JP3418830B2 - 遊間用止水材 - Google Patents

遊間用止水材

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JP3418830B2
JP3418830B2 JP2000354324A JP2000354324A JP3418830B2 JP 3418830 B2 JP3418830 B2 JP 3418830B2 JP 2000354324 A JP2000354324 A JP 2000354324A JP 2000354324 A JP2000354324 A JP 2000354324A JP 3418830 B2 JP3418830 B2 JP 3418830B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、遊間からの雨水
などの落下を防止するための遊間用止水材に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】遊間用止水材としては、例えば図5に示
すようなものがある。
【0003】この遊間用止水材は、図5に示すように、
上側の保護層91、中程の止水材層92、下側の支持材層93
を順に積み重ねて接着一体化して成り、前記支持材層93
を、一対の縦長の独立気泡フォーム部94, 94と、前記独
立気泡フォーム部94, 94相互間に固着一体化された連続
気泡フォーム製の伸縮部95とから構成されており、両外
側面を直接又は他部材を介して端面Tに接着する態様で
設置される。
【0004】したがって、この遊間用止水材では、主と
して伸縮部95等の体積変化により遊間の変位を吸収し、
また、止水層92により遊間からの雨水などの落下を防止
する。
【0005】しかしながら、図6に示すように大型のフ
ィンガージョイントFに対応させるべく伸縮部95の幅を
大きくした場合、伸縮部95における体積変化する特徴が
縦方向への撓みとなって現れ、フィンガープレートf,
f相互間から土砂等が落下した場合には土砂等が撓んだ
部分に堆積してしまう。このように撓んだ部分に、土砂
等が堆積した状態で伸縮を繰り返すと、本来の寿命より
も短い期間で破損してしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明で
は、伸縮部が縦方向にほとんど撓まない遊間用止水材を
提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】(請求項1記載の発明) この発明の遊間用止水材は、遊間を形成する端面相互間
に接着して用いられる遊間用止水材であって、上側の保
護層、中程の止水材層、下側の支持材層を順に積み重ね
て接着一体化して成り、前記支持材層を、一対の縦長の
独立気泡フォーム部と、前記独立気泡フォーム部相互間
に固着一体化された伸縮部とを有するものとしてある遊
間用止水材において、伸縮部を、複数の連続気泡フォー
ム体と、体積変化を起こしにくい柱材とを接着一体化し
て構成し、前記柱材を上記端面に取り付けた受け部材に
より受けるようにしている。 (請求項2記載の発明) この発明の遊間用止水材は、上記請求項1記載の発明に
関し、柱材が、独立気泡フォームで構成されている。 (請求項3記載の発明) この発明の遊間用止水材は、上記請求項1記載の発明に
関し、柱材が、エラストマーで構成されている。 (請求項4記載の発明) この発明の遊間用止水材は、上記請求項1記載の発明に
関し、伸縮部は、硬度が相違する二種類の連続気泡フォ
ーム体を備えている。
【0008】なお、上記発明の遊間用止水材の機能につ
いては、以下の発明の実施の形態の欄で明らかにする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明を実施例として示
した図面に従って説明する。 〔実施形態1〕図1はこの発明の実施形態1の遊間用止
水材の断面図を示している。
【0010】この遊間用止水材は、図1に示すように、
支持材層1上に止水材層4、保護層5を順に積み重ねて
接着一体化したものであり、これの左右両面を端面T,
T(ウェブフレートWの片面)に接着すると共に前記支
持材層1の柱材31を受け部材6で受けるようにして設置
されている。なお、この実施形態では、所謂フィンガー
ジョイントFにおけるフィンガーレートf,f相互間か
らの雨水などの落下を防止するために設けられている。
【0011】支持材層1は、図1に示すように、一対の
縦長の独立気泡フォーム部2,2と、前記独立気泡フォ
