JP2007278801A - リムずれ量測定装置およびリムずれ量測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】実車試験においても、リムずれ量を精度良く測定することができるリムずれ量測定装置およびリムずれ量測定方法を提供すること。
【解決手段】リムにリム組みされた空気入りタイヤに設けられ、かつ異なる極性が交互にタイヤ周方向に連続する磁気スケール2と、磁気スケール2と対向するようにこのリムに設けられ、この磁気スケール2の移動による極性変化を検出する磁気センサ3と、検出された極性変化をカウントするカウント部45とを備える。空気入りタイヤがリムに対してタイヤ周方向にずれると、磁気スケール2がリムに対してタイヤ周方向に移動し、磁気センサ3に対向する磁気スケール2の位置が変化し、磁気センサ3と対向する位置における磁気スケール2の極性が変化する。従って、カウント部45によるカウント数から磁気スケール2の異なる極性の間隔に応じたリムずれ量を測定することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】リムにリム組みされた空気入りタイヤに設けられ、かつ異なる極性が交互にタイヤ周方向に連続する磁気スケール2と、磁気スケール2と対向するようにこのリムに設けられ、この磁気スケール2の移動による極性変化を検出する磁気センサ3と、検出された極性変化をカウントするカウント部45とを備える。空気入りタイヤがリムに対してタイヤ周方向にずれると、磁気スケール2がリムに対してタイヤ周方向に移動し、磁気センサ3に対向する磁気スケール2の位置が変化し、磁気センサ3と対向する位置における磁気スケール2の極性が変化する。従って、カウント部45によるカウント数から磁気スケール2の異なる極性の間隔に応じたリムずれ量を測定することができる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、リムずれ量測定装置およびリムずれ量測定方法に関し、特に、リムにリム組みされたタイヤを実際に路面上で回転させた際のリムずれ量を検出するリムずれ量測定装置およびリムずれ量測定方法に関するものである。
従来からリムにリム組みされたタイヤのこのリムに対するずれ量、すなわちリムずれ量が測定されていた。従来のリムずれ量の測定は、リム組みされたタイヤおよびリムにマーキングをして、このマーキングのずれをスケールなどで測定することで行われていた。しかしながら、このリムずれ量測定方法では、測定者の読取誤差が大きくなり、測定結果にばらつきが生じ、測定精度が低いという問題があった。
そこで、リムずれ量測定装置によるリムずれ量測定方法が提案されている。例えば特許文献1に示すように、リムずれ量測定装置をリム(ディスク)に設け、タイヤに接触させたこのリムずれ量測定装置のローラの回転角度に基づいてタイヤのリムに対するリムずれ量を測定するものである。
しかしながら、上記特許文献1に示すリムずれ量測定装置は、タイヤに接触させるローラやローラの回転角度を電気抵抗に変換するポテンションメータや、これらをリムに支持、固定するための支持部材や固定部材などが必要となる。従って、従来のタイヤに接触してリムずれ量を測定するリムずれ量測定装置は、軽量化、小型化が困難であるため、リム組みされたタイヤを機上で回転させるタイヤ試験機に取り付けることを前提としたものであった。
ここで、リムにリム組みされたタイヤを装着した車両を実際に走行させた際のリムずれ量を測定することがある。つまり、実車試験によりリムずれ量を測定する場合がある。しかし、上記特許文献1に示す従来のリムずれ量測定装置では、上述のように軽量化、小型化が困難であるため、車両の走行時におけるリムずれ量を測定することは困難であるという問題があった。
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、実車試験においても、リムずれ量を精度良く測定することができるリムずれ量測定装置およびリムずれ量測定方法を提供することを目的とするものである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかるリムずれ量測定装置は、リムにリム組みされたタイヤに設けられ、かつ異なる極性が交互にタイヤ周方向に連続する磁気スケールと、前記磁気スケールと対向するように前記リムに設けられ、前記磁気スケールの移動による極性変化を検出する極性変化検出手段と、前記検出された極性変化をカウントするカウント手段と、を備えることを特徴とする。
また、この発明にかかるリムずれ量測定方法では、リムにリム組みされたタイヤに設けられ、かつ異なる極性が交互にタイヤ周方向に連続する磁気スケールの移動による極性変化を当該リムに当該磁気スケールと対向するように設けられた極性変化検出手段により検出する手順と、前記検出された前記磁気スケールの極性変化をカウント手段によりカウントする手順と、を含むことを特徴とする。
これらの発明によれば、タイヤがリムに対してタイヤ周方向にずれると、磁気スケールがリムに対してタイヤ周方向に移動し、極性変化検出手段に対向する磁気スケールの位置が変化する。つまり、タイヤがリムに対してタイヤ周方向にずれると、極性変化検出手段と対向する位置における磁気スケールの極性が変化する。従って、カウント手段によりカウントされた、すなわち極性変化検出手段が検出した磁気スケールの極性変化の回数から磁気スケールの異なる極性の間隔に応じたリムずれ量を測定することができる。これにより、タイヤのリムに対するリムずれ量を精度良く測定することができる。
また、このリムずれ量測定装置は、少なくともタイヤに設けられる磁気スケール、リムに設けられる磁気変化検出手段およびカウント手段があれば良い。従って、上記従来のリムずれ量測定装置と比べて、構成部品を削減でき、軽量化および小型化を図ることができ、リムとともに回転した際の遠心力などの影響も抑制することができる。これにより、実車試験においても、リムずれ量を測定することができる。
また、この発明では、上記リムずれ量測定装置およびリムずれ量測定方法において、前記磁気スケールは、異なる極性が交互にタイヤ周方向に連続するスケール列を2以上有し、前記各スケール列は、相互に1/(スケール列×2)ピッチずれて、タイヤ周方向と直交する方向に設けられ、前記極性変化検出手段は、前記磁気スケールの移動による極性変化を当該スケール列ごとに検出し、前記カウント手段は、前記検出された極性変化を当該スケール列ごとにカウントすることを特徴とする。
