JP3403527B2 - 塩化ビニル系重合体の製造法 - Google Patents
塩化ビニル系重合体の製造法Info
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Description
製造方法であり、特に異臭のない塩化ビニル系重合体を
生産性よく製造する方法に関するものである。
系単量体または、これを主体とするビニル系単量体の混
合物を重合開始剤を用いて懸濁重合することにより製造
される。この際、使用される重合開始剤は、その種類に
より重合時間、生産性、重合時のスケール付着量、さら
には匂い等の品質特性に大きな影響を与える。
の生産性を上げるため、重合開始剤の添加量を増やし、
重合時間の短縮が図られてきている。しかし、重合開始
剤添加量の増加は、異臭の発生をもたらしたり、重合器
内のスケール付着量を増加させる等重合体品質に影響を
及ぼしている。
目的は、塩化ビニル系重合体の異臭の発生を抑え、さら
には重合器内のスケール付着量を抑えて、生産性よく高
品質の塩化ビニル系重合体を製造する方法を提供するこ
とにある。
塩化ビニル系重合体の製造法は、塩化ビニルを主体とす
るビニル系単量体を懸濁重合する際に重合開始剤とし
て、(A)3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルパ
ーオキシネオデカノエートと(B)トリクロロエチレン
中、0.1〜0.2モル/リットルにおける10時間半
減期の温度が45〜55℃であるジアルキルパーオキシ
ジカーボネート類の1種または2種以上と組み合わせて
使用することを特徴とするものである。
発明の方法において使用される(A)成分としての重合
開始剤は、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルパ
ーオキシネオデカノエートである。
トリクロロエチレン中、0.1〜0.2モル/リットル
における10時間半減期の温度が45〜55℃であるジ
アルキルパーオキシジカーボネート類であり、より具体
的には、
たは分岐したアルキル基である)この化合物にはジn−
プロピルパーオキシジカーボネート(トリクロロエチレ
ン中、0.1モル/リットルにおける10時間半減期の
温度〔以下同じ〕:50℃)、ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネート(50℃)、ジセカンダリーブチルパ
ーオキシジカーボネート(50℃)、ジ−2−エチルヘ
キシルパーオキシジカーボネート(49℃)、ジセチル
パーオキシジカーボネート(50℃)などが用いられる
が、これらに限定されるわけではない。
使用量は反応条件により異なるが、一般にはA/Bの重
量比で5/1〜1/5が好ましく、AまたはBがこれ以
上の割合になると相乗効果が期待できなくなり、開始剤
効率が低下する。また、スケール付着量が増加する傾向
にある。
0.03〜0.3重量%が適当であり、重合温度は35
〜65℃が適当である。
するか、水に分散させてエマルジョンまたはサスペンジ
ョンとして使用するのがよい。
しては、塩化ビニル単独のほか、塩化ビニルを主体と
し、これと共重合可能なビニル系単量体の混合物であっ
て、この塩化ビニルと共重合されるコモノマーとして
は、エチレン、アクリル酸メチル、酢酸ビニル、スチレ
ン、アクリロニトリルなどが挙げられ、これらは単独ま
たは2種以上の組み合わせで用いられる。
には、塩化ビニル系単量体の重合の際に、通常使用され
ている分散助剤、たとえば、メチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロースなどの水溶性セルロース類、部分
ケン化ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーなど
を1種または2種以上組み合わせて使用しても差し支え
ない。
ビニル系の重合に適宜使用される重合調整剤、連鎖移動
剤、pH調整剤、ゲル化改良剤、帯電防止剤、充てん
剤、酸化防止剤、スケール防止剤などを添加することも
任意である。
較例により説明するが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。 実施例1,2、比較例1,2 内容積が2.2リットルのステンレススチール製オート
クレーブ重合器に、脱イオン水1500gと部分ケン化
ポリビニルアルコール0.3gとを水溶液にして投入し
た。さらに、pH7の緩衝液200gを添加後、表1に
示した種類と量の重合開始剤を添加後、オートクレーブ
内をチッ素ガスで置換した。その後真空ポンプでオート
クレーブ内を真空にした後、塩化ビニル単量体280g
を仕込むと同時に昇温を始めて重合を開始した。
行った。この時の重合釜内の圧力は8.6kg/cm2
であった。重合釜内の圧力が8.1kg/cm2 に低下
した時点を圧力降下時間とし、7.5時間重合を続行さ
せた。7.5時間後、重合を停止させ、未反応単量体を
回収した。重合釜を開け、器内のスケールを取り出すと
共に、重合体を脱水乾燥して下記の方法による試験に供
し、その結果を表1に併記した。
断基準で評価した。 ○:スケールの付着量が0.6g以下である。 △:スケールの付着量が0.6〜1.0gである。 ×:スケールの付着量が1.0g以上である。
ブチルスズマレート2.5重量部、ジオクチルフタレー
ト80重量部を配合し、160℃のロールで10分間混
練し、その時発生する悪臭の有無について調査した。 有:悪臭を発生する。 無:悪臭を発生しない。
それぞれ下記を意味する。 #610:3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルパ
ーオキシネオデカノエート(36℃) #223:ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボ
ネート(49℃) #225:ジセカンダリーブチルパーオキシジカーボネ
ート(50℃) #188:α−クミルパーオキシネオデカノエート(3
8℃) また、重合開始剤の添加量は単量体に対して、純品換算
を意味する。
クレーブ重合器に、脱イオン水1500gと部分ケン化
ポリビニルアルコール0.3gとを水溶液にして投入し
た。さらに、pH7の緩衝液200gを添加後、表2に
示した種類と量の重合開始剤を添加後、オートクレーブ
内をチッ素ガスで置換した。その後、真空ポンプでオー
トクレーブ内を真空にした後、塩化ビニル単量体280
gを仕込むと同時に昇温を始めて重合を開始した。
行った。この時の重合釜内の圧力は7.7kg/cm2
であった。重合釜内の圧力が7.2kg/cm2 に低下
した時点を圧力降下時間とし、400分間重合を続行さ
