JP3401868B2 - ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物

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JP3401868B2
JP3401868B2 JP26984093A JP26984093A JP3401868B2 JP 3401868 B2 JP3401868 B2 JP 3401868B2 JP 26984093 A JP26984093 A JP 26984093A JP 26984093 A JP26984093 A JP 26984093A JP 3401868 B2 JP3401868 B2 JP 3401868B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、結晶性及び剛性に優れ
たポリプロピレン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン系重合体は、成形性、機
械特性、電気特性等が優れているために、フイルム成
形、シート成形、ブロー成形、射出成形等の素材とし
て、様々な分野に応用されている。
【0003】しかし、当該樹脂は、一般的には優れた物
性を有しているものの、結晶性及び剛性が低いという問
題点があり、ある種の用途によっては、その樹脂本来の
優れた性能が充分に引き出せないために、その適用が制
限されたものとなっているのが現状であった。
【0004】今までにポリプロピレン系重合体の結晶性
及び剛性を改良する目的で種々の試みが行われてきた。
例えば、カルボン酸の金属塩、芳香族カルボン酸の金属
塩、芳香族リン酸の金属塩、脂肪族ジカルボン酸のアミ
ン塩や金属塩、ソルビトール誘導体等の樹脂改質剤を添
加する方法が知られている。
【0005】しかし、これらの化合物は、改質効果が不
十分であったり、樹脂改質剤そのものの耐熱性が低く、
更には樹脂の劣化を促進する等の問題点を有しており、
尚、改善の余地が認められる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の樹脂
改質剤の問題点を解消し、結晶性や剛性のより向上した
新規有用なポリプロピレン系樹脂組成物を提案すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる現
状に鑑み、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結
果、ポリプロピレン系樹脂に対し、特定の構造を有する
アミド系化合物を配合することにより所期の効果が得ら
れることを見いだし、かかる知見に基づいて本発明を完
成するに至った。
【0008】即ち、本発明に係るポリプロピレン系樹脂
組成物は、一般式(1)で示される1種若しくは2種以
上のアミド系化合物を含有することを特徴とする。
【化6】R−(CONH−R)a (1) [式中、Rは脂肪族ポリカルボン酸残基、脂環族ポリ
カルボン酸残基又は芳香族ポリカルボン酸残基を表す。
炭素数4〜18のアルキル基、アルケニル基、シ
クロアルキル基、シクロアルケニル基、フェニル基、ナ
フチル基、
【化7】
【化8】
【化9】 又は
【化10】 で示される基を表す。 、R 、R 夫々、アルキ
ル基、アルケニル基、アルコキシル基、シクロアルキル
基、フェニル基又はハロゲン原子を表す。 はアルキ
ル基、アルケニル基、アルコキシル基、シクロアルキル
基又はフェニル基を表す。、Rは夫々、直鎖状又
は分岐鎖状のアルキレン基を表す。aは3〜6の整数を
示す。b、dは夫々1〜5の整数を示す。c、eは夫々
0〜5の整数を示す。尚、a個のR、b個のR、c
個のR、d個のR、e個のRは夫々独立した基で
ある。]
【0009】一般式(1)で示されるアミド系化合物
は、所定のポリカルボン酸又はその酸無水物と1種若し
くは2種以上のモノアミンとを従来公知の方法に従って
アミド化することにより容易に調製することができる。
【0010】本発明に係るポリカルボン酸としては、脂
肪族ポリカルボン酸(好ましくは、炭素数3〜30の飽
和又は不飽和の脂肪族ポリカルボン酸)、脂環族ポリカ
ルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸が挙げられる。かか
るポリカルボン酸は、置換基として1個若しくは2個以
上の水酸基、アルキル基、アルケニル基及び/又はアセ
トキシ基を有していても良い。
【0011】脂肪族ポリカルボン酸としては、クエン
酸、メタントリカルボン酸、エタントリカルボン酸、プ
ロパントリカルボン酸、プロペントリカルボン酸、カン
ホロン酸、ブタントリカルボン酸、ペンタントリカルボ
ン酸、ヘキサントリカルボン酸、ヘプタントリカルボン
酸、オクタントリカルボン酸、ノナントリカルボン酸、
デカントリカルボン酸、アセトキシプロパントリカルボ
ン酸、アセトキシペンタントリカルボン酸、アセトキシ
ヘプタントリカルボン酸、エタンテトラカルボン酸、プ
ロパンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ペ
ンタンテトラカルボン酸、ドデカンテトラカルボン酸、
ペンタンペンタカルボン酸、アセトキシペンタンペンタ
カルボン酸、ペンタンヘキサカルボン酸、テトラデカン
ヘキサカルボン酸、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ
三酢酸、エチレングリコールビス(β−アミノエチルエ
ーテル)N,N,N’,N’−四酢酸、ジエチレントリ
アミン五酢酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン
−N,N’,N’−三酢酸、1,3−ジアミノプロパン
−2−オール−N,N,N’,N’−四酢酸、1,2−
ジアミノプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸、トリ
エチレンテトラミン六酢酸、ニトリロ三プロピオン酸、
1,6−ヘキサメチレンジアミン四酢酸、N−(2−カ
ルボキシエチル)イミノ二酢酸等が例示される。
【0012】脂環族ポリカルボン酸としては、シクロヘ
キサントリカルボン酸、カンホ酸、トランス−カンホト
リカルボン酸、シクロブタンテトラカルボン酸、シクロ
ペンタンテトラカルボン酸、シクロヘキサンテトラカル
ボン酸、テトラヒドロフランテトラカルボン酸、3,4
−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−
ナフタレンコハク酸(以下「TDA」と略記する。)及
びその低級アルキル置換体(例えば、1位、5位、6位
又は7位のメチル置換体、特に1−メチル置換体が推奨
される。)、5−(コハク酸)−3−メチル−3−シク
ロヘキセン−1,2−ジカルボン酸(以下「SMSD」
と略記する。)、ビシクロ[2.2.2]オクタ−7−
エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸、シクロヘキ
サンヘキサカルボン酸、5,6,9,10−テトラカル
ボキシトリシクロ−(6.2.2.02,7)−ドデカ−
2,11−ジエン(以下「PNDA」と略記する。)及
びその低級アルキル置換体(例えば、3位、8位、11
位又は12位のメチル置換体、特に3−メチル置換体が
推奨される。)、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢
酸、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸、
6−メチル−4−シクロヘキセン−1,2,3−トリカ
ルボン酸、3,5,6−トリカルボキシノルボネン−2
−酢酸、チオビス(ノルボネン−2,3−ジカルボン
酸)、ビシクロ[4.2.0]オクタン−3,4,7,
8−テトラカルボン酸、1,1’−ビシクロプロパン−
2,2’,3,3’−テトラカルボン酸、1,2−ビス
(2,3−ジメチル−2,3−ジカルボキシシクロブチ
ル)エタン、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボ
ン酸、トリシクロ[4.2.2.02,5]デカン−9−
エン−3,4,7,8−テトラカルボン酸、2,3,
4,5,6,7,12,13−オクタヒドロフェナント
レン−3,4,5,6−テトラカルボン酸、1,3,5
