JP3425503B2 - 螺旋案内路付き管 - Google Patents

螺旋案内路付き管

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JP3425503B2
JP3425503B2 JP10532996A JP10532996A JP3425503B2 JP 3425503 B2 JP3425503 B2 JP 3425503B2 JP 10532996 A JP10532996 A JP 10532996A JP 10532996 A JP10532996 A JP 10532996A JP 3425503 B2 JP3425503 B2 JP 3425503B2
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    • F16L55/027Throttle passages
    • F16L55/02772Throttle passages using spirally or helically shaped channels
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
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    • E03FSEWERS; CESSPOOLS
    • E03F3/00Sewer pipe-line systems

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Sink And Installation For Waste Water (AREA)
  • Underground Structures, Protecting, Testing And Restoring Foundations (AREA)
  • Pipe Accessories (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自然流下式の垂直
下水管路等に使用され、直管状の管本体部の内部に、軸
心部が空洞になった螺旋案内路が取り付けられた螺旋案
内路付き管に関する。
【0002】
【従来の技術】地表勾配が急な場所では、通常、適当な
間隔をあけてマンホールを設置して、各マンホール間の
管路に段差が形成された段差式の下水路が形成されてい
る。しかし、このような段差式の下水路は、施工が容易
ではなく、工期も長期にわたるために工事費がかさむと
いう問題がある。
【0003】このために、このような段差式の下水路に
替わって、下水管路を垂直に配置した垂直下水管路(ド
ロップシャフト)を使用する方法が開発されている。ま
た、最近では、このような垂直下水管路において、内部
に屈曲流下路を設ける構成が特願平6−176697号
にて提案されている。さらに、最近では、このような垂
直下水管路において、落下エネルギーを減少させるとと
もに気体の混入を防止するために、上部の流入部に螺旋
案内路付き管を配置するとともに、下部の流出部にも螺
旋案内路付き管を配置した垂直下水管路も提案されてい
る。
【0004】このような垂直下水管路の一例を図5に示
す。この垂直下水管路では、上部に螺旋案内路付き管5
1が垂直状態で配置されており、また、下部にも螺旋案
内路付き管53が垂直状態で配置されている。上部の螺
旋案内路付き管51と下部の螺旋案内路付き管53との
間には、螺旋案内路が設けられずに内周面が平滑になっ
た複数の副管52が垂直状態で配置されている。
【0005】上部の螺旋案内路付き管51は、管本体部
51aの軸心部に中空になった支持軸51bが挿通して
おり、その支持軸51bと管本体部51aの内周面との
間に、螺旋案内路51cが設けられている。管本体部5
1aの上端部には、水平方向に沿って流れる下水が内部
に流入するようになっており、その下水が、螺旋案内路
51cに案内されて螺旋状に流下するようになってい
る。螺旋案内路51cに沿って流下する下水は、渦流と
なって、余剰エネルギーが吸収されるとともに、気液分
離が行われる。そして、この螺旋案内路付き管51を流
下した下水が、副管52内を通って下部の螺旋案内路付
き管53内に流入する。