この発明によれば、タイヤがリムに対してタイヤ周方向にずれると、磁気スケールがリムに対してタイヤ周方向に移動し、極性変化検出手段に対向する磁気スケールの各スケール列の位置が同時に変化する。ここで、各スケール列は、相互に1/(スケール列×2)ピッチずれているため、極性変化検出手段に対向する位置における極性が最初に変化するスケール列は1つとなる。従って、極性変化検出手段が最初に検出し、カウント手段が最初にカウントしたのが各スケール列のうちいずれのスケール列に対応したものであるかにより、タイヤがリムに対してずれる方向を検出することができる。
また、各スケール列は、相互に1/(スケール列×2)ピッチずれているため、1つのスケール列に対応したカウントの1間隔に、他のスケール列に対応したカウントが行われる。従って、スケール列の数に応じて分解能を向上することができる。これにより、リムずれ量の測定精度をさらに向上することができる。
また、この発明では、上記リムずれ量測定装置において、前記磁気スケールは、前記タイヤのサイドウォール部に設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、リム組みされたタイヤのうち外部に露出した部分に磁気スケールを設ける。従って、リムずれ量測定装置の取付を容易に行うことができる。
また、この発明では、上記リムずれ量測定装置において、前記磁気スケールは、前記タイヤのタイヤビード部に設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、リム組みされたタイヤのうちリムと接触する部分に磁気スケールを設ける。ここで、タイヤビード部は、タイヤを路面上で回転させた際に変形し難い部分である。従って、実車試験において、磁気スケールが変形することが抑制され、リムずれ量の測定精度をさらに向上することができる。
また、この発明では、上記リムずれ量測定装置において、前記カウント手段によりカウントされた時刻を検出するカウント時刻検出手段をさらに備えることを特徴とする。
この発明によれば、カウント時刻検出手段は、カウント手段によりカウントされた際、すなわちリムずれが発生した際の時刻を検出する。従って、実車試験において、リムずれが発生した時期を特定することができる。
また、この発明では、上記リムずれ量測定装置において、前記カウント数から前記リムに対する前記タイヤのリムずれ量を算出するリムずれ量算出手段をさらに備えることを特徴とする。
この発明によれば、リムずれ量算出手段がカウント数からリムに対するタイヤのリムずれ量を算出するので、リムずれ量の測定結果を直接出力することができる。
また、この発明では、上記リムずれ量測定装置において、前記カウントされたカウント数、前記検出されたカウント時刻あるいは前記算出されたリムずれ量の少なくともいずれか1つを表示する表示手段をさらに備えることを特徴とする。
この発明によれば、表示手段により、カウントされたカウント数、検出されたカウント時刻あるいは算出されたリムずれ量の少なくともいずれか1つを表示するので、リムずれ量の測定結果を容易に認識することができる。
この発明にかかるリムずれ量測定装置およびリムずれ量測定方法は、実車試験においても、リムずれ量を精度良く測定することができるという効果を奏する。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。なお、以下の実施例では、タイヤとして、乗用車、トラック、バスなどに装着される中空で、リムにリム組みされた後に空気が充填される空気入りタイヤについて説明するが、この発明はこれに限定されるものではない。例えば、リムにリム組みするタイヤであれば中実のタイヤであっても良い。
図1および図2は、この発明にかかるリムずれ量測定装置の構成例を示す図である。図3は、実施例1にかかるリムずれ量測定装置のブロック図である。なお、図1および図2は、リムずれ量測定装置をリムにリム組みされた空気入りタイヤに取り付けた状態を示す図である。また、図2は、図1のリムにリム組みされた空気入りタイヤのタイヤ径方向概略断面図である。
この実施例1にかかるリムずれ量測定装置1−1は、図1〜図3に示すように、磁気スケール2と、磁気センサ3と制御装置4と、表示装置5とにより構成されている。なお、4aは、磁気センサ3と制御装置4との電気的な接続を行う接続部材である。
磁気スケール2は、磁気センサ3の測定対象である。この磁気スケール2は、異なる極性、すなわちN極部分とS極部分とが交互に連続するものである。この磁気スケール2は、リング状であり、リム200にリム組みされた空気入りタイヤ100に設けられている。この実施例では、この空気入りタイヤ100の路面300と接触するトレッド面101に連続するサイドウォール部102に設けられている。ここで、この磁気スケール2は、取付位置から移動しないように、サイドウォール部102に対して、例えば接着剤などの図示しない固定手段により固定されている。なお、このサイドウォール部102は、リム200にリム組みされた空気入りタイヤ1を図示しない車両に装着した際に、車両外部から視認できる側のサイドウォール部であることが好ましい。
この磁気スケール2は、異なる極性の間隔が一定、すなわちN極部分およびS極部分の幅が同一である。また、磁気スケール2は、その1ピッチ(N極部分とS極部分とを合わせた幅)が空気入りタイヤ100の1周当たり180ピッチ以上であることが好ましい。つまり、磁気スケール2のN極部分あるいはS極部分の幅が空気入りタイヤ100の1度以下となる磁気スケール2であることが好ましい。なお、この磁気スケール2は、その1ピッチが空気入りタイヤ100の1周当たり18000ピッチ以下であることが好ましい。これは、これ以上のピッチとすると、後述する磁気センサ3により、磁極変化を正確に検出することが困難となり、リムずれ量の測定精度を低下させる虞があるためである。また、磁気スケール2を構成する材料などは、公知のリニアセンサに用いられる磁気スケールや磁気テープなどを構成する材料と同様である。
磁気センサ3は、磁極変位検出手段であり、測定対象である磁気スケール2の移動による極性変化を検出するセンサである。この磁気センサ3は、検出した極性に応じて電気的な出力を変化させるセンサ素子31が1つ備えられている。この磁気センサ3は、磁気スケール2と対向するように、すなわちセンサ素子31が磁気スケール2と対向するように、接続部材4aおよび制御装置4を介して、空気入りタイヤ100がリム組みされているリム200に設けられている。ここで、この磁気センサ3は、取付位置から移動しないように、リム200に対して、例えばボルトなどの図示しない固定手段により固定されている。なお、この磁気センサ3は、接続部材4aを介して制御装置4に接続されており、磁気スケール2の移動による極性変化に基づいた出力信号をこの制御装置4に出力する。
