JP3255850B2 - 感光体の表面電位認識方法 - Google Patents

感光体の表面電位認識方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式を用
いた画像形成装置の表面電位を容易に認識できる技術に
関するものであり、特に、感光体ドラム長手方向の表面
電位のムラを検知する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来は、例えば特開平4−251859
に示すように表面電位センサを画像形成装置に取り付
け、その表面電位測定に用いられるプローブを感光体ド
ラム長手方向にスキャンすることで、感光体ドラムの表
面電位と、その長手方向帯電ムラを検知していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単価が
高い表面電位センサを取り付けることはコストアップに
つながる。また、このセンサのプローブを軸方向にスキ
ャンするためには機構も複雑になり、そのためコストア
ップにつながる。また、スキャンをする機構を付けるた
めにはスペースも必要になる。本発明は、前述の問題点
を解決するためになされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記の問題点を解決する
ために、本発明は、導電性基体を介して感光層が形成さ
れた感光体を使用して画像形成を行う電子写真方式の画
像形成装置において、前記感光体表面を帯電し、その帯
電後に前記感光体表面の一部分を露光し、その露光後に
前記感光体表面を再帯電し、その再帯電後に前記導電性
基体に接続された電流計により前記再帯電で前記感光体
に流れる流れ込み電流を測定し、その測定された前記電
流値を前記感光体の表面電位情報として認識することを
特徴とする感光体の表面電位認識方法を提供する。
【0005】本発明によれば、実際に画像形成装置を構
成する部品(帯電器,現像器,転写器,クリーニング)
の他に新たに取り付けるのは電流計(回路)だけである
ため、別途表面電位センサを取り付けることがなく表面
電位情報が得られるため、コスト的に大変有利である。
【0006】さらに、前記感光体の表面電位の認識後
に、前記感光体表面に露光する露光領域を感光体長手方
向に移動させ、前記感光体の長手方向における表面電位
を認識することでも、感光体軸方向の帯電ムラ情報が容
易に得られ、特に複雑な機構を付ける必要がない。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の表面電位認識を行う装置を搭載した画像
形成装置の概略説明図である。1は感光体ドラムであ
り、アルミ等の金属素菅表面にa−Si系感光層を積層
してなる。
【0008】また、金属素菅には電流計1aが接続され
ており、後述の感光体ドラム1からGND(グランド)
間に流れる電流を計測する。2はスコロトロン帯電器で
あり、コロナワイヤー2a,グリッド2c,シールドケ
ース2dからなり、コロナワイヤー2aには高圧電源2
bが接続されており、これにより、感光体ドラム1表面
に向けて放電可能に構成されている。また、グリッド2
c及びシールドケース2dからツェナダイオード2eを
介してGNDに接続されている。3は半導体レーザー等
の露光器であり、不図示であるが本発明の表面電位の認
識に際して感光体ドラム1の一部を露光するよう構成さ
れている。また露光器3は、感光体ドラム1の軸方向に
その露光領域を移動させながら本発明の測定方法を行う
よう構成されている。4は現像器、5は転写器、6はク
リーニング、7は除電器である。
【0009】通常の電子写真プロセスでは、まず、感光
体ドラム1は帯電器2で一様な表面電位に帯電され、次
に感光体ドラム1表面に画像情報を露光すると、その部
分の表面電位は急激に落とされる。A点は帯電器2を出
た直後を示し、B点は露光点である。その後、現像器4
で現像、転写器5で転写、クリーニング6で未転写トナ
ーをクリーニングするプロセスを経たのち、C点の除電
器7で感光体ドラム1に強い光を当て感光体ドラム1の
表面電位を落とす。除電された感光体ドラム1は、再び
帯電→露光→現像→転写→クリーニング→除電というプ
ロセスを繰り返す。
【0010】次に表面電位認識方法について説明する。
図2は本発明の表面電位認識方法を説明する図である。
本発明の表面電位認識方法は、まず感光体ドラム1表面
を帯電器2により帯電する。この場合、感光体ドラム1
に帯電を行う際、帯電直前の感光体ドラム1の表面電位
と、帯電直後のその表面電位との差の値に比例した電流
が感光体ドラム1からGND間を流れる(以下、この電
流を「流れ込み電流」という)。
【0011】しかし、このような単に流れ込み電流を測
定するだけでは、感光体ドラム1の部分的な領域に帯電
ムラが発生したのを理解することができない。従って、
図2(a)に示すように、表面電位を測りたい部分を露
光し(以下、ここを「露光領域」という)、次に図2
(b)に示すように現像、転写、クリーニング、除電を
行わずに再び二周目でその露光領域を含む感光体ドラム
1表面を再帯電させる。この再帯電により非露光領域に
おいては再帯電を行っても電荷注入されず、結果的に露
光領域に電荷が注入され、これが流れ込み電流として電
流計1aで検知される。つまり、露光領域は非露光領域
と比較して、再帯電前後で表面電位の差が大きくなり、
再帯電時には、略感光体ドラム1に露光した部分の面積
とその部分の表面電位の値に比例した電流が、感光体ド
ラム1とGNDの間に流れる。この流れ込み電流から露
光領域における感光体ドラム1の表面電位の情報が認識
