JP3400441B1 - 食品成形方法、及びその装置 - Google Patents

食品成形方法、及びその装置

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JP3400441B1 JP2001384276A JP2001384276A JP3400441B1 JP 3400441 B1 JP3400441 B1 JP 3400441B1 JP 2001384276 A JP2001384276 A JP 2001384276A JP 2001384276 A JP2001384276 A JP 2001384276A JP 3400441 B1 JP3400441 B1 JP 3400441B1
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Abstract

【要約】 【課題】皮周りの均一な成形食品を容易に成形すること
ができる食品成形方法とその装置を提供すること。 【解決手段】シート状の外皮材Fの周縁部を部分的に保
持した状態で、外皮材Fの中央部を押すか、或いは引く
ことによって、保持部分周辺を引き伸ばして複数の耳部
fを形成しながら外皮材Fを略椀状に形成し、そして、
外皮材Fに内材Gを配置した状態で、内材Gを包み込む
ように外皮材Fの耳部fを封着するようにした。 【効果】従来方法のように外皮材の周縁部のほぼ全ての
生地を中央へ集めて封着していないので、封着部分が極
端に肉厚になることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品成形方法、及
びその装置に関し、より詳しくは、パン生地、饅頭生地
等の外皮材によって餡、調理した肉・野菜等の内材を包
み込み成形することができる食品成形方法と食品成形装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、パン生地、饅頭生地等の外皮材に
より餡、調理した肉・野菜等の内材を包み込む食品成形
に関する技術としては、内材を棒状にしてその外側に外
皮材を筒状にしたものを連続的に形成し、これをシャッ
タ機構の開閉動作により絞り込んで成形切断することが
行われている(例えば実公昭63-29433号公報)。しかし
ながら、外皮材としてパン生地等の発酵性生地を用いる
場合には、筒状に形成する際、生地に過度な圧力や捻り
などが加わることから、成形切断後に生地が十分膨らま
なくなり、外皮材が弾力性に乏しい硬い食品になってし
まう難点があり、その成形加工は人手で行っているのが
現状である。
【0003】こうした外皮材の筒状形成を避けてシート
状の外皮材から食品成形を行う方法も提案されている。
例えば、特開2000-50854号公報では、上面が開口したカ
ップ状の雌型の内壁面に沿って外皮材を椀状に形成し、
この椀状に形成した外皮材の内側に内材を供給した後、
外皮材の上縁部を複数のシャッタ片から成るシャッタで
絞ることにより外皮材の上縁部を封着して内材を包み込
み成形することが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の食品成形方法は、椀状形成された外皮材の上
縁部をシャッタで一様に絞って封着していたので、シャ
ッタの絞り動作によって外皮材の上縁部のほぼ全ての生
地が中央に集められることになり、この封着部分の生地
量が増えて其処だけ肉厚になる傾向があった。したがっ
て、従来の食品成形方法によって外皮材の皮周りが均一
な成形食品を成形しようとする場合には、例えば、外皮
材の径をあまり変えることなくその周縁部を薄くすると
いった調整の困難な前処理を施さねばならず、作業能率
の低下を来す難点があった。
【0005】本発明は、従来の食品成形技術に上記のよ
うな難点があったことに鑑みて為されたもので、皮周り
の均一な成形食品を容易に成形することができる食品成
形方法とその装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る食品成形方
法は、シート状の外皮材の周縁部を部分的に保持する工
程と;周縁部を部分的に保持した状態で、外皮材の中央
部を押すか、或いは外皮材の中央部を引くことによっ
て、保持部分の周辺を引き伸ばして耳部を形成しながら
