JP3426496B2 - 耐遅れ破壊特性に優れた高強度長寿命浸炭用鋼及びその製造方法 - Google Patents

耐遅れ破壊特性に優れた高強度長寿命浸炭用鋼及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浸炭あるいは浸炭
窒化により表面硬化して使用される歯車やシャフト、軸
受等の用途に、元々の鋼材が持っている水素や熱処理雰
囲気、使用中の環境等から侵入する水素に起因して発生
する遅れ破壊に優れた抵抗性を有する高強度かつ長寿命
の浸炭鋼及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】遅れ破壊はボルトや橋梁等の構造物のよ
うに、引張応力下の状態で使用環境等の外部から侵入す
る水素や鋼材に内在する水素から発生することは広く知
られている。これらの分野では、素材の硬さや合金元素
の調整等の材料面からの対策がとられることも多い。従
来、浸炭あるいは浸炭窒化により表面硬化して使用され
る歯車やシャフト等では、遅れ破壊はあまり問題にされ
なかったが、一部、ボルト部分を有する浸炭部品では遅
れ破壊が問題になることがあり、例えば特開平4−29
7550ではMo−Vの複合添加により遅れ破壊強度の
向上が図られることを紹介している。しかし、この鋼は
多量のMoやVの添加を必要とし経済的とは言い難く、
また歯車等で重要な転動寿命等の特性についても触れら
れていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】発明者らは肌焼鋼の遅
れ破壊挙動を鋭意研究する中で、水素が侵入することに
より強度だけでなく、寿命特性についても低下すること
を見出しており、本発明が目指すものは、このような浸
炭あるいは浸炭窒化して使用される歯車やシャフト、軸
受等に適した長寿命でかつ耐遅れ破壊特性に優れた高強
度浸炭用鋼を、化学成分の最適化とそれを可能にする製
造方法を開発することにより、安価に提供しようとする
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】発明者らは、先の課題に
つき研究する中で、遅れ破壊の原因となる鋼中の水素を
微細なTi系析出物によりトラップさせることにより、
無効化させ遅れ破壊の抵抗性を上げ、長寿命化が図られ
ることを見出した。また、その場合に、析出物の粒子径
は小さいほど水素をトラップする力が強く、出来るだけ
均一微細に分散を図ることが特性向上の上で有効である
ことを見出した。しかし、添加量を増量するだけでは析
出物が粗大化するだけで、トラップサイトとして有効な
微細析出物の量は増加せず、全体として水素のトラップ
力が弱まりことを見出した。また、粗大化した析出物は
応力集中源となり疲労強度や寿命特性を逆に低下させる
ようになり、添加量の最適化を図ることが重要であるこ
とと、析出物の微細化を確保するために鋼材の製造条件
の最適化が必要であることを見出した。
【0005】すなわち、上記の目的を達成するための手
段は、請求項1の発明では、質量割合で、C:0.10
〜0.40%、Si:0.05〜0.50%、Mn:
0.2〜2.0%、Ti:0.05〜0.20%、A
l:0.010〜0.50%、N:0.0120%以
下、O:12ppm以下を含有し、残部Feおよび不可
避不純物とからなり、大きさが平均で70nm以下のT
i炭化物、Ti炭窒化物を鋼中に微細分散させることに
より優れた遅れ破壊抵抗性を有する高強度長寿命浸炭用
鋼である。
【0006】請求項2の発明では、質量割合で、C:
C:0.10〜0.40%、Si:0.05〜0.50
%、Mn:0.2〜2.0%、Ti:0.05〜0.2
0%、Al:0.010〜0.50%、N:0.012
0%以下、O:12ppm以下を含有し、さらに、N
i:0.1〜2.0%、Cr:0.20〜2.0%、M
o:0.05〜1.0%の中から選択した1種ないし2
種以上を含有し、残部Feおよび不可避不純物とからな
り、大きさが平均で70nm以下のTi炭化物、Ti炭
窒化物を鋼中に微細分散させることにより、優れた遅れ
破壊抵抗性を有する高強度長寿命浸炭用鋼である。
【0007】請求項3の発明では、請求項1又は請求項
2の手段の高強度長寿命浸炭用鋼において、さらに合金
成分として、質量割合でB:0.0005〜0.005
0%含有し、残部Fe及び不可避不純物とからなり、大
きさが平均で70nm以下のTi炭化物、Ti炭窒化物
を鋼中に微細分散させたことを特徴とする優れた遅れ破
壊抵抗性を有する高強度長寿命浸炭用鋼である。
【0008】請求項4の発明では、質量割合で、C:
0.10〜0.40%、Si:0.05〜0.50%、
Mn:0.2〜2.0%、Ti:0.05〜0.20
%、Al:0.010〜0.50%、N:0.0120
%以下、O:12ppm以下を含有し、残部Feおよび
不可避不純物とからなる鋼材を1200〜1350℃の
温度範囲に加熱・圧延し、さらに同じ温度ないし800
