JP3423354B2 - (メタ)アクリル酸エステル単位を含む乳化重合体、そのエマルジョン、それらの製造法及びそれらを含む接着性組成物 - Google Patents

(メタ)アクリル酸エステル単位を含む乳化重合体、そのエマルジョン、それらの製造法及びそれらを含む接着性組成物

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JP3423354B2 JP12281993A JP12281993A JP3423354B2 JP 3423354 B2 JP3423354 B2 JP 3423354B2 JP 12281993 A JP12281993 A JP 12281993A JP 12281993 A JP12281993 A JP 12281993A JP 3423354 B2 JP3423354 B2 JP 3423354B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、(メタ)アクリル酸エ
ステル単位を含む乳化重合体のエマルジョンを含む歯科
接着性組成物に関する。さらに詳しくは、ハイドロキ
シアパタイト構造物、セメント、金属化合物あるいは鉱
物などスルホン酸基に対して反応し得る多価カチオンを
含有する固体表面上で、反応、固定化される乳化重合
エマルジョンを含む歯科用接着性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から歯質などのハイドロキシアパタ
イト構造物を修復する場合には、例えば4−META/
MMA−TBB(スーパーボンド、サンメディカル社
製)などの接着性材料が適用されている。その接着方法
としては、被着面を予め酸でエッチングして表面の研削
屑を脱灰除去し、接着性材料を塗布して硬化させた後、
ラジカル重合性のアクリル系レジンを充填して硬化させ
る方法が採用されている。しかし、この酸処理に際して
使用される酸は低分子化合物であるため、ハイドロキシ
アパタイト構造物の深部まで侵襲する恐れがある。従っ
て、修復箇処が歯質の場合には、酸が健全な部位までも
脱灰してしまい、歯髄にまで酸が到達して神経を刺激
し、激痛を伴う場合もある。
【0003】そのため、このように歯髄に近い部位の修
復には、従来から酸エッチングなしで用いられる高分子
型のポリアクリル酸と酸化亜鉛を組み合わせたカルボキ
レートセメント、ポリアクリル酸の単独重合体あるいは
アクリル酸とイタコン酸またはマレイン酸の共重合体に
アルミノシリケートガラスを組み合わせたグラスアイオ
ノマーセメントを塗布することにより、接着時の刺激を
阻止していた。しかし、これらのセメントは接着性が著
しく劣るため、二次カリエス、修復物の脱落などが問題
とされていた。
【0004】また、口腔内に象牙細管が露出することに
基づく象牙質知覚過敏症の治療には、硝酸銀、蓚酸カリ
ウム、リン酸水素−2ナトリウム/塩化カルシュウム
(池村、今井、日本歯科保存学会雑誌 vol. 35、
26(1992))などの塗布剤や、クエン酸、クエン
酸ナトリウム含有の歯磨剤、グラスアイオノマーセメン
ト、4−META含有接着性レジン(Dライナー、サン
メディカル社製)などが使用されている。
【0005】しかし、これらの抗象牙質知覚過敏症剤
は、塗布剤については歯髄への刺激や着色、歯磨剤につ
いては来院による治療を行わなくてよい利点はあるもの
の効果が発現するまで長期間を要するとされている。ま
た、グラスアイオノマーなどの高分子型カルボン酸は歯
質為害性は少ないものの、歯質接着性、耐水性に乏しく
効果の持続性に難点がある。一方、接着性レジンはその
効果が認められるものの、治療部位を予め10%クエン
酸−3%塩化第2鉄水溶液などの低分子酸でエッチング
した後、硬化剤とモノマーを使用直前に混合した液を塗
布、重合させて、治療するため、低分子化合物の歯質へ
の影響、操作性などに問題が残されている。
【0006】そこで、ハイドロキシアパタイト構造物に
対して、酸の侵襲をより少なくし、且つアクリル系レジ
ンとの親和性を付与するため、ハイドロキシアパタイト
構造物のカルシウム成分とイオン、またはキレート結合
するスルホン酸基に着目し、本出願人はスルホン酸基含
有アクリル酸エステル共重合体を先に提案した(特開昭
60−171,024号公報及び特開平2−261,44
2号公報参照)。
【0007】これらの公報に記載されたポリマーは具体
的には、メチルメタクリレートなどのメタクリル酸エス
テルとp−スチレンスルホン酸などのスルホン酸基含有
モノマーおよび/または末端基にビニル基を有するポリ
メタクリル酸メチルなどのメタクリル酸エステルマクロ
マーのアクリル系共重合体である。同公報にはこれらの
アクリル系共重合体を水やエタノールなどの溶媒に溶解
させ、この溶液をハイドロキシアパタイト構造物表面に
酸エッチングなしで直接塗布し、水洗する方法が開示さ
れている。この方法を採用すると、ハイドロキシアパタ
イト構造体の侵襲が少なく、またスルホン酸基がハイド
ロキシアパタイト構造体のカルシウム成分と結合するた
め、ハイドロキシアパタイト構造体と強固に接着すると
共に、このアクリル系共重合体中のポリメチルメタクリ
レート部分とその上に層上に適用されるアクリル系レジ
ンとが良好な親和性を有するため、ハイドロキシアパタ
イトとアクリル系レジンとの接着も可能となる。
【0008】しかし、これらのアクリル系共重合体につ
いて更に研究を重ねた結果、アクリル系共重合体溶液を
被着体に塗布後、水洗操作を施さずにそのまま乾燥させ
た状態では、ハイドロキシアパタイト構造体と反応しな
い未反応のアクリル系共重合体が存在するため接着力が
発現しないこともあり、安定した接着力を発現させるに
は水洗操作が不可欠であることが判明した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決する新規な接着性エマルジョンを含有する
歯科用接着性組成物を提供することにある。本発明の他
の目的は、従来のスルホン酸基含有アクリル系共重合体
と同様に、被着体の侵襲を少なくすると共に、被着体に
塗布後、水洗操作を施さずにそのまま常温付近で乾燥し
てフィルム形成するだけでハイドロキシアパタイト構造
物、セメント、金属あるいは鉱物などに対して接着力を
発現し、ラジカル重合性のアクリル系レジン組成物に対
しても優れた親和性を示し、更に、形成されたフィルム
は、ハイドロキシアパタイト構造体である象牙質に接着
性を有するため象牙質知覚過敏症表面をシールことも可
能となる新規な歯科用接着性組成物を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明において用いられ
る乳化剤は、(a)(メタ)アクリル酸エステルから誘
導される繰り返し単位、及び(b)基−SO3R(ここ
で、Rは水素原子、アルカリ金属原子またはアンモニウ
ムイオンを示す)を有するビニル化合物から誘導される
繰り返し単位からなる乳化重合体からなる。ここで、上
記(a)(メタ)アクリル酸エステルから誘導される繰
り返し単位は、次式(A)
【0011】
【化5】
【0012】ここで、R1は水素原子もしくはメチル
であり、そしてR2は炭素原子数1〜5のアルキル基で
ある、であり、また(b)基−SO3Rで表わされる繰
り返し単位は式(B)
【0013】
【化6】
【0014】ここで、R3は水素原子もしくは炭素原子
数1〜5のアルキル基であり、そしてRは水素原子、ア
ルカリ金属原子およびアンモニウムイオンよりなる群か
ら選ばれる、である。本発明は上記の乳化重合体を乳化
剤として、(メタ)アクリル酸エステルを乳化重合して
なる乳化重合体エマルジョンを含有する歯科用接着性組
成物を提供する。ここで、(メタ)アクリル酸エステル
から誘導される繰り返し単位としては上記式(A)で表
わされるものが好ましい。
【0015】また、本発明に係る乳化重合体エマルジョ
ンの製造法は、次式(R)
【0016】
【化7】
【0017】ここで、R1およびR2の定義は上記式
(A)に同じである、で表わされる(メタ)アクリル酸
エステルと次式(S)
【0018】
【化8】
【0019】ここで、R3およびRの定義は上記式
(B)に同じである、で表わされるスルホン基含有モノ
マーとを、モル比99:1〜50:50の範囲内で乳化
重合させることにより得られた乳化重合体を乳化剤とし
て用いて上記式(R)で表わされる(メタ)アクリル酸
エステルモノマーを単独重合するかまたは2種以上共重
合させることを特徴としている。
【0020】更に、上記式(R)及び(S)で表わされ
るビニル化合物に、(E)基−COOR4を有するビニ
ル化合物または(F)基−OPO(OR52(ここで、