外皮材を略椀状に形成する工程と;外皮材に内材を配置
した状態で、内材を包むように外皮材の耳部を封着する
工程と;を含むことを特徴とする。
【0007】また、本発明に係る食品成形装置は、複数
のシャッタ片から成るシャッタと;このシャッタ上に戴
置されたシート状の外皮材の周縁部を部分的に保持する
保持手段と;周縁部を部分的に保持した状態で、外皮材
の中央部を前記シャッタの開口部に押し込むことによっ
て、保持部分の周辺を引き伸ばして耳部を形成しながら
外皮材を略椀状に形成する押込み手段と;外皮材に内材
を配置した状態で、前記シャッタを閉じ動作させて内材
を包むように外皮材の耳部を封着するシャッタ駆動手段
と;を備えたことを特徴とする。さらに、複数のシャッ
タ片から成るシャッタと;開口部を備え、シート状の外
皮材がこの開口部を塞ぐように戴置される受け部材と;
この受け部材上に戴置された外皮材の周縁部を部分的に
保持する保持手段と;周縁部を部分的に保持した状態
で、外皮材の中央部を前記受け部材の開口部に押し込む
ことによって保持部分の周辺を引き伸ばして耳部を形成
しながら外皮材を略椀状に形成する押込み手段と;外皮
材に内材を配置した状態で、前記シャッタを閉じ動作さ
せて内材を包むように外皮材の耳部を封着するシャッタ
駆動手段と;を備えたことを特徴とする。さらに、前記
押込み手段は、内材を供給する内材供給手段を備えてい
ることを特徴とする。さらに、略椀状に形成された外皮
材を支持する支持手段を備えたことを特徴とする。さら
に、前記押込み手段の代わりに、外皮材の中央部を前記
シャッタの開口部に引き込むことによって保持部分の周
辺を引き伸ばして耳部を形成しながら外皮材を略椀状に
形成する引込み手段を備えたことを特徴とする。さら
に、前記シャッタを、少なくとも二段配設したことを特
徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す、
第一実施形態および第二実施形態に基づいて詳しく説明
する。なお、図1は第一実施形態の食品成形装置の部分
断面正面図、図2及び図3は同装置のシャッタ及び受け
部材の平面図、図4は同装置のシャッタ駆動手段の概略
平面図、図5は同装置の保持手段の押え部材の蛙観図、
図6は同装置の押え部材で外皮材を部分保持した状態を
示す概略平面図、図7〜図15は同装置による食品成形工
程を説明する概略側面図と斜視図である。また、図16及
び図17は本発明に係る実施変形例を説明する概略側面図
である。
【0009】[第一実施形態]図1中、符号1で指示す
るものは、図2及び図3の平面図に示す計4枚のシャッ
タ片10・10…が組み合って開閉可能に構成されたシャッ
タである。図2及び図3は図1の面Sにおける平面図で
あり、図2はシャッタ1が開いた状態を示し、図3はシ
ャッタ1がほぼ閉じた状態を示している。シャッタ1
は、図1〜図3に示すように、駆動軸11・11…に固定さ
れた各シャッタ片10がこの駆動軸11を中心に往復揺動し
て各シャッタ片10の先端縁が隣のシャッタ片10の側面を
摺動移動するように構成されており、これらシャッタ片
10・10…の側面で囲んだ領域を開閉させる。
【0010】図4は図1の面Tにおける平面図であり、
シャッタ1のシャッタ駆動機構を示している。図1及び
図4に示すように、シャッタ1の駆動機構は、各駆動軸
11の下端部に固定されたフランジ12と、このフランジ12
に枢着され、フランジ12同士を連繋するリンク13・13…
と、これらリンク13を駆動するモータ14とから構成され
ており、このモータ14の回転方向、回転角度等を制御す
ることによって複数のリンク13・13…が連関動作してシ
ャッタ1を適宜に開閉させる。
【0011】図1中、符号3で指示するものは、上記シ
ャッタ1の下方に配設され、上面にシート状の外皮材が
戴置されるべき受け部材である。本実施形態の受け部材
3は図2及び図7に示すように、その中央に円形の開口
部30が開設された薄板材から構成されており、この開口
部30を塞ぐようにシート状外皮材Fが戴置される。
【0012】図1中、符号4で指示するものは、前記シ
ャッタ1の上方に配設され、シート状の外皮材を略椀状
に形成するための押込み手段である。この押込み手段4
は、ステー41に固定された押込み部材40と、このステー
