JP3404148B2 - 外壁パネル用ガスケット、該外壁パネル用ガスケットの取付構造及び取付施工方法並びに該外壁パネル用ガスケットを備えるユニット建物、 - Google Patents

外壁パネル用ガスケット、該外壁パネル用ガスケットの取付構造及び取付施工方法並びに該外壁パネル用ガスケットを備えるユニット建物、

Info

Publication number
JP3404148B2
JP3404148B2 JP23020594A JP23020594A JP3404148B2 JP 3404148 B2 JP3404148 B2 JP 3404148B2 JP 23020594 A JP23020594 A JP 23020594A JP 23020594 A JP23020594 A JP 23020594A JP 3404148 B2 JP3404148 B2 JP 3404148B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
joint
gasket
wall panel
wall
panel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP23020594A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0874340A (ja
Inventor
一道 松田
義博 丸目
誠 羽田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nishikawa Rubber Co Ltd
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Nishikawa Rubber Co Ltd
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nishikawa Rubber Co Ltd, Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Nishikawa Rubber Co Ltd
Priority to JP23020594A priority Critical patent/JP3404148B2/ja
Publication of JPH0874340A publication Critical patent/JPH0874340A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3404148B2 publication Critical patent/JP3404148B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Building Environments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】この発明は、建物の外壁部分をなす外壁パ
ネル間の隙間(目地)を塞いで建物の外観を美麗にする
と共に止水するための外壁パネル用ガスケット、該外壁
パネル用ガスケットの取付構造及び取付施工方法並びに
該外壁パネル用ガスケットを備えるユニット建物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】外壁パネルを複数枚並べて建物の構造体
まわりの外壁となる部分に取り付けると、外壁パネルと
隣の外壁パネルとの間に目地と称する隙間が生じる。こ
のような隙間をそのままに放置していると、外観が醜悪
であるばかりでなく、この隙間から雨水が浸入して、室
内が濡れたり、壁面に黴が発生したり、また、寒季にお
いては、浸入した雨水が壁の中で凍結膨張して、壁を傷
める等のいわゆる凍害が発生する。そこで、従来から、
外壁パネル間目地の止水対策として、様々なものが提案
されているが、外壁パネルの目地にガスケットを挿入す
る乾式の方法が、セメントモルタルを塗り込んだり、コ
ーキング剤(シーリング剤)を注入/充填する湿式の方
法よりは、施工が簡単であり、施工後、紫外線による劣
化や乾燥によるひび割れ等がないため、広く行われてい
る。
【0003】外壁パネル間目地を乾式に止水するための
ガスケットとしては、従来、特開平3−295948号
公報や、特開平3−233046号公報等に記載のもの
が知られている。特開平3−295948号公報に記載
のガスケットは、図15に示すように、円筒チューブ型
のもので、このガスケット1を、その内部空間1aの真
空引きを行うことにより収縮させ、この状態で外壁パネ
ル2,2間の目地3に挿入し、挿入後、真空引きを止め
ることで、ガスケット1を弾性復元させて、外壁パネル
2,2の相対向する端面2a,2aにガスケット1を密
着させて止水性(シール性)を確保している。
【0004】一方、特開平3−233046号公報に記
載のガスケットは、図16に示すように、異形チューブ
型のもので、このガスケット4を、その内部空間4aの
真空引きを行うことにより収縮させ、この状態で外壁パ
ネル5,5間の目地6に形成された空間部6a内にガス
ケット4を挿入し、挿入後、真空引きを止めることで、
ガスケット4を弾性復元させて、外壁パネル5,5の相
対向する端面5a,5aにガスケット4を密着させて止
水性を確保している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開平3−
295948号公報に記載の従来のガスケット1は、外
壁パネル2,2の端面2a,2a間に挟み込む状態に装
着されるものであるため、図15に示すように、目地3
の表面側に凹凸ができやすく、建物の美観を損なう懸念
があった。また、止水ラインが端面2a,2aとガスケ
ット1の接触面だけであるから、止水性能が低下する心
配もあった。さらに、実際の現場では、使用する各外壁
パネルの外径寸法や建物の躯体の施工誤差等に大きく影
響されて、目地幅寸法にかなりの変動が生じることは希
ではなく、実際の目地幅が設定寸法よりも広くなる場合
には、ガスケット1の嵌着が緩み、水密性を確保できな
いばかりか、ガスケット1が目地3から離脱する畏れも
あった。一方、実際の目地幅が設定寸法よりも狭くなる
場合には、目地3の表面側にガスケット1が凸状にはみ
出して、建物の美観を壊してしまう。
【0006】一方、特開平3−233046号公報に記
載の従来のガスケット4では、図16に示すように、目
地6内にガスケット4を装着するための空間部6aが必
要となるため、外壁パネル5の製作が大変煩雑となり、
加えて、例えば硬質木片セメント板等の薄い外装面材に
よって構成される外壁パネルには使用できないという不
都合もあった。
【0007】この発明は、上述の事情に鑑みてなされた
もので、外壁パネル間の目地の表面側を容易に平坦化で
き、しかも止水性能を高めることができる上、目地幅の
広狭や外壁パネル(外装面材)の厚薄にも柔軟に対応で
きる外壁パネル用ガスケット、該外壁パネル用ガスケッ
トの取付構造及び取付施工方法並びに該外壁パネル用ガ
