JP2005055655A - 感光性転写シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 高い解像度を有し、かつ高強度の硬化層(テント膜)を形成することのできる感光層を備えた感光性転写シートを提供する。
【解決手段】 支持体11上に、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射によりエチレン性不飽和結合含有モノマーが重合して硬化する相対的に低感度の第一感光層12、そしてバインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射によりエチレン性不飽和結合含有モノマーが重合して硬化する相対的に高感度の第二感光層13がこの順に積層されている感光性転写シートにおいて、該感光性樹脂組成物中に界面活性剤を含有することを特徴とする感光性転写シート。
【選択図】 図1

Description

本発明は、特にプリント配線板製造用として有用な感光性転写シートに関するものである。本発明はまた、上記感光性転写シートを用いてプリント配線板を製造する方法に関する。
プリント配線板の製造分野においては、配線パターンを、可撓性透明フィルム支持体と、その支持体の上に形成された感光層とからなる感光性転写シート(ドライフィルムフォトレジストともいう)を用いたフォトリソ技術によって形成することが行われている。例えば、スルーホールを有するプリント配線板の場合、プリント配線板形成用基板(例えば、銅張積層板)にスルーホールを形成し、スルーホール内側壁部に金属層を形成した後、基板表面に感光性転写シートの感光層を重ね合わせ、配線パターン形成領域とスルーホール開口部を含む領域に光を所定のパターン状に照射して感光層を硬化させ、次いで、感光性転写シートの支持体を剥がし取り、配線パターン形成領域上の硬化層及びスルーホール開口部領域上の硬化層(テント膜と呼ばれている)以外の未硬化感光層領域を除去した後、露出した金属層部分をエッチング処理し、その後硬化層を除去して、基板表面に配線パターンを形成することが行われている。
感光性転写シートの高解像度化のために感光層の厚さを薄くすることは有効である。しかしながら、感光層の厚さを薄くすると、スルーホールのエッジ部分にて硬化層が変形したり、厚さが薄くなったりして、プリント配線板の製造時にて硬化層が破れ易くなるという問題がある。このため高解像のパターン形成が可能で、かつテント膜として破れが発生しにくい硬化層を形成することができる感光性転写シートの開発が進められている。
例えば、特許文献1には、支持体の上に、アルカリ可溶性で、加熱による流動性が小さく、活性エネルギー線に感応する第一の感光層を設け、さらにその上にアルカリ可溶性で、加熱による流動性が大きく、活性エネルギー線に感応する第二の感光層を設けてなる二層の感光層を有する感光性転写シートが開示されている。この特許文献では、感光性転写シートの第二の感光層をスルーホール内に埋め込むことによりスルーホールの金属層を保護することができると説明されている。しかしながら、プリント配線板製造の最終工程でスルーホール内に埋め込まれた硬化樹脂(第二の感光層の硬化物)を除去しなければならないため、プリント配線板の製造工程が複雑になるという問題がある。
また、感光性転写シートを製造する場合、塗布・乾燥過程で膜厚ムラが発生し、品質低下を起こす問題があった。
特開平8−54732号公報
本発明の課題は、膜厚均一性が良好な、高い解像度を有し、かつ高強度の硬化層(テント膜)を形成することのできる感光層を備えた感光性転写シートを提供することにある。また、本発明の目的は、その感光性転写シートを用いて、スルーホールやビアホールを有するプリント配線板を、工業的に有利に製造することができる方法を提供することにもある。
本発明は、支持体上に、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射によりエチレン性不飽和結合含有モノマーが重合して硬化する相対的に低感度の第一感光層、そしてバインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射によりエチレン性不飽和結合含有モノマーが重合して硬化する相対的に高感度の第二感光層がこの順に積層されている感光性転写シートにおいて、該感光性樹脂組成物中に界面活性剤を含有することを特徴とする感光性転写シートにある。
本発明の好ましい態様を下記に示す。
(1)第二感光層(高感度層)の厚さが、1〜10μmの範囲にある。
(2)第一感光層(低感度層)の厚さが、50μm以下で、かつ第二感光層の厚さより厚い。
(3)第二感光層を硬化させるために必要な光量Aと第一感光層を硬化させるために必要な光量Bとの比A/Bが0.01〜0.5の範囲にある。
(4)第二感光層を硬化させるために必要な光量Aと第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光量Cとの差C−Aが、第二感光層を硬化させるために必要な光の照射量Aの10倍より少ない量である。
(5)第二感光層を硬化させるために必要な光量Aと第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光量Cとの差C−Aが、100mJ/cm2以下である。
(6)第一感光層及び第二感光層が、互いに同一のバインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含み、第二感光層が第一感光層よりも光重合開始剤を多く含む。
(7)第二感光層が、さらに増感剤を含む。
(8)プリント配線板製造用である。
本発明はまた、内壁表面が金属層で覆われたスルーホール又はビアホールを有するプリント配線板の下記の工程からなる製造方法にもある。
(1)スルーホール又はビアホールを有し、表面が金属層で覆われたプリント配線板形成用基板を用意する工程;
(2)プリント配線板形成用基板の表面に上記本発明の感光性転写シートをその第二感光層が金属層に接するようにして圧着し、プリント配線板形成用基板、第二感光層、第一感光層、そして支持体がこの順で積層された積層体を得る積層工程;
(3)積層体の支持体側からプリント配線板形成用基板の配線パターン形成領域に、第二感光層を硬化させるために必要な光量の光を所定のパターン状に照射して、所定パターンの硬化層領域を形成する配線部露光工程;
(4)積層体の支持体側からプリント配線板形成用基板のスルーホール又はビアホールの開口部を含む領域に、第一感光層と第二感光層とをともに硬化させるために必要な光量の光を所定のパターン状に照射して、スルーホール又はビアホールの開口部領域を被覆する硬化層領域を形成するホール部露光工程;
(5)積層体から支持体を剥がす支持体剥離工程;
(6)プリント配線板形成用基板上の第一感光層及び第二感光層の未硬化領域を溶解除去して、基板表面の該未硬化領域の金属層を露出させる現像工程;
(7)露出した領域の金属層をエッチング液で溶解除去するエッチング工程;そして、
(8)硬化層をプリント配線板形成用基板から除去する硬化層除去工程。
本発明はさらに、スルーホール又はビアホールを有し、表面が金属層で覆われたプリント配線板形成用基板上に、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射によりエチレン性不飽和結合含有モノマーが重合して硬化する相対的に高感度の第二感光層、そしてバインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射によりエチレン性不飽和結合含有モノマーが重合して硬化する相対的に低感度の第一感光層がこの順に積層されている積層体において、該感光性樹脂組成物中に界面活性剤を含有することを特徴とする積層体にもある。
