JP3409197B2 - 加速度計 - Google Patents

加速度計

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JP3409197B2
JP3409197B2 JP29729694A JP29729694A JP3409197B2 JP 3409197 B2 JP3409197 B2 JP 3409197B2 JP 29729694 A JP29729694 A JP 29729694A JP 29729694 A JP29729694 A JP 29729694A JP 3409197 B2 JP3409197 B2 JP 3409197B2
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accelerometer
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加速度計、特にサーボ
加速度計に関する。
【0002】
【従来の技術】図8及び図9に従来の加速度計の例を示
す。加速度計は、第1の基台又はフレーム10と、係合
部12eにて第1のフレーム10に装着された第2の基
台又はフレーム12と、第1のフレーム10の取り付け
部10aに押さえ板18を介して適当な締結具例えばね
じ等によって取り付けられた撓み継ぎ手20と、斯かる
撓み継ぎ手20の他端に装着された棒状の振り子30
と、斯かる振り子30に装着された円筒状の1対のトル
カコイル34A、34Bと、斯かるトルカコイル34
A、34Bより隔置されて各フレーム10、12に装着
された円板状の1対の永久磁石36A、36B及び円筒
状の1対のポールピース38A、38Bと、振り子30
の先端部にてそれより隔置された発光素子40A及び受
光素子40Bとからなる変位検出装置とを有し、更に変
位検出装置の上側には図示しない1対のストッパが配置
されている。斯かるストッパは、過大な振動や衝撃に対
して撓み継ぎ手20を保護し、加速度計の性能劣化を防
止するものである。
【0003】第1のフレーム10のフランジ部10bに
は基準面10cが設けられており、また図9に示す如く
孔10dが形成されている。斯かる基準面10cを被測
定物体の対応する基準面に装着し、孔10dに適当な締
結具例えばねじを挿入することによって、加速度計は被
測定物体に装着固定される。
【0004】第1のフレーム10のフランジ部10bに
は円筒状の端子ケース44が装着され、斯かる端子ケー
ス44には外部端子50A、50Bが取り付けられ、端
子ケース44に形成された開口部44aは蓋54によっ
て閉鎖されるように構成されている。
【0005】こうして加速度計の内部は密閉構造となっ
ており、従って、その内部の構成部を組み立てた後、開
口部44aを介して電気的な結線をなし、内部を真空に
し又は不活性ガスにて充填し、蓋54によって斯かる開
口部44aを閉鎖することによって、構成部品の品質を
長期に亘って保持し、加速度計の寿命を長くすることが
できる。
【0006】振り子30と振り子30に装着されたトル
カコイル34A、34Bと撓み継ぎ手20とは第1のフ
レーム10の取り付け部10aにて片持ち支持されてお
り、撓み継ぎ手20には適当な撓み部20aが形成さ
れ、それによって振り子30は斯かる撓み部20aを通
る回転軸線O−O周りに揺動することができる。撓み部
20aは、例えば図9に示すように、撓み継ぎ手20に
矩形の孔20eを形成しその両側の2本の支柱部に薄肉
部を形成するように構成してよい。
【0007】第1のフレーム10は電磁軟鉄よりなり、
第1のポールピース38Aから第1の永久磁石36Aを
介して第1のフレーム10まで磁気回路を形成するべく
ヨーク(リターンパス)として機能し、これらは第1の
トルカコイル34Aと共働して第1のトルカを提供す
る。第2のフレーム12は電磁軟鉄よりなり、第2のポ
ールピース38Bから第2の永久磁石36Bを介して第
2のフレーム12まで磁気回路を形成するべくヨーク
(リターンパス)として機能し、これらは第2のトルカ
コイル34Bと共働して第2のトルカを提供する。
【0008】ここで、図示のように、静止状態に於ける
振り子30の中心軸線に沿った方向をZ軸とし、Z軸に
垂直な方向即ち加速度計の中心軸線X−Xに沿った方向