4、R5の定義は上記に同じである)を有するビニル化
合物を、(R)対(S)+(E)または(S)+(F)
のモル比が99:1〜50:50で、且つ(S)対
(E)または(F)のモル比が99:1〜1:99の範
囲内で乳化重合させるか、または、これにより得られた
乳化重合体を乳化剤として用いて上記式(R)で表わさ
れる(メタ)アクリル酸エステルモノマーを単独重合す
るかまたは2種以上共重合させることも特徴としてい
る。
【0021】本発明で得られた乳化重合体は特定の繰り
返し単位により構成されているため、ハイドロキシアパ
タイト構造物、セメント、金属化合物あるいは鉱物など
のスルホン酸基と良好な接着性を示すフィルムを形成す
ること、象牙質知覚過敏症表面など歯質を接着性フィル
ムでシールすることができる。更に、ラジカル重合可能
なアクリル系レジンに対して良好な親和性を示すため、
両者の接着剤として好適に使用できる。
【0022】次に、本発明の接着性エマルジョン、その
製造方法及びそれを含む接着性組成物について具体的に
説明する。まず、本発明の接着性エマルジョンの好適な
製造法について説明する。なお、本発明において、「乳
化重合体」とは乳化重合により得られた重合体を意味し
ており、また「乳化重合体エマルジョン」とは乳化重合
体のエマルジョンを意味している。
【0023】本発明の乳化重合体エマルジョン(以下
『EM』という)は、上記式(R)で表わされる(メ
タ)アクリル酸エステルと、基−SO3R(ここで、R
は水素原子、アルカリ金属原子またはアンモニウムイオ
ンを示す)を有する上記式(S)で表わされるビニル化
合物とを、公知の乳化重合法(例えば、高分子ラテック
ス、室井宗一、森野郁夫共著、新高分子文庫)に付すこ
とにより製造できる。
【0024】式(R)中、R1は水素原子もしくはメチ
ル基を表わす。
【0025】また、R2は炭素原子数1〜5のアルキル
基である。アルキル基の具体的な例としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基を挙
げることができる。R2はメチル基、エチル基、ブチル
基であることが好ましく、メチル基であることが特に好
ましい。
【0026】上記式(R)で表わされる化合物の好まし
い例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
プロピル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アク
リレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ(メタ)
アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステルを挙げ
ることができる。これらのなかでもメチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレートが好
ましく、メチルメタクリレートが特に好ましい。
【0027】本発明で使用されるもう1つのモノマー
は、基−SO3R(ここで、Rは水素原子、アルカリ金
属原子またはアンモニウムイオンを示す)を有するモノ
マーである。かかる化合物の具体例としては、例えばビ
ニル化合物に、あるいはアルキル基などで置換されたビ
ニル化合物に、基−SO3R(ここで、Rの定義は上記
に同じである)が直接、あるいは他の基を介して間接的
に、結合した化合物を挙げることができる。
【0028】このような、スルホン酸基含有モノマーの
好ましい例としては、アリルスルホン酸、メタリルスル
ホン酸、ビニルスルホン酸、o−スチレンスルホン酸、
m−スチレンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、t
ert−ブチルアクリルアミドスルホン酸、及びこれら
化合物のリチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩などの
アルカリ金属塩、あるいはアンモニウム塩を挙げること
ができる。このなかでも、前記基−SO3Rが重合性基
を構成する炭素原子に間接的に結合している化合物、例
えばスチレンスルホン酸が好ましい。このような化合物
の好適な例としては、上記式(S)で表わされる化合物
を挙げることができる。
【0029】上記式(S)中、R3は水素原子もしくは
炭素原子数1〜5のアルキル基を表わす。アルキル基の
例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基を挙げることができる。R3は水素原子
であることが特に好ましい。
【0030】基−SO3Rはベンゼン環のo−位、m−
位、p−位のいずれの位置に結合していてもよい。被着
体との接着を考慮した場合、p−位であることが好まし
い。また、基−SO3Rは、リチウム塩、カリウム塩、
ナトリウム塩またはアンモニウム塩であってもよい。上
記式(S)で表わされる化合物の好ましい例としては、
アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホ
ン酸、メタアクリル酸スルホエチル、tert−ブチル
アクリルアミドスルホン酸、p−スチレンスルホン酸な
どのスルホン酸化合物、並びにそのナトリウム塩、アン
モニウム塩を挙げることができる。このなかでも、p−
スチレンスルホン酸が特に好ましい。
【0031】上記(E)の基−COOR4(ここで、R4
は水素原子、アルカリ金属原子またはアンモニウムイオ
ンを示す)を有するモノマーとしては、例えばアクリル
酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、メタクリ
ロイルオキシ安息香酸、ビニルサリチル酸、ビニルアセ
チルサリチル酸などの不飽和一価カルボン酸、及びこれ
らのアルカリ金属塩、もしくはアンモニウム塩化合物、
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アコニット酸、シ
トラコン酸、メサコン酸、4−メタクリロイルオキシエ
チルトリメリット酸などの不飽和多価カルボン酸、及び
これらのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩化合物
を挙げることができる。このなかでアクリル酸、メタク
リル酸が好ましい。
【0032】上記(F)の基−OPO(0R52(ここ
で、R5は水素原子、アルカリ金属原子またはアンモニ
ウムイオンを示す)を有するモノマーとしては、例えば
アシッドホスホエチル(メタ)アクリレート、3−クロ
ロ2−アシッドホスホプロピル(メタ)アクリレート、
アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、
アシッドホスホオキシポリオキシエチルエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、 アシッドホスホオキ
シポリオキシプロピレングリコールモノ(メタ)アクリ
レートなどの燐酸エステルモノマーもしくはそれらのア
ルカリ金属塩、もしくはアンモニウム塩を有するモノマ
ーや、それら化合物の水酸基を他の置換基で置換した、
例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル
燐酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル4−メト
キシフェニル燐酸などの燐酸エステル系モノマーを挙げ
ることができる。なかでも、アシッドホスホオキシエチ
ルメタクリレート、もしくはアシッドホスホオキシエチ
レングリコールモノメタクリレートが有用である。
【0033】本発明の乳化重合において、上記式(R)
で表わされるモノマー対上記式(S)で表わされるモノ
マーのモル比は、良好なエマルジョンが得られ、また酸
性度も低下して被着体への侵襲が抑えられるため、次の
ようにする。通常は、上記式(R)のモノマー対上記式
(S)のモノマーのモル比は99:1〜50:50の範
囲内であり、好ましくは95:5〜60:40の範囲内
である。更に、上記式(R)で表わされるモノマー対
(S)で表わされるモノマー、及び(E)基−COOR
4を有するビニル化合物または(F)基−OPO(O
52(ここで、R4、R5の定義は上記に同じである)
を有するビニル化合物が、(R)対(S)+(E)また
は(S)+(F)のモル比が99:1〜50:50の範
囲内にあり、且つ(S)対(E)または(F)のモル比
が99:1〜1:99の範囲内にあるのが好ましく、
(R)対(S)+(E)または(S)+(F)のモル比