ーム部2,2相互間に接着一体化された伸縮部3とを有
するものとしてある。
【0012】独立気泡フォーム部2は、この実施形態で
はクロロプレンゴムにより構成させてあり、その性状
は、硬度20度(タイプC、SRIS 0101)、引
張強度6kgf/cm2 、吸水率5%以下ものとしてあ
る。したがって、この独立気泡フォーム部2は、体積変
化を起こしにくい高弾性のものとなっている。
【0013】伸縮部3は、図1に示すように、二個の連
続気泡フォーム体30により柱材31を挟み込む態様で接着
一体化して構成してある。前記連続気泡フォーム体30
は、この実施形態ではウレタンフォームにより構成させ
てあり、その性状は密度22kg/m3 (JIS K
6401準拠)、硬度11kg(JIS K 6401
準拠)としてある。また、柱材31は、体積変化を起こし
にくい上記した独立気泡フォーム部2と同じ性状のもの
としてある。
【0014】止水材層4は、前記支持材層1よりも低弾
性のゴムのシート状体から形成しており、その収縮時に
は大きな凹みが形成されることなく支持材層1に追随し
て連続した波状に変形するようにしてある。したがっ
て、支持材層1との接着面に剪断力がかかりにくいと共
に、伸縮方向の変形に対する自由度が高いものとなる。
この実施形態では止水材層4として、クロロプレンゴム
を使用しており、その性状は、厚さ0.4mm、硬度5
0度(JIS A)、引張強度160kgf/cm2
伸び450%としてある。
【0015】保護層5は、伸縮に対して変形しやすい連
続気泡フォームから構成されており、図1に示すよう
に、上記した止水材層4の上面に積層一体化されてい
る。ここで、この実施形態では保護層5はポリエチレン
フォームを使用しており、その性状は、密度0.03g
/cm3 (JIS K 6767)、50%圧縮強さ
0.05kgf/cm2 (JIS K 6767準拠)
としてある。
【0016】受け部材6は、図1に示すように、フラッ
トバーと呼ばれる一定幅の鋼板から構成されており、一
方側の橋桁と他方側の橋桁に千鳥の配置となるようにウ
ェブプレートWにネジ止めされている。
【0017】なお、この遊間用止水材の遊間への施工
は、遊間の端面Tの被接着面を綺麗にしてシリコン系接
着剤を塗布し、遊間止水材を圧縮した状態で挿入する。
止水材の幅は最大遊間幅の1.1倍とし、常に遊間用止
水材に対して10%以上の圧縮荷重がかかるようにする
ことが好ましい。常時復元力を発生せしめ、遊間の端面
Tの被接着面との圧着性を好適に維持するためである。
上記した接着剤が固化すると施工は完了する。
【0018】この遊間用止水材は上記のような構成であ
るから以下に示すような機能を奏する。
【0019】この遊間用止水材では、伸縮部3の中央部
に体積変化を起こしにくい高弾性の柱材31が配置されて
おり、前記柱材31は端面Tにネジ止めされた受け部材6
により受けてある。したがって、この遊間用止水材で
は、従来の技術の欄で示した如く、伸縮部3の中央部が
大きく凹む態様で撓むことはなく、多くの土砂等が伸縮
部3上に堆積するようなことはない。これにより本来の
寿命だけ使用に耐えることになる。 〔実施形態2〕図2はこの発明の実施形態2の遊間用止
水材の断面図を示している。
【0020】この実施形態の2の遊間用止水材では、図
2に示すように、伸縮部3を、交互に配置された弾性率
が異なる連続気泡フォーム体30a,30bと、前記連続気
泡フォーム体30a,30b相互を一体化し且つ硬化後に体
積変化を起こしにくい接着部32とから構成してあり、前
記接着部32を端面Tに取り付けた受け部6により受ける
ようにしている。
【0021】連続気泡フォーム体30aはウレタンフォー
ムにより構成されており、その性状は、密度22kg/
3 (JIS K 6401準拠)、硬度11kg(J
ISK 6401準拠)としてある。
【0022】連続気泡フォーム体30bはウレタンフォー
ムにより構成されており、その性状は、密度26kg/
3 (JIS K 6401準拠)、硬度16kg(J
ISK 6401準拠)としてある。
【0023】接着部32は、硬化後に体積変化を起こしに
くい接着剤により構成されており、その厚みは0.5〜
1mm程度に設定してある。
【0024】したがって、この遊間用止水材では、連続
気泡フォーム体30a,30b相互間の体積変化を起こしに
くい接着部32が各所に配置されており、前記接着部32は
受け部材6により受けてある。したがって、この遊間用
止水材では、従来の技術の欄で示した如く、伸縮部3の
中央部及びその近傍が大きく凹む態様で撓むことはな