をX軸とし、X軸及びZ軸の双方に直交する方向をY軸
とする。
【0009】円筒状のトルカコイル34A、34Bはそ
の中心軸線が加速度計の中心軸線X−Xと整合するよう
に振り子30に装着され、円筒状のポールピース38
A、38Bはその内部に配置されている。
【0010】加速度計の中心軸線X−Xに沿って加速度
が作用すると、振り子30は撓み部20aを通る回転軸
線O−O周りに回転し、その先端部は微小変位する。そ
れによって、発光素子40Aによって発光され受光素子
40Bによって受光される光量が変化し、振り子30の
先端の微小変位が検出される。
【0011】こうして変位検出装置によって検出された
微小変位を指示する信号は、トルカコイル34A、34
Bにフィードバックされ、微小変位が零になるようにト
ルカコイル34A、34Bに流れる電流が制御される。
斯かる電流即ち拘束電流は入力加速度に比例しているか
ら、この拘束電流を検出することによって入力加速度を
計測することができる。
【0012】図10及び図11を参照して振り子30の
高域共振について説明する。図10は従来の加速度計の
周波数特性を示し、縦軸は加速度計のゲインG、横軸は
周波数fである。図示のように、この形式の加速度計で
は、高い周波数領域にて共振特性を有する。これを、高
域共振という。
【0013】図11は従来の加速度計の振り子30の部
分を示す。振り子30に外力が作用すると図11Aに示
すように、撓み部20aが回転軸線O−Oに沿って折れ
曲がり、振り子30は回転軸線O−O周りに回転変位す
る。これは、質点とばねからなる振動系とみなせる。
【0014】しかしながら、撓み部20aは薄い板状に
形成されているため、湾曲し易く、実際には図11Bに
示すように、撓み部20aはS字状に湾曲して変形し、
振り子30は重心Gを通る軸線周りに回転変位する。
【0015】こうして、加速度計にX軸方向の即ち加速
度検出方向の加速度が働くと、振り子30は、図11C
に示すように、撓み部20aの折れ曲がりとS字状の湾
曲の両者によって変位する。高域共振は振り子30の重
心Gを通る軸線周りの回転振動に起因すると考えられて
いる。
【0016】従来の加速度計では、変位検出装置は振り
子30の先端部に隣接して配置されており、斯かる変位
検出装置によって振り子30の先端部の変位が検出され
ていた。振り子30の先端部の変位x3 は、図11Aに
示す如き撓み部20aの折り曲がりによる変位x1 と図
11Bに示す如き撓み部20aの湾曲による変位x2
を含む。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】加速度計は、図10の
周波数特性曲線にて、加速度計のゲインGが一定である
周波数領域にて使用される。しかしながら、従来の加速
度計では、高域共振の影響によって周波数が高い領域で
は使用が困難であった。
【0018】また、大きな入力加速度に対して振り子3
0がストッパに接触しないようにするためには、サーボ
系のゲインを大きくする必要がある。即ち、入力加速度
の大きさ(ダイナミックレンジ)を広い範囲にて可能と
するためには、高い周波数領域までカバーしたサーボ系
を構成することが必要である。
【0019】本発明は、斯かる点に鑑み、撓み継ぎ手2
0によって支持された振り子30を有する加速度計にお
いて、高い周波数特性を有し且つ高い精度にて加速度を
計測することができる加速度計を提供することを目的と
する。
【0020】更に、本発明は、撓み継ぎ手20によって
支持された振り子30を有する加速度計において、入力
加速度の広い範囲(ダイナミックレンジの広い範囲)に
わたって高い精度にて加速度を計測することができる加
速度計を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明によると、基台1
0、12と、第1の端部が上記基台に装着された可撓継
手20と、上記可撓継手の第2の端部に取り付けられた
質量m、かつ、振り子の回転軸に平行な振り子重心G軸
周りの慣性モーメントl、かつ、上記重心Gから上記可
撓継手の第2の端部までの距離がLB である振り子30
と、上記振り子30に入力された加速度に比例したトル
クを発生するトルカ34A、34B、36A、36B、
38A、38Bと、上記基台と上記振り子との間の相対
変位の検出位置Pが上記振り子の重心位置Gから振り子
