JP3427362B2 - 誘電体薄膜堆積方法 - Google Patents

誘電体薄膜堆積方法

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JP3427362B2
JP3427362B2 JP19240794A JP19240794A JP3427362B2 JP 3427362 B2 JP3427362 B2 JP 3427362B2 JP 19240794 A JP19240794 A JP 19240794A JP 19240794 A JP19240794 A JP 19240794A JP 3427362 B2 JP3427362 B2 JP 3427362B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体基板など
に小型のコンデンサを作製するのに好適な誘電体薄膜を
堆積する方法に関する。
【0002】近年、例えば携帯電話用のマイクロ波集積
回路(monolithic microwave i
ntegrated circuit:MMIC)など
に於いて、小型化又は低価格化の為、チップの外に接続
していた比較的大きな容量のコンデンサを小さくしてM
MICの内部素子として取り込む必要が生じている。
【0003】また、ダイナミック・ランダム・アクセス
・メモリ(dynamic random acces
s memory:DRAM)のように、高集積化に伴
って微細化が必要となり、記憶保持用のコンデンサを小
さな面積で作製することが必要になっている。
【0004】このようなことから、誘電率が高い薄膜、
或いは、強誘電体薄膜を量産できる方法の実現が希求さ
れている。
【0005】
【従来の技術】通常、コンデンサ用の高い誘電率をもつ
材料或いは強誘電体、例えばSrTiO3 、BaTiO
3 、TiO2 、Ta2 5 、PbTiO3 、PbZrO
3 又はこれ等の混晶等は、例えばスパッタリング法(要
すれば、「特開昭58−194206号公報」、を参
照)、化学気相成長法(要すれば、「H.Yamagu
chi et al.,Jpn.J.Appl.Phy
s.vol.32 No.9B,pp.4069−40
73(1993)」、を参照)、ゾル・ゲル法(要すれ
ば、「特開昭56−28408号公報」、を参照)など
適用することに依って作製されている。
【0006】前記従来の技術に於けるスパッタリング法
では、一般に、真空容器内で、誘電体原料からなるター
ゲットに対向して誘電体薄膜を形成すべき半導体基板を
セットしてから、低圧の例えばAr雰囲気にしてプラズ
マを発生させ、ターゲットをスパッタリングさせること
で誘電体薄膜を形成している。
【0007】この場合、ターゲットの大きさには限界が
ある為、一度に処理できる半導体基板の枚数は比較的少
なく、また、プラズマ中で薄膜を形成する為、半導体基
板表面が高エネルギのイオンなどに曝されて損傷され易
く、従って、作り込まれるデバイスの特性を劣化される
虞がある。
【0008】また、化学気相成長(chemical
vapor deposition:CVD)法では、
原料ガスを高温で反応させ、半導体基板上に誘電体薄膜
を堆積させるのであるが、SrTiO3 、BaTiO3
などを成長させるには、蒸気圧が高いSr原料、Ba原
料がない為、これ等の薄膜を量産レベルで形成すること
は実際上では困難である。
【0009】更にまた、ゾル・ゲル法では、有機溶媒と
誘電体材料微粉末とからなる乳濁液或いは懸濁液を半導
体基板上に塗布し、これを約600〔℃〕以上の高温で
処理することに依って有機溶媒を蒸発させ、且つ、微粒
子を焼結させて所望の誘電体薄膜を得るようにしてい
る。
【0010】従って、高温での処理が不可欠なのである
が、高温プロセスを適用できない場合、例えば、トラン
ジスタを形成した後の段階では、高温を適用することで
トランジスタが劣化する為、この手段は採用できない。
【0011】ところで、前記した各方法に見られる欠点
が比較的少ない、即ち、多量の半導体基板に低温で酸化
物薄膜を堆積させることができ、且つ、スパッタリング
法のように半導体基板表面に損傷を与えることが少ない
方法として蒸着法が知られている。
【0012】然しながら、蒸着法は、真空中で実施する