41を上下動させる送りねじ機構42と、この送りねじ機構
42を駆動するモータ43とから構成されており、このモー
タ43の回転方向、回転角度等を制御することにより押込
み部材40を適宜に上下昇降させる。この押込み部材40を
下降させて前記受け部材3の開口部30に進入させること
により受け部材3上に戴置した外皮材の中央部を押し窪
ませて外皮材を略椀状に形成する。
【0013】また、本実施形態の押込み手段4は、略椀
状に形成した外皮材の内側に内材を供給する内材供給手
段を備えている。即ち、本実施形態の押込み部材40は、
下端に内材を吐出するための吐出孔を備えた筒体にて構
成されており、この吐出孔を開閉するための弁50が内装
されている。しかして、ホッパ55内へ投入した内材を従
来公知のポンプ54により供給パイプ53を通じて押込み部
材40の筒内へ圧送し、そして、前記ステー41に固定され
たエアシリンダ52の進退動作によりロッド51を介して弁
50を上下動させることで吐出孔を適宜に開閉し、略椀状
に形成した外皮材の内側に所要量の内材を供給し配置す
る。
【0014】図1中、符号6で指示するものは、前記シ
ャッタ1の上方に配設され、前記受け部材3上で外皮材
の周縁部を部分的に保持する保持手段である。この保持
手段6は、図7に示すように、押込み手段4の押込み部
材40に固定され、複数の通孔を有するリング状のステー
62と、このステー62の通孔に上下スライド可能に挿嵌さ
れ、上端にステー62に係止可能な頭部を備えた複数の支
持ロッド61・61…と、この支持ロッド61・61…の下端に
固定されたリング状の押え部材60と、この押え部材60と
ステー62との間において各支持ロッド61に被嵌され、押
え部材60を下方へ付勢するコイルばね63とから構成され
ており、押え部材60の下面には、図5に示すように、計
4つの押え突起60a・60a…が等間隔に形成されてい
る。押込み部材40を下降させることによって、押え部材
60の押え突起60a・60a…で受け部材3上の外皮材Fの
周縁部を4ヶ所、部分的に押えて保持する(図6参
照)。
【0015】図1中、符号7で指示するものは、前記受
け部材3の下方に配設され、外皮材を支持するための支
持手段である。この支持手段7は、ラック−ピニオン機
構72により支持ロッド71を介して適宜に上下動する支持
部材70と、この支持部材70によってベルトが上下動され
るベルトコンベヤ73とから構成されている。この支持手
段7を適宜に上下動させて外皮材をベルト上に支持する
と共に、成形して得られた成形品Hをベルト上に載置し
て搬送する。なお、本実施形態では、支持部材70を板状
にしてベルトコンベヤ73のベルトを上下させるように構
成しているが、ベルトコンベヤ自体を上下動させるよう
にしても良い。
【0016】以下、図7〜図15を参照しながら、第一実
施形態の食品成形装置による食品包み込み成形工程につ
いて説明する。なお、本実施形態では外皮材Fとしてパ
ン生地を使用し、内材Gとして餡を使用した例で説明す
る。
【0017】まず、図7に示すように、シャッタ1を開
口させた状態で、受け部材3の上面にシート状の外皮材
Fを供給する。このとき、シャッタ1のシャッタ片10を
閉じる方向に動作させてその開口面積を縮小させれば、
縮小した開口状態に合わせて外皮材Fをセットすること
ができ、外皮材Fが所定位置に収まるように外皮材Fの
位置調整を行なうことができる。このことによって、外
皮材の形状のばらつきや位置ずれが予め修正され、より
確実な成形処理を行なうことが可能となる。
【0018】次に、図8に示すように、上方の押込み手
段4の押込み部材40を下降させることによって保持手段
6の押え突起60aで外皮材Fの周縁部を部分的に保持す
る。即ち、押込み部材40と共に保持手段6を下降させて
押え突起60aを外皮材Fの縁部に当接させ、この保持手
段6をさらに下降させることによって、押え部材60とス
テー62との間隔を狭めてコイルばね63を圧縮し、このコ
イルばね63の弾性力を利用して押え突起60aを外皮材F
の縁部に押し付けて外皮材Fを4箇所、部分的に押え保
持する。
【0019】そして、図9に示すように、押え突起60a
で外皮材Fの周縁部を部分的に保持した状態で、押込み
部材40をさらに下降させることにより押込み部材40を受