の支点とは反対方向側に距離LAだけ離れている変位検
出装置40A、40Bと、を有する加速度計において、 l=m・LA ・LB となるように構成されている。
【0022】本発明によると、加速度計において、基台
10、12と、第1の端部が上記基台に装着された可撓
継手20と、上記可撓継手の第2の端部に取り付けられ
た質量m0 、かつ、振り子の回転軸に平行な振り子重心
0 軸周りの慣性モーメントl0 、かつ、上記重心Go
から上記可撓継手の第2の端部までの距離がLB0である
振り子30と、上記振り子30に入力された加速度に比
例したトルクを発生するトルカ34A、34B、36
A、36B、38A、38Bと、上記基台と上記振り子
との間の相対変位の検出位置POが上記振り子の重心位
置G0 から振り子の支点とは反対方向側に距離LA0だけ
離れている変位検出装置40A、40B、とを有する加
速度計において、振り子にバランスウエイトを付加し、
質量m0 をm′、重心位置G0 をG′、慣性モーメント
0 をl′、LB0をLB ′,LA0をLA ′に調整するこ
とにより l′=m′・LA ′・LB ′ となるように調整されている。
【0023】本発明によると、基台10、12と、第1
の端部が上記基台に装着された可撓継手20と、上記可
撓継手の第2の端部に取り付けられた質量m0 、かつ、
振り子の回転軸に平行な振り子重心G0 軸周りの慣性モ
ーメントl0 、かつ、上記重心Goから上記可撓継手の
第2の端部までの距離がLB0である振り子30と、上記
振り子30に入力された加速度に比例したトルクを発生
するトルカ34A、34B、36A、36B、38A、
38Bと、上記基台と上記振り子との間の相対変位の検
出位置POが上記振り子の重心位置G0 から振り子の支
点とは反対方向側に距離LA0だけ離れている変位検出装
置40A、40Bとを有する加速度計において、振り子
の変位検出装置の位置LA0をLA ′に調整することによ
り l0 =m0 ・LA ′・LB0 となるように調整されている。
【0024】
【作用】変位検出装置40A、40Bは振り子30の高
域共振が極小となる点の変位を検出するように構成され
ている。特に、数15の式を満たすとき、加速度計の周
波数特性において、高域共振の影響を除去することがで
きる。
【0025】加速度計の周波数特性より高域共振の影響
を除去することによって、広い周波数領域にて高い精度
にて加速度を検出することができる。
【0026】加速度計の高域共振の影響を除去すること
によって、サーボ系のゲインを大きくすることができ、
それによって振り子30の変位がストッパの間の範囲以
内になるので、大きな入力加速度を高い精度にて検出す
ることができる。
【0027】
【実施例】図1を参照して先ず本発明の概念について説
明する。上述の如き高域共振についてより詳細に考察す
る。図示のように、静止状態に於ける振り子30の中心
軸線に沿ってZ軸をとり、撓み継ぎ手20が湾曲して振
り子30がZ軸に対して角度θだけ傾斜しているものと
する。尚、実際の振り子30の変位量は微小だが図では
誇張して描いている。
【0028】振り子30の重心をG、振り子30の下端
Bから重心Gまでの距離をLB とする。変位検出装置は
振り子30の位置検出点Pの変位を検出する。重心Gか
ら斯かる位置検出点Pまでの距離をLA とする。トルカ
による復元力FT の作用点をQとし、重心Gから斯かる
作用点Qまでの距離をLとする。
【0029】振り子30の下端B、重心G、位置検出点
PのZ軸からの距離をそれぞれ、x H 、xG 、xP とす
る。基準面10Cに対するZ軸の距離をXとし、重心G
までの距離をXG とする。重心Gの位置XG 及び位置検
出点PのZ軸からの距離xPは次の式によって表され
る。
【0030】
【数1】XG =X+xG =X+xH +LB θ xP =xH +(LA +LB )θ
【0031】撓み継ぎ手20の復元力をFH とし、斯か
る復元力FH は振り子30の下端Bに作用するものとす
る。振り子30の下端BのZ軸方向の距離をLH とす
る。撓み継ぎ手20の復元モーメントをMH とする。
【0032】振り子30の運動方程式は次のようにな
る。尚、微分はラプラス演算子Sによって表す。
【0033】
【数2】m・XG 2 =−FH −FT −MH /LB
【0034】重心Gの回りのモーメントの釣り合いより
