JP3402563B2 - 車両制御装置 - Google Patents

車両制御装置

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JP3402563B2
JP3402563B2 JP23454296A JP23454296A JP3402563B2 JP 3402563 B2 JP3402563 B2 JP 3402563B2 JP 23454296 A JP23454296 A JP 23454296A JP 23454296 A JP23454296 A JP 23454296A JP 3402563 B2 JP3402563 B2 JP 3402563B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動列車制御(ATC)装置等の車両制
御装置は、地上装置から、ループ等の信号伝送路に、振
幅変調されたATC信号を送信し、車上装置でこのAT
C信号を受信して解読し、必要な車両制御を行なう。振
幅変調波に含まれる変調波は、ATC情報に応じた周波
数信号として与えられる。振幅変調波であるATC信号
は車上装置によって受信される。
【0003】かかる車両制御装置における問題点の1つ
は、隣接する信号伝送路の閉塞境界において、ATC信
号のレベルが等しく、ATC信号に含まれる搬送波が、
互いに同一周波数で、且つ、逆相の場合、変調波の周波
数の和または差の周波数に対応する周波数成分が発生
し、これらの周波数成分が異現示信号として、誤って、
受信されてしまうことである。変調波はATC情報を担
う信号であり、異現示が、実際に与えられた現示よりも
上位現示となる場合は、車両制御の安全性が損なわれて
しまう。
【0004】もう一つの問題点は、隣接する両信号伝送
路の閉塞境界において、ATC信号のレベルか等しく、
変調波の周波数が同一で、且つ、逆位相となった場合
に、無信号となることである。車上側で無信号を検出す
ると、故障が発生したものと判定し、車両に非常ブレー
キが掛かる。
【0005】かかる問題点を解決するため、従来は、
(1)隣接する信号伝送路で搬送波の周波数を数kHz
(例えば18kHz と20kHz)ズラし、異なるバンドパスフ
ィルタで両者を分離して処理する、(2)境界では停止
しないことを運転士に義務付ける、(3)5km/h以下の
走行を検知し、「故障」による非常ブレーキとして処理
しないようにする等の対策をとっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、対策
(1)は、車上装置において、少なくとも2つの信号処
理ルートが必要になるので、搬送波用のバンドパスフィ
ルタ等の部品点数が多くなり、車上装置が高価となる。
対策(2)、(3)は、信号伝送路の境界付近が死信号
伝送路となることを認めてしまっており、改善の余地が
ある。
【0007】本発明の課題は、信号伝送路境界での異現
示の発生を防止し得る車両制御装置を提供することであ
る。
【0008】本発明のもう一つの課題は、境界で無信号
となることを防止し得る車両制御装置を提供することで
ある。
【0009】本発明の更にもう一つの課題は、1つの信
号処理ルートでの処理を可能にし得る車両制御装置を提
供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題解決のた
め、本発明に係る車両制御装置において、地上装置は、
車両走行方向に沿って設けられた複数の信号伝送路のそ
れぞれに振幅変調波を送信する。前記振幅変調波は、搬
送波の周波数が隣接する前記信号伝送路において互いに
異なっている。
【0011】前記車上装置は、前記信号伝送路に流れる
前記振幅変調波を受信し、前記振幅変調波に含まれる変
調波成分を抽出し、抽出された信号に基づいて車両を制
御する。
【0012】上述したように、地上装置は、車両走行方
向に沿って設けられた複数の信号伝送路のそれぞれに振
幅変調波を送信し、車上装置は、信号伝送路に流れる振
