JP3405929B2 - 情報記録再生装置 - Google Patents

情報記録再生装置

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JP3405929B2
JP3405929B2 JP36536598A JP36536598A JP3405929B2 JP 3405929 B2 JP3405929 B2 JP 3405929B2 JP 36536598 A JP36536598 A JP 36536598A JP 36536598 A JP36536598 A JP 36536598A JP 3405929 B2 JP3405929 B2 JP 3405929B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクに対す
る情報の記録再生を行う情報記録再生装置に係り、とり
わけ、光ディスクに対する対物レンズ保持体の相対チル
ト角度についてのサーボ機構を備えた情報記録再生装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスクに対する情報の記録再生を行
うための光ディスク装置の分野では近年、DVD(ディ
ジタルビデオディスク)装置のような高密度大容量記録
に対応したものが実用化されている。そして、さらなる
大容量化に向けた技術として、高密度ディスク成形技
術、記録再生用レーザ光源の短波長化および信号処理手
法などが研究開発されている。
【0003】ところで、一般に光ディスク装置において
は、記録再生用レーザ光の入射方向が光ディスクの情報
記録面に対して傾いていると、当該記録面上の光スポッ
トにいわゆるコマ収差が発生して、再生信号品質が劣化
することが知られている。このような問題に関しては従
来、レーザ光を集束する対物レンズの光軸と光ディスク
記録面の法線との間のチルト(傾き)が小さくなるよう
に、各部品の加工精度を高めたり、予め組み込まれたチ
ルト調整機構によって装置の組立時にチルト調整する等
の手段による対処が行われている。
【0004】しかし、光ディスクの記録密度が高くな
り、上記のようなチルトに対する許容量が小さくなって
いくと、これらの手段では対処しきれなくなり、装置と
して成り立たなくなると考えられる。そこで、レーザ光
を集束する対物レンズを光ディスクの傾きに対応して傾
動させるためのチルトサーボ機構を備えた光ディスク装
置が提案されている。
【0005】図8には、そのようなチルトサーボ機構を
備えた一般的な光ディスク装置の要部構造が示されてい
る。図8において、光ディスク装置は、光ディスク1の
情報記録面にレーザ光を集束する対物レンズ13と、こ
の対物レンズ13を保持する対物レンズ保持体14とを
備えている。また、光ディスク装置は、対物レンズ保持
体14を支持するベース部15と、このベース部15と
対物レンズ保持体14との間に介在される弾性支持機構
16,17とを備えている。
【0006】上記弾性支持機構16,17は、各一対の
シリコンゴム部材16とワイヤばね17とから構成さ
れ、対物レンズ保持体14をフォーカス方向、トラッキ
ング方向、タンジェンシャルチルト方向およびラジアル
チルト方向の計4方向に動けるよう、ベース部15に対
して弾性的に支持している。
【0007】ここで、上記フォーカス方向とは図8のZ
軸方向(対物レンズ13の光軸方向)をいい、上記トラ
ッキング方向とは図8のX軸方向(光ディスク1の半径
方向)をいう。また、上記タンジェンシャルチルト方向
とは上記X軸回りのチルト(傾動)方向(光ディスク1
の接線方向に対するチルトの方向)をいい、上記ラジア
ルチルト方向とは図8のY軸回りのチルト方向(光ディ
スク1の半径方向に対するチルトの方向)をいう。
【0008】また、光ディスク装置は、図8には示され
ないレンズアクチュエータ(レンズ駆動手段)を備えて
いる。このレンズアクチュエータは、例えば対物レンズ
保持体14に設けられた永久磁石と、ベース部15に対
して相対的に固定された駆動コイルとからなる、いわゆ
るボイスコイルモータによって構成されている。
【0009】そして、このレンズアクチュエータは、駆
動コイルへの入力電流に応じて、対物レンズ保持体14
を上記4方向に駆動するようになっている。なお、レン
ズアクチュエータは、その磁気ばね作用によって、上記
弾性支持機構16,17と協働して対物レンズ保持体1
4を中立位置に保持する機能も有している。
【0010】そして、この光ディスク装置は、レンズア
クチュエータの駆動コイルへの入力電流を制御して、光
ディスク1の情報記録面における記録トラック上に所定
のレーザー光スポットを追従させるフォーカスサーボお
よびトラッキングサーボを行うと共に、レーザ光の入射
方向(すなわち対物レンズ13の光軸)が光ディスク1
の情報記録面に垂直となるようなチルトサーボを行うよ
うに構成されている。
【0011】ここで、図11には、従来の光ディスク装
置におけるチルトサーボ機構が示されている。図11に
符号2で示すのは光ディスク1を回転させるためのモー
ターであり、符号3で示すのは上記レンズアクチュエー
タである。図11に示すように、この光ディスク装置
は、タンジェンシャル方向チルト用の相対チルトセンサ
5およびチルト制御装置40からなるタンジェンシャル
チルトサーボ系と、ラジアル方向チルト用の相対チルト
センサ24およびチルト制御装置41からなるラジアル
チルトサーボ系の、2つのチルトサーボ系を備えてい
る。
【0012】この場合、上記相対チルトセンサ5,24
は、図12に示すように対物レンズ保持体14上に配置
されている(図12には一方のチルトセンサ5のみが示
されている)。そして、相対チルトセンサ5は、光ディ
スク1に対する対物レンズ保持体14のタンジェンシャ
ルチルト方向の相対チルト角度を検出して相対チルト信
号として出力するようになっている。また、相対チルト
センサ24は、光ディスク1に対する対物レンズ保持体
14のラジアルチルト方向の相対チルト角度を検出して
相対チルト信号として出力するようになっている。
【0013】これらのチルトセンサ5,24としては、
例えば図9に示すような光学的チルトセンサが用いられ
る。図9において、チルトセンサは、発光素子としての
LED(発光ダイオード)18と、受光素子としての一
