JP3425520B2 - 鉄鋼材料の溶融亜鉛二段めっき法 - Google Patents

鉄鋼材料の溶融亜鉛二段めっき法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄鋼材料の一般溶
融亜鉛めっき法に関するものであり、さらに詳しく述べ
るならば、溶融亜鉛二段めっき法に関するものである。
特に本発明は、冷間加工などにより歪を有する異形の鉄
鋼材料、例えばねじ山を有するボルト、ナット等の溶融
亜鉛二段めっきに好適であり、外観不良がなくかつ耐食
性が良好な溶融亜鉛めっき層が形成できるように、溶融
亜鉛二段めっき法を改良したものである。
【0002】
【従来の技術】一般に溶融亜鉛めっき鋼の耐食性を向上
させる方法としては、亜鉛めっき付着量を増加させる方
法が従来から採用されていた。これは代表的には溶融亜
鉛めっき浴中への鋼材の浸漬時間を長くし、亜鉛付着量
を増大させるというものである。しかしながら、この方
法では耐食性が著しく向上するものではなかった。
【0003】更に近年では、連続溶融亜鉛めっきの分野
にとどまらず一般溶融亜鉛めっきの分野においても、耐
食性を向上させることを目的として、Zn−Al合金浴
を使用する試みが行われている。このZn−Al合金浴
でのめっき法は大別すると、Zn−Al合金浴で直接め
っきする一段めっき法と、Zn浴で一旦溶融亜鉛めっき
を行って続いてZn−Al合金浴でめっきする二段めっ
き法がある。
【0004】詳細には一段めっき法は、通常の水溶液フ
ラックスを用いた場合には、浴中のAlとフラックス中
のClとの反応が優先的に進行するため、鋼材素地界面
とZn−Alの合金化反応が阻害され、所謂不めっきと
いう現象が発生する。この問題点を解決するため、特開
昭60−125361号、特公平01−5110号、特
開平03−100151号などでは専用フラックスを使
用することでZn−Al合金めっきを形成させる方法を
提案している。また、特開昭53−47055号、特開
平04−280952号、特開平05−106002号
などではZn−Al合金浴中に第三元素を添加すること
により同じく合金めっきを形成させる方法が開示されて
いる。
【0005】また、二段めっき法は前述の不めっきを防
止する目的から、一段目はZn浴で一旦めっきを行って
めっき層を形成させ、続いてZn−Al合金浴に浸漬す
ることでめっき層中にAlを供給させFe−Al−Zn
合金層を形成させる方法であって、特公昭61−382
59、特公平04−19299などで紹介されている。
【0006】一方、ボルト、ナットは周知のように、ね
じ山等の凹凸部を有しており、ねじ部は鉄鋼材料を切削
加工もしくは転造により製造される。溶融亜鉛めっきさ
れるボルト、ナットはJISH8641で外観について
めっき面は実用的に滑らかで、不めっきその他使用上有
害な欠陥があってはならないと規定されている。また、
同じくJISH8641の2種HDZ35で付着量は3
50g/m2 以上と規定されている。これは膜厚に換算
すると約50μm以上となる。
【0007】本発明者らは、上述した二段めっき法でボ
ルトに対して50μm以上を目標とするZn−Al合金
めっきを行ったところ、板材の鉄鋼材料には見られなか
った外観不良がボルトに生ずることが判った。この外観
不良とは二次浴Zn−Al浴に浸漬した時に、ボルトの
頭部、円筒部及びねじ部のめっき層が溶断・遊離したり
極端な場合脱落が生じることであり、この外観不良があ
るとめっき製品の商品価値を損なうと同時に、付着量規
格も満足できなくなる。
【0008】なお、ボルトを対象物として特定したZn
−Al二段めっき法として、特開平04−311553
号では二段めっき後、200〜370℃で10分間以上
保持することにより、ボルト表面の割れを防止すること
を提案している。特開昭61−295363などでは二