幅変調波を受信し、振幅変調波に含まれる変調波成分を
抽出する。変調波は、ATC情報を担っている。従っ
て、車上装置では、地上装置から送信されたATC情報
を受信し、それに基づいて、車両制御を実行できる。
【0013】地上装置から送信される振幅変調波は、搬
送波の周波数が、隣接する信号伝送路において互いに異
なっている。このため、隣接する信号伝送路の閉塞境界
においては、ATCレベルがほぼ同じとき搬送波の周波
数の差に応じたビートが発生する。このビート波形は、
搬送波が互いに打ち消し合う逆相のタイミングと、搬送
波が互いに重なり合う同相のタイミングとを、搬送波の
周波数の差に対応して、周期的に繰り返す波形となる。
搬送波の周波数の差は、搬送波フィルタの帯域範囲内で
復旧タイマの時間内、例えば数Hz程度に選定される。
【0014】逆相となるタイミングでは、変調波の和ま
たは差の周波数成分のレベルが高くなり、変調波の周波
数成分のレベルが低くなる。同相となるタイミングで
は、変調波の周波数成分のレベルが高くなり、変調波の
和または差の周波数成分のレベルが低くなる。
【0015】車上装置は、振幅変調波に含まれる変調波
成分を抽出する。変調波成分の抽出は、搬送波フィルタ
及び検波器を通して実行される。振幅変調波に含まれる
搬送波の周波数の差に起因して発生するビート波形は、
前述したように、搬送波が互いに打ち消し合う逆相のタ
イミングと、搬送波が互いに重なり合う同相のタイミン
グとを、搬送波の周波数の差に対応して、周期的に繰り
返す波形となるから、搬送波が同相となる時間が復旧時
間内であれば、継続して以前の信号を有りとして出力す
ることができる。これにより、異現示の受信を回避する
ことができる。
【0016】変調波の周波数が、隣接する信号伝送路に
おいて互いに異なる場合は、境界での無信号の発生を更
に防止することができる。
【0017】本発明の他の特徴及びそれによる作用効果
は、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る車両制御装置
の構成を示すブロック図である。本発明に係る車両制御
装置は、地上装置Aと、車上装置Bとを含む。地上装置
Aは、軌道1と、送信回路21、22と、搬送波発生回
路3とを有する。図において、参照符号5は車両であ
る。
【0019】車両5の走行方向aに沿って複数の信号伝
送路1T、2Tが順次に設けられている。図では2つの
信号伝送路1T、2Tが示されているだけであるが、そ
れ以上の数の信号伝送路が備えられることは勿論であ
る。これらの信号伝送路1T、2Tは、境界部分P1〜
P3において区画されている。信号伝送路1T、2T
は、一般には、軌道1に沿って設けられたループで構成
されるが、軌道回路であってもよい。
【0020】送信回路21は、制御情報C1と、搬送波
fc1とが入力され、制御情報C1に応じて設定された
変調波f1を発生し、搬送波fc1を変調波f1により
断続変調して得た振幅変調波F1を信号伝送路1Tに供
給する。制御情報C1は、一般に、信号現示に対応させ
て与えられる。変調波f1の周波数は、例えばf1=7
1Hzに設定される。
【0021】送信回路21は、例えば、変調波f1を発
生する変調波発生回路211と、搬送波fc1を変調波
f1により振幅(断続)変調する変調回路212と、振
幅変調波F1を通過させるバンドパスフィルタ213
と、振幅変調波(制御情報波)F1を増幅する増幅回路
214とを用いて構成できる。振幅変調波F1は、結合
手段231を介して信号伝送路1Tに送信される。
【0022】同様に、送信回路22は、制御情報C2
と、搬送波fc2とが入力され、制御情報C2に応じて
設定された変調波f2を発生し、搬送波fc2を変調波
f2により振幅(断続)変調して得た振幅変調波(制御
情報波)F2を軌道回路2Tに供給する。制御情報C2
は、一般に、信号現示に対応させて与えられる。変調波
f2の周波数は、例えばf2=31Hzに設定される。
【0023】送信回路22は、例えば、変調波f2を発
