JP3403510B2 - 塗工紙、及び塗工紙の製造方法 - Google Patents

塗工紙、及び塗工紙の製造方法

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JP3403510B2 JP17575294A JP17575294A JP3403510B2 JP 3403510 B2 JP3403510 B2 JP 3403510B2 JP 17575294 A JP17575294 A JP 17575294A JP 17575294 A JP17575294 A JP 17575294A JP 3403510 B2 JP3403510 B2 JP 3403510B2
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治郎 實生
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抄紙後塗工により紙力
を増強し、かつ耐水性などを紙質を向上させる紙塗工組
物を塗工した紙及びその塗工紙の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来の紙力増強剤には乾燥紙力増強剤と
してポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリルアミド、
でんぷん等が、又、湿潤時紙力増強剤としては尿素ホル
ムアルデヒド樹脂、メラミンホムルアルデヒド樹脂、で
んぷん、ポリアミドアミン、そのエピクロルヒドリン変
性体などが、抄紙工程での内添剤として用いられてい
る。又、含浸薬剤として乾燥時及び湿潤時の紙力増強剤
である各種ラテックス、例えば天然ゴムラテックス、S
BR、NBR、ポリクロロプレン等の合成ゴムラテック
ス、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデンもしくはこれらの共重合体の樹脂ラ
テックスが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の乾燥時紙力増強
剤及び湿潤時紙力増強剤においては,抄紙時の各種汚れ
のほか工程上の問題が多く、その効果もそれほど大きく
なかった。一方、エマルジョンラテックスは含浸時の浸
透性が悪く、かつ水媒体を用いるために紙の強度を弱
め、特に低密度若しくは低坪量の紙にあっては塗工の困
難な場合があった。さらに、ホルムアルデヒド縮合型の
尿素樹脂、メラミン樹脂にあってはホルマリンを発生
し、環境上好ましくなく、用途的にも限定を受ける。
【0004】さらに、近年ブロック化されたポリイソシ
アネートの水溶性熱反応型ウレタン樹脂の紙力増強剤も
提案されているが(特開平5−51896号)、これら
は水溶液であるために、前記のエマルジョン系樹脂と同
様の欠点を有し、かつ脱ブロック化のために高温を要す
る。
【0005】イソシアネートを用いて紙に撥水性機能を
有する水酸基を含む化合物と反応させることが提案され
ているが(特開平4−361693号)、これらは有機
溶媒中での反応処理することを要し、生産性において
も、反応効率、紙力増強効率においても不十分である。
【0006】そこで、本発明の目的は、効率良く原紙の
通気性を維持しつつ乾燥時紙力及び湿潤時紙力を増強す
ることができる塗工紙及び塗工紙の製造方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、透気
度が2.0以下の原紙に、分子中に平均2個以上のイソ
シアネート基を有するポリイソシアネートと樹脂OH価
10〜150のポリオールからなる紙塗工組成物を塗布
又は含浸させた塗工紙をその要旨としている。
【0008】請求項2の発明は、請求項1において、ポ
リオールが樹脂酸価10以下であることをその要旨とし
ている
【0009】
【0010】請求項の発明は、分子中に平均2個以上
のイソシアネート基を有するポリイソシアネートと樹脂
OH価10〜150のポリオールからなり、前記ポリオ
ールが樹脂酸価10以下である紙塗工組成物を透気度が
2.0以下の原紙に対して塗布又は含浸させた後、ウレ
タン生成反応促進触媒又はそれを含有する液状物を塗布
若しくは含浸させ、さらに50℃以上、200℃以下で
加熱する塗工紙の製造方法であることをその要旨として
いる。
【0011】
【作用】以下、本発明の構成に関する主要な事項につい
て説明する。本発明に用いられるポリイソシアネート化
合物は、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する
ものであることを要する。イソシアネート基が2未満で
あると、硬化が不十分であり、所望の紙力の増強が得ら
れない。
【0012】一方、樹脂OH価10〜150のポリオー
ルとしてはこれまで知られている各種のものを用いるこ
とができる。ここでOH価とは樹脂1g中に含まれる水
酸基をこれと当量のカ性カリのmg数で表したものであ
り、この価の多い方がイソシアネートと反応し、ウレタ