次の式が得られる。
【0035】
【数3】I・θS2 =FH B −FT L−MH
【0036】撓み継ぎ手20の復元力FH と復元モーメ
ントMH は次の式によって表される。
【0037】
【数4】FH =KFM・θ+KF ・xHH =KM ・θ+KFM・xH
【0038】ここに、KF 、KM 、KFMは定数である。
【0039】図2にサーボ加速度計の加速度検出ブロッ
ク図を示す。このブロック図は機械系とサーボ系を含
む。斯かる加速度計は図8及び図9に示した形式の加速
度計であってよい。
【0040】図において加算点101、102は数2の
式及び数1の第1式に対応し、加算点103は数1の第
2式に対応し、加算点104及び105は数4の式に対
応し、加算点106及び107は数3の式に対応する。
変位検出装置によって振り子30の検出点Pにおける変
位xP は加算点103より得られる。サーボアンプは斯
かる変位xP を入力とし電流信号iを出力する。
【0041】
【数5】i=KPU・Ka ・Ga (S)・xP
【0042】ここに、KPUは変位検出装置のゲイン定
数、Ka はサーボアンプのゲイン定数、Ga (S)はサ
ーボアンプの補償特性、である。
【0043】斯かる電流信号iはトルカにフィードバッ
クされる。トルカによって振り子30に付与される力F
T は斯かる電流信号iに比例する。
【0044】
【数6】FT =KT ・i
【0045】KT はトルカ定数である。加算点101に
て力FT が逆極性にて加算される。一方、変位検出装置
からの電流信号iは読み取り抵抗器を介して電圧信号E
0 に変換される。読み取り抵抗器の抵抗値をR0 とする
と、電圧信号E0 は次のように表される。
【0046】
【数7】E0 =R0 ・i
【0047】数1の式〜数7の式より、基準面10cに
対する重心Gの位置XG 、振り子30の傾斜角θ、Z軸
からの変位検出点Pの位置xP 、電圧信号E0 は次のよ
うに表される。
【0048】
【数8】XG =G3 (S)G-1(S)・mα θ=−G4 (S)G-1(S)・mα xP =〔G3 (S)−(LA +LB )G4 (S)〕G-1
(S)・mα E0 =R0 ・KPU・Ka ・Ga (S)・xP α=−d2 X/dt2
【0049】ここで、mは振り子30の質量、αは入力
加速度、G-1(S)、G3 (S)、G4 (S)等は次の
式によって表される。
【0050】
【数9】G-1(S)=〔G1 (S)G3 (S)−G
2 (S)G4 (S)〕-11 (S)=mS2 +KF +KFM/LB +KT PUa
a (S) G2 (S)=mLB 2 +KFM+KM /LB +(LA
B )KT PUa a(S) G3 (S)=IS2 +KM −KFMB +L(LA
B )KT PUa a (S) G4 (S)=KFM−KF B +LKT PUa
a (S)
【0051】以上の式はクローズドループとした場合、
即ち、サーボ加速度計に関して導いた。ここで、議論を
簡単化するためにサーボ加速度計のサーボ系を遮断し、
サーボアンプのゲインKa をKa =0とする。高域共振
そのものはオープンループとしてもクローズドループと
しても同様に発生するからである。Ka =0を数8の式
及び数9の式に代入して変位検出点Pにおける振り子3
0の変位xP と入力加速度αの比を求める。
【0052】
【数10】 xP /α=(S2 +C)/(S4 +AS2 +B)
【0053】ここで、A、B、Cは次の式によって表さ
れる。
【0054】
【数11】A=〔m(KF B 2 +KM −2KFMB
+I(KF +KFM/LB )〕/mI B=2(KF M −KFM 2 )/mI C=〔KF B (LA +LB )+KM −KFM(LA +2
B )〕/I
【0055】数11の式の微小項を省略すると、次の式
が得られる。
【0056】
【数12】A≒KF (I+mLB 2 )/mI B=2(KF M −KFM 2 )/mI C≒KF B (LA +LB )/I
【0057】数10の式は一般に次のように表される。
【0058】
【数13】xP /α=(S2 +C)/〔(S2 +D)
(S2 +E)〕
【0059】ここで、B=DE、A=D+Eである。
【0060】数13の式を図3Aに示す。この式の右辺
の1/(S2 +D)は図11Aに示した如き、質点とば