生する変調波発生回路221と、搬送波fc2を変調波
f2により断続変調する変調回路222と、振幅変調波
F2を通過させるバンドパスフィルタ223と、振幅変
調波F2を増幅する増幅回路224とを用いて構成でき
る。振幅変調波F2は、結合手段232を介して軌道回
路2Tに送信される。
【0024】搬送波発生回路3は、周波数が互いに異な
る搬送波fc1と搬送波fc2とを発生する。搬送波f
c1と搬送波fc2は、送信回路21、22のそれぞれ
に個別に供給する。搬送波fc1と搬送波fc2の周波
数差は、車上装置の復旧タイマの時間内から数Hz以内
が望ましい。実施例では、搬送波fc1は周波数fc1
=20000 Hzに設定され、搬送波fc2は周波数fc2
=20001 Hzに設定されているものとして説明する。
【0025】車上装置Bは、閉塞境界において信号伝送
路1T、2Tに流れる振幅変調波F1、F2を同レベル
で受信する。そして、振幅変調波F1、F2に含まれる
搬送波fc1、fc2の周波数の差に起因して発生する
1Hzのビートの時間内において、同相のときは、振幅
変調波F1、F2に含まれる変調波f1、f2の成分を
抽出し、受信する。逆相のとき、和(f1+f2)及び
差(f1〜f2)の成分を受信するが、復旧タイマの時
間内のため、異現示の出力はしない。
【0026】上述したように、地上装置Aは、軌道回路
によって構成される複数の信号伝送路1T、2Tのそれ
ぞれに振幅変調波F1、F2を送信する。車上装置Bは
軌道回路に流れる振幅変調波F1、F2を受信して振幅
変調波F1、F2に含まれる変調波f1またはf2を抽
出して受信する。上述したように、変調波f1、f2
は、ATC情報を担っている。従って、車上装置Bで
は、地上装置Aから送信されたATC情報を受信し、そ
れに基づいて、車両制御を実行できる。
【0027】地上装置Aから送信される振幅変調波F
1、F2は、搬送波fc1、fc2の周波数が、隣接す
る信号伝送路1T、2Tにおいて互いに異なっている。
このため、隣接する信号伝送路1T、2Tの境界におい
ては、搬送波fc1、fc2の周波数の差に応じたビー
トが発生する。このビート波形は、搬送波fc1、fc
2が互いに打ち消し合う逆相のタイミングと、搬送波f
c1、fc2が互いに重なり合う同相のタイミングと
を、搬送波fc1、fc2の周波数の差に対応して、周
期的に繰り返す波形となる。
【0028】図2は車両が信号伝送路境界を通るときに
車上側で受信される信号のビート波形を示す図である。
図において、参照符号Tbは搬送波fc1と搬送波fc
2との周波数差によって生じるビートの周期を示してい
る。参照符号W1及びW2は、振幅変調波F1、F2の
重なりを概念的に示したものである。図において、「同
相」と表示された領域は、搬送波fc1と搬送波fc2
とが重なり、そのレベルが所定のレベルTH以上となる
領域と定義し、「逆相」と表示された領域は、搬送波f
c1と搬送波fc2とが互いに打ち消し合い、そのレベ
ルが所定のレベルTH未満となる領域と定義する。
【0029】図3は図2の参照符号W1で示す部分の詳
細を示す図である。図において、図1及び図2と同一参
照符号は、図1及び図2の参照符号の意味と同一の意味
を有する。参照符号T1は振幅変調波F1の周期を示
し、T2は振幅変調波F2の周期を示し、Tは、振幅変
調波F1及び振幅変調波F2の合成周期を示す。周期T
1、T2は、変調波f1、f2の周期と一致する。
【0030】振幅変調波F1及び振幅変調波F2は、レ
ベルが同一であり、搬送波fc1及び搬送波fc2の位
相が互いに逆相(位相差180度)となっている(図3
(a)及び(b)参照)。このため、振幅変調波F1及び振幅
変調波F2が重なり合う部分は、搬送波fc1及び搬送
波fc2が互いに打ち消し合い、受信信号S1のレベル
が「0」となり(図3(c)参照)、零クロス点P0を生
じる。この受信信号S1を包絡線検波すると、図3(d)
に示すような、検波信号S2が得られる。
【0031】図4は図2の参照符号W2で示す部分の詳
