定持続しやすくするには、以下のように構成する。すなわち、図3の励起回路のピーキングコンデンサCpと主放電電極2、2が形成するループ(放電電流回路)中の容量Cpと浮遊インダクタンスLpであり、両者の積のルートがその周期に比例する。したがって、その周期を短くするには、上記放電電流回路の浮遊インダクタンスLpを可能な限り小さくすればよい。しかし、この浮遊インダクタンスLpの大きさはレーザキャビティの断面積で決まるから、実際上3nH程度より小さくできない。
【0064】
また、主放電電極2、2間を流れる振動電流の2番目以降の1/2周期の電流のピーク値を大きくして2番目以降の1/2周期においてもレーザ発振を行わせるには、レーザガスの電気抵抗を小さくする必要がある。レーザガスにおいてフッ素分圧が小さい程、混合ガスの抵抗が小さくなるので、レーザガスの全圧に対するフッ素分圧を0.15%以下にすることが望ましい。なお、レーザガスの圧力が2気圧以下の場合、注入できるエネルギーが小さくなりすぎ、露光装置に必要な出力エネルギーが得られなくなる。逆に、4気圧のより大きい場合は、抵抗が大きくなりすぎ、2番目以降の1/2周期においてレーザ発振を行わせることが困難になる。
【0065】
このような知見の下で、図2に示す露光用ArFエキシマレーザ装置において、レーザ放電電極長700mm、間隔16mm、レーザチェンバー1内圧力を3気圧(約300kPa)、フッ素濃度を0.09%、アルゴン濃度3%、バッファーガスをネオンとし、また、図3のような2段の磁気パルス圧縮回路からなる励起回路により、繰返し周波数を4kHzとし、
ピーキングコンデンサCpから放電電極に流れる1次電流の周期Tpを、
Tp=2π√(Lp×Cp)=2π√(5nH×8nF)=40ns、
最終段コンデンサC2から放電電極に流れる2次電流の周期T2を、
になるようなL2s、Lf1、Lf2、Lpに、磁気スイッチSL2及び放電部構造を設計し、ピーキングコンデンサCp、最終段コンデンサC2の値を設定した。
【0066】
また、予備電離用コンデンサCc1容量は0.4nFに設定し、コロナ予備電離部10の静電容量Cc2が0.2nFになるように構造を設計した。出力鏡6の反射率は50%とした。なお、レーザチェンバー1内圧力はガス温度を25℃に換算したときの値である。
【0067】
ここで、上記T2が250ns以上のときは、C2から放電電極間に流れる電流がレーザ発振に有効に使用できなくなることが、実験的に求められている。一例として、C2=12nFにおいて、T2を変化させたときの4kHz時のレーザ出力エネルギー(E)及びパルス幅(Tis)を図4に示す。ここで、T2は、残留インダクタンスL2sの異なる磁気スイッチSL2を用いて磁気パルス圧縮回路を形成して、L2sを変化させて変化させた。これは、レーザ発振のゲインが得られる均一放電の持続時間に上限が有り、時間の経過に伴い集中放電へ移行してゲインを失うためであると考えられる。
【0068】
図5に、上記のパメータ設定時に波形検出手段8で得られた時間的なレーザ形状である波形データを示す。このとき、パルス幅算出手段9により求められたレーザパルス幅Tisの値は62nsであった。
【0069】
以上の実施例から明らかなように、以下の条件を満たすことにより、繰返し周波数が4kHz以上でも、安定に動作可能なTis≧50nsとなるロングパルス露光用ArFエキシマレーザ装置が実現される。
【0070】
(1)放電電流の立ち上がりを速くし、かつ、放電を安定持続させるために、1次電流の周期Tpを50ns以下に短くする。
【0071】
(2)放電開始電圧を高めて、放電電流ピークを大きくするために、2次電流の周期T2を250ns以下に短くする。
【0072】
(3)5Tp≦T2(5TpがT2を越えないこと。近い方が発振効率が良い。)とし、ピーキングコンデンサCpから電極間に流れる電流の第2周期、第3周期前半に、最終段コンデンサC2に残留した電荷による電流を重ねて流れるようにする。
【0073】
これらの結果、(1)、(2)により放電の安定持続性が高まり、その持続中に(3)によりエネルギーが注入されるため、効率良いロングパルス発振が可能となる。
【0074】
なお、5Tp≦T2が実現困難な場合であっても、3Tp≦T2<5Tpの条件を満たすことによって、図6に図1と同様の図を示すように、放電電極間を流れる振動電流の1.5周期以上によってレーザ発振動作を行わせることができる。すなわち、放電電極間に流れる電流を、ピーキングコンデンサCpから流れる1次電流と、磁気パルス圧縮回路のピーキングコンデンサ充電用のコンデンサC2から流れる2次電流とを重畳したものとして、図6のように、振動電流波形の始めの半周期と、それに続く少なくとも2つの半周期とによって1パルスのレーザ発振動作を行うようにすることにより、ロングパルス発振が可能となる。この場合も、上記と同様に、3TpがT2に近い方がレーザの発振効率は高くなる。
【0075】
なお、最終段コンデンサ容量C2については、露光に必要なレーザ出力エネルギーからその大きさが規定され、実際上8nF以上である必要がある。
【0076】
ところで、上記の(1)〜(3)を満たす場合であっても、予備電離コンデンサ容量Cc1とコロナ予備電離電極の静電容量Cc2の合成容量Ccをピーキングコンデンサ容量Cpの5%より大きくすると、予備電離回路に残留した電荷による電流が放電空間に流れるときに位相がずれることにより、Cp、C2から流れる電流の第2周期以降が妨げられる。図7の破線は、上記のパラメータ設定時、すなわち、Cc1=0.4nF、Cc2=0.2nF、Cc=0.13nF(Cc/Cp=0.13nF/8nF=1.6%)の放電電極間に流れる電流波形を示すが、予備電離コンデンサ容量Cc1を2nF、コロナ予備電離電極の静電容量Cc2を1nFに増加させ、合成容量Ccを0.67nF(Cc/Cp=0.67nF/8nF=8.4%)にすると、図7の実線のように、Cp、C2から流れる電流の第2周期以降が大きく妨げられていることが分かる。したがって、予備電離回路の容量Ccは予備電離放電に必要最低限の値にした方がよい。実験の結果、Cpの5%以下が望ましいことが分かった。
【0077】
ところで、Tis≧50nsのロングパルス波形においては、ラウンドトリップ数(光共振器中でのレーザ光の往復の回数)が多くなる。したがって、光共振器の出力鏡6の反射率を40%以上に高くすると、2回目以降のラウンドトリップ数の割合が増加し、レーザ出力が増加すると共に、レーザ波形の安定性が高くなり、パルス間のエネルギー安定性も向上する。上記実施例では、反射率50%の出力鏡を使用した。
【0078】