〜1050℃の温度で所定の鋼材ないし部品に圧延ない
し鍛造することにより、後の熱処理工程で大きさが平均
70nm以下のTi炭化物、Ti炭窒化物を鋼中に微
細分散させたことを特徴とする優れた遅れ破壊抵抗性を
有する高強度長寿命浸炭用鋼の製造方法である。
【0009】請求項5の発明では、質量割合で、C:
0.10〜0.40%、Si:0.05〜0.50%、
Mn:0.2〜2.0%、Ti:0.05〜0.20
%、Al:0.010〜0.50%、N:0.0120
%以下、O:12ppm以下を含有し、さらに、Ni:
0.1〜2.0%、Cr:0.20〜2.0%、Mo:
0.05〜1.0%の中から選択した1種ないし2種以
上を含有し、残部Feおよび不可避不純物とからなる鋼
材を1200〜1350℃の温度範囲に加熱・圧延し、
さらに、同じ温度ないし800〜1050℃の温度で所
定の鋼材ないし部品に圧延ないし鍛造することにより、
後の熱処理工程で大きさが平均で70nm以下のTi炭
化物、Ti炭窒化物を鋼中に微細分散させたことを特徴
とする優れた遅れ破壊抵抗性を有する高強度長寿命浸炭
用鋼の製造方法である。
【0010】請求項6の発明では、請求項4又は請求項
5の手段の高強度長寿命浸炭用鋼の製造方法における鋼
材の合金成分に、さらに質量割合でB:0.005〜
0.050%を含有し、残部Fe及び不可避不純物とか
らなる鋼材を1200〜1350℃の温度範囲に加熱・
圧延し、さらに同じ温度ないし800〜1050℃の温
度で所定の鋼材ないし部品に圧延ないし鍛造することに
より、後の熱処理工程で大きさが平均で70nm以下の
Ti炭化物、Ti炭窒化物を鋼中に微細分散させたこと
を特徴とする優れた遅れ破壊抵抗性を有する高強度長寿
命浸炭用鋼の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】この発明を実施するに当っての限
定理由について以下に述べる。まず、化学成分(以下、
質量割合」とする。)の限定理由について述べる。
【0012】C:0.10〜0.40%について、Cは
焼入性を確保し部品の強度を確保する上で必須の元素で
あるが、0.10%未満では焼入性が不足して十分な部
品強度を確保することが難しくなつため、下限を0.1
0%とする。また、0.40%を超えると芯部強度が上
がりすぎて靱性が低下し、不安定破壊を起こしやすくな
るため、上限を0.40%とする。
【0013】Si:0.05〜0.50%について、S
iは脱酸剤や焼入性向上のために添加されるが、0.0
5%未満では脱酸効果が十分でなく、0.50%を超え
ると加工性が低下するため、下限を0.05%、上限を
0.50%とする。
【0014】Mn:0.2〜2.0%について、Mnも
Siと同様、脱酸材や焼入性向上のために添加される
が、0.20%未満では焼入性が不足し、2.0%を超
えると、著しく加工性が低下するため、下限を0.20
%、上限を2.0%とする。
【0015】Ti:0.05〜0.20%について、T
iはTi炭化物やTi炭窒化物として鋼中に微細分散す
ることによって、疲労特性、寿命特性、結晶粒度の微細
化を図るとともに水素のトラップサイトとして作用する
ために添加される。0.05%未満ではその効果が十分
でなく、また、0.20%を超えるとTi炭化物やTi
炭窒化物が粗大化して十分な効果を示さなくなるため、
下限を0.05%、上限を0.20%とする。
【0016】Al:0.005〜0.50%について、
Alは脱酸剤として添加するが、0.005%未満では
その効果が無く、また、0.050%を超えるとアルミ
ナ系酸化物が増加して疲労強度や加工性を低下させるた
め、下限を0.005%、上限を0.050%とする。
【0017】N:0.0120%以下について、Nは通
常の肌焼鋼の場合、積極的に添加してAlNによる結晶
粒度微細化作用を得るが、本発明鋼においては逆にN量
が多くなるにつれて、粗大なTi窒化物、Ti炭窒化物
として析出するようになるため出来るだけ少ないほうが
望ましい。製造条件との関係から上限を0.0120%
以下とする。
【0018】O:12ppm以下について、Oは酸化物
系介在物として鋼中に存在し水素のトラップサイトとし
ての役割も考えられるが、むしろ粗大な析出物として、
疲労強度低下の役割が大きく、出来るだけ少ないほうが
望ましい。このため上限を12ppmとする。
【0019】上記の成分の他に本発明鋼では、Ni、C
r、Moを単独あるいは複合して含有させることが出来
る。これらの作用は以下の通りである。
【0020】Ni:0.1〜2.0%について、Niは
焼入性を向上させ、疲労強度、靱性等を向上させる。
0.1%未満ではその効果が十分ではなく、2.0%を
超えると素材の軟化が困難になり、加工性が著しく低下
するため上限を2.0%とする。
【0021】Cr:0.20〜2.0%について、Cr
は焼入性や炭化物の球状化性を向上させ、疲労強度、靱
性等を向上させる。0.2%未満ではその効果が十分で
はなく、2.0%を超えると素材の軟化が困難になり加