細を示す図である。図において、図1〜図3と同一参照
符号は、図1〜図3の参照符号の意味と同一の意味を有
する。
【0032】振幅変調波F1及び振幅変調波F2は、レ
ベルが同一であり、搬送波fc1及び搬送波fc2の位
相が同相(位相差0度)となっている(図4(a)及び(b)
参照)。このため、振幅変調波F1及び振幅変調波F2
が重なり合う部分は、搬送波fc1及び搬送波fc2が
互いに重なり合い、受信信号S1のレベルが2倍となる
(図4(c)参照)。この受信信号S1を包絡線検波する
と、図4(d)に示すような、検波信号S2が得られる。
【0033】図5は図3及び図4に示す検波信号S2の
周波数スペクトルを示す図である。検波信号S2の周波
数スペクトルは、検波信号S2をフーリエ級数展開して
求めることができる。
【0034】搬送波fc1と搬送波fc2とが同相の場
合は、変調周波数f1、f2のスペクトルと、その3倍
の周波数3f1、3f2のスペクトルとが得られる。変
調周波数f1、f2のスペクトルのレベルを0dBとする
と、周波数3f1、3f2のスペクトルのレベルは−9.
5 dBとなる。
【0035】搬送波fc1と搬送波fc2とが逆相の場
合は、差の周波数(f1−f2)のスペクトルと、和の
周波数(f1+f2)のスペクトルと、周波数(3f2
−f1)のスペクトルと、周波数(5f2−f1)のス
ペクトルとが得られる。変調周波数f1、f2のスペク
トルのレベルを0dBとすると、差の周波数(f1−f
2)及び和の周波数(f1+f2)のスペクトルのレベ
ルは−3.9 dB、周波数(3f2−f1)のスペクトルの
レベルは−13.5 dB、周波数(5f2−f1)のスペク
トルのレベルは−17.9 dBとなる。
【0036】図5から明らかなように、逆相となるタイ
ミングでは、変調波周波数f1、f2の和(f1+f
2)または差(f1―f2)の周波数成分のレベルが高
くなり、変調波f1、f2の周波数成分のレベルが低く
なる。ビート波形の零クロス点P0では、搬送波fc1
と搬送波fc2とがほぼ完全に打ち消し合い、変調波f
1、f2の和(f1+f2)または差(f1―f2)
周波数成分のレベルが最大になり、変調波f1、f2の
周波数成分のレベルが最小になる。
【0037】同相となるタイミングでは、変調波f1、
f2の周波数成分のレベルが高くなる。ビート波形の零
クロス点P0では搬送波がほぼ完全に打ち消し合う。こ
のため、従来は連続して「有」となっていたf1または
f2の周波数成分が、ビート波形に従って、「有」と
「無」とを繰り返すようになる。
【0038】車上装置Bは、搬送波フィルタ及び検波器
により、振幅変調波F1、F2に含まれる変調波f1、
f2の成分を抽出する。搬送波fc1、fc2の周波数
の差に起因して発生するビート波形は、前述したよう
に、搬送波fc1、fc2が互いに打ち消し合う逆相の
タイミングと、搬送波fc1、fc2が互いに重なり合
う同相のタイミングとを、搬送波fc1、fc2の周波
数の差に対応して、周期的に繰り返す波形となるから、
搬送波fc1、fc2が同相となり、変調波f1、f2
の周波数成分のレベルが高い時間的領域が周期的に現れ
る。従って、この変調波f1またはf2を抽出して受信
することができる。
【0039】車上装置Bは、変調波f1又は変調波f2
の成分を受信有と判定したときは、和(f1+f2)又
は差(f1―f2)の成分が発生しても、復旧時間の範
囲内であれば、受信有りの判定を継続する。これによ
り、異現示の受信を回避することができる。
【0040】更に、従来とは異なって、車上装置Bにお
いて、搬送波fc1及び搬送波fc2の処理のために2
つの信号処理ルートを必要としないので、車上装置Bを
安価に構成し得る。
【0041】図6は本発明に係る地上装置を構成する搬
送波発生回路の具体的な回路図である。搬送波発生回路
3は、搬送波fc1を発生する第1の搬送波回路31
と、搬送波fc2を発生する第2の搬送波回路32とを
含む。
【0042】第1の搬送波回路31は、第1の発振回路
311と、第1の分周回路312とを含む。第1の発振
回路311は、水晶振動子等で構成され、第1の周波数
信号S51を発生する。第1の分周回路312は、第1
の周波数信号S51を分周して搬送波fc1を得る。図
示の例では、バンドパスフィルタ313が第1の分周回
路312の後段に設けられ、バンドパスフィルタ313
が搬送波fc1を選択的に通過させる。
【0043】第2の搬送波回路32は、第2の分周回路
321と、第2の発振回路322と、第3の分周回路3
23と、周波数変換回路324とを含む。第2の分周回
路321は、第1の周波数信号S51を分周して搬送波
fc1の周波数fc1よりも低い周波数の被変換周波数
信号S53を発生する。被変換周波数信号S53の周波
数は、例えば 18000 Hzに設定される。第2の発振回
路322は、水晶振動子等で構成され、第2の周波数信
号S52を発生する。第3の分周回路323は、第2の
周波数信号S52を分周し、周波数が搬送波fc2の周
波数fc2と被変換周波数信号S53の周波数との差の
周波数となる変換周波数信号S54を発生する。図示の
例では、変換周波数信号S54の周波数が2001 Hzに
設定される。
【0044】周波数変換回路324は、被変換周波数信
号S53と変換周波数信号S54とが入力され、被変換
周波数信号S53の周波数と変換周波数信号S54の周
波数との和の周波数成分に対応する周波数信号を発生
し、その周波数信号を搬送波fc2として出力する。
【0045】この構成によれば、搬送波fc1の周波数
fc1が+1Hz変化した場合に、搬送波fc2の周波
数fc2が+ 0.9 Hz変化するようになる。また、水
晶振動子の精度は50PPM 程度であるため、20000 Hz
での変動が1Hzの範囲に収まる。このため、搬送波f
c1と搬送波fc2との相対的な周波数の差は 0.1Hz
しか変動せず、搬送波fc1の周波数fc1と搬送波f
c2の周波数fc2とが同一周波数になることはない。
従って、温度等の環境が変動した場合でも、本発明に係
る車両制御装置の動作が保証される。
【0046】更に、周波数変換回路324は、スイッチ
ング回路325と、演算回路326と、フィルタ回路3
27とを含む。スイッチング回路325は、被変換周波
数信号S53及び変換周波数信号S54が入力され、ス
イッチング素子SW1が変換周波数信号S54に応じて
デューティ比1対1でオン・オフして被変換周波数信号
S53をスイッチングし、スイッチング信号S55を出
力する。
【0047】演算回路326は、被変換周波数信号S5
3を反転させ、1/2倍に減衰させた演算信号S56を
発生すると共に、演算信号S56とスイッチング信号S
55とを加算し、その加算信号S57を出力する。演算
回路326は、例えば、増幅率が1/2に設定された反
転増幅回路32aと、加算回路32bとを含んで構成す
ることができる。
【0048】フィルタ回路327は、加算信号S57か
ら、被変換周波数信号S53の周波数に対して変換周波
数信号S54の周波数を加算した周波数の成分を抽出
し、搬送波fc2として出力する。
【0049】図示の例では、周波数変換回路324の前
段に、バンドパスフィルタ328が設けられている。バ
ンドパスフィルタ328は被変換周波数信号S53を選
択的に通過させる。
【0050】周波数変換回路324は、実開平4ー123614
号公報に開示された周波数変換装置と同一である。上記
先行技術文献を援用して、周波数変換回路324の作用
を簡単に説明する。
【0051】スイッチング回路325において、変換周
波数信号S54によりスイッチング素子SW1をデュー
ティ比1対1でオン・オフして被変換周波数信号S53
をスイッチングすると、1/2倍された被変換周波数信
号S53及び被変換周波数信号S53にのレベルに対応
した変換周波数信号S54の周波数の奇数倍の高調波が
加算または減算された周波数成分を有するスイッチング
信号S55が得られる。
【0052】演算回路326は、被変換周波数信号S5
3を反転させ、1/2倍に減衰させた演算信号S56を