【0006】下部に設けられた螺旋案内路付き管53
は、管本体部53aの内周面に、軸心部が空洞になった
螺旋案内路53bが取り付けられている。副管52を通
って下部の螺旋案内路付き管53内に流入した下水は、
螺旋案内路53bに沿って流下する間に渦流となり、余
剰エネルギーが吸収されるとともに、螺旋案内路53b
の空洞になった軸心部によって、気液分離されて、流下
する下水に気体が混入することが防止される。
【0007】軸心部が空洞になった螺旋案内路付き管5
3は、例えば、強度的に優れたガラス繊維強化樹脂等の
繊維強化樹脂によって製造された螺旋案内路53bを、
直管状になったガラス繊維強化樹脂等の繊維強化樹脂に
よって製造された管本体部53a内に挿入して、螺旋案
内路53bの外周面と管本体部53aの内周面とを接着
することによって製造される。
【0008】繊維強化樹脂製の螺旋案内路53bおよび
管本体部53aを製造する場合は、通常、内型に対し
て、樹脂を含浸した繊維を順次積層するというハンドレ
イアップ法が採用されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】軸心部が空洞になった
螺旋案内路53bは、管本体部11内に流入した流体に
よって、強い衝撃を受けることになる。特に、螺旋案内
路53bの上端部には、強い衝撃によって、その表面が
摩耗したり、疲労の蓄積によって破損するおそれがあ
る。特に、繊維強化樹脂製の螺旋案内路53bは、管本
体部53aと一体に構成されているために、螺旋案内路
53bが破損することによって、螺旋案内路付き管50
全体を取り替えなければならなくなる。螺旋案内路付き
管を取り替える場合には、下水の通流を停止させなけれ
ばならず、しかも、取り替え作業に長時間を要するとい
う問題がある。
【0010】本発明は、このような問題を解決するもの
であり、その目的は、製造が容易であり、しかも、管本
体部内に流入する流体の衝撃によって螺旋案内路が破損
したような場合にも、螺旋案内路のみを、短時間にて取
り替えることができる螺旋案内路付き管を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の螺旋案内路付き
管は、直管状になった樹脂製の管本体部の内周面に、軸
心部が空洞になった樹脂製の螺旋案内路が取り付けられ
た螺旋案内路付き管であって、前記螺旋案内路における
流体の流出側に位置する端部が、管本体部に取り付けら
れた端部支持具によって固定的に支持されるとともに、
螺旋案内路の外周縁部が、管本体部に取り付けられた周
縁支持具によって支持されていることを特徴とする。
【0012】前記周縁支持具はブロック状になってお
り、複数の周縁支持具が、管本体部の内周面に、螺旋状
に沿って適当な間隔をあけて配置されている。
【0013】あるいは、前記周縁支持具は連続する線材
によって構成されており、その周縁支持具が管本体部の
内周面に螺旋状に配置されている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて詳細に説明する。
【0015】図1は、本発明の螺旋案内路付き管の実施
の形態の一例を示す一部破断正面図である。この螺旋案
内路付き管10は、樹脂によって製造された直管状の管
本体部11と、この管本体部11の内周面に沿って螺旋
状に設けられた樹脂製の螺旋案内路12とを有してい
る。
【0016】このような螺旋案内路付き管10は、前述
したように、例えば、垂直下水管路の下部に鉛直状態で
配管されるようになっており、螺旋案内路付き管10
が、内周面が平滑になった鉛直状態の複数の副管を介し
て、上部に鉛直状態で配置された螺旋案内路付き管に接
続される。
【0017】螺旋案内路付き管10の螺旋案内路12
は、管本体部11の内径の1/20〜5/12程度にわ
たって内側に突出した状態になっており、軸心部が全長
にわたって空洞になっている。従って、管本体部11の
軸心部も、全長にわたって空洞になっている。
【0018】管本体部11の内周面には、螺旋案内路1
2の外周面に沿って、一定の間隔をあけて複数のブロッ
ク状の周縁支持具13が取り付けられており、各周縁支
持具13によって、螺旋案内路12の外周部が支持され
ている。図2(a)は、その周縁支持具13の斜視図、
