JP3413883B2 - 純水製造装置 - Google Patents

純水製造装置

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は工業用水と半導体製造排
水を原水として純水を製造するための純水製造装置に関
するものである。 【0002】 【従来の技術】半導体製造工程等に使用される超純水
は、一般に膜分離処理およびイオン交換からなる一次純
水製造工程と、紫外線酸化、混床式イオン交換および限
外濾過からなる二次純水製造工程(サブシステムとも呼
ばれる)とを経て製造される。このような超純水製造工
程に供給される原水としては、工業用水のほか、半導体
製造工場等においては、半導体製造工程から排出される
半導体製造排水を回収して原水としている。 【0003】ところが両者は含まれる成分が異なるた
め、別の処理法により純水を製造している。すなわち半
導体製造排水を原水とする場合は活性炭処理、弱塩基性
アニオン交換、強酸性カチオン交換、強塩基性アニオン
交換、膜分離の各工程を経て一次純水を製造している。
これに対して工業用水を原水とする場合は活性炭処理、
強酸性カチオン交換、脱気、強塩基性アニオン交換、膜
分離の各工程を経て一次純水を製造している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】従来の超純水製造工程
では、原水ごとに別の処理法により一次純水を製造して
いるため、処理装置および操作が複雑となり、製造コス
トが高くなる。この点を改善するために、両方の原水を
混合して処理すると、膜分離装置においてスケールが付
着して、処理水量が低下するとともに、処理水質が低下
する。 【0005】この原因は工業用水中のカルシウムイオン
やマグネシウムイオンと、半導体製造排水中のフッ素イ
オンが反応して難溶性のフッ化カルシウム、フッ化マグ
ネシウムが生成するためであると推測される。 【0006】そこで工業用水を脱カチオンしてカルシウ
ムイオンやマグネシウムイオンを除去すると、カチオン
交換処理水はpH3.5〜7の酸性水となる。一方、半
導体製造排水のpHはpH3〜7の酸性領域で変動する
ため、これらの混合水のpHは酸性領域で大きく変動す
る。このような酸性水は生物濾過装置や膜分離装置に悪
影響を及ぼすので、中和する必要があり、多量の中和剤
を必要とするほか、所定のpHにするために中和剤添加
のコントロールが困難であるという問題点があった。 【0007】本発明の目的は、上記問題点を解決するた
め、スケールの生成防止効果が高く、中和が不要となる
か、あるいは中和剤の量を少なくできるとともに中和の
制御が容易になり、かつ後段の脱イオン負荷が低くな
り、効率よく純水を製造することができる純水製造装置
を提供することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、工業用水を脱
カチオンするカチオン交換装置を有する工業用水処理系
と、半導体製造排水を脱アニオンするアニオン交換装置
を有する半導体製造排水処理系と、前記工業用水処理系
および半導体製造排水処理系の処理水を混合して混合原
水とする混合装置と、前記混合原水を脱イオンする脱イ
オン装置を有する混合原水処理系とを含むことを特徴と
する純水製造装置である。 【0009】本発明において、工業用水処理系に設ける
カチオン交換装置は、カルシウムイオンやマグネシウム
イオンのような硬度成分の除去を目的とするものである
が、他のカチオンも除去するものでもよい。使用するカ
チオン交換樹脂はH形であればよく、強酸性カチオン交
換樹脂でも弱酸性カチオン交換樹脂でもよいが、少なく
とも一部は中性塩分解能力を有する強酸性カチオン交換
樹脂を用いるのが好ましい。通水方法、再生方法は特に
制限されず、通常の方法を採用することができる。通水
速度はSV 10〜30hr-1程度が好ましい。 【0010】工業用水処理系には、カチオン交換装置の
後に脱炭酸装置を設けるのが好ましい。この脱炭酸装置
は酸性下に炭酸を除去する装置であり、気液接触式、真
空式など任意の形式のものが使用できる。気液接触式の
場合、G/L比(N−m3/m3)5〜20の範囲が好ま
しい。 【0011】半導体製造排水処理系に設けるアニオン交
換装置は、アニオン(酸)を除去することにより処理水
のpHを高くするために設けるものであるが、このとき
同時にフッ素イオンを除去するものであってもよい。使