ン結合を形成する水酸基の量が多くなる。OH価が10
より小さいときは、樹脂加工性が悪くなり、所望の効果
が得られず、又、150より大きいときは、水に対する
親和性が上昇し、耐水性が低下する。さらにはポリオー
ルとポリイソシアネートの混合物の安定性が悪くなる。
ポリオールとポリイソシアネートの混合比は任意で良い
が、所期の効果をよく発現するためにはポリオールの水
酸基とポリイソシアネートのイソシアネート基の当量比
OH/NCOが2.0〜0.1の間で使用するのが好ま
しい。水酸基がこれより過剰であると耐水性が不良にな
りやすく、これより少ないと所期のポリオールによる変
性効果は小さくなる。
【0013】ここで用いられるポリオールとしては、分
子中に2個以上の水酸基を有するものであれば何でも良
いが通常のウレタンコーティング、ウレタン発泡体若し
くはウレタンエラストマの製造に使用される各種の樹脂
が使用できる。
【0014】比較的な一般的な例としてはポリエステル
ポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオ
ールを挙げることができる。ポリエステルポリオールと
は多塩基酸と多価アルコールとの縮合物のうち水酸基を
有するものであって、これらに使用される多塩基酸とし
てはフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリ
ツト酸、ピロメリツト酸等の芳香族多塩基酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン
酸、ダイマ酸等の脂肪族多塩基酸があり、又、これらの
多塩基酸から得られる酸無水物も同様に用いられる。多
価アルコールとしてはエチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコールプロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、プロパンジオール、
ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリ
ン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
ジグリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリ
スリトール、ジアセトングリコール、ヘキサントリオー
ル等の低分子量ポリオールの他、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコー
ル等の高分子量ポリオールも用いられる。これらから得
られるポリエステルポリオールの他、ヒドロキシカルボ
ン酸若しくはその環状ラクトンの縮合物若しくは開環重
合物、例えばポリブチロラクトンジオール、ポリカプロ
ラクトンジオール等がある。ポリエーテルポリオールと
は主鎖がエーテル結合からなる高分子であって、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブ
チレングリコールの他これらの分岐状エステル等があ
る。アクリルポリオールとは(メタ)アクリル酸及びそ
のエステルの共重合体であって、水酸基を含むものをい
うが、水酸基を含む共重合成分としては(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシ
プロピル、(メタ)アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロ
キシプロピル、アリルアルコール等が用いられる。(メ
タ)アクリル酸及びそのエステル以外の共重合成分とし
てはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
(メタ)アクリルアミド及びその誘導体、酢酸ビニル、
無水マレイン酸等を挙げることができる。
【0015】その他にも、フッ素含有ポリオール、水酸
基末端のポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブ
タジエン、水添ポリイソプレン、ポリウレタン等が利用
できる。さらには、低分子量のポリオール、例えばジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロ
ール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、1,4−シクロヘキサジオール、1,4−ジヒドロ
キシベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールF等
の脂肪族、脂環族、芳香族多価アルコール若しくは多価
フェノール又はこれらの縮合物を反応性希釈剤として用
いることができる。
【0016】これらのポリオールで特にその酸価(ポリ
オール1g中の酸基と当量のカ性カリのmg数)が10以
下である場合には、ポリオールと混合した場合の樹脂安
定性が良好となる。
【0017】上記のポリオールを適当に選択することに
