JP3421595B2 - ドライフィルムフォトレジスト - Google Patents

ドライフィルムフォトレジスト

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JP3421595B2
JP3421595B2 JP31492998A JP31492998A JP3421595B2 JP 3421595 B2 JP3421595 B2 JP 3421595B2 JP 31492998 A JP31492998 A JP 31492998A JP 31492998 A JP31492998 A JP 31492998A JP 3421595 B2 JP3421595 B2 JP 3421595B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はドライフィルムフォ
トレジストに係るもので、詳しくは印刷回路基板(Print
ed Circuit Board、以下PCBという)、リードフレーム
(lead frame)及びBGA(Ball Grid Array)などの製作
に用いられるドライフィルムフォトレジストにおいて、
保護フィルム(cover film)として所定の表面特性を満
足するテレフタル酸ポリエチレンフィルムを用いること
によって高解像が要求される製品の不良率を最小化し得
るドライフィルムフォトレジストに関する。
【0002】
【従来の技術】ドライフィルムフォトレジスト(dry fi
lm photoresist)、即ち感光性フィルムは1968年米国デ
ュポン社により'RISTON'という商標名で開発されてから
現在に至るまで、電気・電子産業、特に印刷回路基板な
どの加工の際に重要な材料として用いられている。
【0003】印刷回路基板はコンピューター、電子通信
機器などの産業用電子機器は勿論のこと、家庭用電子機
器の部品においても部品回路接続のベースに使われるも
のであって、フィルムフォトレジストはこの印刷回路基
板を製作する際の画期的な加工技術材料として用いられ
ている。
【0004】印刷回路基板上の回路形成に用いられるフ
ォトレジスト材料としては全体の50%ほどのものが感光
性スクリーン印刷インクを用いているが、高密度と高信
頼度が要求される両面板及び多層板の印刷回路基板を製
作するときは、必ずドライフィルムフォトレジストが用
いられている。
【0005】このようなドライフィルムフォトレジスト
は支持体フィルム(base film)、感光性高分子層(photo
sensitive layer)及び保護フィルム(cover film)の3
層から構成される。
【0006】一般的に、支持体フィルムはテレフタル酸
ポリエチレンのようなポリエステルフィルムを用い、そ
の厚さは15-25μmほどである。
【0007】このようなポリエステル支持体フィルムは
ドライフィルムフォトレジストを製造する最中に支持体
として用いられ、保護フィルムは塵と取扱時のレジスト
の損傷を防止する保護蓋の役割をする。
【0008】そして、感光性高分子層はポリエステルの
支持体フィルム上に塗布され、塗布の厚さは使用目的に
適合するように、15-100μmの厚さを備えている。感光
性高分子層はドライフィルムフォトレジストに要求され
る機械的・化学的性質や加工条件等に従って、様々な組
成を有する。
【0009】具体的には、感光性高分子層は、光により
光重合する多官能性単量体、光重合が起こされるように
光によりラジカルを誘導する光開始剤(photoinitiato
r)、光重合組成物の機械的強度とテンティング性並びに
接着性を付与する高分子結合体(binder polymer)、そ
して染料、安定剤(stabilizer)、接着増進剤(adhesionp
romoter)又は熱重合禁止剤(inhibitor)などのような添
加剤からなる。これら成分を適当な溶媒で溶解させ、ポ
リエステル支持体フィルムに塗布した後乾燥させる。
【0010】このような感光性高分子は液状それ自体と
しても使用できるし、作業性及び汚染の防止のために光
硬化組成物からなる感光層を光透過性ポリエステルフィ
ルムと保護フィルム間に積層して使用することもでき
る。
【0011】各組成物を具体的に説明すると、多官能性
単量体は開始剤により光重合された後の工程で、現象液
(developing solution)に対して耐性を有し、剥離液(s
tripping solution)では除去される性質を有する。
【0012】通常、多官能性単量体としては、α,β-エ
チレン性不飽和結合を少なくとも1個以上有する化合物
を用いる。又、光重合からみると分子中に2個以上のア