スケットを備えるユニット建物を提供することを目的と
している。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、建物の柱部の箇所で互いに
合わせられる2枚の外壁パネル間の目地に挿着される外
壁パネル用ガスケットであって、前記目地の表面側に配
され前記目地を覆う幅を持つ帯板状の表装部と、該表装
部の裏面に突設されて前記目地内に挿通される長尺板状
の基体部と、該基体部の両側から外方にかつ左右対称に
突出する態様で前記目地の裏面側の前記柱部と外壁パネ
ルとの間の空間に配される一対のチューブ部とを備え、
前記各チューブ部は、中空部とその周壁とからなり、前
記中空部の周壁が、前記外壁パネルの端部裏面に直接又
は防水材を介して弾性的に接触する可撓性のパネル側ひ
れ板と、前記柱部に直接又は防水材を介して弾性的に接
触する可撓性の柱側ひれ板と、これらパネル側ひれ板の
先端と柱側ひれ板の先端とに連設される連結板とを有し
てなり、かつ、前記中空部は、その一端が閉塞されてい
て、他端側から真空引きすると、収縮する構成になされ
ていることを特徴としている。
【0009】また、請求項2記載の発明は、建物の柱部
の箇所で互いに合わせられる2枚の外壁パネル間の目地
に挿着される外壁パネル用ガスケットであって、前記目
地の表面側に配され前記目地を覆う幅を持つ帯板状の表
装部と、該表装部の裏面に突設されて前記目地内に挿通
される長尺板状の基体部と、該基体部の先端に連設さ
れ、かつ左右対称の形状に膨らんだ態様で前記目地の裏
面側の前記柱部と外壁パネルとの間の空間に配される単
一のチューブ部とを備え、該チューブ部は、中空部とそ
の周壁とからなり、前記中空部の周壁が、前記基体部の
先端に連設され、かつ前記外壁パネルの端部裏面に直接
又は防水材を介して弾性的に接触する可撓性のパネル側
ひれ板と、前記柱部に直接又は防水材を介して弾性的に
接触する可撓性の柱側ひれ板と、これらパネル側ひれ板
の先端と柱側ひれ板の先端とに連設される連結板とを有
してなり、かつ、前記中空部は、その一端が閉塞されて
いて、他端側から真空引きすると、収縮する構成になさ
れていることを特徴としている。
【0010】また、請求項3記載の発明は、請求項1、
2又は3記載の外壁パネル用ガスケットに係り、前記中
空部を前記他端側から真空引きすると、前記目地の深さ
方向に収縮し、前記目地の幅方向に沿って偏平化するこ
とが可能となるように、前記連結版は、屈曲形状になさ
れていることを特徴としている。
【0011】また、請求項4記載の発明は、建物の入隅
部に位置する柱部の箇所で、一方の外壁パネルの端部表
面に他方の外壁パネルの小口を突付ける状態で互いに直
角に合わせられる2枚の外壁パネル間の目地に挿着され
る外壁パネル用ガスケットであって、前記目地の表面側
に配され、前記目地のうち少なくとも他方の外壁パネル
側を覆う幅を持つ帯板状の表装部と、前記目地内に配さ
れ、前記一方の外壁パネルの端部表面に弾性的に接触す
る片ひれ部と、前記目地の裏面側の前記柱部と外壁パネ
ルとの間の空間に配され、かつ、中空部とその周壁とか
らなり、その周壁が前記一方の外壁パネルの小口と、前
記他方の外壁パネルの端部裏面と、前記柱部とに直接又
は防水材を介して弾性的に接触する柔軟な単数又は複数
のチューブ部と、前記目地内に挿通され前記表装部と前
記片ひれ部と前記チューブ部とを連結する長尺板状の基
体部とを備えてなることを特徴としている。
【0012】また、請求項5記載の発明は、外壁パネル
をそれぞれ備えてなる複数の建物ユニットを組み合わせ
て構成されるユニット建物であって、一の前記建物ユニ
ットと、その隣の前記建物ユニットとの間の目地を止水
するために、前記表装部が前記目地の表面側に、前記基
体部が前記目地の隙間内に、かつ、非収縮状態の前記チ
ューブ部が前記目地の裏面側に配置される態様で、請求
項1,2,3又は4記載の外壁パネル用ガスケットが前
記目地に挿着されていることを特徴としている。
【0013】また、請求項6記載の発明は、外壁パネル
と隣の外壁パネルとの間の目地を止水する外壁パネル用
ガスケットの取付構造であって、前記表装部が前記目地
の表面側に、前記基体部が前記目地の隙間内に、かつ、
非収縮状態の前記チューブ部が前記目地の裏面側に配置
される態様で、請求項1,2,3又は4記載の外壁パネ
ル用ガスケットが前記目地に挿着されていることを特徴
としている。
【0014】さらにまた、請求項7記載の発明は、請求
項1乃至6のいずれか一に記載の外壁パネル用ガスケッ
トの前記他端側から該中空部内を真空引きしてチューブ
部を収縮させ、この状態で前記表装部を前記目地の表面
側に、かつ、収縮されたチューブ部を前記目地の裏面側
の前記柱部と外壁パネルとの間の空間に位置させて、該
目地に外壁パネル用ガスケットを挿入し、挿入後、その
位置で前記中空部の真空引きを停止して外気を導入する
ことにより、前記チューブ部を弾性的に復元させて膨張
させ、これにより、中空部の周壁を前記柱部と前記各外
壁パネルの端部裏面又は小口とに弾性的に接触させるこ
とを特徴としている。
【0015】
【作用】請求項1及び2記載の構成のガスケットでは、
表装部が目地の表面側を平滑に覆い隠し、目地の裏面側
においては、左右対称の一対のチューブ部(請求項1)
あるいは左右対称形状の単一のチューブ部(請求項2)
が左右の外壁パネルの端部裏面と柱部とに弾性的に接触
する。この際、チューブ部が柱部に弾力を及ぼすことに
よる柱部からの反力が、一対の又は単一のチューブ部を
左右の外壁パネルの端部裏面に押し付ける。一方、一対
の又は単一のチューブ部が左右の外壁パネルに弾力を及
ぼすことによる左右の外壁パネルからの反力が、一対の
又は単一のチューブ部を柱部に押し付け、表装部を外壁
パネルの端部表面に押し付ける。それ故、請求項1及び
2記載のガスケットによれば、自身の弾力に柱部や外壁
パネルからの反力が加えられることで、表装部と外壁パ
ネルの端部表面とが強固に接触し、チューブ部と外壁パ
ネルの裏面とが強固に接触するので、浸水通路を確実に
遮断できる。このとき、外壁パネル(外装面材)に厚薄
があっても、チューブ部が弾性変形しながら、外壁パネ
ルの厚薄を吸収するので、ガスケットは、常に安定した
状態で目地の両側を閉塞して水密性を確保できる。一
方、目地幅寸法の最大許容誤差を考慮して、表装部やチ
ューブ部の横幅を充分に広く設定すれば、目地幅の広狭
も吸収できる。
【0016】特に、ユニット建物における柱部の対称性
に対応させて、基体部の両側から外方にかつ左右対称に
突出する一対のチューブ部(請求項1)あるいは基体部
の先端に左右対称形状の単一のチューブ部(請求項2)
が設けられていて、各チューブ部は、その中空部の周壁
が、外壁パネルの端部裏面又は小口に弾性的に接触する
可撓性のパネル側ひれ板と、柱に弾性的に接触する可撓
性の柱側ひれ板とこれらを連結する屈曲形状の連結板と
を有して構成されている。柱側ひれ板が柱部に弾力を及
ぼすことによる柱部からの反力は、連結板によって、パ
ネル側ひれ板に効果的に伝えられ、パネル側ひれ板を外