段めっき後に転造してねじ山を修正することを提案して
いる。しかしながら、これらの技術はめっき後の後処理
に時間を有する。また、ボルトを対象として特定してい
ないが特公平07−53901では実施例の中でボルト
に無電解ニッケルめっきを施し二段めっきする方法で、
合金層の厚みは薄く抑え、耐食性を高めている。しかし
ながら、この技術は前述したJIS規格の膜厚換算値の
50μm以上を意図したものではなく、10〜40μm
をねらいとしたものである。上述の理由により、ボルト
に対するZn−Al二段めっき法で、外観、膜厚ともに
満足する製品を製造する方法は提案されていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはこの原因
につき鋭意解明努力を行い、従来法では加工時に加わっ
た歪みがめっき層の膜厚形態を悪化させ極端には脱落を
生じさせるとの認識に到達した。従って本発明は、歪を
有する鉄鋼材料、特に不均一加工歪を有する異形材料、
例えばボルトに関し、二段めっき法で外観を改善し、か
つ付着量規格を満足して耐食性が良好な溶融亜鉛めっき
層を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、加工歪を有す
る鉄鋼材料を高温溶融塩浴に浸漬した後、直ちに亜鉛浴
またはこれに0.1重量%未満のアルミニウムを添加し
た亜鉛浴にて溶融亜鉛めっきを施す第一段階と、その後
0.1重量%以上のアルミニウムを含む亜鉛浴で溶融亜
鉛めっきを施す第二段階とを含むことを特徴とする鉄鋼
材料の溶融亜鉛二段めっき法を提供する。
【0012】以下、ボルト、ナットを例として本発明法
の原理を説明する。ボルト、ナットは前述したように、
形状が凹凸を有し、かつ加工を受けているため、一様で
はない歪みが材料中に残留している。このため、溶融亜
鉛めっきを施すと、薄板材で起こるような合金層の一律
な成長が起こらない。特に加工歪みが大きいボルト頭部
やねじの山部と谷部ではめっき層厚さに相異が生じ、素
地との合金層の境界に剥離が生じる現象が現れ、極端な
場合、脱落が発生する。
【0013】これらの現象を改善するための手段として
は、従来のように鉄鋼材料の表面温度が低く保たれる水
溶液フラックス処理では不適切である。また水溶液フラ
ックスを用いた処理をした場合、フラックス塗布後の乾
燥時にフラックスが凝固しデンドライト状に生成する。
このデンドライト間隙部は鉄鋼材料素地が露出してお
り、めっき浴に浸漬する時の温度上昇によって再酸化を
起こす。一般に溶融Znめっきの密着性が、水溶液フラ
ックスを媒体にすると良好になるのは、フラックスの塗
布部分ではフラックスの還元反応で鉄の酸化を押さえる
ためである。一方、間隙部の再酸化された部位では鉄酸
化物がZnOに変化し表層に付着する。この付着ZnO
は結晶構造が粗なために剥れやすくその後のFe−Zn
合金層の成長を妨げるものではないが、Fe−Zn合金
層は成長速度に差が生じアウトバースト形態をとる。従
って、本発明によりめっき浴浸漬時に鋼材表面が常に濡
れている状態とすると、Fe−Zn合金層の成長を一律
的にする。
【0014】本発明では上記現象を改善する手段とし
て、高温溶融塩処理を溶融めっき前に用いる。これは、
溶融塩浴中に浸漬されたボルトの成形加工時に加わった
歪みが解放されるために、溶融亜鉛による第一段めっき
で素地界面にδ1 相を均一に成長させることができるこ
とと、このためにζ相がδ1 相から分離しにくくなると
同時にζ相が太く成長することに関連する。また、溶融
塩系フラックスを使用し、フラックス浴からの引上げ後
直ちにめっき浴に浸漬する方法では、フラックス浴への
浸漬中もまた浴から引上げてめっき浴に浸漬する過程で
も未だ鋼材表面は乾燥していず、常に濡れた状態を保つ
ため、浴浸漬時の温度上昇による再酸化を防止できる。
