JP3424180B2 - P型熱発電材料 - Google Patents

P型熱発電材料

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JP3424180B2
JP3424180B2 JP01663094A JP1663094A JP3424180B2 JP 3424180 B2 JP3424180 B2 JP 3424180B2 JP 01663094 A JP01663094 A JP 01663094A JP 1663094 A JP1663094 A JP 1663094A JP 3424180 B2 JP3424180 B2 JP 3424180B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱発電材料に関するも
のである。さらに詳しくは、本発明は、大きな電力を取
り出すことができ、かつ、平均比抵抗が小さい、鉄珪化
物からなるP型熱発電材料に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭60−43881号公報に、大き
な電力を取り出すことができる鉄珪化物からなるP型熱
発電材料として、鉄珪化物に、原子%(以下%は特に規
定された場合を除き原子%を意味する。)で、マンガン
(Mn)を0.5〜1.67%未満、Mnとアルミニウ
ム(Al)を合計で2.0〜4.7%未満なる量で含有
させた鉄珪化物からなるP型熱発電材料が記載されてい
る。なお、この特許出願は、平成3年1月31日に特許
権の設定登録がなされ、特許第1599140号となっ
ている。
【0003】特開昭60−43881号公報に記載され
た鉄珪化物からなるP型熱発電材料は、原子%で、Mn
を0.6%、Alを2.7%なる量で含有する時、すな
わち、MnとAlを合計で3.3%なる量で含有する時
に、800℃の温度差において、183mVなる熱起電
力で0.009Ωcmなる平均比抵抗を示し、このP型
熱発電材料から0.96Wcm/cm2 という有効最大
出力を取り出すことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】P型熱発電材料は、通
常、N型熱発電材料と対で使用されるものである。ここ
で、P型熱発電材料と対で使用されるN型熱発電材料、
たとえば、鉄−珪素系N型熱発電材料の平均比抵抗は、
800℃の温度差において、0.0053Ωcmであ
り、前記した鉄珪化物からなるP型熱発電材料のそれよ
りも41.1%も低い。したがって、この鉄−珪素系N
型熱発電材料から取り出すことができる電力は、前記し
た鉄珪化物からなるP型熱発電材料から取り出すことが
できるそれよりも大きい。しかし、N型熱発電材料とP
型熱発電材料とは対でユニットとして使用されるのが通
常であるので、ユニット全体としての平均比抵抗は、鉄
−珪素系N型熱発電材料の本来のそれよりも大きくなっ
てしまう。このため、鉄−珪素系N型熱発電材料の能力
が相殺され、その本来の高い能力を十分に利用できない
という問題が生じていた。
【0005】本発明は、従来の鉄珪化物からなるP型熱
発電材料と同等またはそれ以上の熱起電力をもち、か
つ、N型熱発電材料、たとえば、鉄−珪素系N型熱発電
材料の平均比抵抗と同等またはそれ以下の平均比抵抗を
もつP型熱発電材料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者は、鉄珪
化物からなるP型熱発電材料に含有させるMnとAlの
含有量と、MnとAlを含有させた鉄珪化物からなるP
型熱発電材料が示す熱起電力および平均比抵抗との関係
を検討した。この結果、MnとAlの含有量およびMn
とAlの含有量の合計を所定の範囲に規制すれば、従来
の鉄珪化物からなるP型熱発電材料と同等またはそれ以
上の熱起電力をもち、かつ、鉄−珪素系N型熱発電材料
の平均比抵抗と同等またはそれ以下の平均比抵抗をもつ
P型熱発電材料を得ることができることを見出し、本発
明を完成させたものである。
【0007】すなわち、本発明のP型熱発電材料は、鉄
珪化物と該鉄珪化物に固溶もしくは合金化されたマンガ
ンおよびアルミニウムからなり、該鉄珪化物を構成する
鉄および珪素並びに該マンガンおよび該アルミニウムの
元素合計を100%としたとき、該マンガンは1.67
〜4.1%、該アルミニウムは1.33〜3.33%か
つ、該マンガンおよび該アルミニウムは合計で4.0〜
5.34%あることを特徴とする。
【0008】本発明のP型熱発電材料において、Mnの
