JP3421135B2 - 破裂強度と難燃性の改良された柔軟性ポリエステルエアーバッグ用織物の製造方法 - Google Patents

破裂強度と難燃性の改良された柔軟性ポリエステルエアーバッグ用織物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エアーバッグ用織物の
製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、柔軟性
を有しながら破裂強度と難燃性の改良されたポリエステ
ルエアーバッグ用織物の製造方法に関する。本発明のエ
アーバッグ用織物を使用したエアーバッグは、高破裂強
度を有し、かつインフレーターからの高温ガスにより燃
焼することがなく安全性に優れる。
【0002】
【従来の技術】エアーバッグに対しては、車両事故に際
し乗員を衝撃から充分に保護できることが要求される。
すなわち、エアーバッグ用織物は、いかなる条件下の衝
突インフレーションであっても、絶対にバッグ自身が破
裂しないことと、燃焼しないことが要求される。このよ
うに、エアーバッグ用織物は、そのための高破裂強度と
難燃性が要求される。
【0003】しかし、従来のポリエステルエアーバッグ
用織物は、この破裂強度と難燃性が十分ではなかった。
従来のポリエステルエアーバッグ用織物の典型的な例
は、特開平4−214437号公報にエアーバッグ用ポ
リエステル織物として開示されている。この織物は、精
練や熱処理なしに、目付200g/m2以下の織物が2
20daN/5cm(約135kg/3cm)以上の引
張強力と25%以上の引張切断伸度が得られたとしてい
る。しかし、エアーバッグとしての破裂強度と難燃性に
関する記述はない。また、単糸繊度は、いずれの実施例
も大きく、柔軟性に乏しい織物であることが推定され
る。
【0004】また、米国特許第4,977,016号明
細書(特開平4−2835号公報に対応)には、エアー
バッグ用ポリエステル織物が開示されている。この織物
は、1334N/インチ(161kg%/3cm)以上
の引張強力と25%以上の引張切断伸度が得られたとし
ている。しかし、同様にエアーバッグとしての破裂強度
と難燃性に関する記述はない。また、単糸繊度が大きい
ので、柔軟性に乏しい織物であることが推定される。
【0005】一方、ナイロン織物に関しては、特開平5
−339840号公報には、450de以下で残留油剤
付着量が0.08重量%以上のエアーバッグ用ナイロン
6,6織物が開示されている。この織物は、引裂強力の
熱劣化を小さくするため、0.08重量%以上の残留油
剤付着量が必要であるとしている。しかし、破裂強度に
関する記述はない。また、単糸繊度は、いずれの実施例
も大きく、柔軟性に乏しい織物であることが推定され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記の各
先行技術では、破裂強度と難燃性が十分なポリエステル
エアーバッグを実現できるエアーバッグ用織物が得られ
てはおらず、従ってこの点を改良した織物が待ち望まれ
てきた。一般に、ポリエステル織物は、ナイロン織物に
比べて硬くなりやすいのでエアーバッグにした場合に、
顔面擦過傷を発現する可能性が高い。そこで、エアーバ
ッグの柔軟性を確保するために、単糸繊度を小さくして
無撚のまま製織することが好ましい。しかし、この無撚
で単糸繊度の小さいポリエステル織物は、難燃性と破裂
強度が不良となりやすいという欠点があった。難燃性
は、単糸自身の表面積が大きく、また酸素が供給されや
すいことに起因し、破裂強度は、単糸が細いので応力集
中時に縫目滑脱性が大きいことに起因する。本発明の目
的は、柔軟性を有しながら破裂強度と難燃性に優れたエ
アーバッグ用ポリエステル織物の製造方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、抜糸単糸繊度
が経緯ともに1.0〜3.0deである無撚のエアーバ
ッグ用織物であって、製糸工程において油剤付着量とし
て0.1〜1.0重量%の油剤を付与された原糸単糸繊
度が1.0〜3.0deのポリエステルフィラメント原
糸を無撚のまま緯糸に、また該原糸に鉱物油を含むアフ
ターオイルをさ らに油剤付着量として0.1〜3.0重
量%付与して整経した無撚糸を経糸に用いて、レピアル
ームにより製織して生機となし、該生機を精練した織物
総残留油剤付着量0.03〜0.10重量%、鉱物
油付着量0.001〜0.08重量%、経緯のカバー
ファクターをともに900〜1,400となす破裂強度
と難燃性の改良された柔軟性ポリエステルエアーバッグ
用織物の製造方法である。
【0008】本発明のエアーバッグ用織物は、経緯のカ
バーファクターがともに900〜1,400であること
が必要である。経のカバーファクターとは、織物の経糸
の繊度の平方根に経糸密度(本/インチ)を乗じた値で
ある。また、緯のカバーファクターとは、織物の緯糸の
繊度の平方根に緯糸密度(本/インチ)を乗じた値であ
る。経または緯のカバーファクターが900未満では、
エアーバッグ用織物として密度が低すぎるので、インフ
レーションの際に縫目滑脱を起こして破裂強度が低下す
る。一方、経または緯のカバーファクターが1,400
を超えると、織物が粗剛になりエアーバッグモジュール
への収納性が低下し、また顔面擦過傷が発生する。カバ
ーファクターは、経緯ともに950〜1,350が好ま
しい。
【0009】本発明のエアーバッグ用織物は、抜糸単糸
繊度が経緯ともに1.0〜3.0deであることが必要
である。抜糸単糸繊度とは、織物から経糸と緯糸を引き
抜いて測定したフィラメント糸の単糸繊度である。抜糸
単糸繊度が1.0de未満では、原糸単糸繊度もこの繊
度に近いので、製織性が低下して織物物性が不均一とな
り、破裂強度が低下する。一方、3.0deを超える
と、エアーバッグが粗剛になり柔軟性に乏しくなるの
で、顔面擦過傷を引き起こす。抜糸単糸繊度は、1.2
〜2.5deが好ましく、1.3〜2.3deが最も好
ましい。
【0010】本発明のエアーバッグ用織物は、無撚織物
であることが必要である。有撚では、織物が粗剛とな
り、また表面平滑性が不良となるので顔面擦過傷を引き
起こす。
【0011】本発明のエアーバッグ用織物は、織物表面
の残留油剤が鉱物油を含有してなり、かつその総残留油
剤付着量が0.03〜0.10重量%であることが必要
である。総残留油剤付着量とは、鉱物油を含む総残留油
剤の織物重量に対する割合(重量%)である。鉱物油を
含む総残留油剤付着量が0.03重量%未満では、エア
ーバッグの破裂強度が低下する。一方、0.10重量%
を超えると、難燃性が低下する。鉱物油を含む総残留油
剤付着量は、0.04〜0.08重量%が好ましい。
【0012】本発明のエアーバッグ用織物は、織物表面
の鉱物油付着量が0.001〜0.08重量%であるこ
とが必要である。鉱物油付着量とは、総残留油剤付着量
のうちの鉱物油付着量が占める割合ではなく、鉱物油の
織物重量に対する割合(重量%)である。鉱物油付着量
が0.001重量%未満では、エアーバッグの破裂強度
が低下する。一方、0.08重量%を超えると、難燃性
が不良となる。鉱物油付着量は、0.002〜0.07
重量%が好ましい。
【0013】本発明のエアーバッグ用織物は、経緯のカ
バーファクターの差異が5〜100であることが好まし
い。カバーファクターの差異が5未満では、製織時に製
織性が低下し均一な織物とならないので、エアーバッグ
の破裂強度が低下する。一方、100を超えると、経糸
または緯糸に応力集中が発生するので、同様にエアーバ
ッグの破裂強度が低下する。経緯のカバーファクターの
差異は、10〜95がさらに好ましい。カバーファクタ
ーは、経または緯のいずれが大きくてもよい。しかし、
より製織性が良好なのは、経のカバーファクターが緯の
カバーファクターより5〜100大きい場合である。
【0014】本発明のエアーバッグ用織物は、カレンダ
加工が施されていてもよい。カレンダ加工が施された織
物は、表面平滑性が良好となり柔軟性が向上するので、
顔面衝突の際の顔面擦過傷が防止できる。また、厚みが
小さいので、エアーバッグの収納性が向上する。カレン
ダ機は、通常のカレンダ機でよい。カレンダ加工の温度
は180〜220℃、圧力は50〜150トン、速度は
4〜50m/分が好ましい。
【0015】発明のエアーバッグ用織物は、経緯ともに
抜糸引張強度が8.0〜10.0g/deであることが
好ましい。抜糸引張強度が8.0g/de未満である
と、エアーバッグとしての破裂強度が低下する。一方、
抜糸引張強度が10.0g/deを超えると、フィラメ
ント糸の均一性が低下するのでやはりエアーバッグとし
ての破裂強度が低下する。抜糸引張強度は、8.2〜
9.8g/deがさらに好ましい。
【0016】なお、本発明のエアーバッグ用織物は、経
緯ともに抜糸繊度が100〜500deのポリエステル
フィラメント糸からなることが好ましい。抜糸繊度が1
00de未満であると、エアーバッグとしての破裂強度
が低下する。一方、500deを超えると織物目付が増
大してエアーバッグとしての軽量コンパクト性が低下す
る。また、重量が増大して顔面擦過傷を引き起こす。抜
糸繊度は、150〜450deがさらに好ましい。
【0017】また、本発明のエアーバッグ用織物は、極
限粘度が0.80〜0.95dl/gであるポリエステ
ルフィラメント糸からなることが好ましい。極限粘度が
0.80dl/g未満では、織物強度が低下するのでエ
アーバッグの破裂強度が低下する。一方、極限粘度が
0.95dl/gを超えると、糸品質が低下して織物物
性のバラツキが増大する。極限粘度は、0.82〜0.
90dl/gがさらに好ましい。
【0018】上記のポリエステルフィラメント糸を構成
するポリエステルポリマーとしては、例えばポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
ヘキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレン−1、2
−ビス(フェノキシ)エタン−4、4′−ジカルボキシ
レートなどのほか、ポリエチレンイソフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート/ナフタレート、ポリブチレン
テレフタレート/デカンジカルボキシレートなどのよう
な共重合ポリエステルを挙げることができる。なかで
も、機械的性質、繊維形成性のバランスなどのとれたポ
リエチレンテレフタレートが、特に好ましい。
【0019】なお、本発明のエアーバッグ用織物の織物
組織としては、平織物やマット織物が好ましいが、綾織
物やリップストップ織物であってもよい。また、フィル
タークロスとしての平/模紗織物でもよい。しかし、最
もエアーバッグとして軽量コンパクト性が実現でき、か
つ破裂強度に優れるのは、平織物である。
【0020】また、本発明のエアーバッグ用織物は、コ
ーティング加工が施されていてもよい。コーティング加
工は、シリコンゴムやクロロプレンゴムが好ましいが、
シリコンゴムの方が耐熱性と塗工性に優れるためより好
ましい。コーティングは、ナイフコーティング機やコン
マコーティング機を使用することが好ましい。また、コ
ーティングは、カレンダ加工の後に実施すると、コーテ
ィング量を減らすことができるのでさらに好ましい。
【0021】本発明のエアーバッグ用織物は、製糸工程
において油剤付着量として0.1〜1.0重量%の油剤
を付与された原糸単糸繊度が1.0〜3.0deのポリ
エステルフィラメント原糸を無撚のまま緯糸に、また該
原糸に鉱物油を含むアフターオイルをさらに油剤付着量
として0.1〜3.0重量%付与して整経した無撚糸を
経糸に用いて、レピアルームにより製織して生機とな
し、該生機または該生機を精練した織物の残留油剤付着
量を0.03〜0.10重量%、鉱物油付着量を0.0
01〜0.08重量%、経緯のカバーファクターをとも
に900〜1,400となすことにより製造する。
【0022】製糸工程における油剤は、高級アルコー
ル、含イオウエステル、長鎖アルコールオレート、硬化
ヒマシ油などを主成分として含有するものである。この
油剤には、各種の鉱物油、酸化防止剤、難燃剤、静電防
止剤、動植物油、平滑剤などを含有してもよい。
【0023】油剤付着量が0.1重量%未満では、原糸
中に毛羽が多くなりエアーバッグとしての破裂強度が低
下する。一方、1.0重量%を超えると、原糸の巻姿が
不良となる。油剤付着量は、0.2〜0.9重量%が好
ましい。
【0024】アフターオイル中には、鉱物油が含有され
ている必要がある。鉱物油が含有されていなければ、製
織性が低下する。原糸単糸繊度が1.0〜3.0deの
ポリエステルフィラメント原糸は毛羽が発生しやすいの
で、製織には耐磨耗性を向上させる鉱物油が必要であ
る。また、鉱物油が含有されていなければ、エアーバッ
グとしての破裂強度が低下する。鉱物油は、破裂強度を
向上させるのに極めて重要である。
【0025】レピアルームは、水を使用しないので、製
織中に油剤が十分には脱落しないため精練することが必
要である。
【0026】本発明は、経緯ともに無撚のポリエステル
フィラメント原糸により製織されることが必要である。
無撚であると、精練中に製糸油剤やアフターオイルが織
物表面から脱落しやすい。また、織物の柔軟性が向上す
る。
【0027】本発明のエアーバッグ用織物は、生機のま
までも使用可能であるが、生機または生機を精練した織
物を最終的に収縮セットしてなることがさらに好まし
い。収縮セットを施す方が、エアーバッグの破裂強度は
増大する。収縮セット工程は、実質表面温度150〜2
30℃の金属ロール群を有する多段金属ロールセット機
を使用する工程であることが好ましい。金属ロールの実
質表面温度が150℃未満では、十分なる収縮セットが
発現せず破裂強度が低下する。一方、230℃を超える
と、シワが発生する。実質表面温度は、155〜220
℃がさらに好ましい。
【0028】多段金属ロールセット機は、トルクモータ
式多段金属ロールセット機であることがさらに好まし
い。このトルクモータ式多段金属ロールセット機は、ピ
ンテンターやクリップテンターと異なり、耳部を把持せ
ずに収縮セットすることができるので、緯方向は大幅
に、かつ均一に収縮させることができる。また、トルク
モータ式では、さらに経方向にも一定の管理された張力
で均一大幅に収縮させることができる。この結果、破裂
強度を織物全面で均一に、かつ非常に大きくすることが
できる。
【0029】さらに、両耳部に異常張力がかからないの
で、テンターの場合のピン孔やクリップ跡周囲に相当す
る耳部のフラット性を良好に保つことができる。一方、
この織物をコーティングする際には、ピン孔やクリップ
跡がないので両耳部まで有効に使用することができる。
また、フラット性が良好で通気度が一定であるので、コ
ーティング液の浸透性を一定にすることができるので、
均一にコーティングすることができる。カレンダ加工す
るときも、ピン孔やクリップ跡がなくフラット性に優れ
るので、弾性ロールを損傷することなく良好かつ安定に
効果的にカレンダ加工することができる。
【0030】
【作用】本発明のポリエステルエアーバッグ用織物は、
無撚であり、かつ抜糸単糸繊度が小さく柔軟性に優れて
いながら、織物表面の残留油剤が鉱物油を含有してお
り、かつその総残留油剤付着量と鉱物油付着量が最適量
であるので、優れた破裂強度と難燃性を有するエアーバ
ッグを形成することができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、実施例における各種評価は、それぞれ
下記の方法に従って行った。
【0032】繊度 JIS L1096の方法に従って測定した。原糸と抜糸の引張強度 JIS L1017の方法に従って測定した。
【0033】油剤付着量および総残留油剤付着量 原糸または織物10gに対してシクロヘキサン200g
を使用してソックスレー抽出法により測定した。原糸の
絶乾重量に対する抽出油剤量を油剤付着量(重量%)、
また織物の絶乾重量に対する抽出油剤量を総残留油剤付
着量(重量%)とした。
【0034】鉱物油付着量 上記と同様にして織物の総残留油剤付着量(重量%)を
求めた。また、織物100gに対してシクロヘキサン
2,000gを使用して抽出した油剤を、さらに各種溶
剤を使用して成分分離を行い、IRやGPCなどで決定
した鉱物油含有比率を該総残留油剤付着量に掛けて鉱物
油付着量(重量%)を算出した。
【0035】難燃性 MVSS302の方法にしたがって測定した。0mm/
分または自消(SE)を良好とした。
【0036】エアーバッグの破裂強度 直径700mmφのクロスを2枚裁断して、これを二重
環縫製直径670mmで縫製してエアーバッグを作成し
た。次に、高速バースト試験機を用いて、30kg/c
2、40リットルに蓄圧した高圧空気を瞬時に注入し
て100msec以内に破裂したときの最大内圧を求め
た。この最大内圧(kg/cm2G)をエアーバッグの
織物目付(kg/m2)で除した目付当たりの値をエア
ーバッグの破裂強度(kg/cm2G/kg/m2)と定
義した。4.0kg/cm2G/kg/m2以上を良好と
した。
【0037】実施例1 含イオウエステル、硬化ヒマシ油エーテル、ランダムポ
リエーテル、静電防止剤などを含む製糸油剤が付与され
てなる、表1に示す420デニール/249フィラメン
ト(単糸繊度1.7de)のポリエステルフィラメント
原糸〔帝人(株)製〕を用意した。これを鉱物油を含有
したアフターオイルを付与しながら無撚の状態で整経し
てこれを経糸とし、また緯糸はそのまま無撚で使用して
レピアルームにより平織物を製織した。次に、この生機
を精練せずに、多段金属ロールセット機により経糸方向
に張力をかけながら緯糸方向には実質的に無緊張の状態
で収縮セットを実施した。この収縮セットは、金属ロー
ル表面温度として1回目が155℃で約1分間、2回目
が200℃で約1.5分間の2回セットとした。この織