け部材3の開口部30に進入させ、シート状の外皮材Fの
中央部を受け部材3の開口部30に押し込むことによって
外皮材Fを略椀状に形成する。このとき、外皮材Fの周
縁部は押え突起60aにより部分的に保持されているの
で、図10に示すように、外皮材Fは、その保持部分周辺
だけが引き伸ばされることになり、周縁部に4つの耳部
fが形成される。また、このとき、外皮材Fを支持部材
70で支持しているので、外皮材Fが必要以上に下方へ伸
びてしまうことを防ぐことができる。
【0020】次に、図11に示すように、押込み部材40を
上昇させながら押込み部材40内の弁50を上昇させて吐出
孔を開くことにより内材Gを吐出させ、略椀状に形成さ
れた外皮材Fの内側に内材Gを配置する。そして、所定
量の内材Gが吐出された時点で弁50を下降させて吐出孔
を閉じる。このように本実施形態では押込み部材40を上
昇させると同時にこの押込み部材40を通して内材Gを供
給しているので、押込み部材40の上昇に伴ってパン生地
から成る外皮材Fが収縮するのを防ぐことができると共
に、外皮材Fの形状形成と内材Gの供給を短時間に効率
良く行なうことが可能となる。また、このとき、外皮材
Fを支持部材70で支持しているので、内材Gの吐出によ
る外皮材Fの必要以上の伸びを防ぐこともでき、内材G
を確実に外皮材Fの内側に配置することができる。
【0021】次に、図12に示すように、押込み部材40を
さらに上昇させて押え突起60aを外皮材Fの耳部fから
離す。そして、図13に示すように、シャッタ1を閉じ動
作させることによって、受け部材3上の外皮材Fの耳部
fを、内材Gを包む込むように中央に集め(図14参
照)、さらに図15に示すように集めた外皮材Fの耳部f
を封着することによって外皮材Fで内材Gを包み込んだ
成形品Hを得る。その後、シャッタ1を開いて成形品H
を支える支持部材70を下降させてベルトに成形品Hを戴
置し、ベルトコンベヤ73を駆動させて成形品Hをベルト
搬送する。
【0022】このように本実施形態によれば、シート状
の外皮材Fを略椀状に形成する際に押え突起60aで外皮
材Fの周縁部を部分的に保持するので、外皮材Fの縁部
に簡単かつ確実に複数の耳部fを形成することが可能と
なり、そして、これら複数の耳部fをシャッタ1で封着
することによって内材Gを包み込んでいるので、外皮材
の周縁部のほぼ全ての生地を中央に集めて封着していた
従来装置のように封着部分が極端に肉厚になることもな
く、外皮材の皮周りが均一な成形食品も容易に成形する
ことができるのである。
【0023】なお、本実施形態では、外皮材を略椀状に
形成した後、外皮材Fの内側に内材Gを配置している
が、例えば、予め内材Gを外皮材F上に載置しておいた
状態でこの外皮材Fを受け部材3上に供給し、押込み部
材40により内材Gと共に外皮材Fをシャッタ1の開口部
に押し込むことによって外皮材Fを椀状形成するように
しても良い。
【0024】また、上記実施形態では、外皮材Fの耳部
fを一段のシャッタ1の閉じ動作により封着している
が、本発明は決してこれに限定されるものではなく、例
えば、図16(a)〜(c)に示すように、シャッタ1の
下方に、このシャッタ1と同様な構成の複数のシャッタ
片20・20…から成るシャッタ2を設け、これら上下二段
のシャッタで外皮材Fの耳部fの封着を行なうようにし
ても良い。このことで、より確実な封着作業を行なうこ
とが可能となり、また、図16(b)に示すように上方の
シャッタ1を完全に閉じた後、下方のシャッタ2を閉じ
るようにすれば、封着時のシャッタ1上方への外皮材F
のはみ出しも防ぐことが可能となる。
【0025】更にまた、上記実施形態では、受け部材3
上に外皮材Fを供給し、この受け部材3上で外皮材Fの
耳部fを形成しているが、図17(a)に示すように、上
下二段式に配設したシャッタ機構の下側のシャッタ2の
シャッタ片20上に外皮材Fを供給し、このシャッタ片20
上で外皮材Fの周縁部を部分的に保持して耳部fを形成
するようにしても良い。
【0026】[第二実施形態]図18〜図25を参照しなが
ら、第二実施形態の食品成形装置について説明する。な
お、図18は本実施形態の食品成形装置の部分断面正面
図、図19〜図25は同装置による食品成形工程の概略側面
