JP3411752B2 - Dcチョッパ回路によるモータ制御時の電流制限構造 - Google Patents

Dcチョッパ回路によるモータ制御時の電流制限構造

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はDCチョッパ回路に
よるモータ制御時の電流制限構造に関し、特にバッテリ
を電源とし、直流モータを駆動源とするもの、例えばバ
ッテリ・フォークリフト等の電動車両に適用して有用な
ものである。 【0002】 【従来の技術】フォークリフトの中にはバッテリを電源
とし、モータを駆動源として走行する電動式のものがあ
る。この種の電動式フォークリフトでは、DCチョッパ
回路による速度制御が汎用されている。この速度制御で
は、例えばCPUで好適に形成される制御手段の出力信
号である所定周波数のパルス信号により、例えばIGB
T等で好適に形成されるDCチョッパ回路のスイッチ手
段の導通を制御している。 【0003】このとき、制御手段ではモータに対する速
度指令値を入力し、この速度指令値に対応して出力信号
であるパルス信号のデューティを変えることによりスイ
ッチ手段の導通時間を制御し、モータに印加される平均
電圧を制御してその速度制御を行なっている。 【0004】かかる速度制御においては、制御手段のソ
フトウェアの異常等によりモータに過大電流が流れるこ
とを防止するため、ハードウェアによる電流制限手段を
設けてある。従来技術に係るこの種の電流制御手段は、
異常時には、図3(a)に示すような所定周波の信号で
あるべき制御手段の出力信号であるパルス信号を図3
(b)に示すように間引く(間引いたパルスを図3
(b)中に点線で示す)ことによりスイッチ手段の導通
時間を短かくしてモータ電流を制限する構成となってい
る。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】デジタル電流フィード
バックによる上述の如き従来技術に係る速度制御におい
ては、パルス信号のパルスを間引くことにより制御手段
の異常に対処し、モータに過大な電流が流れないように
制限している。このため、異常時にはパルス信号の周波
数が低くなりDCチョッパ回路の平滑コンデンサに流れ
るリップル電流が増大するという問題がある。一方、か
かる問題を回避すべく平滑コンデンサの容量を大きくす
ると、この平滑コンデンサの占有スペースが増大するば
かりでなくコストも増大するという問題がある。 【0006】本発明は、上記従来技術に鑑み、異常時で
あっても通常時と同様の周波数のパルス信号でモータ電
流を制限し得るDCチョッパ回路によるモータ制御時の
電流制限構造を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の構成は、次の点を特徴とする。 【0008】DCチョッパ回路のスイッチ手段の導通時
間を制御手段が送出する所定周波数の第1のパルス信号
のデューティを変えることにより変化させて制御するよ
うに構成したDCチョッパ回路によるモータの制御回路
において、制限すべきモータ電流の値に対応させて設定
した制限電流値を基準値とするとともに、前記制御手段
の異常時にモータ電流が所定の上限値を通過した時点及
び下限値を通過した時点でそれぞれ状態が変化する第2
のパルス信号を送出するヒステリシスコンパレータを有
する一方、このヒステリシスコンパレータのヒステリシ
ス特性の幅を前記第1のパルス信号の周波数に対応させ
たものとし、さらに前記ヒステリシスコンパレータの出
力信号である第2のパルス信号と第1のパルス信号とを
論理回路を通すことによりこの論理回路の出力信号とし
て所定周波数の第3のパルス信号を得、この第3のパル
ス信号でスイッチ手段の導通制御を行なうように構成し
たこと。 【0009】 【0010】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づき詳細に説明する。 【0011】図1は本発明の実施の形態をDCチョッパ
回路とともに示す回路図である。同図に示すように、D
Cチョッパ回路Iは、周知の一般的な構成のものであ
り、電源であるバッテリ1、平滑コンデンサ2、フリー
ホイーリングダイオード3、負荷であるモータ4、スイ
ッチ手段であるIGBI5及びモータ電流Iを検出する
電流検出器6を有している。 【0012】制御手段であるCPU7は速度指令値SC
と速度入力値とを比較し、両者の偏差に応じてデューテ
ィを制御した所定周波数のパルス信号P1 を送出する。
このパルス信号P1 はオペアンプ8の出力信号P2 とと
もにアンド回路9に入力される。アンド回路9はパルス
信号P1 と出力信号P2 とのアンド論理をとり、この結
果をパルス信号P3 としてIGBT5に送出する。 【0013】後に詳述するが、通常時にはオペアンプ8
の出力信号P2 は“1”状態である。したがって、この
ときにはパルス信号P3 がパルス信号P1 に一致する。
この結果、通常時にはIGBT5の導通時間はパルス信
号P1 によって一意に定まり、所定のモータ電流Iを流
すことができる。 【0014】オペアンプ8はその外付け抵抗R1
2 ,R3 とともにヒステリシスコンパレータIIを構成
している。すなわち、オペアンプ8の非反転入力端子に
は抵抗R 1 を介して制限電流設定値Iref に対応する設
定電圧を印加するとともに、反転入力端子には抵抗R3
を介してモータ電流Iに対応する検出電圧を印加してい
る。かくして抵抗R1 ,R2 による電圧分割比を適宜選
定することにより、この分割比で一意に定まる所定幅W
のヒステリシス特性をオペアンプ8に持たせることがで
き、同時に制限電流設定値Iref の値によりヒステリシ