対のフォトダイオード19a,19bとを有している。
このチルトセンサでは、LED18から出た光が光ディ
スク1の情記録面で反射して一対のフォトダイオード1
9a,19b上に光スポット42を形成するようになっ
ている。
【0014】この光スポット42の形成位置は、チルト
センサと光ディスクとの間の相対角度によって決まる。
そして、一対のフォトダイオード19a,19b同士の
出力の差分を取ることにより、一対のフォトダイオード
19a,19b間の中心線回りにおける反射光の入射角
度に応じた出力信号が得られ、この信号が上記相対チル
ト信号として出力される。この場合、チルトセンサの出
力信号は、図10に示すような特性を有している。
【0015】そして、図11において、上記の各チルト
制御装置40,41は、対応するチルトセンサ5,24
から出力される相対チルト信号に基づいて上記レンズア
クチュエータ3の駆動電流を制御し、対物レンズ13の
光軸が光ディスク1の情報記録面に垂直となるような相
対チルトサーボを行う。
【0016】このようなチルトサーボ機構においては、
サーボを始動する際に、単純にサーボのループを閉じる
だけでは動作しない。すなわち、図10に示すチルトセ
ンサの引き込み範囲以上の相対チルト角度を生ずるほど
対物レンズ保持体14が傾いていると、レンズアクチュ
エータ3が不良作動してサーボがかからないという問題
がある。
【0017】そこで、通常は、レンズアクチュエータ3
にサーチ信号を与えて、相対チルト角度が上記チルトセ
ンサの引き込み範囲内となるように対物レンズ保持体1
4を傾けた後で、チルトサーボを始動させるようにして
いる。このようなチルトサーボ制御を行う光ディスク装
置のチルト制御手段が、図13に示されている。なお、
図13には、ラジアルチルト方向についての説明との重
複を避けるために、タンジェンシャルチルト方向につい
ての構成のみが示されている。
【0018】図13において、セレクタ8、チルトサー
ボ引き込み回路9’、位相補償増幅器10、サーチ信号
発生器11およびドライブアンプ12によって、タンジ
ェンシャルチルト方向についてのチルト制御手段が構成
されている。
【0019】このうちチルトサーボ引き込み回路9’
は、相対チルトセンサ5からの相対チルト信号が零とな
る時点を検出して、切替信号を出力するようになってい
る。また、上記セレクタ8は、チルトサーボ引き込み回
路9’からの切替信号に応じて、入力信号をサーチ信号
(b’側)からサーボ信号(a’側)へ切り替えるよう
になっている。
【0020】次に、上記位相補償増幅器10は、相対チ
ルトセンサ5からの相対チルト信号に基づいてサーボ信
号を出力するようになっている。また、上記サーチ信号
発生器11は、三角波によるサーチ信号を発生させるよ
うになっている。そして、上記ドライブアンプ12は、
上記セレクタ8からのサーチ信号またはサーボ信号に応
じて、レンズアクチュエータ3へ駆動電流を流すように
なっている。
【0021】このような構成のチルト制御手段におい
て、相対チルトサーボを引き込むには、まずセレクタ8
をb’側にしてドライブアンプ12にサーチ信号を流
し、レンズアクチュエータ3によって対物レンズ保持体
14をタンジェンシャルチルト方向に一定振幅で傾動さ
せる。その際、対物レンズ保持体14の相対チルト角度
に応じてチルトセンサ5から相対チルト信号が出力され
る。
【0022】そして、チルトサーボ引き込み回路9は、
相対チルトセンサ5からの相対チルト信号が零となる時
点を検出して切替信号を出力する。この切替信号によっ
てセレクタ8がa’側に切り替えられ、ドライブアンプ
12への入力信号がサーボ信号へ切り替わり、チルトサ
ーボのループが閉じられる。以上のようにして、相対チ
ルトサーボへの引き込みが行われるように構成されてい
る。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の光デ
ィスク装置には、外乱等がある場合に上記のような相対
チルトサーボへの引き込みがうまく行われないという問
題点がある。まず、対物レンズ保持体14は、弾性支持
機構16,17によってベース部15に対して弾性的に
支持されているので、外力によって変位する。また、こ
の対物レンズ保持体14には原理的に、図8に示すフォ
ーカス方向軸(Z軸)とタンジェンシャルチルト軸(X
軸)との間に、いわゆるクロスアクションが存在する。
【0024】すなわち、図14に示すように、対物レン
ズ保持体14を支持する弾性支持機構のワイヤばね17
先端に荷重が加わると、ワイヤばね17に荷重方向の撓
みが生じ、荷重点にタンジェンシャルチルト角度θが生
ずる。このため、レンズアクチュエータ3によって対物
レンズ保持体14をフォーカス方向に駆動すると、対物
レンズ保持体14がタンジェンシャルチルト方向に傾く
ことになる。
【0025】従って、上述したような従来の光ディスク
装置は、特にタンジェンシャルチルト方向については、
チルトサーボをかけていない状態では、チルト角度が定
まらなくなる。
【0026】また、光ディスク1が回転している状態で
チルトサーボをかける場合は、外乱で対物レンズ保持体
14の姿勢が乱され一定しない上に、追従させるべき光
ディスク1自体の動的なチルトが存在するため、相対チ
ルト角度が時々刻々と変化する。
【0027】従って、上述したような従来の光ディスク
装置のように、相対チルト信号のみでチルトサーボを引
き込もうとすると、対物レンズ保持体14の相対チルト
角度の変化速度が大きい状態で引き込まなければならな
くなる。このため、サーボの引き込み力が足りずに、相
対チルトサーボの引き込みが出来ない可能性もある。す
なわち、オーバーシュートによってサーボが不安定にな
り、最悪の場合、暴走する可能性もある。
【0028】その結果、装置起動後に再度サーボの引き
込みをし直さなければならず、装置の起動から光ディス
クに対する信号の記録再生開始までに時間がかかってし
まう。また、この問題は、装置起動時のみならず、記録
再生中に外乱などによって相対チルトサーボが外れて、
再度チルトサーボの引き込みをする場合にも、同様に起
こりうる。
【0029】例えば、光ディスクの記録再生中に、上記
フォーカス、トラッキング、タンジェンシャルチルトお
よびラジアルチルトの4方向についてのサーボのうち、
