JP3403126B2 - 熱交換器用フィン及びその製造方法 - Google Patents

熱交換器用フィン及びその製造方法

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JP3403126B2 JP22081799A JP22081799A JP3403126B2 JP 3403126 B2 JP3403126 B2 JP 3403126B2 JP 22081799 A JP22081799 A JP 22081799A JP 22081799 A JP22081799 A JP 22081799A JP 3403126 B2 JP3403126 B2 JP 3403126B2
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    • F28F1/10Tubular elements and assemblies thereof with means for increasing heat-transfer area, e.g. with fins, with projections, with recesses
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    • F28F1/24Tubular elements and assemblies thereof with means for increasing heat-transfer area, e.g. with fins, with projections, with recesses the means being only outside the tubular element and extending transversely
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱交換器用フィン及
びその製造方法に関し、更に詳細には熱交換用チューブ
が挿入される挿入孔の周囲を囲むように、先端部にフレ
アが形成された所定高さのカラーが金属製プレートに立
設されて成る熱交換器用フィン及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車用クーラやルームクーラ等の熱交
換器の放熱部に利用されている熱交換器用フィンは、矩
形のアルミニウム等の薄い金属製プレートに複数個の所
定高さのカラー付き挿入孔が点設されている。この熱交
換器用フィンから成る熱交換器は、複数枚の熱交換器用
フィンを、各熱交換器用フィンに形成されたカラー付き
挿入孔が合致するように積層した後、これらのカラー付
き挿入孔に挿通された銅等の熱伝導度の大きい金属から
成る熱交換用チューブを拡管し、熱交換器用フィンと熱
交換器用チューブとを一体化して形成される。かかる熱
交換器用フィンは、例えば図8に示すドロー加工方法又
は図9に示すドローレス加工方法により工業的に製造さ
れている。図8に示すドロー加工方法では、アルミニウ
ム等の薄い金属製プレート100に円錐台状又は円柱状
の浅容器部106を形成する〔(i)の工程〕。この浅
容器部106の金属製プレート100に開口する開口径
は、形成するカラー付き挿入孔の開口径よりも大径であ
る。次いで、浅容器部106を縮径しつつ高さを徐々に
高くするドローイング加工を施す〔(ii)(iii)(i
v)の工程〕。ドローイング加工を施して所定高さとな
った容器部109の底面に、穿設加工及びバーリング加
工を施して筒状体104を形成し〔(v)の工程〕、更
に筒状体104の先端部を折り曲げてフレア105を形
成する〔(vi)の工程〕。
【0003】また、図9に示すドローレス加工方法で
は、金属製プレート100に穿設加工及びバーリング加
工を施し、形成された突出片102により周縁が囲まれ
た穿設孔102を形成した後〔(a)の工程〕、穿設孔
101の開孔径を拡大しつつ突出片102にしごき加工
を施して延展し、所定の高さの筒状体104とする
〔(b)(c)の工程〕。次いで、所定高さの筒状体1
04の先端部を折り曲げてフレア105を形成する
〔(d)の工程〕。図8又は図9に示す加工方法によっ
て形成された、フレア105が筒状部104の先端部外
周に形成されたカラー付き挿入孔は、熱交換器用フィン
