JP2005266166A - 感光性転写材料およびそれを用いたプリント配線基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 プリント配線基板製造、特に、スルーホールを有する銅張積層板への銅の配線パターン製造において、エッチングレジストの剥離片サイズを小さくすることができ、剥離片が搬送系に絡み付くなどの問題が無く銅のプリント配線を形成するに良好な感光性転写材料及びそれを用いたプリント配線基板の製造方法を提供することにある。
【解決手段】 仮支持体上に、少なくとも第1及び第2の感光性樹脂層をこの順で積層する感光性転写材料において、アルカリ水溶液中での前記第1及び第2の感光性樹脂層の膨潤度がそれぞれ異なることを特徴とする感光性転写材料。
【選択図】 なし
【解決手段】 仮支持体上に、少なくとも第1及び第2の感光性樹脂層をこの順で積層する感光性転写材料において、アルカリ水溶液中での前記第1及び第2の感光性樹脂層の膨潤度がそれぞれ異なることを特徴とする感光性転写材料。
【選択図】 なし
Description
本発明は、感光性樹脂を用いて得られる感光性転写材料及びそれを用いたプリント配線基板の製造方法、更に詳しくは、プリント配線基板製造用のフォトレジストを作成するのに好適な感光性転写材料およびそれを用いたプリント配線基板の製造方法に関する。
近年の電子工業分野等における高密度化の要求に伴い、フォトレジストに対しては更に高い解像度を有することが期待されている。プリント配線基板(金属配線基板)、平版印刷版、樹脂凸版等の製造に利用されるフォトレジスト(レジスト材料)として、感光性樹脂層を基板に転写するための感光性転写材料が広く使用されている。例えば、プリント配線基板の作成は、金属層を有する基板の金属層の上に、感光性転写材料を、感光性樹脂層と銅等の金属層が接触するように積層し、この積層体の感光性樹脂層を仮支持体側からフォトマスク(例、ネガ)を介してパターン露光し、そして感光性樹脂層を金属層上に残して、積層体から仮支持体を剥し取り、次いで感光性樹脂層を現像してその未露光領域を除去した後、露出した金属層をエッチングして除去することにより行なわれる。
上記プリント配線基板作成時に、感光性樹脂層をパターン露光後現像する際、現像後銅層の上に残るべき、即ちパターン画像となるべき領域の感光性樹脂層が一部又は全部剥れることがあり、このような感光性樹脂層のパターンを有する銅層をエッチングした場合、その剥れた領域の銅層も消失することとなり、得られるプリント配線基板は断線部分を有することなる。従って、感光性材料の感光性樹脂層(感光性樹脂組成物)は、高解像度を有すると共に、金属層への密着性、樹脂層の強度を有することが望まれる。
プリント基板製造分野において、エッチング法やメッキ法などで銅の配線パターンはドライフイルムレジスト(DFR)を用い、フォトリソグラフィー技術によって形成されているが、近年、高解像化のため感光性の厚みは薄くなる必要性があり、その場合、現像やエッチング工程でスルーホール内の銅をエッチングされないように保護するために形成されるDFR感光層の膜が破れるという問題があった。従来、上記レジストの膜破れに対してはレジストの2層化により対応する方法が開示されている(例えば、特許文献1〜8等参照。)。
しかしながら、その膜強度を上げ、テント破れを防止すると、膜の架橋密度や硬度が上がり、最終段階でのレジスト剥離工程で剥離片が搬送系に絡み付くなどの問題が発生する。前記文献には、これらの点に関しては考慮されていないため、問題は依然として残った。
特開昭56−25732号公報
特公昭55−29414号公報
特公昭61−56498号公報
特開昭58−111027号公報
特開昭57−42023号公報
特開昭59−83153号公報
特開昭61−80236号公報
特開平8−54732号公報
しかしながら、その膜強度を上げ、テント破れを防止すると、膜の架橋密度や硬度が上がり、最終段階でのレジスト剥離工程で剥離片が搬送系に絡み付くなどの問題が発生する。前記文献には、これらの点に関しては考慮されていないため、問題は依然として残った。
本発明の目的は、プリント配線基板製造、特に、スルーホールを有する銅張積層板への銅の配線パターン製造において、エッチングレジストの剥離片サイズを小さくすることができ、剥離片が搬送系に絡み付くなどの問題が無く銅のプリント配線を形成するに良好な感光性転写材料及びそれを用いたプリント配線基板の製造方法を提供することにある。
本発明の目的は、以下の感光性転写材料によって達成される。即ち、
<1> 仮支持体上に、少なくとも第1及び第2の感光性樹脂層を有し、この順で積層する感光性転写材料において、アルカリ水溶液中での前記第1及び第2の感光性樹脂層の膨潤度がそれぞれ異なることを特徴とする感光性転写材料。
<2> 前記第1及び第2の感光性樹脂層の膨潤度の差が0.1以上であることを特徴とする上記<1>に記載の感光性転写材料。
<3> 前記第1及び第2の感光性樹脂層の膨潤度の差が0.1〜10の範囲であることを特徴とする上記<2>に記載の感光性転写材料。
<1> 仮支持体上に、少なくとも第1及び第2の感光性樹脂層を有し、この順で積層する感光性転写材料において、アルカリ水溶液中での前記第1及び第2の感光性樹脂層の膨潤度がそれぞれ異なることを特徴とする感光性転写材料。
<2> 前記第1及び第2の感光性樹脂層の膨潤度の差が0.1以上であることを特徴とする上記<1>に記載の感光性転写材料。
<3> 前記第1及び第2の感光性樹脂層の膨潤度の差が0.1〜10の範囲であることを特徴とする上記<2>に記載の感光性転写材料。
<4> 仮支持体上に少なくとも第1及び第2の感光性樹脂層をこの順で積層する積層体形成工程と、該第2の感光性樹脂層が基板に接するように密着させる圧着工程と、該第1及び第2の感光性樹脂層にパターン露光、現像することによって、該基板の表面にパターン画像を形成する露光・現像工程と、該パターン画像を有する感光性樹脂層に覆われていない該基板部分をエッチング液により溶解した後、残留エッティングレジストのみをアルカリ液で剥離するアルカリ剥離工程と、を含むプリント配線基板の製造方法であって、該第1及び第2の感光性樹脂層が該アルカリ剥離工程後に異なる膨潤度を呈することを特徴とするプリント配線基板の製造方法。
<5> 前記アルカリ剥離工程後の第1及び第2の感光性樹脂層の膨潤度の差が、0.1以上であることを特徴とする上記<4>に記載のプリント配線基板の製造方法。
本発明の感光性転写材料によれば、2層を形成する感光性樹脂層の膨潤度に差を付けることにより、アルカリ水溶液中での第1層と第2層とのエッチングレジストの膨潤膜に応力が発生して、エッチングレジストが剥離片サイズを小さくすることができ、剥離片が搬送系に絡み付くなどの問題が無く、銅のプリント配線が形成でき、さらに、前記感光性転写材料を用いたプリント配線基板の製造方法を提供することができる。
本発明の感光性転写材料を詳細に説明する。
本発明の感光性転写材料は、仮支持体上に、少なくとも第1及び第2の感光性樹脂層(以下、「第1層」、「第2層」とも言う。)を有し、この順で積層する感光性転写材料において、アルカリ水溶液中での前記第1及び第2の感光性樹脂層の膨潤度がそれぞれ異なることを特徴とする。また、前記第1及び第2の感光性樹脂層の膨潤度の差が0.1以上であることが好ましく、さらに、前記第1及び第2の感光性樹脂層は、バインダー、重合性モノマー、光重合開始剤を含むことが好ましい。
ここで「膨潤度」とは、特定温度における溶液に浸漬したときの体積変化の割合をいい、具体的には、以下の方法により測定することができる。
即ち、45℃の3%水酸化ナトリウム水溶液に検体である前記感光性樹脂層を加え、静置状態で1分間浸漬し、その浸漬前後の膜厚(d1、d2)を計り、d2/d1を求めて膨潤度とする。数値が大きいほど膨潤度は大きく、数値は低いほど膨潤度は小さい。
本発明の感光性転写材料は、仮支持体上に、少なくとも第1及び第2の感光性樹脂層(以下、「第1層」、「第2層」とも言う。)を有し、この順で積層する感光性転写材料において、アルカリ水溶液中での前記第1及び第2の感光性樹脂層の膨潤度がそれぞれ異なることを特徴とする。また、前記第1及び第2の感光性樹脂層の膨潤度の差が0.1以上であることが好ましく、さらに、前記第1及び第2の感光性樹脂層は、バインダー、重合性モノマー、光重合開始剤を含むことが好ましい。
ここで「膨潤度」とは、特定温度における溶液に浸漬したときの体積変化の割合をいい、具体的には、以下の方法により測定することができる。
即ち、45℃の3%水酸化ナトリウム水溶液に検体である前記感光性樹脂層を加え、静置状態で1分間浸漬し、その浸漬前後の膜厚(d1、d2)を計り、d2/d1を求めて膨潤度とする。数値が大きいほど膨潤度は大きく、数値は低いほど膨潤度は小さい。
(膨潤度)
本発明において前記アルカリ水溶液中での第1層及び第2層の膨潤度が異なることとは、アルカリの水溶液により処理した後の膨潤度が第1層と第2層で異なることを意味する。
第1層と第2層の感光性樹脂層をパターン露光・現像処理した後、該パターン画像を有する感光性樹脂層に覆われていない基板部分をエッチングして、更に残留するエッチングレジストのみをアルカリ液で剥離する際に、該膨潤度が異なることによって、膜の架橋密度や硬度が上昇し剥離片サイズを細かくすることができる。前記第1層と第2層との膨潤度は、第1層の膨潤度が大きい値を示し第2層が小さい値を示しても、また、逆に第1層の膨潤度が小さい値を示し第2層の膨潤度が大きい値を示しても良いがそれぞれ異なることが必要である。
該アルカリ水溶液は、特に限定されるものではないが、レジスト剥離時のアルカリ液、アルカリ現像時のアルカリ現像液を用いることができる。
本発明において前記アルカリ水溶液中での第1層及び第2層の膨潤度が異なることとは、アルカリの水溶液により処理した後の膨潤度が第1層と第2層で異なることを意味する。