クリロイル基或いはメタクリロイル基を有する化合物が
多官能性単量体として好ましい。その例としては、例え
ば、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレング
リコールジアクリレート、トリエチレングリコールジア
クリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、
プロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレング
リコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジ
アクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,
5-ペンタンジオールジアクリレート又は1,6-ヘキサンジ
オールジアクリレートなどのようなグリコールジアクリ
レート誘導体;N,N'-メチレンビスアクリルアミド又は
N,N'-ベンジリデンビスアクリルアミドなどのようなビ
スフェノールAのエチレン或いはプロピレンオキシド付
加物;及び、グリセリントリアクリレート、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタン
トリアクリレート、ペンタエリスリトールアクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラアクリレート又はジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレートなどのように、
3個以上のアクリル酸を有する化合物又は前記アクリル
酸に対応するメタクリル酸化合物がある。
【0013】光開始剤は紫外線により電子の励起(excit
ation)を伴って自体がラジカルを生成するか、または他
の化合物がラジカルを生成するように誘導して多官能性
単量体が重合されるようにする。光開始剤の種類と含量
に基づいて、組成物の光硬化速度が大きく左右される。
具体的な例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエ
ーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプ
ロピルエーテル又はベンジル;ベンゾフェノン、4,4'-
ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、クロロベンゾ
フェノン、4,4'-ジメチルアミノベンゾフェノン又は4,
4'-ジクロロベンゾフェノンなどのアルキルベンゾフェ
ノン類;2-エチルアントラキノン又は2-t-ブチルアント
ラキノンなどのようなアントラキノン類;及び、4-(ジ
アルキルアミノ)安息香酸アルキルエステル又は2,4,5-
トリアリールイミダゾールダイマーとこれらの誘導体も
しくはロビンダイマー(lobin dimer)、又はロイコトリ
フェニルメタン染料、トリアリールメタンロイコ染料、
もしくは、染料とロビンダイマーを含む組成物のような
染料が挙げられる。
【0014】一方、高分子結合材としては有機高分子、
例えばアクリル系ポリマー、スチレン系ポリマー、ポリ
酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩
化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、
塩素化ポリプロピレン、塩化ビニリデン系ポリマー、ポ
リエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルア
セタール、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂、酢酸セルロース、セルロイド(硝化綿)、スチレ
ン-ブチレン共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重
合体、塩素化されたゴムもしくは無水マレイン酸のビニ
ル共重合体、及び、芳香族スルホンアミドホルムアルデ
ヒド樹脂などが使用できる。
【0015】添加剤としては染料、安定剤、接着促進剤
及び熱重合禁止剤などがある。
【0016】染料としてはロイコ系の染料が主に用いら
れ、メチルバイオレット、マラカイトグリーン、クリス
タルバイオレットなどを用いることができるが、それら
以外にも目的によって選択して添加することができる。
【0017】ドライフィルムフォトレジストを構成する
保護フィルムとしては、一般に厚さ20〜30μmほどのポ
リオレフィンフィルムが用いられるが、前記ポリオレフ
