JP3420096B2 - 端面加工方法及びこれに用いるチャック - Google Patents

端面加工方法及びこれに用いるチャック

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JP3420096B2 JP36806998A JP36806998A JP3420096B2 JP 3420096 B2 JP3420096 B2 JP 3420096B2 JP 36806998 A JP36806998 A JP 36806998A JP 36806998 A JP36806998 A JP 36806998A JP 3420096 B2 JP3420096 B2 JP 3420096B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械におい
て、外周に基準形状部を備えたワークの端面を加工する
方法、及びこの方法に用いるチャックに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】この種のワークとして、例えば、図14
及び図15に示すようなボールゲージWが知られてい
る。このボールゲージWは外周面及び内周面が球面の一
部を形成する筒状体であって、その周壁には基準形状部
としての略矩形の窓孔Hが等角度をおいて例えば6つ形
成されている。従来、ボールゲージWの加工プロセス
は、図16に示すように、筒状体の総旋削工程と、周壁
に窓孔Hを明ける窓パンチ工程と、窓孔Hの両側面をブ
ローチ仕上げする窓ブローチ工程と、筒状体の熱処理工
程と、端面の打痕及び熱処理歪を除去して次工程のため
の基準面を作成する端面研削工程と、筒状体の外周面を
球面状に仕上げる外球研削工程と、筒状体の内周面を球
面状に仕上げる内球研削工程と、窓孔Hの両側面を最終
的に研削仕上げする窓研削工程とから構成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ボールゲー
ジWの加工にあたっては、基準形状部である窓孔Hを筒
状体の軸線方向中心位置に正確な寸法で形成する必要が
ある。そのために重要な寸法は、図15に示す窓位置寸
法Aと窓幅寸法Bである。窓幅寸法Bは、熱処理歪を考
慮してもブローチ仕上げで十分である。これに対し、窓
位置寸法Aは、ブローチ工程での位置決め誤差に熱処理
歪が重なったA’寸法と端面研削後の全幅寸法Cとの差
(C−A’)となり、誤差の積み上がりによって精度が
低下しやすい。ところが、従来の端面研削工程では、筒
状体を片側の端面を基準にしてチャックに取り付け、反
対側の端面を研削する方法を採用していたので、この工
程のみで窓位置寸法Aを正確に出すことは困難であっ
た。このため、端面研削後の窓研削工程が不可欠で、こ
こで窓孔Hの両側面を再仕上げすることによって、窓位
置寸法Aを調整し直す必要があった。また、窓研削には
特殊な研削盤を使用する必要があるため、イニシャルコ
ストが高くつくという問題点もあった。
【0004】そこで、本発明の課題は、基準形状部を基
準にワークの端面を旋削でき、その後の仕上工程を省略
して、基準形状部付きワークの加工プロセスを簡略化で
きる方法、及び、基準形状部を基準にしてワークを高精
度に位置決めでき、本発明の端面加工方法を首尾よく実
施できるチャックを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の端面加工方法は、周壁に基準形状部とし
ての窓孔を備えたワークをチャックに取り付け、チャッ
クの爪を閉じ、窓孔をチャック軸線方向から把持して、
ワークを位置決めしたのち、ワークの外周面をチャック
半径方向から把持し、この状態で、ワークの端面を旋削
することを特徴とする(請求項1)。
【0006】この場合、窓孔の中心線を基準にしてワー
クを位置決めするのが好ましい(請求項2)。また、
の片側面を基準にしてワークを位置決めしてもよい
(請求項3)。本発明の端面加工方法は、周壁に基準形
状部としての窓孔を備えた筒状のボールゲージに好まし
く適用できる(請求項4)。
【0007】上記端面加工方法の実施にあたっては、
