JP3402547B2 - ポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents

ポリオレフィン樹脂組成物

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JP3402547B2 JP27305995A JP27305995A JP3402547B2 JP 3402547 B2 JP3402547 B2 JP 3402547B2 JP 27305995 A JP27305995 A JP 27305995A JP 27305995 A JP27305995 A JP 27305995A JP 3402547 B2 JP3402547 B2 JP 3402547B2
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polyolefin resin
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propylene
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
樹脂、特にプロピレンとエチレンまたは/及びブテンと
のランダム共重合体組成物に関し、さらに詳しくは成形
時に金型やロールへの付着物発生が改良された、透明性
に優れたポリプロピレン樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術および問題点】日用雑貨包装用のシートや
射出成形容器など内容物が見えることが必要とされてい
る分野では、ポリオレフィン系樹脂、特に透明性の良好
なプロピレン−エチレンランダム共重合体やプロピレン
−エチレン−ブテンランダム共重合体(以下プロピレン
ランダム共重合体)に透明造核剤を添加した物が使用さ
れている。透明造核剤としては、タルクや安息香酸アル
ミでは透明性が不充分なため、近年ソルビトール系や燐
系の透明造核剤が主に使用される様になってきた。
【0003】しかし、ソルビトール系の造核剤単独で
は、押出成形時冷却ロールに造核剤の分解物や昇華物が
付着し、そのまま成形を続けると製品に付着物が付き悪
影響が出るため成形を中止しロールを掃除しなければな
らない。また、射出成形の場合には金型を曇らせたりす
る問題が発生し製品表面に悪影響がでるため、同様に成
形を中止し掃除をしなければならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この改良方法として、
脂肪酸アミド、帯電防止剤、各種ワックス・オイルなど
を添加し、ロールへの付着物の量を低減させる方法や透
明造核剤の分解を防止するために、酸化防止剤の強化や
ポリプロピレン共重合体の触媒残渣を安定化する方法が
とられてきたが、いずれもまだ満足できる結果が得られ
ていない。
【0005】また、燐系の造核剤として燐酸2、2−メ
チレンビス(4、6−ジ−tert−ブチルフェニル)
ナトリウム[式(II)]の使用は、ロール付着物の低減
効果は良好で有ったが、融点が400℃以上と非常に高
く、実際には樹脂中で溶融することが無いため添加剤の
分散不良が起き、充分な透明性改良効果が安定して得ら
れないという問題点があった。
【0006】
【化2】
【0007】また、透明造核剤として、特開平5−15
607が開示されている。これには本発明の式(I)で
示される燐酸アリールエステル化合物を主成分とし、こ
の透明増核剤の樹脂中での分散性を改良するために、有
機カルボン酸アルカリ金属塩、β−ジケトナートアルカ
リ金属塩及びβ−ケト酢酸エステルアルカリ金属塩の中
から選ばれた少なくとも1種を添加するものである。し
かし、これらはロール付着物が多い欠点がある。
【0008】
【発明を解決する為の手段】本発明は、剛性、透明性に
優れ、成形時にロールや金型への付着物を低減した組成
物を得ることを目的とし、鋭意努力してきた結果、
(A)ポリオレフィン系樹脂合体100重量部、(B)
式(I)で示される燐酸アリールエステル化合物を主成
分とする透明造核剤を0.01〜0.50重量部、及び
(C)炭素数12〜22の脂肪酸アミド0.003〜
0.3重量部を溶融混練して得られるポリオレフィン樹
脂組成物を使用することにより、押出成形時にロール付
着物の発生が起こり難く、射出成形時に金型付着物を非
常に低減でき透明な成形品が得られることを見いだすこ
