JP3400347B2 - 表面形状認識用センサおよびその製造方法 - Google Patents

表面形状認識用センサおよびその製造方法

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JP3400347B2
JP3400347B2 JP13503698A JP13503698A JP3400347B2 JP 3400347 B2 JP3400347 B2 JP 3400347B2 JP 13503698 A JP13503698 A JP 13503698A JP 13503698 A JP13503698 A JP 13503698A JP 3400347 B2 JP3400347 B2 JP 3400347B2
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electrode
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ground electrode
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克之 町田
明彦 枚田
智志 重松
浩季 森村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、人間の指紋や動
物の鼻紋などの微細な凹凸を有する表面形状を認識する
表面形状認識用センサおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】情報化社会の進展により、現代社会にお
いては機密保持技術への関心が高まっている。例えば、
電子現金化などのシステム構築のためには、本人認証技
術が重要な鍵となってきる。また、盗難やカードの不正
使用の防御策のための認証技術についても、研究開発が
活発になっている(文献1:清水良真 他,個人認証付
機能付きICカードに関する一検討,信学技報,Techni
cal report of IEICE,OFS92-32,p25-30(1992))。それ
ら認証方式としては、指紋や声紋を利用するものなど、
種々の方式が提案されている。中でも指紋認証技術につ
いては、多くの技術開発がなされている。
【0003】以下、従来より開発されている種々の指紋
の認証方式について説明する。まず、従来の指紋認証方
式を大別すると、光学的に指紋の凹凸を読みとる方式、
指紋の圧力差を読みとる方式、人間の電気特性の利用し
て指紋の凹凸を検出する方式などに分けられる。はじめ
に、光学的に読みとる方式では、指紋の反射光学像をC
CDなどのイメージセンサに取り込み、あらかじめ用意
してある指紋のパターンと照合を行う方式である(文献
2:特開昭61−221883号公報)。
【0004】また、指紋の圧力差を読みとる方式では、
圧電薄膜を利用して指の指紋の圧力差を読みとるように
している(文献3:特開平5−61965号公報)。さ
らに、人間の電気特性を利用する方式では、感圧シート
を用いて皮膚の接触によって生じた電気特性の変化を電
気信号の分布に置き換えて指紋を検出するようにしてい
る。この方式では、抵抗変化量もしくは容量変化量によ
って、指紋のパターンを認識するようにしている(文献
4:特開平7−168930号公報)。
【0005】しかしながら、以上の従来技術には種々の
問題点があり、例えば光を用いた方式では、光源や光学
系および光学イメージの処理手段が必要になるなど、小
型化,汎用化が難しく、用途が限定されるという問題が
ある。また、感圧シート等を用いて指の凹凸を感知する
方式では、感圧シートなど材料が特殊であることや、そ
れらの加工性の難しさから実用化が困難であり、また信
頼性に乏しいという問題もある。そこで、このような問
題を解決すべく、LSI製造技術を用いた容量型の指紋
センサが新たに提案された(文献5:Marco Tartagni a
nd Roberto Guerrieri,A390 dpi Live Fingerprint Ima
ger Based on Feedback Capacitive Sensing Scheme,19
97 IEEE International Solid-State Circuits Confere
nce,p200-201(1997))。これは、LSIチップ上に2次
元に配列された小さなセンサ素子の帰還静電容量を検出
し、皮膚の凹凸パターンを検出する方式である。
【0006】この容量型センサは、図7(a)の断面図
に示すように構成されている。すなわち、まず、LSI
等の形成された半導体基板701の上に、下層絶縁膜7
02を介して配線703が形成され、この上に層間絶縁
膜704が形成されている。また、その層間絶縁膜70
4上には、たとえば平面形状が矩形のセンサ電極706
が形成されている。このセンサ電極706は、層間絶縁