周に基準形状部を備えたワークを把持するチャックが用
いられる。本発明のチャックは、チャック本体に複数の
親爪をチャック半径方向へ移動可能に組み付け、各親爪
に上爪をチャック半径方向へ相対移動可能に支持し、上
爪にワークの外周面を把持する把持部を設けるととも
に、基準形状部をチャック軸線方向から把持してワーク
を位置決めする位置決め部材を支持し、親爪を駆動する
機構と、親爪と上爪との相対移動により位置決め部材を
操作する操作部材とを設けて構成される(請求項5)。
【0008】ここで、基準形状部の中心線を基準にして
ワークを位置決めするために、位置決め部材は一対のレ
バーを含み、両レバーは枢着軸により上爪に対しチャッ
ク軸線を含む平面内で開閉可能に枢着される(請求項
6)。
【0009】上爪がワークを把持した際にレバーに無理
な力が作用しないように、枢着軸は上爪に対しチャック
半径方向へ移動可能に支承され、操作部材が親爪に固定
され、レバーを操作部材と係合する方向へ付勢するばね
部材が設けられる(請求項7)。
【0010】この場合、レバーによる位置決め精度を向
上させるために、上爪に枢着軸をチャック半径方向へ案
内する案内溝と、レバーをチャック外周側へ斜めに付勢
するばね部材とが設けられ、ばね部材の付勢力で枢着軸
が案内溝の基準面に押し付けられる(請求項8)。
【0011】レバーに無理な力を作用させないために
は、枢着軸を上爪のチャック半径方向定位置に支承し、
操作部材を親爪に対しチャック半径方向へ移動可能に支
持し、操作部材をレバーと係合する方向へ付勢するばね
部材を設けてもよい(請求項9)。
【0012】また、基準形状部の片側面を基準にしてワ
ーク位置決めすることも可能である。この場合は、位置
決め部材が基準形状部の片側面に係合する固定部と基準
形状部の反対側面に係合する可動部とを含み、固定部が
上爪に固定され、可動部がレバーの一部に設けられ、レ
バーが枢着軸により上爪に対しチャック軸線を含む平面
内で揺動可能に枢着され、枢着軸が上爪のチャック半径
方向定位置に支承され、操作部材が親爪に対しチャック
半径方向へ移動可能に支持され、操作部材をレバーと係
合する方向へ付勢するばね部材が設けられる(請求項1
0)。
【0013】ボールゲージ等の筒状ワークを位置決めす
る場合には、ワークの捩じれを防止するために、一対の
固定部を基準形状部の幅方向両端部に配置し、一つの可
動部を基準形状部の幅方向中間部に配置するのが好まし
い(請求項11)。
【0014】さらに、ワークのチャック軸線周りの取付
角度が多少ずれていた場合でも、基準形状部を確実に位
置決めできるように、上爪を親爪に対しチャック軸線と
平行な軸線周りで揺動可能に支持するのが望ましい(請
求項12)。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。まず、チャックの構成について詳
述する。この実施形態のチャックは、図14及び図15
に示した形状のボールゲージWを把持するものであっ
て、図1及び図2に示すように、チャック本体1の前面
中央部にボールゲージWが着座する略三角形のワークレ
スト2を備えている。ワークレスト2にはボールゲージ
Wを芯出しする芯出部材3が取り付けられ、芯出部材3
の周囲に3つの把持装置4が、図示例では等角度をおい
て、不等分3爪チャックの場合は不等角度をおいて配設
されている。
【0016】各把持装置4は親爪6と上爪7と位置決め
部材8とを備えている。親爪6はチャック本体1の溝9
にチャック半径方向へ移動可能に支持されるとともに、
二又レバー10を介しスライダ11に連結されている。
周知のように、スライダ11はドローバーを介し主軸側
の回転シリンダ(何れも図示略)に連結され、これらの
部材によって親爪6を駆動する機構が構成されている。
【0017】図2〜図5に示すように、上爪7は親爪6
の凸部13に掛止される鉤状部14と、親爪6の支点軸
15に嵌合する長孔16とを備え、親爪6に対し長孔1
6の長さ範囲でチャック半径方向へ相対移動可能で、か
つチャック軸線と平行な支点軸15の周りで揺動可能に
支持されている。そして、上爪7のチャック中心側の端
面には、ボールゲージWの外周面を窓孔Hの両側で把持