図2(b)は、その周縁支持具13の取付状態を示す断
面図である。各周縁支持具13は、外周面が、管本体部
11の内周面に沿った円弧状になった直方体状になって
おり、円弧状になった外周面が、管本体部11の内周面
に圧接された状態で配置される。各周縁支持具13は、
円弧状になった外周面の中心部を通る軸心部には、ボル
ト挿通孔13aが設けられている。
【0019】周縁支持具13のボルト挿通孔13aに
は、管本体部11に設けられた貫通孔11a内を管本体
部11の外周面側から挿入されるボルト14が挿通され
ており、管本体部11内に位置するボルト14の先端部
にナット15がネジ結合されている。
【0020】各周縁支持具13は、螺旋案内路12の外
周縁部分を、一定の間隔をあけて支持し得るように、例
えば、管本体部11の内周面に、螺旋案内路12の外周
縁に沿った線上であって、管本体部11の軸心方向に平
行な2つの直線上に、上下方向に一定の間隔をあけて配
置されている。
【0021】管本体部11の下端部には、螺旋案内路1
2の下端部を支持する端部支持具16が取り付けられて
おり、管本体部11の上端部にも、螺旋案内路12の上
端部を支持する端部支持具16が取り付けられている。
図3は、螺旋案内路12の下端部を支持する端部支持具
16の斜視図である。この端部支持具16は、管本体部
11の内周面から、半径方向に沿って延びる直線状にな
っており、その一方の端面には、アンカーボルト16a
が、直線状に延出するように設けられている。このアン
カーボルト16aは、管本体部11の周面に設けられた
貫通孔(図示せず)を貫通して、管本体部11の外部に
延出するようになっており、その延出したアンカーボル
ト16aの先端部にナット16bがネジ結合されるよう
になっている。
【0022】端部支持具16の上面は、螺旋案内路12
の端部が係合し得るように、一方の側部が切欠された状
態になっている。そして、上面が切欠された端部支持具
16の側部には、それぞれが上下方向に貫通する複数の
ボルト挿通孔16cが、長手方向に適当な間隔をあけて
設けられている。この端部支持具16上に支持される螺
旋案内路12の各端部には、各ボルト挿通孔16cに対
応する貫通孔(図示せず)が設けられており、螺旋案内
路12における各貫通孔および端部支持具16の各ボル
ト挿通孔16cにボルト17が挿通されて、ボルト17
の先端部にナット18がネジ結合されるようになってい
る。
【0023】螺旋案内路12の上端部を支持する端部支
持具16も同様の構成になっており、管本体部11の上
端部に取り付けられるようになっている。
【0024】本発明の螺旋案内路付き管では、管本体部
11と螺旋案内路12とが、それぞれ、個別に製造され
るようになっている。そして、管本体部11の周面に
は、螺旋案内路12を支持するための各周縁支持具13
および端部支持具16を取り付けるための貫通孔11a
が、それぞれ、所定の位置に形成される。
【0025】このように、管本体部11の周面に貫通孔
11aが所定の位置に形成されると、各端部に設けられ
た貫通孔以外の貫通孔に、各周縁支持具13がそれぞれ
突き合わされる。そして、管本体部11の各貫通孔11
aおよび各周縁支持具13のボルト挿通孔13a内にボ
ルト14が挿通されて、各ボルト14に、ナット15が
ネジ結合されることにより、各周縁支持具13が、管本
体部11の内周面に取り付けられる。
【0026】このような状態になると、管本体部11と
は別に製造された螺旋案内路12が、管本体部11の一
方の端部から、回転しつつ挿入される。管本体部11内
に挿入された螺旋案内路12は、回転されることによっ
て、螺旋案内路12の外周縁部が、管本体部11の内周
面に取り付けられた各周縁支持具13上に支持された状
態で、順次、螺旋送りされる。
【0027】螺旋送りされる螺旋案内路12の先端部
が、管本体部11内に完全に挿入された状態になると、
螺旋案内路12の各端部に、端部支持具16がそれぞれ
係合されるとともに、ボルト17およびナット18によ
って、螺旋案内路12の各端部に端部支持具16がそれ
ぞれ取り付けられる。そして、各端部支持具16のアン
カーボルト16aが、管本体部11の周面に設けられた
貫通孔11aを挿通されて、アンカーボルト16aの先