用するアニオン交換樹脂としてはOH形のものを用い、
弱塩基性アニオン交換樹脂でも、強塩基性アニオン交換
樹脂でもよく、またゲル型でもポーラス型でもよい。半
導体製造排水中のフッ素イオンは通常フッ酸の形で含ま
れているため、弱塩基性アニオン交換樹脂を用いる方が
再生が容易である。通水、再生方法の制限はなく、通常
の方法を採用することができる。通水速度はSV 10
〜30hr-1程度が好ましい。 【0012】工業用水処理系および半導体製造排水処理
系には、それぞれ活性炭処理装置などの前処理装置を設
けるのが好ましい。活性炭吸着装置の通水速度は5〜2
0hr-1程度が好ましい。 【0013】混合装置は工業用水処理系の処理水と半導
体製造排水処理系の処理水を混合できるものであればよ
く、一般的には混合水槽が用いられるが、単にパイプを
接続するだけでもよく、脱炭酸装置を用いるときは、脱
炭酸水が得られる水槽を混合装置とすることができる。 【0014】混合原水処理系に設けられる混合原水を脱
イオンする脱イオン装置としては、逆浸透(RO)膜分
離装置等の膜分離装置、イオン交換装置あるいはこれら
の組合せからなるものが使用できる。本発明では工業用
水を脱カチオンして硬度成分を除去し、半導体製造排水
からフッ素イオンを除去してフッ化カルシウム等の生成
を防止するため、膜分離装置を使用してもスケール化に
よる性能低下は少ない。 【0015】脱イオン用の膜分離装置としては、RO膜
を用いて膜分離によりイオンを分離するRO装置があげ
られる。このような膜分離装置としては、スパイラル
型、チューブラー型、ホローファイバ型など、任意の形
式のモジュールを備えたものを用いることができるが、
生物濾過装置を組合せて用いるときは、後述のような集
水管の外周に波形板のスペーサを介してRO膜を巻付け
たスパイラル形モジュールを備えたものが好ましい。 【0016】波形板スペーサを用いた膜分離装置は、特
開昭64−47404号、特開昭64−51105号に
開示されているように、集水管の外周の波形板のスペー
サを介してUF膜等の分離膜をスパイラルに巻付けた構
造で、スペーサは巻付方向と交差する方向に、波形によ
って形成される連続した被処理水路を有し、被処理水路
はその延長方向に対して蛇行流路となるか、あるいは凹
凸部によって乱流を生じさせ、固形物が被処理液流路内
に堆積して閉塞しないようになったものが好ましい。 【0017】イオン交換装置は、カチオン交換樹脂とア
ニオン交換樹脂により脱カチオンおよび脱アニオンする
装置である。カチオン交換樹脂としては強酸性カチオン
交換樹脂、アニオン交換樹脂としては強塩基性アニオン
交換樹脂を使用するが、場合によっては弱酸または弱塩
基性の樹脂を組合せて用いることができる。これらの樹
脂もゲル型、ポーラス型のいずれでもよい。イオン交換
装置は2塔式、複床式、混床式など任意の方式を採用す
ることができる。 【0018】脱イオン装置として膜分離装置またはイオ
ン交換装置をそれぞれ単独で採用するときは、複数段シ
リーズに接続するのが好ましい。両者を組合せるときは
膜分離装置を前に配置すると、後段のイオン負荷を軽減
し、再生頻度を少なくすることができる。脱イオン装置
としてイオン交換装置のみを設ける場合でも、前処理と
してミリポアフィルタ(MF)、限外濾過(UF)等の
膜分離装置を設けることにより、イオン交換樹脂の性能
低下を防止できるため好ましい。 【0019】工業用水および/または半導体製造排水が
有機物、懸濁物等の不純物を含む場合には、混合原水と
する前または混合原水とした後脱イオン前に、前処理装
置を設けてこれらの不純物を除去するのが好ましい。こ
のような前処理装置としては、MF膜、UF膜等を用い
た膜分離装置、生物濾過装置、紫外線(UV)酸化装
置、活性炭吸着装置等が使用できるが、生物濾過装置と
波形板スペーサを用いた膜分離装置の組合せが好まし
い。 【0020】生物濾過装置は、固定床もしくは流動床を
形成する粒状の担体または空隙率の高い充填材に生物汚
泥を付着させたり、あるいは生物汚泥を浮遊状態で保持
した濾過槽に、好気状態で混合原水を通過させて、有機
物を生物分解するとともに、懸濁物を捕捉するように構
成される。 【0021】生物濾過装置と組合せる膜分離装置は、脱
イオン装置としてのRO膜を用いた膜分離装置を兼用さ
せてもよいが、MF膜、UF膜を用いた膜分離装置を用
いて、バクテリアや有機物、固形物等を除去するのが好
ましい。この場合でもさらに脱イオン装置として膜分離