−トリメチル−1,3,5−シクロヘキサントリカルボ
ン酸等が例示される。
【0013】芳香族ポリカルボン酸としては、ベンゼン
トリカルボン酸、ベンゼンテトラカルボン酸、ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン
酸、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸、ジフェニル
スルフォンテトラカルボン酸、ジフェニルメタンテトラ
カルボン酸、ペリレンテトラカルボン酸、ナフタレンテ
トラカルボン酸、エチレングリコール−トリメリット酸
ジエステル(以下「TMEG」と略記する。)、ベンゼ
ンヘキサカルボン酸、グリセリン−トリメリット酸トリ
エステル(以下「TMTA」と略記する。)、4,4’
−ジナフタル酸、ベンジジン−3,3’−ジカルボキシ
−N,N’−四酢酸、ジフェニルプロパンテトラカルボ
ン酸、アントラセンテトラカルボン酸、フタロシアニン
テトラカルボン酸等が例示される。
【0014】本発明に係るモノアミンとしては、以下に
例示される脂肪族モノアミン、脂環族モノアミン及び芳
香族モノアミンが挙げられる。
【0015】脂肪族モノアミンとしては、直鎖状又は分
岐鎖状の炭素数4〜18のアルキル基又は炭素数2〜1
8のアルケニル基を有するモノアミンが挙げられ、具体
的には、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、第2ブ
チルアミン、第3ブチルアミン、n−アミルアミン、第
3アミルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、n
−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、第3オ
クチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシ
ルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラ
デシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミ
ン、プタデシルアミン、オクタデシルアミン、オクタ
デセニルアミン、アリルアミン等が例示される。
【0016】脂環族モノアミンとしては、シクロプロピ
ルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミ
ン、シクロヘキシルアミン、シクロヘプチルアミン、シ
クロオクチルアミン、シクロドデシルアミン等の他、一
般式(2)又は一般式(3)で表される化合物が挙げら
れる。尚、これらの化合物には種々の異性体があるが、
所定の効果を有する限り何れの異性体も適用できる。
【0017】
【化11】 [式中、R9は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2
〜18のアルケニル基、炭素数1〜6のアルコキシル
基、炭素数4〜8のシクロアルキル基、フェニル基又は
ハロゲン原子を表す。fは1〜5の整数を示す。]
【0018】一般式(2)で表される脂環族モノアミン
としては、メチルシクロヘキシルアミン、エチルシクロ
ヘキシルアミン、プロピルシクロヘキシルアミン、イソ
プロピルシクロヘキシルアミン、n−ブチルシクロヘキ
シルアミン、第2ブチルシクロヘキシルアミン、第3ブ
チルシクロヘキシルアミン、n−アミルシクロヘキシル
アミン、第3アミルシクロヘキシルアミン、ヘキシルシ
クロヘキシルアミン、ヘプチルシクロヘキシルアミン、
n−オクチルシクロヘキシルアミン、2−エチルヘキシ
ルシクロヘキシルアミン、第3オクチルシクロヘキシル
アミン、ノニルシクロヘキシルアミン、デシルシクロヘ
キシルアミン、オクタデセニルシクロヘキシルアミン、
ジメチルシクロヘキシルアミン、ジエチルシクロヘキシ
ルアミン、ジプロピルシクロヘキシルアミン、ジイソプ
ロピルシクロヘキシルアミン、ジn−ブチルシクロヘキ
シルアミン、ジ第2ブチルシクロヘキシルアミン、ジ第
3ブチルシクロヘキシルアミン、ジn−アミルシクロヘ
キシルアミン、ジ第3アミルシクロヘキシルアミン、ジ