制御装置4は、磁気センサ3により検出された磁気スケール2の移動による極性変化に基づいてリム200にリム組みされた空気入りタイヤ100のこのリム200に対するずれ量、すなわちリムずれ量を算出するものである。この制御装置4は、入出力ポート(I/O)41と、処理部42と、記憶部43とにより構成されている。この入出力ポート(I/O)41、処理部42、記憶部43は、相互にデータのやりとりを行うことができるように構成されている。なお、制御装置4には、例えば、モニタなどの表示装置5が接続されている。
処理部42は、RAM、ROM等のメモリとCPU(Central Processing Unit)とにより構成されている。この処理部42は、少なくとも極性変化判断部44と、カウント部45と、リムずれ量算出部46とにより構成されている。極性変化判断部44は、磁気センサ3からの出力信号に基づいて、磁気スケール2の極性が変化したか否かを判断するものである。カウント部45は、カウント手段であり、上記極性変化判断部44が磁気スケール2の極性が変化したと判断すると、カウントするものである。なお、このカウント部45は、プラスにもマイナスにもカウントすることができるものである。リムずれ量算出部46は、リムずれ量算出手段であり、上記カウント部45のカウント数に応じたリムずれ量を算出するものである。なお、処理部42は、適宜演算途中の数値を記憶部43に格納し、格納した数値を適宜記憶部43から取り出して演算を行う。また、この処理部42は、リムずれ量測定プログラムの替わりに専用のハードウェアにより実現されるものであっても良い。
記憶部43には、この発明にかかるリムずれ量測定方法を実現するリムずれ量測定方法が組み込まれたリムずれ量測定プログラムが格納されている。ここで、記憶部43は、RAM(Random Access Memory)のようなメモリ等のストレージ手段により構成することができる。また、記憶部43は、処理部42内に設けられていても良い。この記憶部43には、例えば上記カウントされたカウント数や、算出されたリムずれ量などが適宜格納される。
表示装置5は、例えば、制御装置4のリムずれ量算出部46により算出されたリムずれ量などを表示するものである。なお、この表示装置5を備えた図示しない端末装置から、制御装置4に有線、無線のいずれかの方法でアクセスすることができる構成であっても良い。
次に、実施例1にかかるリムずれ量測定装置1−1のリムずれ量測定方法について説明する。図4は、実施例1にかかるリムずれ量測定装置の動作フロー図である。図5は、リムずれが発生した際の磁気スケールと磁気センサとの関係を示す図である。ここで、リムずれ量測定装置1−1は、各構成部品が予め車両に装着されたリム200およびこのリム200にリム組みされた空気入りタイヤ100に取り付けられている。また、磁気スケール2および磁気センサ3は、図3に示すように、実車試験開始前に、センサ素子31が磁気スケール2のN極部分と対向するように、それぞれ空気入りタイヤ100およびリム200に取り付けられているものとする。
まず、車両の運転者は、定められた試験条件に基づいて車両を走行させ、実車試験を開始する。
次に、制御装置4の処理部42の極性変化判断部44は、図4に示すように、実車試験の開始後、磁気スケール2の極性が変化したか否か、すなわち磁気センサ3により磁気スケール2の極性変化が検出されたか否かを判断する(ステップST101)。ここで、空気入りタイヤ100がリム200に対してタイヤ周方向にずれると、磁気スケール2がリム200に対してタイヤ周方向に相対移動する。従って、磁気センサ3に対向する磁気スケール2の位置が変化するため、磁気センサ3と対向する位置における磁気スケール2の極性が変化する。例えば、図3に示すように、磁気センサ3のセンサ素子31が磁気スケール2のN極部分と対向している状態から、空気入りタイヤ100がリム200に対してタイヤ周方向のうちいずれかの方向にずれると、図5に示すように、磁気センサ3のセンサ素子31が磁気スケール2のS極部分と対向することとなる。従って、磁気センサ3は、N極部分からS極部分へ移動した磁気スケール2の極性変化に基づいた出力信号を制御装置4に出力することとなり、極性変化判断部44は、磁気センサ3からの出力信号に基づいて、磁気スケール2の極性が変化したか否かを判断する。
次に、処理部42のカウント部45は、図4に示すように、極性変化判断部44が磁気スケール2の極性が変化したと判断すると、カウントする(ステップST102)。ここで、カウント部45がカウントしたカウント数は、適宜記憶部43に格納される。なお、この実施例1では、カウント部45は、空気入りタイヤ100がリム200に対してタイヤ周方向のうちいずれかの方向にずれても、プラス側にカウントする。また、処理部42のカウント部45は、極性変化判断部44が磁気スケール2の極性が変化したと判断するまで、磁気スケール2の極性が変化したか否かの判断(ステップST101)を繰り返す。
次に、処理部42のリムずれ量算出部46は、図4に示すように、カウント部45がカウントしたカウント数からリムずれ量を算出する(ステップST103)。リムずれ量算出部46は、カウント部45によりカウントされたカウント数、すなわち磁気センサ3が検出した磁気スケール2の極性変化の回数からリムずれ量を算出する。ここで、磁気スケール2は、異なる極性の間隔、すなわちN極部分およびS極部分の幅が一定である。従って、リムずれ量算出部46は、極性変化の回数にN極部分あるいはS極部分の幅をかけることで、リムずれ量を算出することができる。
次に、表示装置5は、上記リムずれ量算出部46により算出されたリムずれ量を表示する(ステップST104)。ここでは、処理部42が上記リムずれ量算出部46により算出されたリムずれ量に基づく表示信号を表示装置5に出力し、表示装置5が算出されたリムずれ量を表示する。従って、リムずれ量の測定結果を直接出力され、測定者がリムずれ量の測定結果を容易に視認することができる。
以上のように、リムずれ量測定装置1−1は、カウント部45によりカウントされたカウント数(磁気スケール2の極性変化の回数)からリムずれ量を測定することができる。これにより、空気入りタイヤ100のリム200に対するリムずれ量を精度良く測定することができる。
また、リムずれ量測定装置1−1は、磁気スケール2の極性変化を磁気センサ3により検出することでリムずれ量を測定するので、非接触でリムずれ量を測定することができる。また、リムずれ量測定装置1−1は、磁気を用いてリムずれ量を測定するので、例えば光を用いてリムずれ量を測定する場合と比較して、測定対象やセンサに埃、水滴、泥などが付着しても、空気入りタイヤ100のリム200に対するリムずれ量を精度良く測定することができる。
また、このリムずれ量測定装置1−1は、少なくともタイヤに設けられる磁気スケール2、リムに設けられる磁気変化検出手段である磁気センサ3および制御装置4(カウント手段やリムずれ量算出手段としての機能を有する)があれば良い。従って、従来のリムずれ量測定装置と比べて、構成部品を削減でき、軽量化および小型化を図ることができ、リム200とともに回転した際の遠心力などの影響も抑制することができる。これにより、リムずれ量測定装置1−1は、実車試験においても、リムずれ量を測定することができる。