この再酸化防止策は、その後の合金層の成長を一律にす
るのに効果がある。
【0015】溶融塩浴の融点は浴組成によって変化す
る。使用する溶融塩の温度は浴組成により依存する。代
表的浴組成と融点を以下に示す。 ZnCl2 :約280℃ ZnCl2 +40%NaCl:約410℃ ZnCl2 +5%NH4 Cl:約260℃ 加工歪を解放するための溶融塩の温度は上記融点より少
なくとも10℃以上高い温度に設定する必要がある。溶
融塩の温度は好ましくはζ相が鋼素地に優先的に現出し
ない530℃以上が望ましい。但し、処理温度は高すぎ
ると処理後の表面にヤケが生じ、そのまま一次めっき浴
に浸漬しても不めっきが発生するため、最大600℃、
好ましくは570℃以下が望ましい。処理時間は最低
0.5分は必要であり、最高は2分である。これを越え
ると、高温度の場合と同様に処理後の表面にヤケが生じ
る。上述のように溶融塩への浸漬後はボルトを直ちに溶
融亜鉛めっき浴に浸漬することが必要である。したがっ
て溶融塩槽の隣に溶融亜鉛めっき槽を配置して、炉など
から取り出されたボルト、ナットを遅滞なく、できるだ
け温度降下が起こらないようにして、めっき槽に装入す
る。
【0016】以上の操作を経たボルト、ナットなどは、
第一段めっきで素地界面にδ1 相が均一に成長し、また
この直上にζ相が遊離しない状態で成長する。このよう
な鉄鋼材料を二次浴Zn−Alに浸漬すると、反応生成
するFe−Al−Zn三元合金層の組織が緻密になるた
め、第二段めっきでも合金層の脱落を大幅に改良でき
る。なお、ボルト、ナットへのめっきの場合、めっき
後、ねじ部の余分なたれを除去するため、遠心分離工程
を付加することが多いが、この工程でも合金層の脱落を
大幅に改良することができる。
【0017】なお、既存技術として、フラックス成分を
水溶液に溶かして使用する方法の代わりに溶融亜鉛浴上
にフラックス成分そのものを浮かべてめっきする所謂湿
式めっき法があるが、確かにフラックス成分は溶融状態
になるが、この作用は鉄と溶融亜鉛との接触面のスケー
ル、スマット、赤錆、酸化亜鉛その他の異物の生成を防
ぎ、さらに進んで異物を溶解消失することであり、歪み
取りの作用はない。また、本発明では溶融塩浴の温度と
浸漬時間を変えることができ、これらの適正条件が溶融
亜鉛二段めっきでの脱落を防止できる。従って、前述し
た本発明の作用とは全く異なるものである。
【0018】さらに、本発明の好ましい実施態様を説明
する。溶融塩としては主としてZnCl2 からなるもの
を使用することができるが、この場合は99%未満の純
度のものが好ましい。この塩化亜鉛系溶融塩としては、
塩化亜鉛を基本に塩化ナトリウム、塩化アンモニウムの
少なくとも一種が最大40重量%混合したものも使用で
きる。また、酸化亜鉛等の不純物があってもよい。
【0019】第一段の溶融亜鉛めっきは99.7%以上
の最鈍亜鉛、電気亜鉛あるいは蒸留亜鉛と言った高純度
の亜鉛浴に材料を浸漬することが望ましい。浴全体量に
対してアルミニウムを0.1重量%未満ならば添加して
も不めっきが発生することがほどんどないため、添加し
ても良い。浸漬温度は鉄鋼材料がリムド鋼の場合480
〜495℃、キルド鋼の場合470〜495℃の温度範
囲が最適な条件である。両材料とも495℃を越えると
ζ相の消失に伴い合金層の成長厚さが薄くなり厚さを保
持するには浸漬時間を増加しなければならず合理的では
ない。また、リムド鋼では470℃付近において、合金
層の異常成長が観察され厚さが均一に保てなく、二段め
っき時に突出した合金層部分が遊離・脱落する可能性が
高いことから480℃以上とした。さらに、470℃の
浴温度を下回ると合金層の成長速度が遅くなることや素
地界面にδ1 相の成長が見られなくなることからJIS
規格に適合しない。従って、浴への浸漬時間は経済性も
考慮してリムド鋼は1.0〜2.0分、キルド鋼は1.
