JP3414029B2 - 単分散重合体およびそれらの製造方法 - Google Patents

単分散重合体およびそれらの製造方法

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    • C08G63/82Preparation processes characterised by the catalyst used
    • C08G63/823Preparation processes characterised by the catalyst used for the preparation of polylactones or polylactides

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単分散、すなわち重量
平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比で表さ
れる分子量分布値(Mw/Mn)が殆ど1に近い、ある
いは単一構造成分の純度が非常に高いラクトン重合体、
カーボネート重合体、ラクトン−カーボネートブロック
重合体、ラクトンーカーボネートランダム共重合体、お
よびこれらの製造方法に関する。さらに詳しくは、ポリ
ウレタン原料、塗料原料、樹脂改質剤などの高付加価
値、高機能化が必要な用途に好適に使用できる上記単分
散重合体およびこれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】ラクトン
や環状カーボネートなどの環状単量体の開環重合は、通
常、開始剤として有機金属化合物を用いるアニオン重合
と、開始剤として水やアルコールなどの活性水素を有す
る化合物を用い、触媒として種々の広義のルイス酸を用
いる重合の2つに大別できる。
【0003】前者のアニオン重合の開始剤たる有機金属
化合物としては、n−ブチルリチウム、tert−ブト
キシカリウム、ナトリウムメトキシドおよび希土類金属
化合物錯体などが例示でき、具体的には特開昭46−3
7737号公報ではポリスチレンーポリカプロラクトン
ブロック共重合体などが、特開平2−294326号公
報ではポリカプロラクトン−ポリネオペンチルグリコー
ルカーボネートブロック共重合体などが、特開平5−5
00982号公報および特開平5−247184号公報
では希土類金属錯体を用いるポリカプロラクトンなどの
合成が報告されている。これらのアニオン重合では、使
用する溶媒や環状単量体の非常に厳密な精製を行うなど
の特別な反応方法を採用することにより、分子量分布の
狭い重合体やブロック共重合体を合成できる長所があ
る。
【0004】後者の重合で用いる触媒としては、硫酸、
パラトルエンスルホン酸、4級アンモニウム塩、三フッ
化ホウ素、四塩化スズ、トリアルキルアルミニウム、テ
トラブチルチタネート、ジブチルスズオキシド等の広義
のルイス酸が例示できる。これらの種々のルイス酸は、
ラクトン単量体や環状カーボネート単量体の開環反応に
要するエネルギーを低減させると共に、水やアルコール
などの開始剤の求核性を増幅させる働きがある。この開
環反応の開始剤は水やアルコールであるが、水やアルコ
ールは同時に反応停止剤や連鎖移動剤となり、これがア
ニオン重合と比較して分子量分布の狭い重合体やブロッ
ク共重合体の合成を非常に困難にしていた。広義のルイ
ス酸を触媒に用いる重合の中で、特異的に分子量分布の
狭い重合体やブロック共重合体が合成できる方法とし
て、井上・相田らはMacromolecules(マ
クロモレキュルス)1987,20,2982−298
8において、単分散ラクトン重合体の合成を報告してい
る。この報告の中では、触媒としてアルミニウムポルフ
ィルン錯体を用い、GPC法を用いて測定した数平均分
子量が1,100〜10,400、分子量分布値が1.
10〜1.18の範囲のポリカプロラクトン重合体の合
成が記載されている。また、Makromol.Che
m.Macromol.Symp.1991,42/4
3,117−133では、岡本が触媒としてトリエチル
オキソニウムヘキサフルオロホスホネートを、開始剤と
してエチレングリコールを用い、GPC法で測定した数
平均分子量が3,000程度、分子量分布値が1.25
〜1.31程度のポリラクトンジオール重合体を合成し
ている。さらにまた、EP0600417A1には、ブ
レーンステッド酸、ブレーンステッド酸アニオンのオニ
ウム塩、強酸性イオン交換樹脂、アルキルアルカリ金
属、アルカリ金属アルコキサイド、アミン、スズ化合
物、タングステン化合物、チタン化合物、亜鉛化合物等
を触媒とし、多価アルコールやヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートを開始剤として環状カーボネートの開
環反応により、分子量分布値1.7〜2.1程度の重合
体が得られることを報告している。