く、多くの土砂等が伸縮部3上に堆積するようなことは
ない。これにより本来の寿命だけ使用に耐えることにな
る。
【0025】なお、上記した厚肉の接着部32は少なくと
も伸縮部3の中央に位置する部分には必要であるが、全
ての連続気泡フォーム体30a,30b相互間に接着部32を
必要とするのではない。
【0026】また、この遊間用止水材では、変形が大き
な連続気泡フォーム体30aと変形が小さな連続気泡フォ
ーム体30bとが交互に並んでいるから、小さな波状の変
形が交互に連続した態様となるので、全体的に大きな凹
凸を伴う変形を回避できることになる。よって、この形
態であれば伸縮部3に作用する集中応力は緩和できるこ
とになる。 〔実施形態3〕図3はこの発明の実施形態3の遊間用止
水材の断面図を示している。
【0027】この実施形態の遊間用止水材では、伸縮部
3は、図3に示すように、連続気泡フォーム体30a,30
bと柱材31とから構成してある。なお、前記連続気泡フ
ォーム体30a,30b、柱材31の隣合うもの相互は接着さ
れている。 〔他の実施形態〕上記実施形態1〜3では、独立気泡フ
ォーム部2の端面を直接端面Tに接着しているが、これ
に限定されるものではなく、図4に示すように、実施形
態1の独立気泡フォーム部2の端面に連続気泡フォーム
層7を固着一体化し、この連続気泡フォーム層7が端面
Tとの接着面を形成するようにしてもよい。なお、連続
気泡フォーム層7は、ウレタンフォームにシリコンゴム
を含浸させて構成させてあり、その性状は、密度55k
g/m3 (JIS K 6401準拠)、引張強度16
kgf/cm2 (JIS K 6301準拠)としてあ
る。
【0028】また、上記実施形態1及び3では、柱材31
を独立気泡フォームで構成させてあるが、これに限定さ
れることなく高弾性のエラストマー、金属等も使用でき
る。
【0029】
【発明の効果】この発明は上記のような構成であるから
次の効果を有する。
【0030】発明の実施形態の欄の説明から明らかなよ
うに、伸縮部が縦方向にほとんど撓まない遊間用止水材
を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態1の遊間用止水材の断面
図。
【図2】この発明の実施形態2の遊間用止水材の断面
図。
【図3】この発明の実施形態3の遊間用止水材の断面
図。
【図4】他の実施形態の遊間用止水材の断面図。
【図5】先行する遊間用止水材の断面図。
【図6】先行する遊間用止水材を大型フィンガージョイ
ントに施工した場合の断面図。
【符号の説明】
T 端面 F フィンガージョイント f フィンガープレート W ウェブプレート 1 支持材層 2 独立気泡フォーム部 3 伸縮部 4 止水材層 5 保護層 6 受け部材 30 連続気泡フォーム体 31 柱材 32 接着部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−331758(JP,A) 特開 平2−296904(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/62 E01C 11/02 E01D 19/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遊間を形成する端面相互間に接着して用
    いられる遊間用止水材であって、上側の保護層、中程の
    止水材層、下側の支持材層を順に積み重ねて接着一体化
    して成り、前記支持材層を、一対の縦長の独立気泡フォ
    ーム部と、前記独立気泡フォーム部相互間に固着一体化
    された伸縮部とを有するものとしてある遊間用止水材に
    おいて、伸縮部を、複数の連続気泡フォーム体と、体積
    変化を起こしにくい柱材とを接着一体化して構成し、前
    記柱材を上記端面に取り付けた受け部材により受けるよ
    うにしたことを特徴とする遊間用止水材。
  2. 【請求項2】 柱材が、独立気泡フォームで構成されて
    いることを特徴とする請求項1記載の遊間用止水材。
  3. 【請求項3】 柱材が、エラストマーで構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の遊間用止水材。
  4. 【請求項4】 伸縮部は、硬度が相違する二種類の連続
    気泡フォーム体を備えていることを特徴とする請求項1
    記載の遊間用止水材。
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