ねからなる振動系の共振を表す。(S2 +C)/(S2
+E)は図11Bに示した如き、高域共振を表す。
【0061】数12の式を数10の式に代入し、数13
の式に変形する。数13の式のD、Eは次のようにな
る。
【0062】
【数14】 D=2(KF M −KFM 2 )/KF (I+mLB 2 ) E=KF (I+mLB 2 )/mI
【0063】尚、2(KF M −KFM 2 )/mI≪
〔(I+mLB 2 )/mI〕2 を使用した。
【0064】上述のように(S2 +C)/(S2 +E)
は高域共振を表す。従って、C=Eであれば、(S2
C)/(S2 +E)=1となり、数13の式より高域共
振の部分が除去される。C=Eとなるためには次の式が
成立すればよい。
【0065】
【数15】I=mLA B
【0066】ここに、Iは振り子30の慣性モーメン
ト、mは振り子30の質量、LA は振り子30の重心G
から検出点Pまでの距離、LB は振り子30の重心Gか
ら可撓継手の一端Bまでの距離である。このとき、数1
3の式は次のようになる。
【0067】
【数16】xP /α=〔S2 +2(KF M −KFM 2
/KF (I+mLB 2 )〕-1
【0068】図3Bに数16の式のグラフを示す。図3
Aと図3Bを比較すると明らかなように、高域共振の影
響による部分が除去されていることがわかる。以上はオ
ープンループとした場合のサーボ加速度計について説明
した。従って、数9の式にてKa =0とした。
【0069】次にクローズドループとした場合の加速度
計、即ち、サーボ加速度計について考える。サーボ加速
度計は図8及び図9を参照して説明したように、振り子
30が変位すると斯かる変位がゼロとなるようにトルカ
に電流がフィードバックされる。振り子30は斯かるト
ルカより力FT 及びそれによるモーメントFT Lを受け
る。
【0070】クローズドループとしたサーボ加速度計で
は、Ka ≠0である。従って、数9の式でサーボアンプ
の補償特性Ga (S)を設定する必要がある。サーボ系
をPID型制御(比例+微分+積分)とする。数15の
式を充たすものとして、変位検出点Pにおける振り子3
0の変位xP に関する周波数特性xP /αを計算する。
この計算では、近似式ではなく数8の式のxP と数9の
式を用いた。
【0071】図4Aはサーボ加速度計において数15の
式を充たす場合の周波数特性xP /αを示し、図4Bは
サーボ加速度計において数15の式を充たさない場合の
周波数特性xP /αを示す。図4Aと図4Bを比較する
と明らかなように、クローズドループとしたサーボ加速
度計においても、数15の式の条件を充たす場合には、
トルカ作用点Qまでの距離Lに依らず、高域共振の影響
を除去することができる。従って、トルカからの力FT
の作用点Qが何処であっても、数15の式を満たしてい
れば、高域共振の影響を除去することができる。
【0072】図5は、クローズドループ型の加速度計に
おいて数15の式の条件を充たす場合に、加速度計の電
圧出力E0 を示す。加速度計の電圧出力E0 も高域共振
の影響が除去されている。
【0073】図6及び図7を参照して本発明による加速
度計の例を示す。本例の加速度計は加速度計の中心軸線
X−Xに整合して配置されたトルカフレーム80を有し
ており、図7に明瞭に示されているように、トルカフレ
ーム80は円筒形状のボビン部80aと斯かるトルカフ
レーム80の内部にてY軸と平行に延在するブリッジ部
80bとを有し、ブリッジ部80bにはブリッジ部80
bの軸線に沿って延在する貫通孔80cが形成されてい
る。
【0074】図6に明瞭に示されているように、ボビン
部80aの外周面にはトルカコイル34A、34Bが装
着されており、ブリッジ部80bの貫通孔80cの中に
は、屈折率分布型ロッドレンズ84(以下GIレンズと
称する。)が配置されている。図7に明瞭に示されてい
るように、GIレンズ84の両側には、変位検出装置4
0A、40Bが配置されており、斯かる位置検出装置は
例えば発光素子40A及び受光素子40Bとからなる光
学式の変位検出装置であってよい。尚、本例によると、
変位検出装置40A、40Bの上側に図示しない一対の
ストッパが設けられてよく、それによって振り子30の
過大な振動や変位が防止され、撓み継ぎ手20が保護さ
れる。
【0075】トルカフレーム80のブリッジ部80b