以上のように、本発明に基いて、従来のようにレーザチェンバー内のフッ素濃度を調整するという技術とは異なる新規な技術である、ロングパルス化放電回路(パルス整形回路)の新たな考案という技術により、繰返し周波数4kHz以上、レーザパルス幅Tisが50ns以上の高繰返しロングパルス化の狭帯域ArFエキシマレーザ装置を実現することに成功した。
【0079】
以上は、主としてArFエキシマレーザ装置について説明してきたが、ガスインピーダンスの変化は回路定数に比較して大きくないので、上記の発明はネオンを希釈ガスとしたKrFエキシマレーザ、及び、フッ素レーザ装置にも適用できる。
【0080】
以上、本発明の露光用ArF、KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置(紫外線を放出するガスレーザ装置)をその原理と実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【0081】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の露光用レーザ装置によれば、磁気パルス圧縮回路からピーキングコンデンサを介して放電電極へエネルギーを注入する1次電流と、磁気パルス圧縮回路の最終段のピーキングコンデンサ充電用のコンデンサから放電電極へエネルギーを注入する2次電流との重畳において、2次電流の振動周期を1次電流の振動周期の5倍以上、あるいは3倍以上5倍未満と設定し、かつ、2次電流の振動周期を250ns未満と設定することによって、2次電流が重畳した1次放電振動電流波形の始めの半周期と、それに続く少なくとも4つの半周期あるいは2つの半周期とによって1パルスのレーザ発振動作を行うように構成したので、繰返し周波数4kHz以上の場合において、半導体露光用の高繰返しロングパルス化狭帯域ArFエキシマレーザ装置を実現することができる。また、繰返し周波数2kHz以上の場合において、半導体露光用の高繰返しロングパルス化狭帯域KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく露光用レーザ装置の原理を説明するための波形図である。
【図2】本発明を適用する露光用レーザ装置の構成例を示す図である。
【図3】本発明に基づく一例の励起回路を示す回路図である。
【図4】放電電極に流れる2次電流の周期を変化させたときのレーザ出力エネルギー及びパルス幅の関係を調べた結果を示す図である。
【図5】1つの具体例におけるArFエキシマレーザ装置から得られたレーザ出力波形データを示す図である。
【図6】本発明に基づく露光用レーザ装置の別の形態の原理を説明するための図1と同様の図である。
【図7】予備電離回路の合成容量により放電電極に流れる電流が妨げられる様子を示す図である。
【図8】レーザパルス幅について説明するための図である。
【符号の説明】
1…レーザチェンバ
2…放電電極
3…高電圧パルス発生装置
4…ファン
5…狭帯域化モジュール
6…出力鏡
7…ビームサンプラー
8…波形検出手段
9…パルス幅算出手段
10…コロナ予備電離部
11…コロナ予備電離第1電極
12…誘電体チューブ
13…コロナ予備電離第2電極
SL0…固体スイッチ保護用磁気スイッチ
SL1…第1の磁気スイッチ
SL2…第2の磁気スイッチ
HV…高電圧電源
L1…インダクタンス
SW…固体スイッチ
C0…主コンデンサ
C1…第1のコンデンサ
C2…第2のコンデンサ
Cp…ピーキングコンデンサ
Cc1…予備電離用コンデンサ
Cc2…予備電離電極の静電容量
L2s…第2の磁気スイッチの残留インダクタンス
Lf1、Lf2…浮遊インダクタンス
Lp…放電電流回路の浮遊インダクタンス
Claims (5)
- 磁気パルス圧縮回路の出力端に接続され、レーザチェンバー内に配置された一対のレーザ放電電極とその一対のレーザ放電電極と並列に接続されたピーキングコンデンサとを有する露光用ArF、KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置において、
前記磁気パルス圧縮回路の最終段のコンデンサ容量をCn(nは磁気パルス圧縮回路の段数)として、ピーキングコンデンサの容量をCpとし、最終段コンデンサとレーザ放電電極により形成される第1の回路ループのインダクタンスをLnとし、ピーキングコンデンサとレーザ放電電極により形成される第2の回路ループのインダクタンスをLpとしたとき、
第1の回路ループによる振動電流波形の周期Tn=2π√(Ln×Cn)と、第2の回路ループによる振動電流波形の周期Tp=2π√(Lp×Cp)との関係が、
5Tp≦Tn
を満足し、かつ、
Tn<250ns
の条件を満たすことによってレーザ放電電極間を流れる振動電流の2.5周期以上によってレーザ発振動作を行わせることを特徴とする露光用ArF、KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置。 - 磁気パルス圧縮回路の出力端に接続され、レーザチェンバー内に配置された一対のレーザ放電電極とその一対のレーザ放電電極と並列に接続されたピーキングコンデンサとを有する露光用ArF、KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置において、
前記磁気パルス圧縮回路の最終段のコンデンサ容量をCn(nは磁気パルス圧縮回路の段数)として、ピーキングコンデンサの容量をCpとし、最終段コンデンサとレーザ放電電極により形成される第1の回路ループのインダクタンスをLnとし、ピーキングコンデンサとレーザ放電電極により形成される第2の回路ループのインダクタンスをLpとしたとき、
第1の回路ループによる振動電流波形の周期Tn=2π√(Ln×Cn)と、第2の回路ループによる振動電流波形の周期Tp=2π√(Lp×Cp)との関係が、
3Tp≦Tn<5Tp
を満足し、かつ、
Tn<250ns
の条件を満たすことによってレーザ放電電極間を流れる振動電流の1.5周期以上によってレーザ発振動作を行わせることを特徴とする露光用ArF、KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置。 - 放電電極は長さ600〜750mm、間隔15〜18mm、レーザチャンバー内の全ガス圧が2〜4気圧、この中のフッ素濃度が0.15%以下、最終段コンデンサの容量Cnが8nF以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の露光用ArF、KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置。
