JP3418478B2 - 薄膜作製装置 - Google Patents

薄膜作製装置

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JP3418478B2 JP09616895A JP9616895A JP3418478B2 JP 3418478 B2 JP3418478 B2 JP 3418478B2 JP 09616895 A JP09616895 A JP 09616895A JP 9616895 A JP9616895 A JP 9616895A JP 3418478 B2 JP3418478 B2 JP 3418478B2
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仁志 神馬
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  • Formation Of Insulating Films (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願の発明は、常温常温で液体又
は固体である原料を使用して基体表面に所定の薄膜を作
製する薄膜作製装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイス、超伝導デバイス、各種
電子部品、各種センサ−等のデバイスを製作する際に行
われる拡散防止膜、密着層膜、配線膜、絶縁膜、誘電体
膜等の薄膜の作製には、蒸着法、スパッタリング法、化
学気相成長(CVD)法、プラズマアシスト法、スピン
コ−ト等の種々の方法が採用されている。近年デバイス
の集積化が進むにつれて、高アスペクト比の穴や溝への
被覆性の良い成膜が求められている。
【0003】例えば、半導体集積回路のコンタクト部の
作製技術として、配線用タングステン(W)と基体であ
るシリコン(Si)との相互拡散を防止して安定した電
気的特性を得るためや、ロジック系集積回路用配線の銅
(Cu)が基体(Si)や絶縁層(SiO )中へ拡散
してしまうことを防止するため、窒化チタンを主成分と
する拡散防止層用の薄膜を作製する必要性が生じてい
る。また更に、半導体集積回路の層間配線技術として、
下層のアルミ膜層と上層のアルミ膜層とをつなぐように
設けられたスルーホール中に導通用の薄膜を作製するこ
とが必要である。この導通用の薄膜としては、やはり窒
化チタンを主成分とする薄膜(以下、窒化チタン薄膜)
が用いられ、高アスペクト比の穴(コンタクトホール,
スルーホール等)に良好な被覆性で窒化チタン薄膜を作
製することも求められている。
【0004】一方、窒化チタン薄膜のような薄膜を比較
的良好な被覆性で作製する方法として注目されている方
法の一つに、有機金属化合物や有機金属錯体を原料とし
て用いたCVD技術がある。この方法では、テトラキス
ジアルキルアミノチタン(TDAAT)のような有機金
属化合物や有機金属錯体を原料とし、この原料を反応容
器内に導入して所定の温度に加熱し、所定の熱化学反応
を生じさせて基体表面に所定の薄膜を作製するようにす
る。
【0005】TDAATのような有機金属化合物又は有
機金属錯体は、常温常圧で液体又は固体である場合が多
く、このような場合には、以下のような方法で原料を気
化させて反応容器内に導入する。原料を気化させる第一
の方法は、原料を溜めたボンベ内で原料を加熱して気化
させる方法である。この方法では、ボンベ内の原料を使
いきると、新しいボンベに交換して原料供給を行う。ま
た、原料を気化させる第二の方法は、ボンベ内の液体を
加熱するとともに所定のバブリングガスをボンベ内に導
入して原料をバブリングし、原料の泡を発生させながら
気化させる方法である。この方法でも、原料を使いきっ
た場合は、ボンベごと新しく交換し、原料供給を再開す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のような原料供給では、ボンベ内に残留する原料の量
によって熱容量等が異なるため、いずれの場合も所定量
の気化原料を安定して供給することが難しいという問題
がある。本願発明の第一の目的は、係る課題を解決する
ことであり、液体状態である原料を使用した薄膜作製に
おいて、所定量の気化原料を安定して供給することを可
能にし、これによって品質の良い薄膜作製を可能にする
ことである。
【0007】また、上記従来の原料供給において、飽和
蒸気圧の低い原料を使用する場合には、原料の気化が困