が95:5〜60:40の範囲内にあり、且つ(S)対
(E)または(F)のモル比が99:1〜5:95の範
囲内にあるのがより好ましい。
【0034】乳化重合の反応条件に特に制限はないが、
室温から100℃の範囲内でモノマー(R)と(S)、
もしくは(R)と(S)及び(E)または(F)の混合
物を水100重量部に対して60重量部以下で用い、通
常乳化重合で用いられる開始剤を添加して、これらを数
10分から24時間の範囲内で重合せしめることによ
り、良好な乳化重合体エマルジョンを製造することがで
きる。ここで、モノマー混合物を一括添加すると、凝集
物の多いエマルジョンが生成し易くなるため、モノマー
混合物を断続的に添加することが好ましい。
【0035】乳化重合においては、エマルジョン製造時
にアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン
界面活性剤、ポリエチレングリコールなどの高分子型界
面活性剤など界面活性剤を添加して製造しても問題ない
が、無添加の状態でも凝固分が非常に少なく、水中安定
度の高い、直径1μm以下の乳化重合体エマルジョンを
製造することができる。後処理の簡略化および乳化重合
体エマルジョンの接着性や膜強度を損なわないために
も、界面活性剤を用いずにソープフリー乳化重合するこ
とが好ましい。また、上記のモノマー(E)または
(F)を使用する場合、エマルジョンの安定性を良好に
保つため、pH=6以下の酸性条件下で製造することが
好ましい。
【0036】本発明の接着性ラテックスの特性を損なわ
ない範囲内で、上記記載のモノマーの他に、例えばN−
(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピ
ル)−N−フェルグリシン、グリシジル(メタ)アクリ
レート、N−アリルグリシンの如きグリシジルエステル
類;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、アミノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエ
チルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアルキル
アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル類;エチ
レン、プロピレン、ブテン−1などのオレフィン類;塩
化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、(メタ)アク
リル酸2−クロロエチルエステル、1,1−ジクロロエ
チレン、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化ビニ
ル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエス
テル類;(メタ)アクリルアルデヒド、3−シアノ(メ
タ)アクリルアルデヒドなどの(メタ)アクリルアルデ
ヒド類;メチルビニルエーテル、イソブチルビニルエー
テル、(メタ)アクリルアルデヒドジアセテート、(メ
タ)アクリルアルデヒドジエチルアセタール、1,2−
ジメトキシエチレンなどのビニルエーテル類;スチレ
ン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロロメチ
ルスチレン、スチルベン、1,1−ジフェニルエチレン
などのアルケニルベンゼン類;アクリロニトリル、メタ
クリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、(メタ)
アクリルアミド、N−ビニルフタルアミド、N−ビニル
スクシンアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N
−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒド
ロキシエチル−2−メチルアクリルアミドの如き(メ
タ)アクリルアミド類;ヒドロキシメチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの如き
水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル類など通常
乳化重合が可能なモノマーを共重合することもできる。
【0037】次に、このようにして得られた乳化重合体
エマルジョン『EM』を乳化剤として、(メタ)アクリ
ル酸エステル(R)を更に単独重合または共重合して得
られる乳化重合体の製造法について説明する。ここで使
用される(メタ)アクリル酸エステルは上記式(R)で
表わされる化合物である。この場合にも、式(R)にお
て、R 2 で表わされるアルキル基の具体的な例として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基を挙げることができる。R1 はメチル基であるこ
とが特に好ましい。また、R2はメチル基であることが
好ましい。
【0038】この場合の、式(R)で表わされる化合物
の好ましい例としては、メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレ
ート、プロピル(メタ)アクリレート、ペンチル(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートな
どの(メタ)アクリル酸のアルキルエステルを挙げるこ
とができる。これらのなかでも、メチルメタクリレート
が特に好ましい。
【0039】上記式(R)で表わされる(メタ)アクリ
ル酸エステルの乳化重合法としては、上記で詳細に説明
した乳化重合体エマルジョン『EM』を乳化剤として使
用することを特徴としている。ここで使用する乳化重合
体エマルジョン『EM』は一旦反応釜から取り出した
後、改めて乳化剤として添加してもよいし、乳化重合体
エマルジョン『EM』を製造後、反応釜から取り出すこ
となく、式(R)で表わされる(メタ)アクリル酸エス
テル化合物を添加して乳化重合することもできる。
【0040】反応条件には特に制限はなく、例えば乳化
重合体エマルジョン『EM』を製造後、室温から100
℃の温度範囲内で(R)で表わされる(メタ)アクリル
酸エステル化合物を添加することにより数10分から2
4時間の範囲内で乳化重合せしめることにより、乳化重
合体エマルジョンを製造することができる。また、乳化
重合体エマルジョン『EM』と(R)で表わされるモノ
マーとの混合比は『EM』:(R)が1:99〜80:
20の重量比である。また水100重量部に対して『E
M』とモノマー(R)の全合計量が60重量部以下であ
ることが好ましい。式(R)で表わされる(メタ)アク
リル酸エステル化合物の種類や重合系内の混合物の組成
などを断続的に変化させて乳化重合させることにより、
乳化重合体の種類および共重合体の組成などを変化させ
ることも可能である。
【0041】なお、上記乳化重合体エマルジョンは、上
記式(R)の化合物の他にも、本発明の乳化重合体エマ
ルジョンの接着性、膜強度などを損なわない範囲内で、
他のモノマーを共重合せしめたものであることができ
る。このような共重合可能なモノマーの例としては、エ
チレン、プロピレン、ブテン−1などのオレフィン類;
塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニルなどのハロゲ
ン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの
ビニルエステル;メチルビニルエーテル、エチルビニル
エーテル、イソブチルビニルエーテルなどのビニルエー
テル類;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレ
ン、クロルメチルスチレン、スチルベンなどのアルケニ
ルベンゼン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル
などのシアン化ビニル化合物など通常乳化重合可能なモ
ノマーを挙げることができる。
【0042】このように製造された本発明の乳化重合体
エマルジョンは、重合体がスルホン酸ユニットを有する
ため、長期に亘って水中安定性が極めて優れ、更に、ス
ルホン酸基に反応性を示す多価カチオンを含有する被着
体構造物に対して良好な接着性を示すフィルムに形成可
能である。
【0043】本発明の乳化重合体エマルジョンを歯科用
に使用する場合は、水、エタノールまたは水−エタノー
ル混合媒体中に分散させて使用する。このような分散媒
体中における乳化重合体エマルジョンの固形分は、0.