第1層と第2層の感光性樹脂層をパターン露光・現像処理した後、該パターン画像を有する感光性樹脂層に覆われていない基板部分をエッチングして、更に残留するエッチングレジストのみをアルカリ液で剥離する際に、該膨潤度が異なることによって、膜の架橋密度や硬度が上昇し剥離片サイズを細かくすることができる。前記第1層と第2層との膨潤度は、第1層の膨潤度が大きい値を示し第2層が小さい値を示しても、また、逆に第1層の膨潤度が小さい値を示し第2層の膨潤度が大きい値を示しても良いがそれぞれ異なることが必要である。
該アルカリ水溶液は、特に限定されるものではないが、レジスト剥離時のアルカリ液、アルカリ現像時のアルカリ現像液を用いることができる。
具体的には、前記第1層及び第2層のアルカリ水溶液中での膨潤度を所望の値とするためには、(1)異なる重合性モノマーを第1層及び第2層に添加含有させる方法、例えば、前記第1層及び第2層に異なるスパン長を有する重合性モノマー種を選択し含有させる方法がある。また、前記第1層と第2層の層内に含有される重合性モノマーが同一のモノマーを含む場合は、(2)重合開始剤の感度を利用する方法、(3)感度が異なる領域での重合開始剤添加量を変える方法、(4)バインダーの酸価、ガラス転移点Tg、I/O値、重量平均分子量を変える方法等により容易に膨潤度を変化させることができ、所望の膨潤度を得ることができる。ここで、異なる重合性モノマーとは、第1層と第2層で用いられる重合性モノマーが異なるモノマーを言う。I/O値とは、有機概念図に基づく無機性基を有機性基で割った値である。I/O値が低い場合は疎水性が高すぎるため成膜時に均一な膜になりにくく、高い場合には非常に親水的な膜となり湿度による影響を受けやすくなる。I/O値は、「有機概念図−基礎と応用−」(1984年 甲田善生著、三共出版発行)に記載の方法によって求めることができる。
本発明において第1層及び第2層の膨潤度は、これらの方法により調整することが可能であるが、これらに限定されずいずれの方法であってもよい。
本発明において第1層及び第2層の膨潤度は、これらの方法により調整することが可能であるが、これらに限定されずいずれの方法であってもよい。
前記第1層と第2層との膨潤度の差としては、0.1以上が好ましく、アルカリ現像性の観点から、中でも、更に、0.1〜10の範囲が好ましい。0.1未満の場合は、剥離片サイズ大であり、10を超えると剥離液汚染・剥離時間大となる場合がある。
前記第1層及び第2層のそれぞれの膨潤度について、前記第1層の所望の膨潤度は、0.1〜10が好ましく、現像性、剥離時間、剥離液汚染の観点から、中でも、0.2〜5の範囲が更に好ましく、0.2〜3が特に好ましい。0.1未満の場合は、剥離時間大であり、10を超える場合は現像性悪化、剥離液汚染となる場合がある。
前記第2層の所望の膨潤度は、0.1〜10が好ましく、現像性、剥離時間、剥離液汚染の観点から、中でも、更に、0.2〜5の範囲が好ましく、特に、0.2〜3が好ましい。0.1未満の場合は、剥離時間大であり、10を超える場合は現像性悪化、剥離液汚染となる場合がある。
本発明の感光性転写材料は、プリント金属配線基板の製造に特に有利に使用することができる。
本発明の感光性転写材料は、プリント金属配線基板の製造に特に有利に使用することができる。
(重合性モノマー)
本発明において仮支持体上に少なくとも第1及び第2の感光性樹脂層をこの順で積層する感光性転写材料において、それぞれ第1及び第2感光性樹脂層の膨潤度が異なることを特徴し、異なる膨潤度とする方法として、前述(1)の通り、異なる重合性モノマーを第1層及び第2層に別々に添加含有させる方法がある。
本発明において仮支持体上に少なくとも第1及び第2の感光性樹脂層をこの順で積層する感光性転写材料において、それぞれ第1及び第2感光性樹脂層の膨潤度が異なることを特徴し、異なる膨潤度とする方法として、前述(1)の通り、異なる重合性モノマーを第1層及び第2層に別々に添加含有させる方法がある。
本発明における前記重合性モノマーとしては、重合可能な不飽和結合をそれぞれ一つ以上有する化合物を意味し、光の照射によって付加重合することのできるエチレン性不飽和二重結合含有モノマーを挙げることができる。前記エチレン性不飽和二重結合含有モノマーの好適な例としては、少なくとも2個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(以下、「多官能性モノマー」とも言う。)があり、これらの中から所望の重合性モノマーを適宜選択することができる。例えば、このような多官能性モノマーの例としては、特公昭36−5093号公報、特公昭35−14719号公報、特公昭44−28727号公報等に記載される化合物を挙げることができる。上記公報に記載の化合物((メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル化合物、ビニルエステル類、スチレン化合物)の例として下記のものを挙げることができる。
アクリル酸エルテル及びメタクリル酸エステル類の例としては、多価アルコールのポリアクリレート類及びポリメタクリレート類(ここで「ポリ」とはジ(メタ)アクリレート以上を言う)を挙げることができ、その多価アルコールの例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリシクロヘキセンオキサイド、ポリスチレンオキサイド、ポリオキセタン、ポリテトラヒドロフラン、シクロヘキサンジオール、キシリレンジオール、ジ−(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、グリセリン、ジグリセリン、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスルリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビタン、ソルビトール、ブタンジオール、プタントリオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−n−ブチル−2−エチル−プロパンジオール、2−ブチン−1,4−ジオール、3−クロル−1,2−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール、デカリンジオール、2,3−ジブロム−2−ブテン−1,4−ジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2、2−ジフェニル−1,3−プロパンジオール、ドデカンジオール、メゾエリスリトール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、3−ヘキセン−2,5−ジオール、ヒドロキシベンジルアルコール、ヒドロキシエチルレゾルシノール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ノナンジオール、オクタンジオール、ペンタンジオール、1−フェニル−1,2−エタンジオール、プロパンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、2,3,5,6−テトラメチル−p−キシレン−α,α’−ジオール、1,1,4,4−テトラフェニル−1,4−ブタンジオール、1,1,4,4−テトラフェニル−2−ブチン−1,4−ジオール、1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、1,1’−ビ−2−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、1,1’−メチレン−ジ−2−ナフトール、1,2,4−ベンゼントリオール、ビフェノール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(ヒドロキシフェニル)メタン、カテコール、4−クロルレゾルシノール、3,4−ジヒドロキシハイドロシンナミックアシッド、ハイドロキノン、ヒドロキシベンジルアルコール、メチルハイドロキノン、メチレン−2,4,6−トリヒドロキシベンゾエート、フロログリシノール、ピロガロール、レゾルシノール、グルコース、α−(1−アミノエチル)−p−ヒドロキシベンジルアルコール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、N−(3−アミノプロピル)−ジエタノールアミン、N,N’−ビス−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−2,2’,2”−ニトリロトリエタノール、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオニックアシッド、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)ウレア、1,2−ビス(4−ピリジル)−1,2−エタンジオール、N−n−ブチルジエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−エチレンジエタノールアミン、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール2−(2−ピリジル)−1,3−プロパンジオール、トリエタノールアミン、α−(1−アミノエチル)−p−ヒドロキシベンジルアルコール、3−アミノ−4−ヒドロキシフェニルスルホンなどを挙げることができる。
これらのアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル類のうち、好ましい例としては、その入手の容易さから、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、ドデカプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスルトールジアクリレート、ペンタエルスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、グリセリントリアクリレート、ジグリセリンジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、1,5−ベンタンジオールジアクリレート、ネオベンチルグリコールジアクリレート、エチレンオキサイド付加したトリメチロールプロパンのトリアクリル酸エステル等を挙げることができる。