難であり、気化した場合でも反応容器に導入される過程
で再度液化してしまう問題がある。バブリングを行う第
二の方法ではこの問題は若干解消されるが、泡の出口付
近の原料の温度がバブリングガスの気化熱によって極端
に低くなるため、気化原料の量が減少してしまう問題が
ある。また、泡の寿命によって原料の気化状態が変化す
るため、気化原料の量が安定しないという問題もある。
本願発明の第二の目的は、このような課題を解決し、飽
和蒸気圧の低い材料を使用する場合であっても、所定量
の気化原料を安定して供給することができるようにする
ことである。
【0008】また、気化させた原料が熱変性を起こし易
いものである場合、基体表面に供給されるまでの過程で
熱変性を起こす結果、基体表面で所望の化学反応がされ
なくなり、その結果、作製される薄膜の質が低下してし
まうことがある。本願発明の第三の目的は、係る課題を
解決するものであり、基体表面に導入されるまでの過程
における熱変性を防止して、良好な品質の薄膜を作製で
きるようにすることである。
【0009】さらに、本願発明の第四の目的は、上記の
ような良質な薄膜作製を窒化チタン薄膜の作製について
行えるようにすることである
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第一の目的を達成す
るために、本願の請求項1記載の薄膜作製装置は、排気
系を備えた反応容器と、表面に薄膜を作製する基体を反
応容器内の所定の位置に配置するための基体ホルダと、
常温常圧で液体又は固体である原料を気化させて反応容
器内に導入する原料ガス導入系と、導入された原料ガス
を加熱して原料ガスを熱的に化学反応させて基体の表面
に所定の薄膜を作製する加熱手段とを有し、前記原料ガ
ス導入系は、液体状態の原料を溜めた原料容器と、原料
容器と反応容器とをつなぐ配管上に設けられた気化器と
を備え、原料容器から原料が液体状態で少しずつ気化器
に流入し、気化器で気化されて反応容器に流入する構成
であり、反応容器と気化器とをつなぐ主配管には、主配
管内を排気して所定の圧力とする配管排気系と、主配管
内に残留する原料ガスを排出するドレイン機構とが設け
られている。また、同様に上記第一目的を達成するた
め、請求項2記載の薄膜作製装置は、上記請求項1の構
成において、原料容器から気化器に液体状態を保って原
料を送るための送液用ガスを導入する送液用ガス導入系
を備えている。また、上記第一及び第三の目的を達成す
るため、請求項記載の薄膜作製装置は、上記請求項
又は2の構成において、反応容器と気化器とをつなぐ主
配管には、配管温度調節機構が設けられ、気化器から反
応容器に送られる原料の状態が所定のものに維持される
ようになっている。また、上記第一の目的を達成するた
め、請求項記載の薄膜作製装置は、上記請求項1,2
又は3構成において、気化効率を高めるための気化用ガ
スを気化器に導入する気化用ガス導入系を備えている。
また、上記第一及び第三の目的を達成するため、請求項
記載の薄膜作製装置は、請求項1,2,3又は4構成
において、反応容器には、反応容器の温度を調整する容
器温度調整機構が設けられている。さらに、上記第四の
目的を達成するため、請求項記載の薄膜作製装置は、
請求項1,2,3,4又は5の構成において、原料の少
なくとも一つがテトラキスジアルキルアミノチタンであ
り、作製する薄膜の主成分が窒化チタンであるという構
成を有する。
【0011】
【実施例】以下、本願発明の実施例を説明する。図1
は、本願発明の薄膜作製装置の実施例を説明する概略図
である。以下の説明では、薄膜作製の例として、テトラ
キスジアルキルアミノチタン(以下、TDAAT)を使
用した窒化チタン薄膜の作製を取り上げて説明する。図
1に示す薄膜作製装置は、排気系11を備えた反応容器
1と、表面に薄膜を作製する基体2を反応容器1内の所
定の位置に配置するための基体ホルダ3と、常温常圧で
液体又は固体である原料を気化させて反応容器1内に導
入する原料ガス導入系4と、導入された原料ガスを加熱
して原料ガスを熱的に化学反応させて基体2の表面所定
の薄膜を作製する加熱手段とから主に構成されている。
【0012】まず、反応容器1は、ステンレス製の気密
な容器であり、排気系11によって内部が真空排気され
るようになっている。排気系11としては、回転ポンプ
やターボ分子ポンプ等を組み合わせたシステムが採用さ
れ、10-4パスカル程度まで排気可能に構成されてい
る。反応容器1の外壁面には、容器温度調節機構12が