5〜15重量%である。
【0044】また、被着体と上記記載の乳化重合体のエ
マルジョンの反応性を向上させるため、エマルジョンの
安定性、フィルムの耐水性等を損なわない範囲内で、必
要に応じてクエン酸、蓚酸、マレイン酸、燐酸、EDT
Aなどの低分子酸を数ppm〜数千ppm添加してもよ
い。
【0045】上記乳化重合体エマルジョンには必要に応
じ公知の種々の添加剤を含有させることができる。その
ような添加剤としては、例えば着色顔料、体質顔料、湿
潤剤、骨剤、増粘剤などを挙げることができる。
【0046】スルホン酸基と反応し得る多価カチオン含
有被着体に本発明の乳化重合体エマルジョンを塗布し、
数秒から数分間放置した後、室温にて圧縮空気などで乾
燥することにより簡単にフィルムを形成することができ
る。この間に溶媒方向に配向しているエマルジョンパー
ティクルのスルホン酸基が被着体と化学結合し、エマル
ジョンパーティクルと被着体とが接着するものと考えら
れる。更に、乾燥により形成されたフィルムは、ガラス
などスルホン酸基と反応しない被着体からは水洗するこ
とで完全に脱落するが、ハイドロキシアパタイトなどス
ルホン酸基と反応し得る被着体からは水洗操作を施して
も脱落することなく保持される。従って、歯質と強固に
接着したフィルム形成が可能であり、抗象牙質知覚過敏
症用などのシール材など歯質保護膜として最適である。
更に、このフィルムはアクリル系レジンと親和性の高い
ポリ(メタ)アクリル酸エステル成分を含有しているた
め、被着体とアクリル系レジンとの接着が可能となる。
【0047】また、本発明の乳化重合体のエマルジョン
の特性及び工業界で利用され得る処理方法を利用して、
防曇剤、流滴剤、イオン吸着用カラムの充填剤、帯電防
止剤、エポキシ硬化剤、フォトレジスト封止剤、汚泥凝
固剤、アルミナセメント、マグネシウムセメント、ポル
トラドセメントなどのセメント、及び石膏の硬化剤、強
化剤、グラスアイオノマーセメント、燐酸亜鉛セメン
ト、ハイドロキシアパタイト粉の硬化剤、本エマルジョ
ンと反応しうる構造物と木工との接着剤、及び家具、楽
器などの木工用接着剤、紙塗工用処理剤などに利用でき
る。
【0048】
【実施例】次に本発明の実施例を示して具体的に説明す
るが本発明は、これらの実施例によって限定的に解釈さ
れるものではない。
【0049】尚、実施例記載のメチルメタクリレート、
アクリル酸は減圧蒸留後、使用直前に窒素をバブリング
することにより溶存酸素を脱気して用いた。また、アシ
ッドホスホオキシエチルメタクリレート(Phosme
r M、ユニケミカル(株)製)及びp−スチレンスル
ホン酸ナトリウム(スピノマー、東ソー(株)製、純度
85%)は、そのまま使用した。
【0050】実施例1(E−1) 蒸留水25mlを60℃に昇温し、窒素ガスを1時間バ
ブリングした。窒素雰囲気下、メチルメタクリレート
(以下、MMAという)1.0g、p−スチレンスルホ
ン酸ナトリウム0.27g(以下、SSNaという、ス
ピノマー、東ソー(株)製)、重合開始剤として過硫酸
カリウム30mg、亜硫酸ナトリウム10mgを添加
し、60℃で2時間、激しく撹拌し乳化剤を得た。これ
MMA(4.0g)、SSNa(1.1g)、過硫酸カ
リウム(70mg)、亜硫酸ナトリウム(20mg)を
更に添加して22時間、激しく撹拌した後、室温まで冷
却し、固形分率が5.8wt%である重合体エマルジョン
を得た。濃塩酸(0.47ml)を加え2時間撹拌した
後、透析チューブにいれて蒸留水中を毎日替えながら、
5日間透析操作を行った。この透析チューブを常温、常
圧下乾燥して固形分が8.5wt%である重合体エマル
ジョンを得た。
【0051】赤外分光スペクトル(IR)にて、この乳
化重合体がMMAとスチレンスルホン酸ユニットを含む
ことを確認した。得られた重合体を分子量既知のポリメ
タクリル酸メチルを標準試料としてGPCを用いて分析
した結果、数平均分子量(Mn)は1.0X106であっ
た。更に、元素分析から、MMAのユニット含量は9
1.0mol%であった。
【0052】実施例2(E−2) 蒸留水32mlを60℃に昇温し窒素ガスを1時間バブ
リングした後、窒素雰囲気下、MMA(1.0g)、S
SNa(0.16g)、過硫酸カリウム(30mg)、
亜硫酸ナトリウム(10mg)を添加して60℃で2時
間激しく撹拌し乳化剤を得た。これにMMA(1g)、
SSNa(0.16g)、過硫酸カリウム(10m
g)、亜硫酸ナトリウム(3mg)を30分間隔でこれ
と同成分、同量のものを6回断続的に添加した後、19
時間激しく撹拌した。室温に冷却後、濃塩酸(0.38
ml)を加えて2時間、十分に撹拌した。透析チューブ
に入れて毎日蒸留水を替えながら5日間透析した後、常
温、常圧下乾燥して固形分10.7wt%の重合体エマル