端部にナット16bがネジ結合される。
【0028】これにより、螺旋案内路12は、各端部
が、管本体部11の内周面に取り付けられた端部支持具
16によってそれぞれ固定的に支持されるとともに、螺
旋案内路12の外周縁部が、周方向に一定の間隔をあけ
て管本体部11の内周面に螺旋状に取り付けられた複数
の周縁支持具13によって支持された状態になる。
【0029】このようにして製造された螺旋案内路付き
管10は、例えば、垂直下水管路の下部に鉛直状態で配
管されるようになっており、螺旋案内路付き管10が、
内周面が平滑になった鉛直状態の複数の副管を介して、
上側に鉛直状態で配置された螺旋案内路付き管に接続さ
れる。そして、副管を介して、管本体部11内に流入し
た流体は、螺旋案内路12の端部に衝突した後に、螺旋
案内路12に沿って螺旋状に流下することによって渦流
となる。
【0030】螺旋案内路付き管10が使用されている間
に、螺旋案内路12が破損したような場合には、螺旋案
内路12の各端部に取り付けられた各端部支持具16
が、螺旋案内路12の各端部から、それぞれ取り外され
る。そして、管本体部11の下端部に取り付けられた端
部支持具16が管本体部11から取り外される。そし
て、螺旋案内路12が、管本体部11に対して下方に螺
旋送りされるように回転される。これにより、螺旋案内
路12は、管本体部11内を回転されて、管本体部11
から退出される。
【0031】その後、破損等が生じていない新たな螺旋
案内路12が、管本体部11内に回転されつつ挿入され
て、その上端部が、管本体部11の上端部に取り付けら
れた端部支持具16に係合状態とされて、ボルト17お
よびナット18によって固定的に支持される。そして、
螺旋案内路12の下端部に、端部支持具16が、ボルト
17およびナット18によって取り付けられて、その端
部支持具16が、管本体部11に取り付けられる。
【0032】ブロック状の各周縁支持具13は、管本体
部11の内周面に沿うように、外周面が円弧状に湾曲し
ていることが好ましく、管本体部11の内周面に沿って
周方向に20mm以上の長さになっていることが好まし
い。また、管本体部11の内周面から5mm以上にわた
って、管本体部11の半径方向に沿って内方に突出して
いることが好ましく、さらには、ボルト14が挿通し得
るように、上下方向の厚さが30mm程度になっている
ことが好ましい。ブロック状の周縁支持具13は、周方
向に隣接する周縁支持具13同士の中心角度が、180
°以下に配置して、螺旋案内路12の外周縁部を、周方
向の2箇所以上で支持することが好ましい。各周縁支持
具13は、流体の衝撃が加わる螺旋案内路12を、破損
することなく支持し得る材質によって構成されていれば
よい。
【0033】各周縁支持具13は、このように、複数を
管本体部11の内周面に適当な間隔をあけて配置し得る
ように、ブロック状になっている必要はなく、例えば、
連続する線材によって構成されていてもよい。この場合
には、螺旋案内路12の外周縁に沿うように、管本体部
11の内周面に螺旋状に配置される。
【0034】また、各周縁支持具13のボルト14が挿
通するボルト挿通孔13a内には、シール材を充填する
ことが好ましい。
【0035】なお、各周縁支持具13は、ボルト14お
よびナット15によって、管本体部11の内周面に固定
する方法に限らず、接着剤によって、管本体部11の内
周面に固定するようにしてもよい。
【0036】螺旋案内路12は、上端部および下端部を
端部支持具16によって、支持する必要はなく、下端部
のみを端部支持具16によって支持するようにしてもよ
い。各端部支持具16は、螺旋案内路12の全重量を支
持する必要があるために、剛性に優れた金属材料が好ま
しく、特に、錆びるおそれのないステンレスが好まし
い。
【0037】螺旋案内路12は、熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂等によって、好適に成形される。螺旋案内路12
に使用される熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹
脂、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等