また、このリムずれ量測定装置1−1は、リム200にリム組みされた空気入りタイヤ100のうち外部に露出した部分であるサイドウォール部102に磁気スケール2を設ける。従って、空気入りタイヤ100をリム200にリム組みした後や、このリム200にリム組みされた空気入りタイヤ100を図示しない車両に装着した後でも、リムずれ量測定装置1−1の取付を行うことができる。これにより、リムずれ量測定装置1−1の取付を容易に行うことができる。
ここで、上記実施例1では、磁気スケール2を空気入りタイヤ100のサイドウォール部102に設けたが、この発明はこれに限定されるものではない。図6−1は、この発明にかかるリムずれ量測定装置の他の構成例を示す図である。図6−2は、磁気スケールの他の構成例を示す図である。
リムずれ量測定装置1−1の磁気スケール10は、図6−1に示すように、空気入りタイヤ100のサイドウォール部102と連続するタイヤビード部103に設けても良い。つまり、磁気スケール10は、空気入りタイヤ100がリム200にリム組みされた際に、このリム200と接触する部分に設けても良い。なお、このタイヤビード部103は、リム200にリム組みされた空気入りタイヤ1を図示しない車両に装着した際に、車両外部から視認出来る側のサイドウォール部102と連続するタイヤビード部103であることが好ましい。
この磁気スケール10は、図6−2に示すように、糸状であり、異なる極性、すなわちN極部分とS極部分とが交互に連続するものである。この磁気スケール10は、同図に示すように、タイヤビード部103の内部に設けられていることが好ましい。これは、リム200とタイヤビード部103とのリムすべりなどの嵌合性の低下を抑制するためである。また、タイヤビード部103の内部に設けられることで、この磁気スケール10を取付位置から移動することを抑制できる。
なお、磁気センサ3は、このタイヤビード部103の内部に設けられた磁気スケール10と対向する位置に設けられる。例えば、図6−1に示すように、リム200のタイヤビード部103と対向する部分に図示しない開口を設け、この開口に磁気センサ3を取り付けても良い。なお、リムずれ量測定装置1−1は、非接触であるため、磁気センサ3により磁気スケール10の極性変化を検出することができれば、上記のような開口を設けずにリム200に取り付けても良い。
ここで、タイヤビード部103は、空気入りタイヤ100を路面300上で回転させた際に変形し難い部分である。従って、実車試験において、磁気スケール10が変形することを抑制することができる。これにより、リムずれ量の測定精度を向上することができる。
次に、実施例2にかかるリムずれ量測定装置1−2について説明する。図7は、実施例2にかかるリムずれ量測定装置のブロック図である。図7に示す実施例2にかかるリムずれ量測定装置1−2が図1に示す実施例1にかかるリムずれ量測定装置1−1と異なる点は、磁気スケール6が2つのスケール列61,62を有する点である。ここで、図7に示す実施例2にかかるリムずれ量測定装置1−2の基本的構成のうち、図1に示す実施例1にかかるリムずれ量測定装置1−1の基本的構成と同一部分は、その説明を省略する。
磁気スケール6は、上述のように、2つのスケール列61,62により構成されている。各スケール列61,62は、異なる極性、すなわちN極部分とS極部分とが交互に連続するものである。各スケール列61,62は、リング状であり、タイヤ周方向と直交する方向、この実施例ではタイヤ径方向に隣り合い、かつ相互に1/(スケール数×2)ピッチ、すなわち1/4ピッチずれて、空気入りタイヤ100のサイドウォール部102に設けられている。また、各スケール列61,62は、異なる極性の間隔が一定、すなわちN極部分およびS極部分の幅が同一である。
磁気センサ7は、磁極変位検出手段であり、測定対象である磁気スケール6の移動による極性変化をスケール列61,62ごとに検出するものである。この磁気センサ7は、検出した極性に応じて電気的な出力を変化させる2つのセンサ素子71,72が備えられている。この磁気センサ7は、磁気スケール6と対向するように、すなわちセンサ素子71がスケール列61と、センサ素子72がスケール列62とそれぞれ対向するように、接続部材4aおよび制御装置4を介して、空気入りタイヤ100がリム組みされているリム200に設けられている。なお、この磁気センサ7は、磁気スケール6の移動によるスケール列61,62ごとの極性変化に基づいた出力信号をこの制御装置4にそれぞれ出力する。
制御装置4の処理部42の極性変化判断部44は、磁気センサ7からのスケール列61,62ごとの出力信号に基づいて、各スケール列61,62の極性が変化したか否かをそれぞれ判断するものである。カウント部45は、上記極性変化判断部44が各スケール列61,62の極性が変化したと判断すると、スケール列61,62ごとにカウントするものである。なお、このカウント部45は、プラスにもマイナスにもカウントすることができるものである。リムずれ量算出部46は、上記カウント部45のスケール列61,62ごとのカウント数に応じたリムずれ量を算出するものである。
次に、実施例2にかかるリムずれ量測定装置1−2のリムずれ量測定方法について説明する。図8は、実施例2にかかるリムずれ量測定装置の動作フロー図である。図9は、リムずれが発生した際の磁気スケールと磁気センサとの関係を示す図である。図10は、リムずれが発生した際の磁気スケールと磁気センサとの関係を示す図である。ここで、実施例2にかかるリムずれ量測定装置1−2のリムずれ量測定方法において、実施例1にかかるリムずれ量測定装置1−1のリムずれ量測定方法1−1の動作フローと同一部分は、簡略して説明する。
ここで、磁気スケール6および磁気センサ7は、図7に示すように、実車試験開始前に、センサ素子71がスケール列61のN極部分と、センサ素子72がスケール列62のN極部分と対向するように、それぞれ空気入りタイヤ100およびリム200に取り付けられているものとする。
まず、車両の運転者は、定められた試験条件に基づいて車両を走行させ、実車試験を開始する。
例えば、図7に示すように、センサ素子71がスケール列61のN極部分と対向し、センサ素子72がスケール列62のN極部分と対向している状態から、実車試験開始直後に、空気入りタイヤ100がリム200に対してタイヤ周方向のうち同図矢印B方向にずれると、図9に示すように、センサ素子71がスケール列61のS極部分と対向し、センサ素子72がスケール列62のN極部分と対向したままの状態となる。従って、磁気センサ7は、N極部分からS極部分へ移動したスケール列61の極性変化に基づいた出力信号を制御装置4に出力することとなる。