せた。400分後、重合を停止させ、未反応単量体を回
収した。重合釜を開け、器内のスケールを取り出すと共
に、重合体を脱水乾燥して、以後の試験に供し、その結
果を表2に併記した。
それぞれ下記を意味する。 #610:3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルパ
ーオキシネオデカノエート(36℃) #223:ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボ
ネート(49℃) #844:t−オクチルパーオキシネオデカノエート
(44℃) また、重合開始剤の添加量は単量体に対して、純品換算
を意味する。
クレーブ重合器に、脱イオン水1500gと部分ケン化
ポリビニルアルコール0.3gとを水溶液にして投入し
た。さらに、pH7の緩衝液200gを添加後、表3に
示した種類と量の重合開始剤を添加後、オートクレーブ
内をチッ素ガスで置換した。その後、真空ポンプでオー
トクレーブ内を真空にした後、塩化ビニル単量体280
gを仕込むと同時に昇温を始めて重合を開始した。
行った。この時の重合釜内の圧力は6.1kg/cm2
であった。重合釜内の圧力が5.6kg/cm2 に低下
した時点を圧力降下時間とし、7.5時間重合を続行さ
せた。7.5時間後、重合を停止させ、未反応単量体を
回収した。重合釜を開け、器内のスケールを取り出すと
共に、重合体を脱水乾燥して以後の試験に供し、その結
果を表3に併記した。
それぞれ下記を意味する。 #610:3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルパ
ーオキシネオデカノエート(36℃) #188:α−クミルパーオキシネオデカノエート(3
8℃) #223:ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボ
ネート(49℃) また、重合開始剤の添加量は単量体に対して、純品換算
を意味する。
合体の異臭の発生を抑え、さらには重合器内のスケール
付着量を抑えて、高品質の塩化ビニル系重合体を高い生
産性で製造することができ、工業的効果が極めて大であ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 塩化ビニルを主体とするビニル系単量体
を懸濁重合する際に重合開始剤として、(A)3−ヒド
ロキシ−1,1−ジメチルブチルパーオキシネオデカノ
エートと(B)トリクロロエチレン中、0.1〜0.2
モル/リットルにおける10時間半減期の温度が45〜
55℃であるジアルキルパーオキシジカーボネート類の
1種または2種以上と組み合わせて使用することを特徴
とする塩化ビニル系重合体の製造法。 - 【請求項2】 トリクロロエチレン中、0.1〜0.2
モル/リットルにおける10時間半減期の温度が45〜
55℃であるジアルキルパーオキシジカーボネート類が
一般式 【化1】 (ここにR1 ,R2 はそれぞれ炭素数1〜16の直鎖ま
たは分岐したアルキル基である)により表される化合物
である請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 トリクロロエチレン中、0.1〜0.2
モル/リットルにおける10時間半減期の温度が45〜
55℃であるジアルキルパーオキシジカーボネート類が
ジn−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロ
ピルパーオキシジカーボネート、ジセカンダリーブチル
パーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパ
ーオキシジカーボネート、ジセチルパーオキシジカーボ
ネートの1種または2種以上から選ばれる化合物である
請求項1または2記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31263594A JP3403527B2 (ja) | 1994-01-25 | 1994-11-21 | 塩化ビニル系重合体の製造法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2384194 | 1994-01-25 | ||
JP6-23841 | 1994-01-25 | ||
JP31263594A JP3403527B2 (ja) | 1994-01-25 | 1994-11-21 | 塩化ビニル系重合体の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07252308A JPH07252308A (ja) | 1995-10-03 |
JP3403527B2 true JP3403527B2 (ja) | 2003-05-06 |
Family
ID=26361263
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31263594A Expired - Lifetime JP3403527B2 (ja) | 1994-01-25 | 1994-11-21 | 塩化ビニル系重合体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3403527B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR3110578B1 (fr) * | 2020-05-20 | 2023-03-10 | Arkema France | Composition aqueuse sous forme d’émulsion comprenant au moins un peroxydicarbonate et au moins un peroxyester |
FR3110579B1 (fr) * | 2020-05-20 | 2022-12-02 | Arkema France | Procédé de préparation d’une composition comprenant au moins le mélange d’au moins un peroxydicarbonate et d’au moins un peroxyester |
-
1994
- 1994-11-21 JP JP31263594A patent/JP3403527B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07252308A (ja) | 1995-10-03 |
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