できる。
【0012】さらに、露光部分を露光幅を一定にして感
光体ドラム1の長手方向の露光位置を変え、これを数回
繰り返しの認識を行うことで、感光体ドラム1の長手方
向の表面電位のムラが容易に理解できる。
【0013】本発明の表面電位認識方法を用いた装置を
簡単にプリンタ装置に搭載することができる。しかし、
長期使用するプリンタ装置に使用する場合、膜減りが激
しい感光体ドウムではうまく表面電位を認識することが
できず、感光体ドラム1表面の膜減りが殆どないものを
使用することが条件となる。つまり、一般的に流れ込み
電流IP ,表面電位V,膜厚dの関係は IP ∝(V/d) となることが知られており、膜厚dが一定(感光体ドラ
ム1の長手方向も一定)の場合は、流れ込み電流IP
表面電位Vが比例関係となることから、この流れ込み電
流IP から感光体ドラム1の長手方向における表面電位
Vが簡単に認識できる。
【0014】しかし、膜厚dが変化する場合は、流れ込
み電流IP は膜厚dに反比例することから、流れ込み電
流IP だけから表面電位Vの認識が難しい。つまり、初
期又は初期に近い感光体ドラム1を認識しても、感光体
ドラム1を単に2周するだけだから膜減りは無視でき問
題は少ないが、プリント枚数を重ねることで、膜減り量
は感光体ドラム1表面の軸方向で異なってくるため、こ
れにより感光体ドラム1の流れ込み電流IP も大きく異
なってくる。また、これに加えて帯電器2が劣化するこ
とによる過帯電が生じ、流れ込み電流IP は、帯電器2
の過帯電により生じるものなのか、膜減りによる電流増
加なのか、露光領域を電荷注入することで生じる流れ込
み電流なのかが判らなくなり、本発明の表面電位を認識
することができなくなる。
【0015】従って、本発明の表面電位認識方法をプリ
ンタ装置に搭載する場合には感光体ドラム1として表面
硬度が高いa−Si系感光層を用いたものを使用するの
が良い。ただし、膜減りが激しい感光体ドラムでも、上
述のように初期又は初期に近い感光体ドラムを使用でき
ることはいうまでもない。
【0016】
【実施例】径30φ、長手方向の長さが30cmのa−
Si系感光層が積層された感光体ドラムを用い、スコロ
トロン帯電器に表面電位600Vとなるように帯電電位
を調整した。このスコロトロン帯電器は図3に示す様に
感光体ドラムの軸方向に一部劣化した部分を持ち、感光
体ドラムの長手方向に帯電ムラが生じたものを用意し
た。この状態で、本発明の方法を用いて感光体ドラムの
流れ込み電流を測定したデータを図4に示す。この場
合、露光領域を2cm毎に感光体ドラムの長手方向に露
光位置を変化させてその場合の流れ込み電流を見た。図
3,図4より、帯電ムラを生じた部分に比例した流れ込
み電流が流れていることが理解できる。これによりその
流れ込み電流が低下した部分が帯電ムラを生じているこ
とが認識できた。
【0017】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の構成によれば、特に表面電位センサを設置したり、電
位計のプローブを感光体ドラムの長手方向にスキャンす
ることなく、簡単な構成で表面電位の長手方向のムラを
容易に検知することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施表面電位認識方法を行う装置を搭
載した画像形成装置の概略説明図である。
【図2】本発明の表面電位認識方法を説明する図であ
り、(a)は一周目に感光体ドラムを帯電後に一部を露
光ている図であり、(b)は二周目にその露光部を帯電
した後の図を示す。
【図3】感光体ドラムの長手方向の表面電位を示し、ス
コロトロン帯電器の部分的劣化により表面電位が変化し
た状態を示す図。
【図4】スコロトロン帯電器の部分的劣化により表面電
位が変化した場合の流れ込み電流の関係を示す図。
【符号の説明】
1:感光体ドラム 1a:電流計 2:帯電器 3:露光器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−130767(JP,A) 特開 平5−307287(JP,A) 特開 昭62−262065(JP,A) 特開 昭59−201075(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 21/00 370 - 540 G03G 21/14 G03G 15/00 303 G03G 15/02 - 15/02 103

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基体を介して感光層が形成された感
    光体を使用して画像形成を行う電子写真方式の画像形成
    装置において、 前記感光体表面を帯電し、その帯電後に前記感光体表面
    の一部分を露光し、その露光後に前記感光体表面を再帯
    電し、その再帯電後に前記導電性基体に接続された電流
    計により前記再帯電で前記感光体に流れる流れ込み電流
    を測定し、その測定された前記電流値を前記感光体の表
    面電位情報として認識することを特徴とする感光体の表
    面電位認識方法。
  2. 【請求項2】前記露光位置を前記感光体長手方向に移動
    させて前記表面電位を認識することを特徴とする請求項
    1記載の感光体の表面電位認識方法。
  3. 【請求項3】前記感光体の感光層にa−Si系感光層を
    用いたことを特徴とする請求項1記載の感光体の表面電
    位認識方法
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