JP3419283B2 - ゴルフボール用カバー材及びゴルフボール - Google Patents
ゴルフボール用カバー材及びゴルフボールInfo
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Description
で、耐擦過傷性に優れたゴルフボールを得ることができ
るゴルフボール用カバー材及びこのカバー材にて形成さ
れたカバーを被覆してなるゴルフボールに関する。
り、ゴルフボール用カバー材としては、主としてバラタ
(トランス−ポリイソプレン)やアイオノマー樹脂等が
用いられており、特にバラタをカバー材として用いたゴ
ルフボール(バラタカバーボール)は、ドライバーでの
フルショット時の打感やアプローチショット時のコント
ロール性(スピンのかけ易さ)に優れ、プロゴルファー
や上級ゴルファー等に好まれて使用されている。
は、アイアンショットの際、クラブフェースの溝により
カバーが削り取られたり、毛羽だったり、ささくれ立つ
ことがあるという欠点を有し、カバー材自体も高価で、
成形が困難である上、加硫操作を要し、生産性が低いと
いう問題を有する。
コントロール性を有すると共に、バラタの欠点がないカ
バー材について検討が行われており、例えば、熱可塑性
ポリウレタンエラストマーを用いたカバー材(米国特許
第3395109号、同第4248432号、同444
2282号公報等)は、バラタに対して比較的安価で、
優れた成形性を有する上、このカバー材を使用したゴル
フボールはバラタと同様の打球感や優れたコントロール
性を有することが知られている。
成されたカバーは、アイアンショット時の耐擦過傷性が
なお十分に満足のいくものではなく、特に低温下(特に
冬場)においては、アイアンのクラブフェースに当る
と、亀裂が入ったり、表面に形成されたディンプルが削
り取られるおそれがある。
常、分散剤としてステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸
金属塩等が配合されているが、脂肪酸金属塩を含むカバ
ー材にて射出成形を行う場合、脂肪酸金属塩がガス化し
て金型に付着することにより、金型からの離型性を悪く
し、成形を困難にする上、得られたカバー表面に対して
塗装等を行う場合も、上記付着物がカバー表面に残るた
め塗膜の密着性を悪くするという欠点がある。
で、成形性が良好で塗膜との密着性が良いカバーを形成
することができ、かつアイアンショット時の耐擦過傷性
に優れると共に、アプローチショット時のコントロール
性を損なうことがない上、ドライバーショット時の衝撃
力がなく非常にソフトなフィーリングを有し、高性能な
ゴルフボールを得ることができるゴルフボール用カバー
材及びこのカバー材を用いたゴルフボールを提供するこ
とを目的とする。
発明者らは、上記課題を解決するために、良好なフィー
リングとコントロール性及び耐擦過傷性が共に優れたゴ
ルフボール用カバー材を得るべく、鋭意検討を重ねた結
果、熱可塑性ポリウレタンエラストマーと、官能基によ
り変性されたポリオレフィンオリゴマーの加熱混合物を
主成分とするカバー材組成物がゴルフボール用カバー材
として最適なものであることを知見した。
ー、特にショアD硬度が35〜55でジイソシアネート
が脂肪族ジイソシアネートである熱可塑性ポリウレタン
エラストマーと、分子量が小さく相溶性に優れ、熱可塑
性ポリウレタンエラストマーの水酸基、ウレタン結合等
の極性基との分子間相互作用により、バインダーとして
の効果が期待される、官能基により変性されたポリオレ
フィンオリゴマーとの加熱混合物をゴルフボール用カバ
ー材の主成分として用いることにより、このカバー材で
コアを被覆して得られたゴルフボールがアプローチショ
ット時にアイアンのクラブフェースの溝によりカバーが
毛羽立ったり、ささくれ立ったりすることを可及的に防
止でき、更に、ドライバーによるフルショット時に衝撃
力のない、非常にソフトなフィーリングを有し、しかも
飛距離の低下もなく、従来の熱可塑性ポリウレタンエラ
ストマーからなるカバー材を大幅に上回る優れた作用効
果を発揮し得る。更に、低分子量の官能基により変性さ
れたポリオレフィンオリゴマーは顔料の分散剤としても