含有量、Alの含有量およびMnの含有量とAlの含有
量の合計を、前記したような範囲に限定した理由を以下
説明する。本発明のP型熱発電材料は、Mnを1.67
〜4.1%含有する。Mnの含有量が1.67%未満で
は、得られるP型熱発電材料の平均比抵抗は、従来のP
型熱発電材料のそれと同程度の大きさのままである。し
たがって、かかるP型熱発電材料とN型熱発電材料とを
対でユニットとして使用した場合、ユニット全体として
の平均比抵抗がN型熱発電材料の本来のそれよりも大き
くなり、N型熱発電材料の本来の高い能力を十分に利用
できないという、従来のP型熱発電材料に係る問題を解
消することができない。一方、Mnの含有量が4.1%
を越えると、得られるP型熱発電材料の有効最大出力が
著しく低下する場合があるので好ましくない。
【0009】また、本発明のP型熱発電材料は、Alを
1.33〜3.33%含有する。Alの含有量が1.3
3%未満では、得られるP型熱発電材料の有効最大出力
が、小さい場合があるので好ましくない。一方、Alの
含有量が3.33%を越えると、得られるP型熱発電材
料の有効最大出力が、著しく低下する場合があるので好
ましくない。
【0010】さらに、本発明のP型熱発電材料において
は、Mnの含有量とAlの含有量の合計を、4.0〜
5.34%という範囲に限定した。Mnの含有量とAl
の含有量の合計が4.0%未満では、得られるP型熱発
電材料の平均比抵抗は、従来のP型熱発電材料のそれと
同程度の大きさまたはそれよりも大きくなってしまう。
したがって、かかるP型熱発電材料をN型熱発電材料と
対でユニットとして使用した場合、N型熱発電材料の本
来の高い能力を十分に利用できないという、従来のP型
熱発電材料に係る問題を解消することができない。一
方、Mnの含有量とAlの含有量が5.34%を越える
P型熱発電材料においては、有効最大出力が著しく低下
する場合があるので好ましくない。
【0011】前記したような理由から、本発明のP型熱
発電材料においては、Mnの含有量を1.67〜4.1
%、Alの含有量を1.33〜3.33%、かつ、Mn
の含有量とAlの含有量を合計で4.0〜5.34%に
限定した。好ましくは、Mnの含有量を1.67〜3.
33%、Alの含有量を1.67〜2.67%にするの
がよい。なお、このようにMnおよびAlを含有させた
鉄珪化物からなる本発明のP型熱発電材料では、Mnお
よびAlは、合金または固溶体として鉄珪化物中に含有
されていると考えられる。また、鉄珪化物はβ−鉄珪化
物である必要がある。
【0012】本発明のP型熱発電材料においては、P型
熱発電材料を構成する材料は全て金属相として説明し
た。しかし本発明のP型熱発電材料の製造工程中および
発電用として使用中にP型熱発電材料を構成する元素と
雰囲気中の酸素とが結合し、一部酸化物となって実質的
に金属相としての配合量を低下する。多くの場合、酸素
の介在は発電材料としての有効最大出力の低下となる
が、金属相としてのAlあるいはSiの配合割合が最適
配合割合より多い場合、酸素の介在は有効最大出力の増
大となる。このため酸素の介在は必ずしも悪影響をなる
ものではない。
【0013】本発明では、Fe、Mn、SiおよびAl
の組成においてこれら4元素が全て金属相として存在し
ているとする条件で各配合量を規定している。Fe、M
n、SiおよびAlの一部が酸化されている場合は、酸
化されている元素を除き、金属相としての全てのFe、
Mn、SiおよびAlの元素を100%として、各元素
の組成割合が規定される。現状では、得られるP型熱発
電材料の酸素含有量を測定していない。したがって、本
明細書では介在する酸素の影響については定性的にしか
説明できない。
【0014】本発明のP型熱発電材料は、所定元素組成
のFe、Mn、SiおよびAlの金属粉を形成し、この
金属粉を成形し、焼結して製造することができる。金属
粉は所定元素組成をもつ合金を粉砕あるいはアトマイズ
法等で微粉化してもよい。あるいは鉄金属、珪素金属、
マンガン金属およびアルミニウム金属の微粉末をメカニ
カルアロイイングして製造することもできる。金属粉の
組成は、酸化物が介在しないならば前記した鉄、珪素、
マンガンおよびアルミニウムの元素合計を100%とし
たとき、マンガンは1.67〜4.1%、アルミニウム
は1.33〜3.33%かつ、マンガンおよびアルミニ
ウムは合計で4.0〜5.34%である。なお、Feお
よびSiは代表的にはFeSi2 の化学式で示されるβ
相鉄珪化物を構成する。
【0015】前記した金属粉の焼結はホットプレス、常
圧焼結、プラズマ焼結等通常の焼結方法を採用できる。