のオレフィン系樹脂、メタクリル樹脂等が挙げられる。
【0038】螺旋案内路12として使用される熱硬化性
樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステ
ル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。さらに、これら
の樹脂を、無機繊維、ガラス繊維、有機繊維、炭素繊
維、アラミド繊維、ビニロン繊維等の繊維によって強化
したものも使用することができる。また、SMC(シー
ト・モールディング・コンパウンド)、BMC(バルク
・モールディング・コンパウンド)のように、繊維、炭
酸カルシウムや炭酸マグネシウム等のフィラーを樹脂に
充填したものも使用することができる。
【0039】管本体部11は、熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂等によって好適に成形される。熱可塑性樹脂として
は、塩化ビニル樹脂、オレフィン系樹脂(ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等)、メタクリル樹脂等が用いられ
る。熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、
ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂等が用いられ、さら
に、これらの樹脂を、無機繊維、ガラス繊維、有機繊
維、炭素繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維等の繊維に
よって強化したものも使用することができる。
【0040】管本体部11を繊維強化樹脂によって製造
する場合には、螺旋案内路12としては、繊維強化され
たポリ塩化ビニル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂を使用
することが、経済的であって特に好ましい。
【0041】なお、本発明の螺旋案内路突き管10とし
ては、管本体部11の軸心部が中空になっていればよ
く、従って、管本体部11の軸心部に中空の支持軸が設
けられて、その支持軸に螺旋案内路12が設けられてい
てもよい。
【0042】
【実施例】次に、本発明の螺旋案内路付き管に関する実
施例について説明する。
【0043】<実施例1>図1に示す本発明の螺旋案内
路付き管10を次のようにして製造した。まず、図4
(a)に示すように、厚さ8mmのポリ塩化ビニル製の
矩形板12aを3枚準備して、各矩形板12aから円環
状に円環状板12bをそれぞれ切り出した。図4(b)
は、切り出された円環状板12bを示しており、それぞ
れの外径は350mm、内径は110mmになってい
る。次いで、各円環状板12bを、半径方向に沿った1
本の切れ目12cによって切断した。
【0044】次に、各円環状板12bに、ブロアーによ
って、80〜100℃の温度の熱風を吹きつけて、各円
環状板12bを溶融した状態とし、図4(c)に示すよ
うに、切れ目12cに隣接する各端部を、相互に離れる
方向に押圧して螺旋状に成形し、螺旋板12dを製造し
た。その後、図4(d)に示すように、各螺旋板12d
同士を同心状態で軸方向に沿って配置して、相互に隣接
する螺旋板12dの端部同士を溶着した。これにより、
軸心部が空洞であって、1.5ピッチの螺旋部分を有す
る軸方向長さが200mmの軸心部が空洞になった螺旋
案内路12が製造された。
【0045】他方、不飽和ポリエステル樹脂100重量
部に対して、メチルエチルケトンパーオキシド硬化剤
1.2重量部と、適量の硬化促進剤とを添加した熱硬化
性樹脂を準備するとともに、2230g/m2 のロービ
ング(旭ファイバー社製)と、450g/m2 のガラス
クロス(旭ファイバー社製)と、330g/m2 のチョ
ップドストランドマット(旭ファイバー社製)とを、そ
れぞれ、準備した。そして、ロービング、ガラスクロ
ス、およびチョップドストランドマットに、不飽和ポリ
エステル樹脂をそれぞれ含浸させて、マンドレルに積層
して、厚さ6mmの管本体部11を製造した。
【0046】製造された管本体部11の内周面における
螺旋案内路12の外周縁に沿った線上(ピッチ200m