ス特性に対応するモータ電流Iの上,下限値U,Lの中
間値が一意に決定される。 【0015】ここで制限電流設定値Iref は制限すべき
モータ電流Iの値に対応させて設定しておき、ヒステリ
シス特性の幅Wは通常時のパルス信号P1 の周波数に対
応させて選定しておく。 【0016】この結果、図2に示すように、制御手段7
の異常に伴なうモータ電流Iの上昇に伴ないその値がヒ
ステリシス特性に対応する上限値Uを通過した時点で立
下り、その後のモータ電流Iの下降に伴ないその値がヒ
ステリシス特性に対応する下限値Lを通過した時点で立
上るパルス信号P2 がオペアンプ8の出力信号として得
られる。したがって、このときのパルス信号P2 は、モ
ータ電流Iの変化率が同一の場合にはモータ電流Iの変
化率及びヒステリシス特性の幅Wにより決定される一定
の周波数、すなわち通常時のパルス信号P1 と同一周波
数のパルス信号P2 となる。 【0017】一方、CPU7の異常時にはその出力信号
であるパルス信号P1 は多くの場合デューティが100
%になると考えられる。このように、パルス信号P1
デューティが100%になった場合、アンド回路9の一
方の入力端子にはパルス信号P2 が供給されているので
このアンド回路9の出力信号であるパルス信号P3 はパ
ルス信号P2 と一致する。そこで、このときのパルス信
号P2 の周波数が通常時のパルス信号P1 の周波数と一
致するか、若しくはその近傍の周波数になるように抵抗
1 ,R2 の値を決定する。 【0018】かかる本形態における作用をその動作態様
とともにまとめて説明する。先ず、通常時にはオペアン
プ8の出力信号であるパルス信号P2 は“1”の状態が
持続する信号である。したがって、この場合にはパルス
信号P3 とパルス信号P1 が一致し、速度指令値SC
応じたモータ電流Iを流すようIGBT5の導通制御が
行なわれる。 【0019】かかる状態で運転中にCPU7に異常が発
生しパルス信号P1 のデューティが100%になったと
すると、IGBT5もこれに応じて導通状態となり、モ
ータ電流Iが急激に上昇する。この結果、モータ電流I
が上限値Uを通過した時点でパルス信号P2 が立下り、
アンド回路9の出力信号であるパルス信号P3 も立下
る。この結果、IGBT5が遮断され、モータ電流Iが
漸減する。この結果、モータ電流Iが下限値Lを通過し
た時点でパルス信号P2 が再度立上り、アンド回路9の
出力信号であるパルス信号P3 も立上ってIGBT5が
導通される。かくして、再度モータ電流Iが漸増し、以
下同様の動作が一定周期で繰り返される。 【0020】 【発明の効果】以上、実施の形態とともに具体的に説明
したように、本発明によれば、制御手段の異常が発生
し、モータ電流が所定値を超えて増大した場合には、D
Cチョッパ回路のスイッチ手段を制御するパルス信号を
通常時のパルス信号と同様の所定周波数の所定デューテ
ィを有するものとすることができるので、平滑コンデン
サ等、DCチョッパ回路の構成要素を変更することな
く、制御手段の異常時も含め、良好な制御特性を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施の形態をDCチョッパ回路ととも
に示す回路図。 【図2】図1の回路の動作を説明するための波形図。 【図3】従来技術におけるパルス信号の波形を示す波形
図。 【符号の説明】 I DCチョッパ回路 II ヒステリシスコンパレータ 1 バッテリ 4 モータ 5 IGBT 6 電流検出器 7 CPU 8 オペアンプ 9 アンド回路 SC 速度指令値 Iref 制限電流設定値 P1 ,P2 ,P3 パルス信号 I モータ電流 U 上限値 V 下限値 W 幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−241096(JP,A) 特開 平1−202197(JP,A) 特開 平4−285495(JP,A) 特開 平9−131092(JP,A) 特開 平1−174290(JP,A) 特公 昭63−32014(JP,B1) 特公 昭5−6425(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02H 7/085 H02P 7/29

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 DCチョッパ回路のスイッチ手段の導通
    時間を制御手段が送出する所定周波数の第1のパルス信
    号のデューティを変えることにより変化させて制御する
    ように構成したDCチョッパ回路によるモータの制御回
    路において、制限すべきモータ電流の値に対応させて設定した制限電
    流値を基準値とするとともに、 前記制御手段の異常時に
    モータ電流が所定の上限値を通過した時点及び下限値を
    通過した時点でそれぞれ状態が変化する第2のパルス信
    号を送出するヒステリシスコンパレータを有する一方、このヒステリシスコンパレータのヒステリシス特性の幅
    を前記第1のパルス信号の周波数に対応させたものと
    、 さらに前記ヒステリシスコンパレータの出力信号である
    第2のパルス信号と第1のパルス信号とを論理回路を通
    すことによりこの論理回路の出力信号として所定周波数
    の第3のパルス信号を得、 この第3のパルス信号でスイッチ手段の導通制御を行な
    うように構成したことを特徴とするDCチョッパ回路に
    よるモータ制御時の電流制限構造。
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