ィンフィルムは粘着性を有する感光層が互いに接着せず
にコアに巻かれるようにするために、ドライフィルムフ
ォトレジストの製造・運送保管などにおいて重要な役割
を果たすものである。
【0018】このような構造のドライフィルムフォトレ
ジストを使用するときは、保護フィルムを取り外し、銅
積層板上にラミネーション(lamination)した後、紫外線
(UV)を照射して露光(exposing)し、現像過程(developin
g)を経て画像を形成する。
【0019】言い換えれば、ドライフィルムフォトレジ
スト組成物を金属表面などに塗布及びラミネーションに
より積層し、紫外線を照射して露光すると、露光部は硬
化し、未露光部は適当な溶剤により除去されて、所望の
画像が形成される。
【0020】ここで、前記溶剤は大きく水溶性と非水溶
性に分けられる。非水溶性溶剤は作業環境と環境汚染、
そして製造単価の面で不利であるため、水溶性溶剤で現
像する光硬化組成物が増加しつつある。
【0021】前記ドライフィルムフォトレジスト組成物
で製造されたアルカリ現像性感光性レジストは、ドライ
フィルムフォトレジストから保護フィルム層を取り外
し、銅板にラミネーションし、フォトマスクフィルムな
どを用いて紫外線露光を行った後、任意の濃度及び温度
のアルカリ水溶液を用いて未露光部位を除去してフォト
レジスト像を形成する。
【0022】アルカリ水溶液を用い、未露光部位を除去
してフォトレジスト像を形成させる過程を現像という。
現像時に未露光部位の感光層が、25〜35℃の温度範囲
で、0.5〜1.5重量%炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム水
溶液に溶解されて画像が形成される。
【0023】印刷回路基板の製作工法は、メッキ工法と
テンティング工法とに分けられる。メッキ工法によれ
ば、メッキ液及び種々の添加剤により基板上にメッキが
行われる際に、ドライフィルムフォトレジストが浸食に
より剥がれないような耐メッキ性が必要とされる。これ
に対し、テンティング工法では、ドライフィルムフォト
レジスト膜自体の弾性が必要とされる。
【0024】一方、ドライフィルムフォトレジストは、
基板の上下面に伝導性を付与する任意の大きさの孔をエ
ッチング液から保護するために当該孔を覆うレジストと
して作用する。
【0025】このとき、25〜35℃の温度で0.5〜1.5重量
%の炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム水溶液で噴射方式
により現像される現像条件と、45〜55℃のFeCl、FeCl
、CuCl、CuCl及び過硫酸アンモニアなどのエッチ
ング液が噴射されるエッチング条件に対し、基板上の孔
を塞いでいるドライフィルムの外部応力に対応する充分
な弾性が求められる。
【0026】ところが、従来のアルカリ現像性感光性フ
ィルムは保護フィルムとしてポリエチレンのようなポリ
オレフィンフィルムを用いている。
【0027】ポリエチレンフィルムは柔軟性、耐薬品性
及び離型性がよく、感光性樹脂組成物の保護フィルムと
して使用する場合には除去が容易である。また、テレフ
タル酸ポリエチレンとの摩擦係数が大きく、製品の巻き
取り時にテレスコープ(Telescope:製品形態が原状態を
維持せずに変形される現象)が少ない。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリエチレン
は重合時に高分子量ゲル(gel)が生成され、このためフ
ィルムに成膜した後も魚眼のような微細な突起、即ちフ
ィッシュアイ(fisheye)ができる。
【0029】前記フィッシュアイは延伸したポリエチレ
ンフィルムにおいて1mm以上の大きさを有する大きなも
のができる場合もあり、0.3mm以上の大きさのものが1
当たり500〜50,000個ほど生成され、0.3mm以下のも
のは数えきれないほど多く生成される。
【0030】このようなフィッシュアイは、感光性高分
子層に転写されてラミネーションするときに空気混入を
誘発する。特に、感光性レジストの厚さが薄くなるほど
フィッシュアイによる影響が大きく、不良を誘発する確
率が増加する。
【0031】図1は保護フィルムのフィッシュアイによ
り発生する空気混入を概略的に説明している。
【0032】フィッシュアイ20が形成されたポリエチレ
ンフィルム13をエポキシ樹脂32と銅板31からなる銅積層
板にラミネーションする場合、感光性高分子層12に転写
されたフィッシュアイ20により銅板31との積層面に空気
混入が発生する。
【0033】フィッシュアイの幅と高さに従って空気混
入の大きさが変化し、感光性レジストの厚さが薄くなる