なお、焼結時に酸素等の他の元素が介在しないように、
不活性ガス下とか真空下で焼結するのが好ましい。焼結
には比較的高温での焼結を必要とする。高温で焼結する
とFe−SiはFe2 Si5 で代表されるα−相鉄珪化
物とFeSiで代表されるε−相鉄珪化物の混合物とな
る。このため通常、焼結の後に半導体化のための熱処理
(以降β化熱処理を表記する)を必要とする。本発明の
P型熱発電材料ではβ化処理温度は760℃程度、70
0〜830℃の温度範囲で熱処理することによりβ−相
(半導体相)鉄珪化物を得ることができる。また、製造
および使用中に酸素が介在する場合には、酸素により酸
化される可能性のある元素を酸化される分余分に配合し
た金属粉とするのが好ましい。
【0016】
【発明の作用】鉄珪化物に、Mnを1.67〜4.1
%、Alを1.33〜3.33%、かつ、MnとAlを
合計で4.0〜5.34%なる量で、MnとAlを最適
に含有させた本発明のP型熱発電材料は、従来の鉄珪化
物からなるP型熱発電材料と同等またはそれ以上の熱起
電力をもち、かつ、鉄−珪素系などのN型熱発電材料の
平均比抵抗と同等またはそれ以下の平均比抵抗をもつ。
したがって、P型熱発電材料とN型熱発電材料の各々の
固有の能力が相殺されることなく、それらが十二分に活
用された熱発電ユニットを構成することができる。
【0017】
【実施例】本発明のP型熱発電材料を、以下、実施例に
より具体的に説明する。 (実施例1)まず、MnとAlとを、それぞれ、4.0
%、1.33%を含有させた鉄珪化物からなる合金イン
ゴットを調製した。すなわち、この鉄珪化物からなる合
金インゴットにおいて、Mnの含有量とAlの含有量の
合計は、5.33%であった。なお、各構成成分の量を
モル数で表したFe1-x Mnx Si2-y Aly なる組成
式で表記すると、この鉄珪化物は、Fe0.88Mn0.12
1.96Al0 .04 と表記することができる。この合金イ
ンゴットの組成および組成式を、下記の表1のEx.1
と表示した行に記載した。
【0018】前記の組成をもつ鉄珪化物からなる合金イ
ンゴットを、鉄製乳鉢を用いて、平均粒径が0.5mm
の粉末になるまで粉砕した。さらに、この粉末を、遠心
ミルを用いて、大気中の雰囲気下で、平均粒径が2〜3
μmの微粉末になるまで粉砕した。そして、得られた微
粉末を、(si単位に変換して下さい6.65×10-2
Pa)の真空中に配設し、さらに(si単位に変換して
下さい24.5MPa)の圧力を微粉末に加えながら1
100℃で30分間加熱した。このような焼結によっ
て、直径が60mmで厚さが5mmの円盤状の焼結体を
調製した。
【0019】得られた円盤状の焼結体から、縦が5mm
で横が6mmで長さが40mmの直方体状の試料を切り
出した。さらに、この試料を、1.33Paの真空中に
配設し、1130℃で8時間加熱した。このような処理
によって、試料に均一化熱処理を施した。最後に、均一
化熱処理を施された試料を、大気中で、760℃で10
0時間加熱し、炉冷した。このような処理によって、試
料にβ化熱処理を施した。以上のような一連の処理を実
施することによって、ホットプレス焼結された実施例1
のP型熱発電材料を製造した。
【0020】以上のようにして製造した、ホットプレス
焼結された実施例1のP型熱発電材料の熱電特性、すな
わち、温度差800℃における熱起電力E、平均比抵抗
ρを直流法にて測定し、有効最大出力Pを算出した。こ
の測定の結果を、実施例1のP型熱発電材料の組成とと
もに、下記の表2のEx.1と表示した行に記載した。
【0021】ここで、P型熱発電材料の熱起電力E、平
均比抵抗ρおよび有効最大出力Pは、以下のような測定
原理に基づいて、測定したものである。すなわち、図1
に示すように、断面積がScm2 で長さがlcmの直方
体状のP型熱発電材料の両端に、それぞれ、Pt線とP
t−13重量%Rh線とからなる熱電対を取り付ける。
そして、P型熱発電材料の図示上端を加熱して高温端と
するとともに、その図示下端を水冷などによって冷却し
て低温端とする。さらに、定電流電源とスイッチSWと
を介して、P型熱発電材料の高温端とその低温端とをP
t線で接続する。そして、スイッチSWを開状態とした
時に、P型熱発電材料の熱起電力Eを測定し、スイッチ
SWを閉状態とし定電流I(A)を流した時に、P型熱
発電材料の平均比抵抗ρを測定し、P=E2 /4ρとい
う式を用いて、有効最大出力Pを算出する。 (実施例2〜6および比較例1〜3)MnとAlとを、
それぞれ、下記の表1に記載したように含有させた鉄珪