装置を採用することができる。 【0022】本発明において原水として用いる工業用水
は、水道水、地下水、河川水など、一般に純水製造の原
水として用いられるものが、そのまま使用できる。この
工業用水は凝集沈殿処理等の予備処理を行って本発明の
処理に供することができる。他の原水として用いる半導
体製造排水は、半導体製造工程から排出される洗浄排水
その他の排水であって、フッ素イオンを含む排水であ
る。半導体製造排水は予め活性炭処理等の予備処理を行
って本発明の処理に供することができる。 【0023】 【作用】このような工業用水および半導体製造排水を混
合すると工業用水中のカルシウムイオンやマグネシウム
イオンと半導体製造排水中のフッ素イオンとが反応し
て、フッ化カルシウム等のコロイドが生成し、膜分離装
置においてスケール化する。そしてフッ化カルシウム等
が分離膜に付着すると、薬品洗浄を行っても容易に性能
が回復せず、処理水量が低下するとともに、付着物が少
しずつ溶出して、処理水質が低下する。 【0024】本発明では、このようなフッ化カルシウム
等のスケールの生成を防止するために、工業用水処理系
に工業用水を供給し、カチオン交換装置で脱カチオンし
てカルシウムイオン等の硬度成分を除去する。このとき
必要により脱炭酸装置で脱炭酸する。こうして得られる
工業用水処理系の処理水はpH3.5〜4.5の酸性水
となる。 【0025】一方、半導体製造排水処理系に半導体製造
排水を導入し、アニオン交換装置でアニオン交換して酸
を除去する。このときフッ素イオンも同時に除去され
る。半導体製造排水処理系の処理水はpH9〜10と高
くなり、pH変動幅も小さくなる。 【0026】このため混合装置で工業用水処理系の処理
水と、半導体製造排水処理系の処理水を混合することに
より、中性に近いpH5〜7の混合原水が得られ、pH
の変動幅も小さくなる。このとき必要によりさらにアル
カリを加えてpH6〜7に調整することができる。 【0027】混合原水処理系では、膜分離装置、イオン
交換装置等において脱イオンを行い、純水を製造する。
膜分離装置にRO膜分離装置を用いると、脱イオンが行
われるため、イオン交換装置のイオン負荷が軽減され
る。こうして製造される純水は、さらに二次純水製造工
程において紫外線酸化、混床式イオン交換、UF膜分離
等の処理を行って超純水を製造することができる。 【0028】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は実施例の純水製造装置を示すフローシート
である。図において、1は工業用水処理系、2は半導体
製造排水処理系、3は混合装置、4は混合原水処理系で
ある。 【0029】工業用水処理系1は、工業用水路5に連絡
する貯水槽6、活性炭処理装置7、カチオン交換装置
8、脱炭酸装置9が連絡路10〜12でシリーズに連絡
し、脱炭酸装置9から工業用水処理水路13によって混
合装置3に連絡している。14は活性炭層、15はカチ
オン交換樹脂層、16は充填材層である。 【0030】半導体製造排水処理系2は、半導体製造排
水路21に連絡する貯水槽22、活性炭処理装置23、
アニオン交換装置24が連絡路25、26でシリーズに
連絡し、アニオン交換装置24から半導体製造排水処理
水路27が混合装置3に連絡している。28は活性炭
層、29はアニオン交換樹脂層である。 【0031】混合原水処理系4は、混合原水路31によ
り混合装置3と連絡する生物濾過装置32、UF膜分離
装置33、RO膜分離装置34、混床式イオン交換装置
35が連絡路36〜38によりシリーズに連絡してい
る。41は生物濾過層、43、44はポンプ、45はU
F膜モジュール、46はRO膜モジュール、47、48
は濃縮液取出路、49はイオン交換樹脂層、50は純水
取出路である。生物濾過装置32とUF膜分離装置33
は前処理装置を構成し、RO膜分離装置34と混床式イ
オン交換装置35は脱イオン装置を構成している。 【0032】生物濾過装置32は粒状担体に生物汚泥を
付着させた生物濾過層41に、好気性下に混合原水を通
過させて、有機物を生物分解し、固形物を除去するよう
に構成されている。UF膜分離装置33およびRO膜分
離装置34は、それぞれ蛇行する被処理水路を形成した
波形板からなるスペーサを介して、UF膜およびRO膜
を集水管の外周にスパイラル形に巻付けたUF膜モジュ
ール45、RO膜モジュール46を内蔵している。イオ
ン交換装置35はカチオン交換樹脂およびアニオン交換