ほど影響を多く受ける。
【0034】空気混入は前記保護フィルムの影響の他に
も、種々の要因により発生する。基板に存在する溝及び
深い傷跡などの基板に起因する要因、感光性レジストの
異物による押さえ跡の存在、ラミネートロールの傷とス
クラッチによる要因がある。
【0035】図1のように発生した空気混入の全てが不
良を惹起させるわけではないが、状況に従って不良を惹
起する。空気混入部分が露光と未露光の境界に位置した
場合には、内層工程では回路縮小、ひいては回路欠損を
起こし、メッキ工程では回路拡大、ひいては回路ショー
トを引き起こす。
【0036】本発明は、前記のような従来のドライフィ
ルムフォトレジスト製造に際して、保護フィルムとして
用いられるポリオレフィンフィルムの表面特性が劣悪に
なることによりラミネーションの際に空気混入が起こ
り、結果的に印刷回路基板製造の際に不良を誘発する問
題点を解決するためのものであって、表面平滑性が優
れ、粗大突起の少ないテレフタル酸ポリエチレンフィル
ムを保護フィルムとして使用することによりレジストの
物性には影響を与えずに、高解像が要求される印刷回路
基板の製造などの後に続く工程において発生する不良を
最小化し得るドライフィルムフォトレジストを提供する
ことを目的とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】前記のような目的を達成
するために、本発明に係るドライフィルムフォトレジス
トは保護フィルム、感光性高分子層及び支持体フィルム
を順次積層して製造されたドライフィルムフォトレジス
トにおいて、前記保護フィルムは下記式で表示される表
面特性を満足させるテレフタル酸ポリエチレン二軸延伸
フィルムであることを特徴とする。
【0038】
【数3】3.0nm≦SRa≦50nm, 50nm≦Spv≦500nm, 300個≦サミット密度≦20,000個
【0039】前記式でSRaは非接触式3次元表面粗度計
で測定した中心線の平均粗さで、Spvはピーク(peak)か
らバレー(valley)までの高さの差で、サミット密度(Sum
mit Density)は単位面積(1mm)当たりのサミット
(サミットとは、あるポイント(1ポイントは2μm×2μ
m)における高さが、その四囲のポイントにおける高さよ
りも1nm以上高い場所のことをいう)の数を示す。
【0040】なお、上記SRa、Spv、及びサミット密度
は、WAKO社製の測定装置TOPO-3D(モデル名)
により測定したものである。また、サミット密度の概念
を詳しく説明すると、次のようになる。即ち、図5
(A)に示されるように、まず、中心ピクセルAとそれ
に隣接する四囲にあるピクセルB、C、D及びEとを想
定する。こられのピクセルA、B、C、D及びEの大き
さは、それぞれ1ポイント(2μm×2μm)であって、本
発明では、中心ピクセルAの部分の高さとその四囲にあ
る4個のピクセルB、C、D及びEの高さとを、それぞ
れ互いに比較するのである。そして、観測の対象となる
この部分が全くの平面である場合には中心ピクセルAの
部分の高さとその四囲にある4個のピクセルの高さの差
は存在しないが、凹凸がある場合には高低差が生じるこ
とになる。
【0041】ここで、本発明においては、中心ピクセル
Aの部分の高さが、その四囲にある4個のピクセルB、
C、D及びEの高さよりも1nm以上高かった場合に
は、当該ピクセルAの部分をサミットとみなし、サミッ
ト密度の測定の際にサミットとしてカウントすることに
なる(そして、単位面積当たり(1mm)のサミット数
がサミット密度になる)。より具体的には、例えば図5
(B)に示されるように、ピクセルA=12nm、ピク
セルB=9nm、ピクセルC=5nm、ピクセルD=1
0nm、ピクセルE=7nmである場合には、中心ピク
セルAの部分の高さが、その四囲にある4個のピクセル
の高さよりも1nm以上高いので、このピクセルAの部
分は、いわゆる一つのサミットとしてカウントすること
になる。これに対して、図5(C)に示されるように、
ピクセルA=12nm、ピクセルB=13nm、ピクセ
ルC=10nm、ピクセルD=7nm、ピクセルE=9
nmであった場合には、ピクセルBのほうがピクセルA
よりも高いことになるので、このピクセルAの部分は、
サミットとしてはカウントされないことになる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明によるドライフィルムフォトレジストは、表面平
滑性が優れ、かつ粗大突起の少ないテレフタル酸ポリエ
チレンフィルムを保護フィルムに適用するべく製造する
ものであって、保護フィルムを構成するテレフタル酸ポ