とにより本発明に到達した。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の構成について、以下に詳
しく説明する。本発明の(A)ポリオレフィン系樹脂と
は、エチレン、プロピレンなつのαオレフィンの単独重
合体及びエチレン、プロピレンなどと他のαオレフィン
との共重合体である。具体的には、高、低密度ポリエチ
レン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリプロピ
レン、プロピレン−エチレンランダム及びブロック共重
合体などである。これらの内特にプロピレンランダム共
重合体が好ましい。プロピレンランダム共重合体として
は、プロピレン含有量が90重量%以上、好ましくは9
2重量%以上のエチレン及び/またはブテンとのランダ
ム共重合体で、特に特定するわけで無いがメルトフロー
レートは(230℃、2.16kg)1〜50g/10
分の物が好適である。ここでプロピレン含有量を90重
量%以上としたのは、90重量%未満では剛性が不足し
かつ成形品の表面に粘着性を帯びてくる。
【0010】本発明の(B)式(I)で示される化合物
は特開平5−15607に開示されている。式(I)の
化合物は成形中に発生または飛散する物質と、金属との
接着力がソルビトール系化合物と比較して小さく、ロー
ルや金型表面に移行するより成形品の表面に留まる傾向
があり、ロールや金型に付着しても取れ易い利点があ
る。
【0011】成分(B)の添加量は0.01〜0.50
重量部であり、0.01重量部未満だと充分な透明性改
良効果が得られず、0.50重量部を超えるとほとんど
透明性改良効果は変わらず、むしろシートや成形品の表
面への移行が起こり透明性が悪化する。ここで言う
(B)成分の添加量は、式(I)で示される化合物とを
主成分とするもので、式(I)で示す化合物に分散剤な
どを含めたものの量である。ここで分散剤などとはアル
カリ金属カルボン酸塩、アルカリ金属β−ジケトナー
ト、アルカリ金属β−ケト酢酸エステルなどである。
【0012】成分(C)脂肪酸アミドは上記透明造核剤
だけではまだロールや金型に付着改良効果が充分でな
く、脂肪酸アミドの添加が非常に効果が有った。本発明
の成分(C)炭素数12〜22の脂肪酸アミドは好まし
くは、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン
酸アミド、ベヘニン酸アミドなどである。添加量は0.
003〜0.3重量部である。0.003重量部未満の
添加ではロールや金型への付着改良効果が小さく、0.
3重量部を超えると表面に脂肪酸アミドが必要以上に移
行してしまい、逆に透明性を悪化させるためである。こ
の際、脂肪酸アミド以外の帯電防止剤、酸化防止剤など
は効果がない。また、炭素数12未満では表面へ非常に
移行しやすくなるが、表面に出すぎるために白化したり
粘着性が出てくるため好ましくなく、22を超えると成
形品の表面への移行速度が非常に遅くなるため、充分な
改良効果が得られない。
【0013】また、本発明には以上の化合物以外に、必
要に応じて触媒中和剤として金属石鹸や合成ハイドロタ
ルサイト系化合物、酸化防止剤として一般に市販されて
いるフェノール系酸化防止剤、燐系酸化防止剤、イオウ
系酸化防止剤、帯電防止剤として多価アルコール脂肪酸
エステル、アルキルジエタノールアミン、直鎖アルキル
アルコール、ポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン系化合物
などから選ばれた1種以上からなる化合物、ヒンダード
アミン系光安定剤、耐候剤、防曇剤、アンチブロッキン
グ剤、他の透明核剤及び透明性が悪化しない範囲で無機
充填剤を添加することができる。以下実施例及び比較例
を示す。
【0014】
【実施例】
[実施例1]プロピレン含有量97重量%でメルトフロ
ーレート3.0g/10分のプロピレン−エチレンラン
ダム共重合体100重量部に対して、式(I)を主成分
とする透明造核剤として式(I)に示す化合物58重量
%とステアリン酸リチウム42重量%からなる混合物を
0.10重量部とオレイン酸アミド0.025重量部を
加え、ステアリン酸カルシウム0.05重量部、酸化防
止剤としてテトラキス〔メチレン(3、5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)〕メタン
0.05重量部とトリス(2、4−ジ−t−ブチルフェ
ニル)ホスファイト0.05重量%、帯電防止剤として
多価アルコール脂肪酸エステルを0.05重量%を添加
し、65mmφ単軸押出機にて設定温度240℃にて造
粒した。
【0015】付着物の発生状況の評価は、設定温度26
0℃のT−ダイ成形機にてフィルム成形した時の、1時
間後のロールへの付着物の状態を目視にて3段階にて評
価し、その結果を表1に示した。×:ロール全面に激し
く付着物が発生、△:ロールに薄く付着物が発生する、
○:殆どロール付着物が発生しない。
【0016】ヘイズについては、射出成形機にてシリン
ダ−温度250℃設定で、金型温度60℃にて成形した
厚み1.6mmのシートを作成し、40℃のオーブン中
で5日間エージングしたものを日本電色工業株式会社製
NDH型ヘイズメーターにて測定し、その結果を表1に
示した。
【0017】機械物性については、以下の測定方法にて
測定し、その結果を表1に示した。 引張降伏点強度 ASTM D638 引張破断点伸び ASTM D638 曲げ弾性率 ASTM D790 アイゾット衝撃強度 ASTM D256 表面硬度 ASTM D785 熱変形温度 ASTM D648
【0018】[実施例2]実施例1の透明造核剤の添加
量を0.20重量部とした以外は、実施例1と同様に成
形し評価し、その結果を表1に示した。
【0019】[実施例3]実施例1の透明造核剤の添加
量を0.40重量部とした以外は、実施例1と同様に成
形し評価し、その結果を表1に示した。
【0020】[実施例4]実施例1のスリップ剤をエル
シン酸アミド0.050重量部とした以外は、実施例1
と同様に成形し評価し、その結果を表1に示した。
【0021】[実施例5]実施例1のプロピレン−エチ
レンランダム共重合体のプロピレン含有率96重量%で
メルトフローレート2.5g/10分とした以外は、実
施例1と同様に成形し評価し、その結果を表1に示し
た。
【0022】[比較例1]実施例1の透明造核剤の添加
量を0.20重量部とし、オレイン酸アミドの添加を0
重量部とした以外は、実施例1と同様に成形し評価し、
その結果を表1に示した。
【0023】[比較例2]実施例1の透明造核剤を市販
ソルビトール系透明造核剤としてイーシー化学(株)製
EC−4(0.20重量部)とした以外は、実施例1と
同様に成形し評価し、その結果を表1に示した。
【0024】[比較例3]比較例1の透明造核剤をEC
−4とした以外は、比較例1と同様に成形し評価し、そ
の結果を表1に示した。
【0025】[比較例4]比較例2の透明造核剤を市販
ソルビトール系透明造核剤として新日本理化(株)製の
ゲルオールMDとした以外は、比較例2と同様に成形し
評価し、その結果を表1に示した。
【0026】[比較例5]実施例1のオレイン酸アミド
の添加を0.5重量部とした以外は、実施例1と同様に
成形し評価し、その結果を表1に示した。
【0027】[比較例6]実施例1の透明造核剤の添加
を0重量部とした以外は、実施例1と同様に成形し評価
し、その結果を表1に示した。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明の組成物は剛性が高く、透明性が
良好である。また、成形加工時にロールや金型への付
着、成形品表面へのブリードが少なく、長時間、安定し
た操業ができる利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08K 3/00 - 13/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリオレフィン系樹脂100重量
    部、(B)式(I)で示される燐酸アリールエステル化
    合物を主成分とする透明造核剤を0.01〜0.50重
    量部、及び(C)炭素数12〜22の脂肪酸アミド0.
    003〜0.3重量部を溶融混練して得られるポリオレ
    フィン樹脂組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン系樹脂がプロピレン含有
    量90重量%以上のプロピレンとエチレンまたは/及び
    ブテンとのランダム共重合体である請求項1に記載のポ
    リオレフィン樹脂組成物。
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