工性が著しく低下するため上限を2.0%とする。
【0022】Mo:0.05〜1.0%について、Mo
は焼入性を向上させ、疲労強度、靱性等を向上させる。
0.05%未満ではその効果が十分ではなく、1.0%
を超えると素材の軟化が困難になり加工性が著しく低下
し、また上記の効果も飽和しコスト的にも不利になるた
め上限を1.0%とする。
【0023】さらに上記の成分の他に本発明鋼では、B
を含有させることが出来る。この作用は以下の通りであ
る。
【0024】B:0.0005〜0.0050%につい
て、Bは高周波焼入れ性を改善する元素として添加す
る。0.0005%未満ではその効果が十分ではなく、
0.0050%を超えると熱間加工性を低下させるよう
になるため上限を0.0050%とする。
【0025】上記の化学成分の鋼材を下記の条件で製造
した場合に、最も効果的な微細Ti系析出物が得られ、優
れた遅れ破壊特性を示すようになる。
【0026】すなわち、上記の成分範囲に溶製した鋼を
鋼片ないし鋼材に圧延する場合に、1200〜1350
℃の温度範囲に加熱・圧延し、さらに同じ温度範囲ない
し更に低い800〜1050℃の温度範囲で所定の寸法
の鋼材に圧延ないし部品に鍛造することにより、最終浸
炭焼入焼戻し後に、大きさが平均で70nm以下のTi
炭化物、Ti炭窒化物を鋼中に微細分散させることが出
来、優れた遅れ破壊抵抗性を有する高強度長寿命軸受用
鋼を得ることが出来る。
【0027】
【表1】
【0028】
【実施例】表1に示す化学成分の供試材を1000kg
真空溶解炉で溶製し、1200〜1350℃の温度範囲
で、また、一部は同じ温度範囲及び800〜1050℃
の温度範囲でさらに鍛伸し65mmφおよび30mmφ
に仕上げた。さらに焼ならし後試験片に加工し、930
℃に5.5時間保持して油焼入れし、次いで、180℃
に2時間保持して空冷する浸炭焼入焼戻しを施して最終
使用状態にした。
【0029】得られた鋼材につき、通常の清浄潤滑下と
水を含んだ潤滑下(水素侵入環境下)におけるスラスト
寿命特性ならびに遅れ破壊特性の調査を行なった。
【0030】
【表2】
【0031】スラスト寿命試験は60mm×40mm×
8mmの試験片を用いて通常のスピンドル#60の清浄
潤滑油下と水素侵入雰囲気として0.5%純水を添加し
た潤滑油下で、HERZ面圧:5292MPa、応力負
荷速度:1800cpmで試験を行ない10%確率寿命
(B10寿命)を求めた。図1にスラスト寿命試験機の
構造を模式的に示す。図1において、1は試験片保持
枠、2はスラスト試験片(60φ×5〜10mm)、3
は保持器、4は3/8インチ(9.525mmφ)の鋼
球、5は上部レース(#5130スラスト軸受けレー
ス)、6は回転軸(1200r.p.m.)、7は潤滑
油(#60スピンドル油)である。
【0032】遅れ破壊特性は、図2に示す切欠き試験片
を用いて、5%塩酸に浸漬後に引張試験により破断荷重
を求めた。また、φ8mm平滑試験片を用いて回転曲げ
疲労試験により大気中ならびに純水滴下中での疲労限を
求めた。
【0033】表2に各供試材ごとの製造条件および析出
物粒子サイズの測定結果と各種試験の結果を示す。な
お、ここで圧延条件で温度を2条件記入しているもの
は、2回に分けて鍛伸を行なったものである。
【0034】表2より、本発明鋼は水素侵入環境下での
寿命特性の低下が少なく、また、遅れ破壊強度、回転曲
げ疲労強度の低下が少ないことが判る。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明鋼は、Ti
の効果的添加と製造条件の最適化により、優れた遅れ破
壊抵抗性を有する高強度かつ長寿命の浸炭用鋼を提供す
ることができる優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】スラスト寿命試験機の構造を模式的に示す図で
ある。
【図2】水素割れ感受性試験の試験片形状を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 試験片保持枠 2 スラスト試験片 3 保持器 4 3/8インチ鋼球 5 上部レース 6 回転軸 7 潤滑油
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C23C 8/22 C23C 8/22 (56)参考文献 特開 平10−17985(JP,A) 特開 平5−263183(JP,A) 特開 平11−201168(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 C21D 6/00 C21D 8/00 C23C 8/22

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量割合で、C:0.10〜0.40
    %、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.2〜2.