ヘキシルシクロヘキシルアミン、トリメチルシクロヘキ
シルアミン、トリエチルシクロヘキシルアミン、トリプ
ロピルシクロヘキシルアミン、トリイソプロピルシクロ
ヘキシルアミン、トリn−ブチルシクロヘキシルアミ
ン、トリ第2ブチルシクロヘキシルアミン、トリ第3ブ
チルシクロヘキシルアミン、メトキシシクロヘキシルア
ミン、ジエトキシシクロヘキシルアミン、ジn−ブトキ
シシクロヘキシルアミン、ジ第2ブトキシシクロヘキシ
ルアミン、ジ第3ブトキシシクロヘキシルアミン、クロ
ロシクロヘキシルアミン、ジクロロシクロヘキシルアミ
ン、ブロモシクロヘキシルアミン、ジブロモシクロヘキ
シルアミン等が例示される。
【0019】
【化12】 [式中、R10は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のア
ルキレン基を表す。R11は一般式(2)のR9と同義で
ある。gは0〜5の整数を示す。]
【0020】一般式(3)で表される脂環族モノアミン
としては、シクロヘキサンメチルアミン、ジメチルシク
ロヘキサンメチルアミン、トリメチルシクロヘキサンメ
チルアミン、α−シクロヘキシルエチルアミン、β−シ
クロヘキシルエチルアミン、α−シクロヘキシルプロピ
ルアミン、β−シクロヘキシルプロピルアミン、γ−シ
クロヘキシルプロピルアミン、ジメトキシシクロヘキシ
ルエチルアミン、ジクロロシクロヘキサンメチルアミン
等が例示される。
【0021】芳香族モノアミンとしては、アニリン、ナ
フチルアミンの他、一般式(4)又は一般式(5)で表
される化合物が挙げられる。
【0022】 [式中、R12炭素数1〜18のアルキル基、炭素数
2〜18のアルケニル基、炭素数1〜6のアルコキシル
基、炭素数4〜8のシクロアルキル基又はフェニル基を
表す。hは1〜5の整数を示す。]
【0023】一般式(4)で表される芳香族モノアミン
としては、メチルアニリン、エチルアニリン、プロピル
アニリン、イソプロピルアニリン、n−ブチルアニリ
ン、第2ブチルアニリン、第3ブチルアニリン、n−ア
ミルアニリン、第3アミルアニリン、ヘキシルアニリ
ン、ヘプチルアニリン、n−オクチルアニリン、2−エ
チルヘキシルアニリン、第3オクチルアニリン、ジメチ
ルアニリン、ジエチルアニリン、ジプロピルアニリン、
ジイソプロピルアニリン、ジn−ブチルアニリン、ジ第
2ブチルアニリン、ジ第3ブチルアニリン、トリメチル
アニリン、トリエチルアニリン、トリプロピルアニリ
ン、アミノスチレン、アニシジン、ジメトキシアニリ
ン、ジエトキシアニリン、シクロヘキシルアニリン、
ミノジフェニル等が例示される。
【0024】
【化14】 [式中、R13は一般式(3)のR10と同義である。R14
は一般式(2)のR9と同義である。iは0〜5の整数
を示す。]
【0025】一般式(5)で表される芳香族モノアミン
としては、ベンジルアミン、ジメチルベンジルアミン、
トリメチルベンジルアミン、α−フェニルエチルアミ
ン、β−フェニルエチルアミン、α−フェニルプロピル
アミン、β−フェニルプロピルアミン、γ−フェニルプ
ロピルアミン、ジメトキシフェニルエチルアミン、ジク
ロロベンジルアミン等が例示される。
【0026】本発明に係るアミド系化合物の中でも、特
に、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸(以下
「BTC」と略記する。)、TDA、SMSD、トリメ
シン酸、トリカルバリル酸及び1,3,5−ペンタント
リカルボン酸からなる群より選ばれるポリカルボン酸又
はその酸無水物を酸成分とし、シクロヘキシルアミン、
2−メチルシクロヘキシルアミン、3−メチルシクロヘ
キシルアミン、4−メチルシクロヘキシルアミン及びジ
メチルシクロヘキシルアミンからなる群より選ばれる脂
環族アミンをアミン成分として調製されるアミド系化合
物が推奨される。
【0027】本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂
とは、プロピレンを構成成分としてなる重合体であっ
て、プロピレン単独重合体、プロピレンと他のα−オレ
フィン類(例えばエチレン、ブテン−1、ペンテン−
