JP3409280B2 - 導電性ベルト - Google Patents

導電性ベルト

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JP3409280B2
JP3409280B2 JP35191498A JP35191498A JP3409280B2 JP 3409280 B2 JP3409280 B2 JP 3409280B2 JP 35191498 A JP35191498 A JP 35191498A JP 35191498 A JP35191498 A JP 35191498A JP 3409280 B2 JP3409280 B2 JP 3409280B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】カラー複写機やカラープリン
タ等のカラー画像形成装置、あるいは単色の電子写真式
複写機、レーザープリンタなどの中間転写装置、帯電装
置等に用いられる導電性ベルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】感光ド
ラム等の像担持体上に形成された像を転写材に転写する
中間転写装置として、複数の支持ローラと該ローラに巻
回されて移動する無端の導電性ベルトが用いられてい
る。
【0003】図5に示すように、中間転写装置に用いら
れる導電性ベルト1は、複数の支持ローラ2,2…によ
り駆動回転されつつ、感光ドラム3上に形成されたトナ
ー像が転写(一次転写)された後、導電性ベルト1の移
動と搬送ベルト4から搬送されてくる転写材(通常、
紙)5の移動が同期されて、導電性ベルト1に転写され
たトナー画像が転写材5に転写(二次転写)される。こ
こで、一次転写に際しては、導電性ベルト1を静電転写
器6でトナーと逆に帯電させることにより導電性ベルト
1上に転写している。
【0004】ここで、導電性ベルト1は、一定の張力で
支持ローラ2,2…にかけて張る必要がある。導電性ベ
ルト1が伸びて張力が十分とれない場合、感光体ドラム
3から一次転写されるトナー画像がずれたり、伸びたり
し、また二次転写の際にも搬送ベルト4の同期がずれ
て、転写材5に二次転写される画像がゆがむという問題
が生じるからである。特に、カラープリンタなどでは、
例えば、黄色、赤色、黒色の順でトナー像の一連の一次
転写を行なった後、二次転写されるため、感光ドラム3
及び搬送ベルト4との位置関係が正確でなければ、一次
転写画像において色ずれが生じてしまう。
【0005】また、一次転写に際して、導電性ベルト1
表面が均一的に帯電されていなければ、感光ドラム3か
らの転写に際して、部分的転写不良が起こって、時には
斑点状の白抜けが生じたりすることもある。つまり、導
電性ベルト1全体にわたって転写に必要十分な導電性を
有し、且つ導電性のばらつきが一定範囲以下でなけれ
ば、転写画像の不良原因となる。
【0006】さらに、導電性ベルトは高速で駆動回転さ
れることから、支持ローラ2との接触面が摩耗しやす
い。しかし、ベルト裏面が不均一に摩耗すると、ベルト
回転不良となって画像乱れの原因となることから、支持
ローラ2との接触面(導電性エンドレスベルトの裏面に
該当)に耐摩耗性が要求される。
【0007】さらにまた、中間転写装置において、二次
転写後、導電性ベルトに残存しているトナーによる次の
転写画像の乱れを防止すべく、導電性ベルトに付着して
いるトナーを除去するためのクリーニング手段を備えて
いる場合がある。しかし、クリーニング操作は、通常ベ
ルト表面にブレードを押し当てることによりなされるた
め、ベルト表面の耐摩耗性が要求される。
【0008】従って、このような中間転写装置に用いら
れる導電性ベルトの材料としては、伸びが小さい一方、
引張強度が高く、さらに表面平滑性に優れ、耐摩耗性に
優れ、導電性が均一であることが要求される。
【0009】ここで、従来の転写ベルトとしては、エラ
ストマー又はゴムが用いられていた。一般にエラストマ
ーは、表面平滑性に優れ、耐摩耗性にも優れているが、
引張強度が小さく、張力をかけた状態で高速回転させる
と、亀裂が発生し、ひどい場合には切断されてしまうた
め、エラストマー単独で構成される転写ベルトは、一般
に耐久性に劣るという問題がある。また、一旦伸びた
ら、なかなか回復しないため、画像の乱れは使用年数に
従って大きくなっていく。一方、ゴムは引張強度が高い
が、伸びやすく、伸びに起因する画像乱れが問題となり
やすい。また、一般に樹脂製、エラストマー製ベルトと
比べて、ゴム製ベルトは耐磨耗性に劣っている。
【0010】このようにエラストマー単独、ゴム単独で
構成される転写ベルトの問題点を解決すべく、特開平5
−105259号公報に、表面層が導電性フッ化ビニリ
デン系樹脂、中間層が導電性アクリル系樹脂、及び内層
がポリカーボネート系樹脂の3 層構造の導電性エンドレ
スベルトが提案されている。これは、弾性率が高いが耐
衝撃性に劣っているフッ化ビニリデン単独のベルトの欠
点をアクリル系樹脂及びポリカーボネート樹脂と組合わ
せて用いることにより解消しようとするものである。し
かし、全体としては樹脂製であるため、伸び及び破断強
度とのバランスの点でまだ満足できるレベルとは言え
ず、画像品質保持からみた耐久性の点で満足できるレベ
ルとは言えない。
【0011】また、特開平9−305038号公報に
は、導電性樹脂又はゴムで織布をサンドイッチ構造して
なる転写ベルトが提案されている。ここで、織布として
は、ポリエステル、ポリオレフィン、ナイロン等の熱可
塑性樹脂の織布;カーボン繊維、金属製のメッシュが挙
げられている。このようなベルトは、伸び及び破断強度
とのバランスは確保できるが、製造が面倒であり、製造
コストが高くつくという問題がある。また、織布は織目
やメッシュに基づいて、導電性のばらつきが大きくな
る。特に、織布と樹脂又はゴムとは、粘弾性の指標とな
るtanδが大きく異なっているため、積層構造とする
ことによる左右の張力をばらつきを抑制することが困難
である。
【0012】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、伸びと引張強
度のバランスに優れ、且つ耐磨耗性に優れた耐久性のあ
る導電性ベルトで、しかも導電性のばらつきが小さく良
好な転写画像を提供できる導電性ベルトを提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の導電性ベルト
は、導電性ゴム層に導電性エラストマー層が積層されて
なることを特徴とする。
【0014】前記導電性エラストマー層の体積抵抗率は
1×103 〜1×115Ω・cmであり、前記ゴム層の体
積抵抗率は1×103 〜1×1012Ω・cmであること
が好ましい。
【0015】また、前記ゴム層及び前記エラストマー層
の少なくともいずれか一方の100%モジュラスが85
kg/cm2 以上であることが好ましく、前記エラスト
マー層の圧縮弾性率が30〜150MPaであり、且つ
JIS A硬度が50〜99であることが好ましい。
【0016】さらに、前記導電性ベルトの体積抵抗値R
V の対数の最大値と最小値との差が0.5以下であるこ
とが好ましい。
【0017】本発明の導電性ベルトは、複数の支持ロー
ラで巻回される無端ベルトであって、エラストマー層が
前記支持ローラと接触する側に積層されていてもよい
し、像担持体上に形成された現像像が転写される導電性
ベルトであって、転写される面がエラストマー層で構成
されていてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の導電性ベルトは、特定の
導電性ゴム層と導電性エラストマー層との積層体からな
る。ゴム層とエラストマー層とを組み併せることによ
り、一定張力をかけた状態で使用しても伸びの問題がな
く耐久性を向上せしめることができる。つまり、エラス
トマー層がゴム層の伸びを抑制する働きを有するととも
に、ゴム層が、そのゴム弾性ゆえに張力に対して破断や
ひび割れすることなく、一定の張力を保持し続けること
ができる。
【0019】また、ゴム層、エラストマー層の積層体
は、ゴム又は樹脂と織布との組み合わせより相溶性があ
り、しかもtanδの値も近いので、積層一体化に優
れ、全体としてモジュラスを高くできる。さらに伸びの
違いによる耐久性の点で優れているだけでなく、相溶性
がよく分子構造が近いということは抵抗のばらつきを小
さく抑えることができる。つまり、電圧依存性は分子構
造が密になる程、すなわちゴムよりも樹脂構造に近い程
大きく、高電圧印加時の抵抗はゴムよりもエラストマー
の方が小さくて済む。一体化に優れた積層構造において
抵抗差ができた場合、抵抗値及びそのばらつきが大きな
層(ゴム層)の抵抗及びばらつきを、これらが小さい層
(エラストマー層)が吸収することが可能になるので、
使用時の高圧印加時(500〜2000V印加時)で
は、ゴム層単独よりもエラストマー層との積層構造の方
が抵抗のばらつきを小さくできる。具体的には、ゴム
層、エラストマー層の構成について好ましい態様を選択
することにより、導電性ベルト全体の体積抵抗RV の対
数(logRV )の最大値と最小値との差を0.5以下
とすることができる。
【0020】従って、本発明の導電性ベルトによれば、
画像の質を確保したまま耐久性を確保できるので、特に
高速回転によりシビアな耐久性、画像の品質保持が求め
られるようなカラー複写機等の中間転写装置用の導電性
ベルトとして好適である。
【0021】このような効果を発揮できる導電性ゴム層
及びエラストマー層の具体的構成についてそれぞれ説明
する。
【0022】まず、本発明の導電性ゴム層について説明
する。導電性ゴム層の構成は特に限定しないが、ゴム層
の体積抵抗率(RV )が1×103 〜1×1012Ω・c
mであることが好ましく、100%モジュラスが85k
g/cm2 以上であることが好ましい。
【0023】このような特を満足するためには、具体的
に以下に述べるようなゴム組成物で構成されることが好
ましい。
【0024】用いられるゴムとしては、天然ゴム(N
R)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴ
ム(SBR)、アクリロニトリルーブタジエン共重合体
(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プ
ロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、エピクロロヒ
ドリンゴム(ECO)、シリコーンゴム、フッ素ゴム
(FKM)、ウレタンゴム(UR)、アクリロニトリル
ブタジエン共重合体の水素化物(HNBR)、多硫化ゴ
ム(TR)、スチレンブタジエンゴムの水素化物(HS
BR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ポリノル
ボルネンゴム等を挙げることができる。
【0025】導電性を付与する導電性付与剤としては、
カーボンブラック、金属酸化物、金属粉、グラファイト
等が用いられる。カーボンブラックとしては、チャンネ
ルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック
等が挙げられ、これらのうち、平均粒径18〜120n
m、とりわけ22〜90nmの範囲が好適に用いられ
る。金属酸化物としては、例えば、酸化スズ、酸化チタ
ン(表面が酸化スズで被覆されたものを含む)などが挙
げられる。このような導電性付与剤の配合量は、ゴムロ
ーラの導電性が所望の値となるように調整すればよく、
一般にゴム100重量部に対して5〜300重量部であ
り、好ましくは5〜50重量部である。
【0026】ゴム層を構成するゴム組成物には、ゴム、
導電性付与剤の他、架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助
剤、スコーチ防止剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、充
填剤、補強剤等が必要に応じて配合され得る。
【0027】上記架橋剤としては、粉末硫黄、沈降硫
黄、不溶性硫黄、有機過酸化物等を挙げることができる
が、弾性、モジュラスに優れているという点から、有機
過酸化物を用いることが好ましい。有機過酸化物として
は、具体的にはジクミルパーオキサイド、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,5−トリメチルシクロ
ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
パーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド
等が例示され、これらの中でも汎用性の高いのはジクミ
ルパーオキサイドである。このような有機過酸化物は、
アクリル酸やメタクリル酸の亜鉛又はマグネシウム塩等
のα,β−不飽和カルボン酸の金属塩との組合わせで用
いることが好ましい。
【0028】ゴム組成物には更に補強剤を配合すること
が好ましく、代表的な補強剤としては、カーボンブラッ
クが挙げられる。しかし、カーボンブラックは導電性付
与剤としても作用し、その配合量が導電性ベルトの体積
抵抗率の値に影響を及ぼすので、補強剤として配合する
場合は、その配合量に注意する必要がある。
【0029】他の充填剤としては、炭酸カルシウム、ク
レー、硫酸バリウム、ケイ藻土などが挙げられ、これら
のうち、1種又は2種以上を用いることができる。
【0030】次に、導電性ベルトを構成する導電性エラ
ストマー層について説明する。導電性エラストマー層の
構成は特に限定しないが、その圧縮弾性率が30〜15
0MPaであることが好ましく、より好ましくは40〜
100MPa、さらに好ましくは50〜80MPaであ
る。また、JIS A硬度は50〜99であることが好
ましく、より好ましくは70〜96であり、更に好まし
くは80〜90である。エラストマー層が上記範囲の硬
度、圧縮弾性率を有することにより、所望の耐磨耗性を
満足でき、また、ゴム層との組合わせにおいて伸びを抑
制する耐久性を発揮し得るからである。また、体積抵抗
値(RV )が1×103 〜1×1012Ωcmであること
が好ましい。さらにまた、100%モジュラスが85k
g/cm2 以上であることが好ましい。
【0031】このような特を満足するためには、具体的
に以下に述べるようなエラストマー組成物で構成される
ことが好ましい。
【0032】用いられる熱可塑性エラストマーは、常温
で加硫ゴムと同様なゴム弾性を持ち、高温に加熱すると
溶融可塑化される熱可塑性エラストマーであれば、その
種類は特に限定しない。従って、その分子構造として
は、トリブロック共重合体であっても、星型やマルチ型
のブロック共重合体であっても、グラフト共重合体、イ
オン架橋共重合体などいずれであってもよい。また、ブ
レンド型やアロイ型であってもよい。具体的には、ハー
ドセグメントがポリスチレン(ポリスチレン系エラスト
マー)、ポリオレフィン(ポリオレフィン系エラストマ
ー)、ポリウレタン(ポリウレタン系エラストマー)、
ポリエステル(ポリエステル系エラストマー)、ポリア
ミド(ポリアミド系エラストマー)などが挙げられ、こ
れらの内、一種又は2 種以上を混合して用いることがで
きる。
【0033】導電性付与剤としては、上記ゴム層を構成
するゴム組成物に配合し得る導電性付与剤を用いること
ができる。すなわち、カーボンブラック、金属酸化物、
金属粉、グラファイト等が用いられる。カーボンブラッ
クとしては、チャンネルブラック、ファーネスブラッ
ク、アセチレンブラック等が挙げられ、これらのうち、
平均粒径18〜120nm、とりわけ22〜90nmの
範囲が好適に用いられる。金属酸化物としては、例え
ば、酸化スズ、酸化チタン(表面が酸化スズで被覆され
たものを含む)などが挙げられる。
【0034】可塑剤は、ベルト表面にブルームしてくる
と、感光体ドラム汚染の原因となるので、配合しないこ
とが好ましい。
【0035】本発明の導電性ベルトは、以上のような構
成を有するゴム層とエラストマー層とが積層したもので
あり、その積層形態としては、図1(a)に示すように
ゴム層とエラストマー層を一層づつの積層体、図1
(b)に示すようにゴム層をエラストマー層でサンドイ
ッチしてなる積層体、図1(c)に示すようにエラスト
マー層をゴム層でサンドイッチしてなる積層体したもの
が挙げられる。これらのうち、導電性ゴムに求められる
用途に応じてその積層形態を選択すればよい。
【0036】エラストマー層は、表面が平滑で、耐摩耗
性に優れる層である。従って、耐摩耗性が要求される側
がエラストマー層となるように導電性ベルトを構成する
必要がある。例えば図1(a)の積層構造の場合には、
一般に耐磨耗性が要求される支持ローラ側がエラストマ
ー層となるように、つまりエンドレスベルトの裏面を構
成するようにする。またスクリーニング手段が備えられ
ているタイプに適応する場合には、ベルトの両面をエラ
ストマー層で構成できるように、図1(b)に示す積層
構造を用いることが好ましい。また、図1(c)の場合
であっても、エラストマー層の介在により、ゴム層の伸
びを抑制して耐久性を向上させるとともに、ゴムに織布
を挟んでなる従来のベルトと比べて本発明のベルトの方
が抵抗のばらつきが小さくて済む。抵抗のばらつきが小
さくて済むということは、結局、転写画像乱れが少な
く、高品質画像を得ることができる。
【0037】ゴム層の厚みとエラストマー層との厚みの
比率(ゴム層:エラストマー層)は、10:1〜10:
3であることが好ましい。ゴム層の割合が大きくなりす
ぎると、伸びが大きくなり、エラストマー層の割合が大
きくなりすぎると強度が不足し、また高価になってしま
うからである。
【0038】このような導電性ベルトは、まずゴム層を
形成した後、エラストマー層を形成しても良いし、エラ
ストマー層を形成した後、ゴム層を形成してもよい。前
者の場合、まずゴム組成物を押し出し成形又はインジェ
クション成形した後加硫、あるいはプレス成形によりゴ
ム層を形成した後、ゴム層表面を研磨し、その後に熱可
塑性エラストマー組成物を流延して硬化、あるいは熱可
塑性エラストマー組成物をプレス成形して、積層構造を
形成する。後者の場合、先ずエラストマー組成物を押し
出し成形又はインジェクション成形によりエラストマー
層を形成した後、エラストマー層表面にゴム組成物を押
し出し又はインジェクション成形して積層した後、加硫
してゴム層を形成すればよい。また、ベルト表面には、
適宜コーティングしてもよい。
【0039】
【実施例】〔測定方法〕まず始めに、下記製造例で用い
た測定、評価方法について説明する。
【0040】a)体積抵抗率RV (Ω・cm) 日本ゴム協会標準規格SRIS2304「ゴム及びゴム
状類似物の体積抵抗率試験方法」に準じて行なった。す
なわち、図2に示すように試料片11をリング状電極1
2a,12bで挟持し、試料片11の表面をアースする
とともに、表面及び裏面の電極を夫々+極、−極に接続
する。このような状態で厚み方向の電流値(A)を測定
し、測定電流値に基づいてオームの法則により電気抵抗
R(Ω)を算出し、さらに対数LogRV を求めて、単
位厚み当たりの抵抗率とした。
【0041】b)表面抵抗率RS (Ω・cm) 図3に示すように試料片13をリング状電極14a,1
4bで挟持し、試料片13の裏面をアースすると共に、
試料片13表面の中央部及び端部の電極を夫々+極及び
−極に接続した。このような状態で電流値を測定し、体
積抵抗の場合と同様にして、単位厚み当たりの抵抗率
(logRS )を求めた。
【0042】c)抵抗のばらつき 図4に示すように、作成したベルト15を、ローラ1
6,16に装着するとともに、ベルト15の中央部を挟
持するように電極17を取り付けて、ベルトが1回転す
る間の電流値を測定することにより体積抵抗RV の変化
を調べた。体積抵抗RV の対数の最大値と最小値の差を
XlogYとし、このときのXの値が0.5以下であれ
ばばらつきが小さいと言える。
【0043】d)強度 引張強度(MPa)及び破断伸び(%)により評価し
た。JIS K6301に規定する引張試験に準拠して
測定した。すなわち、ダンベル状試験片の両端を引張
り、破断時の引張り応力(MPa)及び破断伸び(%)
を求めた。
【0044】e)永久伸び(%) JIS K6301に規定する永久伸び試験に準拠して
測定した。
【0045】f)耐摩耗性 JIS K7204に準じて摩耗量(mg)を測定し
た。
【0046】g)表面粗さ(Rz) 比較例のベルトについては表裏の区別がないので、いず
れの面を測定してもよい。実施例のベルトについては、
エラストマー層の表面粗さを測定した。
【0047】ここでいう表面粗度(Rz)は、JIS
B601に規定する十点平均粗さをいい、(株)東京精
密製の表面粗さ形状測定機サーフコム570Aを用い
て、測定速度0.3mm/sec、カットオフ0.8m
m、針先先端5μm、荷重0.07g、測定長さ2.5
mmの条件で測定した。
【0048】h)耐久性 200mm幅のシームレスベルトを、両ロール径25m
m、ロール速度100mm/秒、ベルト全幅に対するベ
ルト張力2kg、25℃、55%の条件でセットし、1
0万回転させた後、永久伸び試験を行って、永久伸び
(%)を調べた。永久伸びが少ない程、耐久性が優れて
いる。
【0049】i)圧縮弾性率 JIS K6301に準拠して測定した。
【0050】j)JIS A硬度 JIS K6301の5.2スプリング硬さ試験に基づ
いてJIS A型試験基で測定する。
【0051】〔導電性ベルトの作成〕 実施例1〜3; 表1に示すような配合組成を有するゴム組成物A又はゴ
ム組成物Bを押し出し成形後、加硫してゴム層を構成し
た。
【0052】
【表1】
【0053】上記で形成したゴム層表面を研磨して平滑
化した後、ゴム層表面に表2に示すような組成を有する
エラストマー組成物を押し出し成形して、エラストマー
層を積層形成した。尚、エラストマー組成物Cに用いた
エラストマーは、市販品である。
【0054】
【表2】
【0055】表3に示すようにゴム層、エラストマー層
を組合わせ、エラストマー層が裏面となる導電性ベルト
を作製し、上記評価方法に基づいて評価した。結果を表
3に示す。
【0056】比較例1;表1に示すゴム組成物Bを用い
てゴム層単独からなる導電性ベルトを作製し、上記評価
方法に基づいて評価した。結果を表3に示す。
【0057】比較例2;ウレタンゴムでポリエステル織
布を挟持してサンドイッチ構造の導電性ベルトを作製
し、上記方法に基づいて評価した。結果を表3に示す。
【0058】
【表3】
【0059】表3からわかるように、実施例のベルトと
比較例のベルトについて、抵抗値が同程度であっても、
抵抗のばらつきが実施例の方が小さい。また表面平滑性
は、エラストマー層が優れていることから、抵抗値のば
らつきの小さいことと相まって、エラストマー層を転写
面とすることにより、高品質の転写画像を得ることがで
きる。
【0060】また本発明実施例の耐久性は、ゴムと織布
の組合わせでなる比較例2と同程度であるが、エラスト
マー層をポリエステル系エラストマーで構成することに
より、耐磨耗性が比較例2よりも優れたものとすること
ができる。一方、オレフィン系、ポリスチレン系エラス
トマーで構成することにより、耐磨耗性は若干劣るが、
ゴムと織布の組合わせよりも10万回転後の伸びを小さ
くできるので(実施例2,3)、耐磨耗性の要求が厳し
くない条件、態様で使用される導電性ベルトに好まし
い。
【0061】
【発明の効果】本発明の導電性ベルトは、エラストマー
層とゴム層との組合わせからなるので、ゴムによる伸び
を抑えて長期にわたって一定張力の駆動回転が達成され
るとともに、導電性のばらつきが少なく、高品質の画像
を長期にわたって提供しつづけることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性ベルトの実施形態の構成を示す
模式図である。
【図2】体積抵抗の測定方法を説明するための図であ
る。
【図3】表面抵抗の測定方法を説明するための図であ
る。
【図4】抵抗のばらつきの測定方法を説明するための図
である。
【図5】導電性ベルトの使用例である電子写真複写機の
中間転写装置を説明するための図である。
【符号の説明】
1 導電性ベルト 2 支持ローラ 3 感光ドラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−228156(JP,A) 特開 平10−175264(JP,A) 特開 平10−211681(JP,A) 特開 昭62−203169(JP,A) 特開 平7−54836(JP,A) 特開 平5−170935(JP,A) 特開 平11−100549(JP,A) 実開 平3−1114(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 G03G 15/00 - 15/36

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体上に形成された現像像が転写さ
    れる導電性ベルトであって、 前記導電性ベルトは、 導電性ゴム層に導電性熱可塑性エ
    ラストマー層が積層されており、 前記エラストマー層は、その体積抵抗率が1×103
    1×1012Ω・cmでありその圧縮弾性率が30〜1
    50MPaであり、且つJIS A硬度が50〜99
    あることを特徴とする導電性ベルト。
  2. 【請求項2】 前記ゴム層の体積抵抗率は1×103
    1×1012Ω・cmである請求項1に記載の導電性ベル
    ト。
  3. 【請求項3】 前記ゴム層及び前記エラストマー層の少
    なくともいずれか一方の100%モジュラスが85kg
    /cm2 以上である請求項1又は2に記載の導電性ベル
    ト。
  4. 【請求項4】 前記導電性ベルトの体積抵抗値Rvの対
    数の最大値と最小値との差が0.5以下である請求項1
    のいずれかに記載の導電性ベルト。
  5. 【請求項5】 複数の支持ローラで巻回される無端ベル
    トであって、前記エラストマー層が前記支持ローラと接
    触する側に積層されている請求項1〜のいずれかに記
    載の導電性ベルト。
  6. 【請求項6】 像担持体上に形成された現像像が転写さ
    れる導電性ベルトであって、 転写される面が前記エラストマー層で構成されている請
    求項1〜のいずれかに記載の導電性ベルト。
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