【0005】一方、近年、樹脂改質剤、塗料、表面改
質、粘接着剤などの分野では、製品の高付加価値、高機
能化を必要とする用途が増えるに伴い、分子量分布が狭
く、単一構造成分の純度が非常に高いラクトン重合体、
カーボネート重合体およびラクトン−カーボネート共重
合体の必要性が高まってきた。
【0006】しかしながら、特定の構造のラクトン重合
体およびカーボネート重合体を得るために、アニオン重
合を用いる方法では開始剤として有機金属化合物を多量
に使用するため、反応熱のコントロールが困難となった
り、残存金属成分が重合体の熱安定性を大幅に劣化させ
るなど種々の問題が発生し、経済的メリットに乏しい。
具体的には、2−ヒドロキシエチルメタクリレートに1
〜5モル当量倍のカプロラクトンが付加したメタクリル
基変性ラクトン重合体は、アニオン重合では単ステップ
での合成は非常に困難であり、経済的にも有利でない。
また前記アルミニウムポルフィルン錯体の系では、反応
速度が遅く、前記ポリカプロラクトン重合体の合成に1
0日以上の日数を必要とするばかりか、生成物が非常に
着色するため、実用的とはいえない。また、トリエチル
オキソニウムヘキサフルオロホスホネートの系では、前
記のポリラクトンジオール重合体を得るのに、30℃で
24時間を要し、かつラクトン単量体が5%程度残存
し、ラクトン単量体の転化率を100%近くに上げよう
とすると、分子量分布値が広がる懸念があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、分子量分
布が極めて狭いラクトン重合体、カーボネート重合体、
ラクトン−カーボネートランダム共重合体およびラクト
ン−カーボネートブロック共重合体を効率よく製造する
方法について鋭意検討した結果、特定の有機アルミニウ
ム系ルイス酸を触媒として用いることが極めて有効であ
ること、および得られるこれらの重合体がその分子量分
布が極めて狭いゆえに新規であることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明によれば、開始剤(a)を
用いてラクトン単量体(b1)を開環付加反応させるに
あたり、一般式(1)で示される有機アルミニウム系ル
イス酸(c)を触媒として用いることを特徴とする単分
散ラクトン重合体の製造方法が提供される。
【0009】
【化8】
【0010】また本発明によれば、開始剤(a)を用い
て環状カーボネート単量体(b2)を開環付加反応させ
るにあたり、前記一般式(1)で示される有機アルミニ
ウム系ルイス酸(c)を触媒として用いることを特徴と
する単分散カーボネート重合体の製造方法が提供され
る。
【0011】また本発明によれば、開始剤(a)を用
い、ラクトン単量体(b1)と環状カーボネート単量体
(b2)の混合物(b3)を開環付加反応させるにあた
り、前記一般式(1)で示される有機アルミニウム系ル
イス酸(c)を触媒として用いることを特徴とする単分
散ラクトン−カーボネートブロック重合体の製造方法が
提供される。
【0012】また本発明によれば、開始剤(a)1モル
当量に対し、混合物(b3)をラクトン単量体(b1)と
環状カーボネート単量体(b2)の合計1〜100未満
モル当量倍反応させることを特徴とする前記単分散ラク
トン−カーボネートランダム共重合体の製造方法が提供
される。
【0013】また本発明によれば、開始剤(a)を用
い、ラクトン単量体(b1)または環状カーボネート単
量体(b2)のいずれか一方をそれが消費されるまで開
環付加反応させたのち、他方の単量体を開環付加反応さ
せるにあたり、前記一般式(1)で示される有機アルミ
ニウム系ルイス酸(c)を触媒として用いることを特徴
とする単分散ラクトン−カーボネートブロック共重合体
の製造方法が提供される。
【0014】また本発明によれば、一般式(3)で表さ
れ、かつ単分散であることを特徴とする多価水酸基含有
重合体が提供される。
【0015】
【化9】
【0016】さらに本発明によれば、一般式(4)、
(5)または(6)のいずれかで表され、かつ単分散で
あることを特徴とする(メタ)アクリル基変性重合体が
提供される。
【0017】
【化10】
【0018】本発明において、「単分散」とは次の定義
で示すものである。ラクトン単量体および/またはカー
ボネート単量体が開始剤に対して1〜10倍モル当量の
範囲または重合体の数平均分子量が1,000未満の場
合、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、
「GPC」と略す。)による測定において、単一構造成
分(環状単量体の単一モル当量倍付加体)の全成分に対
する純度が50%以上、好ましくは70%以上、さらに
好ましくは90%以上であり、重合体の数平均分子量が
1,000以上の場合、GPC測定においてユニモーダ
ルかつ重量平均分子量/数平均分子量の比(分子量分布
値)が1.0〜1.5の範囲、好ましくは1.0〜1.