が積層されたとき、他の熱交換器用フィンの金属製プレ
ートにフレア105が当接し熱交換器用フィン間の距離
を定めるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図8又図9に示す加工
方法において、通常、ドロー加工を施して形成した容器
部109の底面又は金属製プレート100に、穿設加工
を施して形成した穿設孔は円形である。更に、図8又図
9に示す加工方法で形成されたカラー付き挿入孔の筒状
体104の先端部に形成されたフレア105も、筒状体
104の先端部の外周全周に亘って略等しい幅で形成さ
れている。しかし、近年においては、熱交換器の軽量化
等の要請が高まり、熱交換器用フィンの軽量化のため、
更に薄い金属製プレート100にカラー付き挿入孔を形
成することが求められている。一方、金属製プレート1
00が薄肉化されても、熱交換器用フィンの力学的強度
等を維持すべく、カラー付き挿入孔を形成する金属製プ
レート100としては、薄く且つ硬い金属製プレートが
採用されつつある。
【0005】この様に、薄く且つ硬い金属製プレート
は、厚く且つ軟い金属製プレートに比較して、延展性が
乏しくプレス加工性に劣るものである。特に、筒状体1
04の先端部を折り曲げてフレア105を形成する際に
は、フレア105の外周方向に引張力が作用するが、延
展性に乏しい薄く且つ硬い金属製プレートを用いている
場合には、図10に示す如く、フレア105にクラック
106が発生することがある。フレア105の先端部が
最も延展を受けるためである。そこで、本発明の課題
は、延展性に乏しい薄く且つ硬い金属製プレートを用い
ても、カラー付き挿入孔の筒状体の先端部に形成された
フレアにクラックが発生し難い熱交換器用フィン及びそ
の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく検討を重ねた結果、カラー付き挿入孔のカラ
ーの先端部に形成したフレアを楕円形状とすることによ
って、筒状体の先端部を折り曲げてフレアを形成する際
に、フレアにクラックが発生し難いことを見出し、本発
明に到達した。すなわち、本発明は、熱交換用チューブ
が挿入される挿入孔の周囲を囲むように、先端部にフレ
アが形成された所定高さのカラーが金属製プレートに立
設されて成る熱交換器用フィンにおいて、該カラーの先
端部の二箇所から外方に向かって張り出されて形成され
た張出部が、前記挿入孔を挟んで形成されて成る楕円形
状のフレアであって、前記フレアを形成する張出部の各
々が、前記金属製プレートの面から等しい高さに形成さ
れていることを特徴とする熱交換器用フィンにある。
【0007】また、本発明は、熱交換用チューブが挿入
される挿入孔の周囲を囲むように、先端部にフレアが形
成された所定高さのカラーが金属製プレートに立設され
て成る熱交換器用フィンを製造する際に、該金属製プレ
ートに絞り加工を施して円柱状又は円錐台状の容器部を
形成した後、前記容器部の底面に楕円形状の穿設孔を穿
設するピアス加工と前記穿設孔をバーリングするバーリ
ング加工とを施し、前記金属製プレートに穿設した挿入
孔の周囲を囲むように、前記挿入孔の周方向に沿って二
個の凸部が形成された凹凸状先端の筒状体を形成し、次
いで、前記筒状体の二個の凸部を同時に押圧し、前記カ
ラーの先端部の二箇所から外方に向かって張り出された
張出部が、前記挿入孔を挟んで形成されて成る楕円形状
のフレアを形成するように、曲折することを特徴とする
熱交換器用フィンの製造方法にある。
【0008】更に、本発明は、熱交換用チューブが挿入
される挿入孔の周囲を囲むように、先端部にフレアが形
成された所定高さのカラーが金属製プレートに立設され
て成る熱交換器用フィンを製造する際に、該金属製プレ
ートに楕円形状の穿設孔を穿設するピアス加工と前記穿
設孔をバーリングするバーリング加工とを施した後、形
成された開口孔の周縁を囲む突出片にしごき加工を施
し、前記金属製プレートに穿設した挿入孔の周囲を囲む
ように、前記挿入孔の周方向に沿って二個の凸部が形成
された凹凸状先端の筒状体を形成し、次いで、前記筒状
体の二個の凸部を同時に押圧し、前記カラーの先端部の
二箇所から外方に向かって張り出された張出部が、前記
挿入孔を挟んで形成され成る楕円形状のフレアを形成す
るように、曲折することを特徴とする熱交換器用フィン
の製造方法でもある。