為、酸化物薄膜を堆積させる場合、堆積させた酸化物薄
膜中の酸素が抜け易く、良質の薄膜が得られない。
【0013】そこで、例えばイオン・ビーム・アシスト
蒸着法などのように、酸素ビームを薄膜に照射しながら
蒸着を行う方法も提案されている。
【0014】然しながら、一般に、コンデンサ用薄膜で
は、電気的特性が良好であること、特に比誘電率が高
く、リーク電流が低いことが要求されるので、イオン・
ビーム・アシスト蒸着法を適用して形成された酸化物薄
膜としては、光学用薄膜(要すれば、「特開昭61−2
88064号公報」、を参照)、集積回路に於ける層間
絶縁膜(要すれば、「特開平3−196526号公
報」、を参照)が知られているのみであり、コンデンサ
用薄膜については事例がない。
【0015】実際、本発明者らは、前記各特許公報に開
示された蒸着法に依って、SrTiO3 、BaTi
3 、TiO2 、Ta2 5 、PbTiO3 、PbZr
3 の薄膜を用いてコンデンサを試作したが、どの薄膜
も、高い比誘電率、及び、少ないリーク電流の条件を満
たすことはできなかった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、集積回路
用コンデンサに用いることができる高い誘電率をもった
薄膜を比較的低い基板温度で量産できるようにする。こ
の為、蒸着法を適用し、電気的特性が優れた、即ち、比
誘電率が高く、且つ、リーク電流が少ない高誘電体薄膜
の堆積を可能にする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、イオン・ビー
ム・アシスト蒸着法のような酸素の補償手段をもつ蒸着
法を適用して誘電体薄膜を堆積させる場合、堆積速度及
び堆積時に於ける酸素分圧を適切な値に選定すること
で、集積回路用コンデンサの構成部材として使用に耐え
る優れた特性をもった誘電体薄膜を実現することが基本
になっている。
【0018】前記したところから、本発明に依る誘電体
薄膜堆積方法に於いては、 (1)加速された酸素分子、酸素ラジカル、酸素原子、
或いは酸素プラズマなどの活性酸素(酸素流)を含む雰
囲気下で堆積速度0.2〔nm/s〕以下として基板
(例えば半導体基板41)上に酸化物高誘電率薄膜或い
は酸化物強誘電体薄膜(例えばSrTiO3 薄膜など)
を蒸着して堆積させる誘電体薄膜堆積方法であって、前
記加速された酸素分子、酸素ラジカル、酸素原子、或い
は酸素プラズマなどの活性酸素は、電子(例えば電子照
射装置3からの電子)で電気的に中和して生成されたも
のであって、且つ、生成された中和酸素流が基板に対し
て1×10 13 〔/cm 2 ・s〕以上の照射量で照射され
ことを特徴とするか、或いは、
【0019】(2)前記(1)に於いて、雰囲気に於け
る酸素分圧を10-4〔Torr〕以上にすることを特徴
とするか、或いは、
【0020】(3)前記(1)或いは(2)に於いて、
酸化物高誘電率薄膜又は酸化物強誘電体薄膜がSrTi
3 、BaTiO3 、TiO2 、Ta2 5 、PbTi
3 、PbZrO3 の何れか、或いは、これ等の混晶で
あることを特徴とするか、或いは、
【0021】(4)前記(1)乃至(3)の何れか1
於いて、酸素プラズマを蒸着室で発生させることを特徴
とするか、或いは、
【0022】(5)前記(1)乃至(3)の何れか1
於いて、酸素プラズマ発生室で酸素プラズマを発生させ
て得られる活性酸素を蒸着室に導入することを特徴とす
るか、或いは、
【0023】(6)前記(1)乃至(5)の何れか1に
於いて、基板温度を200〔℃〕以上にして酸化物高誘
電率薄膜或いは酸化物強誘電体薄膜を蒸着して堆積させ
ることを特徴とする。
【0024】
【0025】
【作用】前記手段を採ることに依って、基本的には、通
常の蒸着を実施するのと同じであることから、堆積装置
として大型のものを用いることができ、直径が75〔m
m〕乃至100〔mm〕の多数の半導体基板を一括処理
することが可能である。
【0026】また、通常の蒸着と異なるところは、酸素
照射に依って誘電体薄膜に含まれる酸素量を制御するこ
とができる為、電気的特性が良好な誘電体薄膜を堆積さ
せることができ、しかも、蒸着の際、ヒータに依って基
板を適切な温度にすることで誘電体薄膜の結晶性を向上
させることができる。