図である。また、図26は本発明に係る実施変形例のシャ
ッタを説明する概略平面図、図27及び図28は本発明に係
る他の実施変形例のシャッタを説明する概略平面図であ
る。
【0027】第二実施形態の食品成形装置は、上述した
第一実施形態における押込み手段4の代わりに、受け部
材3上に供給された外皮材Fを受け部材3の開口部30に
引き込むことによって略椀状に形成する引込み手段8を
採用した点に特徴があり、他の構成は第一実施形態とほ
ぼ同様である。
【0028】この引込み手段8は、図18に示すように昇
降台83に固定されたステー82に基部側が軸受けされ、先
端側が直角に屈曲した管状の引込み部材81と、この引込
み部材81の先端を回動させるために引込み部材81の基部
を回動させるピニオン−ラック機構84と、このピニオン
−ラック機構84のラックを直線往復運動させる図示しな
いエアシリンダと、上記昇降台83を上下昇降させるため
の送りねじ機構85と、この送りねじ機構85の雄ねじを駆
動するモータ86とから構成されている。このモータ86の
回転方向、回転角度等を制御することにより引込み部材
81の先端を適宜に上下昇降させると共に、エアシリンダ
によりピニオン−ラック機構84を駆動させて適時に引込
み部材81の先端を上向きから下向きへ反転させる。
【0029】また、この引込み手段8の引込み部材81
は、図19に示すように、その先端に複数の通気孔80・80
…が開設されている一方、基端側には図示しない吸排気
装置が接続されており、これら通気孔80・80…で吸気す
ることによって外皮材Fの下面を吸着保持し(図20参
照)、そして、これら通気孔80・80…から噴気すること
により吸着保持した外皮材Fを離すように構成されてい
る(図25参照)。
【0030】本実施形態の保持手段6は、図19に示すよ
うに、複数の通孔を有し、エアシリンダ64の進退動作に
より上下昇降するステー62と、このステー62の通孔に上
下スライド可能に挿嵌され、上端にステー62に係止可能
な頭部を備えた複数の支持ロッド61・61…と、この支持
ロッド61・61…の下端に固定されたリング状の押え部材
60と、この押え部材60とステー62との間において各支持
ロッド61に被嵌され、押え部材60を下方へ付勢するコイ
ルばね63とから構成されており、押え部材60の下面に
は、図5に示す第一実施形態と同様、計4つの押え突起
60a・60a…が等間隔に形成されている。ステー62を下
降させることによって、押え部材60の押え突起60a・60
a…で受け部材3上の外皮材Fの周縁部を4ヶ所、部分
的に押えて保持する。
【0031】また、図18中、符号7で指示するものは、
引込み手段8の下方に配設されたベルトコンベヤから成
る支持手段であり、成形処理されて引込み手段8の引込
み部材81から離れた成形品Hをベルト搬送する(図25参
照)。
【0032】以下、図19〜図25を参照しながら第二実施
形態の食品成形装置による食品成形工程について説明す
る。
【0033】まず、図19に示すように、シャッタ1を開
口させ、引込み手段8の引込み部材81を上昇させて予め
受け部材3の開口部30に進入させておいた状態で、受け
部材3及び引込み部材81上にシート状の外皮材Fを供給
する。なお、外皮材F上には図示しない内材供給手段に
より予め内材Gが配置されている。このように、本実施
形態では、受け部材3及び引込み部材81上に外皮材Fを
戴置することができるので、供給したシート状外皮材F
が開口部30に落ち込む恐れもなく安定的に外皮材Fを供
給戴置することができる。そして、第一実施形態と同
様、外皮材Fを供給戴置した後、シャッタ1のシャッタ
片10を閉じる方向に動作させてその開口面積を縮小させ
れば、縮小した開口状態に合わせて外皮材Fをセットす
ることができ、外皮材Fが所定位置に収まるように外皮
材Fの位置調整を行なうことができる。このことで、外
皮材の形状のばらつきや位置ずれが予め修正され、より
確実な成形処理を行うことが可能となる。
【0034】次に、図20に示すように、引込み手段8の
引込み部材81の通気孔80から吸気して外皮材Fの中央部
下面を吸着する。そして、上方の保持手段6を下降させ
ることによって押え部材60の押え突起60aで外皮材Fの
周縁部を部分的に保持する。即ち、保持手段6を下降さ
