JP3405910B2 - 車両スライド扉の動力スライド装置 - Google Patents

車両スライド扉の動力スライド装置

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JP3405910B2
JP3405910B2 JP34711897A JP34711897A JP3405910B2 JP 3405910 B2 JP3405910 B2 JP 3405910B2 JP 34711897 A JP34711897 A JP 34711897A JP 34711897 A JP34711897 A JP 34711897A JP 3405910 B2 JP3405910 B2 JP 3405910B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両スライド扉の動力
スライド装置に関するものであり、特に動力スライド装
置のクラッチ機構に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来公知の特開平9−273358号公報
には、車体に対してスライド移動することにより開閉す
るスライド扉にワイヤーケーブルを介して連結され一方
に回転すると前記スライド扉を閉扉方向にスライドさせ
他方に回転すると前記スライド扉を開扉方向にスライド
させるワイヤードラムと、前記ワイヤードラムを回転さ
せるモータと、前記ワイヤードラムと前記モータとの間
に設けられ前記モータの出力を前記ワイヤードラムに伝
える連結状態と前記ワイヤードラムの回転を前記モータ
に伝達しない非連結状態と切り替わるクラッチ機構とか
らなり、前記クラッチ機構は前記モータが正転すると第
1連結状態となって前記ワイヤードラムを前記一方方向
に回転させ前記モータが逆転すると第2連結状態となっ
て前記ワイヤードラムを前記他方方向に回転させ前記第
1連結状態および前記第2連結状態において前記モータ
の回転が停止しても前記第1連結状態および前記第2連
結状態は保持され前記第1連結状態においては前記モー
タの所定量の逆転によりまた前記第2連結状態において
は前記モータの所定量の正転により前記非連結状態に復
帰する構成とした車両スライド扉の動力スライド装置に
ついて記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公知のものは、ス
ライド扉が、モータ動力によるスライド速度よりい速
度で移動可能である点に課題がある。即ち、傾斜地での
停車などによりスライド扉が開き勝手、又は閉じ勝手と
なっているときに、動力スライド装置を作動させると、
モータ動力によるスライド速度を越えて勢いよくスライ
ドしてしまうことがある。この問題は、動力スライド装
置のモータおよびその減速機構が、動力スライド速度を
越える速度に対してブレーキとして作用しないために起
こる。
【0004】
【課題を解決するための手段】よって本発明は、車体1
に対してスライド移動することにより開閉するスライド
扉2にワイヤーケーブル9を介して連結され一方に回転
すると前記スライド扉2を閉扉方向にスライドさせ他方
に回転すると前記スライド扉2を開扉方向にスライドさ
せるワイヤードラム8と、前記ワイヤードラム8を回転
させるモータ7と、前記ワイヤードラム8と前記モータ
7との間に設けられ前記モータ7の出力を前記ワイヤー
ドラム8に伝える連結状態と前記ワイヤードラム8の回
転を前記モータ7に伝達しない非連結状態と切り替わる
クラッチ機構15とからなり、前記クラッチ機構15は
前記モータ7が正転すると第1連結状態となって前記ワ
イヤードラムを前記一方方向に回転させ前記モータ7が
逆転すると第2連結状態となって前記ワイヤードラムを
前記他方方向に回転させ前記第1連結状態および前記第
2連結状態において前記モータ7の回転が停止しても前
記第1連結状態および前記第2連結状態は保持され前記
第1連結状態においては前記モータ7の所定量の逆転に
よりまた前記第2連結状態においては前記モータ7の所
定量の正転により前記非連結状態に復帰する構成とした
ものにおいて、前記クラッチ機構15は、前記第1連結
状態および前記第2連結状態において前記ワイヤードラ
ム8に前記ワイヤードラム8を回転させる外力を手動に
よって加えても前記第1連結状態および前記第2連結状
態は解除されないように構成した車両スライド扉の動力
スライド装置の構成としたものである。
【0005】
【実施例】本発明の一実施例を図面により説明すると、
1はスライド扉2を備えた車体であり、スライド扉2
は、閉扉位置と開扉位置との間を車体1の側面と略平行
に移動する。前記車体1にはストライカ3が固定され、
前記スライド扉2には前記ストライカ3と係合すること
により、前記スライド扉2を前記閉扉位置に保持するラ
ッチアッシー4が取付けられる。
【0006】5は、モータ動力により前記スライド扉2
を閉扉方向および開扉方向にスライドさせる動力スライ
ド装置であり、前記車体1のクォータパネル(アウター
パネル)6の内側に設けられる。動力スライド装置5
は、リバーシブルモータ7と、モータ7の動力で回転す
るワイヤードラム8とを備えており、ワイヤードラム8
とスライド扉2とがワイヤーケーブル9により連結さ
れ、ワイヤードラム8の回転によりワイヤーケーブル9
がいずれかの方向に牽引されると、スライド扉2は閉扉
方向又は開扉方向にスライドする。
【0007】図2および図3は前記ワイヤードラム8の
断面を示しており、ワイヤードラム8は、動力スライド
装置5のベースプレート10とベースプレート10に所
定の間隔を置いて固定されたカバープレート11の間に
ドラム軸12で支持されている。ワイヤードラム8は閉
塞した一側と開放した他側を有する円筒状に形成され、
その外周面には前記ケーブル9が係合するワイヤー溝1
3が形成される。ワイヤードラム8の内部には比較的広
い内部空間14が形成され、内部空間14内には前記モ
ータ7の出力をワイヤードラム8に伝える連結状態と、
ワイヤードラム8の回転をモータ7に伝達しない非連結
状態とに切り替わるクラッチ機構15が実質的に収納さ
れる。
【0008】前記ドラム軸12の端部には前記モータ7
により回転する駆動歯車16と、該駆動歯車16と一体
的に回転する回転ディスク17とが回転自在に支持され
ている。駆動歯車16と回転ディスク17とは一体的に
回転するため、図3(および図6)では回転ディスク1
7のみを示して、図を簡素化してある。前記ドラム軸1
2の外周の一部にはスリーブ18を装着し、スリーブ1
8の外周にはバネ支持体19を回転自在に装着し、バネ
支持体19の外周にはガイドプレート20を回転自在に
装着し、ガイドプレート20とバネ支持体19の環状フ
ランジ21の間にはバネ22を設ける。バネ22は、ガ
イドプレート20に多少の回転抵抗を付与する目的で設
けられたものである。
【0009】前記回転ディスク17には一対の揺動アー
ム23、24が取付軸25、26により回転自在に取付
けられ、揺動アーム23、24の先端側には、前記ドラ
ム軸12と平行に伸びるスライドピン27、28がそれ
ぞれ設けられる。前記ガイドプレート20には、前記揺
動アーム23、24のスライドピン27、28がそれぞ
れスライド自在に係合する一対のガイドスロット29、
30が形成される。ガイドスロット29、30は、図5
のように左右対称で、ドラム軸12を中心とする円弧状
のスロット31、32と、円弧スロット31、32の端
部に連接され前記ドラム軸12から離れる方向に伸長す
る延長スロット33、34と、延長スロット33、34
の先端に形成されドラム軸12を中心とする円弧状の係
合スロット35、36とからそれぞれ形成されている。
【0010】前記ワイヤードラム8の内面(内壁)に
は、前記ドラム軸12に向かって突出する複数の凸部3
7が形成され、前記揺動アーム23、24には、前記揺
動アーム23、24が揺動すると前記凸部37と係合し
得るクラッチ爪38、39がそれぞれ形成される。
【0011】詳細は後述するが、前記動力スライド装置
5が非作動のときは、回転ディスク17およびガイドプ
レート20は、図3に示された位置にある。この位置で
は、回転ディスク17に軸支された揺動アーム23、2
4のスライドピン27、28は、それぞれ円弧スロット
31、32と係合しており、このため、揺動アーム2
3、24のクラッチ爪38、39は、ワイヤードラム8
の凸部37から離間していて非係合となっている。この
ように、両方のクラッチ爪38、39が共に凸部37か
ら離間した状態になると、前記クラッチ機構15は前記
非連結状態となり、ワイヤードラム8の回転はモータ7
には伝わらないから、ワイヤードラム8を軽い力で回転
させることができる。したがって、スライド扉2を手動
でスライドさせるとき、余計な抵抗は殆ど掛からない。
【0012】しかして、図3の状態で、モータ7の動力
により駆動歯車16および回転ディスク17を時計回転
させると、回転ディスク17に取付軸25、26で連結
された揺動アーム23、24もドラム軸12を中心に時
計回転し、揺動アーム23のスライドピン27は、ガイ
ドプレート20の円弧スロット31内をスライドして延
長スロット33に進入する。このとき、ガイドプレート
20にはバネ22との接触で回転抵抗が与えられている
から、ガイドプレート20はこの段階では回転しない。
スライドピン27が延長スロット33に進入すると、ス
ライドピン27はドラム軸12から徐々に離間するか
ら、揺動アーム23は矢印A方向のように取付軸25を
中心に外方に向けて揺動し、スライドピン27が係合ス
ロット35に至ると、揺動アーム23のクラッチ爪38
は最外方に突出して、図6のように、ワイヤードラム8
の凸部37に係合する。他方、別の揺動アーム24のス
ライドピン28もガイドスロット30内を移動するが、
このスライドピン28はドラム軸12を中心とする円弧
スロット32内のみを移動するため、揺動アーム24は
取付軸26を中心とする揺動はせず、したがって、クラ
ッチ爪39は凸部37とは係合しない。
【0013】図6の状態でモータ7の動力で更に回転デ
ィスク17が時計回転すると、モータ7の動力は、クラ
ッチ爪38と凸部37との係合を介してワイヤードラム
8に伝わってワイヤードラム8も時計回転し、ワイヤー
ケーブル9は何れかの方向に牽引されて、スライド扉2
が閉扉又は開扉方向にスライドする。このように、クラ
ッチ爪38が凸部37に係合した状態になると、前記ク
ラッチ機構15は前記連結状態(第1連結状態)とな
る。なお、ガイドプレート20は、スライドピン27が
係合スロット35に係合した後は、回転ディスク17と
共に回転する。また、図3において、モータ7の動力に
より回転ディスク17を反時計回転させたときは、別の
揺動アーム24のクラッチ爪39が凸部37に係合し
て、前記クラッチ機構15は連結状態(第2連結状態)
となり、ワイヤードラム8も反時計回転する。
【0014】本発明のクラッチ機構15は、モータ7を
停止させる前に、いったんモータ7を逆方向に所定時間
(所定量)だけ回転させることにより、連結状態から非
連結状態に復帰するように構成されている。つまり、回
転ディスク17を時計回転させて図6の状態になったと
きは、回転ディスク17を所定量だけ反時計回転させて
からモータ7の回転を停止させる。このようにすると、
回転ディスク17の逆転により揺動アーム23のスライ
ドピン27は、係合スロット35から引き抜かれるよう
に抜け出て、延長スロット33を経由して円弧スロット
31に到達し、回転ディスク17の所定量の逆転が終了
する時点では、図3の位置に復帰し、クラッチ機構15
は非連結状態に復帰する。
【0015】しかして、前記のように、本発明ではスラ
イドピン27、28と係合スロット35、36との係合
は、モータ7を逆転させることにより解除できるが、揺
動アーム23、24に取付軸25、26を中心とした回
転力を与えることによっては解除不能となっている。つ
まり、図6において、揺動アーム23に反矢印A方向の
力を与えても、係合スロット35はドラム軸12を中心
とする円弧状であるため、揺動アーム23は取付軸25
を中心とした回転はできず、したがって、スライドピン
27と係合スロット35との係合は維持され、クラッチ
機構15は連結状態に保たれる。この構成は、従来例に
対して1つの利点と1つの不利を生じることになる。利
点は、従来例の課題として明記したスライド扉の自重に
よる暴走を抑止できることであり、不利とは、手動によ
るクラッチ機構15の連結状態の解除が困難になること
である。
【0016】従来例におけるスライド扉の自重による暴
走は、ワイヤードラムの回転速度より速い速度でスライ
ド扉がスライドしたとき、本願の揺動アーム23、24
に相当する部品に連結状態を解除する方向の力が加わる
ために生じる現象である。これに対して、本願では、前
記したように、揺動アーム23、24に反矢印A方向の
力を加えても、クラッチ機構15の連結状態は解除され
ない。このため、スライド扉2が自重により暴走しよう
としても、モータ7側の回転抵抗がブレーキとして作用
するから、スライド扉2のスライド速度は所定値に保た
れ、したがって、傾斜のつよい場所において、スライド
扉2を動力スライド装置5により開閉しても、扉が暴走
することは抑制される。
【0017】しかして、本発明では、揺動アーム23、
24に反矢印A方向の力を加えても、クラッチ機構15
の連結状態を解除することができないため、もしクラッ
チ機構が連結状態にあるときに、モータ7が故障したり
すると、クラッチが連結されたままとなって、手動によ
るスライド扉2の開閉に支障を来すことになる。これに
対する対策は、図7、図8に示してある。
【0018】図7、図8は、前記モータ7の出力歯車4
0と、前記ドラム軸12に軸支された駆動歯車16と、
出力歯車40と駆動歯車16との間に噛合する中間歯車
41とを示しており、これらの歯車がモータ7の減速機
構42を構成している。中間歯車41は、前記ベースプ
レート10に固定された長い軸43に、軸43のスラス
ト方向(軸芯方向)に移動自在に軸支されている。軸4
3の一端には大径のヘッド44が形成され、ヘッド44
と中間歯車41との間にはバネ45が設けられ、バネ4
5の弾力で中間歯車41は出力歯車40および駆動歯車
16の双方に噛合する位置に保持されている。
【0019】46は、前記中間歯車41を前記バネ44
の弾力に抗して前記軸43のスラスト方向に移動させ、
かつ、前記中間歯車41を前記軸43を中心に回転させ
得る操作ノブであり、実施例においては、操作ノブ46
の2〜4本程度の爪付脚部47を、中間歯車41の係合
孔48に係合させることにより、操作ノブ46を中間歯
車41に取付けてある。操作ノブ46を軸43のスラス
ト方向に沿って移動させると、爪付脚部47と係合孔4
8との係合により、中間歯車41は図8のようにバネ4
4の弾力に抗して移動し、その結果、中間歯車41とモ
ータ7の出力歯車40との噛合は解除され、中間歯車4
1は駆動歯車16のみに噛合することになる。このよう
に、中間歯車41と出力歯車40との噛合が解除される
と、中間歯車41にはモータ7の回転抵抗や、減速機構
40の回転抵抗が掛からなくなるから、操作ノブ46を
回転させることにより、容易に駆動歯車16を回転させ
ることができるようになる。
【0020】したがって、万一、クラッチ機構15が連
結状態にあるときに、モータ7が故障して、モータ7の
動力によりクラッチ機構15を非連結状態に復帰させる
ことができない事態となったときは、操作ノブ46によ
り、中間歯車41と出力歯車40との噛合を解除し、そ
の後、操作ノブ46により中間歯車41を回転させて、
駆動歯車16を所定の方向に回転させる。つまり、図6
の状態で、モータ7が故障したときは、操作ノブ46に
より駆動歯車16および回転ディスク17を反時計回転
させると、回転ディスク17の回転により揺動アーム2
3のスライドピン27は、係合スロット35から引き抜
かれるように抜け出て、延長スロット33を経由して円
弧スロット31に到達して、クラッチ機構15は非連結
状態に復帰する。クラッチ機構15が非連結状態に復帰
したら、操作ノブ46から手を離すと、中間歯車41は
バネ45の弾力で初期位置に復帰して、出力歯車40と
噛合する。このようにしてクラッチ機構15を非連結状
態にすれば、モータ7が継続して使用不能となっていて
も、スライド扉2は手動により開閉でき、最低限の機能
は確保できる。
【0021】
【作用】図3の状態で、モータ7の動力により駆動歯車
16および回転ディスク17を時計回転させると、回転
ディスク17に取付軸25、26で連結された揺動アー
ム23、24もドラム軸12を中心に時計回転し、揺動
アーム23のスライドピン27は、ガイドプレート20
の円弧スロット31内をスライドして延長スロット33
に進入する。このとき、ガイドプレート20にはバネ2
2との接触で回転抵抗が与えられているから、ガイドプ
レート20はこの段階では回転しない。スライドピン2
7が延長スロット33に進入すると、スライドピン27
はドラム軸12から徐々に離間するから、揺動アーム2
3は矢印A方向のように取付軸25を中心に外方に向け
て揺動し、スライドピン27が係合スロット35に至る
と、揺動アーム23のクラッチ爪38は最外方に突出し
て、図6のように、ワイヤードラム8の凸部37に係合
する。他方、別の揺動アーム24のスライドピン28も
ガイドスロット30内を移動するが、このスライドピン
28はドラム軸12を中心とする円弧スロット32内の
みを移動するため、揺動アーム24は取付軸26を中心
とする揺動はせず、したがって、クラッチ爪39は凸部
37とは係合しない。
【0022】図6の状態でモータ7の動力で更に回転デ
ィスク17が時計回転すると、モータ7の動力は、クラ
ッチ爪38と凸部37との係合を介してワイヤードラム
8に伝わってワイヤードラム8も時計回転し、ワイヤー
ケーブル9は何れかの方向に牽引されて、スライド扉2
が閉扉又は開扉方向にスライドする。
【0023】しかして、スライド扉2は、傾斜地等に駐
車したときは、開き勝手、又は閉じ勝手となって、スラ
イド扉2に、モータ動力によるスライド速度を越えて勢
いよくスライドさせる外力が作用するときがある。例え
ば、図6の状態で、スライド扉2にこのような外力が作
用すると、ワイヤードラム8は時計回転方向にオーバー
スピードで回転する。すると、クラッチ爪38が係合し
ている凸部37の1つ反時計回転側に位置する別の凸部
37Aがクラッチ爪38の裏側に当接し、揺動アーム2
3には反矢印A方向の力が加わることになる。このと
き、本発明では、揺動アーム23に作用する反矢印A方
向の外力によっては、スライドピン27と係合スロット
35との係合は解除されない構成としてあるため、揺動
アーム23は揺動せず、したがって、ワイヤードラム8
は回転ディスク17と係合した状態に維持される。この
ため、スライド扉2に掛かるオーバースピードの外力
は、モータ7や減速機構42の回転抵抗で吸収され、ス
ライド扉2のスライド速度は所定値に保たれる。
【0024】モータ動力によりスライド扉2が所定位置
までスライドしたら、モータ7を停止させる前に、いっ
たんモータ7を逆方向に所定時間(所定量)だけ回転さ
せる。つまり、回転ディスク17を時計回転させて図6
の状態になったときは、回転ディスク17を所定量だけ
反時計回転させるようにモータ7を作動させてから、モ
ータ7の回転を停止させる。このようにすると、回転デ
ィスク17の反時計回転により揺動アーム23のスライ
ドピン27は、係合スロット35から引き抜かれるよう
に抜け出て、延長スロット33を経由して円弧スロット
31に到達し、回転ディスク17の所定量の反時計回転
が終了する時点では、図3の位置に復帰し、クラッチ機
構15は非連結状態に復帰する。
【0025】万一、クラッチ機構15が連結状態にある
ときに、モータ7が故障して、モータ7の動力によりク
ラッチ機構15を非連結状態に復帰させることができな
い事態となったときは、操作ノブ46により、中間歯車
41と出力歯車40との噛合を解除し、その後、操作ノ
ブ46により中間歯車41を回転させて、駆動歯車16
を所定の方向に回転させる。つまり、図6の状態で、モ
ータ7が故障したときは、操作ノブ46により駆動歯車
16および回転ディスク17を反時計回転させると、回
転ディスク17の回転により揺動アーム23のスライド
ピン27は、係合スロット35から引き抜かれるように
抜け出て、延長スロット33を経由して円弧スロット3
1に到達して、クラッチ機構15は非連結状態に復帰す
る。クラッチ機構15が非連結状態に復帰したら、操作
ノブ46から手を離すと、中間歯車41はバネ45の弾
力で初期位置に復帰して、出力歯車40と噛合する。こ
のようにしてクラッチ機構15を非連結状態にすれば、
モータ7が継続して使用不能となっていても、スライド
扉2は手動により開閉でき、最低限の機能は確保でき
る。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明は、車体1に対し
てスライド移動することにより開閉するスライド扉2に
ワイヤーケーブル9を介して連結され一方に回転すると
前記スライド扉2を閉扉方向にスライドさせ他方に回転
すると前記スライド扉2を開扉方向にスライドさせるワ
イヤードラム8と、前記ワイヤードラム8を回転させる
モータ7と、前記ワイヤードラム8と前記モータ7との
間に設けられ前記モータ7の出力を前記ワイヤードラム
8に伝える連結状態と前記ワイヤードラム8の回転を前
記モータ7に伝達しない非連結状態と切り替わるクラッ
チ機構15とからなり、前記クラッチ機構15は前記モ
ータ7が正転すると第1連結状態となって前記ワイヤー
ドラムを前記一方方向に回転させ前記モータ7が逆転す
ると第2連結状態となって前記ワイヤードラムを前記他
方方向に回転させ前記第1連結状態および前記第2連結
状態において前記モータ7の回転が停止しても前記第1
連結状態および前記第2連結状態は保持され前記第1連
結状態においては前記モータ7の所定量の逆転によりま
た前記第2連結状態においては前記モータ7の所定量の
正転により前記非連結状態に復帰する構成としたものに
おいて、前記クラッチ機構15は、前記第1連結状態お
よび前記第2連結状態において前記ワイヤードラム8に
前記ワイヤードラム8を回転させる外力を手動によって
加えても前記第1連結状態および前記第2連結状態は解
除されないように構成した車両スライド扉の動力スライ
ド装置の構成としたものであるから、スライド扉2に、
モータ動力によるスライド速度を越えて勢いよくスライ
ドさせる外力が作用しても、この外力は、モータ7側の
回転抵抗で吸収され、スライド扉2のスライド速度は所
定値に保たれる。また、本発明は、前記装置において、
前記クラッチ機構15は、前記第1連結状態において前
記ワイヤードラム8と係合する第1揺動アーム23と、
前記第2連結状態において前記ワイヤードラム8に係合
する第2揺動アーム24と、前記モータ7が前記正転を
すると前記第1揺動アーム23を揺動させて前記ワイヤ
ードラム8に係合させる第1ガイドスロット29と、前
記モータ7が前記逆転をすると前記第2揺動アーム24
を揺動させて前記ワイヤードラム8に係合させる第2ガ
イドスロット30とを備え、前記第1ガイドスロット2
9には前記ワイヤードラム8から前記第1揺動アーム2
3に与えられる外力によっては前記第1揺動アーム23
を前記ワイヤードラム8から離間させない第1係合スロ
ット35を設け、前記第2ガイドスロット30には前記
ワイヤードラム8から前記第2揺動アーム24に与えら
れる外力によっては前記第2揺動アーム24を前記ワイ
ヤードラム8から離間させない第2係合スロット36を
設けた車両スライド扉の動力スライド装置としたから、
簡単な構成で実施できる。また、本発明は、前記装置に
おいて、前記クラッチ機構15は、更に、前記ワイヤー
ドラム8を支持するドラム軸12に軸支され前記モータ
7の動力により回転する回転ディスク17と、前記ドラ
ム軸12に軸支され前記第1ガイドスロット29および
前記第2ガイドスロット30とを形成したガイドプレー
ト20とを備え、前記第1揺動アーム23および前記第
2揺動アーム24は前記回転ディスク17に取付軸25
および取付軸26によりそれぞれ軸支し、前記第1揺動
アーム23には前記第1ガイドスロット29にスライド
自在に係合するスライドピン27を形成し、前記第2揺
動アーム24には前記第2ガイドスロット30にスライ
ド自在に係合するスライドピン28を形成し、前記第1
係合スロット35および前記第2係合スロット36は前
記ドラム軸12を中心とする円弧状に形成した前記車両
スライド扉の動力スライド装置としたから、確実な作用
が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スライド扉を備えた車両の側面図。
【図2】 動力スライド装置の縦断側面図。
【図3】 動力スライド装置の縦断正面図。
【図4】 回転ディスクの正面図。
【図5】 ガイドプレートの正面図。
【図6】 クラッチ機構が連結状態にあるときの断面
図。
【図7】 減速機構示す断面図。
【図8】 中間歯車を出力歯車から離脱させた状態の断
面図。
【符号の説明】
1…車体、2…スライド扉、3…ストライカ、4…ラッ
チアッシー、5…動力スライド装置、6…クォータパネ
ル、7…モータ、8…ワイヤードラム、9…ワイヤーケ
ーブル、10…ベースプレート、11…カバープレー
ト、12…ドラム軸、13…ワイヤー溝、14…内部空
間、15…クラッチ機構、16…駆動歯車、17…回転
ディスク、18…スリーブ、19…バネ支持体、20…
ガイドプレート、21…環状フランジ、22…バネ、2
3、24…揺動アーム、25、26…取付軸、27、2
8…スライドピン、29、30…ガイドスロット、3
1、32…円弧スロット、33、34…延長スロット、
35、36…係合スロット、37…凸部、38、39…
クラッチ爪、40…出力歯車、41…中間歯車、42…
減速機構、43…軸、44…ヘッド、45…バネ、46
…操作ノブ、47…爪付脚部、48…係合孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E05F 15/00 B60J 5/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体1に対してスライド移動することに
    より開閉するスライド扉2にワイヤーケーブル9を介し
    て連結され一方に回転すると前記スライド扉2を閉扉方
    向にスライドさせ他方に回転すると前記スライド扉2を
    開扉方向にスライドさせるワイヤードラム8と、前記ワ
    イヤードラム8を回転させるモータ7と、前記ワイヤー
    ドラム8と前記モータ7との間に設けられ前記モータ7
    の出力を前記ワイヤードラム8に伝える連結状態と前記
    ワイヤードラム8の回転を前記モータ7に伝達しない非
    連結状態と切り替わるクラッチ機構15とからなり、前
    記クラッチ機構15は前記モータ7が正転すると第1連
    結状態となって前記ワイヤードラムを前記一方方向に回
    転させ前記モータ7が逆転すると第2連結状態となって
    前記ワイヤードラムを前記他方方向に回転させ前記第1
    連結状態および前記第2連結状態において前記モータ7
    の回転が停止しても前記第1連結状態および前記第2連
    結状態は保持され前記第1連結状態においては前記モー
    タ7の所定量の逆転によりまた前記第2連結状態におい
    ては前記モータ7の所定量の正転により前記非連結状態
    に復帰する構成としたものにおいて、前記クラッチ機構
    15は、前記第1連結状態および前記第2連結状態にお
    いて前記ワイヤードラム8に前記ワイヤードラム8を回
    転させる外力を手動によって加えても前記第1連結状態
    および前記第2連結状態は解除されないように構成した
    車両スライド扉の動力スライド装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記クラッチ機構1
    5は、前記第1連結状態において前記ワイヤードラム8