2の範囲、さらに好ましくは1.0〜1.1の範囲であ
ることである。
【0019】本発明における開始剤(a)は、分子内に
活性水素を有す得る化合物、例えば、分子内に水酸基、
アミノ基、カルボキシル基、チオール基および2個以上
の電子吸引基によって挟まれた活性メチレン基などを有
する化合物である。一般的には、脂肪族モノアルコール
や脂肪族多価アルコールであり、前者の具体例として
は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキ
シブチル(メタ)アクリレート、アリルアルコール等を
挙げることができ、後者の具体例としては、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ヘ
キサンメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリ
ビニルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート変性重合体およびビスフェノールAのエチレン
オキシド付加物などを挙げることができる。
【0020】本発明におけるラクトン単量体(b1)と
しては、公知のものを使用しうるが、一般的に、または
実用的にはδ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンお
よびこれらラクトンのアルキル化ラクトンが好んで使用
される。同様に環状カーボネート単量体(b2)として
は、プロピルグリコールカーボネート、2ーメチルプロ
ピルグリコールカーボネート、ネオペンチルグリコール
カーボネートなどが好んで使用される。ラクトン単量体
(b1)および環状カーボネート単量体(b2)は、各単
独で用いることもできるほか、両者の混合物(b3)と
しても用いることができる。さらにまた、これらの各場
合において、ラクトン単量体(b1)および環状カーボ
ネート単量体(b2)は各2種以上の単量体を混合して
用いることもできる。
【0021】本発明において、開始剤(a)1モル当量
に対するラクトン単量体(b1)および/または環状カ
ーボネート単量体(b2)、あるいは両者の混合物
(b3)の供給または仕込み量は、1〜10,000モ
ル当量倍、好ましくは1〜5,000モル当量倍、さら
に好ましくは1〜1,000モル当量倍である。上記量
が10,000モル当量倍を超える場合は、環状単量体
の開環反応速度が遅くなったり、単分散の重合体が得ら
れなくなるため好ましくない。単分散の重合体を効率よ
く得るためには、上記量が1〜1,000モル当量倍の
範囲であることが望ましい。開始剤(a)に対する混合
物(b3)の仕込量は、上記の範囲内で、例えば1〜1
00モル当量倍未満の範囲内に調整することもできる。
この範囲で供給または仕込むことにより、分子量の小さ
い単分散ラクトン−カーボネートランダム共重合体を製
造することができる。
【0022】本発明における有機アルミニウム系ルイス
酸(c)は、前記一般式(1)示される。一般式(1)
中のRは炭素数1〜4のアルキル基であり、具体例とし
ては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−
プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、ter
t−ブチル基が挙げられる。Yは水素または任意の置換
基であり、置換基の一具体例としては、メチル基,エチ
ル基,ブチル基,tert−ブチル基などのアルキル
基、フェニル基などのアリール基、フッ素、塩素、ヨウ
素などのハロゲン、トリメチルシリル基、およびトリメ
チルゲルミル基等が挙げられる。Pは1、2および3の
いずれかであるが、1の場合は環状単量体の開環付加反
応速度が大きい反面、生成する重合体の分子量分布が広
がる傾向があり、3の場合、触媒の調製が困難になるこ
とから、2であることが最も好ましい。
【0023】前記一般式(1)で示される有機アルミニ
ウム系ルイス酸(c)としては、下記の一般式(2)で
示されるものが好ましい。一般式(2)の有機アルミニ
ウム系ルイス酸は一般式(1)においてPの値が2であ
り、Xはtert−ブチル基、フェニル基、塩素、臭
素、ヨウ素から選ばれる。Xが水素であるか、メチル基
等のバルキーでない置換基の場合、触媒同士の立体的障
害が小さくなり、会合性が出現する結果、ラクトン単量
体および/または環状カーボネートなどの触媒に対する
配位効果が減少するため、より単分散の重合体を得るに
はXが上記の基から選ばれることが好ましい。
【0024】
【化11】
【0025】本発明の単分散重合体の製造方法において
使用される触媒は、以下のように調製される。すなわ
ち、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジ−t−
ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリクロ
ロフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノー
ルのようなアルキル置換フェノールとトリメチルアルミ
ニウム、イソブチルアルミニウムのようなトリアルキル
アルミニウムと反応させることにより得られる。反応さ
せる際の両者のモル比は、5/1〜1/1、好ましくは
2.5/1〜2/1である。反応温度は0℃〜室温が好
ましい。触媒は白色結晶または有機溶媒溶液として得ら
れる。なお反応に使用される有機溶媒としては、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の
脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロ
ゲン系溶媒、あるいはこれらの混合物が例示される。
【0026】また、開始剤(a)1モル当量に対する有
機アルミニウム系ルイス酸(c)の使用量は通常0.0
001〜1モル当量倍、好ましくは0.01〜0.5モ
ル当量倍、さらに好ましくは0.05〜0.2モル当量
倍である。触媒である有機アルミニウム系ルイス酸
(c)の使用量が少ないほど単分散の傾向になるが、上
記量が0.0001モル当量倍未満の場合は、環状単量