5〜3.0分が最適条件である。
【0020】第一段階において浴から引き上げられた材
料は第二段階として0.1重量%以上のアルミニウムを
含む亜鉛浴に浸漬される。アルミニウム含有量は0.1
重量%以上であれば、耐食性増加の効果が発揮する。ア
ルミニウム含有量の上限は臨界的なものではなく、半分
以上例えば55重量%でも可能である。但し、めっき温
度、経済性等から2〜10重量%とすることが望まし
い。第二段階の浴にアルミニウムに加えて、マグネシウ
ム、銅、チタンおよびジルコニウムから選択される少な
くとも一種を0.01〜5重量%添加してもよい。これ
により、耐食性は一層改善される。浸漬温度はリムド鋼
では、415℃〜425℃、キルド鋼では415℃〜4
30℃の範囲が最適である。両条件とも下限の415℃
を下回ると、めっき後の皮膜層のたれ切れが悪くナット
接合に不都合が生じる。また上限を上回ると、二段めっ
き時に於いて、Zn−Al融液との反応でFe−Zn合
金層がFe−Al−Zn三元合金層に変化する過程で遊
離・脱落を生じやすくなる。浸漬時間は両鋼材とも0.
3〜1.0分が最適であり、下限を下回るとAlとZn
の置換反応が促進されず耐食性を劣化させる。また上限
を上回ると遊離・脱落が起こりやすい。このようにして
二段処理を終えたら、鉄鋼材料の形状、材質等によって
も異なるがそのまま温水による冷却、あるいはボルト、
ナットのように遠心分離工程を経て温水冷却される。本
発明において、溶融塩によるフラックス処理以外の溶融
めっき予備処理および溶融めっき操作自体は従来通りで
あり、説明は省略する。
【0021】
【作用】本発明に於いて達成される合金層の均一な成長
機構につき説明する。一般の水溶液フラックスを用いた
処理方法でめっきを行うと再酸化を受けやすい部位が生
じそのために、一段めっき後のめっき層の合金層形態
は、ζ相がアウトバースト形態で柱状に素地界面から成
長し、これらの合金層間隙部にZn融液(η相)が介在
している。このような組織形態を有する鋼材を二段目の
Zn−Al融液に浸漬すると、間隙部に介在していたZ
n融液とZn−Al融液が置き換わり、素地界面までZ
n−Al融液が達し、その間ζ相と反応してこれを溶解
・分断する、これが合金層の脱落現象の原因である。一
方、本発明ではボルト表面が溶融塩により加温されて、
なおかつ鋼材表面が常に濡れている状態を保って第一段
めっきのZnと接触するため、ボルトの鉄の拡散進行が
早く、Zn−Fe二元状態図から最初の核成長はδ1
が支配的となる。さらに素地界面の歪み取りにより、均
一な合金層が形成される。またその後の合金層の成長相
であるζ相はδ1 相の直上から速やかに成長するので、
水溶液フラックスを用いた場合の高温度の浴に見られる
δ1 相とζ相が遊離して成長する過程は見られない。し
たがって、第一段めっき於いてδ1 相が素地界面に均一
に塊状的に生成すると、二段めっき時に於いて合金層の
遊離・脱落を抑制させることができる。以下実施例によ
る本発明を説明する。
【0022】
【実施例】実施例1〜10、19〜28 旧JIS B 0205に適合した鉄製のW1/2ボル
ト(リムド鋼材製)JIS B 0205に適合した同
じく鉄製のM10ボルト(リムド鋼材製)、M16ボル
ト(キルド鋼材製)、M24ボルト(キルド鋼材製)を
用いて、めっきの前処理として、通常の脱脂、水洗、酸
洗、水洗、乾燥を行った後、図1(表1)及び図3(表
3)に記載の溶融塩浴に浸漬した。引上げ後、約1m、
クレーンで治具毎移動させ第一段めっき浴、続いて第二
段めっき浴に表1に記載の条件で浸漬し、引上げ後遠心