ラジアルチルト方向の相対チルトサーボのみが外れた場
合、速やかに当該チルトサーボをかけ直せなければ、信
号の記録再生が途中で止まってしまうことになる。この
ような相対チルトサーボの引き込みの失敗が生ずると、
再度サーボの引き込みをし直すことになり、信号の記録
再生を再開するまでに時間がかかってしまう。
【0030】本発明は、このような点を考慮してなされ
たものであり、相対チルトサーボの引き込みを迅速確実
に行うことのできる光ディスク装置を提供することを目
的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】第1の手段は、情報記録
媒体の情報記録面にレーザ光を集束する対物レンズと、
この対物レンズを保持する対物レンズ保持体と、この対
物レンズ保持体を支持するベース部と、このベース部と
前記対物レンズ保持体との間に介在される弾性支持機構
と、前記対物レンズ保持体を、少なくとも一つのチルト
方向に駆動するレンズ駆動手段と、前記ベース部に対す
る前記対物レンズ保持体の前記チルト方向の角度である
レンズチルト角度を検出するレンズチルト検出手段と、
前記情報記録媒体に対する前記対物レンズ保持体の前記
チルト方向の角度である相対チルト角度を検出する相対
チルト検出手段と、前記レンズ駆動手段を制御するチル
ト制御手段とを備え、前記チルト制御手段は、まず始め
に前記レンズチルト検出手段の検出するレンズチルト角
度についてのレンズチルトサーボを開始し、その後前記
相対チルト検出手段の検出する相対チルト角度の値が所
定範囲内になってから、前記レンズチルトサーボに代え
て、前記相対チルト検出手段の検出する相対チルト角度
についての相対チルトサーボを開始するように構成され
ていることを特徴とする情報記録再生装置である。
【0032】この第1の手段によれば、チルト制御手段
が、情報記録媒体自体の動的なチルトや外乱の影響の大
きい相対チルトサーボに直接引き込もうとするのではな
く、一旦上記レンズチルトサーボを行って相対チルト角
度の値が所定範囲内になってから上記相対チルトサーボ
を開始することにより、情報記録媒体自体の動的なチル
トや外乱の影響をほとんど受けずに、迅速確実な相対チ
ルトサーボの引き込みを行うことができる。
【0033】第2の手段は、情報記録媒体の情報記録面
にレーザ光を集束する対物レンズと、この対物レンズを
保持する対物レンズ保持体と、この対物レンズ保持体を
支持するベース部と、このベース部と前記対物レンズ保
持体との間に介在される弾性支持機構と、前記対物レン
ズ保持体を、少なくとも一つのチルト方向、フォーカス
方向およびトラッキング方向に駆動するレンズ駆動手段
と、前記ベース部に対する前記対物レンズ保持体の前記
チルト方向の角度であるレンズチルト角度を検出するレ
ンズチルト検出手段と、前記情報記録媒体に対する前記
対物レンズ保持体の前記チルト方向の角度である相対チ
ルト角度を検出する相対チルト検出手段と、前記レンズ
駆動手段を制御する、フォーカス制御手段、トラッキン
グ制御手段およびチルト制御手段とを備え、前記フォー
カス制御手段は、前記情報記録媒体に対する前記対物レ
ンズ保持体のフォーカス方向位置についてのフォーカス
サーボを行い、前記トラッキング制御手段は、前記情報
記録媒体に対する前記対物レンズ保持体のトラッキング
方向位置についてのトラッキングサーボを行い、前記チ
ルト制御手段は、まず始めに前記レンズチルト検出手段
の検出するレンズチルト角度についてのレンズチルトサ
ーボを開始し、次に前記フォーカス制御手段によるフォ
ーカスサーボおよび前記トラッキング制御手段によるト
ラッキングサーボが開始された後、前記相対チルト検出
手段の検出する相対チルト角度の値が所定範囲内になっ
てから、前記レンズチルトサーボに代えて、前記相対チ
ルト検出手段の検出する相対チルト角度についての相対
チルトサーボを開始するように構成されていることを特
徴とする情報記録再生装置である。
【0034】この第2の手段によれば、チルト制御手段
が、情報記録媒体自体の動的なチルトや外乱の影響の大
きい相対チルトサーボに直接引き込もうとするのではな
く、一旦上記レンズチルトサーボを行って相対チルト角
度の値が所定範囲内になってから上記相対チルトサーボ
を開始することにより、情報記録媒体自体の動的なチル
トや外乱の影響をほとんど受けずに、迅速確実な相対チ
ルトサーボの引き込みを行うことができる。
【0035】また、チルト制御手段が、レンズチルトサ
ーボを開始した後、さらにフォーカス制御手段によるフ
ォーカスサーボおよびトラッキング制御手段によるトラ
ッキングサーボが開始されてから、上記のような相対チ
ルトサーボの引き込みを行うことにで、情報記録再生装
置を起動してから情報記録媒体に対する信号の記録再生
を行うまでの立ち上げ動作をより素早く行うことが可能
となる。
【0036】第3の手段は、第1又は第2の手段におい
て、前記相対チルト検出手段に代えて、前記ベース部に
対する前記情報記録媒体の前記チルト方向の角度である
ディスクチルト角度を検出するディスクチルト検出手段
を備え、このディスクチルト検出手段の検出するディス
クチルト角度と前記レンズチルト検出手段の検出するレ
ンズチルト角度とから前記相対チルト角度を算出する相
対チルト算出手段を更に備えると共に、前記相対チルト
検出手段の検出する相対チルト角度に代えて、前記相対
チルト算出手段の算出する相対チルト角度を用いるもの
である。
【0037】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1乃至図7は本発明によ
る情報記録再生装置の実施の形態を示す図である。な
お、図1乃至図7に示す本発明の実施の形態において、
図8乃至図10に示す一般的な光ディスク装置と同一の
構成部分には同一符号を付すと共に、適宜、図8乃至図
10を参照して説明する。
【0038】[第1の実施形態]まず、図1、図2及び
図8乃至図10により本発明の第1の実施形態について
説明する。なお、図1及び図2に示す本実施形態におい
て、ラジアルチルト方向についての説明との重複を避け
るために、以下タンジェンシャルチルト方向についての
構成および作用のみを説明するが、ラジアルチルトにつ
いての構成および作用についても同様である。