リエチレン2軸延伸フィルムは前記のような表面特性を
満足すべきものである。そして、このようなテレフタル
酸ポリエチレンフィルムは、常法により製造することが
可能である。
【0043】このような表面特性を満足させる場合、優
れた表面特性により保護フィルムのフィッシュアイによ
る不良が大幅に改善され、混入する塵などの影響も少な
くなることが確認された。
【0044】より好ましくは下記式で表示される表面特
性を満足させるテレフタル酸ポリエチレンフィルムを用
いる。
【0045】
【数4】5.0nm≦SRa≦25nm, 100nm≦Spv≦250nm, 500個≦サミット密度≦10,000個
【0046】前記式でSRa,Spv及びサミット密度は上述
したものと同様である。
【0047】もし、前記式でSRa,Spv及びサミット密度
の値が大きくなると、粗大粒子が存在する可能性が増加
し、感光性組成物と保護フィルムとの間の密着力が増加
して、保護フィルムを除去する際にテレフタル酸ポリエ
チレンフィルム(保護フィルム)が破られるなどの問題
が発生する。その反面、前記値よりも低い値を有する
と、摩擦係数の急上昇のためにフィルム製造工程及びド
ライフィルムフォトレジスト製造工程中にスクラッチ、
静電気の発生及びその他の工程上の問題が発生する。
【0048】また、化学処理によりポリエステルフィル
ムの密着性を減少させるようにすると、例えば前記保護
フィルムとして易接着インラインコーティング(In Lin
e Coating)されたポリエステルフィルムを用いると、
保護フィルムと感光性高分子層間の密着力が減少して安
全に保護フィルムを引き剥がすことができる。
【0049】なお、このように保護フィルムとしてテレ
フタル酸ポリエチレンフィルムを用いた場合、従来のポ
リエチレン製の保護フィルムを適用した場合と比べ摩擦
係数が低くなってテレスコープなどの問題点が発生され
るが、製品としてスリッティングして評価した結果、問
題のない良好な製品状態を得た。
【0050】本発明で保護フィルムとして用いたテレフ
タル酸ポリエチレンフィルムの厚さは12〜25μmが好ま
しい。
【0051】もし、ポリエチルテレフタル酸フィルムの
厚さが25μmを超過すると、テレフタル酸ポリエチレン
の復元力が強く、製品の使用時にラミネーション工程に
おける緩み性が悪くなってスリップ(slip:感光層が緩
まれながら製品の形態が崩れる現象)が発生し、テレフ
タル酸ポリエチレンフィルムの厚さが12μm未満であれ
ばエッジヒュージョン(Edge Fusion)に不利である。
【0052】このように、保護フィルム層として一定の
表面特性を有するテレフタル酸ポリエチレンを用いてド
ライフィルムフォトレジストを製造する方法は、通常の
方法を用いればよく、このとき、支持体と感光性高分子
層の構成には制限がない。
【0053】以下、本発明を実施例に基づき詳しく説明
するが、本発明はこの実施例によって限定されるもので
はない。
【0054】[製造例1:感光性高分子層(photosensit
ive layer)の組成]ドライフィルムフォトレジストを
構成する感光性高分子層の組成を次の表に示す。
【0055】
【表1】
【0056】ここで、高分子結合剤はアクリル酸10重量
%、メタクリル酸15重量%、メタクリル酸メチル60重量
%、2-ヘキシルアクリル酸エチル15重量%を混合して製
造したアクリル共重合体を用いた。しかしこれは本発明
の理解を助けるためのものであり、本発明はこれに限定
されるものではない。
【0057】本発明では前記アクリル単量体の外に本発
明の目的を外れない範囲でアクリル酸メチル、アクリル
酸エチル又はアクリル酸プロピルなどのようなアクリル
酸アルキル、メタアクリル酸エチル又はメタクリル酸プ
ロピルなどのようなメタクリル酸アルキル、スチレン及
びその誘導体、フェノキシメチルアクリル酸、2-フェノ
キシアクリル酸エチル、マレイン酸、マレイン酸無水物
又はビニル酢酸などを混合して製造されたアクリル共重
合体を使用してもよい。
【0058】光開始剤、光重合性単量体及びその他の添
加剤は本発明の目的を外れない範囲内で自由に添加でき
る。
【0059】[実施例1-3]前記製造例1に従い製造
された感光性組成物を支持体フィルムであるポリエステ
ルフィルム上に20μmの厚さで塗布し、以下の表に示し
たような表面粗度を有する保護フィルムで積層してドラ
イフィルムフォトレジストを製造した。ここで、実施例
3は易接着コーティングされたインラインコーティング
製品を用いたものである。
【0060】[比較例1-3]前記実施例と同様の方法
によりドライフィルムフォトレジストを製造し、比較例
1では保護フィルムとしてタマポリ(tamapoly)社のポリ