次に、制御装置4の処理部42の極性変化判断部44は、図8に示すように、実車試験の開始後、各スケール列61,62のいずれかの極性が変化したか否かを判断する(ステップST201)。ここで、空気入りタイヤ100がリム200に対してタイヤ周方向にずれると、磁気スケール6がこのリム200に対してタイヤ周方向に相対移動する。従って、空気入りタイヤ100がリム200に対してタイヤ周方向にずれると、磁気センサ7に対向する磁気スケール6の各スケール列61,62の位置が同時に変化する。磁気スケール6の各スケール列61,62は、相互に1/4ピッチずれているため、磁気センサ7に対向する位置における極性が最初に変化するのは、各スケール列61,62のうち1つとなる。
次に、処理部42の極性変化判断部44は、上述のように、各スケール列61,62のうちスケール列61の極性が変化したと判断すると、前回、各スケール列61,62のいずれかの極性が変化したか否かを判断する(ステップST202)。ここでは、上述のように、各スケール列61,62の磁気センサ7に対向する位置における極性が最初に変化した直後であれば、「なし」となり、ステップST203に移行する。なお、処理部42の極性変化判断部44は、各スケール列61,62のいずれかの極性が変化したと判断するまで、各スケール列61,62のいずれかの極性が変化したか否かの判断(ステップST201)を繰り返す。
次に、処理部42は、極性変化判断部44が前回、極性が変化したスケール列がないと判断すると、前回のリムずれ方向がいずれかであるかを判断する(ステップST203)。ここでは、上述のように、各スケール列61,62の磁気センサ7に対向する位置における極性が最初に変化した直後であれば、「なし」となり、ステップST204に移行する。
次に、処理部42は、極性変化判断部44が前回、極性が変化したスケール列がないと判断すると、リムずれが一方向に発生したと判断する(ステップST204)。
次に、処理部42のカウント部45は、スケール列61に対応したカウントをプラス側にカウントする(ステップST205)。ここで、カウント部45がスケール列61に対応したカウントのカウント数(以後、単に「スケール列61側カウント数」と称する。)は、適宜記憶部43に格納される。
次に、処理部42のリムずれ量算出部46は、カウント部45がカウントしたカウント数からリムずれ量を算出する(ステップST206)。ここでは、リムずれ量算出部46は、スケール列61側カウント数および後述するスケール列62側カウント数を合計した数からリムずれ量を算出する。つまり、磁気センサ7が検出したスケール列61,62ごとの極性変化の回数の合計からリムずれ量を算出する。ここで、各スケール列61,62は、異なる極性の間隔、すなわちN極部分およびS極部分の幅が一定である。また、各スケール列61,62は、相互に1/4ピッチずれている。つまり、カウント部45が各スケール列61,62のいずれかに対応してカウントした後、次にカウントするまでに、磁気スケール6は、1/4ピッチ(N極部分あるいはS極部分の幅の半分)ずれることとなる。従って、リムずれ量算出部46は、極性変化の回数の合計にN極部分あるいはS極部分の幅の半分をかけることで、リムずれ量を算出することができる。
次に、表示装置5は、上記リムずれ量算出部46により算出されたリムずれ量を表示する(ステップST207)。ここでは、処理部42が上記リムずれ量算出部46により算出されたリムずれ量に基づく表示信号を表示装置5に出力し、表示装置5が算出されたリムずれ量を表示する。
次に、例えば、図9に示すように、センサ素子71がスケール列61のS極部分と対向し、センサ素子72がスケール列62のN極部分と対向した状態から、空気入りタイヤ100がリム200に対してタイヤ周方向のうち同図矢印B方向にさらにずれると、センサ素子71がスケール列61のS極部分と対向したまま、センサ素子72がスケール列62のS極部分と対向することとなる。従って、磁気センサ7は、N極部分からS極部分へ移動したスケール列62の極性変化に基づいた出力信号を制御装置4に出力することとなる。
次に、制御装置4の処理部42の極性変化判断部44は、上記表示装置5にリムずれ量を表示した後、各スケール列61,62のいずれかの極性が変化したか否かを再度判断する(ステップST201)。
次に、処理部42の極性変化判断部44は、上述のように、各スケール列61,62のうちスケール列62の極性が変化したと判断すると、前回、各スケール列61,62のいずれかの極性が変化したか否かを判断する(ステップST208)。ここでは、上述のように、前回、スケール列61の磁気センサ7に対向する位置における極性が変化しているので「スケール列61」となり、ステップST209に移行する。
次に、処理部42は、極性変化判断部44が前回、スケール列61の極性が変化したと判断すると、前回のリムずれ方向がいずれかであるかを判断する(ステップST209)。ここでは、上述のように、前回のリムずれ方向は、「一方向」であるため、ステップST210に移行する。
次に、処理部42は、リムずれが一方向である一方向に発生したと判断する(ステップST210)。つまり、リムずれが発生した方向が前回と同一であると判断する。ここで、リムずれがタイヤ周方向のうち同一方向に連続して発生している場合は、各スケール列61,62の極性変化に基づいた出力信号が交互に制御装置4に出力される。一方、リムずれがタイヤ周方向のうち一方向から他方向に変化した場合は、各スケール列61,62の極性変化に基づいた出力信号が連続して制御装置4に出力される。つまり極性変化判断部44は、今回および前回の出力信号がいずれのスケール列61,62の極性変化に基づいたものかを判断することで、リムずれの発生方向を検出することができる。
次に、処理部42のカウント部45は、スケール列62に対応したカウントをプラス側にカウントする(ステップST211)。ここで、カウント部45がスケール列62に対応したカウントのカウント数(以後、単に「スケール列62側カウント数」と称する。)は、適宜記憶部43に格納される。
次に、処理部42のリムずれ量算出部46は、カウント部45がカウントしたカウント数からリムずれ量を算出する(ステップST206)。次に、表示装置5は、上記リムずれ量算出部46により算出されたリムずれ量を表示する(ステップST207)。
次に、例えば、図9に示すように、センサ素子71がスケール列61のS極部分と対向し、センサ素子72がスケール列62のN極部分と対向した状態から、空気入りタイヤ100がリム200に対してタイヤ周方向のうち同図矢印A方向にずれると、図7に示すように、センサ素子71がスケール列61のN極部分と対向し、センサ素子72がスケール列62のN極部分と対向したままとなる。従って、磁気センサ7は、S極部分からN極部分へ移動したスケール列61の極性変化に基づいた出力信号を制御装置4に出力することとなる。
この場合、ステップST202において、上述のように、前回、スケール列61の磁気センサ7に対向する位置における極性が変化しているので「スケール列61」となり、ステップST212に移行する。
次に、処理部42は、極性変化判断部44が前回、スケール列61の極性が変化したと判断すると、前回のリムずれ方向がいずれかであるかを判断する(ステップST212)。ここでは、上述のように、前回のリムずれ方向は、「一方向」であるため、ステップST213に移行する。
次に、処理部42は、リムずれが他方向に発生したと判断する(ステップST213)。つまり、リムずれが発生した方向が前回と異なると判断する。
次に、処理部42のカウント部45は、スケール列61に対応したカウントをマイナス側にカウントする(ステップST214)。次に、処理部42のリムずれ量算出部46は、カウント部45がカウントしたカウント数からリムずれ量を算出する(ステップST206)。次に、表示装置5は、上記リムずれ量算出部46により算出されたリムずれ量を表示する(ステップST207)。
なお、例えば、センサ素子71がスケール列61のS極部分と対向し、センサ素子72がスケール列62のS極部分と対向した状態から、空気入りタイヤ100がリム200に対してタイヤ周方向のうち同図矢印B方向にずれると、図9に示すように、センサ素子71がスケール列61のS極部分と対向したまま、センサ素子72がスケール列62のN極部分と対向する。従って、磁気センサ7は、S極部分からN極部分へ移動したスケール列62の極性変化に基づいた出力信号を制御装置4に出力することとなる。
この場合、ステップST208において、上述のように、前回、スケール列62の磁気センサ7に対向する位置における極性が変化しているので「スケール列62」となり、ステップST215に移行する。
次に、処理部42は、極性変化判断部44が前回、スケール列62の極性が変化したと判断すると、前回のリムずれ方向がいずれかであるかを判断する(ステップST215)。ここでは、上述のように、前回のリムずれ方向は、「一方向」であるため、ステップST216に移行する。
次に、処理部42は、リムずれが他方向に発生したと判断する(ステップST216)。つまり、リムずれが発生した方向が前回と異なると判断する。
次に、処理部42のカウント部45は、スケール列62に対応したカウントをマイナス側にカウントする(ステップST217)。次に、処理部42のリムずれ量算出部46は、カウント部45がカウントしたカウント数からリムずれ量を算出する(ステップST206)。次に、表示装置5は、上記リムずれ量算出部46により算出されたリムずれ量を表示する(ステップST207)。
次に、例えば、図7に示すように、センサ素子71がスケール列61のN極部分と対向し、センサ素子72がスケール列62のN極部分と対向している状態から、実車試験開始直後に、空気入りタイヤ100がリム200に対してタイヤ周方向のうち同図矢印A方向にずれると、図10に示すように、センサ素子71がスケール列61のN極部分と対向したままとなり、センサ素子72がスケール列62のS極部分と対向する状態となる。従って、磁気センサ7は、N極部分からS極部分へ移動したスケール列62の極性変化に基づいた出力信号を制御装置4に出力することとなる。
次に、制御装置4の処理部42の極性変化判断部44は、図8に示すように、実車試験の開始後、各スケール列61,62のいずれかの極性が変化したか否かを判断する(ステップST201)。
次に、処理部42の極性変化判断部44は、上述のように、各スケール列61,62のうちスケール列62の極性が変化したと判断すると、前回、各スケール列61,62のいずれかの極性が変化したか否かを判断する(ステップST208)。ここでは、上述のように、各スケール列61,62の磁気センサ7に対向する位置における極性が最初に変化した直後であれば、「なし」となり、ステップST209に移行する。
次に、処理部42は、極性変化判断部44が前回、極性が変化したスケール列がないと判断すると、前回のリムずれ方向がいずれかであるかを判断する(ステップST209)。ここでは、上述のように、各スケール列61,62の磁気センサ7に対向する位置における極性が最初に変化した直後であれば、「なし」となり、ステップST218に移行する。
次に、処理部42は、極性変化判断部44が前回、極性が変化したスケール列がないと判断すると、リムずれが他方向に発生したと判断する(ステップST218)。
次に、処理部42のカウント部45は、スケール列62に対応したカウントをマイナス側にカウントする(ステップST219)。次に、処理部42のリムずれ量算出部46は、カウント部45がカウントしたカウント数からリムずれ量を算出する(ステップST206)。次に、表示装置5は、上記リムずれ量算出部46により算出されたリムずれ量を表示する(ステップST207)。
次に、例えば、図10に示すように、センサ素子71がスケール列61のN極部分と対向し、センサ素子72がスケール列62のS極部分と対向した状態から、空気入りタイヤ100がリム200に対してタイヤ周方向のうち同図矢印A方向にさらにずれると、センサ素子71がスケール列61のS極部分と対向し、センサ素子72がスケール列62のS極部分と対向したままとなる。従って、磁気センサ7は、N極部分からS極部分へ移動したスケール列61の極性変化に基づいた出力信号を制御装置4に出力することとなる。
次に、制御装置4の処理部42の極性変化判断部44は、上記表示装置5にリムずれ量を表示した後、各スケール列61,62のいずれかの極性が変化したか否かを再度判断する(ステップST201)。
次に、処理部42の極性変化判断部44は、上述のように、各スケール列61,62のうちスケール列61の極性が変化したと判断すると、前回、各スケール列61,62のいずれかの極性が変化したか否かを判断する(ステップST202)。ここでは、上述のように、前回、スケール列62の磁気センサ7に対向する位置における極性が変化しているので「スケール列62」となり、ステップST203に移行する。
次に、処理部42は、極性変化判断部44が前回、スケール列62の極性が変化したと判断すると、前回のリムずれ方向がいずれかであるかを判断する(ステップST203)。ここでは、上述のように、前回のリムずれ方向は、「他方向」であるため、ステップST220に移行する。
次に、処理部42は、リムずれが他方向である一方向に発生したと判断する(ステップST220)。つまり、リムずれが発生した方向が前回と同一であると判断する。次に、処理部42のカウント部45は、スケール列61に対応したカウントをマイナス側にカウントする(ステップST221)。次に、処理部42のリムずれ量算出部46は、カウント部45がカウントしたカウント数からリムずれ量を算出する(ステップST206)。次に、表示装置5は、上記リムずれ量算出部46により算出されたリムずれ量を表示する(ステップST207)。
次に、例えば、図10に示すように、センサ素子71がスケール列61のN極部分と対向し、センサ素子72がスケール列62のS極部分と対向した状態から、空気入りタイヤ100がリム200に対してタイヤ周方向のうち同図矢印B方向にずれると、図7に示すように、センサ素子71がスケール列61のN極部分と対向したまま、センサ素子72がスケール列62のN極部分と対向する。従って、磁気センサ7は、S極部分からN極部分へ移動したスケール列62の極性変化に基づいた出力信号を制御装置4に出力することとなる。
この場合、ステップST208において、上述のように、前回、スケール列62の磁気センサ7に対向する位置における極性が変化しているので「スケール列62」となり、ステップST215に移行する。
次に、処理部42は、極性変化判断部44が前回、スケール列62の極性が変化したと判断すると、前回のリムずれ方向がいずれかであるかを判断する(ステップST215)。ここでは、上述のように、前回のリムずれ方向は、「他方向」であるため、ステップST222に移行する。
次に、処理部42は、リムずれが一方向に発生したと判断する(ステップST222)。つまり、リムずれが発生した方向が前回と異なると判断する。
次に、処理部42のカウント部45は、スケール列62に対応したカウントをプラス側にカウントする(ステップST223)。次に、処理部42のリムずれ量算出部46は、カウント部45がカウントしたカウント数からリムずれ量を算出する(ステップST206)。次に、表示装置5は、上記リムずれ量算出部46により算出されたリムずれ量を表示する(ステップST207)。
なお、例えば、センサ素子71がスケール列61のS極部分と対向し、センサ素子72がスケール列62のS極部分と対向した状態から、空気入りタイヤ100がリム200に対してタイヤ周方向のうち同図矢印A方向にずれると、図10に示すように、センサ素子71がスケール列61のN極部分と対向し、センサ素子72がスケール列62のS極部分と対向したままとなる。従って、磁気センサ7は、S極部分からN極部分へ移動したスケール列61の極性変化に基づいた出力信号を制御装置4に出力することとなる。
この場合、ステップST202において、上述のように、前回、スケール列61の磁気センサ7に対向する位置における極性が変化しているので「スケール列61」となり、ステップST212に移行する。
次に、処理部42は、極性変化判断部44が前回、スケール列61の極性が変化したと判断すると、前回のリムずれ方向がいずれかであるかを判断する(ステップST212)。ここでは、上述のように、前回のリムずれ方向は、「他方向」であるため、ステップST224に移行する。
次に、処理部42は、リムずれが一方向に発生したと判断する(ステップST224)。つまり、リムずれが発生した方向が前回と異なると判断する。
次に、処理部42のカウント部45は、スケール列61に対応したカウントをプラス側にカウントする(ステップST225)。次に、処理部42のリムずれ量算出部46は、カウント部45がカウントしたカウント数からリムずれ量を算出する(ステップST206)。次に、表示装置5は、上記リムずれ量算出部46により算出されたリムずれ量を表示する(ステップST207)。
以上のように、磁気センサ7が最初に検出し、カウント部45が最初にカウントしたカウントが各スケール列61,62のうちいずれのスケール列に対応したものであるかにより、空気入りタイヤ100がリム200に対してずれる方向を検出することができる。
また、各スケール列61,62は、相互に1/(スケール列×2)ピッチ、すなわち1/4ピッチずれているため、1つのスケール列に対応したカウントの1間隔に、他のスケール列に対応したカウントが行われる。従って、スケール列の数に応じて分解能を向上、この実施例では2倍とすることができる。これにより、リムずれ量の測定精度をさらに向上することができる。なお、実施例2にかかるリムずれ量測定装置1−2は、上記実施例1にかかるリムずれ量測定装置1−1と同様の効果を奏することができる。
次に、実施例3にかかるリムずれ量測定装置1−3について説明する。図11は、実施例3にかかるリムずれ量測定装置のブロック図である。図11に示す実施例3にかかるリムずれ量測定装置1−3が図7に示す実施例2にかかるリムずれ量測定装置1−2と異なる点は、磁気スケール8が3つのスケール列81,82を有する点である。ここで、図11に示す実施例3にかかるリムずれ量測定装置1−3の基本的構成のうち、図7に示す実施例2にかかるリムずれ量測定装置1−2の基本的構成と同一部分は、その説明を省略する。
磁気スケール8は、上述のように、3つのスケール列81,82,83により構成されている。各スケール列81〜83は、異なる極性、すなわちN極部分とS極部分とが交互に連続するものである。各スケール列81〜83は、リング状であり、タイヤ周方向と直交する方向、この実施例ではタイヤ径方向に隣り合い、かつ相互に1/(スケール数×2)ピッチ、すなわち1/6ピッチずれて、空気入りタイヤ100のサイドウォール部102に設けられている。また、各スケール列81〜83は、異なる極性の間隔が一定、すなわちN極部分およびS極部分の幅が同一である。
磁気センサ9は、磁極変位検出手段であり、測定対象である磁気スケール8の移動による極性変化をスケール列81〜83ごとに検出するものである。この磁気センサ9は、検出した極性に応じて電気的な出力を変化させる3つのセンサ素子91,92,93が備えられている。この磁気センサ9は、磁気スケール8と対向するように、すなわちセンサ素子91がスケール列81と、センサ素子92がスケール列82と、センサ素子93がスケール列83と、それぞれ対向するように、接続部材4aおよび制御装置4を介して、空気入りタイヤ100がリム組みされているリム200に設けられている。なお、この磁気センサ9は、磁気スケール8の移動によるスケール列81〜83ごとの極性変化に基づいた出力信号をこの制御装置4にそれぞれ出力する。
制御装置4の処理部42の極性変化判断部44は、磁気センサ8からのスケール列81〜83ごとの出力信号に基づいて、各スケール列81〜83の極性が変化したか否かをそれぞれ判断するものである。カウント部45は、上記極性変化判断部44が各スケール列81〜83の極性が変化したと判断すると、スケール列81〜83ごとにカウントするものである。なお、このカウント部45は、プラスにもマイナスにもカウントすることができるものである。リムずれ量算出部46は、上記カウント部45のスケール列81〜83ごとのカウント数に応じたリムずれ量を算出するものである。