ジョンを得た。IRにてこの乳化重合体がMMAとスチ
レンスルホン酸ユニットを含むことを確認した。実施例
1と同様に分析したMnは7.5X105であった。ま
た、元素分析からMMAユニットの含量は94.1mo
l%であった。
【0053】実施例3(E−3) 蒸留水35mlを60℃に昇温し、窒素ガスを1時間バ
ブリングした後、窒素雰囲気下、MMA(1.0g)、
SSNa(0.12g)、過硫酸カリウム(30m
g)、亜硫酸ナトリウム(10mg)を添加し、60℃
で2時間激しく撹拌し乳化剤を得た。これにMMA
(2.0g)、SSNa(0.24g)、過硫酸ナトリウ
ム(30mg)、亜硫酸ナトリウム(10mg)を添加
して30分間激しく撹拌した後、MMA(4.0g)、
SSNa(0.48g)、過硫酸カリウム(60m
g)、亜硫酸ナトリウム(20mg)を添加し、更に2
1.5時間撹拌した。室温に冷却後、濃塩酸(0.29m
l)を加えて2時間、撹拌した。透析チューブに入れて
5日間、毎日蒸留水を交換後、このチューブを常温、常
圧下乾燥して固形分11.2wt%の重合体エマルジョ
ンを得た。IRにてこの乳化重合体がMMAとスチレン
スルホン酸ユニットを含有することを確認した。実施例
1と同様にして分析したMnは6.2X105であった。
また、元素分析からMMAユニット含量は95.7mo
l%であった。
【0054】実施例4(E−4) 蒸留水41mlを60℃に昇温し窒素ガスを1時間バブ
リングした。窒素雰囲気下、MMA(1.0g)、SS
Na(0.08g)、過硫酸カリウム(30mg)、亜
硫酸ナトリウム(10mg)を添加し、2時間60℃で
激しく撹拌し乳化剤を得た。これに更に、MMA(2.
0g)、SSNa(0.16g)、過硫酸カリウム(2
3mg)、亜硫酸ナトリウム(3mg)を30分間隔
で、3回添加した後、更に21.5時間激しく撹拌し
た。室温に冷却後、濃塩酸(0.19ml)を加えて2
時間、撹拌し、透析チューブに入れて、5日間毎日蒸留
水を交換して透析を繰り返した。このチューブを常温、
常圧下乾燥して固形分16.9wt%の重合体エマルジ
ョンを得た。IRから、この乳化重合体がMMAとスチ
レンスルホン酸ユニットを含有していることを確認し
た。実施例1と同様にして分析したMnは5.9X105
であった。また、元素分析からMMAユニットの含量は
96.7mol%であった。
【0055】実施例5(E−5) 蒸留水55mlを60℃に昇温し、窒素ガスを1時間バ
ブリングした。窒素雰囲気下、MMA(1.0g)、S
SNa(0.06g)、過硫酸カリウム(30mg)、
亜硫酸ナトリウム(10mg)を添加して2時間激しく
撹拌し乳化剤を得た。これにMMA(2.0g)、SS
Na(0.12g)、過硫酸カリウム(23mg)、亜
硫酸ナトリウム(3mg)を30分間隔で、3回添加し
た後、更に21.5時間激しく撹拌した。この重合体
マルジョンの固形分は8.8wt%であった。室温に冷
却後、濃塩酸(0.14ml)を添加して、2時間撹拌
した後、透析チューブにいれて、蒸留水を5日間毎日交
換しながら透析を繰り返した。このチューブを常温、常
圧下乾燥して、固形分が14.7wt%の重合体エマル
ジョンを得た。IRから、この乳化重合体がMMAとス
チレンスルホン酸ユニットを含有することを確認した。
実施例1と同様にして分析したMnは1.6X106であ
った。元素分析から、MMAユニットの含量は、97.
6mol%であった。
【0056】実施例6(E−6) 蒸留水50mlを60℃に昇温し、1時間窒素ガスをバ
ブリングした。窒素雰囲気下、MMA(2.0g)、S
SNa(1.2g)、過硫酸カリウム(30mg)、亜
硫酸ナトリウム(10mg)を添加し、60℃で2.5
時間激しく撹拌し乳化剤を得た。これにMMA(1.0
g)、過硫酸カリウム(15mg)、亜硫酸ナトリウム
(7mg)を30分間隔で4回添加した後、更に19.
5時間激しく撹拌した。室温に冷却後、濃塩酸(0.4
ml)を加えて2時間撹拌し、透析チューブに入れて5
日間蒸留水を毎日交換しながら透析を繰り返した。この
チューブを常温、常圧下乾燥して、固形分9.1wt%
重合体エマルジョンを得た。元素分析からこの重合体
のMMAユニットの含量は、92.6mol%であっ
た。
【0057】実施例7(E−7) 蒸留水50mlを60℃に昇温し、窒素ガスを1時間バ
ブリングした。窒素雰囲気下、MMA(2.0g)、S
SNa(0.54g)、過硫酸カリウム(30mg)、
亜硫酸ナトリウム(10mg)を添加し、2.5時間6
0℃で激しく撹拌し乳化剤を得た。これにMMA(1.
0g)、過硫酸カリウム(15mg)、亜硫酸ナトリウ
ム(7mg)を30分間隔で4回添加した後、更に1
9.5時間激しく撹拌した。室温に冷却後、濃塩酸(0.
