JP3422046B2 - Bocアミノ酸類の製造方法 - Google Patents

Bocアミノ酸類の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、Boc(t−ut
xy arbonyl)アミノ酸類の製造方法に関す
るものである。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】一般
(式中、nは0〜4の整数を示し、Rは水素原子、アル
キル基、アルケニル基、シクロアルキル基、置換もしく
は無置換のアリ−ル基又は置換もしくは無置換のアラル
キル基を示す。)で示されるBocアミノ酸類は、シス
テインのような−SH基を有するアミノ酸を用いて医
薬、農薬を製造する際の中間体として非常に有用な化合
物であり、その製造方法としては、溶媒中塩基性条件
下、一般式 (式中、n及びRは前記と同じ意味を示す。)で示され
る−SH基を有するアミノ酸類にt−butoxy c
arbonyl化剤(以下、Boc化剤)を反応させる
方法が知られている(特開昭62−161775号公報
等)。 【0003】しかしながら、このような方法でBocア
ミノ酸類を製造した場合、下記一般式で示されるジスル
フィド化合物が副生してしまい、医薬、農薬を製造する
場合に問題となってしまう。このため、ジスルフィド化
合物の副生が抑制されたN−Bocアミノ酸類の製造方
法の開発が望まれる。 (Boc:t−butoxy carbonyl基) 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため検討を行った結果、溶媒中の溶存酸素量
の制御及び/又は特定の化合物の添加により、工業的容
易にジスルフィド化合物の副生を抑制できることを見い
だし、本発明に到達した。 【0005】即ち本発明は、一般式(1) (式中、nは0〜4の整数を示し、Rは水素原子、アル
キル基、アルケニル基、シクロアルキル基、置換もしく
は無置換のアリ−ル基又は置換もしくは無置換のアラル
キル基を示す。)で示されるアミノ酸類を、溶媒中塩基
性条件下でBoc化剤と反応させて、一般式(2)(式中、n及びRは前記と同じ意味を示す。)で示され
るBocアミノ酸類を製造するにあたり、チオアセトア
ミドの存在下、溶媒中の溶存酸素量を5ppm以下に保
持しながら、反応させることを特徴とするBocアミノ
酸類の製造方法を提供するものである。 【0006】以下本発明を詳述する。本発明の原料化合
物としては、一般式 (式中、nは0〜4の整数を示し、Rは水素原子、アル
キル基、アルケニル基、シクロアルキル基、置換もしく
は無置換のアリ−ル基又は置換もしくは無置換のアラル
キル基を示す。)で示されるアミノ酸類が用いられる。
アルキル基としては、例えばメチル基、プロピル基、ヘ
キシル基等の炭素数1〜6のアルキル基を、アルケニル
基としては、例えばビニル基、アリル基、ブテニル基等
の炭素数2〜6のアルケニル基を、シクロアルキル基と
しては、例えばシクロペンチル基、シクロオクチル基等
の炭素数3〜8のシクロアルキル基を、置換もしくは無
置換のアリ−ル基としては、例えばフェニル基、ナフチ
ル基等の炭素数6〜15のアリ−ル基を、置換もしくは
無置換のアラルキル基としては、例えばベンジル基、ナ
フチルメチル基等の炭素数7〜15のアラルキル基を例
示することができ、これらの置換基としてはハライド
基、ニトロ基、メチル基、メトキシ基等を例示すること
ができる。そして、このような原料アミノ酸類としては
システインエチルエステルを挙げることができ、これら
は通常のアミノ酸類をエステル化することにより容易に
製造することができる。 【0007】Boc化剤としては、公知のBoc化剤を
用いることができる。例えばジ−t−ブチルジカルボネ
−ト((Boc)2 O)、t−ブチルアジドホルメ−ト
(Boc−N3 ),2−t−ブトキシカルボニルオキシ
イミノ−2−フェニルアセトニトリル(Boc−O
N)、S−t−ブトキシカルボニル−4、6−ジメチル
−2−メルカプトピリミジン(Boc−SDP)、〔P
−(t−ブトキシカルボニルオキシ)フェニル〕ジメチ
ルスルホニウムメタンスルホン酸塩(Boc−ODS
P)などが挙げられ、中でもジ−t−ブチルジカルボネ
−ト((Boc)2 O)が好ましい。 【0008】Boc化剤のモル比は、原料アミノ酸類の
アミノ基1当量あたり0.5モル〜3.0モルの範囲で
あり、好ましくは0.8モル〜1.3モルの範囲であ
る。 【0009】反応は溶媒中で行われる。溶媒としては、
通常Boc化反応に使用される不活性な溶媒を用いるこ
とができる。具体的には、水、エタノ−ル、メタノ−
ル、プロパノ−ル、アセトン、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン、ジメトキシエタン、ジメチルスルホキシド、
ヘキサメチルリン酸トリアミド等の単独もしくは混合溶
媒を挙げることができる。 【0010】反応に使用される塩基としては、無機塩基
又は有機塩基を用いることができる。無機塩基としては
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸水素カリウム等を、有機塩基としては、トリエチル
アミン、トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジア
ミン、ピリジン等を挙げることができる。塩基の使用量
はアミノ酸類1モルに対し、通常0.05モル〜10モ
ルの範囲であり、好ましくは0.9モル〜6.0モルの
範囲である。 【0011】反応は、溶媒中の溶存酸素量を5ppm以
下に保持しながら及び/又はアミド構造、チオアミド構
造、イミンチオ−ル構造及び/又はイミンアルコ−ル構
造を分子内に有する化合物の存在下に行われる。 【0012】溶媒中の溶存酸素量は5ppm以下とする
方法には、特に制限はない。例えば、反応系を攪拌しな
がら窒素やアルゴン等の不活性ガスを溶媒中に流入(フ
ロ−、バブル等)させる方法を用いることができる。そ