分離機によるたれを行った後、温水冷却し、溶融亜鉛−
アルミニウムめっき層を形成した。表1〜4において、
横欄は順に 「試料区分」 「No.」 「鋼材種類」 「ボルト種類」 「溶融塩*1)」−「浴組成(ZnCl2 wt%)」、
「浴温度(℃)」、「浸漬時間(分)」− 「第一段めっき*2)」−「浴温度(℃)」、「浸漬時
間(分)」− 「第二段めっき*3)」−「浴温度(℃)」、「浸漬時
間(分)」− 「頭部、円筒部平均膜厚(μm)」 「ネジ部平均膜厚(μm)」 「頭部、円筒部外観評価」 「ネジ部外観評価」 「赤錆発生時間(hr)」 である。また表の脚注の意味は次のとおりである。 *1)浴組成(ZnCl2 wt%) 90:市販の塩化亜鉛(純度90.0%wt%) 99:市販の塩化亜鉛(純度99.0%wt%) 95:市販の塩化亜鉛(純度95.0%wt%) 72:市販の塩化亜鉛(純度90.0%wt%):塩化
ナトリウム(純度99.9wt%以上) *2)JIS H 2107に規定された最純亜鉛を使
用 *3)同じく最純亜鉛とJIS H 2102に規定さ
れた1種Alを使用
【0023】比較例11〜16、29〜34 前述した実施例と同様の方法で図2(表2)及び図4
(表4)に記載の条件でめっきし、溶融亜鉛−アルミニ
ウムめっき層を形成した。
【0024】比較例17、35 溶融塩処理の代わりに通常使用されている3号フラック
ス(塩化亜鉛:塩化アンモニウム=1:3(モル比))
を水に溶かし、以下の条件で浸漬した以外は、実施例1
と同様にして同じく溶融亜鉛−アルミニウムめっき層を
形成した。 濃度:450g/l 温度:70℃ 時間:2分
【0025】従来例18、36 第一段めっき浴に浸漬後、第二段めっき浴に浸漬せずに
処理した以外は比較例17、35と同様にして溶融亜鉛
めっき層を形成した。
【0026】各処理後、外観、膜厚、耐食性の比較を行
った。なお、外観評価用試料は、通常の溶融亜鉛めっき
の外観を基準として、ボルトの頭部、円筒部については
目視観察により、ねじ部については断面観察により、製
品価値の有無を○、×により判断するとともに、×の場
合は外観不良の発生形態を記録することとした。膜厚測
定用試料は頭部側面(上面はロゴ入りのため側面を測
定)、円筒部については電磁膜厚計で、ねじ部について
はねじ山の頂を断面観察により膜厚測定した。耐食性評
価用試料については、JIS Z 2371に規定する
塩水噴霧試験方法によって腐食促進試験を実施し、赤錆
が発生するまでの時間の測定した。これらの結果には図
1〜4(表1〜4)に示す。なお、表1〜4において、
浴組成90、95、99はそれぞれ市販の塩化亜鉛で純
度が90.0,95.0,99.0%以上を意味する。
第一段めっきはJISH2107に規定された最純亜鉛
を用いて行った。第二段めっきは同じく最純亜鉛とJI
SH2102に規定されたAlを用いて行なった。
【0027】表1及び3より本発明法である実施例1〜
10、19〜28は外観は良好で、かつ膜厚も50μm
以上得られており、赤錆発生時間も2,000時間以上
であることがわかる。これに対し、本願請求項の条件を
外れる比較例11〜16、29〜34ならびに溶融塩処
理を行わなかった比較例17、35は、不めっき、脱落
の外観不良が発生していることがわかる。一方、従来法
の第一段めっきのみのものは、外観、膜厚とも良好であ
るが、赤錆発生時間は240時間で本発明法、比較例に
比べ、極端に短くなっていることわかる。
【0028】
【発明の効果】一般溶融亜鉛めっきに使用される鉄鋼材
料はボルト、ナット等のように種々の加工を受けた後に