体の開環反応速度が遅く、1モル当量倍を超える場合
は、実際上、無意味に過剰であるだけである。
【0027】本発明の単分散ラクトン重合体、単分散カ
ーボネート重合体、単分散ラクトン−カーボネートブロ
ック共重合体および単分散ラクトン−カーボネートラン
ダム共重合体の製造方法において、より単分散の上記重
合体を製造するためには、開始剤(a)、ラクトン単量
体(b1)、または環状カーボネート単量体(b2)また
は両者の混合物(b3)、有機アルミニウム系ルイス酸
(c)などの純度をなるべく高くすることが副反応の抑
制などの反応を制御するために好ましい。同様の理由か
ら、製造装置は、水分をはじめ、溶媒を除く上記の反応
原料以外の化合物の混入を避け得る装置の使用が望まし
い。上記水分をはじめとする不純物の総量は5,000
ppm以下、好ましくは500ppm以下、さらに好ま
しくは50ppm以下である。
【0028】特に反応系中の水分を少なくすればするほ
ど、また不純物を少なくするほど、得られる重合体は単
分散となる。
【0029】本発明において、使用可能な反応溶媒とし
ては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族
炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系
溶媒が例示できる。また、使用量としては特に制限を受
けず、適当量使用することができる。
【0030】本発明において、反応原料として開始剤
(a)、ラクトン単量体(b1)または環状カーボネー
ト単量体(b2)または両単量体の混合物(b3)(以
下、これら単量体を総称して環状単量体(b)と略
す)、および有機アルミニウム系ルイス酸(c)、さら
に場合によっては溶媒を使用するが、それらの添加順
序、添加方法は特に制限を受けない(ただし、ブロック
共重合体を製造するときの量環状単量体(b)の順序は
除く)。また反応温度は0〜200℃程度において実施
可能であるが、反応温度が低いほど得られる重合体は単
分散となる。通常、室温〜180℃程度が好ましい。反
応温度が180℃以上でも分子量分布が大きく広がるこ
とはないが、有機アルミニウム系ルイス酸(c)の分解
開始温度以上では、反応速度が低下するため好ましくな
い。逆に温度を室温以下としても特に問題は発生しない
が、反応速度が低下するので利点はない。その他には反
応を制約する条件は殆どない。
【0031】本発明においては、環状単量体(b)の開
環反応は「リビング重合」的に進行するため、環状単量
体(b)が系内に残存している状態においても生成重合
体は単分散であることから、予め過剰の環状単量体
(b)を仕込み、目標の重合率に到達後、過剰分の環状
単量体(b)を分別する方法も採用することができる。
さらに、開環付加反応の終了後、生成重合体から触媒の
有機アルミニウム系ルイス酸(c)を分別することも、
任意に実施できる。上記の方法としては、溶媒分別、吸
着、減圧蒸留および濾過などが例示できる。溶媒分別は
生成重合体と有機アルミニウム系ルイス酸(c)との溶
解度の差を利用する全ての方法が適用できる。吸着につ
いては、活性炭、シリカゲル、アルミナ、グラファイ
ト、水酸基、アミノ基、カルボキシル基およびスルホキ
シド基などを含有する高分子、および多孔質セラミック
スなどの基材を用い、クロマトグラフィーを行う方法や
電気泳動法が適用できる。減圧蒸留は生成するラクトン
重合体が低分子量の場合の分別に適し、さらに濾過につ
いては、分子サイズの違いにより膜などの基材を用い濾
過を行う方法などを適用することができる。
【0032】例えば一般式(3)で表される本発明の多
価水酸基含有重合体は、分子の末端に水酸基を2個以上
有し、かつ単分散であることを特徴とするポリラクトン
重合体、ラクトン共重合体、ポリカーボネート重合体、
カーボネート共重合体、ラクトン−カーボネートランダ
ム共重合体およびラクトン−カーボネートブロック共重
合体である。
【0033】従来より、分子の末端に水酸基を2個以上
有する重合体がポリウレタン原料などに使用されている
が、分子量分布が広いばかりでなく、環状単量体の多量
化反応により生成した環状の2量体や多量体などが原因
となり、ポリウレタンの物性や外観または製造時での作
業性が低下する問題があった。これに対して、本発明の
単分散(共)重合体をポリウレタン原料として用いる
と、原料の分子量分布が狭く、不純物も少ないため分子
設計が容易で、結果としてポリウレタンの物性、外観が
向上し、製造時における作業性が向上する。具体的に
は、次の通りである。高分子量のポリウレタンが容易
に製造できる。剛性、靱性、熱安定性の向上したポリ
ウレタンが得られる。流動性、成形加工性の向上した
ポリウレタンが得られる。色相、つやが非常に良好
で、粉吹き現象、ゆず肌等の無いポリウレタンが得られ
る。ポリウレタンの製造の際、製造装置、成形加工機
等において、焼けコミ等の付着がない。
【0034】特公平3−56251号公報または前述の
Makromol.Chem.Macromol.Sy
mp.1991,42/43,117−133では、分
子量分布が狭く、環状の2量体等の少ないポリラクトン
重合体の合成を報告しているが、本発明の多価水酸基含
有重合体は、分子量分布が好ましくは1.0〜1.2の
範囲でかつ環状の2量体を実質上含まない非常に高純度
のポリラクトン重合体または単分散である種々のポリカ
ーボネート重合体、ラクトン−カーボネートランダム共
重合体およびラクトン−カーボネートブロック共重合体
である。本発明の多価水酸基含有重合体の構造は例えば
前記一般式(3)で示される。式中のR1の具体例とし
ては、エチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン
基、2−メチル−テトラメチレン基が挙げられる。また
2の具体例としては、トリメチレン基、2−メチルト
リメチレン基、2,2−ジメチルトリメチレン基、テト
ラメチレン基が挙げられる。また式中、n1およびn2
共には0ではなく各々0〜100の整数であり、好まし
くは各々1〜50であり、n3は1〜5であり、mは2
〜10であり、好ましくは2、3および4である。一般
式(3)および後記(4)において、n1およびn2のい