エチレンフィルムを用い、比較例2と比較例3は通常の
包装用テレフタル酸ポリエチレン(PET)フィルムを用い
た。評価は前記実施例と同様の方法により行った。
【0061】
【表2】
【0062】前記実施例1-3及び比較例1-3に従って
得たドライフィルムフォトレジストに対し、不良率評価
法に基づき銅積層板にラミネーションをして回路短絡と
サイドエッチングを評価した。
【0063】具体的には保護フィルムにより発生する不
良を評価するために、図2に示したような単位回路を25
個有する40cm×50cmの大きさのフォトマスクを製作し
た。
【0064】図2で白い線の線幅は150μmで、白い線間
の間隔は50μmである。
【0065】ラミネーション前までの過程を同様に設定
し、保護フィルムを変更した試料に対してそれぞれ40cm
×50cmの大きさの基板10個ずつラミネーションをして、
図2に示したように単位回路が25個描かれた40cm×50cm
の大きさのフォトマスクで露光を施した。露光された基
板をブレークポイント(break point)50%で現像した
後、塩化銅エッチング液でブレークポイント80%でエッ
チングを施し、図3及び図4に示したような回路短絡と
サイドエッチングの数を評価した。
【0066】このとき、測定及び評価条件は次のようで
ある。 <ラミネーション(lamination)>実施例及び比較例に従
い製作された感光性組成物で製作されたドライフィルム
フォトレジストを、パフ研磨処理された1.6mmの厚さの
銅積層板の一方の面に、ラミネータロール温度110℃、
ロール圧力3.0kg/cm、そしてロール速度2.5m/minの条
件でDynachem360を用いてラミネーションした。
【0067】<露光(exposure)>露光機はHI-TECH C
o., Ltd.のHTE-106 5Kwを用いた。ラミネーションさ
れた40cm50cmの大きさの銅積層板に、図2に示したよう
な単位回路が25個描かれた40cm×50cmの大きさのフォト
マスクで露光量30mJ/cm(ORC Manufacturing Co.,
Ltd.のUV-350光量計でフォトマスクの下で測定した光
量)にて露光を施した。
【0068】<最少現像時間>銅積層板にラミネーショ
ンしたドライフィルムフォトレジストを20分放置した
後、30℃で1.0重量%の炭酸ナトリウム水溶液をスプレ
ー噴射方式により噴射して現像した。このとき銅積層板
上の未露光部位のドライフィルムフォトレジストが現像
液で完全に洗われるまでに要した時間(最少現像時間)
を秒時計を用いて測定した。
【0069】<エッチング及び剥離>露光された基板を
20分放置した後、最小現像時間対比ブレークポイント(b
reakpoint)50%で現像し、塩化銅エッチング液でブレー
クポイント80%でエッチングを施した。エッチングされ
た基板を50℃で3.0重量%水酸化ナトリウム水溶液でブ
レークポイント60%になるように剥離した。
【0070】<不良率評価>40cm×50cmの大きさの銅積
層板をそれぞれの試料に対し10枚ずつ準備して不良率評
価用フォトマスクを用いて"表面処理→ラミネーション
→露光→現像→エッチング→剥離工程"を経て基板で発
見された、図3及び図4に示したような回路短絡とサイ
ドエッチング数で不良率を評価した。
【0071】<スリップ性>感光性組成物を支持体フィ
ルムにコーティングし、保護フィルムを積層した後、40
0mmにスリッティングし、ラミネータで基板をラミネー
ションして製品形態の維持性を肉眼で観察した。
【0072】
【表3】
【0073】前記表の結果から実施例1-3のように表
面平滑性に優れ、粗大突起の少ないテレフタル酸ポリエ
チレンフィルムを保護フィルムとして用いた場合、後に
続く工程において発生する回路短絡及びサイドエッチン
グなどの不良が少ない反面、従来のようにポリエチレン
フィルムを保護フィルムとして用いるかまたは表面特性
が不適合であるテレフタル酸ポリエチレンフィルムを保
護フィルムとして用いた場合には、回路短絡及びサイド
エッチングなどの不良が高くスリップ性も劣ることがわ
かる。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のような所
定の表面特性を満足させるテレフタル酸ポリエチレンフ
ィルムを保護フィルムとして積層して製造したドライフ
ィルムフォトレジストにおいては、従来のポリエチレン
フィルムを保護フィルムとして使用したものに比して、
フィッシュアイの発生が低減させられているので、これ
を印刷回路基板、リードフレーム及びBGA(Ball Grid
Array)などに適用した場合には空気の侵入が少なくな