して、溶媒中の溶存酸素量を3.5ppm以下に制御す
るのが好ましい。 【0013】アミド構造、チオアミド構造、イミンチオ
−ル構造及び/又はイミンアルコ−ル構造を分子内に有
する化合物としては、例えば、尿素、チオ尿素、チオイ
ソニコチンアミド、N−メチルチオ尿素、N−アセチル
チオ尿素、ニコチン酸アミド、ニコトン酸チオアミド、
2−メルカプトベンゾチアゾ−ル、チオアセトアミド等
の炭素数1〜10の(チオ)アミド化合物を挙げること
ができ、中でもチオイソニコチンアミドやチオアセトア
ミドを好適に用いることができる。アミド構造、チオア
ミド構造、イミンチオ−ル構造及び/又はイミンアルコ
−ル構造を分子内に有する化合物の使用量は、通常原料
アミノ酸類1モルに対して、0.001モル%〜6.0
00モル%であり、好ましくは0.01モル%〜5.0
0モル%の範囲である。 【0014】反応温度は通常−30℃〜60℃の範囲で
あり、好ましくは−20℃〜40℃の範囲である。後処
理は通常用いられている方法により行うことができ、不
活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。そして、アミ
ド構造、チオアミド構造、イミンチオ−ル構造及び/又
はイミンアルコ−ル構造を分子内に有する化合物は、例
えば抽出の際水洗により除去することができる。 【0015】溶媒中の溶存酸素量を5ppm以下に保持
しながら反応を行うか又はアミド構造、チオアミド構
造、イミンチオ−ル構造及び/又はイミンアルコ−ル構
造を分子内に有する化合物の存在下反応を行うことによ
り、ジスルフィド化合物の生成を抑制することができる
が、アミド構造、チオアミド構造、イミンチオ−ル構造
及び/又はイミンアルコ−ル構造を分子内に有する化合
物の存在下、溶媒中の溶存酸素量を5ppm以下に保持
しながら反応を行うことにより、ジスルフィド化合物の
副生をより効果的に抑制することができる。また、本発
明を実施するにあたり、アミノ酸類の塩、例えば塩酸塩
や硫酸塩等を用いることは何ら差し支えない。 【0016】 【発明の効果】本発明によれば、工業的に容易に、Bo
cアミノ酸類を製造する際のジスルフィド化合物の副生
を抑制することができる。 【0017】 【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。 【0018】実施例1 窒素雰囲気中で以下の実験を行った。システイン55g
(塩酸塩1水和物(分子量175.66)、0.313
モル)を溶媒(テトラヒドロフラン330gと水220
gの混合溶媒)に溶解し、これにジ−t−ブチルジカル
ボネ−ト80g(0.366モル)を添加した。攪拌し
ながら窒素バブリングを行うことにより、7.16pp
mであった混合溶媒中の溶存酸素量を5ppm〜3.5
ppmの範囲に制御し、溶存酸素量をこの範囲に保持し
ながら、チオアセトアミド23.5mg(0.313ミ
リモル)及び炭酸水素ナトリウム79g(0.94モ
ル)を添加し、攪拌下室温で5時間反応を行った。反応
終了後、氷と酢酸エチル加え、攪拌しながら濃塩酸にて
pHを2.9に調整した。酢酸エチル層を分離し、分離
した酢酸エチル層を塩化ナトリウム水で洗浄し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥し、硫酸マグネシウムをろ別した
後、酢酸エチル層を濃縮した。Bocシステイン(分子
量:221.16)及びBocシスチン(ジスルフィド
体、分子量:440.32)の分析結果を表1に示す。 【0019】比較例1 窒素バブリングを行なわず、チオアセトアミドを添加し
ない以外は、実施例1と同様に実験を行った。結果を表
1に示す。 【0020】実施例2 窒素バブリングを行わない以外は、実施例1と同様に実
験を行った。結果を表1に示す。 【0021】実施例3 チオアセトアミドを添加せず、溶存酸素量を3.5pp
m以下に制御した以外は、実施例1と同様の実験を行っ
た。結果を表1に示す。 【0022】 表1 溶存酸素 チオアセト N-Boc システイン Boc シスチン 量 アミドの 収量 収率 収量 収率 (ppm) 添加 (g(%) (g) (%) 実施例1 5.0〜3.5 有 65.8 95.0 〔検出限界以下*〕 比較例1 7.16 無 60.7 87.7 1.92 2.8 実施例2 7.16 有 62.1 89.7 1.79 1.3 実施例3 3.5 以下 無 66.1 95.5 〔検出限界以下*〕 (*:Boc シスチンの分析はLC分析を用いて行った。) *
フロントページの続き (72)発明者 南井 正好 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友 化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−161775(JP,A) 特開 昭64−68352(JP,A) 特開 昭49−5902(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 323/59 C07C 319/12 C07B 51/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】一般式(1) (式中、nは0〜4の整数を示し、Rは水素原子、アル
    キル基、アルケニル基、シクロアルキル基、置換もしく
    は無置換のアリ−ル基又は置換もしくは無置換のアラル
    キル基を示す。)で示されるアミノ酸類を、溶媒中塩基
    性条件下でBoc化剤と反応させて、一般式(2)(式中、n及びRは前記と同じ意味を示す。)で示され
    るBocアミノ酸類を製造するにあたり、チオアセトア
    ミドの存在下、溶媒中の溶存酸素量を5ppm以下に保
    持しながら、反応させることを特徴とするBocアミノ
    酸類の製造方法。
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