以上のように、各スケール列81〜83は、相互に1/(スケール列×2)、すなわち1/6ピッチずれているため、1つのスケール列に対応したカウントの1間隔に、他の2つのスケール列に対応したカウントが行われる。従って、スケール列の数に応じて分解能をさらに向上、この実施例では3倍とすることができる。これにより、リムずれ量の測定精度をさらに向上することができる。なお、実施例3にかかるリムずれ量測定装置1−3は、上記実施例2にかかるリムずれ量測定装置1−2と同様の効果を奏することができる。
なお、上記実施例1〜3では、磁気スケール2,6,8をリング状に形成されたものを用いるが、この発明はこれに限定されるものではない。磁気スケール2,6,8は、異なる極性が交互にタイヤ周方向に連続していれば良いため、円弧状であっても良い。
また、上記実施例1〜3では、カウント部45がカウントした際の時刻を検出しても良い。例えば、制御装置4にタイマーを備え、処理部42にカウント時刻検出部を構成する。そして、カウント部45がカウントした際に、タイマーから時刻を取得する。そして、カウント時刻を表示装置5に表示、あるいは記憶部43に記憶する。これにより、実車試験において、リムずれが発生した時期を特定することができる。
また、上記実施例1〜3では、リムずれ量測定装置1−1〜1−3をリム200にリム組みされた空気入りタイヤ100およびリム200に取り付けるが、この発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記リムずれ量測定装置1−1〜1−3が送受信機をさらに備え、磁気センサ3,7,9およびこの磁気センサ3,7,9に接続された送信機のみをリム200に取り付け、受信機、この受信機と接続された制御装置4および表示装置5を遠隔地に配置しても良い。
以上のように、この発明にかかるリムずれ量測定装置およびリムずれ量測定方法は、リム組みされたタイヤのこのリムに対するタイヤ周方向のずれ量を測定するのに有用であり、特に、実車試験においても、リムずれ量を精度良く測定するのに適している。
1−1〜1−3 リムずれ量測定装置
2 磁気スケール
3 磁気センサ
31 センサ素子
4 制御装置
4a 接続部材
41 入出力ポート
42 処理部
43 記憶部
44 極性変化判断部
45 カウント部(カウント手段)
46 リムずれ量算出部(リムずれ量算出手段)
5 表示装置(表示手段)
6 磁気スケール
61,62 スケール列
7 磁気センサ
71,72 センサ素子
8 磁気スケール
81〜83 スケール列
9 磁気センサ
91〜93 センサ素子
100 空気入りタイヤ
101 トレッド面
102 サイドウォール部
103 タイヤビード部
200 リム
300 路面
2 磁気スケール
3 磁気センサ
31 センサ素子
4 制御装置
4a 接続部材
41 入出力ポート
42 処理部
43 記憶部
44 極性変化判断部
45 カウント部(カウント手段)
46 リムずれ量算出部(リムずれ量算出手段)
5 表示装置(表示手段)
6 磁気スケール
61,62 スケール列
7 磁気センサ
71,72 センサ素子
8 磁気スケール
81〜83 スケール列
9 磁気センサ
91〜93 センサ素子
100 空気入りタイヤ
101 トレッド面
102 サイドウォール部
103 タイヤビード部
200 リム
300 路面
Claims (9)
- リムにリム組みされたタイヤに設けられ、かつ異なる極性が交互にタイヤ周方向に連続する磁気スケールと、
前記磁気スケールと対向するように前記リムに設けられ、前記磁気スケールの移動による極性変化を検出する極性変化検出手段と、
前記検出された極性変化をカウントするカウント手段と、
を備えることを特徴とするリムずれ量測定装置。 - 前記磁気スケールは、異なる極性が交互にタイヤ周方向に連続するスケール列を2以上有し、
前記各スケール列は、相互に1/(スケール列×2)ピッチずれて、タイヤ周方向と直交する方向に設けられ、
前記極性変化検出手段は、前記磁気スケールの移動による極性変化を当該スケール列ごとに検出し、
前記カウント手段は、前記検出された極性変化を当該スケール列ごとにカウントすることを特徴とする請求項1に記載のリムずれ量測定装置。 - 前記磁気スケールは、前記タイヤのサイドウォール部に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のリムずれ量測定装置。
- 前記磁気スケールは、前記タイヤのタイヤビード部に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のリムずれ量測定装置。
- 前記カウント手段によりカウントされた時刻を検出するカウント時刻検出手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のリムずれ量測定装置。
- 前記カウント数から前記リムに対する前記タイヤのリムずれ量を算出するリムずれ量算出手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のリムずれ量測定装置。
- 前記カウントされたカウント数、前記検出されたカウント時刻あるいは前記算出されたリムずれ量の少なくともいずれか1つを表示する表示手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに1つに記載のリムずれ量測定装置。
- リムにリム組みされたタイヤに設けられ、かつ異なる極性が交互にタイヤ周方向に連続する磁気スケールの移動による極性変化を当該リムに当該磁気スケールと対向するように設けられた極性変化検出手段により検出する手順と、
前記検出された前記磁気スケールの極性変化をカウント手段によりカウントする手順と、
を含むことを特徴とするリムずれ量測定方法。 - 前記磁気スケールは、異なる極性が交互にタイヤ周方向に連続し、スケール列を2以上有し、
前記各スケール列は、相互に1/(スケール列×2)ピッチずれて、タイヤ周方向と直交する方向に設けられ、
前記極性変化検出手段は、前記磁気スケールの移動による極性変化を当該スケール列ごとに検出し、
前記カウント手段は、前記検出された極性変化を当該スケール列ごとにカウントすることを特徴とする請求項8に記載のリムずれ量測定方法。
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JP2006104521A JP2007278801A (ja) | 2006-04-05 | 2006-04-05 | リムずれ量測定装置およびリムずれ量測定方法 |
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