物の物性、総残留油剤付着量、鉱物油付着量、難燃性な
どを評価した。
【0038】次に、このポリエステル織物から直径70
0mmφの円形のクロスを2枚ずつ裁断して、二重環縫
製直径が670mmφのドライバー席用のエアーバッグ
を縫製した。これを高速バースト試験機にセットして、
30kg/cm2、40リットルに蓄圧した高圧空気を
瞬時に注入して100msec以内に破裂したときの目
付(kg/m2)あたりの破裂強度(kg/cm2G/k
g/m2)を求めた。これらの結果を表1に示す。
【0039】較例1〜3 表1に示す各種のポリエステルフィラメント原糸〔帝人
(株)製〕を用い、表1に示す各種方法で平織物を製織
した。実施例1と同様の方法で収縮セットを施し、数種
の織物を作成した。実施例1と同様に織物物性、総残留
油剤付着量、鉱物油付着量、難燃性などを測定して、次
にエアーバッグの破裂強度を評価した。結果を併せて表
1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明のエアーバッグ用織物は、柔軟性
に優れながら難燃性と破裂強度に優れるので、いかなる
衝突インフレーションにおいてもエアーバッグ自身が燃
焼したり、破裂したりすることがない、安全性に優れた
ポリエステルエアーバッグを形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−341030(JP,A) 特開 平7−90747(JP,A) 特開 平5−93340(JP,A) 特開 平5−339840(JP,A) 国際公開93/005985(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D03D 1/02 B60R 21/16

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製糸工程において油剤付着量として0.
    1〜1.0重量%の油剤を付与された原糸単糸繊度が
    1.0〜3.0deのポリエステルフィラメント原糸を
    無撚のまま緯糸に、また該原糸に鉱物油を含むアフター
    オイルをさらに油剤付着量として0.1〜3.0重量%
    付与して整経した無撚糸を経糸に用いて、レピアルーム
    により製織して生機となし、該生機を精練した織物の総
    残留油剤付着量を0.03〜0.10重量%、鉱物油付
    着量を0.001〜0.08重量%、経緯のカバーファ
    クターをともに900〜1,400となす破裂強度と難
    燃性の改良された柔軟性ポリエステルエアーバッグ用織
    の製造方法
  2. 【請求項2】 エアーバッグ用織物の経緯のカバーファ
    クター差異が5〜100である請求項1記載の破裂強度
    と難燃性の改良された柔軟性ポリエステルエアーバッグ
    用織物の製造方法
  3. 【請求項3】 エアーバッグ用織物の抜糸単糸繊度が、
    経緯ともに1.2〜2.5deであるポリエステルフィ
    ラメント糸からなる請求項1または2記載の破裂強度と
    難燃性の改良された柔軟性ポリエステルエアーバッグ用
    織物の製造方法
  4. 【請求項4】 エアーバッグ用織物が、カレンダ加工が
    施されてなる請求項1〜3いずれか1項記載の破裂強度
    と難燃性の改良された柔軟性ポリエステルエアーバッグ
    用織物の製造方法
  5. 【請求項5】 エアーバッグ用織物の抜糸引張強度が、
    経緯ともに8.0〜10.0g/deのポリエステルフ
    ィラメント糸からなる請求項1〜4いずれか1項記載の
    破裂強度と難燃性の改良された柔軟性ポリエステルエア
    ーバッグ用織物の製造方法
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれか1項記載のポリエ
    ステルエアーバッグ用織物の製造方法で得られるエアー
    バッグ用織物を使用した破裂強度と難燃性の改良された
    柔軟性ポリエステルエアーバッグ。
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