- ピーキングコンデンサと並列かつコロナ予備電離電極と直列に予備電離用コンデンサが接続され、前記コロナ予備電離電極の静電容量と前記予備電離用コンデンサの容量との合成容量Ccがピーキングコンデンサの容量Cpの5%以下であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の露光用ArF、KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置。
- 光共振器の出力鏡の反射率が40%以上であることを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の露光用ArF、KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000309270A JP3755577B2 (ja) | 2000-10-10 | 2000-10-10 | 露光用ArF、KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置 |
US09/971,090 US6636546B2 (en) | 2000-10-10 | 2001-10-03 | ArF and KrF excimer laser apparatus and fluorine laser apparatus for lithography |
DE10149696A DE10149696A1 (de) | 2000-10-10 | 2001-10-09 | ArF- und KrF-Excimerlaservorrichtung und Fluorlaservorrichtung zur Lithographie |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000309270A JP3755577B2 (ja) | 2000-10-10 | 2000-10-10 | 露光用ArF、KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002118311A JP2002118311A (ja) | 2002-04-19 |
JP3755577B2 true JP3755577B2 (ja) | 2006-03-15 |
Family
ID=18789467
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000309270A Expired - Lifetime JP3755577B2 (ja) | 2000-10-10 | 2000-10-10 | 露光用ArF、KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6636546B2 (ja) |
JP (1) | JP3755577B2 (ja) |
DE (1) | DE10149696A1 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3552979B2 (ja) * | 1999-09-16 | 2004-08-11 | ウシオ電機株式会社 | ArFエキシマレーザ装置 |
JP3775469B2 (ja) * | 2000-03-15 | 2006-05-17 | ウシオ電機株式会社 | ArFエキシマレーザ装置、KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置 |
JP3755577B2 (ja) * | 2000-10-10 | 2006-03-15 | ウシオ電機株式会社 | 露光用ArF、KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置 |
US6801562B2 (en) * | 2001-03-02 | 2004-10-05 | Corning Incorporated | High repetition rate excimer laser system |
WO2003069739A1 (en) * | 2002-02-13 | 2003-08-21 | Corning Incorporated | High repetition rate excimer laser system |
US7471708B2 (en) * | 2005-03-31 | 2008-12-30 | Cymer, Inc. | Gas discharge laser output light beam parameter control |
WO2014038584A1 (ja) | 2012-09-07 | 2014-03-13 | ギガフォトン株式会社 | レーザ装置及びレーザ装置の制御方法 |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63110780A (ja) | 1986-10-29 | 1988-05-16 | Toshiba Corp | ガスレ−ザ発振装置 |
JPH0316189A (ja) * | 1989-03-30 | 1991-01-24 | Hitachi Metals Ltd | 高電圧パルス発生回路およびこれを用いた放電励起レーザならびに加速器 |
US5184085A (en) * | 1989-06-29 | 1993-02-02 | Hitachi Metals, Ltd. | High-voltage pulse generating circuit, and discharge-excited laser and accelerator containing such circuit |
US6128323A (en) * | 1997-04-23 | 2000-10-03 | Cymer, Inc. | Reliable modular production quality narrow-band high REP rate excimer laser |
USRE38054E1 (en) * | 1997-07-18 | 2003-04-01 | Cymer, Inc. | Reliable, modular, production quality narrow-band high rep rate F2 laser |
EP1040539B1 (en) * | 1997-12-15 | 2004-11-10 | Cymer, Inc. | High pulse rate pulse power system |