【0039】まず、本発明が適用される一般的な光ディ
スク装置(情報記録再生装置)は、図8に示すように、
光ディスク(情報記録媒体)1の情報記録面にレーザ光
を集束する対物レンズ13と、この対物レンズ13を保
持する対物レンズ保持体14とを備えている。また、光
ディスク装置は、対物レンズ保持体14を支持するベー
ス部15と、このベース部15と対物レンズ保持体14
との間に介在される弾性支持機構16,17とを備えて
いる。
【0040】上記弾性支持機構16,17は、各一対の
シリコンゴム部材16とワイヤばね17とから構成さ
れ、対物レンズ保持体14をフォーカス方向、トラッキ
ング方向、タンジェンシャルチルト方向およびラジアル
チルト方向の計4方向に動けるよう、ベース部15に対
して弾性的に支持している。
【0041】ここで、上記フォーカス方向とは図8のZ
軸方向(対物レンズ13の光軸方向)をいい、上記トラ
ッキング方向とは図8のX軸方向(光ディスク1の半径
方向)をいう。また、上記タンジェンシャルチルト方向
とは上記X軸回りのチルト(傾動)方向(光ディスク1
の接線方向に対するチルトの方向)をいい、上記ラジア
ルチルト方向とは図8のY軸回りのチルト方向(光ディ
スク1の半径方向に対するチルトの方向)をいう。
【0042】また、光ディスク装置は、図8には示され
ないレンズアクチュエータ(レンズ駆動手段)を備えて
いる。このレンズアクチュエータは、例えば対物レンズ
保持体14に設けられた永久磁石と、ベース部15に対
して相対的に固定された駆動コイルとからなる、いわゆ
るボイスコイルモータによって構成されている。
【0043】そして、このレンズアクチュエータは、駆
動コイルへの入力電流に応じて、対物レンズ保持体14
を上記4方向に駆動するようになっている。なお、レン
ズアクチュエータは、その磁気ばね作用によって、上記
弾性支持機構16,17と協働して対物レンズ保持体1
4を中立位置に保持する機能も有している。
【0044】そして、この光ディスク装置は、レンズア
クチュエータの駆動コイルへの入力電流を制御して、光
ディスク1の情報記録面における記録トラック上に所定
のレーザ光スポットを追従させるフォーカスサーボおよ
びトラッキングサーボを行うと共に、レーザ光の入射方
向(すなわち対物レンズ13の光軸)が光ディスク1の
情報記録面に垂直となるようなチルトサーボを行うよう
に構成されている。
【0045】ここで、図1には、本実施形態の光ディス
ク装置におけるチルトサーボ機構が示されている。図1
に符号2で示すのは光ディスク1を回転させるためのモ
ーターであり、符号3で示すのは上記レンズアクチュエ
ータである。図1に示すように、この光ディスク装置
は、タンジェンシャルチルト方向についてのレンズチル
トセンサ4および相対チルトセンサ5を備えている。
【0046】図2に示すように、上記レンズチルトセン
サ4は、ベース部15上において対物レンズ保持体14
と対向して配置されている。このレンズチルトセンサ4
は、ベース部15に対する対物レンズ保持体14の(タ
ンジェンシャルチルト方向の)角度であるレンズチルト
角度を検出して、相対チルト信号として出力するように
なっている。なお、対物レンズ保持体14のレンズチル
トセンサ4と対向する面は、レンズチルトセンサ4から
の光が反射しやすいような表面処理がなされていること
が好ましい。
【0047】また、相対チルトセンサ5は、対物レンズ
保持体14上において光ディスク1と対向して配置され
ている。この相対チルトセンサ5は、光ディスク1に対
する対物レンズ保持体14の(タンジェンシャルチルト
方向の)角度である相対チルト角度を検出して相対チル
ト信号として出力するようになっている。
【0048】これらのチルトセンサ4,5としては、例
えば図9に示すような光学的チルトセンサが用いられ
る。図9において、チルトセンサは、発光素子としての
LED(発光ダイオード)18と、受光素子としての一
対のフォトダイオード19a,19bとを有している。
このチルトセンサでは、LED18から出た光が対象物
(レンズチルトセンサ4にあっては対物レンズ保持体1
4、相対チルトセンサ5にあっては光ディスク1)で反
射して一対のフォトダイオード19a,19b上に光ス
ポット42を形成するようになっている。
【0049】この光スポット42の形成位置は、チルト
センサと対象物との間の相対角度によって決まる。そし
て、一対のフォトダイオード19a,19b同士の出力
の差分を取ることにより、一対のフォトダイオード19
a,19b間の中心線回りにおける反射光の入射角度に
応じた出力信号が得られ、この信号が上記レンズチルト
信号または相対チルト信号として出力される。この場
合、チルトセンサの出力信号は、図10に示すような特
性を有している。
【0050】次に、図1において、チルト信号セレクタ
6、チルト信号切り替え回路7、セレクタ8、チルトサ
ーボ引き込み回路9、位相補償増幅器10、サーチ信号
発生器11およびドライブアンプ12によって、タンジ
ェンシャルチルト方向についてのチルト制御手段が構成
されている。
【0051】このうち上記チルト信号切り替え回路7
は、相対チルトセンサ5からの相対チルト信号が零とな
る時点を検出して、切替信号を出力するようになってい
る。また、上記チルト信号セレクタ6は、チルト信号切
り替え回路7からの切替信号に応じて、入力信号をレン
ズチルト信号(a側)から相対チルト信号(b側)へ切
り替えるようになっている。
【0052】次に、上記チルトサーボ引き込み回路9
は、レンズチルトセンサ4からのレンズチルト信号が零
となる時点を検出して、切替信号を出力するようになっ
ている。また、上記セレクタ8は、チルトサーボ引き込
み回路9からの切替信号に応じて、入力信号をサーチ信
号(b’側)からサーボ信号(a’側)へ切り替えるよ
うになっている。
【0053】次に、上記位相補償増幅器10は、チルト
信号セレクタ6からのレンズチルト信号または相対チル
ト信号に基づいてサーボ信号を出力するようになってい
る。また、上記サーチ信号発生器11は、三角波による
サーチ信号を発生させるようになっている。そして、上
記ドライブアンプ12は、上記セレクタ8からのサーチ
信号またはサーボ信号に応じて、レンズアクチュエータ
3へ駆動電流を流すようになっている。