本発明の感光性転写シートは、その光の照射量(露光量)を変えることにより、厚さの異なる硬化層を形成することができる。従って、本発明の感光性転写シートを、スルーホールやビアホールを有するプリント配線板に製造に用いると、配線パターン形成領域には相対的に厚さの薄い高解像の硬化層を形成でき、スルーホール又はビアホールには相対的に厚さの厚く高強度の硬化層を形成することができる。このため、工業的に有利にプリント配線板を製造することができる。
本発明の感光性転写シートの一例の断面図を図1に示す。
図1において、感光性転写シート10は、支持体11、第一感光層12、第二感光層13、そして保護フィルム14がこの順で積層されている。第一感光層12及び第二感光層13はそれぞれ、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射によりエチレン性不飽和結合含有モノマーが重合して硬化する。本発明の感光性転写シートは、第二感光層13が第一感光層12よりも相対的に感度が高い点に主な特徴がある。ここで、感度が高いとは、第二感光層13の硬化が、第一感光層12よりも少ない光の照射量で始まることを意味する。
本発明の感光性転写シートにおける光の照射量と感光層の硬化量との関係を、図2を参照しながら説明する。図2は、本発明の感光性転写シートに支持体側から光を照射したときの、光の照射量と得られる硬化層の厚さとの関係を表す感度曲線を示すグラフである。図2において、横軸は、光の照射量を表し、縦軸は、光の照射により硬化した感光層の厚さを表す。縦軸のDは、第二感光層の厚さを、Eは、第一感光層の厚さと第二感光層の厚さとを足した感光層全体の厚さを表す。
図2に示すように、本発明の感光性転写シートでは、支持体側から照射した光は、支持体、第一感光層、そして第二感光層の順に進むにもかかわらず、第一感光層よりも先に少ない光量で第二感光層の硬化が始まる。第二感光層の硬化が始まる光量Sは、0.1〜10mJ/cm2の範囲にあることが好ましい。第二感光層の硬化量は、光量の増加に従って増え、やがて第二感光層の全体が硬化する。第二感光層を硬化させるために必要な光量Aは、20mJ/cm2以下(特に、2〜15mJ/cm2の範囲内)であることが好ましい。
第二感光層の全体が硬化した後、光量を多くしていくと、第一感光層の硬化が始まり、さらに光量を多くすると、第一感光層の全体が硬化する。第二感光層を硬化させるために必要な光量Aと第一感光層を硬化させるために必要な光量Bとの比A/Bは、0.01〜0.5の範囲にあることが好ましい。
第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光量Cは、第二感光層を硬化させるために必要な光量Aと同量であってもよいが、光量Aよりも大きい方が好ましい。第二感光層を硬化させるために必要な光量Aと第一感光層の硬化が始まるまで必要な光量Cとの差C−Aは、第二感光層を硬化させるために必要な光の照射量Aの10倍より少ない量(特に、1.1〜10倍の範囲内)であるか、100mJ/cm2以下(特に、1〜100mJ/cm2の範囲内)であることが好ましい。
上記のような感度曲線を有する感光性転写シートは、例えば、第二感光層の光重合開始剤の含有量を第一感光層よりを多くする、あるいは第二感光層に、増感剤を添加することにより得ることができる。
本発明の感光性転写シートにおいて用いるバインダーポリマーは、アルカリ性水溶液に可溶性であるか、あるいはアルカリ性水溶液との接触により少なくとも膨潤する性質を持つ共重合体であることが好ましい。アルカリ水溶液に対して可溶性又は膨潤性を持つ共重合体の例としては、カルボキシル基含有ビニルモノマー、及びその他の共重合可能なビニルモノマーとの共重合によって得られるカルボキシル基含有ビニル共重合体が挙げられる。
カルボキシル基含有ビニルモノマーの例としては(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマー、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、及びリン酸モノ(メタ)アクリロイルエチルエステルなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸のような環状無水物との付加反応物も利用できる。あるいは、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸などの無水物含有モノマーを用いてもよい。なお、これらの内では共重合性やコストや溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
その他の共重合可能なモノマーの例としては、酸性基(特に、カルボキシル基)を含まないエチレン不飽和モノマーを挙げることができる。特に、酸性基との化学反応性を有さないものであることが好ましい。例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、スチレン類、及びビニルエーテル類が好ましい。これらのモノマーとしては、例えば以下の様な化合物が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、及びトリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類の例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−nブチルアクリル(メタ)アミド、N−tertブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリロイルモルフォリンなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。ビニルエーテル類としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
この他ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール、及び(メタ)アクリロニトリル等も使用できる。
これらの化合物は一種のみでも、また二種以上を併用しても良い。特に好ましい共重合可能なモノマーの例は、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、α―メチルスチレン、クロルスチレン、ブロモスチレン、及びヒドロキシスチレンなどである。
カルボキシル基含有ビニル共重合体のカルボキシル基を有する繰り返し単位の含有量は、共重合体の全体繰り返し単位中の1〜60モル%の範囲にあり、好ましくは5〜50モル%の範囲、特に好ましくは10〜40モル%の範囲にある。カルボキシル基含有ビニル共重合体の分子量は、質量平均分子量として1000〜200000の範囲にあることが好ましく、4000〜100000の範囲にあることが特に好ましい。
感光層中のバインダーポリマーの含有量は、第一感光層及び第二感光層ともに、5〜96質量%の範囲にあることが好ましく、特に40〜80質量%の範囲が好ましい。