【0009】筒状体の先端を押圧して曲折し、カラーの
先端部の全周に亘って、幅が略一定のフレアを形成する
際には、フレアの外周縁の周方向には、フレアの内周近
傍よりも強い引張力が作用する。更に、フレアの外周縁
を形成する筒状体の先端面には、穿設加工に用いたパン
チによって切断された切断面と、パンチによって引き千
切られて破断された破断面とが存在し、破断面は粗い粗
面となっており硬化面ともなっている。このため、筒状
体の先端を押圧してフレアを形成する際に、フレアの外
周縁に周方向に強い引張力が作用すると、フレアの外周
縁からクラックが発生し易い。この点、本発明によれ
ば、カラーの先端部に形成するフレアは、張出部がカラ
ーの外周に沿って間欠的に形成されているものであり、
フレア形成の際に、張出部の一つに作用した引張力は他
の張出部に殆ど影響を与えることがない。このため、筒
状体の先端を押圧してフレアを形成する際に、クラック
が発生する程の引張力がフレアの外周縁の周方向に作用
することを防止でき、フレアの外周縁からクラックが発
生することを防止できる。
【0010】また、カラー付き挿入孔を具備する熱交換
器用フィンを製造する際に、押圧してフレアを形成する
筒状体の金属製プレートまでの高さを所定高さとするこ
とを要するが、従来の熱交換器用フィンでは、筒状体の
先端の全周に亘って金属製プレートまでの高さを所定高
さとしなければならず、筒状体の全体を絞り加工又はし
ごき加工で所定高さとすることが必要である。これに対
し、本発明のカラー付き挿入孔を具備する熱交換器用フ
ィンの製造方法では、押圧し曲折してフレアを形成する
筒状体の先端を、凸部が等間隔に形成された凹凸状先端
に形成するため、凸部先端から金属製プレートまでの高
さを筒状体の高さとすることができ、筒状体の先端の全
周に亘って金属製プレートまでの高さを所定高さとする
従来の熱交換器用フィンの製造方法に比較して、プレス
加工によって容易に所定高さのカラーを形成できる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る熱交換器用フ
ィンの一例を示す斜視図である。図1に示す熱交換器用
フィン10は、矩形のアルミ製の金属製プレート12
に、その長軸方向に複数個のカラー付き挿入孔14、1
4・・が設けられている。このカラー付き挿入孔14
は、熱交換用チューブが挿入される挿入孔16の周囲を
囲むように、先端部にフレア18が形成された所定高さ
のカラー20が形成されている。かかるフレア18は、
その平面図である図2に示す様に、楕円形状に形成され
ており、カラー20の先端の二箇所から外方に向かって
張り出された張出部18aが、挿入孔14を挟み対称に
形成されている。この張出部18a、18aの間には、
貼出部18aよりも幅狭に形成された幅狭部18bが形
成されている。
【0012】図2に示すカラー付き挿入孔14のA−A
面での断面図を図3に示す。図3に示す様に、カラー1
8を形成する張出部18aには平坦部が形成されてい
る。この張出部18aの平坦部は、複数枚の熱交換器用
フィン10を積層した際に、上方に積層された他の熱交
換器用フィンの裏面(金属製プレート12のカラー付き
挿入孔14が形成されている形成面に対して反対面)に
当接し、他の熱交換器用フィンを支承する部分である。
このため、張出部18a、18aの各平坦部は、金属製
プレート12の面から等しい高さに形成されていること
が、支承する他の熱交換器用フィンを安定して支承でき
る。一方、幅狭部18bには、平坦部が形成されておら
ず、他の熱交換器用フィンを支承する役割は実質的に有
しない。但し、金属製プレート12の面からの幅狭部1
8bの高さは、その各最高部位が張出部18aの各平坦
部と等しい高さとなるように、形成されていることが好
ましい。幅狭部18bが、張出部18aの平坦部よりも
低い場合、複数枚の熱交換器用フィン18積層したと
き、フィン間において、熱交換器用フィン18の挿入孔
16に挿入した熱交換用チューブの側面が露出する、い
わゆる赤目となり、外観上及び熱効率の観点から好まし
くない傾向となる。また、幅狭部18bも、図3に示す
様に、挿入孔16の内壁よりも外側方向に曲折すること
により、熱交換用チューブをスムーズに挿入することが
でき好ましい。
【0013】図1〜図3に示すカラー付き挿入孔14が
形成された熱交換フィン10を、図10に示すドロー加
工方法によって製造した例を図4に示す。図4におい
て、図4(a)に示すアルミニウムから成る金属製プレ
ート12の所定高さの容器部22は、図10に示すドロ
ー加工の(i)〜(iv)の工程と同様な工程で得ること
ができる。得られた図4(a)の容器部22の底面24
に、穿設加工を施し穿設孔26を形成する〔(b)の工
程〕。この穿設孔26は、図5に示す様に、容器部22
の底面24よりも小面積であり、楕円形状をしている。
次いで、容器部22の底面24に穿設された穿設孔26
をバーリングするバーリング加工を施し、先端が凹凸状
に形成された筒状体28を形成する〔(c)の工程〕。
この筒状体28の凹凸状先端には、凸部28aと凹部2
8bとが形成されており、二個の凸部28a(凹部28
b)が筒状体28の周方向に形成されている。かかる凸
部28aは、容器部22の底面24に穿設した図5に示
す楕円形状の穿設孔26において、長軸に沿った部分2
6aによって形成され、凹部28bは、図5の楕円形状
の穿設孔26において短軸に沿った部分26bによって
形成される。
【0014】その後、筒状体28の凹凸状先端を押圧
し、二個の凸部28aを同時に押圧して平坦化すること
によって、カラー20の先端の二箇所から外方向に向か
って張り出す張出部18a、18aが挿入孔14を挟み
対称に形成されて成る、図2に示す楕円形状のフレア1
8を形成できる〔(d)の工程〕。この際の押圧によっ
て、凸部28aを押圧して平坦化するまで押圧すると共
に、凹部28bの先端部の一部も押圧することによっ
て、図2又は図3に示す様に、張出部18aよりも幅狭
の幅狭部18bを形成できる。形成された幅狭部18b
の金属製プレート12からの高さは、張出部18aと略
等しいことが好ましい。かかる図4に示す熱交換器用フ
ィンの製造方法において、容器部22の底面24に楕円
形状の穿設孔26を穿設する穿設工程〔(b)の工程〕
と、穿設孔26をバーリングするバーリング工程
〔(c)の工程〕とを、別工程として各工程を逐次的に
施してもよい。また、穿設加工とバーリング加工とを一
工程、つまり上型と下型とから成る金型において、上型
が下型方向に降下を開始してから下死点に至るまでの間
に行ってもよい。
【0015】次に、図1〜図3に示すカラー付き挿入孔
14が形成された熱交換器用フィン10を、図9に示す
ドローレス加工方法によって製造した例を図6に示す。
ドローレス加工方法では、金属製プレート12に穿設加
工を施し、穿設孔30を形成する〔(a)の工程〕。こ
の穿設孔30は、図7に示す様に、楕円形状に形成され
ている。次いで、穿設孔30をバーリングするバーリン
グ加工を施し、形成された突出片32により周縁が囲ま
れたバーリング孔34を形成した後〔(b)の工程〕、
バーリング孔34の開孔径を拡大しつつ突出片32にし
ごき加工を施して延展し、先端が凹凸状に形成された所
定の高さの筒状体36を形成する〔(c)の工程〕。こ
の筒状体36の凹凸状先端には、凸部36aと凹部36
bとが形成されており、二個の凸部36a(凹部36
b)が筒状体36の周方向に形成されている。かかる凸
部28aは、金属製プレート12に穿設した図7に示す
楕円形状の穿設孔30において、長軸に沿った部分30
aによって形成され、凹部30bは、図7に示す楕円形
状の穿設孔30の短軸に沿った部分30bによって形成
される。
【0016】その後、筒状体30の凹凸状先端を押圧
し、二個の凸部36aを同時に押圧して折り曲げて平坦
化することによって、カラー20の先端から外方向に向
かって二方に張り出す張出部18a、18aが形成さ
れ、図2に示す楕円形状のフレア18を形成できる
〔(d)の工程〕。この際の押圧によって、凸部36a
を押圧して平坦化するまで曲折すると共に、凹部36b
の先端部の一部も押圧することによって、図2又は図3
に示す様に、張出部18aよりも幅狭の幅狭部18bを
形成できる。形成された幅狭部18bの金属製プレート
12からの高さは、張出部18aと略等しい高さである
ことが好ましい。尚、図6に示す熱交換器用フィンの製
造方法において、金属製プレート12に楕円形状の穿設
孔30を形成する穿設工程〔(a)の工程〕と、穿設孔
30をバーリングするバーリング工程〔(b)の工程〕
とを、別工程として各工程を逐次的に施してもよく、穿