19ml)加えて2時間撹拌し、透析チューブに入れて
蒸留水を5日間毎日交換しながら透析を繰り返した。こ
のチューブを常温、常圧下乾燥して、固形分10.9w
t%の重合体エマルジョンを得た。元素分析からこの重
合体のMMAユニットの含量は、96.9mol%であ
った。また、透過型顕微鏡観察より、この乳化重合体エ
マルジョンは直径0.1〜0.5μmのパーティクルを有
していることが確認された。
【0058】実施例8(E−8) 蒸留水50mlを60℃に昇温し、窒素ガスを1時間バ
ブリングした。窒素雰囲気下、MMA(2.0g)、S
SNa(0.48g)、過硫酸カリウム(30mg)、
亜硫酸ナトリウム(10mg)を添加して、60℃で2
時間激しく撹拌し乳化剤を得た。これにMMA(1.0
g)、過硫酸カリウム(15mg)、亜硫酸ナトリウム
(7mg)を30分間隔で4回添加した後、更に20時
間激しく撹拌した。室温に冷却後、濃塩酸(0.17m
l)を加えて2時間撹拌し、透析チューブに入れて、蒸
留水を5日間毎日交換しながら透析を繰り返した。この
チューブを常温、常圧下乾燥して、固形分10.5wt
%の重合体エマルジョンを得た。元素分析からこの重合
体のMMAユニットの含量は、98.5mol%であっ
た。
【0059】実施例9(EA−1) pH=2の塩酸水溶液60mlを60℃に昇温しながら
アルゴンガスを20分間バブリングした。アルゴン雰囲
気下、メタクリル酸メチル(以下、MMAと云う)
(2.00g、20mmol)、アクリル酸(以下、A
Aと云う)(0.24g、3mmol)、pースチレン
スルホン酸ナトリウム(以下、SSNaと云う)(0.
61g、2.5mmol)、過硫酸カリウム(以下、K
PSと云う)30mg、亜硫酸ナトリウム(以下、NH
Sと云う)10mgを添加し、60℃で2.5時間、激
しく撹はんし乳化剤を得た。(モノマー添加15分後に
青白色溶液となった。)これに、更に、MMA(1.0
0g、10mmol)、KPS(30mg)、NHS
(15mg)を添加した後、20分間隔でMMAを1g
ずつ3回添加した。KPS(30mg)、NHS(15
mg)を添加した後、全反応時間が24時間になるまで
撹はんした。室温に冷却し、濃塩酸(0.21ml)を
加えて更に2時間撹はんした後、透析チューブに入れて
蒸留水を毎日替えながら7日間透析を繰り返した。固形
分率が5.7wt%の重合体エマルジョンを得た。赤外
分光スペクトル(以下、IRと云う)にて、MMA、A
A及びスチレンスルホン酸(以下、SSAと云う)ユニ
ットを含むことを確認した。また、元素分析(以下、E
Aと云う)から、SSA及びAAのユニット含量は、そ
れぞれ7.2及び13.1mol%であった。
【0060】実施例10(EA−2) pH=2の塩酸水溶液70mlを60℃に昇温しながら
アルゴンガスを20分間バブリングした。アルゴン雰囲
気下、MMA(2.00g、20mmol)、AA(0.
24g、3.3mmol)、SSNa(0.29g、1.
2mmol)、KPS(30mg)、NHS(10m
g)を添加し、2.5時間激しく撹はんし乳化剤を得
た。(モノマー添加15分後に青白色溶液となった。)
これに、更に、MMA(1.00g、10mmol)、
KPS(30mg)、NHS(15mg)を添加した
後、20分間隔でMMAを1gずつ3回添加した。KP
S(30mg)、NHS(15mg)を添加した後、全
反応時間が24時間になるまで撹はんした。室温に冷却
し、濃塩酸(0.10ml)を加えて更に2時間撹はん
した後、透析チューブに入れて蒸留水を毎日替えながら
7日間透析を繰り返した。固形分率8.1wt%の重合
エマルジョンを得た。IRからMMA、SSA、AA
ユニットを含むことを確認した。また、EAから、SS
A及びAAのユニット含量は、それぞれ3.2及び27.
8mol%であった。
【0061】実施例11(EA−3) pH=2の塩酸水溶液70mlを60℃に昇温しながら
アルゴンガスを20分間バブリングした。アルゴン雰囲
気下、MMA(2.00g、20mmol)、AA(0.
24g、3.3mmol)、SSNa(0.17g、0.
7mmol)、KPS(30mg)、NHS(10m
g)を添加し、2.5時間激しく撹はんし乳化剤を得
た。(モノマー添加15分後に青白色溶液となった。)
これに、更に、MMA(1.00g、10mmol)、
KPS(30mg)、NHS(15mg)を添加した
後、20分間隔でMMAを1gずつ3回添加した。KP
S(30mg)、NHS(15mg)を添加した後、全
反応時間が24時間になるまで撹はんした。室温に冷却
し、濃塩酸(0.06ml)を加えて更に2時間撹はん
した後、透析チューブに入れて蒸留水を毎日替えながら
7日間透析を繰り返した。固形分率5.6wt%の重合
エマルジョンを得た。IRからMMA、SSA、及び
AAユニットを含むことを確認した。
【0062】実施例12(EP−1) 蒸留水70mlを60℃に昇温しながらアルゴンガスを
20分間バブリングした。アルゴン雰囲気下、MMA
(2.00g、20mmol)、PhosmerM(0.
71g、3.4mmol)、SSNa(0.63g、2.
6mmol)、KPS(30mg)、NHS(10m
g)を添加し、3時間激しく撹はんし乳化剤を得た。
(モノマー添加20分後に青白色溶液となった。)これ
に、更に、MMA(1.00g、10mmol)、KP
S(30mg)、NHS(10mg)を添加した後、2
0分間隔でMMAを1gずつ3回添加した。KPS(3
0mg)、NHS(10mg)を添加した後、全反応時
間が24時間になるまで撹はんした。室温に冷却し、濃
塩酸(0.22ml)を加えて更に2時間撹はんした
後、透析チューブに入れて蒸留水を毎日替えながら7日
間透析を繰り返した。固形分率7.1wt%の重合体
マルジョンを得た。IR及びX線光電子分析装置(島津
(株)製、以下、ESCAと云う)から、MMA、SS
A、Phosmer Mを含むことを確認した。また、
EAから、SSA及びPhosmer Mのユニット含
量は、それぞれ8.0及び16.1mol%であった。
【0063】実施例13(EP−2) 蒸留水70mlを60℃に昇温しながらアルゴンガスを
20分間バブリングした。アルゴン雰囲気下、MMA
(2.00g、20mmol)、PhosmerM(0.
74g、3.5mmol)、SSNa(0.30g、1.
2mmol)、KPS(30mg)、NHS(10m
g)を添加し、3時間激しく撹はんし乳化剤を得た。
(モノマー添加10分後に青白色溶液となった。)これ
に、更に、MMA(1g、10mmol)、KPS(3
0mg)、NHS(10mg)を添加した後、20分間
隔でMMAを1gずつ3回添加した。KPS(30m
g)、NHS(10mg)を添加した後、全反応時間が
24時間になるまで撹はんした。室温に冷却し、濃塩酸
(0.10ml)を加えて更に2時間撹はんした後、透
析チューブに入れて蒸留水を毎日替えながら7日間透析
を繰り返した。固形分率6.2wt%の重合体エマルジ
ョンを得た。IR及びESCAからMMA、SSA、P
hosmer Mを含むことを確認した。また、EAか
ら、SSA及びPhosmer Mのユニット含量は、
それぞれ、5.3及び2.7mol%であった。
【0064】実施例14(EP−3) 蒸留水70mlを60℃に昇温しながらアルゴンガスを
20分間バブリングした。アルゴン雰囲気下、MMA
(2.00g、20mmol)、PhosmerM(0.