【0054】このようなチルト制御手段においては、セ
レクタ8でサーチ信号が選ばれると、対物レンズ保持体
14がサーチ信号に応じて一定振幅で傾動される。ま
た、チルト信号セレクタ6でレンズチルト信号が、セレ
クタ8でサーボ信号がそれぞれ選ばれると、ベース部1
5に対する対物レンズ保持体14のレンズチルト角度が
零に保たれるようなレンズチルトサーボが行われる。一
方、チルト信号セレクタ6で相対チルト信号が、セレク
タ8でサーボ信号がそれぞれ選ばれると、光ディスク1
に対する対物レンズ保持体14の相対チルト角度が零に
保たれるような相対チルトサーボが行われる。
【0055】以上のような構成のチルト制御手段におい
て、チルトサーボを引き込むには、まずチルト信号セレ
クタ6をa側にしてレンズチルト信号を選んだ状態にし
ておく。そして、セレクタ8をb’側にしてドライブア
ンプ12にサーチ信号を流し、レンズアクチュエータ3
によって対物レンズ保持体14をタンジェンシャルチル
ト方向に一定振幅で傾動させる。その際、対物レンズ保
持体14のレンズチルト角度に応じてレンズチルトセン
サ4からレンズチルト信号が出力される。
【0056】そして、レンズチルトセンサ4からのレン
ズチルト信号が零となる時点をチルトサーボ引き込み回
路9が検出して切替信号を出力する。この切替信号によ
ってセレクタ8がa’側に切り替えられ、ドライブアン
プ12への入力信号がサーボ信号へ切り替わり、上記レ
ンズチルトサーボが開始される。
【0057】このレンズチルトサーボによって、対物レ
ンズホルダ14のフォーカス方向駆動によるクロスアク
ションや外乱の影響を受けずに、ベース部15に対する
対物レンズホルダ14のタンジェンシャルチルト方向の
レンズチルト角度が一定に保たれる。
【0058】そして、このレンズチルトサーボが安定し
た後、相対チルトセンサ5からの相対チルト信号が零と
なる時点をチルト信号切り替え回路7が検出して切替信
号を出力する。この切替信号によってチルト信号セレク
タ6がb側に切り替えられ、位相補償増幅器10への入
力信号が相対チルト信号へ切り替わり、上記レンズチル
トサーボに代えて上記相対チルトサーボが開始される。
以上のようにして、相対チルトサーボへの引き込みが行
われるように構成されている。
【0059】次に、このような構成よりなる本実施形態
の作用効果について説明する。本実施形態によれば、チ
ルト制御手段が、光ディスク1自体の動的なチルトや外
乱による影響の大きい相対チルトサーボに直接引き込も
うとするのではなく、一旦上記レンズチルトサーボを行
って相対チルト角度の値が零になってから上記相対チル
トサーボを開始することにより、光ディスク1自体の動
的なチルトや外乱の影響をほとんど受けずに、迅速確実
な相対チルトサーボの引き込みを行うことができる。
【0060】このため、光ディスク装置の起動から信号
の記録再生開始までの遅延を防止することができる。ま
た、光ディスク装置による記録再生中に相対チルトサー
ボが外れて再度チルトサーボの引き込みをする場合に
も、素早く記録再生の出来る状態に戻すことができる。
【0061】[第2の実施形態]次に、図3及び図4に
より本発明の第2の実施形態について説明する。なお、
図3及び図4に示す本実施形態において、図1及び図2
に示す上記第1の実施形態と同一の構成部分には同一符
号を付し、詳細な説明は省略する。また、本実施形態に
おいても上記第1の実施形態の場合と同様、タンジェン
シャルチルト方向についての構成および作用効果につい
てのみ説明する。
【0062】図3において、本実施形態の光ディスク装
置は、上記第1の実施形態における相対チルトセンサ5
に代えて、ディスクチルトセンサ(ディスクチルト検出
手段)を備えている。このディスクチルトセンサ20
は、ベース部15に対する光ディスク1の(タンジェン
シャルチルト方向の)角度であるディスクチルト角度を
検出して、ディスクチルト信号として出力するようにな
っている。
【0063】図4に示すように、ディスクチルトセンサ
20は、上記レンズチルトセンサ4と共に、ベース部1
5上において対物レンズ保持体14と対向して配置され
ている。また、対物レンズ保持体14には、ディスクチ
ルトセンサ20と光ディスク1との間を往復する光の通
路としての貫通孔14aが形成されている。
【0064】また、本実施形態の光ディスク装置は、上
記ディスクチルトセンサ20の検出するディスクチルト
角度とレンズチルトセンサ4の検出するレンズチルト角
度とから相対チルト角度を算出する差分アンプ(相対チ
ルト算出手段)21を備えている。この差分アンプ21
は具体的には、ディスクチルトセンサ20からのディス
クチルト信号とレンズチルトセンサ4からのレンズチル
ト信号との差分信号を作って、相対チルト信号として出
力するようになっている。
【0065】そして、本実施形態の光ディスク装置は、
上記第1の実施形態において相対チルトセンサ5が出力
する相対チルト信号に代えて、差分アンプ21が出力す
る相対チルト信号を用いるように構成されている。な
お、本実施形態の光ディスク装置のその他の構成および
動作については、上記第1の実施形態と同様である。
【0066】次に、このような構成よりなる本実施形態
の作用効果について説明する。本実施形態によれば、基
本的に上記第1の実施形態と同様の作用効果を奏すると
共に、対物レンズ保持体14上の相対チルトセンサ5に
代えてベース部15上のディスクチルトセンサ20を用
いることにより、対物レンズ保持体14を支持する弾性
支持機構16,17やレンズアクチュエータ3の負荷重
量を軽減することができる。また、両チルトセンサ4,
20が共にベース部15上に設けられているため、各チ
ルトセンサ4,20のための配線の取り回しを簡略化す
ることができる。
【0067】[第3の実施形態]次に、図5及び図6に
より本発明の第3の実施形態について説明する。なお、
図5及び図6に示す本実施形態において、図1及び図2
に示す上記第1の実施形態と同一の構成部分には同一符
号を付し、詳細な説明は省略する。
【0068】図5には、図1に示す上記第1の実施形態
と同様のタンジェンシャルチルト方向についてのレンズ
チルトセンサ4、相対チルトセンサ5およびチルト制御
手段A(6〜12)に加えて、ラジアルチルト方向につ