作用するため、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金
属塩を分散剤として配合する量を少なくすることがで
き、このため脂肪酸金属塩の存在に起因する金型成形性
(離型性)の問題や、塗膜の密着性が低下するといった
不都合を生じることがないことを見出し、本発明をなす
に至ったものである。
1000〜20000である官能基により変性されたポ
リオレフィンオリゴマーとを加熱混合物して得られたシ
ョアD硬度が35〜55である加熱混合物を主成分とす
ることを特徴とするゴルフボール用カバー材、 (2)加熱混合物が熱可塑性ポリウレタンエラストマー
90〜99.9重量部と、官能基により変性されたポリ
オレフィンオリゴマー10〜0.1重量部とを加熱混合
したものである(1)記載のゴルフボール用カバー材、 (3)官能基により変性されたポリオレフィンオリゴマ
ーのオレフィン成分がエチレン又はプロピレンである
(1)又は(2)記載のゴルフボール用カバー材、 (4)官能基により変性されたポリオレフィンオリゴマ
ーが酸変性ポリオレフィンオリゴマーである(1)乃至
(3)のいずれか1項に記載のゴルフボール用カバー
材、 (5)官能基が酸無水物基又はカルボキシル基であり、
かつ酸価が1〜60mgKOH/gである(4)記載の
ゴルフボール用カバー材、 (6)(1)乃至(5)のいずれか1項記載のカバー材
によって形成されたカバーを有するゴルフボールを提供
する。
と、本発明のゴルフボール用カバー材は、熱可塑性ポリ
ウレタンエラストマーと、官能基により変性されたポリ
オレフィンオリゴマーとの加熱混合物を主成分として配
合してなるものである。
ポリウレタンエラストマーは、その分子構造がソフトセ
グメントを構成するポリオール化合物と、ハードセグメ
ントを構成する単分子鎖延長剤と、ジイソシアネートと
からなるものである。
制限されるものではないが、ポリエステル系ポリオー
ル、ポリエーテル系ポリオール、コポリエステル系ポリ
オール、ポリカーボネート系ポリオール等を挙げること
ができ、具体的には、ポリエステル系ポリオールとし
て、ポリカプロラクトングリコール、ポリ(エチレン−
1,4−アジペート)グリコール、ポリ(ブチレン−
1,4−アジペート)グリコール等、ポリエーテル系ポ
リオールとしては、ポリオキシテトラメチレングリコー
ル等、コポリエステル系ポリオールとしては、ポリ(ジ
エチレングリコールアジペート)グリコール等、ポリカ
ーボネート系ポリオールとしては、(ヘキサンジオール
−1,6−カーボネート)グリコール等を挙げることが
できる。これらの数平均分子量は、約600〜500
0、特に1000〜3000であることが好ましい。
レンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジ
イソシアネート(MDI)、トリジンジイソシアネート
(TODI)、ナフタリンジイソシアネート(NDI)
等の芳香族ジイソシアネートなどを挙げることができる
が、カバーの耐黄変性を考慮すると脂肪族ジイソシアネ
ートの使用が好ましく、例えば、ヘキサメチレンジイソ
シアネート(HDI)、2,2,4(2,4,4)−ト
リメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMD
I)、リジンジイソシアネート(LDI)等を挙げるこ
とができ、特にヘキサメチレンジイソシアネート(HD
I)の使用が相溶性の点から好ましい。
コール類、アミン類等を用いることができ、例えば、
1,4−ブチレングリコール、1,2−エチレングリコ
ール、1,3−プロピレングリコール、1,6−ヘキシ
ルグリコール、1,3−ブチレングリコール、ジシクロ
ヘキシルメチルメタンジアミン(水添MDA)、イソホ
ロンジアミン(IPDA)等を挙げることができる。
タンエラストマーは、その硬度がショアD硬度で35〜
55、特に40〜55であること好ましい。ショアD硬
度が35未満であると、カバーを形成した場合、ドライ
バーによる打撃時にスピン量が増加しすぎて飛距離が低
下する場合があり、55を超えると、カバーの適度な軟
質化が図れず、打球感やコントロール性が低下する場合
がある。
の比重は特に制限されるものではなく、適宜調整し得る
が、通常は0.9〜1.5、好ましくは0.9〜1.