配設されている。この容器温度調節機構12は、ヒータ
を外壁面に沿って配設されたヒータ121と、反応容器
1の温度を測定するために取り付けられた熱電対よりな
る温度計122と、ヒータ121を通電して昇温させる
電源123と、温度計122によって測定された反応容
器1の温度に基づきサイリスタユニット等の制御素子を
使用しながらPID制御、PI制御、ON−OFF制
御、ファジー制御等の制御を行う制御器124とから主
に構成されている。このような容器温度調節機構12に
よって、反応容器1は70℃程度までの所定の温度に加
熱されるようになっている。
【0013】また、反応容器1は、基体2の出し入れを
行う不図示のゲートバルブを備えている。窒化チタン薄
膜の作製が行われる基体2は、このゲートバルブを通っ
て反応容器1内に進入し、基体ホルダ3に保持されるよ
うになっている。基体ホルダ3は、加熱手段を構成する
ホルダ温度調節機構31を内部に備えている。ホルダ温
度調節機構31は、基体ホルダ3の内部に埋め込まれた
ヒータ311と、基体ホルダ3の温度を測定する熱電対
からなる温度計312と、ヒータ311を通電して昇温
させる電源313と、温度計312によって測定された
基体ホルダ3の温度に基づきサイリスタユニット等の制
御素子を使用しながらPID制御、PI制御、ON−O
FF制御、ファジー制御等の制御を行う制御器314と
から主に構成されている。このようなホルダ温度調節機
構31によって、基体ホルダ3は350℃程度までの所
定の温度に加熱されるようになっている。
【0014】次に、上記反応容器1には、原料ガス導入
系4及び添加ガス導入系5が設けられている。まず、原
料ガス導入系4は、原料であるTDAATを溜めた原料
容器41と、原料容器41と反応容器1とをつなぐ配管
42上に設けられた気化器43等から主に構成されてい
る。
【0015】原料となるTDAATは、テトラキスジエ
チルアミノチタン(TDEAT)であれ、テトラキスジ
メチルアミノチタン(TDMAT)であれ、常温常圧で
は液体の材料であり、液体の状態で原料容器41内に溜
められている。原料容器41は、ステンレスで形成され
たものであり、その内壁は電解研磨処理が施されてい
る。この原料容器41には、送液用ガス導入系44が設
けられている。この送液用ガス導入系44は、原料容器
41内に送液用ガスを導入して原料容器41内を圧力を
上昇させ、気化器43内との圧力差によって原料を送液
するものである。また、飽和蒸気圧の高い原料の場合に
は、送液用ガスによる圧力上昇によって送液の際の原料
の気化を防止する効果もある。
【0016】このような送液用ガスとしては、原料ガス
と反応しないヘリウム等のガスが好適に採用される。ま
た、導入される送液用ガスの圧力は、気化器43内の圧
力や気化器43までの距離にもよるが、例えば1kg重
/cm2 程度である。このような送液用ガスは、不図示
のボンベから圧力レギュレータを介して原料容器41に
導入されるようになっている。また、原料容器41と気
化器43とをつなぐ配管42上には、液体流量制御器4
5が設けられている。この液体流量制御器45として
は、例えば(株)リンテック製の液体用質量流量制御器
LC−1100M(形式:UV−104)等が採用で
き、例えば0.1g/分程度の流量で送液量を制御する
よう構成される。
【0017】このようにして原料が液体の状態で少しず
つ供給される気化器43は、供給された原料を加熱して
気化させるものである。気化器43としては、液体流量
制御器45として採用した(株)リンテック製の液体用
質量流量制御器LC−1100M(形式:UV−10
4)が同様に採用できる。この制御器は、流量制御と気
化とを行えるようになっており、液体流量制御器45と
気化器43との兼用して使用することも可能である。こ
の気化器43には、原料の気化効率を高めるための気化
用ガスを導入する気化用ガス導入系46が設けられてい
る。この気化用ガスは、気化器43内部の雰囲気を加圧
して原料の気化を助けるよう作用する。例えば、原料の
TDAATとしてTDEATを使用した場合、気化器4
3内の温度は70℃程度であり、導入される気化用ガス
の圧力は反応容器1と同じ程度に設定される。
【0018】気化器43で発生した気化原料は、気化器
43と反応容器1とをつなぐ主配管40によって反応容
器1まで運ばれるようになっている。主配管40は、内
径20mm程度のステンレス製の管であり、その外面に
は管温度調節機構47が設けられている。管温度調節機