溶融亜鉛めっきが施されるケースもあるが、本発明法に
よるとこのような場合にも外観と耐食性が良好な皮膜を
得ることができる。また、本発明法により得られる耐食
性は非常に優れているために、過酷な環境条件でも長期
間に渡って防錆効果の維持が期待される。このことはめ
っき用亜鉛地金、鉄鋼材料等の資源の有効利用となるの
みならず、メンテナンス費用の削減にも繋がり、産業分
野全般に極めて有意義な技術である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1〜10の条件を及び結果を説明する
図表(表1)である。
【図2】 比較例11〜17及び従来例18の条件を及
び結果を説明する図表(表2)である。
【図3】 実施例19〜28の条件を及び結果を説明す
る図表(表3)である。
【図4】 比較例29〜35及び従来例36の条件を及
び結果を説明する図表(表4)である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−188886(JP,A) 特開 昭58−136759(JP,A) 特開 昭61−201767(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 2/00 - 2/40

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工歪を有する鉄鋼材料を高温溶融塩浴
    に浸漬した後、直ちに亜鉛浴またはこれに0.1重量%
    未満のアルミニウムを添加した亜鉛浴にて溶融亜鉛めっ
    きを施す第一段階と、その後0.1重量%以上のアルミ
    ニウムを含む亜鉛浴で溶融亜鉛めっきを施す第二段階と
    を含むことを特徴とする鉄鋼材料の溶融亜鉛二段めっき
    法。
  2. 【請求項2】 前記高温溶融塩浴が主として塩化亜鉛か
    らなり、その含有量は99重量%未満である請求項1記
    載の鉄鋼材料の溶融亜鉛二段めっき法。
  3. 【請求項3】 前記高温溶融塩浴が塩化亜鉛の他に、塩
    化ナトリウムもしくは塩化アンモニウムの少なくとも一
    種を最大40重量%含む請求項2記載の鉄鋼材料の溶融
    亜鉛二段めっき法。
  4. 【請求項4】 前記鉄鋼材料がリムド鋼であり、前記高
    温溶融塩浴が60重量%以上99重量%未満の塩化亜鉛
    を含み、該高温溶融塩浴への浸漬温度が600℃以下、
    浸漬時間が0.5〜2.0分であり、前記第一段階の浸
    漬温度が480〜495℃、浸漬時間が1.0〜2.0
    分であり、さらに前記第二段階の亜鉛浴中のアルミニウ
    ム含有量が2〜10重量%であり、かつ浸漬温度が41
    5〜425℃、浸漬時間が0.3〜1.0分であること
    を特徴とする請求項1記載の鉄鋼材料の溶融亜鉛二段め
    っき法。
  5. 【請求項5】 前記鉄鋼材料がキルド鋼であり、前記高
    温溶融塩浴が60重量%以上99重量%未満の塩化亜鉛
    を含み、かつ浸漬温度が600℃以下、浸漬時間が0.
    5〜2.0分であり、前記第一段階の浸漬温度が470
    〜495℃、浸漬時間が1.5〜3.0分、前記第二段
    階の亜鉛浴中のアルミニウム含有量が2〜10重量%で
    あり、かつ浸漬温度が415〜430℃、浸漬時間が
    0.3〜1.0分であることを特徴とする請求項1記載
    の鉄鋼材料の溶融亜鉛二段めっき法。
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