1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1等)や酢酸
ビニル等とのランダム又はブロック共重合体或いは前記
ポリプロピレン樹脂系と少量の熱可塑性樹脂(例えば、
高密度ポリエチレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペ
ンテン等)とのブレンドポリマ−が例示される。特にプ
ロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンブロック共
重合体系の樹脂に対して本発明に係るアミド系化合物の
添加効果は大きい。
【0028】かかるポリプロピレン系樹脂を製造するた
めに適用される触媒としては、一般に使用されているチ
ーグラー・ナッタ型触媒はもちろん、遷移金属化合物
(例えば、三塩化チタン、四塩化チタン等のチタンのハ
ロゲン化物)を塩化マグネシウム等のハロゲン化マグネ
シウムを主成分とする担体に保持してなる触媒と、アル
キルアルミニウム化合物(トリエチルアルミニウム、ジ
エチルアルミニウムクロリド等)とを組み合わせてなる
触媒系も使用できる。
【0029】ポリプロピレン系樹脂成分のメルトフロー
レート(以下「MFR」と略記する。JIS K 67
58−1981)は、その適用する成形方法により適宜
選択され、通常、0.1〜200g/10分程度、好ま
しくは0.5〜100g/10分程度である。
【0030】本発明に係るアミド系化合物の配合量は、
所定の効果が得られる限り特に限定されず適宜選択する
ことができるが、通常、ポリプロピレン系樹脂100重
量部に対し0.001〜5重量部程度、より好ましくは
0.01〜2重量部程度である。0.001重量部未満
の場合には、所定の改質効果が得られにくく、5重量部
を越えて配合した場合には配合量に見合うだけの改質効
果が期待できず、実際的でないばかりか、不経済であっ
て、いずれの場合も好ましくない。
【0031】本発明に係る樹脂組成物には、必要に応じ
て安定剤(エポキシ化合物等)、酸化防止剤(フェノー
ル系化合物、亜リン酸エステル系化合物等)、抗菌剤、
紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリア
ゾール系化合物等)、熱安定剤、光安定剤(ヒンダード
アミン系化合物等)、中和剤、帯電防止剤、アンチブロ
ッキング剤、難燃剤、重金属不活性剤、滑剤(脂肪酸金
属塩)、分散剤、過酸化物(有機過酸化物)、有機・無
機の顔料、充填剤(タルク、ハイドロタルサイト、マイ
カ、ゼオライト、パーライト、珪藻土、炭酸カルシウ
ム、ガラス繊維等)、発泡剤、エラストマー、加工助
剤、造核剤等を本発明の効果を損なわない範囲で添加す
ることができる。
【0032】かくして得られるポリプロピレン樹脂組成
物は、成形性に優れ、強靱で、透明性に優れる。
【0033】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、
所定の成分を従来公知の混合装置(ヘンシェルミキサ
ー、リボンブレンダー等)を用いて混合した後、一軸或
いは二軸の押出機等で溶融混練して製造され、得られた
樹脂組成物は、フィルム、シート、小型容器、注射器、
日用雑貨品、自動車部品、コンテナー、家電部品、不織
布等の樹脂材料として好適であり、その目的とする製品
に応じて射出成形、押出成形、ブロー成形等の各種方法
によって成形される。
【0034】
【実施例】以下、実施例及び比較例を揚げ、本発明を詳
しく説明する。尚、実施例における結晶化温度、曲げ弾
性率は下記の方法に従って測定した。
【0035】樹脂組成物の調製:所定のポリプロピレン
系樹脂100重量部に所定量のアミド系化合物を配合
し、ヘンシェルミキサーで混合後、20mmφの一軸押出
機でペレット化する。
【0036】結晶化温度の測定:上記で得られたペレッ
トをプレス成形機で厚さ0.5mmのシートに成形し、そ
のシートの結晶化温度をJIS K 7121に準処し
て測定する。
【0037】曲げ弾性率の測定:上記で得られたペレッ
トを射出成形機にかけ、厚さ4mmの試験片を得る。この
試験片の曲げ弾性率をJIS K 7203に準拠して
測定する。曲げ速度は10mm/分である。