m)と、軸心に平行な一対の中心対称線との2つの交差
点上に、ブロック状の周縁支持具13を、それぞれボル
ト14およびナット15によって、それぞれ固定した。
各周縁支持具13は、管本体部11の内周面に沿った外
周面が円弧状に湾曲しており、その周方向長さが50m
m、管本体部11の半径方向の長さ50mm、厚さ50
mmの発泡ウレタン樹脂製(積水化学社製商品名「FF
U」)のブロックを使用した。各周縁支持具13を固定
するボルト14およびナット15はそれぞれステンレス
製であり、ボルト挿通孔14aには、ボルト14を挿通
させた後に、シリコンを注入してシールした。
【0047】また、管本体部11の一方の端部に、端部
支持具16を所定の状態として、管本体部の周面に形成
された貫通孔11a内にアンカーボルト16aを挿通
し、そのアンカーボルト16aにナット16bをネジ結
合させることによって、端部支持具16を管本体部11
に取り付けた。この場合も、アンカーボルト16aが挿
通する管本体部11の貫通孔11aにシリコンを注入し
てシールした。
【0048】このようにして、各周縁支持具13が取り
付けられた管本体部11が得られると、管本体部11内
に、螺旋案内路12を、端部支持具16が取り付けられ
ていない端部から、回転しつつ挿入し、各周縁支持具1
3にて螺旋案内路12の外周縁が支持された状態にしつ
つ螺旋送りして、管本体部11の先端部を、端部支持具
16に係合させた。そして、端部支持具16に係合され
た螺旋案内路12の先端部を、その端部支持具16に対
して、ボルト17およびナット18によって固定した。
【0049】このような状態になると、端部支持具16
によって固定されていない螺旋案内路12の端部に、端
部支持具16を係合させて、ボルト17およびナット1
8によって、端部支持具16を螺旋案内路12の端部に
固定した。そして、その端部支持具16のアンカーボル
ト16aを管本体部11の貫通孔11aに挿通して、ナ
ット16bをネジ結合することによって管本体部11に
取り付けた。
【0050】このときの螺旋案内路12を管本体部11
に取り付けるために要した時間は、約30分であり、螺
旋案内路および管本体部を、ハンドレイアップ法によっ
て一体成形する場合の半分程度の時間で製造することが
できた。しかも、ハンドレイアップ法において螺旋案内
路付き管を製造する場合には、金型から脱型するために
20分程度の時間をさらに要するために、本実施例の場
合には、そのような時間も不要になり、全体の製造時間
は、ハンドレイアップ法によって製造する場合の1/3
程度であった。
【0051】さらに、本実施例の螺旋案内路付き管10
は、螺旋案内路12だけを交換することができるため
に、螺旋案内路付き管全体を交換する場合に比べて、交
換作業に要する時間も、1/5程度に短縮することがで
きた。
【0052】<実施例2>実施例1において、螺旋案内
路12を製造する際の矩形板12aの厚さを5mmと
し、切り出される円環状板12bの外径を700mm、
内径を240mmとして、ピッチ340mm(1.5ピ
ッチ)の螺旋案内路12を製造した。また、螺旋案内路
12の外周縁部を支持する周縁支持具13を、隣接する
周縁支持具13間の中心角度が90となるように、管本
体部11の内周面に4つ配置したこと以外は、実施例1
と同様にして螺旋案内路付き管10を製造した。
【0053】この場合、螺旋案内路12を管本体部11
に取り付けるために要した時間は、約60分であり、ハ
ンドレイアップ法によって螺旋案内路付き管を製造する
ために必要とする時間の1/2程度であった。
【0054】また、本実施例の螺旋案内路付き管10
は、螺旋案内路12だけを交換することができるため
に、螺旋案内路付き管全体を交換する場合に比べて、交
換作業に要する時間も、1/3程度に短縮することがで
きた。
【0055】<実施例3>実施例2において、螺旋案内
路12が挿入される際に先端側に位置する管本体部11
の端部に、螺旋案内路12の先端部を支持するための端
部支持具16を取り付けなかったこと以外は、実施例2
と同様にして、螺旋案内路付き管10を製造した。
【0056】この場合、螺旋案内路12を管本体部11
に取り付けるために要した時間は、約50分であった。
【0057】また、本実施例の螺旋案内路付き管10