化物からなる合金インゴットを調製したことだけが異な
り、その他は実施例1のP型熱発電材料のそれと全く同
様に、ホットプレス焼結された実施例2〜6および比較
例1〜3のP型熱発電材料を製造した。
【0022】得られたホットプレス焼結された実施例2
〜6および比較例1〜3のP型熱発電材料を、実施例1
のそれと同じ方法で、それらの熱起電力E、平均比抵抗
ρを測定し、P=E2 /4ρという式を用いて、有効最
大出力Pを算出した。この測定の結果を、実施例2〜6
および比較例1〜3のP型熱発電材料の組成とともに、
下記の表2のEx.2〜6およびComp.Ex.1〜
3と表示した行に、それぞれ、記載した。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】(評価1)表2に記載したホットプレス焼
結された実施例1〜6およびホットプレス焼結された比
較例1〜3のP型熱発電材料の熱電特性の測定結果か
ら、以下のようなことが判った。まず、一部に例外はあ
るものの、Mnの含有量が増加するにつれて、すなわ
ち、実施例6から実施例1の順に熱起電力Eは増加する
傾向があった。
【0026】また、MnとAlの含有量の合計が増加す
るにつれて、すなわち、実施例1と実施例2を除いた、
実施例5、実施例6、実施例3、実施例4の順に平均比
抵抗ρは減少する傾向があり、実施例2と実施例3〜6
がもつ平均比抵抗ρは、前記した鉄−珪素系N型熱発電
材料の平均比抵抗、0.0053Ωcmとほぼ同等また
はそれ以下であった。
【0027】たとえば、ホットプレス焼結された実施例
1〜6のP型熱発電材料の平均比抵抗ρの平均値は、
0.00608Ωcmであり、この値は、特開昭60−
43881号公報に記載された組成をもつ比較例3の
0.00704Ωcmという平均比抵抗ρよりも、1
3.6%も小さいものであった。また、ホットプレス焼
結された実施例1〜6のP型熱発電材料の有効最大出力
Pと比較例1〜3のP型熱発電材料の有効最大出力とを
比較した場合、実施例1〜6のP型熱発電材料の有効最
大出力Pの平均値は、1.2505Wcm/cm 2 であ
り、この値は、特開昭60−43881号公報に記載さ
れた組成をもつ比較例3の1.137Wcm/cm2
いう有効最大出力Pよりも、約10%も大きいものであ
った。なお、たとえば、実施例3、実施例4および実施
例6のP型熱発電材料などのように、その熱起電力E
が、比較例3のP型熱発電材料のそれよりも劣るものが
あった。しかし、これらの実施例のP型熱発電材料など
においては、その平均比抵抗ρは、比較例3のP型熱発
電材料のそれよりも小さいものであったので、結果とし
て、これらの実施例のP型熱発電材料の有効最大出力P
は、比較例3のP型熱発電材料のそれとほぼ同等となっ
ていた。すなわち、有効最大出力Pは、P=E2 /4ρ
という式にしたがって算出されるので、熱起電気力Eが
劣っていても、平均比抵抗ρが低減されていれば、有効
最大出力Pは増大するのである。
【0028】したがって、ホットプレス焼結された実施
例1〜6のP型熱発電材料と、N型熱発電材料、たとえ
ば、鉄−珪素系N型熱発電材料とから、熱発電ユニット
を構成すれば、実施例1〜6のP型熱発電材料および鉄
−珪素系N型熱発電材料の本来の高い能力を十二分に利
用することができ、かつ、この熱発電ユニットを、全体
として、高性能化することができる。 (評価2)前記したような本発明のP型熱発電材料が奏
する効果を、さらに確かめるために、Alの含有量を一
定にして、Mnの含有量を0〜4.0%まで変化させた
合金インゴットを、複数個調製した。そして、得られた
複数個の合金インゴットを、実施例1のP型熱発電材料
のそれと全く同様の製造方法で、7種類のAlの含有量
を一定とした、ホットプレス焼結された評価試料グルー
プA〜GのP型熱発電材料を製造した。
【0029】これらのホットプレス焼結された評価試料
グループA〜GのP型熱発電材料の、温度差800℃に
おける有効最大出力Pを、実施例1のそれと同じ方法で
測定した。この測定の結果、すなわち、Alの含有量を
一定としたときの、Mnの含有量の変化に対する有効最
大出力Pの変化を図2に示す。図2から明らかなよう
に、全体として、本発明の特許請求の範囲のAlの含有
量(1.33%≦Al≦3.33%)でAlを含有する
評価試料グループB〜Gの有効最大出力Pは、本発明の
特許請求の範囲にないAlの含有量でAlを含有する評
価試料グループAの有効最大出力Pよりも、大きいもの
であった。
【0030】なお、評価試料グループB〜Gのうち、評