    と係合する第1揺動アーム23と、前記第2連結状態に
    おいて前記ワイヤードラム8に係合する第2揺動アーム
    24と、前記モータ7が前記正転をすると前記第1揺動
    アーム23を揺動させて前記ワイヤードラム8に係合さ
    せる第1ガイドスロット29と、前記モータ7が前記逆
    転をすると前記第2揺動アーム24を揺動させて前記ワ
    イヤードラム8に係合させる第2ガイドスロット30と
    を備え、前記第1ガイドスロット29には前記ワイヤー
    ドラム8から前記第1揺動アーム23に与えられる外力
    によっては前記第1揺動アーム23を前記ワイヤードラ
    ム8から離間させない第1係合スロット35を設け、前
    記第2ガイドスロット30には前記ワイヤードラム8か
    ら前記第2揺動アーム24に与えられる外力によっては
    前記第2揺動アーム24を前記ワイヤードラム8から離
    間させない第2係合スロット36を設けた車両スライド
    扉の動力スライド装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記クラッチ機構1
    5は、更に、前記ワイヤードラム8を支持するドラム軸
    12に軸支され前記モータ7の動力により回転する回転
    ディスク17と、前記ドラム軸12に軸支され前記第1
    ガイドスロット29および前記第2ガイドスロット30
    とを形成したガイドプレート20とを備え、前記第1揺
    動アーム23および前記第2揺動アーム24は前記回転
    ディスク17に取付軸25および取付軸26によりそれ
    ぞれ軸支し、前記第1揺動アーム23には前記第1ガイ
    ドスロット29にスライド自在に係合するスライドピン
    27を形成し、前記第2揺動アーム24には前記第2ガ
    イドスロット30にスライド自在に係合するスライドピ
    ン28を形成し、前記第1係合スロット35および前記
    第2係合スロット36は前記ドラム軸12を中心とする
    円弧状に形成した前記車両スライド扉の動力スライド装
    置。
  4. 【請求項4】 一方方向に回転するとワイヤーケーブル
    9を一方側に牽引して車体1に対してスライド移動する
    ことにより開閉するスライド扉2を閉扉方向にスライド
    させ他方方向に回転すると前記ワイヤーケーブル9を他
    方側に牽引して前記スライド扉2を開扉方向にスライド
    させるワイヤードラム8と、前記ワイヤードラム8を回
    転させるモータ7と、前記ワイヤードラム8と前記モー
    タ7との間に設けられ前記モータ7の出力を前記ワイヤ
    ードラム8に伝える連結状態と前記ワイヤードラム8の
    回転を前記モータ7に伝達しない非連結状態と切り替わ
    るクラッチ機構15とからなり、前記クラッチ機構15
    は前記モータ7が正転すると第1連結状態となって前記
    ワイヤードラムを前記一方方向に回転させ前記モータ7
    が逆転すると第2連結状態となって前記ワイヤードラム
    を前記他方方向に回転させ前記第1連結状態および前記
    第2連結状態において前記モータ7の回転が停止しても
    前記第1連結状態および前記第2連結状態は保持され前
    記第1連結状態においては前記モータ7の所定量の逆転
    によりまた前記第2連結状態においては前記モータ7の
    所定量の正転により前記非連結状態に復帰する構成とし
    たものにおいて、前記クラッチ機構15は、前記第1連
    結状態および前記第2連結状 態において前記ワイヤード
    ラム8に前記ワイヤードラム8を回転させる外力を手動
    によって加えても前記第1連結状態および前記第2連結
    状態は解除されないように構成した車両スライド扉の動
    力スライド装置。
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