ずれもが0でない場合、n3が大きくなるとランダム共
重合体となり、逆に、n3が小さくなるとブロック共重
合体となる。n1およびn2のどちらかが0の場合、n3
は1である。
【0035】また本発明の(メタ)アクリル基変性重合
体は、単分散、つまり前記一般式(4)、(5)および
(6)中のn1またはn2の値が高レベルに整っているこ
とを特徴とする。例えば従来の(メタ)アクリル基変性
ラクトン重合体は、特公昭63−66307号公報およ
び特公昭64−25322号公報に開示されているよう
に、その構造は一般式(5)中のn1の値にバラツキが
大きく、分子量の異なる(メタ)アクリル基変性ラクト
ン重合体の混合物であった。本発明の(メタ)アクリル
基変性ラクトン重合体等は単分散であり、塗料原料や高
分子改質剤などの市場において、製品の物理的および化
学的性質が高品質かつ精密に制御されるのみならず、製
品を製造する際の反応性、作業性も極めて良好である。
例えば、前記特公昭64−25322号公報記載の塗料
原料であるスチレン、メチルメタクリレート、(メタ)
アクリル基変性ラクトン重合体のラジカル共重合体の市
場では、(メタ)アクリル基変性ラクトン重合体の分子
量が単分散である場合、新たに発現する利点として次の
〜を挙げることができる。前記ラジカル共重合体
と多価イソシアナートとの架橋硬化塗膜を製造する際
に、(メタ)アクリル基変性ラクトン重合体の末端水酸
基の反応性が均一であるため、架橋密度が高く、均一の
架橋構造を有する塗膜が生成し、塗膜物性、例えば剛
性、靱性、耐候性、耐殺傷性、耐低温性、塗装加工性な
どに非常に優れている。(メタ)アクリル基変性ラク
トン重合体自体の物理的および化学的性質に反映される
ラジカル重合性、貯蔵安定性、結晶化温度などの諸物性
を明確に把握できる。製品中の不純物が極めて少な
い。また、(メタ)アクリル基変性カーボネート重合
体、あるいは(メタ)アクリル基変性ラクトン−カーボ
ネート共重合体も単分散の場合、同様の利点が発現す
る。
【0036】一般式(4)、(5)および(6)中のR
1の具体例としては、エチレン基、トリメチレン基、テ
トラメチレン基、ペンタメチレン基およびヘキサメチレ
ン基、R2はトリメチレン基、2−メチルトリメチレン
基および2,2−ジメチルトリメチレン基およびテトラ
メチレン基が挙げられる。また、一般式(5)および
(6)中、n1およびn2の各範囲としては、n=1〜1
00の整数であり、通常1〜10の整数である。nが1
0を上回る(メタ)アクリル基変性重合体が使用される
用途は少なく、単分散である必要性が極めて低い。また
一般式(4)では、n1およびn2は各0〜100の整数
である。ランダム共重合およびブロック共重合となる場
合のn1およびn2の関係は、前記の通りである。
【0037】
【実施例】以下に参考例および実施例を挙げて本発明を
更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0038】(参考例1:有機アルミニウム系ルイス酸
の調製 その1)2,6−ジtert−ブチル−4−メ
チルフェノール(2.76g,12.5mmol)を乾
燥したヘキサン10mlに溶解し、0℃でトリメチルア
ルミニウム(0.6ml,6.25mmol)を滴下し
た。得られた懸濁液を60℃に加温し、全てが溶解した
後、室温で10時間放置し、白色結晶として2,6−ジ
tert−ブチル−4−メチルフェノール二置換アルミ
ニウム系ルイス酸(以下、「MeAlBMP」と略
す。)を得た。乾燥したヘキサンで二度結晶を洗浄し、
残渣を真空乾燥した。結晶はこのまま使用するか、秤量
後、ジクロロメタンの0.3mmol/ml溶液として
使用した。
【0039】(参考例2:有機アルミニウム系ルイス酸
の調製 その2)2,6−ジフェニルフェノール(7.
4g,30mmol)を乾燥したトルエン42.5ml
に溶解し、室温でゆっくり2.0Mトリメチルアルミニ
ウムトルエン溶液7.5mlを滴下することにより、
2,6−ジフェニルフェノール二置換アルミニウム系ル
イス酸(以下、「MeAlDPP」と略す。)を得た。
同様の操作で2.0Mトリメチルアルミニウム(15m
mol)7.5mlと2,4,6−トリトリクロロフェ
ノール(5.93g,30mmol)を反応させて2,
4,6−トリクロロフェノール二置換アルミニウム系ル
イス酸(以下、「MeAlTCP」と略す。)を調製し
た。
【0040】(参考例3:有機アルミニウム系ルイス酸
の調製 その3)2,6−ジtert−ブチル−4−メ
チルフェノール(4.4g,20mmol)を乾燥した
ヘキサン30mlに溶解し、0℃でトリイソブチルアル
ミニウムの0.5Mヘキサン溶液20mlを滴下するこ
とにより、2,6−ジtert−ブチル−4−メチルフ
ェノール二置換アルミニウム系ルイス酸(以下、「is
o−BuAlBMP」と略す。)を得た。
【0041】(実施例1:ネオペンチルグリコールカー
ボネートのリビング重合)三方コックつき丸底フラスコ
(磁気攪拌子入り)にネオペンチルグリコールカーボネ
ート(2.60g,20mmol)を量りとり、内部を
窒素置換した。窒素気流中、注射器にて乾燥したジクロ
ロエタン(1.6ml)、イソプロピルアルコール
(0.077ml,1mmol)を加え、さらに参考例
1で得られたMeAlBMPの0.3mmol/mlジ
クロロメタン溶液1mlを添加し、室温にて1時間攪拌
した。この間にモノマーは完全に消費した。反応物を3
00mlのメタノール中に投入し、白色沈澱を減圧乾燥
した。得られたカーボネート重合体の収量は2.55g
であり、GPCにより測定した標準ポリスチレン換算数
平均分子量は2,200、分子量分布は1.15であっ
た。このものの1H−NMRチャートを図1に示すが、
仕込み通りイソプロピルアルコールに対し20モル倍の
ネオペンチルグリコールが付加していることが確認され
た。
【0042】(実施例2:ε−カプロラクトンのリビン
グ重合 その1)実施例1と同様の装置、同様の操作に
て、ε−カプロラクトン(2.2ml,20mmo
l)、乾燥したジクロロメタン(1.6ml)、イソプ
ロピルアルコール(0.077ml,1mmol)およ
びMeAlBMPの0.3mmol/mlジクロロメタ
ン溶液を1ml仕込み、重合させ、ラクトン重合体2.