【0027】また、スパッタリング法のように基板をプ
ラズマに直接曝すことはないから、基板表面が損傷され
る虞はなく、この点は、半導体基板上にデバイスを或段
階まで作製した時点で誘電体薄膜を堆積させる必要があ
る場合に有利である。
【0028】更にまた、基板温度を200〔℃〕乃至4
50〔℃〕程度の低い温度にして堆積を行った場合であ
っても、実用上で充分な電気的特性、即ち、誘電率が適
当に高く、リーク電流が少ない誘電体薄膜を得ることが
でき、ゾル・ゲル法に比較して有利である。
【0029】
【実施例】図1は本発明を実施するのに用いる誘電体薄
膜堆積装置の一例を表す要部説明図である。
【0030】図に於いて、1は原料蒸発源、2はイオン
・ガン、3は電子照射装置、4は基板保持台、5は基板
保持台回転装置、7はヒータ、8は蒸着室、9は水晶振
動子を用いた膜厚計、11はルツボ、12はシャッタ、
14は電子銃、41は半導体基板、61はゲート・バル
ブ、71はリング状をなすプラズマ発生用電極、72は
プラズマ発生用電源、81はプラズマ発生室、82は導
入路、83は平行平板型のプラズマ発生用電極をそれぞ
れ示す。
【0031】図示の誘電体薄膜堆積装置に於いては、原
料蒸発源1に原料として例えばSrTiO3 を入れ、電
子線を照射して加熱蒸発させ、基板保持台4にセットし
た半導体基板41の表面に誘電体薄膜を蒸着させるよう
になっていて、その蒸着の際には、酸素分子或いは酸素
原子を半導体基板41に照射する(以下、酸素照射、と
言う)。
【0032】この酸素照射は、通常、酸化物薄膜を低圧
下で蒸着に依って形成する場合、得られる酸化物薄膜が
酸素不足状態になるので、これを補う為に実施するもの
である。
【0033】酸素照射は次のようにして行う。先ず、イ
オン・ガン2に酸素を導入して酸素原子或いは分子イオ
ンを発生させ、これをイオン・ガン2中で加速して酸素
原子或いは分子イオン流を生成させる。このイオン流に
電子照射装置3で発生させた電子線を照射して電気的に
中和して酸素原子或いは分子流(以下、酸素流、と言
う)を生成させ、それを半導体基板41に照射するもの
である。
【0034】酸素を補う手段としては、前記のように加
速した酸素を照射する方法の他、酸素プラズマを用いる
ことができる。例えば、蒸着室8内に於いて、プラズマ
発生用電極71に対し、プラズマ発生用電源72から高
周波などを送入し、蒸着室8内で酸素プラズマを発生さ
せながら誘電体の蒸着を行うことができる。
【0035】また、蒸着室8とは別個になっているプラ
ズマ発生室81で酸素プラズマを発生させ、寿命が長い
活性酸素のみを導入路82を介して蒸着室8に送入して
誘電体の蒸着を行うようにしても良い。
【0036】蒸着の際には、誘電体薄膜の結晶性を良好
なものとする為、ヒータ7に依って半導体基板41を加
熱して適当な温度にする。
【0037】前記のSrTiO3 のみならず、BaTi
3 、TiO2 、Ta2 5 、PbTiO3 、PbZr
3 、或いは、これ等の混晶からなる誘電体も前記と同
様な方法に依って蒸着して薄膜にすることができる。
【0038】以下に、図示の堆積装置を用い、SrTi
3 薄膜を堆積させる場合について説明する。
【0039】(1) Si或いはGaAsなどの半導体
基板41に金属を堆積して電極を形成する。
【0040】この電極は、具体的には、Ptの薄膜など
を積層して構成されている。ここで用いるPtは、抵抗
が低く、耐熱性に優れ、半導体基板41或いは高誘電率
薄膜や高誘電体膜との密着性が良好な金属に代替するこ
とができる。
【0041】(2) 半導体基板41を堆積装置に於け
る基板保持台4に電極側が表出されるように装着し、ま
た、単一の原料蒸発源1に於けるルツボ11内に原料で
あるSrTiO3 を入れる。
【0042】(3) 排気装置6を動作させて蒸着室8
内を排気し、圧力を1×10-5〔Torr〕乃至1×1
-2〔Torr〕とする。この際、蒸着室8内には、マ
ス・フロー・コントローラに依って流量を制御した酸素
を導入することで圧力の調整を行う。
【0043】(4) ヒータ7を動作させて半導体基板
41の温度を200〔℃〕乃至450〔℃〕の範囲とす
る。この際、温度上昇を早める為には、ランプを用いて
補助的に加熱しても良い。
【0044】(5) 半導体基板41が所定温度に達