アクリルアミド類及びメタクリルアミド類の例としては、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタリルアミドのほか;エチレンジアミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレン、ビス(2−アミノプロピル)アミン、ジエチレントリアミンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミンおよび異種原子により中断されたポリアミン及び環を有するポリアミン(例えば、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、β−(4−アミノフェニル)エチルアミン、ジアミノベンゾイックアシッド、ジアミノトルエン、ジアミノアントラキノン、ジアミノフルオレンなど)等のポリアクリルアミド及びポリメタクリルアミドを挙げることができる。
アリル化合物の例としては、フタル酸、テレフタル酸、セバシン酸、アシビン酸、グルタール酸、マロン酸及び硝酸等のジカルボン酸のジアリルエステル;アントラキノンジスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、2,5−ジヒドロキシ−p−ベンゼンジスルホン酸、ジヒドロキシナフタレンジスルホン酸及びナフタレンジスルホン酸などのジスルホン酸のジアリルエステル;及びジアリルアミドなどを挙げることができる。
ビニルエーテル化合物の例としては、前記多価アルコールのポリビニルエーテル{例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、1,3,5−トリ−β−ビニロキシエトキジベンゼン、1,3−ジ−β−ビニロキジエトキジベンゼン及びグリセロールトリビニルエーテル}を挙げることができる。
ビニルエステル類の例としては、ジビニルサクシネート、ジビニルアジペート、ジビニルフタレート、ジビニルテレフタレート、ジビニルベンゼン−1,3−ジスルホネート及びジビニルブタン−1,4−ジスルホネート等を挙げることができる。
スチレン化合物の例としては、ジビニルベンゼン、p−アリルスチレン及びp−イソプロペンスチレン等を挙げることができる。
上記化合物以外の化合物として、N−β−ヒドロキシエチル−β−(メタクリルアミド)エチルアクリレート、N,N−ビス(β−メタクリロキシエチル)アクリルアミド、アリルメタクリレートなどの、異なったエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する化合物;さらに少なくとも二つの水酸基を有するポリオール化合物と、やや過剰の少なくとも二つのイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物とを反応させた反応生成物に、少なくとも一つの水酸基と少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させて得られる少なくとも二つのエチレン性不飽和二重結合を有する多官能性ウレタン化合物も、本発明に好適に用いられる化合物として挙げることができる。
本発明における重合性モノマーとしては、第1層及び第2層で異なる重合性モノマーを使用することが好ましく、更に、少なくとも二つのエチレン性不飽和二重結合を有する多官能性を示す異なる重合性モノマーであることが好ましい。前記多官能性を示す異なる重合性モノマーとは、異なるスパン長を有する重合性モノマーを意味し、該重合性モノマーのスパン長が2以上異なることが好ましい。ここで、重合性モノマーのスパン長とは、エチレン性不飽和二重結合の間に存在する炭素数を意味し、例えば、(メタ)アクリル酸またはエステルの場合は、(メタ)アクリロイル基の炭素数を意味する。
前記重合性モノマーで、好ましくは アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ウレタン化合物であり、中でも、膜強度の観点から、特に、ウレタン化合物が好ましい。
前記異なるモノマー種を第1層及び第2層に含有させることにより、下記の重合開始剤により重合し、前記第1層と第2層の2層間でレジストの架橋度に差がついて、アルカリ水溶液剥離中の膜の膨潤度に差が発生し、膨潤膜に応力が発生して、第1層と第2層のエッチングレジストが密着したままの一枚剥離とならず、剥離片サイズを小さくすることができる。
これらの重合性モノマーは、単独あるいは二種以上を併用して用いることができ、第1層及び第2層の各々の全固形分の5〜90質量%、好ましくは15〜60質量%の範囲でそれぞれ用いられる。
(光重合開始剤)
前記光重合開始剤は、光露光することによりラジカルを発生して層内に重合反応を起こし、かつ、その反応を促進させることができる。前記(2)記載の感度の異なる光重合開始剤を使用することにより、この重合反応により第1層と第2層の感光性樹脂層は硬化し、該2層間で感光樹脂層の架橋度に差がついて、アルカリ水溶液剥離中の膜の膨潤度に差が発生し、膨潤膜に応力が発生して、前記記載と同様な効果として剥離片サイズを小さくすることができる。
前記光重合開始剤は、光露光することによりラジカルを発生して層内に重合反応を起こし、かつ、その反応を促進させることができる。前記(2)記載の感度の異なる光重合開始剤を使用することにより、この重合反応により第1層と第2層の感光性樹脂層は硬化し、該2層間で感光樹脂層の架橋度に差がついて、アルカリ水溶液剥離中の膜の膨潤度に差が発生し、膨潤膜に応力が発生して、前記記載と同様な効果として剥離片サイズを小さくすることができる。
本発明で用いられる光重合開始剤としては、芳香族ケトン、米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール二量体とp−アミノケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。特に、芳香族ケトンが好ましい。
上記芳香族ケトンの好ましい例としては、ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフエノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、2−エトキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン、2−エトキシカルボニルベンゾルフェノン、ベンゾフェノンテトラカルボン酸又はそのテトラメチルエステル、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、アントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、フェナントラキノン、キサントン、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、フルオレン、アクリドンおよびベンゾイン、ベンゾインエーテル類(例、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール)、4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン類(例、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジシクロヘキシルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジヒドロキシエチルアミノ)ベンゾフェノン)、中でも、感度の観点から、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−エトキシベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、チオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、フルオレノン、アクリドン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジヒドロキシエチルアミノ)ベンゾフェノン)が更に好ましく、特に好ましい例としてベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−エトキシベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、アクリドン、を挙げることができる。
前記第1層の感光性樹脂層における光重合開始剤の含有量は、該層における全固形分に対して、0.1〜30質量%が一般的で、感度の観点から0.5〜20質量%が好ましく、1〜18質量%が特に好ましい。0.1質量%〜30質量%とすることにより感度及び性能が向上する傾向にある。
前記第2層の感光性樹脂層における光重合開始剤の含有量は、該層における全固形分に対して、0.1〜30質量%が一般的で、感度の観点から0.5〜20質量%が好ましく、更に、1〜18質量%が特に好ましい。0.1質量%〜30質量%とすることにより感度及び性能が向上する傾向にある。
(バインダー)
本発明の感光性転写材料における前記第1層及び第2層のバインダーは、特に限定されるものではないが、前記膨潤度が該第1層と第2層に含有されるバインダーの酸価、Tg、I/O、及び重量平均分子量を変えることによっても調整することができることより、これらの特性値の範囲のバインダーを用いることが好ましい。
該バインダーはそれぞれの層内において単独あるいは二種以上を併用してもよい。
該特性値である酸価においては、第1層と第2層のバインダーの差が5以上であることが好ましく、さらに10以上であることがより好ましい。5以上とすることにより、剥離片サイズが2cm四方以下となる傾向がある。
また、該Tgにおいては、第1層と第2層のバインダーの差が5℃以上であることが好ましく、さらに10℃以上であることがより好ましい。5℃以上とすることにより、2cm四方以下となる傾向がある。