    0%、Ti:0.05〜0.20%、Al:0.010
    〜0.50%、N:0.0120%以下、O:12pp
    m以下を含有し、残部Fe及び不可避不純物とからな
    り、大きさが平均で70nm以下のTi炭化物、Ti炭
    窒化物を鋼中に微細分散させたことを特徴とする優れた
    遅れ破壊抵抗性を有する高強度長寿命浸炭用鋼。
  2. 【請求項2】 質量割合で、C:C:0.10〜0.4
    0%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.2〜
    2.0%、Ti:0.05〜0.20%、Al:0.0
    10〜0.50%、N:0.0120%以下、O:12
    ppm以下を含有し、さらに、Ni:0.1〜2.0
    %、Cr:0.20〜2.0%、Mo:0.05〜1.
    0%の中から選択した1種ないし2種以上を含有し、残
    部Fe及び不可避不純物とからなり、大きさが平均で
    0nm以下のTi炭化物、Ti炭窒化物を鋼中に微細分
    散させたことを特徴とする優れた遅れ破壊抵抗性を有す
    る高強度長寿命浸炭用鋼。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の高強度長寿
    命浸炭用鋼において、さらに合金成分として、質量割合
    でB:0.0005〜0.0050%含有し、残部Fe
    及び不可避不純物とからなり、大きさが平均で70nm
    以下のTi炭化物、Ti炭窒化物を鋼中に微細分散させ
    たことを特徴とする優れた遅れ破壊抵抗性を有する高強
    度長寿命浸炭用鋼。
  4. 【請求項4】 質量割合で、C:0.10〜0.40
    %、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.2〜2.
    0%、Ti:0.05〜0.20%、Al:0.010
    〜0.50%、N:0.0120%以下、O:12pp
    m以下を含有し、残部Fe及び不可避不純物とからなる
    鋼材を1200〜1350℃の温度範囲に加熱・圧延
    し、さらに同じ温度ないし800〜1050℃の温度で
    所定の鋼材ないし部品に圧延ないし鍛造することによ
    り、後の熱処理工程で大きさが平均で70nm以下のT
    i炭化物、Ti炭窒化物を鋼中に微細分散させたことを
    特徴とする優れた遅れ破壊抵抗性を有する高強度長寿命
    浸炭用鋼の製造方法。
  5. 【請求項5】 質量割合で、C:0.10〜0.40
    %、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.2〜2.
    0%、Ti:0.05〜0.20%、Al:0.010
    〜0.50%、N:0.0120%以下、O:12pp
    m以下を含有し、さらに、Ni:0.1〜2.0%、C
    r:0.20〜2.0%、Mo:0.05〜1.0%の
    中から選択した1種ないし2種以上を含有し、残部Fe
    及び不可避不純物とからなる鋼材を1200〜1350
    ℃の温度範囲に加熱・圧延し、さらに同じ温度ないし8
    00〜1050℃の温度で所定の鋼材ないし部品に圧延
    ないし鍛造することにより、後の熱処理工程で大きさ
    平均で70nm以下のTi炭化物、Ti炭窒化物を鋼中
    に微細分散させたことを特徴とする優れた遅れ破壊抵抗
    性を有する高強度長寿命浸炭用鋼の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は請求項5記載の長寿命軸受
    用鋼の製造方法における鋼材の合金成分に、さらに質量
    割合でB:0.0005〜0.0050%を含有し、残
    部Fe及び不可避不純物とからなる鋼材を1200〜1
    350℃の温度範囲に加熱・圧延し、さらに同じ温度な
    いし800〜1050℃の温度で所定の鋼材ないし部品
    に圧延ないし鍛造することにより、後の熱処理工程で大
    きさが平均で70nm以下のTi炭化物、Ti炭窒化物
    を鋼中に微細分散させたことを特徴とする優れた遅れ破
    壊抵抗性を有する高強度長寿命浸炭用鋼の製造方法。
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