樹脂の混床からなるイオン交換樹脂層49を内蔵してい
る。 【0033】上記の純水製造装置による純水製造方法は
次の通りである。工業用水路5および半導体製造排水路
21から貯水槽6、22に入った工業用水および半導体
製造排水は、それぞれ活性炭処理装置7、23において
活性炭層14、28を通る間に活性炭処理されて有機
物、固形物が除去される。 【0034】活性炭処理された工業用水はカチオン交換
装置8において、カチオン交換樹脂層15を通る間にカ
チオン交換されて、カルシウムイオン、マグネシウムイ
オンを含むカチオンが除去される。これにより生じるp
H3.5〜4.5の酸性水は脱炭酸装置9において充填
材層16を通る間に空気と気液接触して脱炭酸され、工
業用水処理水となって混合装置3に入る。 【0035】活性炭処理された半導体製造排水はアニオ
ン交換装置24において、アニオン交換樹脂層29を通
過する間に、フッ素を含むアニオン(酸)が除去され
る。これによりpHが高くなるとともに、pH変動幅も
小さくなる。pH9〜10となった半導体製造排水処理
水は、混合装置3に入って工業用水処理水と混合され
る。これによりpH5〜7の混合原水が得られるが、工
業用水中の硬度成分および半導体洗浄排水中のフッ素イ
オンは除去されているので不溶性塩は生成しない。 【0036】混合原水は必要によりアルカリを添加して
pH調整したのち、生物濾過装置32に供給され、好気
性下に生物濾過層41を通過することにより有機物は生
物分解され、固形物は除去される。 【0037】生物濾過水はポンプ43でUF膜分離装置
33に供給され、生物汚泥等の固形物および有機物がU
F膜分離により分離される。このときモジュール45の
被処理水路は波形板スペーサにより蛇行流路となってい
るため固形物は堆積せず、分離膜の目詰まりは生じな
い。そして膜分離による濃縮液は濃縮液取出路47から
取出され、透過液は連絡路37から取出される。 【0038】UF膜分離装置33の透過液はポンプ44
によりRO膜分離装置34に供給され、膜分離により脱
イオンされ、濃縮液は濃縮液取出路48から取出され、
透過液は連絡路38から取出される。モジュール46と
して波形板スペーサを用いたスパイラルモジュールを用
いるため、乱流により固形物の堆積は防止される。 【0039】RO膜分離装置34の透過液は連絡路38
からイオン交換装置35に供給され、イオン交換樹脂層
49を通過する間に、カチオン交換樹脂およびアニオン
交換樹脂により脱イオンされ純水が純水取出路50から
得られる。 【0040】カチオン交換装置8およびイオン交換装置
35のカチオン交換樹脂は酸の通液により再生され、ア
ニオン交換装置24およびイオン交換装置35のアニオ
ン交換樹脂はアルカリ通液により再生される。UF膜分
離装置33、RO膜分離装置34の性能が低下した場合
は、逆方向に水を透過させたり、物理的または化学的に
洗浄を行うなどの方法により性能を回復することができ
る。 【0041】上記の方法においては、カチオン交換装置
8において工業用水中の硬度成分が除去され、アニオン
交換装置24において、半導体製造排水中のフッ素イオ
ンが除去されるため、フッ化カルシウム等の不溶性塩の
生成によるスケール化が防止される。このためUF膜分
離装置33、RO膜分離装置34において、スケール化
による処理能力や処理水質の低下は防止される。このた
め脱イオン装置としてRO膜分離装置34を用いること
ができ、これによりイオン交換装置におけるイオン負荷
を軽減し、煩雑な再生操作を軽減することができる。こ
のスケール防止効果は、工業用水の脱カチオンのみを行
う場合、あるいは半導体製造排水の脱アニオンのみを行
う場合よりも高い。 【0042】また工業用水の脱カチオンにより低pHの
酸性水が得られ、これに低pHの半導体製造排水を混合
して混合原水とする場合でも、半導体製造排水を脱アニ
オンすることにより、pHを上昇させて中和用のアルカ
リの使用量を少なくできるうえ、pHの変動幅も小さく
なる。このため生物濾過装置や膜透過装置への影響は軽
減される。そしてさらに中和を行う場合でも、中和剤の
添加量は少なくなり、pH変動幅も小さいため、添加量
の制御も容易になる。 【0043】試験例1 pH7.0、電導度160μS/cm、カルシウム30
mg/l、全カチオン120mg−CaCO3/l、全
アニオン130mg−CaCO3/lの工業用水を、2
5 literのH形強酸性カチオン交換樹脂レバチッ
トSP112(商標)に500 liter/hrで下