さらに、該重量平均分子量としては、第1層と第2層のバインダーの差が1000以上であることが好ましく、さらに10000以上であることがより好ましい。1000以上とすることにより、2cm四方以下となる傾向がある。
また、該バインダーの種類によっても前記膨潤度を所望の値に調整することができる。
本発明の感光性転写材料における前記バインダーとしては、
下記一般式
一般式(1):
CH2=C(R1)COOR2 (1)
[但し、R1 は水素原子又はメチル基を表わし、そしてR2 は水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基又はベンジル基を表わす。]で表わされる(メタ)アクリレートモノマーを単独若しくは二種以上を適宜選択し、共重合することにより得ることができる。一般式(1)で表わされるモノマーの例として、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
本発明の感光性転写材料における前記第1層及び第2層のバインダーは、特に限定されるものではないが、前記膨潤度が該第1層と第2層に含有されるバインダーの酸価、Tg、I/O、及び重量平均分子量を変えることによっても調整することができることより、これらの特性値の範囲のバインダーを用いることが好ましい。
該バインダーはそれぞれの層内において単独あるいは二種以上を併用してもよい。
該特性値である酸価においては、第1層と第2層のバインダーの差が5以上であることが好ましく、さらに10以上であることがより好ましい。5以上とすることにより、剥離片サイズが2cm四方以下となる傾向がある。
また、該Tgにおいては、第1層と第2層のバインダーの差が5℃以上であることが好ましく、さらに10℃以上であることがより好ましい。5℃以上とすることにより、2cm四方以下となる傾向がある。
さらに、該重量平均分子量としては、第1層と第2層のバインダーの差が1000以上であることが好ましく、さらに10000以上であることがより好ましい。1000以上とすることにより、2cm四方以下となる傾向がある。
また、該バインダーの種類によっても前記膨潤度を所望の値に調整することができる。
本発明の感光性転写材料における前記バインダーとしては、
下記一般式
一般式(1):
CH2=C(R1)COOR2 (1)
[但し、R1 は水素原子又はメチル基を表わし、そしてR2 は水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基又はベンジル基を表わす。]で表わされる(メタ)アクリレートモノマーを単独若しくは二種以上を適宜選択し、共重合することにより得ることができる。一般式(1)で表わされるモノマーの例として、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、更に、前記共重合体以外に、下記のポリマーをバインダーとして含有しても良い。上記以外のバインダー用ポリマーとしては、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなどの塩素化ポリオレフイン;上記以外のアクリル樹脂;上記以外のポリ(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸アルキルエステルとアクリロニトリル共重合体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、ブタジエン等のモノマーの少なくとも一種との共重合体;ポリ塩化ビニル;塩化ビニルとアクリロニトリルとの共重合体;ポリ塩化ビニリデン;塩化ビニリデンとアクリロニトリルとの共重合体;酢酸ビニルと塩化ビニルとの共重合体;ポリアクリロニトリル;アクリロニトリルとスチレンとの共重合体;アクリロニトリルとブダジエン及びスチレンとの共重合体;スチレンと無水マレイン酸などの不飽和二塩基酸無水物との共重合体;ポリビニルブチラール;スチレンブダジエンゴム;塩化ゴム;環化ゴム;アセチルセルロースなどのホモポリマー又は共重合体;スチレンと(メタ)アクリル酸との共重合体などを挙げることができる。
本発明におけるバインダーの酸価としては、特に限定されるのものではないが、第1層と第2層との差を得るためには、70〜250であることが好ましく、80〜200であることがより好ましく、90〜170であることが特に好ましい。
本発明におけるバインダーのTgとしては、特に限定されるのものではないが、第1層と第2層との差を得るためには50〜180℃であることが好ましく、60〜150℃であることがより好ましく、35〜140℃であることが特に好ましい。
本発明におけるバインダーのI/Oとしては、特に限定されるのものではないが、第1層と第2層との差を得るためには0.4〜0.8であることが好ましく、0.45〜0.75であることがより好ましく、0.5〜0.7であることが特に好ましい。
本発明におけるバインダーの重量平均分子量としては、特に限定されるのものではないが、第1層と第2層との分子量差を得るためには1000〜400000であることが好ましく、5000〜100000であることがより好ましく、7000〜80000であることが特に好ましい。
本発明におけるバインダーのTgとしては、特に限定されるのものではないが、第1層と第2層との差を得るためには50〜180℃であることが好ましく、60〜150℃であることがより好ましく、35〜140℃であることが特に好ましい。
本発明におけるバインダーのI/Oとしては、特に限定されるのものではないが、第1層と第2層との差を得るためには0.4〜0.8であることが好ましく、0.45〜0.75であることがより好ましく、0.5〜0.7であることが特に好ましい。
本発明におけるバインダーの重量平均分子量としては、特に限定されるのものではないが、第1層と第2層との分子量差を得るためには1000〜400000であることが好ましく、5000〜100000であることがより好ましく、7000〜80000であることが特に好ましい。
本発明における前記第1層のバインダーの添加量としては、第1層の全固形分の20〜80質量%が好ましく、現像性、ベタツキ(仮支持体との密着)の観点から、中でも20〜70質量%が好ましく、特に30〜60質量%の範囲が好ましい。20質量%未満であると、仮支持体との密着が上がり、現像前の仮支持体の剥離が不能となる場合があり、80質量%を超えると現像不能となる場合がある。
本発明における前記第2層のバインダーの添加量としては、第2層の全固形分の20〜80質量%が好ましく、現像性、ベタツキ(カバーフィルムとの密着)の観点の観点から、中でも、20〜70質量%が好ましく、特に、30〜60質量%の範囲が好ましい。20質量〜80質量%とすることによりカバーフィルム剥離及び現像が向上する傾向にある。
前記第1及び第2の感光性樹脂層のバインダー用モノマーとしては、前記例示のバインダー用モノマーを挙げることができるが、例えば、その中でも、現像性、感度の観点から、メチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ベンジルメタクリレート、メタクリル酸、エチルアクリレート、メチルメタクリレートが好ましく、特に、メチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ベンジルメタクリレート、メタクリル酸が好ましい。
本発明における感光性樹脂層は、ロフイン二量体を含んでも良い。ロフイン二量体の例としては、2−(2’−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(2’−クロロフェニル)−4,5−ジ(3’−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(2’−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(2’−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(4’−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体が好ましい。
また、本発明における感光性樹脂層は、例えば、J.コーサー著「ライトセンシテイブシステムズ」第5章に記載されているような有機硫黄化合物、過酸化物、レドツクス系化合物、アゾ並びにジアゾ化合物光環元性色素などを含んでいても良い。有機硫黄化合物の例としては、ジーn−ブチルジサルファイド、ジベンジルジサルファイド、2−メルカプロベンズチアゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、チオフェノール、エチルトリクロロメタンスルフェネート、2−メルカプトベンズイミダゾールを挙げることができる。過酸化物の例としては、ジーt−ブチルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイドを挙げることができる。レドツクス化合物は、過酸化物と還元剤の組み合わせからなるものであり、第一鉄イオンと過硫酸イオン、第二鉄イオンと過酸化物などを挙げることができる。アゾ及びジアゾ化合物としては、α,α’−アゾビスイリブチロニトリル、2−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、p−アミノジフェニルアミンのジアゾニウム類を挙げることができる。光還元性色素としては、ローズベンガル、エリスロシン、エオシン、アクリフラビン、リポフラビン、チオニンを挙げることができる。有機ハロゲン化合物の例としては、2−トリクロロメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール;2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−n−ブトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリプロメメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール;フェニルトリブロモメチルスルホン、p−ニトロフェニルトリブロモメチルスルホン、p−クロルフェニルトリブロモメチルスルホン;2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等を挙げることができる。