JP3552979B2 (ja) | 1999-09-16 | 2004-08-11 | ウシオ電機株式会社 | ArFエキシマレーザ装置 |
JP3296430B2 (ja) | 1999-10-08 | 2002-07-02 | 株式会社ウシオ総合技術研究所 | 露光用ArFエキシマレーザ装置 |
JP3427889B2 (ja) | 1999-12-21 | 2003-07-22 | ウシオ電機株式会社 | ArFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置 |
JP3775469B2 (ja) | 2000-03-15 | 2006-05-17 | ウシオ電機株式会社 | ArFエキシマレーザ装置、KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置 |
JP3755577B2 (ja) * | 2000-10-10 | 2006-03-15 | ウシオ電機株式会社 | 露光用ArF、KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置 |
-
2000
- 2000-10-10 JP JP2000309270A patent/JP3755577B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
2001
- 2001-10-03 US US09/971,090 patent/US6636546B2/en not_active Expired - Lifetime
- 2001-10-09 DE DE10149696A patent/DE10149696A1/de not_active Withdrawn
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20020071469A1 (en) | 2002-06-13 |
DE10149696A1 (de) | 2002-05-29 |
JP2002118311A (ja) | 2002-04-19 |
US6636546B2 (en) | 2003-10-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6744060B2 (en) | Pulse power system for extreme ultraviolet and x-ray sources | |
US6862307B2 (en) | Electrical excitation circuit for a pulsed gas laser | |
JP3427889B2 (ja) | ArFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置 | |
KR100505081B1 (ko) | 노광용 에이알에프 엑시머 레이저 장치 | |
Sze et al. | Experimental studies of a KrF and ArF discharge laser | |
JP3552979B2 (ja) | ArFエキシマレーザ装置 | |
JP3755577B2 (ja) | 露光用ArF、KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置 | |
JP3775469B2 (ja) | ArFエキシマレーザ装置、KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置 | |
JP2005185092A (ja) | ガス放電ポンピング式の放射線源のために高い繰返し率及び高い電流強さのパルス形状の電流を生成するための装置 | |
JP4367836B2 (ja) | Mopo方式2ステージレーザ装置 | |
JP3827214B2 (ja) | 露光用ガスレーザ装置 | |
JP2002151768A (ja) | 露光用フッ素レーザ装置 | |
JP3794249B2 (ja) | ArFエキシマレーザ装置、KrFエキシマレーザ装置及びフッ素レーザ装置 | |
CN118743119A (zh) | 气体激光装置以及电子器件的制造方法 | |
JP2004064935A (ja) | 高電圧パルス発生装置及びそれを用いた放電励起ガスレーザ装置 | |
JPH1041564A (ja) | エキシマレーザー発振装置及び露光装置 | |
WO2001013476A1 (en) | Narrow band excimer laser |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20041125 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051117 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20051130 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051213 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 3755577 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090106 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100106 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100106 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110106 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120106 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130106 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130106 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140106 Year of fee payment: 8 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |