JP3417302B2 - 螺旋溝付線条体の形状検査装置 - Google Patents

螺旋溝付線条体の形状検査装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、螺旋溝付線条体の
形状検査装置に係り、特に、溝周期が正確に測定でき、
細かな溝乱れも検出できる螺旋溝付線条体の形状検査装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】線条体の表面に螺旋溝を形成した螺旋溝
付線条体は、各種の工業用途に製造される。例えば、光
ファイバケーブルに組み込まれるスペーサは、このよう
な螺旋溝付線条体であり、螺旋溝中に光ファイバ素線を
収容することにより、光ファイバ素線を保護しつつ光フ
ァイバケーブルを構造的に支えるものである。
【0003】螺旋溝付線条体の形状を検査する形状検査
装置は、従来、図2のように構成されている。この形状
検査装置は、螺旋溝1付き線条体2を長手方向に走行さ
せて形状を検査するものであり、線条体2を通した軸穴
3を有する回転盤5の軸穴3の内縁に前記螺旋溝1に係
合する爪4を形成し、この回転盤5の回転を検出する回
転センサ6を設けると共に、線条体2の走行距離を検出
する計尺器10を設けたものである。回転盤5は、図示
しない部材により、線条体2の走行方向である軸方向に
は移動が規制され、径方向にも移動が規制され、回転の
み許容されている。
【0004】線条体2は、図示されない巻取装置に巻き
取られるなどにより、一定方向に走行する。このとき、
回転盤5は、線条体2の走行に応じ爪4に案内されて回
転する。その回転を回転センサ6で検出する。一方、計
尺器10では線条体2の走行距離を検出する。回転セン
サ6の出力及び計尺器10の出力を演算器11に入力
し、演算器11では線条体2の螺旋溝1が360°回転
する間に線条体2が走行した距離、即ち溝周期を演算し
て表示器12に表示する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の螺旋溝付線条体
の形状検査装置によると、線条体が走行中に何らかの理
由で回転したときには溝周期に測定誤差が生じる。ま
た、溝周期が検査できても、一周期中に溝の乱れが生じ
ていると、このような溝乱れを検出することはできな
い。
【0006】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、溝周期が正確に測定でき、細かな溝乱れも検出でき
る螺旋溝付線条体の形状検査装置を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、線条体の表面に螺旋溝を形成した螺旋溝付
線条体を長手方向に走行させて形状を検査する螺旋溝付
線条体の形状検査装置において、前記線条体を通した軸
穴を有し該軸穴の内縁に前記螺旋溝に係合する爪を形成
した回転盤を前記線条体の長手方向の少なくとも2箇所
に配置し、前記線条体の走行に応じ前記爪に案内されて
回転するそれぞれの回転盤の回転を検出する回転センサ
を設け、これら検出される回転に基づき前記螺旋溝の形
状の良否を判定する判定手段を設けたものである。
【0008】前記回転盤を前記螺旋溝の周期と同一距離
に配置してもよい。
【0009】前記回転盤を前記螺旋溝の周期とは異なる
距離に配置してもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて詳述する。
【0011】図1に示されるように、本発明に係る螺旋
溝付線条体の形状検査装置は、螺旋溝1付きの線条体2
を長手方向に走行させて形状を検査するものであり、線
条体2を通した軸穴3(3a,3b,3c)を有し軸穴
3の内縁に螺旋溝1に係合する爪4(4a,4b,4
c)を形成した回転盤5(5a,5b,5c)を線条体
2の長手方向の3箇所に配置し、線条体2の走行に応じ
爪4a,4b,4cに案内されて回転するそれぞれの回
転盤5a,5b,5cの回転を検出する回転センサ6
(6a,6b,6c)を設け、これら検出される回転に
基づき螺旋溝1の形状の良否を判定する判定手段7を設
けたものである。8は、判定内容を表示する表示器であ
る。各回転盤5は、図示しない部材により、線条体2の
走行方向である軸方向には移動が規制され、径方向にも
移動が規制され、回転のみ許容されている。
【0012】回転盤5aと回転盤5bとは、螺旋溝1の
周期Lと同一距離に配置されている。また、回転盤5c
は、回転盤5aと回転盤5bとの間の回転盤5bの近傍
に配置されている。即ち、回転盤5aと回転盤5cと
は、螺旋溝1の周期Lよりやや短い距離に配置されてい
る。
【0013】各回転盤5の外縁には多数の歯が形成され
ている。即ち、回転盤5は歯車である。これら回転盤5
の歯車に歯合して回転する歯車9がそれぞれ設けられ、
各回転センサ6は歯車9により回転盤5の回転を伝達さ
れるようになっている。回転センサ6は、例えば、ロー
タリエンコーダにより構成されている。このような回転
センサ6は、回転盤5における爪4の位置(回転角)を
所定の分解能で検出することができる。
【0014】各回転センサ6(6a,6b,6c)の出
力が判定手段7に入力されており、判定手段7では、各
回転センサ出力の位相差を検出することができる。
【0015】図1の形状検査装置において、螺旋溝1付
きの線条体2を長手方向に走行させると、各回転盤5は
爪4に案内されて回転する。各回転盤5の歯車に歯合す
る歯車9が回転することにより、各回転センサ6が回転
し、各回転盤5における爪4の位置(回転角)を検出す
る。これらの検出信号が判定手段7に入力され、判定手
段7は、各爪4の位置の位相差を計算し、その計算値と
予め定めた位相差との差異を検出する。
【0016】回転盤5aと回転盤5bとは螺旋溝1の周
期Lと同一距離に配置されているので、回転センサ6a
の出力と回転センサ6bの出力とには、本来、位相差が
ないはずである。回転センサ6aの出力と回転センサ6
bの出力とに位相差が検出された場合には、溝周期がず
れるという形状不良が判定される。回転センサ6aの出
力と回転センサ6bの出力とに位相差が検出されない場
合、溝周期は正常であると判定される。
【0017】この形状検査装置において、線条体2が走
行中に何らかの理由で回転したものとする。この回転
は、回転盤5aにも回転盤5bにも同等に影響し、回転
センサ6aの出力及び回転センサ6bの出力を同じずつ
増加又は減少させるので、位相差には変化を生じない。
従って、溝周期に測定誤差は生じない。
【0018】一方、回転盤5cは回転盤5bの近傍に配
置されているので、回転センサ6cの出力と回転センサ
6bの出力とには、本来、その配置距離に応じた位相差
が生じるはずである。回転センサ6aの出力と回転セン
サ6bの出力とに位相差が検出されない場合でも、回転
センサ6cの出力と回転センサ6bの出力とに本来とは
異なる位相差が検出された場合には、一周期中に細かな
溝の乱れが生じているという形状不良が判定される。
【0019】
【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。
【0020】(1)線条体が走行中に何らかの理由で回
転しても、その回転による誤差を生じることなく溝周期
を測定して形状を正しく検査することができる。
【0021】(2)一周期中の細かな溝の乱れを検査す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す形状検査装置の要部
斜視図である。
【図2】従来の形状検査装置の要部斜視図である。
【符号の説明】
1 螺旋溝 2 線条体 3 軸穴 4(4a,4b,4c) 爪 5(5a,5b,5c) 回転盤 6(6a,6b,6c) 回転センサ 7 判定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 修 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日 立電線株式会社 日高工場内 (56)参考文献 特開 平8−114730(JP,A) 特開 平5−231857(JP,A) 特開 平2−156101(JP,A) 実開 昭62−58701(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 5/00 - 5/30 G01B 21/00 - 21/32

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線条体の表面に螺旋溝を形成した螺旋溝
    付線条体を長手方向に走行させて形状を検査する螺旋溝
    付線条体の形状検査装置において、前記線条体を通した
    軸穴を有し該軸穴の内縁に前記螺旋溝に係合する爪を形
    成した回転盤を前記線条体の長手方向の少なくとも2箇
    所に配置し、前記線条体の走行に応じ前記爪に案内され
    て回転するそれぞれの回転盤の回転を検出する回転セン
    サを設け、これら検出される回転に基づき前記螺旋溝の
    形状の良否を判定する判定手段を設けたことを特徴とす
    る螺旋溝付線条体の形状検査装置。
  2. 【請求項2】 前記回転盤を前記螺旋溝の周期と同一距
    離に配置したことを特徴とする請求項1記載の螺旋溝付
    線条体の形状検査装置。
  3. 【請求項3】 前記回転盤を前記螺旋溝の周期とは異な
    る距離に配置したことを特徴とする請求項1又は2記載
    の螺旋溝付線条体の形状検査装置。
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