3、更に好ましくは1.0〜1.2である。
しては、市販品を用いることができ、例えば、パンデッ
クスT7298,T7895,T7890(大日本イン
キ化学工業(株)製)などのジイソシアネートが脂肪族
である熱可塑性ポリウレタンエラストマー等を使用し得
る。
官能基により変性されたポリオレフィンオリゴマーは、
その分子量が、通常1000〜20000、好ましくは
1500〜17000、更に好ましくは1500〜16
000、特に1500〜15000であることが推奨さ
れ、この場合、分子量が1000未満であると熱可塑性
ポリウレタンエラストマーとの反応が不十分で、耐擦過
傷性の改善を図ることができなくなる場合があり、分子
量が20000を超えると、加熱混合物の流動性が低下
し、成形性が低下するおそれが生じる。
フィンオリゴマーとしては、具体的には、酸変性ポリオ
レフィンオリゴマー、エポキシ基変性ポリオレフィンオ
リゴマー、水酸基変性ポリオレフィンオリゴマー、アミ
ノ基変性ポリオレフィンオリゴマーなどを挙げることが
できる。これらのオレフィン成分としては、例えば、エ
チレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン等を
挙げることができるが、特にオレフィン成分はエチレ
ン、プロピレンであることが好ましい。
リゴマーとして、酸変性ポリオレフィンオリゴマーを好
適に使用することができ、この場合の酸成分としては、
マレイン酸、無水マレイン酸、スルホン酸等が挙げら
れ、特にマレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル
基又は酸無水物基を含む酸成分であることが好ましい。
なお、上記酸変性ポリオレフィンオリゴマーには、オレ
フィン以外の脂肪族不飽和結合を有する重合性モノマ
ー、例えばアクリレート類やメタクリレート類、酢酸ビ
ニル等を軟質化等の目的で共重合成分として用いてもよ
い。上記アクリレート類、メタクリレート類としては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリ
ル酸と炭素原子に結合する水素原子の一部が水酸基など
で置換されていてもよい炭素数1〜4の脂肪族アルコー
ルとのエステルを例示することができる。
滴定法による酸価が1〜60mgKOH/g、更に好ま
しくは10〜60mgKOH/gであることが好まし
く、酸価が1mgKOH/gより少ないと、熱可塑性ポ
リウレタンエラストマーとの反応量が少なくなり、ポリ
オレフィンオリゴマーの分散性が低下するおそれがあ
り、酸価が60mgKOH/gを超えると、熱可塑性ポ
リウレタンエラストマーとの反応量が多くなりすぎ、流
動性が悪くなり成形が困難になる場合がある。
マーとしては、市販されているものを好適に使用するこ
とができ、例えば、三洋化成工業社製ユーメックス20
00、同1010、住友化学工業社製ボンダインAX8
390等を挙げることができる。
塑性ポリウレタンエラストマーと官能基により変性され
たポリオレフィンオリゴマーとを加熱混合するものであ
るが、その混合割合は、総量100重量部において、熱
可塑性ポリウレタンエラストマー90〜99.9重量
部、特に95〜99.5重量部に対して、官能基により
変性されたポリオレフィンオリゴマー10〜0.1重量
部、特に5〜0.5重量部であることが好ましく、ポリ
オレフィンオリゴマーの使用量が10重量部を超える
と、ボールの飛行特性を低下させる場合があり、0.1
重量部未満では耐擦過傷性の改善が不十分になり、所望
の特性を有するゴルフボールが得られない場合がある。
250℃、0.5〜15分間の条件を採用し得、この場
合、混合機としては、混練型二軸押出し機、バンバリ
ー、ニーダー等のインターナルミキサー等を用いること
ができる。
通常35〜55、特に45〜55であることが好まし
く、ショアD硬度が35未満であると、軟らかくなりす
ぎて、ドライバーショット時のスピンが増加しすぎ、飛
距離が低下する場合があり、またショアD硬度が55を
超えると、アプローチショット時のスピン量が少なす
ぎ、コントロール性が損なわれ、打球感が悪くなる場合
がある。
るものではないが、通常0.9〜1.5、好ましくは
0.9〜1.3、更に好ましくは1.0〜1.2である
ことが推奨される。
したように熱可塑性ポリウレタンエラストマーと官能基
により変性されたポリオレフィンオリゴマーとの加熱混
合物を主成分とするものであるが、この場合、カバー材
の樹脂成分全てを上記加熱混合物にしても、加熱混合物
と公知のカバー材樹脂成分とを併用してもよい。加熱混
合物のみを単独で樹脂成分として用いてカバー材とする