より、紙強度の増加のほかに各種特性の発現が可能であ
るが、特にフッ素含有ポリオール等の撥水性機能を有す
るポリオールを選択すると、紙に撥水性を付与すること
ができる。又、耐酸性、耐アルカリ性等の耐薬品性を有
するポリオールを選択すると、原紙では得られない耐酸
性、耐アルカリ性を付与することができる。これらのポ
リオールの例としてはスチレンを共重合成分とするアク
リルポリオール、フッ素含有ポリオール等を挙げること
ができる。
【0018】ポリオールと混合使用されるポリイソシア
ネートとしては、これまで知られている各種のもの例え
ばフェニレンジイソシアネート(PDI)、トルエンジ
イソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネー
ト(NDI)、4,4’ジイソシアネートジフェニルメ
タン(MDI)等の芳香族ジイソシアネート、キシリレ
ンジイソシアネート(XDI)等の芳香族脂肪族ジイソ
シアネート、水添TDI、水添XDI、水添MDI、ヘ
キサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロ
ンジイソシアネート(IPDI)等の脂肪族若しくは脂
環族ジイソシアネート及びこれらの誘導体であるポリオ
ール付加物、ビュレット体、3量体である3官能以上の
ポリイソシアネート、リジントリイソシアネート(LT
I)等の3官能イソシアネートの他、イソシアネートを
含む各種のオリゴマ、ポリマを使用することができる。
【0019】ポリオールとポリイソシアネートの混合物
はそれぞれが液状の場合は、そのままの混合物でも良い
が、さらにイソシアネートと非反応性の溶剤で希釈して
使用することができる。
【0020】上記の混合物には、必要に応じ、顔料、染
料等の色材、粘度調節剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
消泡剤等の各種添加剤を用いることができるが、特に硬
化を促進させる目的でウレタン形成反応の触媒として知
られる化合物、例えば、各種酸、塩基、金属塩、有機金
属化合物等を用いることができる。
【0021】これらの酸の例としては、塩酸、硫酸、3
フッ化ホウ素エーテラート等の無機酸、酢酸、乳酸、コ
ハク酸等の有機カルボン酸、p−トルエンスルホン酸等
の有機スルホン酸等を挙げることができる。塩基の例と
しては、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミ
ン、メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、ジ
メチルベンジルアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサ
メチレンテトラミン等の脂肪族、芳香族3級アミンを挙
げることができる。金属塩の例としては、塩化第一ス
ズ、塩化第二スズ、三塩化アンチモン等の無機塩、オレ
イン酸カリウム、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉄等
の有機酸塩を挙げることができる。さらに有機金属化合
物の例としては、ジブチルラウリル酸錫、ジブチル乳酸
チタン、テトラn−ブチル錫等を挙げることができる。
【0022】上記の紙塗工組成物を塗布又は含浸させる
塗工用原紙としては、特に限定しないが、各種の天然パ
ルプ、レーヨン糸等の再生セルロース、ビニロン、ポリ
エステル等の合成繊維がその例であるが、この他にもポ
リビニルアルコール、ポリエチレングリコール、又はこ
れらの誘導体等の分子中に水酸基を含むバインダを有す
る紙も同様に効果的である。
【0023】これらの原紙は、上記の紙塗工組成物を塗
布又は含浸させ、少なくとも部分的に紙内部に浸透すれ
ば良いが、本発明のもう一つの効果である通気性を維持
したまま紙強度の増強を行うには、原紙の透気度(JI
S P 8117)が2.0以下であることが好まし
い。この場合は、紙塗工組成物の付着量を適宜選択する
ことによりこの効果が有効に発現できる。
【0024】ポリオールとポリイソシアネートの混合物
からなる該塗工組成物を塗布又は含浸させるには、これ
までの紙塗工に用いられる各種の塗工法が適用可能であ
る。これらの塗工法は、それに用いられるコーターの種
類によって分類されるが、これらのコーターの例として
は、ブレードコーター、キャストコーター、スクィズコ
ーター、含浸コーター、ロッドコーター(バーコータ
ー)、ドクターコーター、エアドクタコーター、逆及び
正回転ロールコーター、グラビアコーター、ダイコータ
ー(ファンテンコーター)等がある。
【0025】ポリオールとポリイソシアネートを塗布又
は含浸させた塗工紙は溶媒を乾燥除去するとともに硬化
させる。この硬化は加熱によっても、又、室温に放置す
ることによっても進行させることができるが、短時間に
行うには、50℃以上に加熱するのが好ましい。
【0026】安定性の良いポリオール/ポリイソシアネ
ート組成物は硬化が遅い。ウレタン形成反応の反応促進
触媒を添加すれば硬化は早くなるが、組成物の安定性は
低下する。安定性の向上と硬化の促進という要請を両立
させるには、上記の製造方法によりポリオール/ポリイ
ソシアネート組成物を塗布又は含浸させた原紙に、直ち
に又は乾燥後、さらに促進剤若しくは促進剤を含有する
液状物を塗布又は含浸させれば良い。この際促進剤の塗
布方法としては、上記に述べた通常の紙塗工に用いられ
る方法の他にスプレー、カーテンフロー等の、紙と塗工
機が接触しない方法が適用できる。反応促進触媒はポリ
オール/ポリイソシアネート組成物の内容と硬化条件に
よって異なるが、ポリオール/ポリイソシアネート組成
物固形分に対して、重量比1〜10000ppm で用いる
のが効果的である。この範囲より少ないと、促進効果は
小さくなり、多いと反応促進触媒に基づく塗工紙への影
響が発生し、好ましくない。
【0027】ポリオール/ポリイソシアネート組成物及
び反応促進剤を相次いで塗布又は含浸させた塗工紙は、
加熱し、溶媒を除去するとともに硬化させる。硬化は常
温でも進行するので、溶媒を除去する乾燥のみでも良い
が、本塗工法の硬化を有効にするには50〜200℃で
乾燥、硬化させるのが好ましい。この50℃未満では硬
化速度が不十分であり、200℃を越えると組成物の分
解反応等の好ましくない状況を生ずる。
【0028】ポリオール/ポリイソシアネート塗工紙
は、ロール、枚葉、いずれの形状でも使用できるが、乾
燥硬化後も後硬化が進行することがあり、これを利用し
て、ロール又は枚葉積層で加熱し、硬化を進行させるこ
とができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を具体的に
説明する。 (実施例1〜3、比較例1)樹脂OH価85、樹脂酸価
8のポリエステルポリオールのトルエン/キシレン60
%溶液とNCO含有率16.5%のヘキサメチレンジイ
ソシアネート誘導体のポリイソシアネート(スミジュー
ルN−75:住友バイエルウレタン社製)と実施例1〜
3として表1に示すOH/NCOの当量比で混合し,パ
ルプ、マニラ麻、ビニロン、ポリビニルアルコールを含
有する丸網抄紙機により抄造された原紙(坪量30g/m
2 )に塗布した。塗布後110℃で2分間加熱硬化後、
表1に示すように、引張強度、引張伸び、湿潤時強度、
湿潤時伸び、透気度についての性能を測定した。又、比
較例1−1としてNCOなしのものを、比較例1−2と
して原紙のみについても同様に測定した。
【0030】ポリイソシアネート/ポリオール混合物の
樹脂付着量は6g/m2 である。なお、塗布にあたっては
トルエンで希釈した。強度及び湿潤強度の著しい増加が
あるが、透気度はほとんど変化していない。結果は表1
に示した。
【0031】
【表1】
【0032】(実施例4〜6)樹脂OH価58、樹脂酸
価0のフッ素含有ポリオール(ルミフロンLF600:
旭硝子社製)とポリイソシアネート(スミジュールN−
75)とをOH/NCO当量比1.0になるように混合
し、次にトルエンで10%に希釈し、実施例4〜6とし
て原紙1,2,3に含浸させた。含浸後110℃で2分
間加熱硬化する。なお、原紙1,2,3の坪量は5g/m
2 である。ここで用いられた希釈混合液は10日後もゲ
ル化することなく安定であった。
【0033】これらの実施例及び実施例に使用された原
紙1,2,3(それぞれ比較例2−1,2−2,2−3
である。)では、表2に示すように、引張強度、引張伸
び、湿潤時強度、湿潤時伸び、撥水性、耐酸性、耐アル
カリ性についての性能を測定した。表2の結果から各種
の原紙に対して、紙力増強効果があることが分かる。こ
こで、撥水性とは静置した紙に0.2mlの水滴を垂ら
し、浸透状態を観察し、判定する。水滴が残るものを○
とし、浸透し、水滴を残さないものを×とする。又、耐
酸性又は耐アルカリ性とは、それぞれ5%塩酸水溶液又
は5%カ性ソーダ水溶液に3時間浸漬した後の浸食状態
により、判定したものである。
【0034】なお、この実施例4〜6に使用した原紙
1,2,3は下記の繊維から構成されている。すなわ
ち、原紙1はパルプ(55%)、マニラ麻、ビニロン、
ポリビニルアルコール系繊維からなり、原紙2はパルプ
(65%)、ビニロン、ポリビニルアルコール系繊維か
らなり、原紙3はパルプ(75%)、ビニロン、ポリビ
ニルアルコール系繊維からなる。
【0035】
【表2】
【0036】(実施例7)実施例7として、樹脂OH価
20、樹脂酸価0のスチレン/アクリル系共重合体のト
ルエン60%溶液とポリイソシアネート(スミジュール
N−75)とをOH/NCO当量比1.0になるように
混合、トルエンで10%に希釈し、原紙に含浸させた。
樹脂含浸紙を110℃で2分間加熱し硬化させた。この
後、実施例4〜6で測定した撥水性を除く性能試験、及
び透気度、破裂強度、内部強度の性能試験を行った、そ
の結果を表3に示す。比較例3としてこの実施例7で使
用した原紙も評価した。
【0037】又、上記混合液は3か月後もゲル化もなく
安定であった。ここで使用した原紙4はマニラ麻系のも