壁パネルに押し付ける。一方、パネル側ひれ板が外壁パ
ネルに弾力を及ぼすことによる外壁パネルからの反力
は、連結板によって、柱側ひれ板に効果的に伝えられ、
柱側ひれ板を柱部に押し付ける。さらに、連結板の弾力
がパネル側ひれ板を外壁パネルに押し付け、柱側ひれ板
を柱部に押し付ける。それ故、チューブ部は、外壁パネ
ルの端部裏面と柱部とに一段と強く当接して、浸水通路
を確実かつ完全に遮断できる。
【0017】また、請求項3記載のガスケットでは、他
端側から中空部内を真空引きすると、チューブ部は目地
の深さ方向に収縮し、目地の幅方向に沿って偏平化す
る。中空部内の真空引きを止めると、チューブ部が弾性
的に自動復元して目地の深さ方向に膨張する。したがっ
て、中空部内を真空引きすれば、目地の上端側からガス
ケットを挿入する作業が容易となり、また、ガスケット
を目地に挿入した後は、真空引きを止めるだけで作業を
完結できるので、施工労力を著しく軽減できる一方、確
実な止水効果が得られる。
【0018】また、請求項4記載の構成のガスケット
は、建物の入隅部に位置する柱部の箇所で互いに直交状
態にかつ一方の外壁パネル勝ちの態様で合わせられる2
枚の外壁パネル間の目地に挿着される。この入隅部の目
地において、表装部は、目地の表面側のうち少なくとも
他方の外壁パネル側を覆い隠し、目地の裏面側において
は、チューブ部が一方の外壁パネルの小口(端面)と他
方の外壁パネルの端部裏面と柱部に弾性的に接触する。
この際、チューブ部が柱部に弾力を及ぼすことによる柱
部からの反力が、チューブ部を一方の外壁パネルの小口
と他方の外壁パネルの端部裏面とに押し付ける。一方、
チューブ部が外壁パネルに弾力を及ぼすことによる外壁
パネルからの反力が、チューブ部を柱部に押し付け、表
装部を他方の外壁パネルの端部表面に押し付ける。それ
故、請求項4記載のガスケットによれば、自身の弾力に
柱部や外壁パネルからの反力が加えられることで、表装
部と他方の外壁パネルの端部表面とが強固に接触し、チ
ューブ部と一方の外壁パネルの小口及び他方の外壁パネ
ルの端部裏面とが強固に接触し、さらに、目地内には片
ひれ部が一方の外壁パネルの端部表面に弾性的に接触す
るので、浸水通路を確実に遮断できる。
【0019】また、請求項5記載のユニット建物では、
ガスケットの中空部内を真空引きすれば、目地の上端側
からガスケットを挿入する作業が容易となり、また、ガ
スケットを目地に挿入した後は、真空引きを止めるだけ
で作業を完結できるので、ユニット建物の施工労力を著
しく軽減できる一方、確実な止水効果が得られる。
【0020】また、請求項6記載のガスケットの取付構
造では、膨張したチューブ部が、中空部の周壁が柱部と
各外壁パネルの端部裏面又は小口とに弾性的に強く接触
し、また、外壁パネルが表装部とチューブ部とで強く挟
まれる構造となっている。それゆえ、確実な止水効果が
得られる。
【0021】また、請求項7記載のガスケットの取付施
工方法では、中空部の一端を閉塞し、他端から該中空部
内を真空引きしてチューブ部を収縮させ、この状態で目
地の上端側からガスケットを挿入する。挿入後、その位
置で中空部の真空引きを停止すると、チューブ部が弾性
的に復元して膨張し、これにより、中空部の周壁が柱部
と各外壁パネルの端部裏面又は小口とに弾性的に強く接
触する。それ故、施工労力を著しく軽減できる一方、外
壁パネルが表装部とチューブ部とで強く挟まれ、確実な
止水効果が得られる。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例につ
いて説明する。 ◇第1実施例 図1は、この発明の第1実施例である蝶形のガスケット
の構成を示す断面図、図2は同ガスケットの底面図、図
3は、真空引きしたことによってトンボ形になった同ガ
スケットの断面図、図4は、同ガスケットの装着対象で
ある目地部の構造を示す断面図、図5は、同ガスケット
を真空引きしながら目地に装着する様子を示す断面図、
また、図6は、各種幅寸法の目地に同ガスケットを装着
した状態を示す断面図である。
【0023】まず、図4を参照して、この例のガスケッ
トの挿着対象となるユニット建物のユニット間接合部に
生じる目地部について説明する。ここで、ユニット建物
とは、建物の工業生産化率を高めるために、一棟の建物
を、予めいくつかの建物ユニットや屋根ユニットに分け
て工場生産し、これらを建築現場において施工・組立す
る方式の建物である。上記建物ユニット7,7は、ユニ
ット建物の部屋部分を構成するユニットであり、角型鋼
管からなる四隅の柱8,8の上下端間に溝形鋼製の大梁
(図示略)を架け渡し、さらに大梁間に複数の小梁を差
し渡して箱形の鉄骨躯体を形成し、この鉄骨躯体に複数
のスタッド(間柱)を取り付け、さらに、床パネル、内
壁パネル、外壁パネル9,9等の各種パネルを貼着して
なっている。
【0024】また、上記ユニット間接合部は、隣接する
建物ユニット7,7の柱8,8同士が集合近接して、ジ
ョイントプレートを介して相互に緊結される部位であ
る。また、各外壁パネル9は、厚さ10〜20mmの硬
質木片セメント板等の外装面材91と、この外装面材9
1の裏面側にかつ縦と横とに配された鋼材製の補強桟9
2とからなり、複数の外壁パネル9,9,…を鉄骨躯体
の外側の周面に配設することで、建物の外壁が形成され
る。このとき、外壁パネル9,9(外装面材91,9
1)間に形成される目地10は、隅部以外の箇所では、
図4に示すように、ユニット間接合部における柱8,8
間の間隙に垂直に沿うこととなる。なお、補強桟92に
は、防錆のために、溶融亜鉛メッキが施されている。
【0025】各外装面材91において、目地10を構成
する端部表面には、切欠(凹所)が設けられ、ガスケッ
ト密着面Kが形成されている。最外側の補強桟(縦桟)
92は、外装面材91の端部より内側に引っ込んだ位置
に配され、この位置で対応する柱8と合わせられること
により、外装面材91の端部裏面側には、適当な空間1
1が開けられている。なお、最外側の補強桟92と対応
する柱8との間には、ウレタン発泡体等の防水シート2
0が介挿されている。
【0026】次に、この例のガスケット30は、図1に
示すように、外装面材91の表面側に配されて目地10
の表面を覆う幅を持つ帯板状の表装部31と、この表装
部31の裏面の幅方向中央に突設されて目地内に真っ直
ぐ挿通され、先端が目地10の裏側深く達する長尺板状
の基体部32と、この基体部32における目地10の裏
側に位置する部位の両側から外方にかつ左右対称に突出
し、目地10の裏側の空間11内に膨らみ、まわりの柱
7,7や外装面材91,91に弾性的に当接する一対の
柔軟なチューブ部33,33とから概略蝶形状に構成さ
れている。
【0027】上記各チューブ部33は、中空部33aと
この中空部33aを囲む周壁とからなり、この周壁は、
対応する外壁パネル9の端部裏面に弾性的に接触する可
撓性のパネル側ひれ板331と、柱8に防水シート20
を介して弾性的に接触する可撓性の柱側ひれ板332
と、これらパネル側ひれ板331の先端と柱側ひれ板3