更に、本発明に使用してもよい有機ハロゲン化合物の例として、ハロゲン化炭化水素、ハロゲン化アルコール化合物、ハロゲン化カルボニル化合物、ハロゲン化エーテル化合物、ハロゲン化エステル化合物、ハロゲン化アミド化合物を挙げることができる。ハロゲン化炭化水素の例としては、四臭化炭素、ヨードホルム、1,2−ジブロモエタン、1,12,2−テトラブロモエタン、1,1−ビス(p−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、1,2−ジブロモ−1,1,2−トリクロロエタン、1,2,3トリブロモプロバン、1−ブロモ−4−クロロブタン、1,2,3,4−テトラブロモブタン、テトラクロロシクロプロペン、ヘキサクロロシクロペンタジエン、ジブロモシキロヘキサンなどを挙げることができる。ハロゲン化アルコール化合物の例としては、2,2,2−トリクロロエタノール、トリブロモエタノール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,1,1−トリクロロ−2−プロパノール、ジ(ヨードヘキサメチレン)アミノイソプロパノール、トリブロモ−tert−ブチルアルコール、2,2,3−トリクロロブタン−1,4−ジオールなどを挙げることができる。ハロゲン化カルボニル化合物の例としては、1,1−ジクロロアセトン、1,3−ジクロロアセトン、ヘキサクロロアセトン、ヘキサブロモアセトン、1,1,3,3−テトラクロロアセトン、1,1,1−トリクロロアセトン、3,4−ジブロモ−2−ブタノン、1,4−ジクロロ−2−ブタノン−ジブロモシクロヘキサノンなどを挙げることができる。ハロゲン化エーテル化合物の例としては、2−ブロモエチルメチルエーテル、2−ブロモエチルエチルエーテル、ジ(2−ブロモエチル)エーテル、1,2−ジクロロエチルエチルエーテルなどを挙げることができる。ハロゲン化エステル化合物の例としては、ハロゲン化カルボン酸のエステル、カルボン酸のハロゲン化エステル、またはハロゲン化カルボン酸のハロゲン化エステルを挙げることができ、これらの例として、酢酸ブロモエチル、トリクロロ酢酸エチル、トリクロロ酢酸トリクロロエチル、2,3−ジブロモプロピルアクリレートのホモポリマー及び共重合体、ジブロモプロピオン酸トリクロロエチル、α,β−ジグロロアクリル酸エチルなどを挙げることができる。ハロゲン化アミド化合物の例としては、クロロアセトアミド、ブロモアセトアミド、ジクロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリブロモアセトアミド、トリクロロエチルトリクロロアセトアミド、2−ブロモイソプロピオンアミド、2,2,2−トリクロロプロピオンアミド、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミドなどを挙げることができる。有機ハロゲン化合物のうちでは同一炭素原子に結合した二個以上のハロゲン原子を持つハロゲン化物が好ましく、特に好ましくは一個の炭素原子に三個のハロゲン原子を持つハロゲン化物である。有機ハロゲン化合物は単独で使用してもよく、二種以上併用してもよい。これらのうち特に好ましい有機ハロゲン化合物は、トリブロモメチルフェニルスルホン、2,4−ビス(トリクロロメチル)6−フェニルトリアゾールである。本発明に用いられる有機ハロゲン化合物の量は感光性樹脂層の全固形分に対し、0.001〜5質量%の範囲が一般的で、0.005〜1質量%が好ましい。
本発明における感光性樹脂層には、更に熱重合禁止剤を加えることが好ましい。熱重合禁止剤の例としては、例えばp−メトキシフエノール、ハイドロキノン、アルキルまたはアリール置換ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、塩化第一銅、クロラニール、ナフチルアミン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、p−トリイジン、メチレンブルー、有機銅、サリチル酸メチルなど挙げることができる。これらの熱重合禁止剤は重合性モノマーに対して0.001〜5質量%の範囲で含有されているのが好ましい。中でも、光重合への影響の観点より、p−メトキシフエノール、ハイドロキノン、フェノチアジンが更に好ましい。0.001質量%〜5質量%とすることにより、熱重合禁止効果及び保存性が向上する傾向にある。
本発明において、膜物性(可撓性)をコントロールするために、可塑剤を添加してもよく、その例としては、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、オクチルカプリールフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジアリールフタレートなどのフタル酸エステル類;ジメチルグリコースフタレート、エチルフタリールエチルグリコレート、メチルフタリールエチルグリコレート、ブチルフタリールブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカブリル酸エステルなどのグリコールエステル類;トリクレジオールフォスフェート、トリフェニルフォスフエートなどの燐酸エステル類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジベート、ジメチルセパケート、ジブチルセパケート、ジオクチルセパケート、ジブチルマレートなどの脂肪族二塩基エステル類;ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、N−n−ブチルアセトアミドなどのアミド類;クエン酸トリエチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリル酸ブチルなどを挙げることができる。フタル酸エステル類、アミド類、グリコールエステル類が好ましく、中でも、フタル酸エステル類、アミド類が更に好ましい。
本発明における感光性樹脂層はロイコ色素を含むことができる。ロイコ色素の例としては、トリス(p−ジメチルアミノフェニル)メタン(ロイコクリスタルバイオレツト)、トリス(p−ジエチルアミノフェニル)メタン、トリス(p−ジメチルアミノ−o−メチルフェニル)メタン、トリス(p−ジエチルアミノ−o−メチルフェニル)メタン、ビス(p−ジブチルアミノフェニル)−〔p−(2−シアノエチル)メチルアミノフェニル〕メタン、ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−2−キノリルメタン、トリス(p−ジプロピルアミノフェニル)メタン等のアミノトリアリールメタン類;3,6−ビス(ジメチルアミノ)−9−フェニルキサンチン、3−アミノ−6−ジメチルアミノ−2−メチル−9−(o−クロロフェニル)キサンチン等のアミノキサンチン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−エトキシカルボニルフェニル)チオキサンテン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)チオキサンテン等のアミノチオキサンテン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9,10−ジヒドロ−9−フェニルアクリジン、3,6−ビス(ベンジルアミノ)−9,10−ジビドロ−9−メチルアクリジン等のアミノ−9,10−ジヒドロアクリジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)フェノキサジン等のアミノフェノキサジン類;3,7−ビス(エチルアミノ)フェノチアゾン等のアミノフェノチアジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)−5−ヘキシル−5,10−ジヒドロフェナジン等のアミノジヒドロフェナジン類;ビス(p−ジメチルアミノフェニル)アニリノメタン等のアミノフェニルメタン類;4−アミノ−4’−ジメチルアミノジフェニルアミン、4−アミノ−α、β−ジシアノヒドロケイ皮酸メチルエステル等のアミノヒドロケイ皮酸類;1−(2−ナフチル)−2−フェニルヒドラジン等のヒドラジン類;1,4−ビス(エチルアミノ)−2,3−ジヒドロアントラキノン類のアミノ−2,3−ジヒドロアントラキノン類;N,N−ジエチル−p−フェネチルアニリン等のフェネチルアニリン類;10−アセチル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン等の塩基性NHを含むロイコ色素のアシル誘導体;トリス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)エトキシカルボニルメンタン等の酸化しうる水素をもつていないが、発色化合物に酸化しうるロイコ様化合物;ロイコインジゴイド色素;米国特許3,042,515号及び同第3,042,517号に記載されているような発色形に酸化しうるような有機アミン類(例、4,4’−エチレンジアミン、ジフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4,4’−メチレンジアミントリフェニルアミン、N−ビニルカルバゾール)を挙げることができる。
上記ロイコ色素の量は、第1層及び第2層の各々の全固形分当たり、各々0.01〜10質量%の範囲が好ましく、中でも、光感度の低下と視認性の観点より、各々0.05〜5質量%の範囲が好ましい。
上記ロイコ色素の量は、第1層及び第2層の各々の全固形分当たり、各々0.01〜10質量%の範囲が好ましく、中でも、光感度の低下と視認性の観点より、各々0.05〜5質量%の範囲が好ましい。