エチレン性不飽和結合含有モノマーの好適な例としては、少なくとも2個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物である(以下、多官能モノマーとも言う)。例えば、このような多官能モノマーの例としては、特公昭36−5093号公報、特公昭35−14719号公報、特公昭44−28727号公報等に記載される化合物を挙げることができる。上記公報に記載の化合物((メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル化合物、ビニルエステル類)の例として下記のものを挙げることができる。アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル類の例としては、多価アルコールのポリアクリレート類及びポリメタクリレート類(ここで「ポリ」とはジ(メタ)アクリレート以上を言う)を挙げることができ、その多価アルコールの例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリシクロヘキセンオキサイド、ポリスチレンオキサイド、ポリオキセタン、ポリテトラヒドロフラン、シクロヘキサンジオール、キシリレンジオール、ジ−(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、グリセリン、ジグリセリン、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビタン、ソルビトール、ブタンジオール、プタントリオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−n−ブチル−2−エチル−プロパンジオール、2−ブチン−1,4−ジオール、3−クロル−1,2−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール、デカリンジオール、2,3−ジブロム−2−ブテン−1,4−ジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2、2−ジフェニル−1,3−プロパンジオール、ドデカンジオール、メゾエリスリトール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、3−ヘキセン−2,5−ジオール、ヒドロキシベンジルアルコール、ヒドロキシエチルレゾルシノール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ノナンジオール、オクタンジオール、ペンタンジオール、1−フェニル−1,2−エタンジオール、プロパンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、2,3,5,6−テトラメチル−p−キシレン−α,α’−ジオール、1,1,4,4−テトラフェニル−1,4−ブタンジオール、1,1,4,4−テトラフェニル−2−ブチン−1,4−ジオール、1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、1,1’−ビ−2−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、1,1’−メチレン−ジ−2−ナフトール、1,2,4−ベンゼントリオール、ビフェノール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(ヒドロキシフェニル)メタン、カテコール、4−クロルレゾルシノール、3,4−ジヒドロキシハイドロシンナミックアシッド、ハイドロキノン、ヒドロキシベンジルアルコール、メチルハイドロキノン、メチレン−2,4,6−トリヒドロキシベンゾエート、フロログリシノール、ピロガロール、レゾルシノール、グルコース、α−(1−アミノエチル)−p−ヒドロキシベンジルアルコール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、N−(3−アミノプロピル)−ジエタノールアミン、N,N’−ビス−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−2,2’,2”−ニトリロトリエタノール、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオニックアシッド、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)ウレア、1,2−ビス(4−ピリジル)−1,2−エタンジオール、N−n−ブチルジエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−エチレンジエタノールアミン、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール2−(2−ピリジル)−1,3−プロパンジオール、トリエタノールアミン、α−(1−アミノエチル)−p−ヒドロキシベンジルアルコール、3−アミノ−4−ヒドロキシフェニルスルホンなどを挙げることができる。
これらのアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル類のうち、最も好ましい例としては、その入手の容易さから、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、テトラプロビレングリコールジアクリレート、ドデカプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、グリセリントリアクリレート、ジグリセリンジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、1,5−ベンタンジオールジアクリレート、ネオベンチルグリコールジアクリレート、エチレンオキサイド付加したトリメチロールプロパンのトリアクリル酸エステル等を挙げることができる。
アクリルアミド類及びメタクリルアミド類の例としては、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタリルアミドのほか;エチレンジアミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレン、ビス(2−アミノプロピル)アミン、ジエチレントリアミンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミンおよび異種原子により中断されたポリアミン及び環を有するポリアミン(例えば、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、β−(4−アミノフェニル)エチルアミン、ジアミノベンゾイックアシッド、ジアミノトルエン、ジアミノアントラキノン、ジアミノフルオレンなど)等のポリアクリルアミド及びポリメタクリルアミドを挙げることができる。
アリル化合物の例としては、フタル酸、テレフタル酸、セバシン酸、アシビン酸、グルタール酸、マロン酸及び硝酸等のジカルボン酸のジアリルエステル;アントラキノンジスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、2,5−ジヒドロキシ−p−ベンゼンジスルホン酸、ジヒドロキシナフタレンジスルホン酸及びナフタレンジスルホン酸などのジスルホン酸のジアリルエステル;及びジアリルアミドなどを挙げることができる。ビニルエーテル化合物の例としては、前記多価アルコールのポリビニルエーテル{例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、1,3,5−トリ−β−ビニロキシエトキジベンゼン、1,3−ジ−β−ビニロキジエトキジベンゼン及びグリセロールトリビニルエーテル}を挙げることができる。ビニルエステル類の例としては、ジビニルサクシネート、ジビニルアジペート、ジビニルフタレート、ジビニルテレフタレート、ジビニルベンゼン−1,3−ジスルホネート及びジビニルブタン−1,4−ジスルホネート等を挙げることができる。スチレン化合物の例としては、ジビニルベンゼン、p−アリルスチレン及びp−イソプロペンスチレン等を挙げることができる。
上記化合物以外の化合物として、N−β−ヒドロキシエチル−β−(メタクリルアミド)エチルアクリレート、N,N−ビス(β−メタクリロキシエチル)アクリルアミド、アリルメタクリレートなどの、異なったエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する化合物;さらに少なくとも二つの水酸基を有するポリオール化合物と、やや過剰の少なくとも二つのイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物とを反応させた反応生成物に、少なくとも一つの水酸基と少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させて得られる少なくとも二つのエチレン性不飽和二重結合を有する多官能ウレタン化合物も、本発明に好適に用いられる化合物として挙げることができる。