32の先端とに連設され、くの字の開き角を変化させる
ことで屈曲可能な屈曲板333とで蝶羽形状に構成され
ている。左右のそれぞれの側において、パネル側ひれ板
331と柱側ひれ板332とは、基体部32側の根元で
接触ないしは近接し、パネル側ひれ板331は、基体部
32から前方に大きく傾斜して突出し先端に進むにつれ
て基体部32から離反する方向に湾曲して延び、一方、
柱側ひれ板332は、基体部32から後方に大きく傾斜
して突出し先端につれて基体部32から離反する方向に
湾曲して延びている。屈曲板333は、パネル側ひれ板
331の先端から基体部32の方向へ真っ直ぐ延び、中
央部でくの字に折曲反転されて真っ直ぐ延び、柱側ひれ
板332の先端に連設されている。
【0028】なお、表装部31の横幅、及び一方のパネ
ル側ひれ板331(柱側ひれ板332)の先端から他方
のパネル側ひれ板331(柱側ひれ板332)の先端ま
での距離は、目地幅寸法の最大許容誤差を充分吸収でき
る程度に、長く設定されている。また、各前側ひれ片3
31の先端から表装部31の裏面までの垂直距離は、ガ
スケット30が目地10の表面側と裏面側とに弾性的に
強く接触できるように、外装面材91の切り欠かれた端
部の厚みよりも充分短く設定されている。また、図2に
示すように、中空部33a,33a内の真空引きに備え
るために、予め、チューブ部33,33の下端面に、高
密度ポリエチレン等の高分子フィルム334を熱溶着す
ることで、中空部33a,33aの一端側を閉塞状態に
している。
【0029】次に、ガスケット30の素材について言及
する。この例においては、ガスケット30の主要部(基
体部32、中空部33,33及び表装部31の表面層3
1aを除く部分)の材質には、外装面材91,91の端
部に表面側と裏面側とから弾性的に接触(弾接)し、柱
8,8にも弾性的に接触して止水性を高めるために、E
PDM(エチレン−プロピレン−ジエン−ターポリマ)
等のゴム弾性体(硬度55度〜75度)が用いられてい
る。一方。表装部31には、外壁(外装面材91,9
1)と同様の斑点模様に加飾された表面層31aが設け
られていて、この表装部31aは、外壁の下地と同一色
であるCPE(塩素化ポリエチレン)等のゴム弾性体の
素材の上にウレタン系塗料を噴霧塗装して形成されてい
る。上記ガスケット30は、EPDMの素材を成形する
押出し機とCPEの素材を成形する押出し機とを備え、
これらの口金部分を共通にする成形機により、複層一体
成形品として形成される。
【0030】上記構成のガスケット30を目地10に装
着するには、作業者が建築途中の建物ユニット7,7の
ユニット間接合部の真上に昇り、まず、チューブ部3
3,33の上端から中空部33a,33a内を真空ポン
プ等で真空引きし、中空部33a,33a内を外部より
減圧状態にする。そうすると、図3に示すように、中空
部33a,33aが収縮し、屈曲板333,333が、
くの字の開き角を狭める方向に折曲され、チューブ部3
3,33が目地10の深さ方向に潰れる。この結果、チ
ューブ部33,33は目地10の幅方向に沿って偏平化
し、さながら、トンボの羽のようになる。
【0031】そこで、この状態で、図5に示すように、
ガスケット30の表装部31を目地10の表面側に、基
体部32を目地10内に、偏平化されたチューブ部3
3,33を目地10の裏側の空間11にそれぞれ位置さ
せて、目地10の上端からガスケット30の下端部を挿
入する。この後、ガスケット30を目地10の下端部ま
で垂直に落とし込んで行く。ガスケット30が目地10
の下端部にまで達すると、中空部33a,33aの真空
引きを停止する。すると、外気が導入され、図6に示す
ように、チューブ部33,33は、さながら、蝶の羽の
ように膨張する。すなわち、中空部33a,33aの周
壁を構成するパネル側ひれ板331,331、柱側ひれ
板332,332、及び屈曲板333,333の復原力
により、屈曲板333,333がくの字の開き角を広げ
る方向に、チューブ部33,33が復元し、一対の中空
部33a,33aが開き、目地10の裏面側において、
パネル側ひれ板331,331を外装面材91,91の
端部(端縁よりも内側に少し引っ込んだ位置)に当接さ
せ、柱側ひれ板332,332を柱8,8に貼着された
防水シート20,20に当接させる。
【0032】このとき、パネル側ひれ板331,331
は、自身の復原力によって外装面材91,91の端部に
接触するほか、柱側ひれ板332,332が柱8,8に
弾力を及ぼすことによる柱8,8からの反力や屈曲板3
33,333の伸張力によっても、外装面材91,91
の端部に押し付けられる。なお、柱8,8からの反力
は、屈曲板333,333を経由してパネル側ひれ板3
31,331に伝えられる。同様に、柱側ひれ板33
2,332は、自身の復原力によって外装面材91,9
1の端部に接触するほか、パネル側ひれ板331,33
1が外装面材91,91に弾力を及ぼすことによる外装
面材91,91からの反力や屈曲板333,333の伸
張力によっても、柱8,8に押し付けられる。なお、外
装面材91,91からの反力は、屈曲板333,333
を経由して柱側ひれ板332,332に伝えられる。パ
ネル側ひれ板331,331が外装面材91,91に弾
力を及ぼすことによる外装面材91,91からの反力
は、基体部32を経由して表装部31に伝えられ、この
結果、表装部31は、同図に示すように、目地10の表
面側のガスケット密着面K(図4)に押し突けられ、目
地10を美麗に覆い隠す。
【0033】ここで、実際の目地10の幅には、外装面
材91,91の加工誤差や、建物ユニットの組立施工誤
差等により広狭が現れる。しかしながら、上記したよう
に、目地10の裏面側においてパネル側ひれ板331,
331が外装面材91,91の端縁よりも内側に少し引
っ込んだ端部に当たるので、目地幅が狭い場合(図6
(a))、目地幅が広い場合(同図(c))、目地幅が
中位の場合(同図(b))の如何を問わず、中空部33
a,33aは略同じ大きさに膨張し、常に一定の品質で
止水できる。
【0034】このように、この例の構成によれば、表装
部31と外装面材91,91の端部表面とが接触して1
次止水ラインが形成され、チューブ部33,33と外装
面材91,91の端部裏面とが接触して2次止水ライン
が形成され、さらに、チューブ部33,33と柱8,8
とが接触して3次止水ラインが形成されるので、浸水通
路を完全にかつ確実に遮断できる。真空吸引後のチュー
ブ部33,33の復元力も、屈曲板333,333がく
の字の開き角を広げることで大となり、また、パネル側
ひれ板331,331が外装面材91,91の端部裏面
に弾性的に当接し、柱側ひれ板332,332が柱8,
8に弾性的に当接した後は、外装面材91,91からの
反力が屈曲板333,333を介して柱側ひれ板33
2,332に作用し、一方、柱8,8からの反力が屈曲
板333,333を介してパネル側ひれ板331,33
1に作用するので、パネル側ひれ板331,331が外
装面材91,91の端部裏面に強く当接し、柱側ひれ板
332,332が柱8,8に強く当接する。それ故、止
水性能の向上が図られる。
【0035】このとき、外装面材91,91に厚薄があ
っても、チューブ部33,33が、屈曲板333,33
3のくの字の開き角を調節することで、弾性変形しなが
ら、外装面材91,91の厚薄を吸収するので、ガスケ
ット30は、常に安定した状態で目地10の両側を閉塞
して水密性を確保できる。一方、目地幅寸法の最大許容
誤差を考慮して、表装部31やチューブ部33,33の
横幅を充分に広く設定すれば、目地幅の広狭も吸収でき
る。また、ガスケット30の挿入作業が簡単にできる。
特に、チューブ部33,33の周壁の一部を構成する屈
曲板333,333がくの字の開き角を狭める方向に屈
曲することにより、チューブ部33,33が容易に潰
れ、中空部33a,33aを閉じるための減圧操作が楽
になる。一方、真空吸引後のチューブ部33,33の復
元も、屈曲板333,333がくの字の開き角を広げる
ことで迅速に行われる。
【0036】◇第2実施例 次にこの発明の第2実施例について説明する。図7は、
この発明の第2実施例である蝶形のガスケットの構成を
示す断面図、図8は同ガスケットの底面図、図9は、真
空引きしたことによってトンボ形になった同ガスケット
の断面図、また、図10は、各種幅寸法の目地に同ガス
ケットを装着した状態を示す断面図である。この例のガ
スケット40が、第1実施例のガスケット30と大きく
異なるところは、左右一対のチューブ部33,33(図
1参照)を連通状態にして単一のチューブ部43とした
点である。すなわち、この例のガスケット40は、図8
に示すように、第1実施例のそれと略同一構成の表装部
41と、この表装部41の裏面の幅方向中央に突設さ
れ、第1実施例のそれよりも突出寸法が短い長尺板状の
基体部42と、この基体部42の先端に連設され、目地
10の裏面側の空間11内で左右対称の蝶羽形状に膨ら
んで、この空間11を画成する部材に弾性的に当接する
単一の柔軟なチューブ部43とから一体的に構成されて
いる。
【0037】上記チューブ部43は、中空部43aと、
この中空部43aを囲む周壁とからなり、この周壁は、
図10に示すように、左右の外壁パネル9,9の端部裏
面に弾性的に接触する可撓性のパネル側ひれ板431
と、左右の柱8,8に防水シート20,20を介して弾
性的に接触する可撓性の柱側ひれ板432と、これらパ
ネル側ひれ板431の両側端と柱側ひれ板432の両側
端とに連設され、図9に示すように、くの字の開き角を
変化させることで屈曲可能な一対の屈曲板433,43
3とから構成されている。ここで、パネル側ひれ板43
1の中央部が基体部42の先端に連設されることで、チ
ューブ部43と基体部42とは相互に連結されている。
【0038】チューブ部43は、その断面形状の右半分
が、第1実施例における右側のチューブ部33の断面形
状に酷似し、断面形状の左半分が、同実施例における左
側のチューブ部33の断面形状に酷似したものになされ
ている。したがって、パネル側ひれ板431は、第1実
施例における左右のパネル側ひれ板331,331を繋
ぎ合わせたものと略同一形状であり、同様に、柱側ひれ
板432は、第1実施例における左右の柱側ひれ板33
1,332を繋ぎ合わせたものと略同一形状であり、各
屈曲板432は、第1実施例における対応する屈曲板3
33と略同一形状とされている。また、チューブ部43
の下端面には、図8に示すように、中空部43a内の真
空引きに備え、高密度ポリエチレン等の高分子フィルム
434が熱溶着され、中空部43aの一端側が閉塞状態
にされている。なお、図10において、第1実施例(図
6)の構成各部と同一の構成部分については、同一の符
号を付してその説明を省略する。
【0039】この例の構成によっても、第一実施例にお
いて述べたと略同一の効果を得ることができる。この場
合も、目地幅寸法の最大許容誤差を考慮して、表装部4
1やチューブ部433の横幅を充分に広く設定すれば、
図10に示すように、第1実施例(図6)において示し
たと全く同様に、目地幅の広狭を吸収できる。
【0040】◇第3実施例 次に、この発明の第3実施例について説明する。図11
は、この発明の第3実施例であるガスケットの構成を示
す断面図、図12は同ガスケットの底面図、図13は、
真空引きした状態の同ガスケットの断面図、また、図1
4は、各種幅寸法の目地に同ガスケットを装着した状態
を示す断面図である。上述の第1実施例及び第2実施例
のガスケット30,40が、同一面内の外壁パネル9,
9間に生じる目地10を塞ぐために用いられるのに対し
て、この例のガスケット50は、互いに直交して入隅部
を構成する外壁パネル9,9間に生じる目地10aを塞
ぐために用いられる。
【0041】まず、図14を参照して、この例のガスケ
ット50の挿着対象となるユニット建物の入隅部に生じ
る目地部について説明する。ユニット建物の入隅部は、
3つの建物ユニット7,7,7をL字形に隣接配置した
場合に生じ、この入隅部には3つの柱8,8,8がL字
形に集合し、2枚の外壁パネル9a,9bが、一方の外
壁パネル9bの小口(端面)を他方の外壁パネル9aの
端部表面に突付ける状態で互いに直角に合わせられる。
そして、この合わせ目に目地10aが形成される。
【0042】ここで、一方の建物ユニット7側の外壁パ
ネル9aは、第1実施例の外壁パネル9(図4)の外装
面材91と略同一構成の外装面材91aを備え、上記し
たように、この外装面材91aにおいて、目地10aを
構成する端部表面には、切欠が設けられ、ガスケット密
着面Kが形成されている。また、最外側の補強桟92
は、外装面材91bの端部より内側に引っ込んだ位置に
配されている。これに対して、他方の建物ユニット7側
の外壁パネル9bは、第1実施例の外装面材91と異な
る外装面材91bによって構成され、この外装面材91
bの端部表面には横幅の長い切欠が設けられ、目地壁面
Mが形成されている。そして、外壁パネル9aを構成す
る外装面材91aの端部裏面と、外壁パネル9bを構成
する外装面材91bの小口とが同一平面に形成され、目
地10aの裏面側に空間11aを形成している。
【0043】次に、この例のガスケット50は、図11
に示すように、目地10aの表面側に配設される片翼形
状の表装部51と、この表装部51の裏面に突設されて
目地内に真っ直ぐ挿通され、先端が目地10aの裏側深
く達する長尺板状の基体部52と、この基体部52にお
ける目地10aの裏側に位置する部位の両側から外方に
かつ左右対称に突出し、目地10の裏側の空間11a内
に膨らみ、まわりの柱7や外装面材91a,91bに弾
性的に当接する一対の柔軟なチューブ部53,53と、
目地10a内の基体部52から斜め後方に突設され、他
方の外装面材91bの端部表面(目地壁面M)に弾性的
に接触する可撓性の片ひれ板54とから概略蝶形状に構
成されている。
【0044】上記表装部51は、第1実施例の表装部
(図1)の片側を切り欠いた形状のもので、一方の外装
面材91aのガスケット密着面Kにのみ当接される。上
記各チューブ部53は、第1実施例のチューブ部33と
全く同一構成同一形状のもので、中空部53aとその周
壁とからなり、この周壁は、パネル側ひれ板531と、
柱側ひれ板532と、屈曲板533とからなっている。
また、図13に示すように、中空部53a,53a内の
真空引きに備えるために、予め、チューブ部53,53
の下端面に、高密度ポリエチレン等の高分子フィルム5
34を熱溶着することで、中空部53a,53aの一端
側を閉塞状態にしている。
【0045】この例のガスケット30も、第1実施例で
述べたと略同様の施工手順及び施工方法で目地10aに
装着される。すなわち、作業者は、入隅部の真上に昇
り、まず、チューブ部53,53の上端から中空部53
a,53a内を真空ポンプ等で真空引きして、図13に
示すように、中空部53a,53aをトンボの羽のよう
に偏平に収縮させる。そこで、この状態で、図14に示
すように、ガスケット50の表装部51を目地10aの
表面側に、基体部52及び片ひれ板54を目地10a内
に、偏平化されたチューブ部53,53を目地10の裏
側の空間11にそれぞれ位置させて、目地10の上端か
らガスケット30の下端部を挿入する。この後、ガスケ
ット30を目地10の下端部まで垂直に落とし込んで行
く。ガスケット30が目地10の下端部にまで達する
と、中空部53a,53aの真空引きを停止する。する
と、外気が導入され、同図に示すように、チューブ部5
3,53は、蝶の羽のように膨張復元し、この復原力に
より、一方のパネル側ひれ板531が外装面材91aの
端部裏面に当たり、多歩雲パネル側ひれ板531が外装
面材91bの小口に当たる。また、一対の柱側ひれ板5
32,532は、共に同一の柱7(厳密には当該柱7に
貼着された防水シート20)に当たる。表装部51は、
一方の外装面材91aのガスケット密着面Kに当たり、
片ひれ板54は、他方の外装面材91bの端部表面(目
地壁面M)に弾性的に接触する。
【0046】この例の構成によれば、第一実施例におい
て述べたと略同一の効果を得ることができ、入隅部の目
地部を確実に止水できる。この場合も、目地幅寸法の最
大許容誤差を考慮して、片ひれ板54の幅寸法を充分に
広く設定すれば、図14に示すように、目地幅の広狭に
応じて、片ひれ板54の撓み量を変化させることで、目
地幅の広狭を吸収できる。
【0047】以上、この発明の実施例を図面により詳述
してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があってもこの発明に含まれる。例えば、外壁パネ
ルの補強桟や建物ユニットの柱は、鉄骨系に限らず、木
質系でも良い。ただし、木質系の場合は塗装、防腐処理
を施すのが望ましい。外装面材91は、硬質木片セメン
ト板に限らず、一段と厚めのALC版、コンクリート版
等でも良い。ユニット建物に限らず、在来工法による住
宅の外壁縦目地にこの発明のガスケットを適用しても良
い。外装面材の端部表面に設けた切欠の深さを、表装部
の厚さと同じ程度に設定しても良く、このようにすれ
ば、目地をさらに平滑に塞ぐことができる。
【0048】柱に貼着する防水シートは、適宜省略して
も良い。あるいは、ウレタン発泡体に代えて、ブチルゴ
ム等の防水性粘着剤を用いても良い。一方、外装面材の
端部裏面とパネル側ひれ板との間にブチルゴム等の防水
シートを介在させても良い。ガスケットの材質は、EP
DMに限らず、他のゴム弾性体を用いても良い。表装部
の表面層には、CPEに代えて、CSM(クロロスロホ
ン化ポリエチエン)等のゴム弾性体を用いても良く、金
属板を用いても良い。チューブ部の外表面を波形状に仕
上げることにより、止水性を高めるようにしても良い。
【0049】また、上述の実施例においては、中空部内
の真空引きに備えて、予め中空部の一端を高分子フィル
ムで閉塞しておく場合について述べたが、これに代え
て、中空部の両端を開端としておき、施工時に、挟み金
物や粘着テープ等で中空部の一端を閉塞するようにして
も良い。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の構成に
よれば、表装部が目地の表面側を平滑に覆い隠すことが
できる。また、表装部と外壁パネルの端部表面とが接触
して、まず、1次止水ラインが形成され、チューブ部と
外壁パネルの端部裏面とが弾性的に接触して2次止水ラ
インが形成され、さらに、チューブ部と柱部とが弾性的
に接触して3次止水ラインが形成されるので、浸水通路
を完全にかつ確実に遮断できる。また、チューブ部が目
地の裏面側の前記柱部と外壁パネルとの間の空間で膨張
し、まわりの外壁パネルや柱部に弾性的に当接した場合
においては、柱部からの反力が外壁パネルに跳ね返り、
一方、外壁パネルからの反力が柱部に跳ね返るので、チ
ューブ部は、まわりの外壁パネルや柱部に弾性的に強く
当接する。それ故、止水性能の向上が図られる。このと
き、外壁パネル(外装面材)に厚薄があっても、チュー
ブ部が弾性変形しながら、外壁パネルの厚薄を吸収する
ので、ガスケットは、常に安定した状態で目地の両側を
閉塞して水密性を確保できる。一方、目地幅寸法の最大
許容誤差を考慮して、表装部やチューブ部の横幅を充分
に広く設定すれば、目地幅の広狭も吸収できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例である蝶形のガスケット
の構成を示す断面図である。
【図2】同ガスケットの構成を示す底面図である。
【図3】真空引きしたことによってトンボ形になった同
ガスケットの構成を示す断面図である。
【図4】同ガスケットの装着対象である目地の構造を示
す断面図である。
【図5】同ガスケットを真空引きしながら目地に装着す
る様子を示す断面図である。
【図6】各種幅寸法の目地に同ガスケットを装着した状
態を示す断面図である。
【図7】この発明の第2実施例である蝶形のガスケット
の構成を示す断面図である。
【図8】同ガスケットの構成を示す底面図である。
【図9】真空引きしたことによってトンボ形になった同
ガスケットの構成を示す断面図である。
【図10】各種幅寸法の目地に同ガスケットを装着した
状態を示す断面図である。
【図11】この発明の第3実施例であるガスケットの構
成を示す断面図である。
【図12】同ガスケットの構成を示す底面図である。
【図13】真空引きした状態の同ガスケットの断面図で
ある。
【図14】各種幅寸法の目地に同ガスケットを装着した
状態を示す断面図である。
【図15】従来のガスケットの取付状態を示す断面図で
ある。
【図16】従来の他のガスケットの取付状態を示す断面
図である。
【符号の説明】
7 建物ユニット 8 柱(建物の柱部の一部) 9,9a,9b 外壁パネル 91,91a,91b 外装面材(外壁パネルの主
要部) 10,10a 目地 11,11a 空間(目地の裏面側の柱部と外壁パ
ネルとの間の空間) 20 防水シート(防水材) 30,40,50 ガスケット(外壁パネル用ガス