構47は、管の外面に沿って設けたヒータ471と、こ
のヒータ471を通電して昇温させる電源472と、主
配管40の温度を測定する熱電対等の温度計473と、
温度計473の測定結果に基づいて電源472を制御す
ることで主配管40の温度を調節する制御器474等か
ら構成されている。このような管温度調節機構47によ
って、主配管40は80℃程度に調節されるようになっ
ている。これによって、主配管40内を通って運ばれる
原料ガスの状態が最適なものに維持され、従来見られた
ような熱変性等の問題が生じないようになっている。
【0019】また、主配管40には、配管排気系48が
付設されている。これは、主配管40の内部を必要に応
じて排気することで主配管40内の圧力を下げ、飽和蒸
気圧の低い原料の場合に予想される配管内での液化を防
止するためのものである。
【0020】さらに、主配管40には、ドレイン機構4
9が付設されている。このドレイン機構49は、本実施
例の装置の大きな特徴の一つであり、主配管40等に残
留した原料を除去して次の成膜処理の際の原料ガス供給
量の精度を高めるためのものである。ドレイン機構49
は、主配管40に一端が接続されたドレイン用配管49
1と、ドレイン用配管491の他端に接続されたドレイ
ン用ポンプ492と、ドレイン用配管491上に設けら
れたドレイン用バルブ493とから主に構成されてい
る。また尚、主配管40上には、主バルブ400が設け
られている。
【0021】さて、ある基体2に対する薄膜作製が終了
した場合、主バルブ400が閉じられ原料ガスの供給は
停止される。しかし、主配管40内には、気化器43が
気化させた原料ガスがまだ残留しており、その一部は液
化している場合もある。この状態で再び主バルブ400
を開けて次の薄膜作製を開始すると、残留していた原料
が反応容器1に進入してしまう。従って、主バルブ40
0の開時間を制御するなどして所定量の原料ガスを導入
するようにしても、この残留していた原料も同時に導入
されてしまうため、原料ガスの導入量が多くなってしま
う。主配管40内での残留量は制御不可能であるため、
結果的に原料ガスの導入量が安定しなくなってしまう。
【0022】そこで本実施例の装置は、上述のようにド
レイン機構49を備え、主配管40に残留した原料を排
出するようにする。具体的には、ある薄膜作製が終了し
た後主バルブ400を閉じ、ドレイン用バルブ493を
開く。そして、ドレイン用ポンプ492によって主配管
40の内部を排気し、残留していた原料を排出する。尚
この際、気化器43の内部も同時に排気するようにして
も良い。この場合は、気化器43への原料流入口は閉じ
ておく。また、主バルブ400は、より多くの残留原料
を除去する観点から、主配管40とドレイン用配管49
1との接続部分よりも反応容器1よりの主配管40上に
設けることが好ましい。
【0023】また、本実施例の装置は、原料ガス導入系
4に加え、添加ガス導入系5を備えている。例えば、T
DAATを使用した窒化チタン薄膜の作製においては、
アンモニア等のガスを添加して成膜を行うと、導電性の
点で優れた窒化チタン薄膜が得られることが知られてい
る。従って、本実施例の装置では、アンモニアガスを添
加ガスとして反応容器1内に導入する添加ガス導入系5
が採用されている。
【0024】次に、上記構成に係る本実施例の薄膜作製
装置の作用を説明する。まず、基体2は、不図示のゲー
トバルブを通って反応容器1内に進入し、基体ホルダ3
に保持される。反応容器1の内部は、排気系11によっ
て例えば10 -4 パスカル程度まで排気される。また、基
体ホルダ3は、ホルダ温度調節機構31によって予め3
50℃程度の温度に加熱され、従って基体2もこの程度
の温度に加熱された状態となる。一方、原料容器41に
溜められた原料は、送液用ガスによって送られ、液体流
量制御器45によって流量が制御されながら気化器43
に送られる。気化器43は、送られた液体原料を加熱し
て気化させる。
【0025】この状態で、主バルブ400が開き、気化
した原料が反応容器1内に導入される。一方、添加ガス
導入系5も同時に動作して、所定量の添加ガスを反応容
器1内に導入する。導入された原料ガス及び添加ガス
は、反応容器1に設けた容器温度調節機構12によって
加熱されながら、基体ホルダ3に設けたホルダ温度調節
機構31の熱によってさらに加熱され、所定の熱化学反
応が生じる。この結果、基体2の表面に窒化チタン薄膜
が形成される。薄膜の厚さが所定の値に達すると、主バ
ルブ400を閉じられて原料ガスの供給が停止されると
ともに添加ガスの供給も停止される。その後、排気系1
1によって反応容器1内を再び排気し、必要に応じて大
気圧に戻してから基体2を反応容器1から取り出す。
【0026】具体的な原料供給の条件について説明する
と、TDEATを使用して窒化チタン薄膜を作製する場
合、TDEATの流量が0.02〜0.20g/分程
度、添加ガスの流量が15sccm程度、気化用ガスと
して用いた窒素の流量が150sccm程度である。ま
た、この際の基体2の温度は350℃程度である。上述
したように、本実施例の装置によれば、原料を液体の状
態で少しずつ気化器43に供給して気化させているの
で、原料容器41内の熱容量の変化等に伴う問題が無く
なり、所定量の気化原料を安定して供給することが可能
になる。
【0027】図2は、本実施例の装置の優位性を確認し
た実験の結果を示したものである。図2に示す実験結果
は、上述した原料ガスの供給系を採用した本実施例の装
置と、原料ボンベ内でバブリングを行うことにより原料
ガスを供給する従来のタイプの装置とを比較した結果で
ある。図2の上側に示すように、従来のバブリング機構
を用いた装置では、TDEATの熱伝導性が悪いため、
バブリングによる気化熱で気泡の出現する付近の温度が
極端に下がり供給量が減少していることがわかる。一
方、本実施例の装置では、安定して且つ大流量の原料ガ
スの供給が行なわれていることが確認できる。また、本
実施例では、上述したように、残留した原料をドレイン
機構49によって排出するようにしているので、反応容
器1への気化原料の供給量がさらに安定したものとなっ
ている。図3は、このドレイン機構49の効果を確認し
た実験の結果を示したものである。
【0028】図3は、上述した本実施例の装置で、ドレ
イン機構49を使用したときと使用しなかったとき及び
従来のバブリング機構を備えた装置を使用したときの実
験結果を比較して示している。図3の横軸は、窒化チタ
ン薄膜を基体表面に連続成膜したときの基体枚数であ
り、縦軸は成膜速度である。尚、図3の実験を行うに際
し、従来の装置では成膜の間隔を最低でも30分以上あ
けて、バブラー内のTDEATの温度を安定させてい
る。
【0029】図3に示されている通り、従来の装置で
は、徐々に成膜速度が低下していく傾向がある。これは
明らかではないがバブラー内でTDEATが加熱されて
いるため熱変性を起したことが原因と考えられる。ま
た、本実施例の装置でドレイン排気機構を使用しなかっ
た場合、1〜15枚目まで成膜速度が上昇し、再現性が
得られていない。これは気化器43や主配管40に残留
したTDEATが2枚目以降の成膜速度に影響を与えた
ためと考えられる。一方、本実施例の装置でドレイン排
気機構49を使用した場合は、ドレイン用ポンプ492
で気化器43や主配管40に残留したTDEATを排気
し、更に、TDEATが充填されている原料容器41か
ら気化器43の直前まで室温であるため図3の様に安定
な成膜速度が実現できたと考えられる。
【0030】また、本実施例では、気化用ガスを気化器
43に導入しているので、気化効率が高くなり、効率の
良い気化原料の導入が行える。さらに、主配管40の温
度が管温度調節機構47により調節されるので、主配管
40内での原料の熱変性等が防止される。
【0031】上述した実施例では、TDEATを使用し
た窒化チタン薄膜の作製を例にとって説明したが、テト
ラキスジメチルアミノチタン、テトラキスジプロピルア
ミノチタン、テトラキスジイソブチルアミノチタン、テ
トラキスジターシャリブチルアミノチタン等の他のTD
AATを使用して窒化チタン薄膜を作製することも可能
である。これらのTDAATには常温常圧で固体のもの
もあるが、そのような場合はヘキサンなどの溶媒に溶解
させて液体原料としてから上述と同様に用いると良い。
また、上述した窒化チタン薄膜の作製以外にも本願発明
の装置を使用することが可能であり、液体状態の原料を
使用して薄膜を作製する装置であれば、どんなものでも
適用することができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本願の請求項1ま
たは2記載の薄膜作製装置によれば、原料を液体の状態
で少しずつ気化器に供給して気化させているので、原料
容器内の熱容量の変化等に伴う問題が無くなり、所定量
の気化原料を安定して供給することが可能になる。
た、飽和蒸気圧の低い原料を使用した場合でも、安定し
て気化原料を供給することができる。さらに、残留した
原料をドレイン機構によって排出するようにしているの
で、反応容器への気化原料の供給量がさらに安定したも
のとなる。また、請求項の薄膜作製装置によれば、上
記請求項1または2の効果に加え、主配管の温度が管温
度調節機構により調節されるので、主配管内での原料の
熱変性等が防止される。また、請求項の薄膜作製装置
によれば、上記請求項1,2または3の効果に加え、気
化用ガスを気化器に導入しているので、気化効率が高く
なり、効率の良い気化原料の導入が行える。また、請求
の薄膜作製装置によれば、上記請求項1,2,3ま
たは4の効果に加え、容器温度調節機構によって真空容
器の温度が調節されるので、容器の器壁部分での気化原
料の熱変性が防止される。さらに、請求項の薄膜作製
装置によれば、上記請求項1,2,3,4または5の効
を得ながら窒化チタン薄膜を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の薄膜作製装置の実施例を説明する概
略図である。
【図2】本実施例の装置の優位性を確認した実験の結果
を示したものである。
【図3】ドレイン機構の効果を確認した実験の結果を示
したものである。
【符号の説明】
1 反応容器 11 排気系 12 容器温度調節機構 2 基体 3 基体ホルダ 31 加熱手段を構成するホルダ温度調節機構 4 原料ガス導入系 41 原料容器 42 配管 43 気化器 44 送液用ガス導入系 45 液体流量制御器 46 気化用ガス導入系 47 管温度調節機構 48 配管排気系 49 ドレイン機構
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−141192(JP,A) 特開 平3−8330(JP,A) 特開 平6−145992(JP,A) 特開 平5−198515(JP,A) 実開 平3−41847(JP,U) 特表 平4−506685(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/31 H01L 21/205 H01L 21/318

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気系を備えた反応容器と、表面に薄膜
    を作製する基体を反応容器内の所定の位置に配置するた
    めの基体ホルダと、常温常圧で液体又は固体である原料
    を気化させて反応容器内に導入する原料ガス導入系と、
    導入された原料ガスを加熱して原料ガスを熱的に化学反
    応させて基体の表面に所定の薄膜を作製する加熱手段と
    を有し、 前記原料ガス導入系は、液体状態の原料を溜めた原料容
    器と、原料容器と反応容器とをつなぐ配管上に設けられ
    た気化器とを備え、原料容器から原料が液体状態で少し
    ずつ気化器に流入し、気化器で気化されて反応容器に流
    入する構成であり、反応容器と気化器とをつなぐ主配管
    には、主配管内を排気して所定の圧力とする配管排気系
    と、主配管内に残留する原料ガスを排出するドレイン機
    構とが設けられていることを特徴とする薄膜作製装置。
  2. 【請求項2】 原料容器から気化器に液体状態を保って
    原料を送るための送液用ガスを導入する送液用ガス導入
    系を備えていることを特徴とする請求項1記載の薄膜作
    製装置。
  3. 【請求項3】 反応容器と気化器とをつなぐ主配管に
    は、配管温度調節機構が設けられ、気化器から反応容器
    に送られる原料の状態が所定のものに維持されるように
    なっていることを特徴とする請求項1又は2記載の薄膜
    作製装置。
  4. 【請求項4】 気化効率を高めるための気化用ガスを気
    化器に導入する気化用ガス導入系を備えたことを特徴と
    する請求項1,2又は3記載の薄膜作製装置。
  5. 【請求項5】 反応容器には、反応容器の温度を調整す
    る容器温度調整機構が設けられていることを特徴とする
    請求項1,2,3又は4記載の薄膜作製装置。
  6. 【請求項6】 原料の少なくとも一つがテトラキスジア
    ルキルアミノチタンであり、作製する薄膜の主成分が窒
    化チタンであることを特徴とする請求項1,2,3,4
    又は5項記載の薄膜作製装置。
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