せて押え突起60aを外皮材Fの縁部に当接させ、この保
持手段6をさらに下降させることにより押え部材60とス
テー62との間隔を狭めてコイルばね63を圧縮し、このコ
イルばね63の弾性力を利用して押え突起60aを外皮材F
の縁部に押し付けて外皮材Fを4箇所、部分的に押え保
持する。
【0035】そして、図21に示すように、押え突起60a
で外皮材Fの縁部を部分的に保持した状態で外皮材Fの
中央下面を引込み部材81で吸着保持したまま、引込み手
段8を下降させて引込み部材81を受け部材3の開口部30
から退出させ、外皮材Fを開口部30に引き込むことによ
って外皮材Fを略椀状に形成する。このとき、外皮材F
上に予め供給されている内材Gは外皮材の椀状形成に伴
って外皮材Fの中央部分と共に下降して椀状形成された
外皮材Fの内側に配置される。本実施形態においても、
外皮材Fを椀状形成する際に、外皮材Fの周縁部は押え
突起60aにより部分的に保持されているので、図10に示
す第一実施形態と同様、外皮材Fはその保持部分の周辺
だけが引き伸ばされることになり、周縁部に4つの耳部
fが形成される。
【0036】次に、図22に示すように、保持手段6を上
昇させて押え突起60aを外皮材Fの耳部fから離し、シ
ャッタ1を閉じ動作させることによって受け部材3上の
外皮材Fの耳部fを、内材Gを包み込むように中央に集
め、さらに図23に示すように集めた外皮材Fの耳部fを
封着し、図24に示すようにシャッタ1を完全に閉鎖させ
ることによって外皮材Fで内材Gを包み込んだ成形品H
を得る。その後、図25に示すように、引込み部材81で成
形品Hを吸着保持したまま、引込み部材81の先端を上向
きから下向きに反転させ、通気孔80から噴気することに
より成形品Hを引込み部材81から離してコンベヤ7上に
戴置し、成形品Hをベルト搬送する。
【0037】このように本実施形態によれば、シート状
の外皮材Fを略椀状に形成する際に上述した第一実施形
態と同様、押え突起60aで外皮材Fの周縁部を部分的に
保持するので、外皮材Fの縁部に簡単かつ確実に複数の
耳部fを形成することが可能となり、そして、これら複
数の耳部fをシャッタ1で封着することによって内材G
を包み込んでいるので、外皮材の周縁部のほぼ全ての生
地を中央に集めて封着していた従来装置のように封着部
分が極端に肉厚になることもなく、外皮材の皮周りが均
一な成形食品も容易に成形することができる。
【0038】また、本実施形態によれば、シャッタ1の
開口部に進入させた引込み手段8の引込み部材81で外皮
材Fの中央部分を吸着保持し、この引込み部材81を受け
部材3の開口部30から退出させるだけで、シート状外皮
材Fを略椀状に形成することができるので、ほとんど外
皮材Fにダメージを加えることなく椀状形成することが
でき、高品質な成形品を得ることができる。しかも、こ
の引込み手段8と外皮材F上の内材Gとを接触させるこ
となく外皮材Fを椀状形成できるので、内材の充填定量
性が損なわれたり、衛生面の問題を生じたりする恐れも
ない。
【0039】また、本実施形態によれば、引込み手段8
の引込み部材81で外皮材Fを吸着することによって保持
し、この引込み部材81からの噴気によって成形品Hをリ
リースしているので、成形品Hを確実かつ迅速にコンベ
ヤ7へ移戴することができ、より安定的な高速運転が可
能となる。
【0040】なお、本実施形態では、予め外皮材F上に
内材Gを配置しておき、その後、耳部fを形成しながら
外皮材を略椀状に形成しているが、勿論これに限定され
るものではなく、外皮材Fを略椀状に形成した後に、こ
の外皮材Fの内側に内材Gを配置するようにしても良
い。
【0041】また、上記実施形態では、外皮材Fの耳部
fを一段のシャッタ1の閉じ動作により封着している
が、上述した第一実施形態の変形例と同様、シャッタ1
の下方に、このシャッタ1と同様な構成の複数のシャッ
タ片20・20…から成るシャッタ2を設け、これら上下二
段のシャッタで外皮材Fの耳部fの封着を行なうように
しても良い。また、上下二段式に配設したシャッタ機構
の下側のシャッタ2のシャッタ片20上に外皮材Fを供給
し、このシャッタ片20上で外皮材Fの周縁部を部分的に
保持して耳部fを形成するようにしても良い。
【0042】更にまた、上記第一実施形態および第二実