本発明における感光性樹脂層には、樹脂層を着色させたり、保存安定性を付与したりする目的に染料を用いることができる。好適な染料の例としては、ブリリアントグリーン硫酸塩、エオシン、エチルバイオレット、エリスロシンB、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、フェノールフタレイン、1,3−ジフェニルトリアジン、アリザリンレッドS、チモールフタレイン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニル−イエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、オレンジIV、ジフェニルチロカルバゾン、2,7−ジクロロフルオレセイン、パラメチルレッド、コンゴーレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチル−レッド、ナイルブルーA、フェナセタリン、メチルバイオレット、マラカイトグリーンシュウ酸塩、パラフクシン、オイルブルー#603(オリエント化学工業(株)製)、ローダミンB、ロータミン6Gなどを挙げることができる。好ましい染料としては、マラカイトグリーンシュウ酸塩、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、メチルバイオレット、ローズベンガル、パラフクシンであり、中でも、視認性、溶解性、光感度の観点から、マラカイトグリーンシュウ酸塩、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、メチルバイオレットが更に好ましい。
本発明には、密着性を向上させるために、公知のいわゆる密着促進剤を用いることができる。例えば、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサノール、2−メルカプトベンズチアゾール、3−モルホリノメチル−1−フェニル−トリアゾール−2−チオン、3−モルホリノメチル−5−フェニル−オキサジアゾール−2−チオン、5−アミノ−3−モルホリノメチル−チアジアゾール−2−チオン、2−メルカプト−5−メチルチオーチアジアゾールなどを挙げることができる。
本発明の感光性転写材料は、仮支持体上に前記本発明の第1層及び第2層の感光性樹脂層塗液を順次塗布して感光性樹脂層を形成してなるものである。本発明の感光性転写材料は、例えば、上記本発明に係る前記バインダー、重合モノマー、光重合性開始剤を少なくとも含有する感光性樹脂層塗液を仮支持体上に塗布し、乾燥して感光性樹脂層を形成することにより得ることができる。
第1層用の塗布液の溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロバノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息化酸エチルなどのエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノールなどのエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホオキサイドなどを挙げることができる。これらは単独でも、また、2種以上を混合した混合溶媒でも良い。
また、第2層用の塗布液の溶剤としては、前記第1層用の塗布液が使用可能であるが、前述の第1層と同様に、塗布において第1層と第2層との層混合を避けるために塗布溶剤種を変更することが好ましい。特に、第1層に影響を及ぼさない溶媒種を第2層の溶媒として使用することが好ましい。これらは単独でも、また、2種以上を混合した混合溶媒でも良い。
また、前記第1の感光性樹脂層の厚さは、5〜50μmの範囲が一般的であり、10〜30μmの範囲が好ましく、中でも現像性、エッジフージョンの観点から12〜25μmの範囲がさらに好ましい。5μm〜50μmとすることにより、膜強度、現像性、エッジフージョンが良好となる傾向にある。
また、前記第2の感光性樹脂層の厚さは、0.1〜20μmの範囲が一般的であり、0.5〜10μmの範囲が好ましく、中でも基板への追従性、密着性、エッジフュージョンの観点から、1〜8μmの範囲がさらに好ましい。0.1〜20μmの範囲とすることにより、基板への凹凸追従性、密着性、エッジフュージョンが向上する傾向にある。
前記仮支持体として用いられるものは、光の透過性が良好であることが好ましい。また表面の平滑性が良好であることが望ましい。仮支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフロロエチレン、ポリトリフロロエチレン等の各種のプラスチックフィルムを挙げることができる。更に、これらの二種以上からなる複合材料も使用することができる。上記の中で、透明性、可撓性の観点から、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
仮支持体の厚さは、5〜150μmが一般的であるが、解像力の観点から、10〜50μmが好ましく、更に、12〜30μmが好ましい。
仮支持体の厚さは、5〜150μmが一般的であるが、解像力の観点から、10〜50μmが好ましく、更に、12〜30μmが好ましい。
本発明の感光性転写材料は、仮支持体上に形成された第2の感光性樹脂層の上に、更に保護フィルムを設けることもできる。上記保護フィルムの例としては、前記仮支持体に使用されるもの及び、紙、ポリエチレン、ポリプロピレンなどがラミネートされた紙などを挙げることができる。ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、セロファン、ポリエチレンナフタレートが好ましく、中でも、密着性、表面凹凸の観点からポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンが好ましく、特に、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。
保護フィルムの厚さは、5〜100μmが一般的であり、10〜50μmが好ましく、中でも、可撓性、カールの観点から、特に、12〜40μmが好ましい。
保護フィルムの厚さは、5〜100μmが一般的であり、10〜50μmが好ましく、中でも、可撓性、カールの観点から、特に、12〜40μmが好ましい。
その際、第1の感光性樹脂層と仮支持体の接着力Aと第2の感光性樹脂層と保護フィルムの接着力Bとが、A>Bの関係になるようにすることが好ましい。仮支持体/保護フィルムの組み合わせの例としては、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリ塩化ビニル/セロフアン、ポリイミド/ポリプロビレンなどを挙げることができる。上記のように仮支持体と保護フィルムを相互に異種のものから選ぶ方法のほかに、仮支持体及び保護フィルムの少なくとも一方を表面処理することにより、前記のような接着力の関係を満たすことができる。仮支持体の表面処理は第1の感光性樹脂層との接着力を高めるために施されるのが一般的であり、例えば、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、レーザー光線照射処理などを挙げることができる。また、仮支持体と保護フィルムとの静摩擦係数も重要である。
また、保護フィルムを表面処理しても良い。表面処理は、第2の感光性樹脂層との接着性を低下させるために行なわれる。例えば、保護フィルムの表面に、ポリオルガノシロキサン、弗素化ポリオレフィン、ポリフルオロエチレン、ポリビニルアルコール等の下塗層を設ける。下塗層の形成は、上記ポリマーの塗布液を保護フィルムの表面に塗布後、30〜150℃(特に50〜120℃)で1〜30分間乾燥することにより一般に行なわれる。
(プリント基板の製造方法)
本発明のプリント配線基板の製造方法は、仮支持体上に少なくとも第1及び第2の感光性樹脂層をこの順で積層する積層体形成工程と、前記第2の感光性樹脂層が基板に接するように密着させる圧着工程と、前記第1及び第2の感光性樹脂層にパターン露光、現像することによって、前記基板の表面にパターン画像を形成する露光・現像工程と、前記パターン画像を有する感光性樹脂層に覆われていない該基板部分をエッチング液により溶解した後、残留エッティングレジストのみをアルカリ液で剥離するアルカリ剥離工程とを有し、該第1及び第2の感光性樹脂層が該アルカリ剥離工程後に異なる膨潤度を呈することを特徴とする。
本発明のプリント配線基板の製造方法は、仮支持体上に少なくとも第1及び第2の感光性樹脂層をこの順で積層する積層体形成工程と、前記第2の感光性樹脂層が基板に接するように密着させる圧着工程と、前記第1及び第2の感光性樹脂層にパターン露光、現像することによって、前記基板の表面にパターン画像を形成する露光・現像工程と、前記パターン画像を有する感光性樹脂層に覆われていない該基板部分をエッチング液により溶解した後、残留エッティングレジストのみをアルカリ液で剥離するアルカリ剥離工程とを有し、該第1及び第2の感光性樹脂層が該アルカリ剥離工程後に異なる膨潤度を呈することを特徴とする。
本発明におけるプリント配線基板(金属配線基板)は、以下のようにして本発明の製造方法により製造することができる。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
(積層体形成工程)
積層体形成工程は、上記仮支持体上に、第1と第2の感光性樹脂層をこの順に作成し、必要に応じて保護フィルムを密着させて感光性転写材料を形成する工程である.
積層体形成工程は、上記仮支持体上に、第1と第2の感光性樹脂層をこの順に作成し、必要に応じて保護フィルムを密着させて感光性転写材料を形成する工程である.
具体的には,まず、前記仮支持体20μm上表面に、第1の感光性樹脂塗液を塗布して乾燥し15μm厚の第1の感光性樹脂層を形成する。次に、第2の感光性樹脂塗液を重層塗布し、5μm厚の第2の感光性樹脂層を形成する。積層体形成工程においては、従来公知のラミネーターや真空ラミネーターが使用でき、より生産性を高めるためには,オートカットラミネーターの使用が好ましい.