10gを得た。GPC測定した標準ポリスチレン換算数
平均分子量は5,400、分子量分布は1.15であっ
た。このものの1H−NMRチャートを図2に示すが、
仕込み通りイソプロピルアルコールに対し20モル倍の
ネオペンチルグリコールが付加していることが確認され
た。
【0043】(実施例3:ネオペンチルグリコールカー
ボネート−ε−カプロラクトンブロック共重合体の製造
その1)実施例1と同様の装置にネオペンチルグリコ
ールカーボネート(6.5g,50mmol)を量りと
り、内部を窒素置換した。窒素気流中、注射器にて乾燥
したジクロロメタン(3ml)、イソプロピルアルコー
ル(0.077ml,1mmol)を加え、MeAlB
MPの0.3mmol/mlジクロロメタン溶液1ml
を添加し、室温で2.5時間攪拌し、モノマーが消費さ
れたことを確認し、極微量のサンプリングをした。次い
で、ε−カプロラクトン(5.5ml,50mmol)
を添加し、室温で1.5時間攪拌させ重合を進行させ
た。反応物を300mlのメタノール中に投入し、白色
沈澱を減圧乾燥した。得られたブロック共重合体の収量
は11.6gであった。図3にサンプリングを行ったネ
オペンチルグリコールカーボネート重合体と生成したブ
ロック共重合体のGPC測定チャートを示すが、ブロッ
ク化して、分子量が増加したことが確認された。前者の
ネオペンチルグリコールカーボネート重合体の数平均分
子量6,200、分子量分布が1.18に対し、ブロッ
ク共重合体の数平均分子量は13,400、分子量分布
は1.20であった。このブロック共重合体の1H−N
MRチャートを図4に示すが、イソプロピルアルコール
/ネオペンチルグリコールカーボネート/ε−カプロラ
クトンのモル比は1.0/50.0/46.8であっ
た。
【0044】(実施例4:ε−カプロラクトンのリビン
グ重合 その2)実施例1と同様の装置を用い、ε−カ
プロラクトン(11.0ml,100mmol)を乾燥
したジクロロメタン(3ml)、イソプロピルアルコー
ル(0.077ml,1mmol)、および参考例2で
得られたMeAlDPPの0.3mmol/mlトルエ
ン溶液1mlを仕込み、室温で5時間攪拌した。この間
にモノマーは完全に消費した。実施例1と同様の操作を
行い、ラクトン重合体10.8gを得た。GPC測定し
た標準ポリスチレン換算数平均分子量は13,300、
分子量分布は1.11であった。
【0045】(実施例5:単分散メタアクリル基変性ラ
クトン4量体の製造)空気導入管、温度調節器、コンデ
ンサーおよび攪拌器を備え付けた4つ口フラスコに、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート(130g,1mo
l)、ε−カプロラクトン(456.6g,4mol)
および参考例2で得られた0.3MMeAlDPPトル
エン溶液3mlを仕込み、乾燥した空気を導入しながら
60℃で5時間攪拌した。得られたドープのGPC測定
(結果を表−1に記載)を行うとともに、ドープをトル
エンで希釈し、シリカゲルカラム分取と脱溶剤の精製工
程を経て、単分散メタアクリル基変性ラクトン4量体5
82gを得た。
【0046】(実施例6:単分散アクリル基変性カーボ
ネート2量体の製造)実施例5の装置と同様の装置に2
−ヒドロキシエチルアクリレート(116.1g,1m
ol)、プロピレングリコールカーボネート(204.
