JP3426915B2 - 感光体の表面電位認識装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式を用
いた画像形成装置の表面電位を容易に認識できる技術に
関するものであり、特に、感光体長手方向の表面電位の
ムラを検知する技術に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】従来より表面電位を感光体へ流れ込む流
れ込み電流を用いて認識する方法が開示されており（特
願平８−１９９２８０等）、この種の方法として、感光
体の導電性基体に接続された電流測定器により、感光体
表面に帯電させて測定したい表面電位を露光後に再帯電
することにより、露光後に再び電化注入された電流が前
記電流測定器に流れ込み、その流れ込み電流を測定す
る。次にこの露光領域を感光体軸方向に変化させること
で感光体の表面電位情報が流れ込み電流の変化で理解で
きるものである。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、感光体
の特性として露光後の電位が感光体の軸方向で異なるこ
とがあり、流れ込み電流で感光体の表面電位情報を認識
する方法をとった場合、例え感光体表面が均一に帯電し
ていたとしても、露光後の電位が感光体の軸方向で異な
っているため、検出される流れ込み電流は感光体の軸方
向で異なることがあり、誤認識する可能性があった。 【０００４】本発明は上述の課題に鑑みて成されたもの
であり、感光体の軸方向の誤認識を防止して簡単な構成
で精度良く感光体の表面電位を認識できる装置を提供す
ることにある。 【０００５】 【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、導電性基体を介して感光層が形成された感光体の
表面を帯電する帯電手段と、その帯電後に前記感光体表
面を露光する露光手段と、その露光後に前記感光体表面
を再帯電する再帯電手段と、前記導電性基体より接続さ
れ、前記再帯電による前記感光体への流れ込み電流を測
定する測定手段とを有し、その測定された電流値を前記
感光体の表面電位情報として認識するよう構成された感
光体の表面電位認識装置において、前記露光手段は前記
露光領域を前記感光体の回転軸方向幅に対して２つ以上
の領域に分割して１領域を露光する分割露光手段とし、
前記再帯電手段は該分割露光手段で露光した後、現像、
転写、除電を行わずに前記１領域を再び帯電する手段と
し、予め定められた前記分割露光領域で測定されうる流
れ込み電流が記憶された記憶手段と、前記測定された流
れ込み電流値と前記記憶された感光体への流れ込み電流
値とを比較する比較手段とを設け、全領域について前記
比較手段による比較を順次行うことにある。 【０００６】 【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
図１（ａ）は本発明の表面電位認識を行う装置を搭載し
た画像形成装置の概略説明図である。１は感光体ドラム
であり、アルミ等の金属素菅表面（導電性期体）に光導
電体層を積層してなる。また、金属素菅には電流計１a
が接続されており、後述の感光体ドラム１〜GND 間に流
れる電流を計測する。２は帯電器であり、コロナワイヤ
ー２ａ、グリッド２ｃ、シールドケース２ｄからなり、
コロナワイヤー２ａには高圧電源２ｂが接続されてお
り、これにより、感光体ドラム１表面に向けて放電可能
に構成されている。また、グリッド２ｃ及びシールドケ
ース２ｄはツェナダイオード２ｅを介してＧＮＤに接続
されている。３は半導体レーザー等の露光器であり、不
図示であるが本発明の表面電位の認識に際して図２に示
す感光体ドラム１の軸方向にＸ，Ｙ，Ｚ領域に３分割し
て分割した領域のみ露光する分割露光手段を有してお
り、以下に示す本発明の測定方法を用い、順次軸方向に
その露光領域を移動させながら軸方向の帯電ムラを早急
に検知するように構成されている。 【０００７】次に本発明の表面電位認識方法について説
明する。本発明の表面電位認識方法は、まず感光体ドラ
ム１表面を帯電器２により帯電させる。この場合、感光
体ドラム１に帯電を行う際、帯電直前の感光体ドラム１
の表面電位と、帯電直後のその表面電位との差の値に比