場合には、他の成分として二酸化チタンや硫酸バリウム
などを配合することができ、この場合、熱可塑性ポリウ
レタンエラストマーを樹脂成分として単独使用したとき
のカバー材とほぼ同様の硬度が得られる。また、公知の
カバー材樹脂成分として、例えば、アイオノマー樹脂、
熱可塑性ポリエステル系エラストマー、熱可塑性スチレ
ン系エラストマーなどを併用する場合には、加熱混合物
が全樹脂成分に対して70重量%以上、特に80重量%
以上になるよう配合することが推奨される。
えて更に必要に応じて種々の添加剤を配合することがで
き、このような添加剤としては、例えば、顔料、分散
剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などを挙げる
ことができる。
必須成分を上述したように混練型二軸押出し機、バンバ
リー、ニーダー等のインターナルミキサーに入れて、1
50〜250℃で0.5〜15分間加熱混合する方法等
を採用することができ、この場合、上記必須成分以外の
各種添加剤を配合する方法については制限はなく、上記
必須成分と共に配合して同時に加熱混合する方法、上記
必須成分を予め加熱混合した後に、添加剤を加えて更に
加熱混合する方法等を挙げることができる。
材にてカバーが被覆形成されたゴルフボールで、具体的
には、糸巻きゴルフボールや、ツーピース、スリーピー
ス、マルチピース等のソリッドゴルフボールなどを挙げ
ることができるが、コアにカバーが被覆形成されたもの
であれば特に制限されるものではない。
場合には、カバー以外の作成は公知の方法に従えばよ
く、糸巻きコア又はソリッドコアを常法に従って製造
し、このコア表面に対して本発明のカバー材を被覆する
ことにより得ることができる。
ンター及びソリッドゴルフボールのソリッドコアを得る
場合には、例えば、シス−1,4−ポリブタジエン10
0重量部に対し、アクリル酸,メタアクリル酸などの
α,β−モノエチレン不飽和カルボン酸又はその金属
塩,トリメチロールプロパンメタクリレートなどの官能
性モノマーなどの加硫剤(架橋剤)から選ばれる1種を
単独で又は2種以上を混合したもの10〜60重量部、
酸化亜鉛,硫酸バリウムなどの充填剤5〜30重量部、
ジクミルパーオキサイドなどの過酸化物0.5〜5重量
部と、必要に応じて老化防止剤0.1〜1重量部を配合
してゴム組成物を得、このゴム組成物に対してプレス加
硫(架橋)すればよく、例えば、140〜170℃で1
0〜40分間加熱圧縮して球状に成形することができ
る。また、糸巻きゴルフボールのリキッドセンターを製
造する場合は、上述したゴム組成物にて中空球状のセン
ターバッグを形成し、このバッグの中に公知の方法に従
って液体を封入すればよい。
合には、上記方法にて製造したソリッド又はリキッドセ
ンターに、糸ゴムを延伸状態で巻き付ければよく、この
場合の糸ゴムも常法により得られたものを使用でき、例
えば、天然ゴム又はポリイソプレンなどの合成ゴムに老
化防止剤、加硫促進剤、硫黄などの各種添加剤を配合し
たゴム組成物を加硫成形して形成されたものを使用し得
る。
ー、ソリッドコア及び糸巻きコアの直径、重量、硬度な
どは本発明の目的を達成し得る範囲で適宜調整すること
ができ、特に制限されるものではない。
本発明のカバー材にて形成されたカバーが被覆形成され
てなるものであるが、カバーの形成方法は、公知の方法
に従って行うことができ、例えば、本発明のカバー材を
予め一対の半球殼状のハーフシェルに成形し、このシェ
ルでコアを包んで120〜170℃、1〜5分間、加圧
成形する方法、上記カバー材を金型内に配備したコア表
面に射出する方法などを採用し得る。
特に制限されるものではないが、通常1〜4mm、特に
1.3〜2.1mmに形成でき、このカバー層は1層に
限られず、2層以上の多層構造に形成してもよく、多層
構造の場合には、従来のカバー材にて形成された層と組
み合わせてもよい。
には、多数のディンプルが形成され、更にカバー上には
ペイント仕上げ、スタンプ、塗装などの種々の表面処理
が行われるが、本発明のゴルフボールは、塗膜密着性に
優れるので、カバー表面に対しては良好な塗膜を形成で
き、表面処理を良好に行うことができる。
してゴルフ規則に従うものとすることができ、直径4
2.67mm以上、重量45.93g以下に形成するこ
とができる。
にソフトな打球感を有し、コントロール性に優れると共
に、耐擦過傷性が更に向上したゴルフボールを得ること
ができる。
的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるもの
ではない。
タジエンを主成分とするコア材料を用いて、直径38.