いてのレンズチルトセンサ23、相対チルトセンサ24
およびチルト制御手段B(6〜12)が示されている。
また図5には、フォーカス制御手段32〜34およびト
ラッキング制御手段35〜37が示されている。
【0069】まず、上記レンズチルトセンサ23は、ベ
ース部15上に設けられ、ラジアルチルト方向について
のレンズチルト信号を出力するようになっている。ま
た、相対チルトセンサ24は、対物レンズ保持体14上
に設けられ、ラジアルチルト方向についての相対チルト
信号を出力するようになっている。
【0070】また、上記ラジアルチルト方向についての
チルト制御手段B(6〜12)は、上記チルトセンサ2
3および24からのラジアルチルト方向についてのレン
ズチルト信号および相対チルト信号を用いる点を除い
て、上記タンジェンシャルチルト方向についてのチルト
制御手段A(6〜12)と同様の構成を有している。
【0071】次に、上記フォーカス制御手段32〜34
は、光ディスク1に対する対物レンズ保持体14のフォ
ーカス方向位置についてのフォーカスサーボを行うこと
により、光ディスク1の情報記録面に所定の大きさのレ
ーザ光スポットを形成するためのものである。このフォ
ーカス制御手段は、フォーカスエラー検出器32、位相
補償増幅器33およびドライブアンプ34から構成され
ている。
【0072】このうちフォーカスエラー検出器32は、
光ディスク1で反射して戻ってくるレーザ光に基づい
て、例えば非点収差法によって、光ディスク1に対する
レーザ光スポットのフォーカス方向の相対変位量(フォ
ーカスエラー)を検出し、フォーカスエラー信号として
出力するようになっている。
【0073】また、上記位相補償増幅器33は、フォー
カスエラー検出器32の出力したフォーカスエラー信号
を位相補償し、増幅して、駆動信号を出力するようにな
っている。そして、上記ドライブアンプ34は、位相補
償増幅器33の出力した駆動信号に応じた電流をレンズ
アクチュエータ3に流し、対物レンズ保持体14をフォ
ーカス方向に駆動するようになっている。
【0074】また、上記トラッキング制御手段35〜3
7は、光ディスク1に対する対物レンズ保持体14のト
ラッキング方向位置についてのトラッキングサーボを行
うことにより、光ディスク1の記録トラック上にレーザ
光スポットを追従させるためのものである。このトラッ
キング制御手段は、トラッキングエラー検出器35、位
相補償増幅器36およびドライブアンプ37から構成さ
れている。
【0075】このうちトラッキングエラー検出器35
は、光ディスク1で反射して戻ってくるレーザ光に基づ
いて、例えばプッシュプル法によって、光ディスク1の
記録トラックに対するレーザ光スポットのトラッキング
方向の相対変位量(トラッキングエラー)を検出し、ト
ラッキングエラー信号として出力するようになってい
る。
【0076】また、上記位相補償増幅器36は、トラッ
キングエラー検出器35の出力したトラッキングエラー
信号を位相補償し、増幅して、駆動信号を出力するよう
になっている。そして、上記ドライブアンプ37は、位
相補償増幅器36の出力した駆動信号に応じた電流をレ
ンズアクチュエータ3に流し、対物レンズ保持体14を
トラッキング方向に駆動するようになっている。
【0077】次に、本実施形態の光ディスク装置の動作
を、図5を参照しつつ図6のフローチャートに沿って説
明する。なお、上記第1の実施形態と同様の動作部分に
ついては詳細な説明を省略する。まず、最初に両チルト
制御手段A,B共に、チルト信号セレクタ6をa側にし
てレンズチルト信号を選んだ状態にしておく。
【0078】次に、タンジェンシャルチルト方向につい
てのチルト制御手段Aにおいて、セレクタ8をb’側に
してドライブアンプ12にサーチ信号を流し、対物レン
ズ保持体14をタンジェンシャルチルト方向に一定振幅
で傾動させる。そして、レンズチルトセンサ4からのレ
ンズチルト信号が零となる時点をチルトサーボ引き込み
回路9が検出して切替信号を出力する。この切替信号に
よってセレクタ8でドライブアンプ12への入力信号が
サーボ信号へ切り替わり、タンジェンシャルチルト方向
のレンズチルトサーボが開始される(ステップS1)。
【0079】次に、ラジアルチルト方向についてのチル
ト制御手段Bにおいても、同様に、ドライブアンプ12
にサーチ信号を流し、対物レンズ保持体14をラジアル
チルト方向に一定振幅で傾動させる。そして、レンズチ
ルトセンサ23からのレンズチルト信号が零となる時点
をチルトサーボ引き込み回路9が検出して切替信号を出
力する。この切替信号によってセレクタ8でドライブア
ンプ12への入力信号がサーボ信号へ切り替わり、ラジ
アルチルト方向のレンズチルトサーボが開始される(ス
テップS2)。
【0080】次に、モーター2を起動して光ディスク1
を回転させ(ステップS3)、その後順次、上記フォー
カス制御手段32〜34によるフォーカスサーボをかけ
(ステップS4)、上記トラッキング制御手段35〜3
7によるトラッキングサーボをかける(ステップS
5)。
【0081】そして、以上の各サーボが安定した後に、
タンジェンシャルチルト方向についてのチルト制御手段
Aにおいて、相対チルトセンサ5からの相対チルト信号
が零となる時点をチルト信号切り替え回路7が検出して
切替信号を出力する。この切替信号によってチルト信号
セレクタ6で位相補償増幅器10への入力信号が相対チ
ルト信号へ切り替わり、タンジェンシャルチルト方向に
ついて、上記レンズチルトサーボに代えて相対チルトサ
ーボが開始される(ステップS6)。
【0082】次に、ラジアルチルト方向についてのチル
ト制御手段Bにおいても、同様に、相対チルトセンサ2
4からの相対チルト信号が零となる時点をチルト信号切
り替え回路7が検出して切替信号を出力する。この切替
信号によってチルト信号セレクタ6で位相補償増幅器1
0への入力信号が相対チルト信号へ切り替わり、ラジア
ルチルト方向について、上記レンズチルトサーボに代え
て相対チルトサーボが開始される(ステップS7)。以
上のようにして、各チルト方向についての相対チルトサ
ーボへの引き込みが行われるように構成されている。
【0083】次に、このような構成よりなる本実施形態
の作用効果について説明する。本実施形態によれば、各
チルト制御手段A,Bが、上記第1の実施形態のチルト