1g,2mol)および参考例2で得られた0.3M
MeAlTCPトルエン溶液5mlを仕込み、乾燥した
空気を導入しながら60℃で6時間攪拌した。得られた
ドープのGPC測定(結果を表−2に記載)を行うとと
もに、ドープをトルエンで希釈し、シリカゲルカラム分
取と脱溶剤の精製工程を経て、単分散アクリル基変性カ
ーボネート2量体314gを得た。
【0047】(実施例7:単分散ポリラクトンジオール
の製造)実施例1の装置と同様の装置に、エチレングリ
コール(31g,0.5mol)、ε−カプロラクトン
(970.2g,8.5mol)および参考例1と同様
にして得られたMeAlBMP(7.21g,15mm
ol)を仕込み、乾燥した窒素を導入しながら65℃で
6時間攪拌した。得られた重合体のGPC測定(結果を
表−3に記載)を行うとともに、500mlのメタノー
ルを注ぎ、還流しながら攪拌した。メタノール層を分取
し、単分散ポリラクトンジオール999.4gを得た。
【0048】(実施例8:単分散ポリラクトントリオー
ルの製造)実施例1の装置と同様の装置に、トリメチロ
ールプロパン(67.1g,0.5mol)、δ−バレ
ロラクトン(400.4g,4mol)および参考例1
と同様にして得られたMeAlBMP(4.81g,1
0mmol)を仕込み、乾燥した窒素を導入しながら6
5℃で4時間攪拌した。得られた重合体のGPC測定
(結果を表−3に記載)を行うとともに、500mlの
メタノールを注ぎ、還流しながら攪拌した。メタノール
層を分取し、単分散ポリラクトントリオール459.7
gを得た。
【0049】(実施例9:単分散メタアクリル基変性カ
ーボネート1量体の製造)実施例5の装置と同様の装置
に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(260.3
g,2mol)、ネオペンチルグリコールカーボネート
(260.3g,2mol)および参考例3で得られた
0.2M iso−BuAlBMPヘキサン溶液3ml
を仕込み、乾燥した窒素を導入しながら100℃で4時
間攪拌した。 得られたドープのGPC測定(結果を表
−2に記載)を行った。
【0050】(実施例10:ε−カプロラクトンのリビ
ング重合 その3)実施例1と同様の装置を用い、ε−
カプロラクトン(5.5ml,50mmol)とメタノ
ールのジクロロメタン溶液(0.025mmol/m
l)を4ml加えた。その混合溶液に参考例2で得られ
たMeAlDPPの0.3M ジクロロメタン溶液2.
5ml添加した。室温で42時間攪拌した後、反応混合
物を300mlのメタノールに投入し、得られた白色沈
澱を減圧乾燥した。GPC測定した標準ポリスチレン換
算数平均分子量は62,600、分子量分布は1.14
であった。図5にGPC測定チャートを示した。
【0051】(実施例11:ネオペンチルグリコールカ
ーボネート−ε−カプロラクトンブロック共重合体の製
造 その2)実施例1と同様の装置に窒素気流中、ε−
カプロラクトン(5.5ml,50mmol)とイソプ
ロピルアルコール(0.077ml,1mmol)、ジ
クロロメタン4mlを注射器で加えた。その混合溶液に
参考例2で得られたMeAlDPPの0.3Mジクロロ
メタン溶液を2.5ml添加した。室温で2.5時間攪
拌した後、少量をサンプリングし、モノマーが完全に消
費されたことを確認した。次いでネオペンチルグリコー
ルカーボネート(15.6g,130mmol)のジク
ロロメタン(10.4ml)溶液を加え、室温で32時
間攪拌した。反応混合物を300mlのメタノールに投
入し、得られた白色沈澱を減圧乾燥した。 図6に、サ
ンプリングを行ったε−カプロラクトンの重合体と生成
したブロック共重合体のGPC測定チャートを示すが、
ブロック化して分子量が増加したことが確認された。前
者のε−カプロラクトン重合体の数平均分子量が6,4
00、分子量分布が1.19であるのに対し、ブロック
共重合体の数平均分子量は20,000、分子量分布は
1.17であった。
【0052】(実施例12:単分散ラクトン−カーボネ
ートランダム共重合ジオールの製造その1)実施例1の
装置と同様の装置に、エチレングリコール(18.6
g,0.3mol)、ネオペンチルグリコールカーボネ
ート(195.2g,1.5mol)、ε−カプロラク
トン(399.5g,3.5mol)を加えた。乾燥し
た窒素を導入しながら参考例3で得られた0.2M i
so−BuAlBMPヘキサン溶液10mlを仕込み、
150℃で2時間攪拌した。得られた重合体のGCP測
定(結果を表−3に記載)を行った。
【0053】(実施例13:単分散ラクトン−カーボネ
ートランダム共重合ジオールの製造その2)実施例1の
装置と同様の装置に、エチレングリコール(18.6
g,0.3mol)、ネオペンチルグリコールカーボネ
ート(65.1g,0.5mol)、ε−カプロラクト
ン(513.6g,4.5mol)を加えた。乾燥した
窒素を導入しながら参考例3で得られた0.2M is
o−BuAlBMPヘキサン溶液10mlを仕込み、1
50℃で2時間攪拌した。得られた重合体のGCP測定
(結果を表−3に記載)を行った。
【0054】(比較例1)実施例5と比較するために、
実施例5で用いた触媒0.3M MeAlDPPトルエ
ン溶液3mlの代りに、0.3Mモノブチルスズトリス
(2−エチルヘキサネート)トルエン溶液3mlを使用
する以外は、全く同様の装置、仕込み、反応条件におい
て、メタアクリル基変性ラクトン4量体の製造を行っ
た。ε−カプロラクトンの残存量が1%以下になるま
で、32時間必要であった。得られたドープのGPC測
定結果を実施例5の精製前のドープの結果と併せて、表
−1に示した。
【0055】(比較例2)実施例7と比較するため、実
施例7で用いた触媒MeAlBMP(7.21g,15
mmol)の代りに、テトラブチルチタネート(5.1
0g,15mmol)を使用する以外は、実施例7と全