り、結果的に回路短絡及び回路損失などの不良率を減少
させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】通常のポリエチレンフィルムを保護フィルムと
して用いて製造されたドライフィルムフォトレジストを
銅積層板に積層した時に発生する空気混入を概略的に示
した図である。
【図2】実施例及び比較例に従い製造されたドライフィ
ルムフォトレジストの保護フィルムにより発生する不良
率評価に用いられたフォトマスクを示した図である。
【図3】実施例及び比較例に従い製造されたドライフィ
ルムフォトレジストの不良率評価時の回路短絡の概念図
である。
【図4】実施例及び比較例に従い製造されたドライフィ
ルムフォトレジストの不良率評価時のサイドエッチング
の概念図である。
【図5】本発明における概念であるサミット密度を説明
するための図である。
【符号の説明】
11:テレフタル酸ポリエチレンフィルム 12:感光性高分子層 13:ポリエチレンフィルム 20:フィッシュアイ 31,41,51:銅 32:エポキシ樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェオン イル−ヨン 大韓民国 キョンサンブク−ド クミ− シ コア−ミョン ウォンホ−リ ダエ ウーアパート 104−1101 (72)発明者 リ ビュオン−イル 大韓民国 キョンサンブク−ド クミ− シ オッキョ−ドン 540 ダエバエク タウン 106−1402 (72)発明者 パーク キエ−ジン 大韓民国 キョンサンブク−ド クミ− シティ コア−ミョン ウォンホ−リ ダエドンハンヌリアパート 303−1206 (56)参考文献 特開 平7−49565(JP,A) 特開 平6−324497(JP,A) 特開 平7−291400(JP,A) 特開 昭62−229127(JP,A) 特開 昭58−190941(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/00 - 7/42

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体フィルム、感光性高分子層及び保
    護フィルムを順次積層して製造されたドライフィルムフ
    ォトレジストであって、前記保護フィルムは下記式で表
    示される表面特性を満足させるテレフタル酸ポリエチレ
    ン2軸延伸フィルムであることを特徴とするドライフィ
    ルムフォトレジスト。 【数1】3.0nm≦SRa≦50nm, 50nm≦Spv≦500nm, 300個≦サミット密度≦20,000個 前記式でSRaは非接触式3次元表面粗度計で測定した中
    心線の平均粗さで、Spvはピーク(peak)からバレー(vall
    ey)までの高さの差で、サミット密度(Summit Density)
    は単位面積(1mm)当たりのサミット(サミットと
    は、あるポイント(1ポイントは2μm×2μm)における高
    さが、その四囲のポイントにおける高さよりも1nm以上
    高い場所のことをいう)の数を示す。
  2. 【請求項2】 前記テレフタル酸ポリエチレンフィルム
    は下記式で表示される表面特性を満足させる2軸延伸フ
    ィルムであることを特徴とする請求項1に記載のドライ
    フィルムフォトレジスト。 【数2】5.0nm≦SRa≦25nm, 100nm≦Spv≦250nm, 500個≦サミット密度≦10,000個 前記式でSRaは非接触式3次元表面粗度計で測定した中
    心線の平均粗さで、Spvはピーク(peak)からバレー(vall
    ey)までの高さの差で、サミット密度(Summit Density)
    は単位面積(1mm)当たりのサミット(サミットと
    は、あるポイント(1ポイントは2μm×2μm)における高
    さが、その四囲のポイントにおける高さよりも1nm以上
    高い場所のことをいう)の数を示す。
  3. 【請求項3】 前記テレフタル酸ポリエチレンフィルム
    は厚さ12〜25μmであることを特徴とする請求項1又は
    2に記載のドライフィルムフォトレジスト。
  4. 【請求項4】 前記テレフタル酸ポリエチレンフィルム
    は易接着用インラインコーティング(In Line Coatin
    g)された製品であることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載のドライフィルムフォトレジスト。
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