施形態では、シャッタ1として、駆動軸を中心に往復揺
動する4枚のシャッタ片10を用いているが、外皮材の耳
部を封着することが可能であれば、シャッタ片の枚数、
形状は特に限定されることはない。例えば、図26に示す
ように6枚のシャッタ片15が互いに矢印方向へスライド
直線移動することにより開閉動作するシャッタ機構を用
いたり、図27及び図28に示すように、6枚のシャッタ片
16が作用ピン17の矢印方向への回転運動に応じて直線運
動しながら揺動することにより開閉動作するシャッタ機
構を用いたり、各シャッタ片が連続回転して開閉動作す
るシャッタ機構を用いたり、種々のシャッタ機構を採用
することができる。
【0043】更にまた、上記第一実施形態および第二実
施形態では、外皮材Fの周縁部を部分的に保持する保持
手段6として、下面に4つの押え突起60aを備えた押え
部材60を使用しているが、勿論これに限定されるもので
はなく、外皮材Fの性質、サイズ、厚み等を考慮して、
例えば押え突起60aのサイズ、位置、形状、数等を変更
することで、形成すべき耳部fのサイズ、位置、形状、
数等を適宜に変更することが可能である。
【0044】
【発明の効果】以上、説明したとおり、本発明によれ
ば、シート状の外皮材を略椀状に形成する際に、外皮材
の周縁部を部分的に保持するので、外皮材の縁部に簡単
かつ確実に複数の耳部を形成することが可能となり、そ
して、これら複数の耳部を封着することによって内材を
包み込んでいるので、外皮材の周縁部のほぼ全ての生地
を中央に集めて封着していた従来装置のように封着部分
が極端に肉厚になることもなく、外皮材の皮周りが均一
な成形食品も容易に成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態の食品成形装置の部分断面正面図
である。
【図2】同装置のシャッタ及び受け部材の平面図であ
る。
【図3】同装置のシャッタ及び受け部材の平面図であ
る。
【図4】同装置のシャッタ駆動手段の概略平面図であ
る。
【図5】同装置の保持手段の押え部材の蛙観図である。
【図6】同装置の押え部材で外皮材を部分保持した状態
を示す概略平面図である。
【図7】同装置による食品成形工程を説明する概略側面
図である。
【図8】同装置による食品成形工程を説明する概略側面
図である。
【図9】同装置による食品成形工程を説明する概略側面
図である。
【図10】同食品成形工程によって、外皮材の耳部が形
成され、略椀状に形成された状態の全体斜視図である。
【図11】同装置による食品成形工程を説明する概略側
面図である。
【図12】同装置による食品成形工程を説明する概略側
面図である。
【図13】同装置による食品成形工程を説明する概略側
面図である。
【図14】同食品成形工程によって、外皮材の耳部が中
央へ集められた状態の全体斜視図である。
【図15】同装置による食品成形工程を説明する概略側
面図である。
【図16】本発明に係る実施変形例を説明する概略側面
図である。
【図17】本発明に係る他の実施変形例を説明する概略
側面図である。
【図18】本発明に係る第二実施形態の食品成形装置の
部分断面正面図である。
【図19】同装置による食品成形工程の概略側面図であ
る。
【図20】同装置による食品成形工程の概略側面図であ
る。
【図21】同装置による食品成形工程の概略側面図であ
る。
【図22】同装置による食品成形工程の概略側面図であ
る。
【図23】同装置による食品成形工程の概略側面図であ
る。
【図24】同装置による食品成形工程の概略側面図であ
る。
【図25】同装置による食品成形工程の概略側面図であ
る。
【図26】本発明に係る実施変形例のシャッタを説明す
る概略平面図である。
【図27】本発明に係る他の実施変形例のシャッタを説
明する概略平面図である。
【図28】本発明に係る他の実施変形例のシャッタを説
明する概略平面図である。
【符号の説明】