【0038】実施例1〜66 プロピレン−エチレンブロックコポリマー粉末(MFR
=2g/10分、以下「樹脂1」という。)100重量
部に所定のアミド系化合物を0.2重量部添加して調製
した樹脂組成物の結晶化温度及び曲げ弾性率を測定し
た。得られた結果を第1表〜第3表に示す。
【0039】比較例1 樹脂1自体の結晶化温度及び曲げ弾性率を測定した。得
られた結果を第3表に示す。
【表1】
【表2】
【表3】
【0040】実施例67〜74 プロピレンホモポリマー粉末(MFR=14g/10
分、以下「樹脂2」という。)100重量部に第2表に
示すアミド系化合物0.2重量部添加して調製した樹脂
組成物の結晶化温度及び曲げ弾性率を測定した。得られ
た結果を第4表に示す。
【0041】比較例2 樹脂2自体の結晶化温度及び曲げ弾性率を測定した。得
られた結果を第4表に示す。
【表4】
【0042】実施例75〜82 プロピレン−エチレンランダムコポリマー粉末(MFR
=14g/10分、以下「樹脂3」という。)100重
量部に第3表に示すアミド系化合物0.2重量部を添加
して調製した樹脂組成物の結晶化温度及び曲げ弾性率を
測定した。得られた結果を第5表に示す。
【0043】比較例3 樹脂3自体の結晶化温度及び曲げ弾性率を測定した。得
られた結果を第5表に示す。
【表5】
【0044】
【発明の効果】ポリプロピレン樹脂に対し、本発明に係
るアミド系化合物を配合することにより、結晶化温度が
高く、且つ曲げ弾性率が大幅に改善されたポリプロピレ
ン系樹脂組成物を得ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 川原 康行 京都府京都市伏見区葭島矢倉町13番地 新日本理化株式会社内 (72)発明者 梁 吉孝 京都府京都市伏見区葭島矢倉町13番地 新日本理化株式会社内 (72)発明者 北川 宏 京都府京都市伏見区葭島矢倉町13番地 新日本理化株式会社内 (56)参考文献 特開 昭50−12134(JP,A) 特開 昭50−77441(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08K 3/00 - 13/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で示される1種若しくは2
    種以上のアミド系化合物を含有することを特徴とするポ
    リプロピレン系樹脂組成物。 【化1】R−(CONH−R)a (1) [式中、Rは脂肪族ポリカルボン酸残基、脂環族ポリ
    カルボン酸残基又は芳香族ポリカルボン酸残基を表す。
    炭素数4〜18のアルキル基、アルケニル基、シ
    クロアルキル基、シクロアルケニル基、フェニル基、ナ
    フチル基、 【化2】 【化3】 【化4】 又は 【化5】 で示される基を表す。 、R 、R 夫々、アルキ
    ル基、アルケニル基、アルコキシル基、シクロアルキル
    基、フェニル基又はハロゲン原子を表す。 はアルキ
    ル基、アルケニル基、アルコキシル基、シクロアルキル
    基又はフェニル基を表す。、Rは夫々、直鎖状又
    は分岐鎖状のアルキレン基を表す。aは3〜6の整数を
    示す。b、dは夫々1〜5の整数を示す。c、eは夫々
    0〜5の整数を示す。尚、a個のR、b個のR、c
    個のR、d個のR、e個のRは夫々独立した基で
    ある。]
  2. 【請求項2】 一般式(1)におけるR が、アルケニ
    ル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、フェニ
    ル基、ナフチル基、 【化2】 【化3】 【化4】 又は 【化5】 で示される基である、請求項1に記載のポリプロピレン
    系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の一般式(1)で示され
    る1種若しくは2種以上のアミド系化合物を含有させる
    ことにより、ポリプロピレン系樹脂組成物の結晶性及び
    剛性を改善させる方法。
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