これらの多官能モノマーは単独あるいは二種以上を併用して用いることができる。感光層中の多官能モノマーの含有量は、第一感光層及び第二感光層ともに、5〜90質量%の範囲にあることが好ましく、特に15〜60質量%の範囲にあることが好ましい。
光重合開始剤としては、芳香族ケトン、米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール二量体とp−アミノケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。特に、芳香族ケトンが好ましい。
上記芳香族ケトンの好ましい例としては、ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン、2−エトキシカルボニルベンゾルフェノン、ベンゾフェノンテトラカルボン酸又はそのテトラメチルエステル、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、アントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、フェナントラキノン、キサントン、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、フルオレン、アクリドンおよびベンゾイン、ベンゾインエーテル類(例、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール)、4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン類(例、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビスジシクロヘキシルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジヒドロキシエチルアミノ)、ベンゾフェノン)を挙げることができる。特に好ましい例としては、ベンゾフェノンを挙げることができる。
感光層中の光重合開始剤の含有量は、第一感光層及び第二感光層ともに、0.1〜10質量%が一般的で、0.5〜5質量%が好ましい。第一感光層と第二感光層との感度差を光重合開始剤の含有量で調整する場合には、第二感光層の光重合開始剤含有量は、第一感光層の光重合開始剤の含有量に対して1.5〜10倍の量とすることが好ましく、特に2〜5倍の量とすることが好ましい。
本発明の感光性転写シートでは、感光層に増感剤を添加してもよい。増感剤は、通常は第二感光層にのみ添加する。
増感剤としては、公知の多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)が好適に使用できる。
増感剤の添加量は、感光層の全成分に対し、0.05〜30質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜20質量%の範囲、特に好ましくは0.2〜10質量%の範囲である。
本発明の感光性転写シートの感光層は、ロフイン二量体を含んでもよい。ロフイン二量体の例としては、2−(2’−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(2’−クロロフェニル)−4,5−ジ(3’−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(2’−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(2’−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(4’−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体を挙げることができる。
また、本発明の感光性転写シートの感光層は、例えば、J.コーサー著「ライトセンシテイブシステムズ」第5章に記載されているような有機硫黄化合物、過酸化物、レドツクス系化合物、アゾ並びにジアゾ化合物、光環元性色素、及び有機ハロゲン化合物などを含んでいても良い。有機硫黄化合物の例としては、ジ−n−ブチルジサルファイド、ジベンジルジサルファイド、2−メルカプロベンズチアゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、チオフェノール、エチルトリクロロメタンスルフェネート、2−メルカプトベンズイミダゾールを挙げることができる。過酸化物の例としては、ジ−t−ブチルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイドを挙げることができる。レドツクス化合物は、過酸化物と還元剤の組み合わせからなるものであり、第一鉄イオンと過硫酸イオン、第二鉄イオンと過酸化物などを挙げることができる。アゾ及びジアゾ化合物としては、α,α’−アゾビスイリブチロニトリル、2−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、p−アミノジフェニルアミンのジアゾニウム類を挙げることができる。光還元性色素としては、ローズベンガル、エリスロシン、エオシン、アクリフラビン、リポフラビン、チオニンを挙げることができる。有機ハロゲン化合物の例としては、2−トリクロロメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール;2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−n−ブトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリプロメメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール;フェニルトリブロモメチルスルホン、p−ニトロフェニルトリブロモメチルスルホン、p−クロルフェニルトリブロモメチルスルホン;2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン;を挙げることができる。
更に、本発明に使用してもよい有機ハロゲン化合物の例として、ハロゲン化炭化水素、ハロゲン化アルコール化合物、ハロゲン化カルボニル化合物、ハロゲン化エーテル化合物、ハロゲン化エステル化合物、ハロゲン化アミド化合物を挙げることができる。ハロゲン化炭化水素の例としては、四臭化炭素、ヨードホルム、1,2−ジブロモエタン、1,1,2,2−テトラブロモエタン、1,1−ビス(p−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、1,2−ジブロモ−1,1,2−トリクロロエタン、1,2,3トリブロモプロバン、1−ブロモ−4−クロロブタン、1,2,3,4−テトラブロモブタン、テトラクロロシクロプロペン、ヘキサクロロシクロペンタジエン、ジブロモシキロヘキサンなどを挙げることができる。ハロゲン化アルコール化合物の例としては、2,2,2−トリクロロエタノール、トリブロモエタノール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,1,1−トリクロロ−2−プロパノール、ジ(ヨードヘキサメチレン)アミノイソプロパノール、トリブロモ−tert−ブチルアルコール、2,2,3−トリクロロブタン−1,4−ジオールなどを挙げることができる。ハロゲン化カルボニル化合物の例としては、1,1−ジクロロアセトン、1,3−ジクロロアセトン、ヘキサクロロアセトン、ヘキサブロモアセトン、1,1,3,3−テトラクロロアセトン、1,1,1−トリクロロアセトン、3,4−ジブロモ−2−ブタノン、1,4−ジクロロ−2−ブタノン−ジブロモシクロヘキサノンなどを挙げることができる。ハロゲン化エーテル化合物の例としては、2−ブロモエチルメチルエーテル、2−ブロモエチルエチルエーテル、ジ(2−ブロモエチル)エーテル、1,2−ジクロロエチルエチルエーテルなどを挙げることができる。ハロゲン化エステル化合物の例としては、ハロゲン化カルボン酸のエステル、カルボン酸のハロゲン化エステル、またはハロゲン化カルボン酸のハロゲン化エステルを挙げることができ、これらの例として、酢酸ブロモエチル、トリクロロ酢酸エチル、トリクロロ酢酸トリクロロエチル、2,3−ジブロモプロピルアクリレートのホモポリマー及び共重合体、ジブロモプロピオン酸トリクロロエチル、α,β−ジグロロアクリル酸エチルなどを挙げることができる。ハロゲン化アミド化合物の例としては、クロロアセトアミド、ブロモアセトアミド、ジクロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリブロモアセトアミド、トリクロロエチルトリクロロアセトアミド、2−ブロモイソプロピオンアミド、2,2,2−トリクロロプロピオンアミド、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミドなどを挙げることができる。有機ハロゲン化合物のうちでは同一炭素原子に結合した二個以上のハロゲン原子を持つハロゲン化物が好ましく、特に好ましくは一個の炭素原子に三個のハロゲン原子を持つハロゲン化物である。有機ハロゲン化合物は単独で使用してもよく、二種以上併用してもよい。これらのうち特に好ましい有機ハロゲン化合物は、トリブロモメチルフェニルスルホン、2,4−ビス(トリクロロメチル)6−フェニルトリアゾールである。本発明に用いられる有機ハロゲン化合物の量は、感光層の全成分に対し0.001〜5質量%の範囲が一般的で、0.005〜1質量%が好ましい。
本発明の感光性転写シートでは、感光層に更に熱重合禁止剤を加えてもよい。熱重合禁止剤の例としては、例えばp−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキルまたはアリール置換ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、塩化第一銅、クロラニール、ナフチルアミン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、p−トリイジン、メチレンブルー、有機銅、サリチル酸メチルなど挙げることができる。これらの熱重合禁止剤は多官能モノマーに対して0.001〜5質量%の範囲で含有されているのが好ましい。
本発明の感光性転写シートでは、感光層に膜物性(可撓性)をコントロールするために、可塑性を添加してもよく、その例としては、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、オクチルカプリールフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジアリールフタレートなどのフタル酸エステル類;ジメチルグリコースフタレート、エチルフタリールエチルグリコレート、メチルフタリールエチルグリコレート、ブチルフタリールブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカブリル酸エステルなどのグリコールエステル類;トリクレジオールフォスフェート、トリフェニルフォスフェートなどの燐酸エステル類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジベート、ジメチルセパケート、ジブチルセパケート、ジオクチルセパケート、ジブチルマレートなどの脂肪族二塩基エステル類;ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、N−n−ブチルアセトアミドなどのアミド類;クエン酸トリエチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリル酸ブチルなどを挙げることができる。p−トルエンスルホンアミドが好ましい。
本発明の感光性転写シートでは、感光層はロイコ色素を含むことができる。ロイコ色素の例としては、トリス(p−ジメチルアミノフェニル)メタン(ロイコクリスタルバイオレツト)、トリス(p−ジエチルアミノフェニル)メタン、トリス(p−ジメチルアミノ−o−メチルフェニル)メタン、トリス(p−ジエチルアミノ−o−メチルフェニル)メタン、ビス(p−ジブチルアミノフェニル)−〔p−(2−シアノエチル)メチルアミノフェニル〕メタン、ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−2−キノリルメタン、トリス(p−ジプロピルアミノフェニル)メタン等のアミノトリアリールメタン類;3,6−ビス(ジメチルアミノ)−9−フェニルキサンチン、3−アミノ−6−ジメチルアミノ−2−メチル−9−(o−クロロフェニル)キサンチン等のアミノキサンチン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−エトキシカルボニルフェニル)チオキサンテン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)チオキサンテン等のアミノチオキサンテン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9,10−ジヒドロ−9−フェニルアクリジン、3,6−ビス(ベンジルアミノ)−9,10−ジビドロ−9−メチルアクリジン等のアミノ−9,10−ジヒドロアクリジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)フェノキサジン等のアミノフェノキサジン類;3,7−ビス(エチルアミノ)フェノチアゾン等のアミノフェノチアジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)−5−ヘキシル−5,10−ジヒドロフェナジン等のアミノジヒドロフェナジン類;ビス(p−ジメチルアミノフェニル)アニリノメタン等のアミノフェニルメタン類;4−アミノ−4’−ジメチルアミノジフェニルアミン、4−アミノ−α、β−ジシアノヒドロケイ皮酸メチルエステル等のアミノヒドロケイ皮酸類;1−(2−ナフチル)−2−フェニルヒドラジン等のヒドラジン類;1,4−ビス(エチルアミノ)−2,3−ジヒドロアントラキノン類のアミノ−2,3−ジヒドロアントラキノン類;N,N−ジエチル−p−フェネチルアニリン等のフェネチルアニリン類;10−アセチル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン等の塩基性NHを含むロイコ色素のアシル誘導体;トリス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)エトキシカルボニルメンタン等の酸化しうる水素をもっていないが、発色化合物に酸化しうるロイコ様化合物;ロイコインジゴイド色素;米国特許3,042,515号及び同第3,042,517号に記載されているような発色形に酸化しうるような有機アミン類(例、4,4’−エチレンジアミン、ジフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4,4’−メチレンジアミントリフェニルアミン、N−ビニルカルバゾール)を挙げることができる。特に好ましいものはロイコクリスタルバイオレットである。上記ロイコ色素の量は、感光層の全成分に対し、0.01〜10質量%の範囲が好ましく、特に0.05〜5質量%の範囲が好ましい。