F 外皮材 f 外皮材の耳部 G 内材 H 成形品 1 シャッタ 10 シャッタのシャッタ片 11 駆動軸 12 フランジ 13 リンク 14 モータ 15 変形例シャッタ片 16 変形例シャッタ片 17 作用ピン 2 下側シャッタ 20 下側シャッタのシャッタ片 3 受け部材 30 開口部 4 押込み手段 40 押込み部材 41 ステー 42 送りねじ機構 43 モータ 50 弁 51 ロッド 52 エアシリンダ 53 供給パイプ 54 ポンプ 55 ホッパ 6 保持手段 60 押え部材 60a 押え突起 61 支持ロッド 62 ステー 63 コイルばね 64 エアシリンダ 7 支持手段 70 支持部材 71 支持ロッド 72 ラック−ピニオン機構 73 ベルトコンベヤ 8 引込み手段 80 通気孔 81 引込み部材 82 ステー 83 昇降台 84 ピニオン−ラック機構 85 送りねじ機構 86 モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−124273(JP,A) 特開2000−50854(JP,A) 実公 平7−18299(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23P 1/00 - 1/12 A21C 11/16,11/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状の外皮材の周縁部を部分的に保
    持する工程と;周縁部を部分的に保持した状態で、外皮
    材の中央部を押すことにより保持部分の周辺を引き伸ば
    して耳部を形成しながら外皮材を略椀状に形成する工程
    と;外皮材に内材を配置した状態で、内材を包むように
    外皮材の耳部を封着する工程と;を含むことを特徴とし
    た食品成形方法。
  2. 【請求項2】 シート状の外皮材の周縁部を部分的に保
    持する工程と;周縁部を部分的に保持した状態で、外皮
    材の中央部を引くことにより保持部分の周辺を引き伸ば
    して耳部を形成しながら外皮材を略椀状に形成する工程
    と;外皮材に内材を配置した状態で、内材を包むように
    外皮材の耳部を封着する工程と;を含むことを特徴とし
    た食品成形方法。
  3. 【請求項3】 複数のシャッタ片から成るシャッタと;
    このシャッタ上に戴置されたシート状の外皮材の周縁部
    を部分的に保持する保持手段と;周縁部を部分的に保持
    した状態で、外皮材の中央部を前記シャッタの開口部に
    押し込むことによって、保持部分の周辺を引き伸ばして
    耳部を形成しながら外皮材を略椀状に形成する押込み手
    段と;外皮材に内材を配置した状態で、前記シャッタを
    閉じ動作させて内材を包むように外皮材の耳部を封着す
    るシャッタ駆動手段と;を備えたことを特徴とする食品
    成形装置。
  4. 【請求項4】 複数のシャッタ片から成るシャッタと;
    開口部を備え、シート状の外皮材がこの開口部を塞ぐよ
    うに戴置される受け部材と;この受け部材上に戴置され
    た外皮材の周縁部を部分的に保持する保持手段と;周縁
    部を部分的に保持した状態で、外皮材の中央部を前記受
    け部材の開口部に押し込むことによって、保持部分の周
    辺を引き伸ばして耳部を形成しながら外皮材を略椀状に
    形成する押込み手段と;外皮材に内材を配置した状態
    で、前記シャッタを閉じ動作させて内材を包むように外
    皮材の耳部を封着するシャッタ駆動手段と;を備えたこ
    とを特徴とする食品成形装置。
  5. 【請求項5】 前記押込み手段は、内材を供給する内材
    供給手段を備えていることを特徴とした請求項3または
    請求項4記載の食品成形装置。
  6. 【請求項6】 略椀状に形成された外皮材を支持する支
    持手段を備えたことを特徴とする請求項3〜5の何れか
    に記載の食品成形装置。
  7. 【請求項7】 前記押込み手段の代わりに、外皮材の中
    央部を前記シャッタの開口部に引き込むことによって保
    持部分の周辺を引き伸ばして耳部を形成しながら外皮材
    を略椀状に形成する引込み手段を備えたことを特徴とす
    る請求項3または請求項4記載の食品成形装置。
  8. 【請求項8】 前記シャッタを、少なくとも二段配設し
    たことを特徴とする請求項3〜請求項7の何れかに記載
    の食品成形装置。
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