設加工とバーリング加工とを一工程(上型と下型とから
成る金型において、上型が下型方向に降下を開始してか
ら下死点に至るまでの間)で行ってもよい。
【0017】ところで、図4に示すドロー加工方法で
は、図5に示す様に、容器部22の底面24に楕円形状
の穿設孔26を穿設することによって、穿設孔26に外
接する円形の穿設孔27(図5において一点鎖線で示
す)よりも高いカラー付き挿入孔14を形成できる。す
なわち、楕円形状の穿設孔26と円形の穿設孔25との
間の部分aは、穿設孔26をバーリングして得られる図
4(c)に示す筒状体28の凸部28aの高さに寄与す
るため、結果的にカラー高さに寄与できるからである。
更に、フレア18を形成する筒状体28の凹凸状先端を
押圧し、凸部28aを曲折して張出部18aを形成する
ため、筒状体28の凸部28aの先端から金属製プレー
ト12までの高さが所定高さであればよく、筒状体28
の全周の高さを所定高さとすることは必要としない。し
かも、二個の凸部28aを同時に押圧し曲折して二個の
張出部18aを形成する際に、張出部18aの各々がカ
ラー20の外周に沿って間欠的形成されているため、独
立した張出部18aの一つに作用する引張力は他の張出
部18aに殆ど影響を与えることがない。
【0018】この様に、容器部22の底面24に楕円形
状の穿設孔26を穿設することにより、穿設孔26に外
接する円形の穿設孔27よりも高いカラー付き挿入孔1
4を形成できるため、円形の穿設孔27と同一高さのカ
ラー付き挿入孔14を形成する場合には、容器部22の
高さを低くできる。このため、金属製プレート12とし
て、円形の穿設孔27を形成してカラー付き挿入孔を形
成する金属製プレートよりも薄く且つ硬い金属製プレー
トを用いることが可能である。事実、厚さ0.1mmの
アルミ製の金属製プレート12に直径10mmの挿入孔
16の周囲に形成し得るフレア付きカラーの高さは、図
8に示す従来のドロー加工方法では2mmが限界であっ
たが、図4に示すドロー加工方法では、高さ2.3mm
のフレア18付きのカラー20を形成できた。
【0019】また、図6に示すドレーレス加工方法にお
いても、図7に示す様に、金属製プレート12に形成し
た楕円形状の穿設孔30と、この穿設孔30に外接する
円形の穿設孔31(一点鎖線で示す)との間に部分aが
形成でき、穿設孔30をバーリングして形成したバーリ
ング孔34の開孔径を拡大しつつ突出片32にしごき加
工を施して延展して得られる図6(c)に示す筒状体3
6の高さに寄与し、結果的にカラー高さに寄与できる。
更に、フレア18を形成する筒状体36の凸部36aが
所定高さであればよく、筒状体36の全周の高さを所定
高さとする必要がない点、及び二個の凸部36aを同時
に押圧し曲折して四個の張出部18aを形成する際に、
独立した張出部18aの一つに作用する引張力は他の張
出部18aに殆ど影響を与えることがない点は、ドロー
加工方法と同様である。従って、円形の穿設孔31と同
一高さのカラー付き挿入孔14を形成する場合には、筒
状体36の高さを低くできる。このため、バーリング孔
34の開孔径を拡大しつつ突出片32に施すしごき加工
の程度を緩和でき、延展性の乏しい薄く且つ硬い金属製
プレートであっても、所定高さのカラー付き挿入孔14
を形成できる。
【0020】以上、述べてきた説明において、図1に
は、カラー付き挿入孔14が矩形の金属製プレート12
の長軸方向に一列に形成されているが、カラー付き挿入
孔14)を二列或いは千鳥状に配列してもよい。更に、
カラー20の先端部から張り出された張出部18aの先
端部を金属製プレート12の方向にカールしたカール状
部としてもよい。かかるカール状部は、張出部18aの
先端部のみに形成されており、幅狭部18b(42b)
には形成されていない。このため、プレス加工によって
得られた熱交換器用フィンに付着した加工油がカール部
に進入しても、容易に除去可能である。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、金属製プレートが薄く
且つ硬くなっても所定高さのカラー付き挿入孔を容易に
形成できるため、熱交換器の軽量化の要請に応えること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱交換器用フィンの一例を示す斜
視図である。
【図2】図1に示す熱交換器用フィンに形成されたカラ
ー付き挿入孔14の平面図である。
【図3】図1に示す熱交換器用フィンに形成されたカラ
ー付き挿入孔14のA−A面における断面図である。
【図4】図1に示す熱交換器用フィンを製造する製造方
法の一例を説明する工程図である。
【図5】図4(b)の工程で穿設する穿設孔26の形状
を説明する平面図である。
【図6】図1に示す熱交換器用フィンを製造する製造方
法の他の例を説明する工程図である。
【図7】図6(a)の工程で穿設する穿設孔30の形状
を説明する平面図である。
【図8】従来の熱交換器用フィンを製造する製造方法の
一例を説明する工程図である。
【図9】従来の熱交換器用フィンを製造する製造方法の
他の例を説明する工程図である。
【図10】フレアにクラックが発生したカラー付き挿入
孔の斜視図である。
【符号の説明】
10 熱交換器用フィン 12 金属製プレート 14 カラー付き挿入孔 16 挿入孔 18 フレア 18a 張出部 18b 幅狭部 20 カラー 22 容器部 24 容器部22の底面 26、30 穿設孔 28、36 筒状体 28a、36a 凸部 28b、36b 凹部 34 バーリング孔
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21D 53/08 B21D 53/04 F28F 1/32

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱交換用チューブが挿入される挿入孔の
    周囲を囲むように、先端部にフレアが形成された所定高
    さのカラーが金属製プレートに立設されて成る熱交換器
    用フィンにおいて、 該カラーの先端部の二箇所から外方に向かって張り出さ
    れた張出部が、前記挿入孔を挟んで形成されて成る楕円
    形状のフレアであって、 前記フレアを形成する張出部の各々が、前記金属製プレ
    ートの面から等しい高さに形成されていることを特徴と
    する熱交換器用フィン。
  2. 【請求項2】 フレアが、カラーの先端部の二箇所から
    外方に向かって張り出されて形成された張出部と、前記
    張出部よりも幅狭に形成された幅狭部とから成るフレア
    である請求項1記載の熱交換器用フィン。
  3. 【請求項3】 熱交換用チューブが挿入される挿入孔の
    周囲を囲むように、先端部にフレアが形成された所定高
    さのカラーが金属製プレートに立設されて成る熱交換器
    用フィンを製造する際に、 該金属製プレートに絞り加工を施して円柱状又は円錐台
    状の容器部を形成した後、 前記容器部の底面に楕円形状の穿設孔を穿設するピアス
    加工と前記穿設孔をバーリングするバーリング加工とを
    施し、前記金属製プレートに穿設した挿入孔の周囲を囲
    むように、前記挿入孔の周方向に沿って二個の凸部が形
    成された凹凸状先端の筒状体を形成し、 次いで、前記筒状体の二個の凸部を同時に押圧し、前記
    カラーの先端部の二箇所から外方に向かって張り出され
    た張出部が、前記挿入孔を挟んで形成されて成る楕円形
    状のフレアを形成するように、曲折することを特徴とす
    る熱交換器用フィンの製造方法。
  4. 【請求項4】 熱交換用チューブが挿入される挿入孔の
    周囲を囲むように、先端部にフレアが形成された所定高
    さのカラーが金属製プレートに立設されて成る熱交換器
    用フィンを製造する際に、 該金属製プレートに楕円形状の穿設孔を穿設するピアス
    加工と前記穿設孔をバーリングするバーリング加工とを
    施した後、 形成された開口孔の周縁を囲む突出片にしごき加工を施
    し、前記金属製プレートに穿設した挿入孔の周囲を囲む
    ように、前記挿入孔の周方向に沿って二個の凸部が形成
    された凹凸状先端の筒状体を形成し、 次いで、前記筒状体の二個の凸部を同時に押圧し、前記
    カラーの先端部の二箇所から外方に向かって張り出され
    た張出部が、前記挿入孔を挟んで形成されて成る楕円形
    状のフレアを形成するように、曲折することを特徴とす
    る熱交換器用フィンの製造方法。
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