本発明の感光性転写シートには、感光層を着色させたり、保存安定性を付与したりする目的に染料を用いることができる。好適な染料の例としては、ブリリアントグリーン硫酸塩、エオシン、エチルバイオレット、エリスロシンB、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、フェノールフタレイン、1,3−ジフェニルトリアジン、アリザリンレッドS、チモールフタレイン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニル−イエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、オレンジIV、ジフェニルチロカルバゾン、2,7−ジクロロフルオレセイン、パラメチルレッド、コンゴーレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチル−レッド、ナイルブルーA、フェナセタリン、メチルバイオレット、マラカイトグリーンシュウ酸塩、パラフクシン、オイルブルー#603(オリエント化学工業(株)製)、ローダミンB、ロータミン6Gなどを挙げることができる。特に好ましい染料はマラカイトグリーンシュウ酸塩である。
本発明には、第一感光層と第二感光層との密着性、あるいは第二感光層とプリント基板形成用基板との密着性を向上させるために、感光層に公知のいわゆる密着促進剤を用いることができる。例えば、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサノール、2−メルカプトベンズチアゾール、3−モルホリノメチル−1−フェニル−トリアゾール−2−チオン、3−モルホリノメチル−5−フェニル−オキサジアゾール−2−チオン、5−アミノ−3−モルホリノメチル−チアジアゾール−2−チオン、2−メルカプト−5−メチルチオーチアジアゾールなどを挙げることができる。3−モルホリノメチル−1−フェニルトリアゾール−2−チオンが好ましい。
本発明には感光性転写シートを製造する時に発生する面状ムラを改善させるために公知の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の例として、アニオン系およびカチオン系界面活性剤やノニオン系界面活性剤、フッ素含有界面活性剤から密着性の観点から適宜選択する。添加量は、感光性樹脂組成物の固形分に対し、0.001〜10質量%が好ましく、0.001質量%未満では面状改良の効果が得られなく、10質量%を超えると密着性が悪化する問題がある。フッ素系の界面活性剤として炭素鎖3〜20でフッ素原子を40質量%以上含み、且つ非結合末端から数えて少なくとも3個の炭素原子に結合した水素原子がフッ素置換されているフルオロ脂肪族基を有するアクリレートまたはメタクリレートを共重合成分として有する高分子界面活性剤が好ましい。
本発明の感光性転写シートは、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、上記の各種材料を、溶剤に溶解または分散させて、第一感光層形成用の第一感光性樹脂組成物溶液と第二感光層形成用の第二感光性樹脂組成物溶液をそれぞれ調製する。第一感光性樹脂組成物溶液、及び第二感光性樹脂組成物溶液の溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロゲキサノン、ジイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息化酸エチルなどのエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノールなどのエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホオキサイドなどを挙げることができる。第一感光性樹脂組成物溶液、及び第二感光性樹脂組成物溶液には、公知の界面活性剤を添加してもよい。
次に、第一感光性樹脂組成物溶液を支持体の上に塗布し、乾燥することにより第一感光層を形成する。第一感光層が形成されたら、その上に第二感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥することにより、第二感光層を形成する。
前記支持体は、可撓性透明フィルム支持体であることが好ましい。可撓性透明フィルム支持体として用いられるものは、光の透過性が良好であることが必要である。また表面の平滑性が良好であることが望ましい。可撓性透明フィルム支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフロロエチレン、ポリトリフロロエチレン等の各種のプラスチックフィルムを挙げることができる。更にこれらの二種以上からなる複合材料も使用することができる。上記の中でポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。支持体の厚さは、5〜150μmが一般的であり、10〜50μmが好ましい。
本発明の感光性転写シートは、第二感光層の上に、前述のように更に保護フィルムを設けることができる。上記保護フィルムの例としては、前記支持体に使用されるもの及び、紙、あるいはポリエチレン、ポリプロピレンがラミネートされた紙などを挙げることができる。特にポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。保護フィルムの厚さは、5〜100μmが一般的であり、10〜50μmが好ましい。その際、感光性樹脂層と支持体の接着力Aと感光性樹脂層と保護フィルムの接着力Bとが、A>Bの関係になるようにする必要がある。支持体/保護フィルムの組み合わせの例としては、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリ塩化ビニル/セロフアン、ポリイミド/ポリプロピレンなどを挙げることができる。上記のように支持体と保護フィルムを相互に異種のものから選ぶ方法のほかに、支持体及び保護フィルムの少なくとも一方を表面処理することにより、前記のような接着力の関係を満たすことができる。支持体の表面処理は感光性樹脂層との接着力を高めるために施されるのが一般的であり、例えば、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、レーザー光線照射処理などを挙げることができる。また、支持体と保護フィルムとの静摩擦係数も重要である。これらの静摩擦係数は、0.3〜1.4が好ましく、特に0.5〜1.2が好ましい。0.3未満では滑り過ぎるため、ロール状にした時巻ズレが発生する。また1.4を超えた場合、良好なロール状に巻くことが困難となる。
また、保護フィルムを表面処理しても良い。表面処理は、感光性樹脂層との接着性を低下させるために行なわれる。例えば、保護フィルムの表面に、ポリオルガノシロキサン、弗素化ポリオレフィン、ポリフルオロエチレン、ポリビニルアルコール等の下塗層を設ける。下塗層の形成は、上記ポリマーの塗布液を保護フィルムの表面に塗布後、30〜150℃(特に50〜120℃)で1〜30分間乾燥することにより一般に行なわれる。
本発明の感光性転写シートは、スルーホール又はビアホールを有するプリント配線板の製造に好適に用いることができる。
本発明の感光性転写シートを用いたスルーホールを有するプリント配線板の製造方法について、添付図面の図3を参照しながら説明する。
図3(A)に示すように、スルーホール22を有し、表面が金属層23で覆われたプリント配線板製造用基板21を用意する。プリント配線板製造用基板21としては、銅張積層基板及びガラス−エポキシなどの絶縁基材に銅めっき層を形成した基板、又はこれらの基板に層間絶縁膜を積層し、銅めっき層を形成した基板(積層基板)を用いることができる。