発生すると共に、演算信号S56とスイッチング信号S
55とを加算し、その加算信号S57を出力する。この
とき、スイッチング信号S55に含まれる被変換周波数
信号S53と演算信号S56とは、互いに振幅が同一で
位相が逆位相となるので、加算すると両者が打ち消さ
れ、加算信号S57から被変換周波数信号S53が除去
される。
【0053】フィルタ回路327は、加算信号S57か
ら、被変換周波数信号S53の周波数(18000 Hz)に対
して変換周波数信号S54の周波数(2001 Hz)を加算
した周波数(20001 Hz)の成分を抽出し、搬送波fc2
として出力する。
【0054】この構成によれば、搬送波の周波数が高い
場合であっても、高い周波数の被変換周波数信号S53
と低い周波数の変換周波数信号S54とを周波数変換回
路324に入力することにより、周波数差が数Hz以内
の搬送波を容易に発生させることができる。
【0055】以上により、この構成によれば、ATCレ
ベルか同一で、変調波f1、f2の位相が180度ズレ
た最悪の場合であっても、断続変化する部分が必ず生じ
るので(図3及び図4参照)、異現示となることはな
い。また、変調波が異なれば無信号になることもない。
このため、信号伝送路の境界付近が死信号伝送路となる
のを防止できる。
【0056】図7は車上装置Bを構成する詳しいブロッ
ク図で、搬送波フィルタ、検波器及び信号判別回路で構
成される。信号判別回路43は、周波数選択回路441
〜44nと、複数のタイマ451〜45nとを有する。
参照符号61は入力されるATC信号のための搬送波フ
ィルタ、参照符号62は検波器である。
【0057】周波数選択回路441〜44nのそれぞれ
は、変調波f1〜fnを選択する回路であって、一般に
は、選択中心周波数f1〜fnを持つフィルタ回路とし
て構成される。
【0058】タイマ451〜45nは、周波数選択回路
441〜44nから周波数f1〜fnの信号が有りのと
きに計数を開始する動作タイマとしての機能と、無しの
ときに計数を開始する復旧タイマとしての機能とを含
む。動作タイマとしては、動作時間を持ち、周波数選択
回路441〜44nから供給される周波数f1〜fnの
信号S31〜S3nの入力が動作時間以上継続した時
に、周波数f1〜fnの変調波を受信した旨の信号S4
1〜S4nを出力する。
【0059】例えば、タイマ451に注目した場合、タ
イマ451は周波数選択回路441から周波数f1の信
号が与えられたときに計数を開始し、周波数f1の信号
S31の入力が、タイマ451に設定された動作時間以
上継続した時に、周波数f1の変調波を受信した旨の信
号S41を出力する。これにより、周波数f1の変調波
が確かに受信されたことを保証することができる。
【0060】ビート波形には、隣接する2つの信号伝送
路において、変調波f1〜fnの周波数成分のレベルが
高くなり、変調波f1、f2の和または差の周波数成分
のレベルが低くなる同相のタイミングが、ビート周期に
従って現れる(図2〜図5参照)。従って、復旧時間
を、ビート周期よりも長くすることにより、復旧タイマ
としての機能を持たせ、変調波f1〜fnを連続して受
信することができる。
【0061】例えば、隣接する信号伝送路1T、2Tに
おいて、変調波f1、f2の周波数成分のレベルが高
く、かつ、変調波f1、f2の和または差の周波数成分
のレベルが低くなる同相のタイミングが、ビート周期に
従って現れる(図2〜図5参照)。従って、タイマ45
1、452の復旧時間を、ビート周期よりも長くするこ
とにより、変調波f1またはf2を連続して受信するこ
とができる。
【0062】一方、ビート波形には、変調波f1〜fn
の和または差の周波数成分のレベルが高く、異現示を生
じる逆相のタイミングも、ビート周期に従って現れる
が、変調波f1〜fnの受信のために備えられたタイマ
451〜45nの動作時間を、ビート周期よりも長くす
ることにより、逆相のタイミングを目隠しし、異現示の
受信を回避することができる。