のである。各物性の増強効果と透気度の維持が見られ
る。樹脂付着量は4g/mであった。
【0038】
【表3】
【0039】(実施例8)実施例7で用いたポリオール
/ポリイソシアネート混合溶液を実施例1に用いた原紙
に含浸せしめた。実施例8−1はそのまま110℃で2
分間加熱し、実施例8−2は、ジブチルジラウリル酸錫
(DBTDL)の0.2%トルエン溶液をスプレイした
後、110℃で2分間加熱した。又、ウレタン生成反応
触媒単体を使用した実施例8−3は、上記のDBTLの
0.2%トルエン溶液の代わりにトリエチルアミンをス
プレイし、同様に110℃で2分間加熱した。上記実施
例8−1,8−2,8−3における、実施例1と同様の
性能試験の評価結果を表4に示す。実施例8−1よりも
実施例8−2及び実施例8−3の方の増強効果がより顕
著である。なお、ポリオール/ポリイソシアネート混合
溶液に対樹脂重量比0.5%のトリエチルアミンを添加
した溶液は、5日間でゲル化した。又、上記混合溶液に
対樹脂重量比0.1%のDBTDLを添加した溶液は、
3日間でゲル化した。樹脂付着量は5g/m2 であった。
なお、比較例4はこの8−1,8−2,8−3の原紙の
場合を示している。
【0040】
【表4】
【0041】(実施例9) 実施例7で用いたポリオールとポリイソシアネート(ヘ
キサメチレンジイソシアネート誘導体:スミジュールN
−3200:住友バイエルウレタン社製)とのOH/N
CO当量比1.0の混合溶液を実施例1で用いた原紙に
含浸せしめ、110℃で2分間加熱し、硬化した。この
際、実施例9−1乃至実施例9−7に示すように溶液濃
度を変えて、原紙への樹脂付着量を変動せしめた。又、
比較のために比較例5−1として含浸樹脂組成がないも
のと、比較例5−2としてブチルゴムのトルエン溶液を
含浸せしめたものとを、同様に評価した。その結果を表
5に示す。強度上昇に比べ透気度の維持が観測される。
又、比較例5−1と実施例とを比較し場合、湿潤時強
度は実施例の方が強度があることがわかる。又、比較例
5−2と実施例とを比較した場合、透気度はいずれも通
気性が維持されていることがわかる。
【0042】
【表5】
【0043】(実施例10及び11)ポリオールとして
OH価109、酸価0の水酸基末端液状ポリブタジエン
(Poly bd R−15HT:出光石油化学社製)及びOH
価50、酸価0の水酸基末端水添ポリイソプレン(エポ
ール:出光石油化学社製)をそれぞれ実施例10及び1
1としてポリイソシアネート(スミジュールN−320
0)とOH/NCO当量比1.0で混合し、トルエンで
希釈後実施例1で使用した原紙に塗布した。塗布後11
0℃で2分間加熱し、さらに一週間室温にて放置した。
又、この実施例で使用した原紙を比較例6とし、実施例
と比較例の評価を表6に示す。実施例のものは、本発明
の目的である透気度の著しい上昇なしで強度及び湿潤時
強度の向上があり、かつ後硬化の効果が確認された。
【0044】
【表6】
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明の紙塗工
性組成物にて塗工された塗工紙は、原紙の通気性を維持
しつつ乾燥時紙力及び湿潤時紙力が増強された、強い紙
力を備えることができる。
【0046】又、塗工紙の製造方法は原紙の通気性を維
持しつつ乾燥時紙力及び湿潤時紙力が増強された紙塗工
組成物を容易に得ることができる優れた効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−9896(JP,A) 特開 昭58−98496(JP,A) 特開 昭54−50612(JP,A) 特公 昭51−36367(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 19/00 - 27/42

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透気度が2.0以下の原紙に、分子中に
    平均2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシア
    ネートと樹脂OH価10〜150のポリオールからなる
    紙塗工組成物を塗布又は含浸させてなる塗工紙
  2. 【請求項2】 ポリオールが樹脂酸価10以下である請
    求項1記載の紙塗工組成物を塗布又は含浸させた塗工
  3. 【請求項3】 分子中に平均2個以上のイソシアネート
    基を有するポリイソシアネートと樹脂OH価10〜15
    0のポリオールからなり、前記ポリオールが樹脂酸価1
    0以下である紙塗工組成物を透気度が2.0以下の原紙
    に対して塗布又は含浸させた後、ウレタン生成反応促進
    触媒又はそれを含有する液状物を塗布若しくは含浸さ
    せ、さらに50℃以上、200℃以下で加熱することを
    特徴とする塗工紙の製造方法
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