次に、図3(B)に示すように、本発明の感光性転写シート10の第二感光層13を、プリント配線板形成用基板21の表面に加圧ローラ31を用いて圧着する(積層工程)。これによりプリント配線板形成用基板21、第二感光層13、第一感光層12、そして支持体11がこの順で積層された積層体が得られる。感光性転写シートの積層は、室温(15〜30℃)あるいは加熱下(30〜180℃)で行うことができる。特に、60〜140℃の加熱下で行うことが好ましい。
なお、感光性転写シートを用いる変わりに、感光性転写シート製造用の第二感光性樹脂組成物溶液と第一感光性樹脂組成物溶液とをこの順にプリント配線板形成用基板の表面に直接塗布し、乾燥することによって、プリント配線板形成用基板、第二感光層、そして第一感光層がこの順で積層された積層体を得ることもできる。
次に、図3(C)に示すように、積層体の支持体11側の面から、光を照射して感光層を硬化させる。プリント配線板形成用基板21の配線パターン形成領域には、第二感光層13を硬化させるために必要な光量の光を所定のパターン状に照射して、配線パターン形成用の硬化層15の領域を形成する(配線部露光工程)。プリント配線板形成用基板のスルーホール22の開口部及びその周囲には、第一感光層12と第二感光層13とをそれぞれ硬化させるために必要な光量の光を照射して、スルーホールの金属層保護用の硬化層16の領域を形成する(ホール部露光工程)。配線部露光工程とホール部露光工程とは、それぞれ独立して行なってもよいが、並行して行なう方が好ましい。露光は、フォトマスクを介して光を照射することにより行なうか、レーザ露光装置を用いてレーザ光を照射することにより行なう。露光に使用される光源としては、支持体11を透過し、かつ用いられる光重合開始剤に対して活性な電磁波、波長が310〜700nm(好ましくは350〜500nm)の範囲の紫外から可視光線を発生させる光源が用いられる。例えば、(超)高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ハロゲンランプ、複写用の蛍光管、半導体レーザ等の公知光源を使用することができる。この他に、電子線あるいはX線などを用いてもよい。
次に、図3(D)に示すように、積層体から支持体11を剥がす(支持体剥離工程)。
次に、図3(E)に示すように、プリント配線板形成用基板21上の第一感光層12及び第二感光層13の未硬化領域を、適当な現像液にて溶解除去して、配線パターン形成用の硬化層15とスルーホールの金属層保護用の硬化層16を現像し、基板表面の金属層23を露出させる(現像工程)。現像液には、アルカリ水溶液(例えば、炭酸ナトリウム溶液)、有機溶剤を含有するアルカリ水溶液、及び有機溶剤を挙げることができる。
次に、図3(F)に示すように、基板表面の露出した金属層23をエッチング液で溶解除去する(エッチング工程)。これよりプリント配線板形成用基板21に配線パータン24が形成される。金属層23が銅で形成されている場合、エッチング液には、塩化第一鉄水溶液、塩化銅水溶液、及び塩化第二銅水溶液を用いることができる。
次に、図3(G)に示すように、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの強アルカリ水溶液にて、硬化層15、16を剥離片17として、プリント配線板形成用基板から除去する(硬化物除去工程)。
[実施例1]
20μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに、下記の組成からなる第一感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥して、25μm厚の感光層(第一感光層)を形成した。
[第一感光性樹脂組成物溶液の組成]
────────────────────────────────────────
メチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合体組成(モル比):55/11.7/4.5/28.8、質量平均分子量:90000、Tg:70℃) 15質量部
ドデカポリプロピレングリコールジアクリレート 6.5質量部
テトラエチレングリコールジメタクリレート 1.5質量部
4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.04質量部
ベンゾフェノン 1.0質量部
p−トルエンスルホンアミド 0.5質量部
マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.02質量部
3−モルホリノメチル−1−フェニルトリアゾール−2−チオン 0.01質量部
ロイコクリスタルバイオレット 0.2質量部
トリブロモメチルフェニルスルホン 0.1質量部
下記の組成の高分子界面活性剤 0.03質量部
613CH2CH2OCOCH=CH2 52.5質量%
H(O(CH3)CHCH26OCOCH=CH2 40質量%
メタクリル酸 7.5質量%
メチルエチルケトン 30質量部
────────────────────────────────────────
次に、下側感光層の上に、下記の組成からなる第二感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥して、5μm厚の感光層(第二感光層)を形成した。
[第二感光性樹脂組成物溶液の組成]
────────────────────────────────────────
メチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合体組成(モル比):40/26.7/4.5/28.8、質量平均分子量:90000、Tg:50℃) 15質量部
ドデカポリプロピレングリコールジアクリレート 6.5質量部
テトラエチレングリコールジメタクリレート 1.5質量部
4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.4質量部
ベンゾフェノン 3.0質量部
p−トルエンスルホンアミド 0.5質量部
マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.02質量部
3−モルホリノメチル−1−フェニルトリアゾール−2−チオン 0.01質量部
ロイコクリスタルバイオレット 0.2質量部
トリブロモメチルフェニルスルホン 0.1質量部
下記の組成の高分子界面活性剤 0.03質量部
613CH2CH2OCOCH=CH2 52.5質量%
H(O(CH3)CHCH26OCOCH=CH2 40質量%
メタクリル酸 7.5質量%
メチルエチルケトン 30質量部
────────────────────────────────────────
最後に第二感光層の上に、20μm厚のポリエチレンフィルムを積層して感光性転写シートを得た。いずれの層も膜厚ムラが±5%以内であった。こうして得た感光性転写シートの感度を下記の方法により測定した結果、第二感光層を硬化させるために必要な光量Aは、4mJ/cm2であり、第一感光層を硬化させるために必要な光量Bは40mJ/cm2であり、第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光量Cは14mJ/cm2(光量Cと光量Aとの差は10mJ/cm2)であった。
[感度の測定方法]
感光性転写シートの感光層に、ポリエチレンテレフタレートフィルム側から高圧水銀灯を用いて、0.1mJ/cm2から21/2倍間隔で100mJ/cm2まで光量の異なる光を照射して、感光層を硬化させる。次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取り、感光層の未露光部を炭酸ナトリウム水溶液で溶解除去して、硬化層を現像し、その硬化層の厚みを測定する。次いで、光の照射量と、硬化層の厚さとの関係をプロットして感度曲線を得る。こうして得た感度曲線から硬化層の厚さが5μmとなった時の光量(光量A)、硬化層の厚さが30μmとなった時の光量(光量B)、及び硬化層の厚さが5μmを超えた時の光量(光量C)を読み取る。
[プリント配線板の製造]
内壁に銅めっき層を備えた、直径3mmのスルーホールを有し、表面が研磨、乾燥した銅層で覆われた銅張積層板上に、ポリエチレンフィルムを剥離した感光性転写シートの第二感光層を重ね、ヒートロールラミネーターを用いて、気泡が入らないように圧着し、銅張積層板、第二感光層、第一感光層、そしてポリエチレンテレフタレートフィルムがこの順で積層された積層体を得た。得られた積層体のポリエチレンテレフタレートフィルムの上から、405nmの青色レーザ光源を有する露光装置を用いて、銅張積層板の配線パターン形成領域に、4mJ/cm2の光を所定のパターン状に照射し、一方、銅張積層板のスルーホールの開口部及びその周囲領域に、40mJ/cm2の光を照射して、感光層を露光した。露光後、積層体からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取り、次いで濃度1質量%の炭酸ナトリウム水溶液を第二感光層表面にスプレーして、第一感光層及び第二感光層の未硬化領域を溶解除去して、硬化層レリーフを得た。
銅張積層板の硬化層パターンを観察したところ、配線パターン形成領域上の硬化層、及びスルーホール開口部上の硬化層に剥がれや破れなどの欠陥は見られなかった。また、硬化層の厚さを測定したところ、配線パターン形成領域上の硬化層の厚さは5μmであり、スルーホール開口部上の硬化層の厚さは30μmであった。
次いで、銅張積層板の表面に、塩化鉄エッチャント(塩化第一鉄含有エッチング溶液)をスプレー塗布して、硬化層で覆われていない露出した領域の銅層を溶解除去し、次いで濃度2質量%の水酸化ナトリウム水溶液をスプレーして硬化層レリーフを除去して、スルーホールを有し、表面に配線パターン状の銅層を備えたプリント配線板を得た。得られたプリント配線板のスルーホールを目視で観察したところ、スルーホール内壁の銅めっき層に異常は見られなかった。
本発明に従う感光性転写シートの一例の断面図である。 本発明の感光性転写シートに支持体側から光を照射したときの、光の照射量と硬化層の厚さとの関係を表す感度曲線を示すグラフである。 本発明に従うスルーホールを有するプリント配線板の製造工程を示す図である。
符号の説明
10 感光性転写シート
11 支持体
12 第一感光層
13 第二感光層
14 保護フィルム
15 配線パターン形成用の硬化層
16 スルーホールの金属層保護用の硬化層
17 剥離片
21 プリント配線板形成用基板
22 スルーホール
23 金属層
24 配線パターン
31 加圧ローラ

Claims (13)

  1. 支持体上に、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射によりエチレン性不飽和結合含有モノマーが重合して硬化する相対的に低感度の第一感光層、そしてバインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射によりエチレン性不飽和結合含有モノマーが重合して硬化する相対的に高感度の第二感光層がこの順に積層されている感光性転写シートにおいて、該感光性樹脂組成物中に界面活性剤を含有することを特徴とする感光性転写シート。
  2. 第二感光層の厚さが、1〜10μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の感光性転写シート。
  3. 第一感光層の厚さが、50μm以下で、かつ第二感光層の厚さより厚いことを特徴とする請求項1に記載の感光性転写シート。
  4. 第二感光層を硬化させるために必要な光量Aと第一感光層を硬化させるために必要な光量Bとの比A/Bが0.01〜0.5の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の感光性転写シート。
  5. 第二感光層を硬化させるために必要な光量Aと第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光量Cとの差C−Aが、第二感光層を硬化させるために必要な光の照射量Aの10倍より少ない量であることを特徴とする請求項1に記載の感光性転写シート。
  6. 第二感光層を硬化させるために必要な光量Aと第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光量Cとの差C−Aが、100mJ/cm2以下であることを特徴とする請求項1に記載の感光性転写シート。
  7. 第一感光層及び第二感光層が、互いに同一のバインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含み、第二感光層が第一感光層よりも光重合開始剤を多く含むことを特徴とする請求項1に記載の感光性転写シート。
  8. 第二感光層が、さらに増感剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の感光性転写シート。
  9. プリント配線板製造用であることを特徴とする請求項1乃至8のうちのいずれかの項に記載の感光性転写シート。
  10. 内壁表面が金属層で覆われたスルーホール又はビアホールを有するプリント配線板の下記の工程からなる製造方法:
    (1)スルーホール又はビアホールを有し、表面が金属層で覆われたプリント配線板形成用基板を用意する工程;
    (2)プリント配線板形成用基板の表面に請求項1乃至8のうちのいずれか項に記載の感光性転写シートをその第二感光層が金属層に接するようにして圧着し、プリント配線板形成用基板、第二感光層、第一感光層、そして支持体がこの順で積層された積層体を得る積層工程;
    (3)積層体の支持体側からプリント配線板形成用基板の配線パターン形成領域に、第二感光層を硬化させるために必要な光量の光を所定のパターン状に照射して、所定パターンの硬化層領域を形成する配線部露光工程;
    (4)積層体の支持体側からプリント配線板形成用基板のスルーホール又はビアホールの開口部を含む領域に、第一感光層と第二感光層とをともに硬化させるために必要な光量の光を所定のパターン状に照射して、スルーホール又はビアホールの開口部領域を被覆する硬化層領域を形成するホール部露光工程;
    (5)積層体から支持体を剥がす支持体剥離工程;
    (6)プリント配線板形成用基板上の第一感光層及び第二感光層の未硬化領域を溶解除去して、基板表面の該未硬化領域の金属層を露出させる現像工程;
    (7)露出した領域の金属層をエッチング液で溶解除去するエッチング工程;そして、
    (8)硬化層をプリント配線板形成用基板から除去する硬化層除去工程。
  11. 工程(3)と(4)で用いる光が共にレーザ光であることを特徴とする請求項10に記載のプリント配線板の製造方法。
  12. スルーホール又はビアホールを有し、表面が金属層で覆われたプリント配線板形成用基板上に、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射によりエチレン性不飽和結合含有モノマーが重合して硬化する相対的に高感度の第二感光層、そしてバインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射によりエチレン性不飽和結合含有モノマーが重合して硬化する相対的に低感度の第一感光層がこの順に積層されている積層体において、該感光性樹脂組成物中に界面活性剤を含有することを特徴とする積層体。
  13. 第一感光層の上に可撓性透明フィルム支持体が積層されていることを特徴とする請求項12に記載の積層体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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