JP3405366B2 - クラッド式正極板の製造法 - Google Patents
クラッド式正極板の製造法Info
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クラッド式鉛蓄電池用
正極板(以下、クラッド式正極板という)の製造法に関
するものである。 【0002】 【従来の技術】クラッド式正極板は、ガラス繊維などか
らなる多孔性の円筒形チューブの中心に心金を挿入した
格子体に鉛粉を充填し、化成等の工程を経て製造され
る。チューブ内への鉛粉の充填は、振動を加えながら行
う乾式充填法と、鉛粉を希硫酸等で混練してペーストを
作製し、このペーストをノズルを通してチューブ内へ充
填する湿式充填法とがある。従来、上記湿式充填法で用
いられるペーストは、密度が2.7〜3.0g/cc
で、乾燥後の活物質中に含まれる硫酸鉛が約5質量%で
あった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記湿式充填法で作製
された極板は、硫酸鉛の比率が少ないため、前記乾式充
填法により作製された極板に比べ化成の出来具合が悪
く、初期容量が出にくいという問題点を有していた。こ
の問題点を解決するために、ペースト中の硫酸鉛の比率
を高めればよいが、そうすると、ペーストの流動性が低
下し、ペーストをポンプで送れなくなり、湿式充填法を
採用できなくなるという問題点が生じた。また、前記湿
式充填法で作製した未化成極板を乾燥後、希硫酸中に浸
漬し、化成をし易くする方法も提案されているが、酸浸
漬とその後の乾燥工程が必要となり、製造原価を高める
という問題点を有していた。 【0004】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的とするところは、初期容量の優れ
たクラッド式正極板を湿式充填法によって製造すること
にある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、流動性を有するペーストをチューブ内へ
圧入するクラッド式正極板の製造法において、前記ペー
ストは、密度が2.7〜3.0g/cc、乾燥活物質中
の硫酸鉛の比率が10質量%以上で、メタリン酸のアル
カリ金属塩およびピロリン酸のアルカリ金属塩を除くア
ルカリ性物質を含ませたことを特徴とするものである。 【0006】 【作用】ペースト中の硫酸鉛の比率を大にすると流動性
が低下するが、アルカリ性物質を添加すると流動性を持
たすことができる。従って、硫酸鉛の比率が大となって
もアルカリ性物質を含んだペーストを用いることにより
湿式充填法でクラッド式正極板を製造できる。そして、
この極板は硫酸鉛が多いため化成後の初期容量が大とな
る。 【0007】 【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。表
1のように、鉛粉100kgに対し、比重の異なる3種
類の希硫酸をそれぞれ42リットル加えて、3種類のペ
ーストA,B,Cを作製した。それぞれのペーストA,
B,Cについて、密度、流動性の有無、ペースト乾燥後
の硫酸鉛の比率を調査した。その結果を表1に示す。な
お、流動性の有無は、ペーストをホッパーに入れた時に
液面が水平になるか否かにより判断した。 【0008】 【表1】 【0009】表1よりペーストの密度が2.7の時、硫
酸鉛の比率が10質量%以上になると、ペーストの流動
性が無くなることが分かる。次に、高さ286mm、内
径9mmのチューブを15本備えたクラッド式格子体に
前記ペーストAをポンプにより圧入し、充填圧力が5k
g/cm2 になった時点で4秒間保持してクラッド式正
極板を作製した。この正極板は、充填密度が3.6g/
ccであり、5時間率の定格容量が55Ahであった。 【0010】前記3種類のペーストのうち、ペーストC
に表2のように苛性ソーダを加えて、ペーストC',
C''を作製し、それぞれの流動性の有無を調べた。ま
た、参考にそれぞれのペーストのpHも調査した。その
結果を表2に示す。 【0011】 【表2】 【0012】表2より、ペーストCに苛性ソーダを加え
るとペーストが流動性を持つようになることがわかる。
次に、前記ペーストAの場合と同じ方法で、クラッド式
格子体に前記ペーストC'を湿式充填法により充填して
クラッド式正極板を作製した。なお、充填圧力は7kg
/cm2、保持時間は5秒とし、前記ペーストAの場合
と同様な充填密度が得られるようにした。 【0013】(比較例)前記実施例と同様のクラッド式
格子体に通常の振動式充填機で鉛粉を充填し、比重1.
10の希硫酸中に1時間浸漬した後、60℃で1時間乾
燥してクラッド式正極板を作製した。なお、鉛粉の充填
量は正極板の充填密度が3.6g/ccになるように設
定した。この正極板の5時間率定各容量(設計値)は5
5Ahであり、乾燥後の活物質中の硫酸鉛は15質量%
であった。 【0014】(試験)実施例および比較例で得られた極
板を5枚づつ用意し、化成終了後に単板容量試験を実施
した。その結果を表3に示す。なお、化成条件は電解液
比重1.10、温度40℃、電流密度11mA/cm2
とし、48時間化成し、総電気量は9.6C(1Cは5
時間率の容量を示す値)であった。また、単板容量試験
の条件は、電解液比重1.28、温度30℃、放電電流
11Aであった。 【0015】 【表3】 【0016】表3により、本発明品(ペーストC')
は、従来の湿式充填によるもの(ペーストA)および乾
式充填法によるもの(比較例)に比べ、初期容量が優れ
ていることがわかった。なお、本実施例ではアルカリ性
物質として苛性ソーダを用いているが、水酸化リチウム
や水酸化カリウなど電池に無害なものであればよく、苛
性ソーダに限定されるものではない。また、その量もペ
ースト密度と流動性の関係から適宜調節すればよく、経
済的には少ない方がよい。 【0017】 【発明の効果】上述の通り、本発明によれば、硫酸鉛の
比率が大なるペーストに流動性を持たせることができ、
湿式充填法で初期容量の優れたクラッド式正極板を製造
することができる。
正極板(以下、クラッド式正極板という)の製造法に関
するものである。 【0002】 【従来の技術】クラッド式正極板は、ガラス繊維などか
らなる多孔性の円筒形チューブの中心に心金を挿入した
格子体に鉛粉を充填し、化成等の工程を経て製造され
る。チューブ内への鉛粉の充填は、振動を加えながら行
う乾式充填法と、鉛粉を希硫酸等で混練してペーストを
作製し、このペーストをノズルを通してチューブ内へ充
填する湿式充填法とがある。従来、上記湿式充填法で用
いられるペーストは、密度が2.7〜3.0g/cc
で、乾燥後の活物質中に含まれる硫酸鉛が約5質量%で
あった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記湿式充填法で作製
された極板は、硫酸鉛の比率が少ないため、前記乾式充
填法により作製された極板に比べ化成の出来具合が悪
く、初期容量が出にくいという問題点を有していた。こ
の問題点を解決するために、ペースト中の硫酸鉛の比率
を高めればよいが、そうすると、ペーストの流動性が低
下し、ペーストをポンプで送れなくなり、湿式充填法を
採用できなくなるという問題点が生じた。また、前記湿
式充填法で作製した未化成極板を乾燥後、希硫酸中に浸
漬し、化成をし易くする方法も提案されているが、酸浸
漬とその後の乾燥工程が必要となり、製造原価を高める
という問題点を有していた。 【0004】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的とするところは、初期容量の優れ
たクラッド式正極板を湿式充填法によって製造すること
にある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、流動性を有するペーストをチューブ内へ
圧入するクラッド式正極板の製造法において、前記ペー
ストは、密度が2.7〜3.0g/cc、乾燥活物質中
の硫酸鉛の比率が10質量%以上で、メタリン酸のアル
カリ金属塩およびピロリン酸のアルカリ金属塩を除くア
ルカリ性物質を含ませたことを特徴とするものである。 【0006】 【作用】ペースト中の硫酸鉛の比率を大にすると流動性
が低下するが、アルカリ性物質を添加すると流動性を持
たすことができる。従って、硫酸鉛の比率が大となって
もアルカリ性物質を含んだペーストを用いることにより
湿式充填法でクラッド式正極板を製造できる。そして、
この極板は硫酸鉛が多いため化成後の初期容量が大とな
る。 【0007】 【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。表
1のように、鉛粉100kgに対し、比重の異なる3種
類の希硫酸をそれぞれ42リットル加えて、3種類のペ
ーストA,B,Cを作製した。それぞれのペーストA,
B,Cについて、密度、流動性の有無、ペースト乾燥後
の硫酸鉛の比率を調査した。その結果を表1に示す。な
お、流動性の有無は、ペーストをホッパーに入れた時に
液面が水平になるか否かにより判断した。 【0008】 【表1】 【0009】表1よりペーストの密度が2.7の時、硫
酸鉛の比率が10質量%以上になると、ペーストの流動
性が無くなることが分かる。次に、高さ286mm、内
径9mmのチューブを15本備えたクラッド式格子体に
前記ペーストAをポンプにより圧入し、充填圧力が5k
g/cm2 になった時点で4秒間保持してクラッド式正
極板を作製した。この正極板は、充填密度が3.6g/
ccであり、5時間率の定格容量が55Ahであった。 【0010】前記3種類のペーストのうち、ペーストC
に表2のように苛性ソーダを加えて、ペーストC',
C''を作製し、それぞれの流動性の有無を調べた。ま
た、参考にそれぞれのペーストのpHも調査した。その
結果を表2に示す。 【0011】 【表2】 【0012】表2より、ペーストCに苛性ソーダを加え
るとペーストが流動性を持つようになることがわかる。
次に、前記ペーストAの場合と同じ方法で、クラッド式
格子体に前記ペーストC'を湿式充填法により充填して
クラッド式正極板を作製した。なお、充填圧力は7kg
/cm2、保持時間は5秒とし、前記ペーストAの場合
と同様な充填密度が得られるようにした。 【0013】(比較例)前記実施例と同様のクラッド式
格子体に通常の振動式充填機で鉛粉を充填し、比重1.
10の希硫酸中に1時間浸漬した後、60℃で1時間乾
燥してクラッド式正極板を作製した。なお、鉛粉の充填
量は正極板の充填密度が3.6g/ccになるように設
定した。この正極板の5時間率定各容量(設計値)は5
5Ahであり、乾燥後の活物質中の硫酸鉛は15質量%
であった。 【0014】(試験)実施例および比較例で得られた極
板を5枚づつ用意し、化成終了後に単板容量試験を実施
した。その結果を表3に示す。なお、化成条件は電解液
比重1.10、温度40℃、電流密度11mA/cm2
とし、48時間化成し、総電気量は9.6C(1Cは5
時間率の容量を示す値)であった。また、単板容量試験
の条件は、電解液比重1.28、温度30℃、放電電流
11Aであった。 【0015】 【表3】 【0016】表3により、本発明品(ペーストC')
は、従来の湿式充填によるもの(ペーストA)および乾
式充填法によるもの(比較例)に比べ、初期容量が優れ
ていることがわかった。なお、本実施例ではアルカリ性
物質として苛性ソーダを用いているが、水酸化リチウム
や水酸化カリウなど電池に無害なものであればよく、苛
性ソーダに限定されるものではない。また、その量もペ
ースト密度と流動性の関係から適宜調節すればよく、経
済的には少ない方がよい。 【0017】 【発明の効果】上述の通り、本発明によれば、硫酸鉛の
比率が大なるペーストに流動性を持たせることができ、
湿式充填法で初期容量の優れたクラッド式正極板を製造
することができる。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 流動性を有するペーストをチューブ内へ
圧入するクラッド式正極板の製造法において、前記ペー
ストは、密度が2.7〜3.0g/cc、乾燥活物質中
の硫酸鉛の比率が10質量%以上で、水酸化リチウム、
水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムのうちのいずれ
かを含ませたことを特徴とするクラッド式正極板の製造
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08429294A JP3405366B2 (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | クラッド式正極板の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08429294A JP3405366B2 (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | クラッド式正極板の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07296806A JPH07296806A (ja) | 1995-11-10 |
JP3405366B2 true JP3405366B2 (ja) | 2003-05-12 |
Family
ID=13826402
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08429294A Expired - Fee Related JP3405366B2 (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | クラッド式正極板の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3405366B2 (ja) |
-
1994
- 1994-04-22 JP JP08429294A patent/JP3405366B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07296806A (ja) | 1995-11-10 |
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Legal Events
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