【0063】異現示の受信をより確実に回避するため
に、一つの変調波を受信するために備えられたタイマか
ら出力される信号により、他の周波数の変調波を受信す
るために備えられたタイマをリセットする。
【0064】例えば、変調波f1を受信するために備え
られたタイマ451から出力される信号S41により、
他のタイマ442〜44nにリセット信号RSを供給
し、リセットする。この構成によれば、タイマ442〜
44nの何れかに異現示となる周波数信号が入力されて
いる場合であっても、その計数値がクリヤされるので、
異現示の受信が回避される。
【0065】図示の例では、搬送波フィルタ、検波器、
ローパスフィルタ46及びリミッタアンプ47が周波数
選択回路44の前段に設けられている。ローパスフィル
タ46は検波信号S2を通過させ、リミッタアンプ47
はその検波信号S2を増幅する。
【0066】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、以
下のような効果が得られる。 (a)境界での異現示の発生を防止し得る車両制御装置
を提供できる。 (b)境界で無信号となることを防止し得る車両制御装
置を提供できる。 (c)1つの信号処理ルートでの処理を可能にし得る車
両制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る地上装置の構成を示すブロック図
である。
【図2】車上側で受信される受信信号波形の一例を示す
図である。
【図3】図2の参照符号W1で示す部分の詳細を示す図
である。
【図4】図2の参照符号W2で示す部分の詳細を示す図
である。
【図5】図3及び図4に示す検波信号の周波数スペクト
ルを示す図である。
【図6】本発明に係る地上装置を構成する搬送波発生回
路の具体的な回路図である。
【図7】図1に示す信号判別回路の具体的な回路図であ
る。
【符号の説明】
A 地上装置 1 軌道 1T、2T 信号伝送路(区間) 21、22 送信回路 3 搬送波発生回路 4 車上装置 41 受信回路 42 包絡線検波回路 43 信号判別回路 5 車両 C1、C2 制御情報 f1、f2 変調波 fc1 搬送波 fc2 搬送波 F1、F2 制御情報波 S1 受信信号 S2 検波信号 S4 制御信号

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地上装置と、車上装置とを含む車両制御
    装置であって、 前記地上装置は、車両走行方向に沿って設けられた複数
    の信号伝送路のそれぞれに振幅変調波を送信し、前記振
    幅変調波は、搬送波の周波数が隣接する前記信号伝送路
    において互いに異なっており、 前記車上装置は、前記信号伝送路に流れる前記振幅変調
    波を受信し、前記振幅変調波に含まれる変調波成分を抽
    出し、抽出された信号に基づいて車両を制御するもので
    あって、タイマを有し、 前記タイマは動作タイマと復旧タイマとを含み、前記動
    作タイマによって設定された動作時間の間、変調波の抽
    出が継続したときは、変調波有りと判定し、前記復旧タ
    イマによって設定された復旧時間の間、変調波が抽出さ
    れない場合、変調波なしと判定してその旨の信号を出力
    する 車両制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された車両制御装置であ
    って、 前記タイマは、前記振幅変調波に含まれる搬送波の周波
    数の差に起因して発生するビートの周期よりも長い動作
    時間及び復旧時間を有する車両制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載された車両制御装置であ
    って、 前記振幅変調波は、変調波の周波数が隣接する信号伝送
    路において互いに異なる車両制御装置。
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