制御手段と同様、光ディスク1自体の動的なチルトや外
乱の影響の大きい相対チルトサーボに直接引き込もうと
するのではなく、一旦上記レンズチルトサーボを行って
相対チルト角度の値が所定範囲内になってから上記相対
チルトサーボを開始することにより、光ディスク1自体
の動的なチルトや外乱の影響をほとんど受けずに、迅速
確実な相対チルトサーボの引き込みを行うことができ
る。
【0084】また、各チルト制御手段A,Bが、レンズ
チルトサーボを開始した後、さらにフォーカス制御手段
32〜34によるフォーカスサーボおよびトラッキング
制御手段35〜37によるトラッキングサーボが開始さ
れてから、上記のような相対チルトサーボの引き込みを
行うことで、光ディスク装置を起動してから光ディスク
1に対する信号の記録再生を行うまでの立ち上げ動作を
より素早く行うことが可能となる。
【0085】なお、各チルト制御手段A,Bにおけるチ
ルト信号の切り替え(相対チルトサーボの起動)をステ
ップS6,S7の2ステップで順次行う場合について説
明したが、これらを1ステップで行うようにしても良
い。
【0086】例えば、各チルト制御手段A,Bにおい
て、それぞれチルト信号切り替え回路7で相対チルト信
号の値が所定範囲内にあることを検出するようにし、各
チルト制御手段A,Bについての相対チルト信号の値が
両方とも所定範囲内にあれば、両チルト制御手段A,B
のチルト信号セレクタ6を同時に相対チルト信号側(b
側)に切り替えるように構成してもよい。
【0087】また、各チルト制御手段A,Bにおいてレ
ンズチルトサーボを起動するステップS1,S2を順番
直列的に行う場合について説明したが、これらのステッ
プS1,S2を並列的に行うようにしても良い。
【0088】例えば、各チルト制御手段A,Bにおい
て、ドライブアンプ12にサーチ信号を流して対物レン
ズ保持体14をタンジェンシャルチルト方向とラジアル
チルト方向に同時に傾動させ、各レンズチルトセンサ
4,23からのレンズチルト信号が零となる時点をそれ
ぞれチルトサーボ引き込み回路9で検出して、タンジェ
ンシャルチルト方向とラジアルチルト方向のレンズチル
トサーボがそれぞれ開始されるように構成してもよい。
【0089】[第4の実施形態]次に、図7により本発
明の第4の実施形態について説明する。なお、図7に示
す本実施形態において、図3及び図4に示す上記第3の
実施形態並びに図5及び図6に示す上記第3の実施形態
と同一の構成部分には同一符号を付し、詳細な説明は省
略する。
【0090】図7において、本実施形態の光ディスク装
置は、上記第3の実施形態における各相対チルトセンサ
5,24に代えて、それぞれディスクチルトセンサ(デ
ィスクチルト検出手段)20,38を備えている。
【0091】このうちディスクチルトセンサ20は、ベ
ース部15に対する光ディスク1のタンジェンシャルチ
ルト方向のディスクチルト角度を検出して、ディスクチ
ルト信号として出力するようになっている。また、ディ
スクチルトセンサ38は、ベース部15に対する光ディ
スク1のラジアルチルト方向のディスクチルト角度を検
出して、ディスクチルト信号として出力するようになっ
ている。
【0092】また、本実施形態における各チルト制御手
段A’,B’は、図5に示す上記第3の実施形態にける
各チルト制御手段A,Bに対して、それぞれ差分アンプ
(相対チルト算出手段)21を更に備えている。これら
の差分アンプ21は、それぞれディスクチルトセンサ2
0,38からのディスクチルト信号とレンズチルトセン
サ4,23からのレンズチルト信号との差分信号を作っ
て、相対チルト信号として出力するようになっている。
【0093】そして、本実施形態における各チルト制御
手段A’,B’は、上記第3の実施形態において相対チ
ルトセンサ5,24が出力する相対チルト信号に代え
て、それぞれ差分アンプ21が出力する相対チルト信号
を用いるように構成されている。なお、本実施形態の光
ディスク装置のその他の構成および動作については、上
記第3の実施形態と同様である。
【0094】次に、このような構成よりなる本実施形態
の作用効果について説明する。本実施形態によれば、基
本的に上記第3の実施形態と同様の作用効果を奏すると
共に、対物レンズ保持体14上の相対チルトセンサ5,
24に代えてベース部15上のディスクチルトセンサ2
0,38を用いることにより、対物レンズ保持体14を
支持する弾性支持機構16,17やレンズアクチュエー
タ3の負荷重量を軽減することができる。
【0095】また、全てのチルトセンサ4,5,20,
38がベース部15上に設けられているため、各チルト
センサ4,5,20,38のための配線の取り回しを簡
略化することができる。
【0096】なお、以上の実施の形態において、対物レ
ンズ保持体14を弾性支持する弾性支持機構として、各
一対のシリコンゴム部材16とワイヤばね17とを有す
るものを用いたが、これに限らず、ワイヤばねのみで支
持するもの等、対物レンズ保持体14を弾性支持するも
のであれば、その他の構成の弾性支持機構を用いてもよ
い。
【0097】また、上記チルト制御手段において、相対
チルト角度を検出する手段としてLEDの光を利用した
相対チルトセンサ5,24を用いたが、これに代えて、
対物レンズ13からの記録再生用レーザ光を利用した手
段を用いてもよい。
【0098】また、相対チルト信号が零となる時点をチ
ルト信号切り替え回路7が検出して、レンズチルト信号
から相対チルト信号への切り替えが行われる場合につい
て説明したが、相対チルト信号(相対チルト角度)の値
が所定範囲内となる時点をチルト信号切り替え回路7が
検出して、上記チルト信号の切り替えが行われるように
構成してもよい。
【0099】
【発明の効果】本発明によれば、情報記録媒体自体の動
的なチルトや外乱の影響をほとんど受けずに、迅速確実
な相対チルトサーボの引き込みを行うことができるの
で、装置の起動から信号の記録再生開始までの遅延を防
止することができる。また、記録再生中に相対チルトサ
ーボが外れて再度チルトサーボの引き込みをする場合に
も、素早く記録再生の出来る状態に戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光ディスク装置の第1の実施形態
におけるチルトサーボ機構を示すブロック図。