く同様の装置、仕込み、反応条件によりポリラクトンジ
オールの製造を行った。ε−カプロラクトンの残存量が
1%以下になるまで、46時間必要であった。得られた
ドープのGPC測定結果を実施例7の精製前のドープの
結果と併せて、表−3に示した。
【0056】(応用例1)一般にポリウレタン原料であ
るポリラクトン(ポリカーボネート)ジオールは、ポリ
ウレタン製造時の作業性の観点から、液状または低融点
性の固形状であることが望ましい。実施例7、12、1
3及び比較例2の重合体ジオールの結晶性を0℃、20
℃、40℃の各温度に1週間放置後の結晶の有無を調べ
ることにより評価した。結果を表−4に記載した。表
中、「白色固体」は結晶のあることを示す。ε−カプロ
ラクトンに対するネオペンチルグリコールカーボネート
の組成比が多いほど、重合体ジオールの結晶性が低下す
ることが明白となった。触媒の違いによる重合体ジオー
ルの結晶性の差異はほとんど無かった。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
【発明の効果】本発明により、単分散あるいは単一構造
成分の純度が非常に高いラクトン重合体、カーボネート
重合体、ラクトン−カーボネートブロック共重合体およ
びラクトン−カーボネートランダム共重合体が効率よく
製造できるようになった。これらはポリウレタン原料、
塗料原料、樹脂改質剤などの高付加価値、高機能化が必
要な用途に好適に使用でき、工業的価値の高いものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られたカーボネート重合体の1
H−NMRチャート
【図2】 実施例2で得られたラクトン重合体の1H−
NMRチャート
【図3】 実施例3におけるネオペンチルグリコールカ
ーボネート重合体と、得られたブロック共重合体のGP
Cチャート
【図4】 実施例3で得られたブロック共重合体の1
−NMRチャート
【図5】 実施例10で得られたラクトン重合体のGP
C測定チャートである。
【図6】 実施例11で重合途中のサンプリングで得ら
れたラクトン重合体のGPC測定チャート(a)とカー
ボネート−ラクトンブロック共重合体のGPC測定チャ
ート(b)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C08L 101/16 C08L 101/16 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91 C08G 64/00 - 64/42 WPI/L(QUESTEL)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開始剤(a)を用いてラクトン単量体
    (b1)を開環付加反応させるにあたり、一般式(1)
    で示される有機アルミニウム系ルイス酸(c)を触媒と
    して用いることを特徴とする単分散ラクトン重合体の製
    造方法。 【化1】
  2. 【請求項2】 開始剤(a)を用いて環状カーボネート
    単量体(b2)を開環付加反応させるにあたり、一般式
    (1)で示される有機アルミニウム系ルイス酸(c)を
    触媒として用いることを特徴とする単分散カーボネート
    重合体の製造方法。 【化2】
  3. 【請求項3】 開始剤(a)を用い、ラクトン単量体
    (b1)と環状カーボネート単量体(b2)の混合物(b
    3)を開環付加反応させるにあたり、一般式(1)で示
    される有機アルミニウム系ルイス酸(c)を触媒として
    用いることを特徴とする単分散ラクトン−カーボネート
    ランダム共重合体の製造方法。 【化3】
  4. 【請求項4】 開始剤(a)1モル当量に対し、混合物
    (b3)をラクトン単量体(b1)と環状カーボネート単
    量体(b2)の合計1〜100未満モル当量倍反応させ
    ることを特徴とする請求項3記載の単分散ラクトン−カ
    ーボネートランダム共重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 開始剤(a)を用い、ラクトン単量体
    (b1)または環状カーボネート単量体(b2)のいずれ
    か一方をそれが消費されるまで開環付加反応させたの
    ち、他方の単量体を開環付加反応させるにあたり、一般
    式(1)で示される有機アルミニウム系ルイス酸(c)
    を触媒として用いることを特徴とする単分散ラクトン−
    カーボネートブロック共重合体の製造方法。 【化4】
  6. 【請求項6】 有機アルミニウム系ルイス酸(c)が一
    般式(2)で示される化合物であることを特徴とする請
    求項1〜5のいずれかに記載の単分散(共)重合体の製
    造方法。 【化5】
  7. 【請求項7】 開始剤(a)が分子内に2〜10個の水
    酸基を有する多価アルコールであるかまたは分子内に1
    個の水酸基と1個のラジカル重合性二重結合を共に有す
    るアルコールであることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれかに記載の単分散重合体の製造方法。
  8. 【請求項8】 有機アルミニウム系ルイス酸(c)が
    2,6−ジtert−ブチル−4−メチルフェノール二
    置換アルミニウムである請求項1〜5のいずれかに記載
    の単分散重合体の製造方法。
  9. 【請求項9】 一般式(3)で表され、かつ単分散であ
    ることを特徴とする多価水酸基含有重合体。 【化6】
  10. 【請求項10】 一般式(4)、(5)または(6)の
    いずれかで表され、かつ単分散であることを特徴とする
    (メタ)アクリル基変性重合体。 【化7】
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