は、螺旋案内路12だけを交換することができるため
に、螺旋案内路付き管全体を交換する場合に比べて、交
換作業に要する時間も、1/3程度に短縮することがで
きた。
【0058】本実施例3によって製造された螺旋案内路
付き管10を、端部支持具16によって支持された螺旋
案内路12の端部が下側になるように配管して、100
時間にわたって、水を流下させたが、実施例2の螺旋案
内路付き管に比べて、螺旋案内路12が管本体部11の
周面に接触することによって騒音が若干発生したが、特
に問題はなかった。
【0059】<実施例4>実施例2において、螺旋案内
路12の外周縁部を支持する周縁支持具13として、N
BRゴム系樹脂製の線材を使用した。この線材は、半径
方向の幅寸法が10mm、厚さが30mmであり、管本
体部11の内周面に螺旋状に配置して、ボルトおよびナ
ットによって管本体部11に取り付けた。それ以外は、
実施例2と同様にして、螺旋案内路付き管10を製造し
た。
【0060】この場合、螺旋案内路12を管本体部11
に取り付けるために要した時間は、約75分であり、螺
旋案内路と管本体部とを一体成形する場合の製造時間に
対して、1/2程度に短縮された。
【0061】また、本実施例の螺旋案内路付き管10
は、螺旋案内路12だけを交換することができるため
に、螺旋案内路付き管全体を交換する場合に比べて、交
換作業に要する時間も、1/3程度に短縮することがで
きた。
【0062】
【発明の効果】本発明の螺旋案内路付き管は、このよう
に、螺旋案内路と管本体部とが別個に製造されて、管本
体部内に螺旋案内路が挿入されることにより製造され、
しかも、螺旋案内路の外周縁部が、管本体部の内周面に
設けられた周縁支持具によって支持されるとともに、螺
旋案内路の下端部が端部支持具によって支持されるよう
になっているために、製造が容易であり、また、螺旋案
内路のみの取り替えも容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の螺旋案内路付き管の実施の形態の一例
を、一部破断して示す正面図である。
【図2】(a)は、その螺旋案内路付き管に使用される
周縁支持具の取付状態の一例を示す斜視図、(b)は、
その断面図である。
【図3】その螺旋案内路付き管に使用される端部支持具
の取付状態の一例を示す斜視図である。
【図4】(a)〜(d)は、本発明の螺旋案内路付き管
における螺旋案内路の製造工程をそれぞれ示す概略図で
ある。
【図5】螺旋案内路付き管の使用状態を示す下水管路の
分解正面図である。
【符号の説明】
10 螺旋案内路付き管 11 管本体部 12 螺旋案内路 12a 矩形板 12b 円環状板 12c 切れ目 12d 螺旋板 13 周縁支持具 14 ボルト 15 ナット 16 端部支持具 16a アンカーボルト 16b ナット 17 ボルト 18 ナット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16L 51/00 - 55/24 E02D 29/12 E03C 1/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直管状になった樹脂製の管本体部の内周
    面に、軸心部が空洞になった樹脂製の螺旋案内路が取り
    付けられた螺旋案内路付き管であって、 前記螺旋案内路における流体の流出側に位置する端部
    が、管本体部に取り付けられた端部支持具によって固定
    的に支持されるとともに、螺旋案内路の外周縁部が、管
    本体部に取り付けられた周縁支持具によって支持されて
    いることを特徴とする螺旋案内路付き管。
  2. 【請求項2】 前記周縁支持具はブロック状になってお
    り、複数の周縁支持具が、管本体部の内周面に、螺旋状
    に沿って適当な間隔をあけて配置されている請求項1に
    記載の螺旋案内路付き管。
  3. 【請求項3】 前記周縁支持具は連続する線材によって
    構成されており、その周縁支持具が管本体部の内周面に
    螺旋状に配置されている請求項1に記載の螺旋案内路付
    き管。
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