する一対の把持部17が設けられている。
【0018】親爪6と上爪7との間には、双方を互いに
離れる方向へ付勢する2本のコイルスプリング19が介
装され、そのチャック中心側端部は上爪7の両肩部に設
けたブラケット36の突出部36aに当接している。そ
して、親爪6がチャック中心側へ移動したときには(図
3参照)、上爪7がコイルスプリング19を介し親爪6
と共に移動し、把持部17がボールゲージWの外周面に
当たって、上爪7が停止したのち、親爪6のみがコイル
スプリング19を圧縮しつつチャック中心側へさらに移
動できるようになっている。また、親爪6がチャック外
周側へ移動したときには(図6参照)、コイルスプリン
グ19が伸び、親爪6の凸部13がブラケット36の突
出部36aに当接して、上爪7のチャック中心側への移
動を規制するようになっている。
【0019】位置決め部材8は2本のレバー23,24
を枢着軸25により開閉可能に枢着して構成されてい
る。チャック後側のレバー23は2枚の板材を背部で結
合して形成され、このレバー23の内側にチャック前側
のレバー24が組み合わされている。各レバー23,2
4のチャック中心側部分にはボールゲージWの窓孔Hに
係合可能な位置決め部23a,24aが設けられ、その
周縁は窓孔Hへスムーズに挿入できるように面取り加工
されている。また、レバー23,24のチャック外周側
部分には斜状のカム面23b,24bがV字形に交差す
るように形成されている。
【0020】上爪7の中央部にはレバー23,24を収
容する溝27が設けられ、収容溝27のチャック内周側
には、レバー23,24を弾力的に保持しかつ切粉等の
異物の進入を防止するスポンジ材28が充填されてい
る。そして、親爪6がチャック外周側へ移動したときに
は(図7参照)、スポンジ材28の弾力により、レバー
23,24が位置決め部23a,24aを窓孔Hに挿入
可能な閉鎖状態に保持されている。なお、位置決め部2
3a,24aは面取り部にて窓孔Hに挿入案内されるた
め、位置決め部23a,24aが窓孔Hに触れない角度
までレバー23,24を閉じる必要はない。
【0021】収容溝27の両側には半円形孔29が形成
され、これらの孔29には枢着軸25を支承する部材3
0が挿入されている。支承部材30にはチャック半径方
向に長い案内溝31が形成され、案内溝31に枢着軸2
5の平削部32が摺動可能に嵌合されていて、レバー2
3,24が上爪7に対しチャック半径方向へ相対移動可
能に支持されている。
【0022】上爪7の両側には傾斜孔34が形成され、
前記ブラケット36にはピン35が傾斜孔34のチャッ
ク外周側に位置するように取り付けられている。ピン3
5と枢着軸25との間には、レバー23,24をチャッ
ク外周側へ付勢する引張ばね37が傾斜孔34を通して
チャック後側へ傾斜する状態で張設され、枢着軸25の
平削部32が引張ばね37の付勢力によって案内溝31
後側の基準面31a(図7参照)に押し付けられてい
る。
【0023】上爪7よりチャック外周側において親爪6
には、レバー23,24のカム面23b,24bに係合
する操作部材としてのピン39が固定されている。そし
て、上爪7の停止状態で親爪6がチャック中心側へ移動
したときには、双方の相対移動により操作ピン39がレ
バー23,24をスポンジ材28の弾力に抗して押し開
き、位置決め部23a,24aが窓孔Hの内面に係合し
て、ボールゲージWをチャック軸線方向に位置決めする
ようになっている。
【0024】また、親爪6と上爪7のチャック半径方向
の相対面には、親爪6をチャック中心側で停止させる当
接部41,42が設けられている。そして、ワーク位置
決め後に親爪6がチャック中心側へさらに移動したとき
には、操作ピン39がレバー23,24を引張ばね37
のばね力に抗してチャック中心側へ僅かに押し出し、親
爪6の当接部41が上爪7の当接部42に当たり、その
位置で親爪6が停止し、親爪6の把持力が上爪7を介し
ボールゲージWに作用するようになっている。
【0025】なお、前記支点軸15は、上爪7の前方か
ら、長孔16と重なる挿通孔43(図5参照)を通して
親爪6の孔44に挿入され、ボルト(図示略)によって