65g、3.1mmol)、SSNa(0.17g、0.
7mmol)、KPS(30mg)、NHS(10m
g)を添加し、3時間激しく撹はんし乳化剤を得た。
(モノマー添加5分後に青白色となった。)これに、
に、MMA(1g、10mmol)、KPS(30m
g)、NHS(10mg)を添加した後、20分間隔で
MMAを1gずつ3回添加した。KPS(30mg)、
NHS(10mg)を添加した後、全反応時間が24時
間になるまで撹はんした。室温に冷却し、濃塩酸(0.
06ml)を加えて更に2時間撹はんした後、透析チュ
ーブに入れて蒸留水を毎日替えながら7日間透析を繰り
返した。固形分率6.5wt%の重合体エマルジョンを
得た。IR及びESCAからMMA、SSA、Phos
mer Mを含むことを確認した。また、EAからSS
A及びPhosmer Mのユニット含量は、それぞ
れ、2.5及び7.7mol%であった。
【0065】比較例1 実施例1のモノマーを一括添加した。即ち、蒸留水25
mlを60℃に昇温し、窒素ガスを1時間バブリングし
た。窒素雰囲気下、MMA(5.0g)、SSNa(1.
37g)、過硫酸カリウム(100mg)、亜硫酸ナト
リウム(30mg)を一括添加したところ、凝集物が多
量に生成し、エマルジョンを得ることができなかった。
【0066】比較例2 実施例9のAAをアクリル酸ナトリウム(以下、ANa
と云う)に代えて乳化重合した。即ち、 蒸留水60m
lを60℃に昇温しながらアルゴンガスを20分間バブ
リングした。アルゴン雰囲気下、MMA(2.00g、
20mmol)、ANa(0.28g、3mmol)、
SSNa(0.61g、2.5mmol)、KPS(30
mg)、NHS(10mg)を添加し、60℃で激しく
攪はんした。20分後、凝集物が多量に生成し、エマル
ジョンを得ることができなかった。
【0067】比較例3 実施例9の乳化重合を蒸留水中でおこなった。即ち、蒸
留水60mlを60℃に昇温しながらアルゴンガスを2
0分間バブリングした。アルゴン雰囲気下、MMA
(2.00g、20mmol)、AA(0.24g、3m
mol)、SSNa(0.61g、2.5mmol)、K
PS(30mg)、NHS(10mg)を添加し、60
℃で激しく攪はんした。15分後、凝集物が多量に認め
られたので反応を中止した。
【0068】比較例4(EMMA) 蒸留水50mlを60℃に昇温しながらアルゴンガスを
20分間バブリングした。ラウリル硫酸ナトリウム(2
50mg)を添加して十分攪はんした後、MMA(10
g、0.1mol)、KPS(100mg)、NHS
(10mg)を添加し、5時間重合した。室温に冷却し
た後、透析チューブに入れて蒸留水を毎日替えながら7
日間透析を繰り返した。固形分率が15.7wt%のエ
マルジョンを得た。
【0069】実施例15〜24 新鮮牛抜去歯を水中下で耐水エメリー紙(#180)で
研削し、エナメル質、または象牙質を露出させた。穴の
あいた直径5.4mmのマスキングテープで被着面を規
定し、実施例1〜8の乳化重合体エマルジョン(E1〜
E8)を固形分率が5wt%に調製した後、被着面に3μ
l塗布した。1分間放置後、圧搾空気を軽くブローし
て、フィルムを形成させた。この被着面に歯科用の筆で
軽くMMAを2回塗った後、トリ−n−ブチルボラン
(TBB)を重合触媒とするMMA−TBBレジン
(X)で直径6mmのアクリルロッドを植立し、1時間
室温放置して硬化させた。37℃の水中に24時間浸漬
後、オートグラフ(島津製作所製)を用いて、クロスヘ
ッドスピード2mm/minで引張試験し接着強さを測
定した。
【0070】また、フィルム形成後、BPO−p−トル
イジンを触媒とする即時重合レジン(Y)(メタファー
スト、サンメディカル(株)製)を用いて同様の手順で
接着強さを測定した。
【0071】更に、フィルム形成後、d,l−カンファ
ーキノン(0.5wt%)、ジエチルアミノ安息香酸
(0.5wt%)、トリエチレングリコールジメタクリレ
ート(99.0wt%)の組成から成るボンディング剤
(Z)を10μl塗布し、可視光線照射器(Trans
lux、Kulzer社製)で20秒間照射した後、内
経6mm、高さ1mmのアクリルリングをのせ、その内
にホトブライトUS(クラレ社製)を充填し更に1分間
光照射した。メタファーストでアクリルロットを植立し
た後、同様の手順で接着強さを測定した。結果を表1に
示した。
【0072】
【表1】
【0073】実施例25〜30 上記記載と同様な方法で、実施例(EA−1〜EA−3
及びEP−1〜EP−3)のエマルジョンを固形分率5
wt%に調製し、(X)MMA/TBBレジンを用いて
エナメル質への接着力を測定した。結果を表2に示し
た。
【0074】
【表2】
【0075】比較例5〜8 新鮮牛抜去歯を注水下で耐水エメリー紙で600#まで
研削した。この表面に直径5.4mmの穴の空いた両面
テープを貼って面積を規定し、更に、内径6mm、高さ
1mmのアクリルリングをのせて、この内に市販の高分
子型セメントを塗布して硬化させた、さらにMMA−T
BBレジンを充填し同様の手順で接着強さを測定した。
高分子型セメントとしては、ハイボンドグラスアイオノ
マー(HYG、松風社製)。ケタックセメント(KC、
ESPE社製)を用い、メーカー指定の方法で調製し
た。結果を表3に示した。
【0076】比較例9〜10 特開昭60−171,024号公報で提案したMMAと
p−スチレンスルホン酸共重合体、即ち、MMAとSS
Naを水/エタノール系溶媒中で反応させた後、後処理
し、得られた線状型MMA−p−スチレンスルホン酸ポ
リマーを使用して引張試験した。MMA含量が70mo
l%(MS−7)及び90mol%(MS−9)の共重
合体2種類を選択し上記記載と同様な方法で、本発明エ
マルジョンと(X)MMA−TBBレジンを用いた接着
力を比較した。結果を表3に示した。
【0077】
【表3】
【0078】実施例31 0.05wt%濃度のラテックス(E−7)をエナメル
質、象牙質に塗布し、1分間放置後、エアーにて乾燥し
た。30秒間水洗した後、乾燥して、走査型電子顕微鏡
(JMS−5400、JEOL)で加速電圧30KVに
て観察した。表面にフィルムの残留が観察でき、水洗し
てもフィルムと被着体とが接着しているため脱落しない
ことが認められた。この場合の接着力はエナメル質に対
してMMA−TBBをボンデング剤にすると2.0MP
aであった。