(圧着工程)
本発明における圧着工程とは、前記第2の感光性樹脂層が基板に接するように密着させる工程である。前記本発明の感光性転写材料を、プリント配線基板(金属配線基板)の作製に使用する場合、感光性転写材料が保護フィルムを有する場合は保護フィルムを剥がした後、感光性転写材料の第2の感光性樹脂層側を基板表面にヒートロールラミネーターを用いて、気泡の入らないように加圧して積層して行なわれる。基板としては、その使用目的に従い種々のものを使用することができる。感光性転写材料の例としては、仮支持体と感光性樹脂層との接着力が基板と感光性樹脂層との接着力と異なり、仮支持体に用いたものと違うプラスチックフィルム、紙、木材板、金属板、ガラス板等を挙げることができる。特に、感光性転写材料をプリント配線基板の作製に使用する場合は、基板として、銅、アルミニウム、銀等の金属の薄層をプラスチック板;プラスチック板を貫通する穴(即ちスルーホール)の内壁表面に貼り合わせた、あるいはメッキで付着させたプリント配線基板;または薄いプラスチックフィルム上に金属の薄層が蒸着又はメッキで設けられた基板等を使用することができる。
本発明における圧着工程とは、前記第2の感光性樹脂層が基板に接するように密着させる工程である。前記本発明の感光性転写材料を、プリント配線基板(金属配線基板)の作製に使用する場合、感光性転写材料が保護フィルムを有する場合は保護フィルムを剥がした後、感光性転写材料の第2の感光性樹脂層側を基板表面にヒートロールラミネーターを用いて、気泡の入らないように加圧して積層して行なわれる。基板としては、その使用目的に従い種々のものを使用することができる。感光性転写材料の例としては、仮支持体と感光性樹脂層との接着力が基板と感光性樹脂層との接着力と異なり、仮支持体に用いたものと違うプラスチックフィルム、紙、木材板、金属板、ガラス板等を挙げることができる。特に、感光性転写材料をプリント配線基板の作製に使用する場合は、基板として、銅、アルミニウム、銀等の金属の薄層をプラスチック板;プラスチック板を貫通する穴(即ちスルーホール)の内壁表面に貼り合わせた、あるいはメッキで付着させたプリント配線基板;または薄いプラスチックフィルム上に金属の薄層が蒸着又はメッキで設けられた基板等を使用することができる。
本発明における感光性樹脂層の上記基板への圧着は、室温(15〜30℃)あるいは加熱下(30〜180℃)で、加圧して行なうことができ、特に、80〜140℃の加熱下で行なうことが好ましい。
(露光・現像工程)
露光現像工程は、仮支持体を剥離せず、あるいは剥離した積層体の感光性樹脂層表面をパターン露光し、現像して基板上に回路パターンを形成する工程である。
まず、前記仮支持体を剥離せず、或いは、剥離した後に所定のネガ原稿等のフォトマスクを通し、前記感光性樹脂層を紫外線等により露光(パターン露光)し、現像する。
露光現像工程は、仮支持体を剥離せず、あるいは剥離した積層体の感光性樹脂層表面をパターン露光し、現像して基板上に回路パターンを形成する工程である。
まず、前記仮支持体を剥離せず、或いは、剥離した後に所定のネガ原稿等のフォトマスクを通し、前記感光性樹脂層を紫外線等により露光(パターン露光)し、現像する。
−パターン露光−
前記パターン露光の光源としては、用いられている光重合開始剤に対して活性な電磁波、波長が310〜700nm(好ましくは350〜500nm)の範囲の紫外〜可視光線を発する光源が用いられる。例えば、(超)高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ハロゲンランプ、複写用の蛍光管等の公知の光源を使用することができる。この他に、レーザ光線、電子線、X線等を用いて露光しても良い。露光量としては、通常0.1〜500mJ/cm2程度であり、好ましくは1〜200mJ/cm2程度であり、さらに好ましくは1〜100mJ/cm2程度である。
前記パターン露光の光源としては、用いられている光重合開始剤に対して活性な電磁波、波長が310〜700nm(好ましくは350〜500nm)の範囲の紫外〜可視光線を発する光源が用いられる。例えば、(超)高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ハロゲンランプ、複写用の蛍光管等の公知の光源を使用することができる。この他に、レーザ光線、電子線、X線等を用いて露光しても良い。露光量としては、通常0.1〜500mJ/cm2程度であり、好ましくは1〜200mJ/cm2程度であり、さらに好ましくは1〜100mJ/cm2程度である。
−現像−
現像は公知の方法で、弱アルカリ水溶液(例えば、1%炭酸ナトリウム水溶液)をスプレーして現像し、未露光部を溶出して基板上に光硬化した配線パターンを有するエッチングレジスト画像を形成した。特にアルカリ水溶液に浸漬するか、スプレーから現像液を噴射すること、更には超音波を印加しながら現像処理することで行われる。現像液としては、前記以外のアルカリ水溶液、有機溶剤を含有するアルカリ水溶液、有機溶剤を挙げることができる。
現像は公知の方法で、弱アルカリ水溶液(例えば、1%炭酸ナトリウム水溶液)をスプレーして現像し、未露光部を溶出して基板上に光硬化した配線パターンを有するエッチングレジスト画像を形成した。特にアルカリ水溶液に浸漬するか、スプレーから現像液を噴射すること、更には超音波を印加しながら現像処理することで行われる。現像液としては、前記以外のアルカリ水溶液、有機溶剤を含有するアルカリ水溶液、有機溶剤を挙げることができる。
次に、パターニングされ現像された上記エッチングレジスト画像形成後、基板に塩化銅水溶液、塩化第二鉄水溶液などの公知のエッチング液を用いて表面に露出した金属を除去することができる。あるいは、露出した金属上に、ピロリン酸銅、硫酸銅などの公知のメッキ液を用いてメッキを施しても良い。
(アルカリ剥離工程)
残留するエッチングレジストのみを、アルカリ液(例えば、3%水酸化ナトリウム水溶液)をスプレーすることにより除去し、ガラスエポキシ樹脂銅張り積層板上に高解像力、高精度の銅のプリント配線基板を形成した。残留するエッチングレジストは、前記アルカリ液により異なる2層間の膨潤度差により、レジスト剥離片サイズは小さく搬送系に絡み付くなどの問題を無くすることができる。剥離するためのアルカリ液としては、公知の前記以外のアルカリ水溶液、有機溶剤を含有するアルカリ水溶液を挙げることができる。
残留するエッチングレジストのみを、アルカリ液(例えば、3%水酸化ナトリウム水溶液)をスプレーすることにより除去し、ガラスエポキシ樹脂銅張り積層板上に高解像力、高精度の銅のプリント配線基板を形成した。残留するエッチングレジストは、前記アルカリ液により異なる2層間の膨潤度差により、レジスト剥離片サイズは小さく搬送系に絡み付くなどの問題を無くすることができる。剥離するためのアルカリ液としては、公知の前記以外のアルカリ水溶液、有機溶剤を含有するアルカリ水溶液を挙げることができる。
勿論、前記基板表面に前記感光性樹脂塗布液をスピナー、ホイラー等を用いて塗布して感光性樹脂層を形成しても良い。
本発明の感光性転写材料は、上記金属配線基板(プリント配線基板)に好適に利用できる他、平版印刷版、樹脂凸版の製造、レリーフ型の作製、光学複製、写真作製等、広範囲に利用することができる。
感光性転写材料を印刷版の作製に用いる場合は、アルミニウム板、アルミニウム層を設けたプラスチックフィルム等が用いられる。このアルミニウム板の表面は、シリケート処理、陽極酸化処理等が施されていることが好ましい。
感光性転写材料を印刷版の作製に用いる場合は、アルミニウム板、アルミニウム層を設けたプラスチックフィルム等が用いられる。このアルミニウム板の表面は、シリケート処理、陽極酸化処理等が施されていることが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り「質量部」及び「質量%」を表し、「平均分子量」及び「重合度」は、「質量平均分子量」及び「質量平均重合度」を表す。
(実施例1)
(感光性転写材料の作製)
20μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムの仮支持体上に、下記の感光性樹脂層塗液1を塗布し、乾燥し、15μm厚の第1の感光性樹脂層を形成した。
(感光性転写材料の作製)
20μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムの仮支持体上に、下記の感光性樹脂層塗液1を塗布し、乾燥し、15μm厚の第1の感光性樹脂層を形成した。
感光性樹脂層塗液1処方:
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・下記の表1に示された共重合体モノマーの共重合により生成した共重合体
15部
・表2のモノマー 6.5部
・テトラエチレングリコールジメタクリレート 1.5部
・p−トルエンスルホンアミド 0.5部
・4,4’−ビス(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.04部
・ベンゾフェノン 1.0部
・ マラカイトグリーン蓚酸塩 0.02部
・ 3−モルホリノメチル−1−フェニルトリアゾール−2−チオン 0.01部
・ ロイコクリスタルバイオレット 0.2部
・ トリブロモメチルフェニルスルホン 0.1部
・ メチルエチルケトン 30部
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・下記の表1に示された共重合体モノマーの共重合により生成した共重合体
15部
・表2のモノマー 6.5部
・テトラエチレングリコールジメタクリレート 1.5部
・p−トルエンスルホンアミド 0.5部
・4,4’−ビス(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.04部
・ベンゾフェノン 1.0部
・ マラカイトグリーン蓚酸塩 0.02部
・ 3−モルホリノメチル−1−フェニルトリアゾール−2−チオン 0.01部
・ ロイコクリスタルバイオレット 0.2部
・ トリブロモメチルフェニルスルホン 0.1部
・ メチルエチルケトン 30部
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次に、下記感光性樹脂層塗液2を重層塗布し、乾燥し5μm厚の第2の感光性樹脂層を形成した。
感光性樹脂層塗液2処方:
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・下記の表1に示された共重合体モノマーの共重合により生成した共重合体
15部
・ 表2のモノマー 6.5部
・ テトラエチレングリコールジメタクリレート 1.5部
・ p−トルエンスルホンアミド 0.5部
・ 4,4’−ビス(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.04部
・ ベンゾフェノン 1.0部
・ マラカイトグリーン蓚酸塩 0.02部
・ 3−モルホリノメチル−1−フェニルトリアゾール−2−チオン 0.01部
・ ロイコクリスタルバイオレット 0.2部
・ トリブロモメチルフェニルスルホン 0.1部
・ イソプロパノール 30部
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最後に、前記感光性樹脂層上に20μm厚のポリエチレンフィルム材料を積層し、感光性転写材料(ドライフィルムフォトレジスト)を作製した。
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・下記の表1に示された共重合体モノマーの共重合により生成した共重合体
15部
・ 表2のモノマー 6.5部
・ テトラエチレングリコールジメタクリレート 1.5部
・ p−トルエンスルホンアミド 0.5部
・ 4,4’−ビス(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.04部
・ ベンゾフェノン 1.0部
・ マラカイトグリーン蓚酸塩 0.02部
・ 3−モルホリノメチル−1−フェニルトリアゾール−2−チオン 0.01部
・ ロイコクリスタルバイオレット 0.2部
・ トリブロモメチルフェニルスルホン 0.1部
・ イソプロパノール 30部
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最後に、前記感光性樹脂層上に20μm厚のポリエチレンフィルム材料を積層し、感光性転写材料(ドライフィルムフォトレジスト)を作製した。
(プリント配線基板の形成)
この感光性転写材料を用いて、以下の方法でガラスエポキシ樹脂銅張り積層板上に銅のプリント配線基板を形成した。
この感光性転写材料を用いて、以下の方法でガラスエポキシ樹脂銅張り積層板上に銅のプリント配線基板を形成した。
銅表面を整面した3mmのスルーホールを有する1.1mm厚の銅張り積層板(ナショナルプリント配線板用銅張り積層板R−1701、松下電工(株)製)上に、前記感光性転写材料(ドライフィルムフォトレジスト材料)のポリエチレンフィルムを剥離した後、感光性転写材料を銅表面と感光性樹脂層第2層が接着するように、ヒートロールラミネーター(MODEL8B−720−PH、大成ラミネーター(株)製)を用いて、基板温度70℃、積層温度105℃、積層圧力3kg/cm2、積層の搬送速度1.2m/分の条件で、該フォトレジスト層を密着しつつ、気泡の入らないようにラミネートした。積層後、室温(23℃、55%RH)で10分間放置した。
次に、プリンターHMW532D(オーク社製)を用い、所望のプリント基板の回路パターンを有するフォトマスク(ネガ原稿、ライン/スペース=125μm/250μm)を介して、感光性転写材料上に超高圧水銀灯で、50mj/cm2 の照射エネルギーで紫外線露光した。露光後、室温で10分間放置し、続いて、表面の仮支持体のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、除去した。感光性転写材料の感光性樹脂層第1層側の表面に1%炭酸ナトリウム水溶液を30℃にて、スプレー圧を1.0kg/cm2で80秒間スプレーし、不要部の非露光部を除去し現像した。これにより、銅張り積層板上に配線パターンを有するエッチングレジストを形成した。極めて高解像力で、剥がれなどの欠陥のない配線パターンのレジスト像が得られ、スルーホール上でのレジスト膜破れも無かった。
次に、プリンターHMW532D(オーク社製)を用い、所望のプリント基板の回路パターンを有するフォトマスク(ネガ原稿、ライン/スペース=125μm/250μm)を介して、感光性転写材料上に超高圧水銀灯で、50mj/cm2 の照射エネルギーで紫外線露光した。露光後、室温で10分間放置し、続いて、表面の仮支持体のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、除去した。感光性転写材料の感光性樹脂層第1層側の表面に1%炭酸ナトリウム水溶液を30℃にて、スプレー圧を1.0kg/cm2で80秒間スプレーし、不要部の非露光部を除去し現像した。これにより、銅張り積層板上に配線パターンを有するエッチングレジストを形成した。極めて高解像力で、剥がれなどの欠陥のない配線パターンのレジスト像が得られ、スルーホール上でのレジスト膜破れも無かった。
その後、塩化第二鉄エッチャントをスプレーすることにより、前記エッチングレジストにより覆われていない銅部分を溶解した後で、残留するエッチングレジストのみを、2%水酸化ナトリウム水溶液をスプレーすることにより除去し、ガラスエポキシ樹脂銅張り積層板上に高解像力、高精度の銅のプリント配線基板を形成した。残留するエッチングレジストは、前記強アルカリにより異なる2層間の膨潤度差(0.1)により、レジスト剥離片サイズは小さく搬送系に絡み付くなどの問題はなかった。
該膨潤度差は、45℃の3%水酸化ナトリウム水溶液に検体である前記感光性樹脂層(2層)を加え、静置状態で1分間浸漬し、その浸漬前後の膜厚(d1、d2)を各々について計り、各々のd2/d1を求めて、その差を求めて得た。
該膨潤度差は、45℃の3%水酸化ナトリウム水溶液に検体である前記感光性樹脂層(2層)を加え、静置状態で1分間浸漬し、その浸漬前後の膜厚(d1、d2)を各々について計り、各々のd2/d1を求めて、その差を求めて得た。
(実施例2〜4、比較例1)
実施例1の感光性樹脂層塗液1、2処方において、表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして感光性転写材料を作製し、同様に評価した。
実施例1の感光性樹脂層塗液1、2処方において、表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして感光性転写材料を作製し、同様に評価した。
上記のようにして得られた感光性転写材料のレジスト剥離性について、以下のように評価を行なった。
1.レジスト剥離性評価
感光性転写材料(感光性材料サイズ:10cm四方)を45℃の3質量%NaOH水溶液にて80秒間シャワー処理し、剥離した剥離片をメッシュ(#200)にて回収した。その剥離片サイズを下記基準で目視にて評価し、その結果を表3に示す。評価点数が高いものほどより小片となっていて良好であることを示す。
1.レジスト剥離性評価
感光性転写材料(感光性材料サイズ:10cm四方)を45℃の3質量%NaOH水溶液にて80秒間シャワー処理し、剥離した剥離片をメッシュ(#200)にて回収した。その剥離片サイズを下記基準で目視にて評価し、その結果を表3に示す。評価点数が高いものほどより小片となっていて良好であることを示す。
(評価基準)
10cm四方、1枚もの : 0点 10cm未満〜8cm四方 : 2点
8cm未満〜6cm四方 : 4点 6cm未満〜4cm四方 : 6点
4cm未満〜2cm四方 : 8点 2cm四方未満 :10点
10cm四方、1枚もの : 0点 10cm未満〜8cm四方 : 2点
8cm未満〜6cm四方 : 4点 6cm未満〜4cm四方 : 6点
4cm未満〜2cm四方 : 8点 2cm四方未満 :10点
上記表3の結果から明らかな通り、実施例の全てにおいてレジスト剥離片サイズが小さくなることが分かった。一方、比較例においては、レジスト剥離片サイズが大きいことが分かった。
Claims (5)
- 仮支持体上に、少なくとも第1及び第2の感光性樹脂層を有し、この順で積層する感光性転写材料において、アルカリ水溶液中での前記第1及び第2の感光性樹脂層の膨潤度がそれぞれ異なることを特徴とする感光性転写材料。
- 前記第1及び第2の感光性樹脂層の膨潤度の差が0.1以上であることを特徴とする請求項1に記載の感光性転写材料。
- 前記第1及び第2の感光性樹脂層の膨潤度の差が0.1〜10の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の感光性転写材料。
- 仮支持体上に少なくとも第1及び第2の感光性樹脂層をこの順で積層する積層体形成工程と、該第2の感光性樹脂層が基板に接するように密着させる圧着工程と、該第1及び第2の感光性樹脂層にパターン露光、現像することによって、該基板の表面にパターン画像を形成する露光・現像工程と、該パターン画像を有する感光性樹脂層に覆われていない該基板部分をエッチング液により溶解した後、残留エッチングレジストのみをアルカリ液で剥離するアルカリ剥離工程と、を含むプリント配線基板の製造方法であって、該第1及び第2の感光性樹脂層が該アルカリ剥離工程後に異なる膨潤度を呈することを特徴とするプリント配線基板の製造方法。
- 前記アルカリ剥離工程後の第1及び第2の感光性樹脂層の膨潤度の差が、0.1以上であることを特徴とする請求項4に記載のプリント配線基板の製造方法。
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-
2004
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