価試料グループBのように、Mnの含有量が0〜1.6
7%の範囲において、評価試料グループAの有効最大出
力Pと近似しているものもあった。しかし、評価試料グ
ループBが、本発明の特許請求の範囲のMnの含有量
(1.67%≦Mn≦4.1%)でMnを含有するよう
になると、評価試料グループBの有効最大出力Pと、評
価試料グループAのそれとは、乖離する傾向があった。
【0031】また、この評価試料グループB以外は、M
nの含有量の増加に対して、有効最大出力Pが増加する
傾向にあるものではないように思われるが、評価試料グ
ループC〜Gのいずれも、本発明の特許請求の範囲のM
nの含有量(1.67%≦Mn≦4.1%)でMnを含
有すれば、かなり大きい有効最大出力をもつものであっ
た。
【0032】さらに、評価試料グループCおよびDの有
効最大出力Pの挙動から見て、本発明の特許請求の範囲
のMnの含有量とAlの含有量の合計(4.0%≦Mn
+Al≦5.34%)を越えると、有効最大出力Pが低
下すると考えられる。 (評価3)前記したような本発明のP型熱発電材料が奏
する効果を、さらに確かめるために、Mnの含有量を一
定にして、Alの含有量を0.67〜3.33%まで変
化させた合金インゴットを、複数個調製した。そして、
得られた複数個の合金インゴットを、実施例1のP型熱
発電材料のそれと全く同様の製造方法で、4種類のMn
の含有量を一定とした、ホットプレス焼結された評価試
料グループH〜KのP型熱発電材料を製造した。
【0033】これらのホットプレス焼結された評価試料
グループH〜KのP型熱発電材料の、温度差800℃に
おける有効最大出力Pを、実施例1のそれと同じ方法で
測定した。この測定の結果、すなわち、Mnの含有量を
一定としたときの、Alの含有量の変化に対する有効最
大出力Pの変化を図3に示す。図3から明らかなよう
に、Alの含有量が1.33〜2.0%の範囲で、本発
明の特許請求の範囲のMnの含有量(1.67%≦Mn
≦4.1%)でMnを含有する評価試料グループJとK
の有効最大出力Pは、本発明の特許請求の範囲にないM
nの含有量でMnを含有する評価試料グループHとIの
有効最大出力Pよりも、大きいものであった。
【0034】また、Alの含有量が2.0〜2.67%
の範囲で、評価試料グループJとKの有効最大出力P
は、評価試料グループHとIの有効最大出力Pとほぼ同
等であった。しかし、Alの含有量が2.0〜2.67
%の範囲で、評価試料グループIを除いた評価試料グル
ープH、JおよびKの有効最大出力Pは、Alの含有量
が増加するにつれて減少する傾向を示した。したがっ
て、Mnの含有量を、それぞれ、1.67%と2.67
%と一定にした評価試料グループJとKにおいては、A
lの含有量があまり過剰となり、本発明の特許請求の範
囲のMnの含有量とAlの含有量の合計(4.0%≦M
n+Al≦5.34%)を越えてしまうのは好ましくな
いことが判った。
【0035】なお、Mnの含有量を0.67%と一定に
した評価試料グループIの有効最大出力は、Alの含有
量が増加するにつれて増加する傾向を示しているが、A
lの含有量が1.33%の近傍で、評価試料グループJ
とKのそれのと比べて著しく小さく、実用上好ましいも
のではなかった。 (実施例7)まず、MnとAlとを、それぞれ、3.3
3%、2.0%を含有させた鉄珪化物からなる合金イン
ゴットを調製した。すなわち、この鉄珪化物からなる合
金インゴットにおいて、Mnの含有量とAlの含有量の
合計は、5.33%であった。なお、各構成成分の量を
モル数で表したFe1-x Mnx Si2-y Aly なる組成
式で表記すると、この鉄珪化物は、Fe0.9 Mn0.1
1.94Al0 .06 と表記することができる。この合金イ
ンゴットの組成および組成式を、下記の表3のEx.7
と表示した行に記載した。
【0036】前記の組成をもつ珪化物からなる合金イン
ゴットを、鉄製乳鉢を用いて、平均粒径が0.5mmの
粉末になるまで粉砕した。さらに、この粉末を、遠心ミ
ルを用いて、平均粒径が2〜3μmの微粉末になるまで
粉砕した。そして、得られた微粉末に、微粉末の全重量
に対して0.5重量%のポリビニールアルコールを含む
水溶液を加えた。得られた混合物を、攪拌しながら加熱
して、その水分を蒸発させた。このようにして、8重量
%の水分を含有する粒径が1〜2mmの団粒を調製し
た。さらに、得られた団粒を乳鉢を用いて粉砕するとと
もに、ふるいを用いて分級し、平均粒径が0.2〜0.
5mmの顆粒状の粉末になるまで造粒した。
【0037】さらに、得られた顆粒状の粉末に163.