し、且つ、蒸着室8内が所定圧力に達したら電子銃14
からの電子ビームを照射してルツボ11内のSrTiO
3を溶融する。
【0045】(6) 蒸着の際には、シャッタ12を開
いて蒸着を開始し、基板保持台回転装置5を作動させて
基板保持台4を回転させる。
【0046】半導体基板41上に堆積するSrTiO3
薄膜の堆積速度及び膜厚は、水晶振動子を用いた膜厚計
9でモニタし、これを原料蒸発源1に於ける電子銃14
の制御系にフィードバックし、堆積速度が一定となるよ
うに電子線強度を自動的に制御するようになっている。
【0047】蒸着室8内の圧力は、酸素の導入に依って
制御されているので、蒸着時に於ける蒸着室8内の雰囲
気は主として酸素である。
【0048】蒸着と同時にイオン・ガン2及び電子照射
装置3の作用で電気的に中性な酸素流を作り、これを半
導体基板41に照射する。この場合の酸素照射量は、半
導体基板41の表面上で1×1013〔/cm2 ・s〕以
上となるようにした。
【0049】前記プロセスで誘電体薄膜を形成する場合
に、蒸着室8内の圧力及び堆積速度を一定とし、酸素照
射量及び堆積させた誘電体薄膜に於ける比誘電率の関係
を調べた。
【0050】図2は酸素照射量並びに堆積させた誘電体
薄膜に於ける比誘電率の関係を表す線図であり、横軸に
は酸素照射量 1013〔/cm2 ・s〕を、また、縦軸
には誘電体薄膜の比誘電率をそれぞれ採ってある。
【0051】図2に見られるデータを得た際の条件は、
蒸着室8内の圧力及び誘電体薄膜の堆積速度を一定とし
た場合である。
【0052】図から明らかなように、酸素の照射量が多
いほど、比誘電率が大きいことが看取される。これは、
堆積した誘電体薄膜の組成が化学量論的な組成に比較し
て酸素不足の状態になる為と考えられる。
【0053】前記プロセスで誘電体薄膜を形成する場合
に、酸素照射量及び蒸着室8内の圧力を一定とし、原料
蒸発源1の電子線照射量を変えることで堆積速度を変化
させて得られたSrTiO3 薄膜の比誘電率を調べた。
【0054】図3は堆積速度並びに堆積させた誘電体薄
膜に於ける比誘電率の関係を表す線図であり、横軸に堆
積速度を、また、縦軸に誘電体薄膜の比誘電率をそれぞ
れ採ってある。尚、このデータは、酸素照射量を一定と
して得られたものである。
【0055】図に於いて、白丸は酸素分圧が約1×10
-3〔Torr〕の場合、黒丸は酸素分圧が約1×10-4
〔Torr〕の場合である。
【0056】図から明らかなように、堆積速度が0.2
〔nm〕より小さくなるにつれて、特に0.05〔nm
/s〕以下になった場合、比誘電率が増加している。こ
の原因は、堆積速度が遅い場合、堆積した薄膜の酸素が
不足している為、即ち、単位時間当たりの酸素供給量が
実効的に減少する為であるか、或いは、堆積速度が遅い
と堆積した薄膜の結晶性が良い為であると考えられる。
【0057】堆積速度を変化させて堆積させた薄膜に於
いて、そのSr、Ti、Oの組成をX線光電子分光法
(X−ray photoelectron spec
toroscopy:XPS)、及び、電子線プローブ
・マイクロ・アナライザ(electoron pro
be microanalyzer:EPMA)で調べ
た結果では、堆積速度を変化させたことに依るSr、T
i、Oの組成変化は殆どなかった。
【0058】XPSに於けるTi及びSrピークの半値
幅は、堆積速度が大きい薄膜では大きく、また、堆積速
度が小さい薄膜では小さかった。一般に、半値幅が小さ
いほど、堆積した薄膜の結晶性が良いので、堆積速度が
小さいほど、堆積した薄膜の結晶性が向上して比誘電率
が向上したものと考えられる。
【0059】前記プロセスで誘電体薄膜を形成する場合
に、堆積時に於ける蒸着室8内の圧力及び堆積させた誘
電体薄膜に於ける比誘電率の関係を調べた。
【0060】図4は蒸着室内の圧力並びに堆積させた誘
電体薄膜に於ける比誘電率の関係を表す線図であり、横
軸に蒸着室内の圧力を、また、縦軸に誘電体薄膜の比誘
電率をそれぞれ採ってある。尚、このデータは、堆積速
度及び酸素照射量を一定として得られたものである。
【0061】図から明らかなように、圧力が1×10-5
〔Torr〕乃至1×10-2〔Torr〕に於いて、誘
電体薄膜の比誘電率は、圧力に対する依存性は少ない
が、圧力が高いほど大きくなっている。
【0062】前記したところから、堆積させたSrTi
3 の比誘電率は40であり、リーク電流は10-8〔A
/cm2 〕乃至10-7〔A/cm2 〕程度であって、充
分に実用に供し得るものである。
【0063】前記した実施例では、SrTiO3 薄膜の
堆積について説明したが、BaTiO3 、TiO2 、T
2 5 、PbTiO3 、PbZrO3 、或いは、これ
等の混晶からなる誘電体も同様に蒸着で堆積できること
を確認している。
【0064】前記実施例で用いた堆積装置に依れば、直
径75〔mm〕乃至100〔mm〕の多数の半導体基板
を一括して堆積処理することができ、その場合の誘電体
薄膜の膜厚及び比誘電率のバラツキは極少ない。
【0065】前記した結果は、通常のイオン・ビーム・
アシスト蒸着法を適用した層間絶縁膜の堆積技術、或い
は、光学用薄膜の堆積技術からは全く予測できなかった
ところである。
【0066】即ち、これ等の薄膜では、堆積速度を0.
2〔nm/s〕乃至0.5〔nm/s〕にして堆積させ
るのが普通であり、しかも、堆積速度に対する依存性が
殆ど問題にならないことが知られている。
【0067】また、イオン・ビーム・アシスト蒸着法に
依る層間絶縁膜或いは光学用薄膜の堆積では、基板に酸
素を直接照射する為、酸素分圧をある程度、例えば約1
-4〔Torr〕以下に低下させた方が結晶性が良い薄
膜を得られる。即ち、加速された酸素が雰囲気中の酸素
と衝突しない程度の酸素分圧にした方が好結果が得られ
る。
【0068】然しながら、本発明では、前記層間絶縁膜
の堆積技術、或いは、光学用薄膜の堆積技術で得られる
結果とは全く異なった結果が得られていることが理解さ
れよう。
【0069】本発明に於いては、前記実施例に限られる
ことなく、他に多くの改変が可能であり、次に、それを
例示する。
【0070】前記各実施例に於いては、SrTiO3
堆積させる際、加速した酸素分子などを用いる場合につ
いて説明したが、これに代えて、蒸着室8内で酸素プラ
ズマを発生させながら蒸着を行うこともできる。その場
合、蒸着室8内の酸素分圧及び蒸着速度は、前記各実施
例と同様の範囲に選択して良い。
【0071】酸素プラズマの発生は、プラズマ発生用電
源72から、電力を300〔W〕乃至500〔W〕、周
波数を13.56〔GHz〕として、高周波を蒸着室8
内のプラズマ発生用電極71に送入して酸素プラズマを
発生させる。
【0072】堆積されたSrTiO3 薄膜の電気的特性
は、前記実施例と同様、堆積速度が0.2〔nm/s〕
以下である場合、或いは、酸素分圧が10-4〔Tor
r〕乃至10-3〔Torr〕である場合に良好であっ
た。
【0073】また、蒸着室8と別室になっている酸素プ
ラズマ発生室81に於いて酸素プラズマを発生させ、導
入路82を介して活性酸素を蒸着室8に送入しながら、
前記各実施例と同様、SrTiO3 の蒸着を行っても良
い。
【0074】酸素プラズマの発生は、プラズマ発生用電
源72から、電力を300〔W〕乃至500〔W〕、周
波数を13.56〔GHz〕として、高周波を酸素プラ
ズマ発生室81内に在る平行平板型のプラズマ発生用電
極73に送入して酸素プラズマを発生させる。
【0075】この場合に於いても、堆積されたSrTi
3 薄膜の電気的特性は、前記実施例と同様、堆積速度
が0.2〔nm/s〕以下である場合、或いは、酸素分
圧が10-4〔Torr〕乃至10-3〔Torr〕である
場合に良好であった。
【0076】
【発明の効果】本発明誘電体薄膜堆積方法速さ
れた酸素分子、酸素ラジカル、酸素原子、或いは酸素プ
ラズマなどの活性酸素を含む雰囲気下で堆積速度0.2
〔nm/s〕以下として基板上に酸化物高誘電率薄膜或
いは酸化物強誘電体薄膜を蒸着して堆積させる誘電体薄
膜堆積方法であって、前記加速された酸素分子、酸素ラ
ジカル、酸素原子、或いは酸素プラズマなどの活性酸素
は、電子で電気的に中和して生成されたものであって、
且つ、生成された中和酸素流が基板に対して1×10 13
〔/cm 2 ・s〕以上の照射量で照射される。
【0077】前記構成を採ることに依って、通常の蒸着
法に比較して、比誘電率が高く、且つ、リーク電流が少
ない高誘電率薄膜、或いは、強誘電体薄膜を容易に形成
することが可能であり、集積回路用コンデンサとしての
使用に充分耐える程度に良質のものを得ることができ
る。
【0078】また、蒸着法を適用できることから、多数
の大口径半導体基板を一括して処理することができ、し
かも、短時間で均質な堆積を行うことができるので、ス
パッタリング法に比較すると量産性の面で著しく優れて
いる。
【0079】また、ゾル・ゲル法に比較すると、低温で
処理できることから、例えば半導体基板にトランジスタ
を作製した後に於いても、そのデバイス特性を劣化させ
ることなく、薄膜を堆積させることができる。
【0080】また、CVD法に依る場合のように、Sr
やBaの原料が入手困難で且つ高価であるなどの問題も
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するのに用いる誘電体薄膜堆積装
置の一例を表す要部説明図である。
【図2】酸素照射量並びに堆積させた誘電体薄膜に於け
る比誘電率の関係を表す線図である。
【図3】堆積速度並びに堆積させた誘電体薄膜に於ける
比誘電率の関係を表す線図である。
【図4】蒸着室内の圧力並びに堆積させた誘電体薄膜に
於ける比誘電率の関係を表す線図である。
【符号の説明】
1 原料蒸発源 2 イオン・ガン 3 電子照射装置 4 基板保持台 5 基板保持台回転装置 7 ヒータ 8 蒸着室 9 膜厚計 11 ルツボ 12 シャッタ 14 電子銃 41 半導体基板 61 ゲート・バルブ 71 プラズマ発生用電極 72 プラズマ発生用電源 81 プラズマ発生室 82 導入路 83 プラズマ発生用電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 27/04 (56)参考文献 特開 昭63−35493(JP,A) 特開 昭63−107892(JP,A) 特開 昭63−114961(JP,A) 特開 平3−271360(JP,A) 特開 平3−20457(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 H01G 4/33 H01L 21/822 H01L 27/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加速された酸素分子、酸素ラジカル、酸素
    原子、或いは酸素プラズマなどの活性酸素を含む雰囲気
    下で堆積速度0.2〔nm/s〕以下として基板上に
    酸化物高誘電率薄膜或いは酸化物強誘電体薄膜を蒸着し
    て堆積させる誘電体薄膜堆積方法であって、 前記加速された酸素分子、酸素ラジカル、酸素原子、或
    いは酸素プラズマなどの活性酸素は、電子で電気的に中
    和して生成されたものであって、且つ、生成された中和
    酸素流が基板に対して1×10 13 〔/cm 2 ・s〕以上
    の照射量で照射される ことを特徴とする誘電体薄膜堆積
    方法。
  2. 【請求項2】雰囲気に於ける酸素分圧を10-4〔Tor
    r〕以上にすることを特徴とする請求項1記載の誘電体
    薄膜堆積方法。
  3. 【請求項3】酸化物高誘電率薄膜又は酸化物強誘電体薄
    膜がSrTiO3 、BaTiO3 、TiO2 、Ta2
    5 、PbTiO3 、PbZrO3 の何れか、或いは、こ
    れ等の混晶であることを特徴とする請求項1或いは2記
    載の誘電体薄膜堆積方法。
  4. 【請求項4】酸素プラズマを蒸着室で発生させること
    特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1記載の誘電
    体薄膜堆積方法。
  5. 【請求項5】酸素プラズマ発生室で酸素プラズマを発生
    させて得られる活性酸素を蒸着室に導入することを特徴
    とする請求項1乃至請求項3の何れか1記載の誘電体薄
    膜堆積方法。
  6. 【請求項6】基板温度を200〔℃〕以上にして酸化物
    高誘電率薄膜或いは酸化物強誘電体薄膜を蒸着して堆積
    させることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか
    記載の誘電体薄膜堆積方法。
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