向流通水して脱カチオンしたのち、6N−m3/hrの
空気と向流接触させて脱炭酸した。 【0044】一方、pH3〜5、電導度180μS/c
m、フッ素イオン20mg/l、全カチオン30mg−
CaCO3/l、全アニオン100mg−CaCO3/l
の半導体製造排水を、50 literのOH形弱アニ
オン交換樹脂ダイヤイオンWA−30(商標)に500
liter/hrで下向流通水して、脱アニオンし
た。両処理水を同量50 literタンクに導入して
混合し、タンク出口の混合原水のpHを測定した結果を
図2のAに示す。 【0045】試験例2 比較として、試験例1において、上記半導体製造排水を
脱アニオンすることなく、工業用水の脱炭酸処理水と混
合した場合の結果を図2のBに示す。 【0046】図2の結果より、比較例では混合原水のp
Hが低く、pH3.5〜4.5で大きく変動しているの
に対し、実施例ではpHが高く、pH6.3〜6.7で
変動幅も小さくなっていることがわかる。 【0047】試験例3 また比較として、試験例1において、工業用水を脱カチ
オンおよび脱炭酸することなく、半導体製造排水の脱ア
ニオン水と混合した場合、混合原水はpH8.5〜9で
あった。 【0048】実施例1、比較例1および2 試験例1、2および3の混合原水をRO膜モジュール
(ポリアミド膜:東レ(株)製SU−7100)2本を
有するRO膜分離装置に、給水量1m3/hr、運転圧
力15kg/cm2、処理水量0.5m3/hrで通水し
て脱イオンした。実施例1では試験例1の混合原水をそ
のまま通水したが、比較例1では混合原水のpHを6〜
7にするため、試験例2の混合原水にNaOH 30〜
50mg/lを添加し、比較例2では試験例3の混合原
水にH2SO4 20〜30mg/lを添加した。それぞ
れの処理水の電導度およびRO膜によるイオン除去率を
表1に示す。 【0049】 【表1】 【0050】表1からわかるように、pH調整のためN
aOHを添加する比較例1および工業用水を脱カチオン
しない比較例2の処理水電導度は高いが、工業用水を脱
カチオンし半導体製造用排水を脱アニオンする実施例1
の処理水電導率は低い。このため、実施例1ではRO膜
分離装置に後続するイオン交換装置に対するイオン負荷
は比較例1、2の1/4程度となる。 【0051】 【発明の効果】本発明によれば、工業用水を脱カチオン
し、半導体製造排水を脱アニオンして混合し、混合原水
を脱イオンするようにしたため、フッ化カルシウムのよ
うな不溶性塩の生成によるスケール防止効果を高くする
ことができ、かつ混合原水のpHを高くして、中和を不
要にするか、あるいは中和剤の量を少なくできるととも
に中和の制御が容易になり、また後段の脱イオン負荷が
低くなり、効率よく純水を製造することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】実施例の純水製造装置のフローシートである。 【図2】試験例1の結果を示すグラフである。 【符号の説明】 1 工業用水処理系 2 半導体製造排水処理系 3 混合装置 4 混合原水処理系 5 工業用水路 6、22 貯水槽 7、23 活性炭処理装置 8 カチオン交換装置 9 脱炭酸装置 10〜12、25、26、36〜38 連絡路 13 工業用水処理水路 14、28 活性炭層 15 カチオン交換樹脂層 16 充填材層 21 半導体製造排水路 24 アニオン交換装置 27 半導体製造排水処理水路 29 アニオン交換樹脂層 31 混合原水路 32 生物濾過装置 33 UF膜分離装置 34 RO膜分離装置 35 混床式イオン交換装置 41 生物濾過層 43、44 ポンプ 45 UF膜モジュール 46 RO膜モジュール 47、48 濃縮液取出路 49 イオン交換樹脂層 50 純水取出路

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 工業用水を脱カチオンするカチオン交換
    装置を有する工業用水処理系と、 半導体製造排水を脱アニオンするアニオン交換装置を有
    する半導体製造排水処理系と、 前記工業用水処理系および半導体製造排水処理系の処理
    水を混合して混合原水とする混合装置と、 前記混合原水を脱イオンする脱イオン装置を有する混合
    原水処理系とを含むことを特徴とする純水製造装置。
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