8MPaの圧力を加えてプレス成形し、縦が6mmで横
が6mmで長さが40mmの直方体状のグリーン試料を
調製した。得られたグリーン試料を、大気中で、室温か
ら310℃まで加熱して、焙焼した。この後、焙焼され
たグリーン試料を、1.33Paの真空雰囲気下の11
85℃で3.5時間加熱して、焼成し、相対密度が92
%以上の焼結体を調製した。最後に、得られた焼結体
を、大気中で、760℃で100時間加熱し、炉冷し
た。このような処理によって、焼結体にβ化熱処理を施
した。以上のような一連の処理を実施することによっ
て、常圧焼結された実施例7のP型熱発電材料を製造し
た。
【0038】以上のようにして製造した、常圧焼結され
た実施例7のP型熱発電材料の熱電特性、すなわち、温
度差800℃における熱起電力E、平均比抵抗ρおよび
有効最大出力Pを、実施例1のそれと同じ方法で測定し
た。この測定の結果を、実施例7のP型熱発電材料の組
成とともに、下記の表4のEx.7と表示した行に記載
した。 (実施例8〜11および比較例4〜9)MnとAlと
を、それぞれ、下記の表3に記載したように含有させた
鉄珪化物からなる合金インゴットを調製したことだけが
異なり、その他は実施例7のP型熱発電材料のそれと全
く同様に、常圧焼結された実施例8〜11および比較例
4〜9のP型熱発電材料を製造した。
【0039】得られた常圧焼結された実施例8〜11お
よび比較例4〜9のP型熱発電材料を、実施例1のそれ
と同じ方法で、それらの熱起電力E、平均比抵抗ρおよ
び有効最大出力Pを測定した。この測定の結果を、実施
例8〜11および比較例4〜9のP型熱発電材料の組成
とともに、下記の表4のEx.8〜11およびCom
p.Ex.4〜9と表示した行に、それぞれ、記載し
た。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】(評価4)表4に記載した常圧焼結された
実施例7〜11および常圧焼結された比較例4〜9のP
型熱発電材料の熱電特性の測定結果から、以下のような
ことが判った。まず、実施例9や実施例10などの例外
はあるものの、Mnの含有量が増加するにつれて、すな
わち、実施例11、実施例8、実施例7の順に熱起電力
Eは増加する傾向があった。しかし、ホットプレス焼結
された実施例1〜6のP型熱発電材料とは異なり、常圧
焼結された実施例7〜11のP型熱発電材料において
は、MnとAlの含有量の合計が増加するにつれて平均
比抵抗ρは減少する傾向は認められなかった。しかし、
実施例9を除く実施例7、8、10および11の平均比
抵抗ρは、前記した鉄−珪素系N型熱発電材料の平均比
抵抗、0.0053Ωcmより若干大きいか、または、
それとほぼ同等であった。
【0043】たとえば、実施例9を除く常圧焼結された
実施例7、8、10および11のP型熱発電材料の平均
比抵抗ρの平均値は、0.00503Ωcmであり、こ
の値は、特開昭60−43881号公報に記載された組
成をもつ比較例7の0.00943Ωcmという平均比
抵抗ρよりも、46.7%も小さいものであった。ま
た、実施例9を除く常圧焼結された実施例7、8、10
および11のP型熱発電材料の有効最大出力Pと比較例
4〜9のP型熱発電材料のそれとを比較した場合、実施
例7、8、10および11のP型熱発電材料の有効最大
出力Pの値は、特開昭60−43881号公報に記載さ
れた組成をもつ比較例3の1.053Wcm/cm2
いう有効最大出力Pよりも最大で26%大きい値とな
り、その他の比較例4、5、6、8および9の有効最大
出力Pよりも1桁大きい値であった。
【0044】したがって、実施例9を除く常圧焼結され
た実施例7、8、10および11のP型熱発電材料と、
N型熱発電材料、たとえば、鉄−珪素系N型熱発電材料
とから、熱発電ユニットを構成すれば、実施例7、8、
10および11のP型熱発電材料および鉄−珪素系N型
熱発電材料の本来の高い能力を十二分に利用することが
でき、かつ、この熱発電ユニットを、全体として、高性
能化することができる。
【0045】なお、Mnの含有量、Alの含有量および
Mnの含有量とAlの含有量の合計のいずれもが、本発
明の特許請求の範囲にある常圧焼結された実施例9のP
型熱発電材料がもつ熱電特性が、同様の組成をもつ常圧
焼結された実施例7、8、10および11のP型熱発電
材料のそれよりも著しく劣るものであった理由は不明で
あり、現在、鋭意究明中である。 (評価5)前記したような本発明のP型熱発電材料が奏
する効果を、さらに確かめるために、Alの含有量を一
定にして、Mnの含有量を0.67〜3.33%まで変
化させた合金インゴットを、複数個調製した。そして、
得られた複数個の合金インゴットを、実施例7のP型熱
発電材料のそれと全く同様の製造方法で、3種類のAl
の含有量を一定とした、常圧焼結された評価試料グルー
プL〜NのP型熱発電材料を製造した。
【0046】これらの常圧焼結された評価試料グループ
L〜NのP型熱発電材料の、温度差800℃における有
効最大出力Pを、実施例1のそれと同じ方法で測定し
た。この測定の結果、すなわち、Alの含有量を一定と
したときの、Mnの含有量の変化に対する有効最大出力
Pの変化を図4に示す。図4から明らかなように、評価
試料グループL〜Nは、全体として、Mnの含有量が増
加するにつれて、増加する傾向を示す有効最大出力Pを
もつものであった。しかし、Alの含有量が2.67%
の評価試料グループNのうち、Mnの含有量が3.33
%のものは、Mnの含有量とAlの含有量が合計で6.
0%と、本発明の特許請求の範囲のMnの含有量とAl
の含有量が合計(4.0%≦Mn+Al≦5.34%)
から外れるので、このような組成をもつ評価試料グルー
プNは、著しく減少した有効最大出力Pをもつものであ
った。 (評価6)次に、本発明のP型発電材料をメカニカルア
ロイイングで作った例を示す。
【0047】まず、原料として粒径150μm以下の鉄
粉末、粒径10μm以下の金属珪素粉末、粒径75μm
以下の金属マンガン粉末、粒径180μm以下の金属ア
ルミニウム粉末を用意した。これら4種類の金属粉末を
用い、Fe1-x Mnx Si2- y Aly なる組成式で、x
=0.06に固定し、yの価としてy=0.06、y=
0.09およびy=0.12の3通りとなるように混合
した3種類の混合金属粉末を調製した。
【0048】メカニカルアロイイングはステンレス製の
ポットおよびボールを使用し、上記混合金属粉末36g
を酸素濃度1ppm以下および水蒸気濃度10ppm以
下のグローブボックス中で秤量およびポットへの挿入密
閉を行った。このポットを室温で(何の単位か説明して
下さい。200時間)ミリングし、粒径約1μmのメカ
ニカルアロイイング粉末を得た。また、ミル助剤として
メチルアルコールを2重量%(0.72g)ポットに入
れてミリングし、同じように粒径約1μmのメカニカル
アロイイング粉末を得た。このようにして6種類のメカ
ニカルアロイイング粉末を調製した。
【0049】この後、実施例1のP型熱発電材料のそれ
と全く同様の製造方法で、6種類のP型熱発電材料を製
造した。そして温度差800℃における、熱起電力E、
平均比抵抗ρおよび有効最大出力Pを、実施例1のそれ
と同じ方法で測定した。これらの測定結果をそれぞれ図
5、図6および図7に示す。図5の熱起電力EとAl添
加量との関係を示す線図および図6の平均比抵抗ρとA
l添加量との関係を示す線図に見られるように、アルコ
ールの添加された状態でメカニカルアロイイングしたも
のは添加されないものと異なる値を示している。アルコ
ールを添加した場合には、Al添加量の効果が少し弱く
現れる傾向にある。
【0050】メカニカルアロイイングのアルコール添加
の上記影響の原因は明確ではないが、アルコールに含ま
れる水酸基の酸素により、金属粉末、特にアルミニウム
が酸化され、金属アルミニウムの配合量が実質的に低下
したことによるものと考えられる。 (評価7)次に、本発明のP型発電材料の焼結密度の影
響を調べた例を示す。
【0051】実施例1で説明した原料合金の粉砕方法に
より、アルコールを添加することなくFe1-x Mnx
2-y Aly の組成式で、x=0.08およびy=0.
06、x=0.08およびy=0.04の2種類の粉末
を得た。Fe1-x Mnx Si2-y Aly の組成式で、x
=0.08およびy=0.06の粉末では、加熱温度を
1100℃、1085℃および1070℃の3つの焼結
温度でホットプレスし、また、Fe1-x Mnx Si2-y
Aly の組成式で、x=0.08およびy=0.04の
粉末では、加熱温度を1100℃としてた以外は実施例
1のP型熱発電材料のそれと全く同様の製造方法で、4
種類のP型熱発電材料を製造した。
【0052】まず、得られたP型熱発電材料の密度を測
定した。その後、温度差50℃から800℃における、
熱起電力Eおよび平均比抵抗ρを実施例1のそれと同じ
方法で測定した。これらの測定結果をそれぞれ図8およ
び図9に示す。図8および図9より明らかなように、焼
結温度をそれぞれ1100℃、1085℃および107
0℃としたものは、密度が4.74、4.64および
4.59となり、焼結温度が低くなると密度も低くなっ
た。なお、y=0.04の粉末の1100℃の焼結温度
のものは4.73であり、yの相違による密度変化は大
きくなかった。
【0053】また、熱起電力Eおよび平均比抵抗ρはP
型熱発電材料の密度に大きく影響されることが分かっ
た。熱起電力Eおよび平均比抵抗ρ共に、密度が低いほ
ど高いことが分かった。熱起電力Eでは、図8に示すよ
うに、y=0.06の組成を持ち、密度4.64のP型
熱発電材料は、y=0.04の組成を持ち、密度4.7
3のP型熱発電材料とほぼ同じ熱起電力Eをもつ。ま
た、平均比抵抗ρでは、図9に示すように、y=0.0
6の組成を持ち、密度4.74のP型熱発電材料は、y
=0.04の組成を持ち、密度4.73のP型熱発電材
料とほぼ同じ平均比抵抗ρをもつ。これらの結果は何に
起因しているか明らかでない。発明者は密度の相違は、
大気雰囲気下のβ化熱処理中に、P型熱発電材料を構成
するアルミニウムが選択的に酸化され、酸化の程度が低
密度のP型熱発電材料程大きくでた為だろうと考えてい
る。
【0054】評価6および評価7の結果より、本発明の
P型熱発電材料は酸化の影響を強く受けると考えられ
る。そして酸化はP型熱発電材料を構成するアルミニウ
ムに特に大きく現れ、酸化により有効なアルミニウム量
が低下することが推測される。しかし、酸化によるP型
熱発電材料の有効最大出力Pの影響は、これらの評価か
ら明確でない。酸化によりP型熱発電材料の有効最大出
力Pが増大する場合も、逆に低下する場合も考えられ
る。見方を変えると、酸化による影響を見越してアルミ
ニウム配合量を酸化される分増やすのも現実的な対処策
となりうる。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したように、鉄珪化物に、原子
%で、Mnを1.67〜4.1%、Alを1.33〜
3.33%、かつ、MnとAlを合計で4.0〜5.3
4%なる量で含有させた本発明のP型熱発電材料は、従
来の鉄珪化物からなるP型熱発電材料と同等またはそれ
以上の熱起電力をもち、かつ、N型熱発電材料、たとえ
ば、鉄−珪素系N型熱発電材料の平均比抵抗と同等また
はそれ以下の平均比抵抗をもつ。したがって、本発明の
P型熱発電材料をN型熱発電材料と対でユニットとして
使用する際に、ユニット全体としての平均比抵抗は、N
型熱発電材料のそれと同等となる。この結果、本発明の
P型熱発電材料およびN型熱発電材料の本来の高い能力
を十二分に利用することができ、かつ、熱発電ユニット
を、全体として、高性能化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】P型熱発電材料の熱起電力E、平均比抵抗ρお
よび有効最大出力Pの測定原理を説明するための模式的
配線図である。
【図2】Alの含有量を一定としMnの含有量を変化さ
せたときに、鉄珪化物からなるホットプレス焼結された
P型熱発電材料がもつ有効最大出力Pの変化を示すグラ
フである。
【図3】Mnの含有量を一定としAlの含有量を変化さ
せたときに、鉄珪化物からなるホットプレス焼結された
P型熱発電材料がもつ有効最大出力Pの変化を示すグラ
フである。
【図4】Alの含有量を一定としMnの含有量を変化さ
せたときに、鉄珪化物からなる常圧焼結されたP型熱発
電材料がもつ有効最大出力Pの変化を示すグラフであ
る。
【図5】Mnの含有量を一定としAlの含有量を変化さ
せるとともにメスニカルアロイイング中のアルコール添
加の有無によるP型熱発電材料の熱起電力Eの変化を示
すグラフである。
【図6】Mnの含有量を一定としAlの含有量を変化さ
せるとともにメスニカルアロイイング中のアルコール添
加の有無によるP型熱発電材料の平均比抵抗ρの変化を
示すグラフである。
【図7】Mnの含有量を一定としAlの含有量を変化さ
せるとともにメスニカルアロイイング中のアルコール添
加の有無によるP型熱発電材料の有効最大出力Pの変化
を示すグラフである。
【図8】P型熱発電材料の密度と熱起電力Eの関係を示
すグラフである。
【図9】P型熱発電材料の密度と平均比抵抗ρの関係を
示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天野 隆 愛知県刈谷市八軒町5丁目50番地 株式 会社イムラ材料開発研究所内 (72)発明者 西田 勲夫 東京都目黒区中目黒2丁目3番12号 科 学技術庁金属材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 平6−92619(JP,A) 特開 平6−81076(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 33/06 H01C 7/00 H01L 35/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄珪化物と該鉄珪化物に固溶もしくは合金
    化されたマンガンおよびアルミニウムからなり、該鉄珪
    化物を構成する鉄および珪素並びに該マンガンおよび該
    アルミニウムの元素合計を100原子%としたとき、該
    マンガンは1.67〜4.1原子%、該アルミニウムは
    1.33〜3.33原子%かつ、該マンガンおよび該ア
    ルミニウムは合計で4.0〜5.34原子%あることを
    特徴とするP型熱発電材料。
  2. 【請求項2】鉄珪化物と該鉄珪化物に固溶もしくは合金
    化された金属マンガンと金属アルミニウム並びに該鉄珪
    化物に介在する酸化珪素および/または酸化アルミニウ
    ムからなり、該鉄珪化物を構成する鉄および珪素並びに
    該金属マンガンおよび該金属アルミニウムの元素合計を
    100原子%としたとき、該金属マンガンは1.67〜
    4.1原子%、該金属アルミニウムは1.33〜3.3
    3原子%、かつ、該金属マンガンおよび該金属アルミニ
    ウムは合計で4.0〜5.34原子%なる量で含有され
    ていることを特徴とするP型熱発電材料。
  3. 【請求項3】鉄、珪素、マンガン、アルミニウムの所定
    元素組成をもつ金属粉を得る工程と、 得られた金属粉を焼結して該鉄および該珪素は鉄珪化物
    を形成するとともに該マンガンと該アルミニウムは該鉄
    珪化物に固溶もしくは合金化され、該鉄珪化物を構成す
    る鉄および珪素並びに該マンガンおよび該アルミニウム
    の元素合計を100原子%としたとき、該金属マンガン
    は1.67〜4.1原子%、該金属アルミニウムは1.
    33〜3.33原子%、かつ、該金属マンガンおよび該
    金属アルミニウムは合計で4.0〜5.34原子%なる
    焼結体とする焼結工程とからなることを特徴とするP型
    発電材料の製造方法。
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