は、撓み継ぎ手20の上端部即ち装着部20dに取り付
けられており、こうしてトルカフレーム80とトルカコ
イル34A、34Bと撓み継ぎ手20とは一体的な構造
として構成される。即ち、撓み継ぎ手20の装着部20
dとトルカフレーム80とトルカコイル34A、34B
とは回転軸線O−O周りに回転可能な振り子30を構成
している。
【0076】本例によると、斯かる振り子30にはバラ
ンスウェイト90が装着されている。撓み継ぎ手20の
撓み部20aが軸線O−Oに沿って変形することによっ
て、振り子30及びバランスウェイト90は回転軸線O
−O周りに回転変位する。バランスウェイト90は振り
子30の適当な位置に装着されてよく、例えば、図示の
ように、撓み継ぎ手20の装着部20dの下端部に装着
されてよい。
【0077】この例は数15の式の条件を満たすように
構成されている。数15の式の条件を満たすために、バ
ランスウェイト90と変位検出装置40A、40Bの一
方が調整されてよいが、好ましくはその両者が調整され
る。バランスウェイト90の調節は装着位置の調節と質
量の調節の両者を含み、それによって振り子30の慣性
モーメントIと質量mと振り子30の下端Bから重心G
までの距離LB が変化する。変位検出装置40A、40
Bの調節は装着位置の調節を含み、それによって、重心
Gから変位検出点Pまでの距離LA が変化する。
【0078】例えば、先ず変位検出装置40A、40B
の装着位置を調節する。変位検出装置40A、40Bの
装着位置の調節は、同時にGIレンズ84の装着位置の
調節を必要とする。従って、変位検出装置40A、40
Bは、GIレンズ84がトルカフレーム80のボビン部
80aの円筒部の内部に配置されるように、適当な位置
に配置される。
【0079】次にバランスウェイト90の寸法及び形状
と装着位置が設定される。それによってその質量も決ま
る。バランスウェイト90の寸法及び形状は、撓み継ぎ
手20の装着位置の寸法を考慮して設定される。例え
ば、バランスウェイト90を撓み継ぎ手20の装着部2
0dの下端部に装着する場合には、バランスウェイト9
0の幅は斯かる下端部の幅より小さいか又は等しいよう
に調節される。バランスウェイト90の形状及び寸法が
決まったら、最後に装着位置が調節される。バランスウ
ェイト90の装着位置は微調節することができるように
構成される。しかしながら、バランスウェイト90はそ
の質量を微調節することができるように構成してもよ
い。バランスウェイト90の微調節によって、数15の
式を正確に満たすことができる。
【0080】以上本発明の実施例について詳細に説明し
てきたが、本発明は上述の実施例に限ることなく本発明
の要旨を逸脱することなく他の種々の構成が採り得るこ
とは当業者にとって容易に理解されよう。
【0081】
【発明の効果】本発明の加速度計によると、振り子30
の長さに沿った位置のうち高域共振が極小となる点の変
位を検出するから、サーボ系のPID制御の各制御定数
を適当に設定することによって、本来の加速度計として
の周波数特性を広域に設定することができる利点があ
る。
【0082】本発明の加速度計では、本来の加速度計と
しての周波数特性を広域に設定することができるから、
使用周波数領域の広い加速度計を提供することができる
利点がある。
【0083】本発明の加速度計では、振り子の自由度が
狭くても、大きな入力加速度に対して作動可能な加速度
計を提供することができる利点がある。
【0084】本発明によると、バランスウェイト90の
位置又は質量を調節することによって振り子30の重心
Gの位置を調節し、振り子30の長さに沿った位置のう
ち高域共振が極小となる点を所望の位置へ移動させるこ
とができるので、変位検出点と高域共振の極小となる点
とを一致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加速度計の機能を説明するために振り
子の部分のみを示した説明図である。
【図2】本発明の加速度計の機能のブロック図である。
【図3】オープンループとしたサーボ加速度計の振り子
の変位の周波数特性を示す図である。
【図4】クローズドループとしたサーボ加速度計の振り
子の変位の周波数特性を示す図である。
【図5】本発明のサーボ加速度計の出力特性を示す図で
ある。
【図6】本発明の加速度計の主要部を示す図である。