ケット) 31,41,51 表装部 32,42,52 基体部 33,43,53 チューブ部 33a,43a,53a 中空部 331,431,531 パネル側ひれ板 332,432,532 柱側ひれ板 333.433,533 屈曲板(連結板) 334,434,534 高分子フィルム 54 片ひれ板(片ひれ部)
フロントページの続き (72)発明者 丸目 義博 広島市西区三篠町2−2−8 西川ゴム 工業株式会社内 (72)発明者 羽田 誠 広島市西区三篠町2−2−8 西川ゴム 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−233567(JP,A) 実開 平5−67710(JP,U) 実開 平2−9203(JP,U)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の柱部の箇所で互いに合わせられる
    2枚の外壁パネル間の目地に挿着される外壁パネル用ガ
    スケットであって、 前記目地の表面側に配され前記目地を覆う幅を持つ帯板
    状の表装部と、 該表装部の裏面に突設されて前記目地内に挿通される長
    尺板状の基体部と、 該基体部の両側から外方にかつ左右対称に突出する態様
    で前記目地の裏面側の前記柱部と外壁パネルとの間の空
    間に配される一対のチューブ部とを備え、 前記各チューブ部は、中空部とその周壁とからなり、前
    記中空部の周壁が、前記外壁パネルの端部裏面に直接又
    は防水材を介して弾性的に接触する可撓性のパネル側ひ
    れ板と、前記柱部に直接又は防水材を介して弾性的に接
    触する可撓性の柱側ひれ板と、これらパネル側ひれ板の
    先端と柱側ひれ板の先端とに連設される連結板とを有し
    てなり、かつ、 前記中空部は、その一端が閉塞されていて、他端側から
    真空引きすると、収縮する構成になされている ことを特
    徴とする外壁パネル用ガスケット。
  2. 【請求項2】 建物の柱部の箇所で互いに合わせられる
    2枚の外壁パネル間の目地に挿着される外壁パネル用ガ
    スケットであって、 前記目地の表面側に配され前記目地を覆う幅を持つ帯板
    状の表装部と、 該表装部の裏面に突設されて前記目地内に挿通される長
    尺板状の基体部と、 該基体部の先端に連設され、かつ左右対称の形状に膨ら
    んだ態様で前記目地の裏面側の前記柱部と外壁パネルと
    の間の空間に配される単一のチューブ部とを備え、 該チューブ部は、中空部とその周壁とからなり、前記中
    空部の周壁が、前記基体部の先端に連設され、かつ前記
    外壁パネルの端部裏面に直接又は防水材を介して弾性的
    に接触する可撓性のパネル側ひれ板と、前記柱部に直接
    又は防水材を介して弾性的に接触する可撓性の柱側ひれ
    板と、これらパネル側ひれ板の先端と柱側ひれ板の先端
    とに連設される連結板とを有してなり、かつ、前記中空部は、その一端が閉塞されていて、他端側から
    真空引きすると、収縮する構成になされている ことを特
    徴とする外壁パネル用ガスケット。
  3. 【請求項3】 前記中空部を前記他端側から真空引きす
    ると、前記目地の深 さ方向に収縮し、前記目地の幅方向
    に沿って偏平化することが可能となるように、前記連結
    版は、屈曲形状になされていることを特徴とする請求項
    1、2又は3記載の外壁パネル用ガスケット。
  4. 【請求項4】 建物の入隅部に位置する柱部の箇所で、
    一方の外壁パネルの端部表面に他方の外壁パネルの小口
    を突付ける状態で互いに直角に合わせられる2枚の外壁
    パネル間の目地に挿着される外壁パネル用ガスケットで
    あって、 前記目地の表面側に配され、前記目地のうち少なくとも
    他方の外壁パネル側を覆う幅を持つ帯板状の表装部と、 前記目地内に配され、前記一方の外壁パネルの端部表面
    に弾性的に接触する片ひれ部と、 前記目地の裏面側の前記柱部と外壁パネルとの間の空間
    に配され、かつ、中空部とその周壁とからなり、その周
    壁が前記一方の外壁パネルの小口と、前記他方の外壁パ
    ネルの端部裏面と、前記柱部とに直接又は防水材を介し
    て弾性的に接触する柔軟な単数又は複数のチューブ部
    と、 前記目地内に挿通され前記表装部と前記片ひれ部と前記
    チューブ部とを連結する長尺板状の基体部とを備えてな
    ることを特徴とする外壁パネル用ガスケット。
  5. 【請求項5】 外壁パネルをそれぞれ備えてなる複数の
    建物ユニットを組み合わせて構成されるユニット建物で
    あって、一の前記建物ユニットと、その隣の前記建物ユ
    ニットとの間の目地を止水するために、前記表装部が前
    記目地の表面側に、前記基体部が前記目地の隙間内に、
    かつ、非収縮状態の前記チューブ部が前記目地の裏面側
    に配置される態様で、請求項1,2,3又は4記載の外
    壁パネル用ガスケットが前記目地に挿着されていること
    を特徴とするユニット建物。
  6. 【請求項6】 外壁パネルと隣の外壁パネルとの間の目
    地を止水する外壁パネル用ガスケットの取付構造であっ
    て、前記表装部が前記目地の表面側に、前記基体部が前
    記目地の隙間内に、かつ、非収縮状態の前記チューブ部
    が前記目地の裏面側に配置される態様で、 請求項1,
    2,3又は4記載の外壁パネル用ガスケットが前記目地
    に挿着されていることを特徴とする外壁パネル用ガスケ
    ットの取付構造。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか一に記載の外
    壁パネル用ガスケットの前記他端側から該中空部内を真
    空引きしてチューブ部を収縮させ、この状態で前記表装
    部を前記目地の表面側に、かつ、収縮されたチューブ部
    を前記目地の裏面側の前記柱部と外壁パネルとの間の空
    間に位置させて、該目地に外壁パネル用ガスケットを挿
    入し、 挿入後、その位置で前記中空部の真空引きを停止して外
    気を導入することにより、前記チューブ部を弾性的に復
    元させて膨張させ、これにより、中空部の周壁を前記柱
    部と前記各外壁パネルの端部裏面又は小口とに弾性的に
    接触させることを特徴とする外壁パネル用ガスケットの
    取付施工方法。
JP23020594A 1994-09-01 1994-09-01 外壁パネル用ガスケット、該外壁パネル用ガスケットの取付構造及び取付施工方法並びに該外壁パネル用ガスケットを備えるユニット建物、 Expired - Fee Related JP3404148B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23020594A JP3404148B2 (ja) 1994-09-01 1994-09-01 外壁パネル用ガスケット、該外壁パネル用ガスケットの取付構造及び取付施工方法並びに該外壁パネル用ガスケットを備えるユニット建物、

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23020594A JP3404148B2 (ja) 1994-09-01 1994-09-01 外壁パネル用ガスケット、該外壁パネル用ガスケットの取付構造及び取付施工方法並びに該外壁パネル用ガスケットを備えるユニット建物、

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0874340A JPH0874340A (ja) 1996-03-19
JP3404148B2 true JP3404148B2 (ja) 2003-05-06

Family

ID=16904227

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23020594A Expired - Fee Related JP3404148B2 (ja) 1994-09-01 1994-09-01 外壁パネル用ガスケット、該外壁パネル用ガスケットの取付構造及び取付施工方法並びに該外壁パネル用ガスケットを備えるユニット建物、

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3404148B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016183521A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 大和ハウス工業株式会社 ガスケット、目地構造の施工方法、目地構造の修繕方法およびガスケット挿入具

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7397707B2 (ja) * 2020-02-12 2023-12-13 積水化学工業株式会社 建物の水浸入防止構造

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016183521A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 大和ハウス工業株式会社 ガスケット、目地構造の施工方法、目地構造の修繕方法およびガスケット挿入具

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0874340A (ja) 1996-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6685196B1 (en) Hydrophilic joint seal
RU2418924C2 (ru) Угловая внешнестеновая деталь, угловая внешнестеновая конструкция здания, в которой используется эта деталь, и способ монтажа этой конструкции
JP3404148B2 (ja) 外壁パネル用ガスケット、該外壁パネル用ガスケットの取付構造及び取付施工方法並びに該外壁パネル用ガスケットを備えるユニット建物、
JP2835177B2 (ja) パネル
JPH0860756A (ja) 外壁パネル用ガスケット及びその取付施工方法
JP3891734B2 (ja) 縦目地シール材
JP2587767Y2 (ja) 中空成型板のシール用バックアップ材
JP4795009B2 (ja) 外壁目地の防水構造
JP3274562B2 (ja) 目地用ガスケットおよび外壁目地の防水構造
JP2003147935A (ja) サイディングの縦目地の止水構造
JPH052675Y2 (ja)
JPH0139830Y2 (ja)
JP5073987B2 (ja) 外壁目地の止水構造
JPH08170377A (ja) 外壁目地部の防水構造並びに水切りシート
JPH09268661A (ja) 建築用防水部材
JPH0860757A (ja) 継手ジョイナと該ジョイナ利用の目地部の施工構造
JPH03295948A (ja) 外壁パネル用中空ガスケット
JP2001123632A (ja) 目地材
JP5344985B2 (ja) 化粧目地一体型乾式目地構造
JP2005105661A (ja) 隅部用長尺気密シート
JP2908999B2 (ja) コンクリート型枠連結材
JPH10220112A (ja) 乾式止水ガスケット
JP3753661B2 (ja) 外壁
JP2001336355A (ja) 防水部材および防水方法
KR200242982Y1 (ko) 지수판

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080229

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090228

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090228

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100228

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120229

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120229

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130228

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130228

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140228

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees