JP3426654B2 - 固体電解質 - Google Patents
固体電解質Info
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Description
しくはリチウム電池などの電解質として好適に使用し得
るイオン導電性の高い固体電解質に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】最近、
リチウム電池などの電解質として、セパレータに兼用
することができるため電池のエネルギー密度を高めるこ
とができる、オールソリッドステート化により液漏れ
のない、ポジションフリーの信頼性の高い電池が得られ
る、腐食性が小さいなどの利点があることから、液体
電解質に比べてイオン導電性が劣るものの、固体電解質
が脚光を浴びつつある。 【0003】従来実用されている主な固体電解質は、ポ
リエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシ
ド(PPO)等のポリエーテル系高分子重合体とLiC
lO4 等の無機リチウム塩とを複合化させたものであ
る。 【0004】しかしながら、これらの固体電解質の導電
率は総じて低いため大きな放電電流に耐え得る高率放電
特性に優れた固体電解質電池を得ることは困難であり、
このため、より高い導電率を有する固体電解質の開発が
嘱望されていた。 【0005】本発明は、以上の事情に鑑みなされたもの
であって、その目的とするところは、高率放電特性など
に優れた電池を得る上で好適な上述した従来の固体電解
質に比し導電率の高い固体電解質を提供するにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る固体電解質は、固体又は半固体の下記一
般式化2で表されるポリプロピレンカーボネートと無機
塩と当該無機塩と相溶性を有する有機溶媒とを複合化さ
せてなるものである。 【0007】 【化2】 【0008】但し、式中、R 1 及びR 2 は各独立して水
素原子又はアルキル基である。平均重合度nは、固体又
は半固体をなす程度であれば特に制限されないが、10
0以上が好ましく、1000以上がより好ましい。 【0009】上式化2で表されるポリプロピレンカーボ
ネートは、プロピレンカーボネートを重合モノマーとし
てラジカル重合又は付加重合させることにより得られ
る。 【0010】 【0011】 【0012】上記無機塩としては、例えばLiCl
O4 、LiBF4 、LiAsF6 、LiPF6 、LiC
F3 SO3 、LiAlCl4 、NaBr、NaSCN、
NaClO4 、KSCN、KClO4 が挙げられるが、
これらに限定されない。 【0013】上記化2で表されるポリプロピレンカーボ
ネートと上記無機塩との複合化にあたり、柔軟性を付与
して固体電解質の機械的強度を高めるべく、無機塩と相
溶性を有する微量の有機溶媒が添加される。 【0014】この場合の好適な有機溶媒としては、エチ
レンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレン
カーボネート、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、テト
ラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフ
ラン(2Me−THF)、1,2−ジメトキシエタン
(DME)、1,3−ジオキソラン(DOXL)、スル
ホラン(SL)、ジメチルホルムアミドが例示される。
これらの有機溶媒は、一種単独を添加してもよく、必要
に応じて二種以上を併用添加してもよい。 【0015】 【作用】本発明に係る固体電解質は、高誘電率を有する
プロピレンカーボネートをモノマー単位とする上記化2
で表されるポリプロピレンカーボネートと無機塩と当該
無機塩と相溶性を有する有機溶媒との複合体からなるの
で、イオン解離度が大きく、高いイオン導電性を示すと
ともに、機械的強度が高い。 【0016】 【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明は下記実施例により何ら限定され
るものではなく、その要旨を変更しない範囲において適
宜変更して実施することが可能なものである。 【0017】(実施例)内容量約25mlの封管用ガラ
スアンプル中に、プロピレンカーボネート5ml及びア
ゾビスイソブチロニトリル(ラジカル重合開始剤)2m
gを入れ、アンプル内を窒素置換し、ドライアイス−メ
タノール浴で内容物を固化させ、高真空下での脱気、窒
素置換、融解の操作を3回繰り返し行った後、高真空下
でガラスアンプルの口を溶封した。次いで、封管したガ
ラスアンプルを振とう式恒温槽内に入れて、60°Cで
20時間重合させた。次いで、ガラスアンプルを冷却
し、開管して、生成したポリマー(ポリプロピレンカー
ボネート;数平均分子量350,000)を取り出し、
これをジメチルホルムアミドに溶かし、この溶液をメタ
ノール約200ml中に注いでポリマーを沈澱させ、濾
過し、得られた濾物を減圧乾燥して精製ポリマーを得
た。次いで、この精製ポリマーをジメチルホルムアミド
に溶かし、この溶液に電解質としてのLiBF4 を〔L
i〕/〔炭酸基〕=1/7となるように添加した後、テ
フロン製のシャーレの上にキャストし、80°Cで減圧
乾燥して、直径12.0mm、厚さ100μmの固体電
解質A(本発明に係る固体電解質)を得た。 【0018】(比較例)真空中にて60°Cで乾燥した
ポリエチレンオキシド(数平均分子量Mn:400,0
00)をアセトニトリルに溶かし、この溶液に電解質と
してのLiClO4 を〔Li〕/〔エチレンオキシド
基〕=1/20となるように添加した後、テフロン製の
シャーレの上にキャストし、80°Cで減圧乾燥して、
直径12.0mm、厚さ100μmの固体電解質B(従
来の固体電解電解質)を得た。 【0019】〔導電率〕Au平板電極(直径9.0m
m、面積0.636cm2 )を電極として使用して、交
流インピーダンス法(コール・コール・プロットの合計
値による。)により、種々の温度における固体電解質A
及びBの導電率σ(S・cm-1)を求めた。結果を図1
に示す。 【0020】図1は、固体電解質A及びBの導電率を、
縦軸に導電率σ(S・cm-1)の常用対数を、また横軸
に1000/T(K-1)(T:絶対温度)をとって示し
たグラフであり、同図より、全ての温度領域において、
本発明に係る固体電解質Aは、従来の固体電解質Bに比
し、格段高い導電率を有していることが分かる。 【0021】叙上の実施例では、無機塩としてLiBF
4 を使用する場合を例に挙げて説明したが、本発明で規
制する他の無機塩を使用した場合にも、固体電解質Aと
同様の高い導電率を有する固体電解質が得られる。 【0022】 【発明の効果】本発明に係る固体電解質は、導電率が高
いため高率放電特性などに優れた電池を得ることを可能
にするなど、本発明は優れた特有の効果を奏する。
質Bの種々の温度における導電率を示したグラフであ
る。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】固体又は半固体の下記一般式化1で表され
るポリプロピレンカーボネートと無機塩と当該無機塩と
相溶性を有する有機溶媒とを複合化させてなる固体電解
質。 【化1】 (但し、式中、R1 及びR2 は各独立して水素原子又は
アルキル基である。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15124393A JP3426654B2 (ja) | 1993-05-28 | 1993-05-28 | 固体電解質 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15124393A JP3426654B2 (ja) | 1993-05-28 | 1993-05-28 | 固体電解質 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06338331A JPH06338331A (ja) | 1994-12-06 |
JP3426654B2 true JP3426654B2 (ja) | 2003-07-14 |
Family
ID=15514395
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15124393A Expired - Fee Related JP3426654B2 (ja) | 1993-05-28 | 1993-05-28 | 固体電解質 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3426654B2 (ja) |
-
1993
- 1993-05-28 JP JP15124393A patent/JP3426654B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH06338331A (ja) | 1994-12-06 |
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