【図7】本発明の加速度計の主要部を示す図である。
【図8】従来の加速度計の主要部を示す図である。
【図9】従来の加速度計の主要部を示す図である。
【図10】従来のサーボ加速度計の周波数特性を示す図
である。
【図11】加速度計の高域共振を説明するための説明図
である。
【符号の説明】
10 基台(フレーム) 10a 取り付け部 10b フランジ部 10c 基準面 10d 孔 10e 係合部 12 基台(フレーム) 12e 係合部 18 押さえ板 20 撓み継ぎ手 20a 撓み部 20b 固定部 20d 装着部 20e 孔 30 振り子 34A、34B トルカコイル 36A、36B 永久磁石 38A、38B ポールピース 40A 発光素子 40B 受光素子 44 端子ケース 44a 開口部 50A、50B 外部端子 54 蓋 80 トルカフレーム 80a ボビン部 80b ブリッジ部 80c 孔 84 ロッドレンズ 90 バランスウェイト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北條 武 東京都大田区南蒲田2丁目16番46号 株 式会社トキメック内 (56)参考文献 特開 平6−11519(JP,A) 特公 平6−50320(JP,B2) 特公 昭60−16581(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01P 15/13

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基台と、第1の端部が上記基台に装着さ
    れた可撓継手と、上記可撓継手の第2の端部に取り付け
    られた質量m、かつ、振り子の回転軸に平行な振り子重
    心G軸周りの慣性モーメントl、かつ、上記重心Gから
    上記可撓継手の第2の端部までの距離がLB である振り
    子と、上記振り子に入力された加速度に比例したトルク
    を発生するトルカと、上記基台と上記振り子との間の相
    対変位の検出位置Pが上記振り子の重心位置Gから振り
    子の支点とは反対方向側に距離LAだけ離れている変位
    検出装置とを有する加速度計において、 l=m・LA ・LB となるように構成されていることを特徴とする加速度
    計。
  2. 【請求項2】 基台と、第1の端部が上記基台に装着さ
    れた可撓継手と、上記可撓継手の第2の端部に取り付け
    られた質量m0 、かつ、振り子の回転軸に平行な振り子
    重心G0 軸周りの慣性モーメントl0 、かつ、上記重心
    GOから上記可撓継手の第2の端部までの距離がLB0
    ある振り子と、上記振り子に入力された加速度に比例し
    たトルクを発生するトルカと、上記基台と上記振り子と
    の間の相対変位の検出位置POが上記振り子の重心位置
    0 から振り子の支点とは反対方向側に距離LA0だけ離
    れている変位検出装置とを有する加速度計において、 振り子にバランスウエイトを付加し、質量をm0
    m′、重心位置G0 をG′、慣性モーメントl0
    l′、LB0をLB ′,LA0をLA ′に調整することによ
    り l′=m′・LA ′・LB ′ となるように調整されていることを特徴とする加速度
    計。
  3. 【請求項3】 基台と、第1の端部が上記基台に装着さ
    れた可撓継手と、上記可撓継手の第2の端部に取り付け
    られた質量m0 、かつ、振り子の回転軸に平行な振り子
    重心G0 軸周りの慣性モーメントl0 、かつ、上記重心
    Goから上記可撓継手の第2の端部までの距離がLB0
    ある振り子と、上記振り子に入力された加速度に比例し
    たトルクを発生するトルカと、上記基台と上記振り子と
    の間の相対変位の検出位置POが上記振り子の重心位置
    0 から振り子の支点とは反対方向側に距離LA0だけ離
    れている変位検出装置とを有する加速度計において、 振り子の変位検出装置の位置をLA0をLA ′に調整する
    ことにより l0 =m0 ・LA ′・LB0 となるように調整されていることを特徴とする加速度
    計。
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