固定されている。上爪7の前面及び内周面には異物の進
入を防止するカバー20,21(図2参照)が取り付け
られ、前面側のカバー20によってスポンジ材28が収
容溝27に保持されている。
【0026】次に、上記構成のチャックを用いたボール
ゲージWの端面加工方法をチャックの作用と合わせて説
明する。この実施形態の端面加工方法は、図16に示し
たボールゲージWの加工プロセスのうち端面研削工程に
おいて実施される。この工程の前には、従来と同様、筒
状体の総旋削工程と、周壁に窓孔Hを明ける窓パンチ工
程と、窓孔Hの両側面をブローチ仕上げする窓ブローチ
工程と、筒状体の熱処理工程とが実施される。
【0027】ボールゲージWの端面研削に際しては、ま
ず、ボールゲージWをチャックに取り付け、次いで、各
把持装置4の親爪6を閉じる。このとき、親爪6は図6
及び図7に示す位置からチャック中心側へ移動し、上爪
7もコイルスプリング19に押されて親爪6と共にチャ
ック中心側へ移動する。そして、図8に示すように、位
置決め部23a,24aが閉じたままの状態で窓孔Hの
内側に進入し、把持部17がボールゲージWの外周面に
当接して、上爪7が停止する。この実施形態のチャック
によれば、上爪7が親爪6に対しチャック軸線と平行な
支点軸15の周りで揺動可能に支持されているので、チ
ャック軸線周りにおけるボールゲージWの取付角度が多
少ずれていた場合でも、上爪7の首振り動作(図6参
照)により一対の把持部17を窓孔Hの両側に均等に配
置してボールゲージWを確実に把持することができる。
【0028】この上爪7の停止状態で、親爪6がチャッ
ク中心側へさらに移動すると、親爪6と上爪7との相対
移動により、コイルスプリング19が圧縮し、図9に示
すように、操作ピン39がレバー23,24をスポンジ
材28の弾力に抗して押し開き、位置決め部23a,2
4aが窓孔Hをチャック軸線方向の両側から把持して、
窓孔Hのチャック軸線方向の中心線L(図15参照)を
基準にして、ボールゲージWを位置決めする。この場
合、枢着軸25の平削部32が引張ばね37により案内
溝31の基準面31aに押し付けられているので、枢着
軸25のガタ付きを防止し、これを常にチャック軸線方
向の定位置に保持し、その位置を基準にしてボールゲー
ジWを高精度に位置決めすることができる。
【0029】位置決め後に、親爪6がチャック中心側へ
さらに移動すると、図3及び図10に示すように、その
当接部41が上爪7の当接部42に当たり、この位置で
親爪6が停止し、親爪6の把持力が上爪7に伝わり、上
爪7の把持部17がボールゲージWの外周面をチャック
半径方向から強力に把持する。このとき、レバー23,
24は操作ピン39に押され、引張ばね37のばね力に
抗して枢着軸25と共にチャック中心側へ僅かに移動
し、位置決め部23a,24aが窓孔Hの内面に弾接し
た状態で摺動する。従って、開放状態のレバー23,2
4が親爪6の把持力で無理に押し開けられるおそれがな
く、位置決め部材8各部の破損を防止することができ
る。
【0030】この把持状態で、続いて、ボールゲージW
の端面を研削盤の砥石で旋削し、前工程で生じた打痕や
熱処理歪を除去して、端面を仕上げる。この場合、ボー
ルゲージWは窓孔Hの中心線Lを基準にしてチャック軸
線方向に位置決めされているので、端面を旋削するだけ
の簡単な方法でボールゲージWの窓位置寸法A(図15
参照)を正確に出すことができる。従って、図16に示
すように、端面研削後に外球研削工程及び内球研削工程
を実施すれば、これでもってボールゲージWの製品が完
成する。それ故、従来とは異なり、加工プロセスから窓
研削工程を省略することができて、ボールゲージWを汎
用の研削盤で能率よく安価に加工することができる。
【0031】なお、ボールゲージWの解放時には、把持
装置4の各部が把持時と逆順に動作し、まず、図10に
示す状態で、親爪6がチャック外周側へ移動し、操作ピ
ン39の押圧力がなくなり、図9に示すように、レバー
23,24が引張ばね37のばね力で枢着軸25が案内
溝31の端面に当たる位置までチャック外周側へ移動す
る。次いで、図8に示すように、親爪6の移動に伴い、
操作ピン39と位置決め部材8とに相対移動が生じ、こ
れによってレバー23,24がスポンジ材28(図2参
照)の弾力で閉じ、位置決め部23a,24aが窓孔H
の内面から離れる。続いて、図6に示すように、親爪6
の凸部13がブラケット36の突出部36aに当接し、
図7に示すように、上爪7が親爪6と共にチャック外周
側へ移動し、把持部17がボールゲージWから離れ、位
置決め部23a,24aが窓孔Hの外側へ出て、ボール
ゲージWが解放される。
【0032】図11は把持装置4の別の実施形態を示す
ものである。この把持装置4においては、前記実施形態
とは異なり、レバー23,24の枢着軸51が上爪7に
固定され、操作ピン52は親爪6に対しチャック半径方
向へ相対移動可能に支持されている。操作ピン52には
レバー23,24のカム面23b,24bと係合する係
合子53が固定されるとともに、係合子53をカム面2
3b,24b側へ付勢する圧縮ばね54が嵌挿されてい
る。そして、上爪7の停止状態で親爪6がチャック中心
側へ移動したときに、係合子53が圧縮ばね54のばね
力でレバー23,24を押し開き、位置決め部23a,
24aが窓孔Hをチャック軸線方向の両側から把持し
て、ボールゲージWを位置決めするようになっている。
【0033】位置決め後には、親爪6が当接部41,4
2の当接位置まで移動して停止し、親爪6の把持力によ
って上爪7の把持部17がボールゲージWの外周面をチ
ャック半径方向から強力に把持するが、親爪6と操作ピ
ン52との間に相対移動が生じるため、レバー23,2
4には親爪6の把持力が作用しない。従って、前記実施
形態と同様、開放状態のレバー23,24が無理に押し
開けられるおそれがなく、位置決め部材8各部の破損を
防止することができる。また、レバー23,24はチャ
ック半径方向に停止した状態でボールゲージWを把持す
るので、窓孔Hの内面に擦り傷が付くおそれもない。な
お、このチャックを用いたボールゲージWの端面加工方
法は前記実施形態と同様であり、同等の効果を奏する。
【0034】図12は把持装置4のさらに別の実施形態
を示すものである。この把持装置4は、周壁に基準形状
部としての鍔状突起Pを備えた筒状体からなるワークW
に適用されるもので、位置決め部材8の構成において前
記実施形態と相違する。すなわち、このチャックの位置
決め部材8は、レバー23,24が操作ピン39によっ
て押し開けられたときに、位置決め部23a,24aが
閉じ、鍔状突起Pをチャック軸線方向両側から把持し
て、ワークWを位置決めするように構成されている。レ
バー23,24の相対部間には、位置決め部23a,2
4aを開く方向へ付勢するばね55が介装されている。
このチャックの場合も、ワークWの端面加工方法は前記
実施形態と同様であり、同等の効果を奏する。
【0035】図13は把持装置4のさらに別の実施形態
を示すものである。このチャックはボールゲージWを把
持するものであって、把持装置4の位置決め部材8は窓
孔Hの前側面に係合する一対の固定部61と窓孔Hの後
側面に係合する一つの可動部62とを備えている。固定
部61は把持部17の間において上爪7に一体的に固定
され、可動部62はレバー63の内端部に設けられてい
る。そして、上爪7がチャック内側へ移動したときに
は、固定部61が窓孔Hの幅方向(ボールゲージWの周
方向)両端部に配置され、可動部62が窓孔Hの幅方向
中間部に配置され、位置決めに際してボールゲージWの
捩じれを防止できるようになっている。また、窓孔Hの
両側面に固定部61及び可動部62を広い面積で接触さ
せるためには、一対の固定部61の幅寸法R1を窓孔H
の幅寸法R2より僅かに小さく設定し、可動部62の幅
寸法R3をできるだけ大きく設定するのが望ましい。
【0036】レバー63は枢着軸64により上爪7に対
しチャック軸線を含む平面内で揺動可能に枢着され、枢
着軸64は上爪7のチャック半径方向定位置に支承され
ている。親爪6にはレバー63の操作部材であるピン6
5が揺動アーム66を介してチャック半径方向へ移動可
能に支持されている。すなわち、揺動アーム66は軸6
7によりチャック軸線を含む平面内で揺動可能に支持さ
れ、このアーム66の前端に操作ピン65が固着されて
いる。そして、揺動アーム66の後端部と親爪6との間
にばね部材としての圧縮ばね68が介装され、このばね
68によって揺動アーム66が親爪6の当接面69に押
し付けられるとともに、操作ピン65がレバー63のカ
ム面63aと係合する方向へ付勢されている。
【0037】上記構成のチャックにおいて、把持部17
がボールゲージWの外周面に当接し、上爪7が停止した
状態で、親爪6がチャック中心側へ移動すると、操作ピ
ン65が圧縮ばね68の付勢力に相当する力でレバー6
3のカム面63aを押し、レバー63が図の時計方向へ
揺動し、可動部62が窓孔Hの後側面に係合して、固定
部61が窓孔Hの前側面に係合する位置までボールゲー
ジWをチャック後側へシフトし、この状態で、固定部6
1及び可動部62が窓孔Hをチャック軸線方向の両側か
ら把持する。従って、このチャックによれば、前記実施
形態とは異なり、ボールゲージWを窓孔Hの前側面を基
準にしてチャック軸線方向に位置決めすることができ
る。
【0038】位置決め後には、親爪6が当接部41,4
2の当接位置まで移動して停止し、親爪6の把持力によ
って把持部17がボールゲージWの外周面をチャック半
径方向から強力に把持する。このとき、揺動アーム66
は圧縮ばね68の付勢力に抗し図の反時計方向へ揺動し
て、親爪6と操作ピン65との間に相対移動を生じさせ
る。このため、レバー63に親爪6の把持力が作用せ
ず、可動部62が窓孔Hの後側面に無理に押し付けられ
るおそれがない。また、レバー63はチャック半径方向
に停止した状態でボールゲージWを把持するので、窓孔
Hの内面に擦り傷が付くおそれもない。それ故、この実
施形態のチャックによれば、窓孔Hの前側面を基準にし
た端面加工方法を首尾よく実施でき、加工プロセスから
窓研削工程を省略して、ボールゲージWを汎用の研削盤
で能率よく安価に加工することができる。
【0039】なお、本発明の端面加工方法及びチャック
は、研削盤に限定されるものではなく、旋盤等の各種旋
削用工作機械にも適用することができる。その他、本発
明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の
趣旨を逸脱しない範囲で各部の形状並びに構成を適宜に
変更して具体化することも可能である。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の端面加工
方法によれば、基準形状部を基準にしてワークの端面を
旋削でき、その後の仕上工程を省略して、基準形状部付
きワークの加工プロセスを簡略化できる効果がある。ま
た、本発明のチャックによれば、基準形状部を基準にし
てワークを高精度に位置決めでき、本発明の端面加工方
法を首尾よく実施できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すチャックの正面図で
ある。
【図2】図1の2−2線に沿うチャックの断面図であ
る。
【図3】図2の3−3線に沿う把持装置の断面図であ
る。
【図4】図2の4−4線に沿う把持装置の平面図であ
る。
【図5】図2の5−5線に沿う把持装置の断面図であ
る。
【図6】ワーク解放位置の把持装置を示す正断面図であ
る。
【図7】ワーク解放位置の把持装置を示す側断面図であ
る。
【図8】図7に続く把持装置の作用を示す側断面図であ
る。
【図9】図8に続く把持装置の作用を示す側断面図であ
る。
【図10】図9に続く把持装置の作用を示す側断面図で
ある。
【図11】把持装置の別の実施形態を示す側断面図であ
る。
【図12】把持装置のさらに別の実施形態を示す側断面
図である。
【図13】把持装置のさらに別の実施形態を示す側断面
図である。
【図14】ワークとしてボールゲージを例示する斜視図
である。
【図15】ボールゲージの断面図である。
【図16】従来のボールゲージ加工プロセスを示す工程
図である。
【符号の説明】
1・・チャック本体、4・・把持装置、6・・親爪、7
・・上爪、8・・位置決め部材、15・・支点軸、16
・・長孔、17・・把持部、19・・コイルスプリン
グ、23,24,63・・レバー、25,51,64・
・枢着軸、30・・支承部材、31・・案内溝、37・