例した電流が感光体ドラム１〜GND 間を流れ込み電流が
流れるため、その流れ込み電流が電流計１ａで検知され
る。しかし、このような単に流れ込み電流を測定するだ
けでは、感光体ドラム１の部分的な帯電ムラが発生して
いる箇所を理解することができない。そこで、図２に示
すように前記分割露光手段で表面電位を測りたい部分Ｘ
を露光し、現像、転写、除電（クリーニングは特に関係
しない）を行わずに再び二周目でその露光領域を帯電さ
せることで、露光領域における帯電時の流れ込み電流が
電流計１a で検知される。 【０００８】つまり、感光体ドラム１の一部分を露光し
た場合、帯電前後の表面電位の差を考えると、露光した
部分は露光をしていない部分と比較して帯電前後での表
面電位の差が大きいため、二周目の帯電時には、ほぼ感
光体ドラム１に露光した部分の面積とその部分の表面電
位の値に比例した電流が感光体ドラム１〜GND の間に流
れるようになり、露光領域における感光体ドラム１の表
面電位を認識できる。しかしながら、軸方向のムラ情報
を精度良く検知するためには露光幅を非常に小さくした
り、本願出願人が先に出願した特願平８−１９９２７９
に示す再帯電時のグリッド電位を下げるなどして感光体
の未露光部分が一周する間の暗減衰によって発生するよ
るノイズを減少させる必要がある。 【０００９】しかし、更に精度良く軸方向の帯電ムラを
測定するためには、露光後電位の感光体軸方向のムラを
補正することが必要である。そこで、露光幅を一定にし
て軸方向の帯電電位ムラを測定する場合には、それぞれ
の測定点での露光後電位を工場出荷時に基準電圧として
記憶しておく。 【００１０】この基準電圧と比較することに関して図１
（ｂ）のブロック図を用いて説明する。１ｂは制御部で
あり、制御部１ｂは、電流計１ａを用いて感光体ドラム
１に流れ込む電流Ipc を測定し、電流情報を演算し比較
部１ｄに出力するように構成されている。比較部１ｄは
基準電圧値が記憶された記憶部１ｃの基準電圧値と制御
部１ｂから受け取った電圧値の情報とを比較して、電圧
値Ｖ１が基準電圧から外れた場合には警告部１ｅに出力
してユーザに警告するように構成されている。このよう
にして基準電圧値と比較できるように構成すれば、感光
体ドラム１の寿命等が早急にキャッチできるものであ
る。 【００１１】 【発明の効果】本発明の構成によれば、簡単な構成で、
感光体の軸方向で露光後電位が異なった場合でも、感光
体の表面電位情報を誤認識することなく、感光体の軸ム
ラ検知ができる感光体の表面電位認識装置が提供でき
る。

【図面の簡単な説明】 【図１】（ａ）は本発明の表面電位認識を行う装置を搭
載した画像形成装置の概略説明図、（ｂ）は本発明の制
御ブロック図 【図２】本発明の分割露光手段を説明する図 【符号の説明】 １：感光体ドラム １ａ：電流計 １ｂ：制御装置 １ｃ：記憶部 １ｄ：比較部 １ｅ：警告部 ２：帯電器 ３：露光器 ４：現像器 ５：転写器 ６：クリーニング ７：光除電器

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】導電性基体を介して感光層が形成された感
   光体の表面を帯電する帯電手段と、その帯電後に前記感
   光体表面を露光する露光手段と、その露光後に前記感光
   体表面を再帯電する再帯電手段と、前記導電性基体より
   接続され、前記再帯電による前記感光体への流れ込み電
   流を測定する測定手段とを有し、その測定された電流値
   を前記感光体の表面電位情報として認識するよう構成さ
   れた感光体の表面電位認識装置において、前記露光手段は 前記露光領域を前記感光体の回転軸方向
   幅に対して２つ以上の領域に分割して１領域を露光する
   分割露光手段とし、前記再帯電手段は該分割露光手段で
   露光した後、現像、転写、除電を行わずに前記１領域を
   再び帯電する手段とし、予め定められた前記分割露光領
   域で測定されうる流れ込み電流が記憶された記憶手段
   と、前記測定された流れ込み電流値と前記記憶された感
   光体への流れ込み電流値とを比較する比較手段とを設
   け、全領域について前記比較手段による比較を順次行う
   ことを特徴とする感光体の表面電位認識装置。