6mm、重量34.1g、100kg荷重負荷時のボー
ルの変形量3.0mmに調整したソリッドコアを得た。
に示す組成のカバー材組成物を射出し、厚さ2.0mm
のカバーを有するツーピースソリッドゴルフボールを製
造した。
5分間加熱混練したものを射出成形した。
について、下記の諸特性を評価した。結果を表2に示
す。ボール硬度 100kg荷重負荷時のボールの変形量初速度 ゴルフボール公認機関R&A(USGA)と同タイプの
初速度計を使用し、R&A(USGA)ルールに従い測
定したときの初速度。耐擦過傷性 ピッチングウェッジ(PT)を取り付けたスイングロボ
ットを用いて、ヘッドスピード33m/sでショットし
た後、ゴルフボールの表面状態を10名により目視にて
下記基準で評価した。10名の得点の平均点を示す。 5点:表面は変化せず、クラブフェース跡がわずかに残
る程度 4点:クラブフェース跡はかなり残るが、カバー表面の
毛羽立ちはない 3点:クラブフェース跡はかなり残り、表面が毛羽立つ 2点:表面が毛羽立ち、亀裂が入る 1点:ディンプルが削り取られている接触角、塗膜密着性 各カバー材樹脂を200℃で溶解してプレス成形し、厚
さ1mmの試験シートを作成した。得られた試験シート
を23℃、50%RHに調湿し、このシート上に蒸留水
を滴下して接触角を測定した。また、上記試験シート上
にゴルフボール用ウレタン塗料で厚さ15μmになるよ
うに塗布し、50℃で乾燥後、室温で48時間放置し
た。
ロテープ剥離試験に従い、上記シートに対して碁盤目状
に隙間間隔1mm、合計100個のます目になるように
切り傷を入れ、この切り傷の上にテープを貼り、剥がし
た後の塗膜の付着状態を下記基準にて目視評価した。 10点:切り傷1本ごとが細くて、両側が滑らかで、切
り傷の交点と正方形の一目一目に剥がれがない。 8点:切り傷の交点にわずかな剥がれがあって、正方形
の一目一目に剥がれがなく、欠損部の面積は全正方形面
積の5%未満 6点:切り傷の両側と交点とに剥がれがあって、欠損部
の面積は全正方形面積の5%以上15%未満 4点:切り傷による剥がれの幅が広く、欠損部の面積は
全正方形の面積の15%以上35%未満 2点:切り傷による剥がれの幅は4点よりも広く、欠損
部の面積は全正方形面積の35%以上65%未満 0点:切り傷による剥がれの幅は2点よりも広く、欠損
部の面積は全正方形面積の65%以上
無黄変熱可塑性ポリウレタンエラストマー:ショアD硬
度48) ユーメックス1010(三洋化成工業社製、無水マレイ
ン酸変性ポリプロピレン:酸価52mgKOH/g、平
均分子量4000) ユーメックス2000(三洋化成工業社製、無水マレイ
ン酸変性ポリエチレン:酸価30mgKOH/g、平均
分子量16000) サンワックス131−P(三洋化成工業社製、ポリエチ
レンワックス:平均分子量3500)
は、カバーに熱可塑性ポリウレタンエラストマーと官能
基により変性されたポリオレフィンオリゴマーとの加熱
混合物を主成分とするカバー材を使用しているので、カ
バーの塗膜密着性に優れ、耐擦過傷性に優れたものであ
ることが確認された。
Claims (6)
- 【請求項1】 熱可塑性ポリウレタンエラストマーと、
分子量が1000〜20000である官能基により変性
されたポリオレフィンオリゴマーとを加熱混合物して得
られたショアD硬度が35〜55である加熱混合物を主
成分とすることを特徴とするゴルフボール用カバー材。 - 【請求項2】 加熱混合物が熱可塑性ポリウレタンエラ
ストマー90〜99.9重量部と、官能基により変性さ
れたポリオレフィンオリゴマー10〜0.1重量部とを
加熱混合したものである請求項1記載のゴルフボール用
カバー材。 - 【請求項3】 官能基により変性されたポリオレフィン
オリゴマーのオレフィン成分がエチレン又はプロピレン
である請求項1又は2記載のゴルフボール用カバー材。 - 【請求項4】 官能基により変性されたポリオレフィン
オリゴマーが酸変性ポリオレフィンオリゴマーである請
求項1乃至3のいずれか1項に記載のゴルフボール用カ
バー材。 - 【請求項5】 官能基が酸無水物基又はカルボキシル基
であり、かつ酸価が1〜60mgKOH/gである請求
項4記載のゴルフボール用カバー材。 - 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項記載のカ
バー材によって形成されたカバーを有するゴルフボー
ル。
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