【図2】図1に示す光ディスク装置におけるチルトセン
サの配置を示す側面図。
【図3】本発明による光ディスク装置の第2の実施形態
におけるチルトサーボ機構を示すブロック図。
【図4】図3に示す光ディスク装置におけるチルトセン
サの配置を示す側面図。
【図5】本発明による光ディスク装置の第3の実施形態
におけるチルトサーボ機構、フォーカス制御手段および
トラッキング制御手段を示すブロック図。
【図6】図5に示す光ディスク装置における動作手順を
示すフローチャート。
【図7】本発明による光ディスク装置の第4の実施形態
におけるチルトサーボ機構、フォーカス制御手段および
トラッキング制御手段を示すブロック図。
【図8】本発明が適用される一般的な光ディスク装置の
要部構造を示す模式的斜視図。
【図9】チルトセンサの例を示す図であって、(a)は
正面図、(b)は平面図。
【図10】図9に示すチルトセンサの出力信号特性を示
すグラフ。
【図11】従来の光ディスク装置におけるチルトサーボ
機構を示すブロック図。
【図12】図に示す光ディスク装置におけるチルトセン
サの配置を示す側面図。
【図13】従来の他の光ディスク装置におけるチルトサ
ーボ機構を示すブロック図。
【図14】図8に示す光ディスク装置におけるクロスア
クションを説明するための模式図。
【符号の説明】
1 光ディスク(情報記録媒体) 3 レンズアクチュエータ(レンズ駆動手段) 4,23 レンズチルトセンサ(レンズチルト検出手
段) 5,24 相対チルトセンサ(相対チルト検出手段) 6 チルト信号セレクタ 7 チルト信号切り替え回路 8 セレクタ 9 チルトサーボ引き込み回路 10 位相補償増幅器 11 サーチ信号発生器 12 ドライブアンプ 13 対物レンズ 14 対物レンズ保持体 15 ベース部 16,17 弾性支持機構 20,38 ディスクチルトセンサ(ディスクチルト検
出手段) 21 差分アンプ(相対チルト算出手段) 32〜34 フォーカス制御手段 35〜37 トラッキング制御手段 A,B,A’,B’ チルト制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/09 - 7/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】情報記録媒体の情報記録面にレーザ光を集
    束する対物レンズと、 この対物レンズを保持する対物レンズ保持体と、 この対物レンズ保持体を支持するベース部と、 このベース部と前記対物レンズ保持体との間に介在され
    る弾性支持機構と、 前記対物レンズ保持体を、少なくとも一つのチルト方向
    に駆動するレンズ駆動手段と、 前記ベース部に対する前記対物レンズ保持体の前記チル
    ト方向の角度であるレンズチルト角度を検出するレンズ
    チルト検出手段と、 前記情報記録媒体に対する前記対物レンズ保持体の前記
    チルト方向の角度である相対チルト角度を検出する相対
    チルト検出手段と、 前記レンズ駆動手段を制御するチルト制御手段とを備
    え、 前記チルト制御手段は、まず始めに前記レンズチルト検
    出手段の検出するレンズチルト角度についてのレンズチ
    ルトサーボを開始し、その後前記相対チルト検出手段の
    検出する相対チルト角度の値が所定範囲内になってか
    ら、前記レンズチルトサーボに代えて、前記相対チルト
    検出手段の検出する相対チルト角度についての相対チル
    トサーボを開始するように構成されていることを特徴と
    する情報記録再生装置。
  2. 【請求項2】情報記録媒体の情報記録面にレーザ光を集
    束する対物レンズと、 この対物レンズを保持する対物レンズ保持体と、 この対物レンズ保持体を支持するベース部と、 このベース部と前記対物レンズ保持体との間に介在され
    る弾性支持機構と、 前記対物レンズ保持体を、少なくとも一つのチルト方
    向、フォーカス方向およびトラッキング方向に駆動する
    レンズ駆動手段と、 前記ベース部に対する前記対物レンズ保持体の前記チル
    ト方向の角度であるレンズチルト角度を検出するレンズ
    チルト検出手段と、 前記情報記録媒体に対する前記対物レンズ保持体の前記
    チルト方向の角度である相対チルト角度を検出する相対
    チルト検出手段と、 前記レンズ駆動手段を制御する、フォーカス制御手段、
    トラッキング制御手段およびチルト制御手段とを備え、 前記フォーカス制御手段は、前記情報記録媒体に対する
    前記対物レンズ保持体のフォーカス方向位置についての
    フォーカスサーボを行い、 前記トラッキング制御手段は、前記情報記録媒体に対す
    る前記対物レンズ保持体のトラッキング方向位置につい
    てのトラッキングサーボを行い、 前記チルト制御手段は、まず始めに前記レンズチルト検
    出手段の検出するレンズチルト角度についてのレンズチ
    ルトサーボを開始し、次に前記フォーカス制御手段によ
    るフォーカスサーボおよび前記トラッキング制御手段に
    よるトラッキングサーボが開始された後、前記相対チル
    ト検出手段の検出する相対チルト角度の値が所定範囲内
    になってから、前記レンズチルトサーボに代えて、前記
    相対チルト検出手段の検出する相対チルト角度について
    の相対チルトサーボを開始するように構成されているこ
    とを特徴とする情報記録再生装置。
  3. 【請求項3】前記相対チルト検出手段に代えて、前記ベ
    ース部に対する前記情報記録媒体の前記チルト方向の角
    度であるディスクチルト角度を検出するディスクチルト
    検出手段を備え、 このディスクチルト検出手段の検出するディスクチルト
    角度と前記レンズチルト検出手段の検出するレンズチル
    ト角度とから前記相対チルト角度を算出する相対チルト
    算出手段を更に備えると共に、 前記相対チルト検出手段の検出する相対チルト角度に代
    えて、前記相対チルト算出手段の算出する相対チルト角
    度を用いることを特徴とする請求項1又は2記載の情報
    記録再生装置。
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