JP3411672B2 - 野菜及び/又は果物の餡の製造方法 - Google Patents
野菜及び/又は果物の餡の製造方法Info
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Description
も、じゃがいも、里芋、ヤムイモ、クリ、バナナ、アン
ティチョーク等の野菜及び/又は果物の餡の製造方法に
関する。
に水を加えて煮、必要に応じてすり潰したり、裏ごしし
たりした後、砂糖を加えてさらに煮詰めたものである。
一方、近年、食の多様化、グルメ指向などとあいまっ
て、かぼちゃ、さつまいも、バナナ等の野菜や果物の餡
が普及してきている。これらの餡は、野菜や果物の味及
び風味がして、餡の種類を増やすものであった。
煮詰めた後、野菜や果物の乾燥粉末を加えて製造されて
いた。なお、野菜や果物としては、かぼちゃ、さつまい
も、バナナ等の澱粉を多く含むものが好ましく用いられ
ている。また、白餡は、餡の特徴であるころころした物
性をだすために必要なものであり、野菜や果物だけで
は、クリーム状になってしまう。
野菜や果物の餡は、野菜や果物を、必要に応じて加熱処
理し、すり潰してペースト化し、場合によっては増量剤
等を添加して、乾燥した粉末を用いるため、野菜や果物
本来の風味が損なわれ、いわゆる乾燥臭がするという問
題点があった。
野菜や果物の乾燥粉末ではなく、野菜や果物を、必要に
応じて加熱処理し、すり潰しただけであるペーストを用
いる方法が考えられる。
加して煮詰めようとすると、ペースト中の澱粉が糊化し
て粘度が極めて高くなり、攪拌が困難になって焦げつい
てしまうという問題点があった。
ささげ、白いんげん等の澱粉粒子は餡細胞と呼ばれる丈
夫な細胞膜で覆われた細胞中にあって、加熱攪拌しても
溶出しないような性質を有している。このため、煮詰め
ても粘度上昇を起こさず、ころころとした物性の餡の製
造が可能となるのである。ところが、野菜や果物に含ま
れる澱粉は、加熱攪拌すると、容易に溶出して糊化し、
たちまち粘度が上昇してしまうのである。
のペーストを原料として用いても、製造中に撹拌できな
くなって、焦げてしまうという問題がなく、野菜や果物
の本来の風味が良好に維持された餡を提供できるように
した野菜及び/又は果物の餡の製造方法を提供すること
にある。
を達成するため鋭意研究した結果、澱粉を含有する野菜
及び/又は果物のペーストを、澱粉分解酵素で処理した
ものを原料とすることにより、煮詰めるときの粘度上昇
が抑えられ、餡の製造が可能になることを見出し、本発
明を完成させるに至った。
餡の製造方法は、澱粉を含む野菜及び/又は果物のペー
ストを、澱粉分解酵素で処理した後、白餡と、調味料と
を混合すし、煮詰めることを特徴とする。
て詳細に説明する。本発明において、主原料である澱粉
を含有する野菜及び/又は果物は、澱粉を多く含む野菜
及び/又は果物であればよいが、例えば、かぼちゃ、さ
つまいも、じゃがいも、里芋、ヤムイモ、クリ、バナ
ナ、アンティチョーク等が好ましく用いられる。これら
は、生のものを、必要に応じて茹たり、蒸したりした
後、すり潰してペースト状にしたものを用いてもよく、
予めペースト状にして市販されているものを用いてもよ
い。なお、これらは一種類だけを用いて単独の風味の餡
にすることもでき、又、二種類以上を混合して、複合さ
れた風味の餡にすることもできる。
果物中の澱粉を単糖、オリゴ糖、デキストリンなどに分
解して低分子化することができるものであればよく、例
えば精製されたアミラーゼ等を用いることもできるが、
セルラーゼ、ペプチダーゼ等の酵素も含有する粗酵素を
用いてもよい。本発明に使用できる澱粉分解酵素として
は、例えば、「コクラーゼSS」(商品名、三共製薬株
式会社製)、「ビオザイムA」(商品名、天野製薬株式
会社製)等が好ましい。
適pHが5 〜8 の中性付近にあるので、その条件下で野
菜及び/又は果物のペーストに添加し、0.2 〜数時間作
用させることにより、澱粉を分解させる。なお、澱粉分
解酵素の添加量や、酵素反応時間は、餡の原料を混合し
て煮詰めるときに、十分に攪拌できる程度の粘度となる
ように定めることが好ましい。なお、酵素は、必要に応
じて水等に溶解または分散させて添加することもでき
る。
げん等の生餡、又はそれを乾燥した粉末であって、砂糖
を加えてないものを意味する。白餡の添加量は、生餡で
あるか粉末であるかによって異なるが、野菜及び/又は
果物の餡として製造された際に、餡中10〜70重量%とす
るのが好ましい。なお、いわゆる餡細胞は、小豆、白さ
さげ、白いんげん等、通常の餡を製造する豆類にしかな
く、主原料である野菜及び/又は果物にはない。このた
め、餡特有のころころとした物性を出すためには、餡細
胞を有する豆類を添加する必要がある。しかし、例えば
小豆のように色のついたものを添加したのでは、主原料
である野菜及び/又は果物の色を損ねてしまうので、白
餡を添加するのが好ましい。
糖、液糖などの糖類であるが、そのほか、塩、糊料等を
加えることができる。糖類の添加量は、所望の甘さに応
じたものとすればよいが、通常は、できあがった餡の糖
度が40〜60%となるように添加することが好ましい。な
お、本発明の製造方法では、野菜及び/又は果物中の澱
粉を、澱粉分解酵素によって分解して糖分が増加するの
で、その分糖類の添加量を少なくすることができる。ま
た、原料である澱粉を含有する野菜及び/又は果物は一
般的に元来糖度が高いものが多く、したがって、用いる
原料によっては、糖類の添加量はさらに少なくすること
ができる。
した野菜及び/又は果物のペーストに、白餡と、調味料
とを加え、必要に応じて煮詰めるのが好ましい。煮詰め
る時間は、ペーストの水分含量や、加える餡が生餡であ
るか粉末であるか等の条件によって異なるが、餡として
所望の粘度になるまで煮詰めるのが好ましい。
燥臭がなく、増量剤等の悪影響がない、野菜及び/又は
果物の風味を損なわない餡が得られる。
び/又は果物のペースト中の澱粉を澱粉分解酵素で分解
した後、白餡と、調味料とを加えるので、澱粉の糊化に
よる粘度上昇が抑えられ、攪拌しながら煮詰めることが
可能となるので、焦げてしまうことなく、野菜及び/又
は果物の餡を製造することができる。
なく、野菜及び/又は果物のペーストを原料として用い
ることができ、乾燥臭や、粉末の増量剤等の悪影響がな
く、野菜及び/又は果物の本来の風味が維持された餡を
得ることができる。
澱粉を澱粉分解酵素で分解すると、単糖、オリゴ糖など
の糖分が増加するので、砂糖などの糖類の添加量を減ら
すことができる。
が、酵素の使用量は非常に少なくてよいので、それにと
もなうコストの上昇は少なく、それよりむしろ、砂糖な
どの糖類の使用量が少なくてすむこと、及び野菜及び/
又は果物のぺ−ストは粉末より安価であることから、経
済的にも有利である。
天野製薬株式会社)を用い、この酵素0.3 g を水150 mL
に溶解させて酵素液とした後、さつまいもペースト600
g に少量ずつ添加し、混合して混合液を得た。
加熱し、攪拌しながら50℃で60分間保持して、さつまい
もペースト中の澱粉を分解させた。
0 g と、塩少々とを加え、弱火で撹拌しながら煮詰め
て、さつまいも餡990 g を得た。
名、三共製薬株式会社製)を用い、この酵素0.05 gを水
10 mL に溶解させて酵素液とした後、かぼちゃペースト
100 gに、少量ずつ添加し、混合して混合液を得た。
加熱し、攪拌しながら50℃で30分間保持して、かぼちゃ
ペースト中の澱粉を分解させた。
と、塩少々とを加え、弱火で撹拌しながら煮詰めて、か
ぼちゃ餡150 g を得た。
いも餡の製造) 下記表3に示す配合割合で、原料を用意した。
食塩少々とを混合し、弱火で、撹拌しながら煮詰めた
後、さつまいも粉末185 g を添加し、混合して、さつま
いも餡990 g を得た。
素処理を行わないさつまいも餡の製造) 下記表4に示す配合割合で、原料を用意した。
g と、グラニュー糖140 g と、塩少々とを混合し、弱火
で撹拌しながら煮詰めて、さつまいも餡を製造しようと
したところ、加熱中にどんどん粘度が上がり、撹拌が不
可能になり、焦げついて餡にはならなかった。
について、経験豊かな8 人のパネラーに試食させ、その
風味を評価させたところ、以下に示すような評価を得
た。
風味が十分にある餡である。 比較例1:さつまいも味であるが、乾燥臭がし、さつま
いもの風味が少し損なわれている。
糖度は、いずれも45%であったが、使用した砂糖の量
は、実施例1は140 g であり、比較例1は190gであっ
て、実施例1のほうが少ないことがわかる。
素により分解されて、単糖、オリゴ糖などの糖分が増加
したためである。
後の糖度の比較) 実施例2の製造過程において、かぼちゃペーストの酵素
処理前後の水分含量と糖度を測定し、比較した。その結
果を表5に示す。
糖度が高くなることがわかる。
としてビオザイムAを添加割合を変えて添加し、55℃に
保持して、時間の経過に伴う粘度の変化をB型粘度計に
より測定した。その結果を表6に示す。なお、酵素の添
加割合は、さつまいもペーストに対する重量%である。
なお、このさつまいもペーストの水分含量は75重量%で
あり、粘度は20℃にて測定した値である。
の経過に伴ない粘度が下がることが分かる。また、酵素
の添加量はさつまいもペーストに対して0.05重量%でも
十分であることがわかる。
野菜及び/又は果物のペーストを用い、この野菜及び/
又は果物のペースト中の澱粉を、澱粉分解酵素により分
解した後、白餡と、調味料とを加えて餡を製造するの
で、野菜及び/又は果物の粉末を用いて製造した餡のよ
うに乾燥臭がなく、増量剤等の悪影響がなく、風味豊か
な餡を、製造中に撹拌不可能になったり、焦げついたり
することなく製造することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 澱粉を含む野菜及び/又は果物のペース
トを、澱粉分解酵素で処理した後、白餡と、調味料とを
混合し、煮詰めることを特徴とする野菜及び/又は果物
の餡の製造方法。 - 【請求項2】 前記野菜及び/又は果物のペーストが、
かぼちゃ、さつまいも、じゃがいも、里芋、ヤムイモ、
クリ、バナナ、アンティチョークから選ばれる一種又は
二種以上のペーストである請求項1記載の野菜及び/又
は果物の餡の製造方法。 - 【請求項3】 前記白餡の添加量は、野菜及び/又は果
物の餡として製造された際に、餡中10〜70重量%となる
ようにする請求項1又は2記載の野菜及び/又は果物の
餡の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12959994A JP3411672B2 (ja) | 1994-05-19 | 1994-05-19 | 野菜及び/又は果物の餡の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12959994A JP3411672B2 (ja) | 1994-05-19 | 1994-05-19 | 野菜及び/又は果物の餡の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07313088A JPH07313088A (ja) | 1995-12-05 |
JP3411672B2 true JP3411672B2 (ja) | 2003-06-03 |
Family
ID=15013443
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12959994A Expired - Lifetime JP3411672B2 (ja) | 1994-05-19 | 1994-05-19 | 野菜及び/又は果物の餡の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3411672B2 (ja) |
-
1994
- 1994-05-19 JP JP12959994A patent/JP3411672B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07313088A (ja) | 1995-12-05 |
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