【0079】比較例11 実施例19と同条件でガラスを被着面として観察したと
ころ、フィルムの残留は観察されず、水洗により完全に
脱落することが認められた。
【0080】実施例32〜37 直径3mmの合成ハイドロキシアパタイト(ペンタック
ス(株)製、以下、HAPと云う)表面を十分に洗浄し
た。実施例(EA−1〜EA−3、及びEP−1〜EP
−3)のエマルジョンを固形分率5wt%に調製した
後、1μlをHAP表面に塗布した。1分間放置した
後、圧搾空気で軽くブローし、フィルムを形成させた。
1分間水洗後、乾燥し、フィルムの残存度を島津X線光
電子分析装置 ESCA500形にて、ラテックス塗布
前、及び造膜後水洗操作を施した時のC/Caの比を調
べることにより評価した。結果を表4に示した。
【0081】比較例12 実施例32と同様にして、比較例4(EMMA)につい
て、C1値を算出した。結果を表4に示した。
【0082】
【表4】
【0083】実施例38〜43 注水下、新鮮抜去牛歯を耐水エメリー紙(#180)で
研削し、象牙質を露出させた。実施例(EA−1〜EA
−3、及びEP−1〜EP−3)のエマルジョンを固形
分率5wt%に調製した後、被着面に1μl塗布し、1
分間放置した。圧搾空気で軽くブローしてフィルムを形
成させた。1分間水洗した後、乾燥させ走査型電子顕微
JMS−5400,JEOL(株))で加速電圧10
KVにて観察した。全ての系においてフィルムの残存が
観察され、水洗によるフィルムの脱落は認められなかっ
た。
【0084】実施例44 5wt%に調製したE−1エマルジョンをボランティア
17名の知覚過敏症患者の了解を得た上で塗布した。す
なわち、患部を清掃後、エマルジョンを綿球で塗布し、
1分間放置後エアーで乾燥した。17名中15名に効果
が認められ、6カ月後においても再発は認められなかっ
た。
【0085】
【発明の効果】本発明の乳化重合体エマルジョンは、ス
ルホン酸基及び(メタ)アクリル酸エステルの繰り返し
単位を含んだ共重合体のエマルジョン、またはスルホン
酸基、(メタ)アクリル酸エステル及びカルボキシル基
あるいは燐酸エステル基の繰り返し単位を含んだ共重合
体のエマルジョンであるため、スルホン酸基と反応し得
る多価カチオンを含有する被着体に対して、接着性を示
すフィルムを形成することが可能である。更に、ラジカ
ル重合可能なアクリル系レジンに対して優れた親和性を
示すものである。形成したフィルムはスルホン酸基と反
応し得る被着体と強固に接着しているため、水洗操作を
施しても脱落しない。この膜は歯質保護膜、特に象牙質
知覚過敏症に対して有用であり、実施例45のように9
0%以上のボランティアの患者に対して効果が認めら
れ、良好な臨床結果が得られている。また、本発明の重
合体エマルジョンを使用してハイドロキシアパタイト構
造体と、修復材料との接着を試みたところ、市販の材料
(比較例5〜8)、及び線状型(メタ)アクリル酸エス
テルとp−スチレンスルホン酸共重合体の水洗操作を施
さない時(比較例9〜10)の接着強さが0〜0.3M
Pa程度の接着力であるのに対して、本発明の乳化重合
体エマルジョンでは、最高8.2MPaにも及び良好な
接着強さが得られた。本発明の重合体エマルジョンを用
いることにより、操作性が簡単で、より確実に象牙質知
覚過敏症の治療及びハイドロキシアパタイト構造体の修
復操作が可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 57/06 C08L 57/06 C09J 133/06 C09J 133/06 (56)参考文献 特開 昭57−108113(JP,A) 特開 昭57−30703(JP,A) 特開 昭56−161828(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 33/06 - 33/12 A61K 6/00 C08F 2/22 - 2/30 C08L 25/18 C08L 57/06 C08F 20/10 - 20/18 WPI(DIALOG)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリル酸エステルから誘導さ
    れる繰り返し単位、および基−SO3R(ここでRは水
    素原子、アルカリ金属原子またはアンモニウムイオンを
    示す)を有するビニル化合物から誘導される繰り返し単
    位からなりそして(メタ)アクリル酸エステル対基−S
    3R(Rの定義は上記に同じである)を有するビニル
    化合物のモル比が99:1〜50:50である混合物か
    ら誘導された乳化重合体を乳化剤として、該乳化剤対
    (メタ)アクリル酸エステルの重量比が1:99〜8
    0:20で(メタ)アクリル酸エステルを乳化重合して
    得られる重合体エマルジョンを、極性媒体中に固形分と
    して0.5〜15重量%含有することを特徴とする歯科
    用接着性組成物。
  2. 【請求項2】 乳化剤としての乳化重合体が(メタ)ア
    クリル酸エステルから誘導される繰り返し単位が下記式
    (A) 【化1】 ここで、R1は水素原子もしくはメチル基であり、そし
    てR2は炭素数1〜5のアルキル基である、 で表される繰り返し単位でありそして基−SO3R(R
    の定義は上記に同じである)を有するビニル化合物から
    誘導される繰り返し単位が下記式(B) 【化2】 ここで、R3は水素原子もしくは炭素数1〜5のアルキ
    ル基であり、そしてRは水素原子、アルカリ金属原子お
    よびアンモニウムイオンよりなる群から選ばれる、 で表される繰り返し単位である請求項1記載の歯科用接
    着性組成物。
  3. 【請求項3】 極性媒体が水、エタノールおよびこれら
    の混合物よりなる群から選ばれる請求項1または2記載
    の歯科用接着性組成物。
  4. 【請求項4】 抗象牙質知覚過敏症のための請求項1〜
    3のいずれかに記載の歯科用接着性組成物。
  5. 【請求項5】 低分子酸をさらに含有する請求項4に記
    載の歯科用接着性組成物。
  6. 【請求項6】 低分子酸がクエン酸、しゅう酸、マレイ
    ン酸およびEDTAよりなる群から選ばれる少なくとも
    1種の化合物である請求項5記載の歯科用接着性組成
    物。
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