・引張ばね、39,52,65・・操作ピン、41,4
2・・当接部、54,68・・圧縮ばね、L・・中心
線、W・・ボールゲージ(ワーク)、H・・窓孔、P・
・鍔状突起。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 英史 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭54−85496(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23B 31/12 B23B 31/02 610 B23B 31/10

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周壁に基準形状部としての窓孔を備えた
    ワークをチャックに取り付け、チャックの爪を閉じ、
    をチャック軸線方向から把持して、ワークを位置決め
    したのち、ワークの外周面をチャック半径方向から把持
    し、この状態で、ワークの端面を旋削することを特徴と
    する端面加工方法。
  2. 【請求項2】 窓孔の中心線を基準にしてワークを位置
    決めする請求項1記載の端面加工方法。
  3. 【請求項3】 窓孔の片側面を基準にしてワークを位置
    決めする請求項1記載の端面加工方法。
  4. 【請求項4】 ワークは、周壁に基準形状部としての窓
    孔を備えた筒状のボールゲージである請求項1〜3記載
    の端面加工方法。
  5. 【請求項5】 外周に基準形状部を備えたワークを把持
    するチャックであって、チャック本体に複数の親爪をチ
    ャック半径方向へ移動可能に組み付け、各親爪に上爪を
    チャック半径方向へ相対移動可能に支持し、上爪にワー
    クの外周面を把持する把持部を設けるとともに、基準形
    状部をチャック軸線方向から把持してワークを位置決め
    する位置決め部材を支持し、親爪を駆動する機構と、親
    爪と上爪との相対移動により位置決め部材を操作する操
    作部材とを設けてなるチャック。
  6. 【請求項6】 位置決め部材は一対のレバーを含み、両
    レバーを枢着軸により上爪に対しチャック軸線を含む平
    面内で開閉可能に枢着した請求項5記載のチャック。
  7. 【請求項7】 枢着軸を上爪に対しチャック半径方向へ
    移動可能に支承し、操作部材を親爪に固定し、レバーを
    操作部材と係合する方向へ付勢するばね部材を備えた請
    求項6記載のチャック。
  8. 【請求項8】 上爪に枢着軸をチャック半径方向へ案内
    する案内溝と、レバーをチャック外周側へ斜めに付勢す
    るばね部材とを設け、ばね部材の付勢力で枢着軸を案内
    溝の基準面に押し付けてなる請求項7記載のチャック。
  9. 【請求項9】 枢着軸を上爪のチャック半径方向定位置
    に支承し、操作部材を親爪に対しチャック半径方向へ移
    動可能に支持し、操作部材をレバーと係合する方向へ付
    勢するばね部材を備えた請求項6記載のチャック。
  10. 【請求項10】 位置決め部材は基準形状部の片側面に
    係合する固定部と基準形状部の反対側面に係合する可動
    部とを含み、固定部を上爪に固定し、可動部をレバーの
    一部に設け、レバーを枢着軸により上爪に対しチャック
    軸線を含む平面内で揺動可能に枢着し、枢着軸を上爪の
    チャック半径方向定位置に支承し、操作部材を親爪に対
    しチャック半径方向へ移動可能に支持し、操作部材をレ
    バーと係合する方向へ付勢するばね部材を備えた請求項
    5記載のチャック。
  11. 【請求項11】 一対の固定部を基準形状部の幅方向両
    端部に配置し、一つの可動部を基準形状部の幅方向中間
    部に配置した請求項10記載のチャック。
  12. 【請求項12】 上爪を親爪に対しチャック軸線と平行
    な軸線周りで揺動可能に支持した請求項5〜11記載の
    チャック。
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