膜704に形成されたスルーホール内のプラグ705を
介して配線703に接続されている。そして、層間絶縁
膜704上に、センサ電極706を覆うように、パシベ
ーション膜707が形成され、センサ素子が構成されて
いる。そして、それらセンサ素子は、図7(b)の平面
図に示すように、隣り合うセンサ素子のセンサ電極70
6が接触しないように、2次元的に複数配置されてい
る。
【0007】この容量型センサの動作について説明す
る。まず、指紋検出対象の指は、パシベーション膜70
7に接触する。このように、指が接触すると、センサ電
極706上では、パシベーション膜707に触れた皮膚
が電極として機能し、センサ電極706との間で容量が
形成される。この容量は、配線703を介して検出され
る。ここで、指先の指紋は、皮膚の凹凸により形成され
ているので、パシベーション膜707に指を接触させた
場合、電極としての皮膚と、センサ電極706との距離
は、指紋を形成している突部と凹部とで異なることにな
る。そして、この距離の違いは、容量の違いとして検出
されることになる。したがって、それら異なる容量の分
布を検出していけば、それは指紋の突部の形状となる。
すなわち、この容量型センサにより、皮膚の微細な凹凸
状態を関知することができる。
【0008】そして、このような容量型の指紋センサ
は、従来の光学式センサと比較して特殊なインターフェ
イスが不要であり、小型化が可能である。この容量型の
センサは、たとえば、次に示すような集積回路チップ上
に同時に搭載することができる。すなわち、照合のため
の指紋データが格納された記憶部と、記憶部に用意され
ている指紋データと、読み取られた指紋とを比較照合す
る認識処理部とが集積された集積回路チップに、上述の
容量型センサを同時に搭載することができる。このよう
に、1つの集積回路チップ上に構成することで、各ユニ
ット間のデータ転送における情報の改竄などが困難にな
り、機密保持性能を向上させることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、その容
量型センサを用いた指紋認識集積回路では、皮膚を電極
として利用しているため、接触時に生じた静電気によっ
て、同時に搭載されているLSIが静電破壊され易いと
いう問題があった。したがって、小型化,汎用性を備え
た中で、安定して高感度の検出が可能で信頼性の高い状
態で、人間の指紋や動物の鼻紋などの微細な凹凸をセン
シング可能とする表面形状認識用センサおよびその製造
方法の開発が従来より望まれていた。本発明は、このよ
うな課題を解決するためのものであり、センシングの際
に発生する静電気によって静電破壊されることなどがな
いなど、安定して高感度の検出が信頼性の高い状態でで
きるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、基板上の同
一平面にそれぞれが絶縁分離されて複数配置されたセン
サ電極と、このセンサ電極を覆うように形成された絶縁
体からなるパシベーション膜と、センサ電極に形成され
た容量を検出する容量検出手段とを備え、少なくとも一
部がパシベーション膜表面に接触した状態で認識対象の
表面がセンサ電極に対向配置されたときにセンサ電極に
形成された容量により認識対象の表面形状を認識する表
面形状認識用センサに、センサ電極とは絶縁分離されて
パシベーション膜表面で認識対象の表面に接触するよう
にその一部がパシベーション膜表面で露出して配置され
たアース電極を備え、容量検出手段はそのアース電極と
センサ電極それぞれとの間の容量を検出するように構成
した。したがって、アース電極に接触した認識対象の表
面とセンサ電極との間に形成された容量が容量検出手段
に検出される。また、基板上に下層絶縁膜を介して形成
され容量検出手段に接続する第1および第2の配線と、
第1および第2の配線を覆うように下層絶縁膜上に形成
された層間絶縁膜とを備え、この層間絶縁膜上にセンサ
電極およびアース電極が形成され、層間絶縁膜に形成さ
れた第1のスルーホールを介して第1の配線にセンサ電
極が接続され、層間絶縁膜に形成された第2のスルーホ
ールを介して第2の配線にアース電極が接続されるよう
にした。したがって、アース電極およびセンサ電極の下
部の基板と下層絶縁膜との間に、集積回路を備えること
ができ、たとえば、容量検出手段を、アース電極および
センサ電極の下部に配置することができる。また、セン
サ電極およびアース電極は導電性を有するバリア膜を介
して第1および第2の配線にそれぞれ接続され、バリア
膜はセンサ電極およびアース電極を構成する材料と第1
および第2の配線を構成する材料のそれぞれの拡散を抑
制する材料から構成されるようにした。したがって、た
とえば、第1および第2の配線にアルミニウムを用い、
センサ電極およびアース電極に銅を用いても、それらの
間の相互拡散が抑制される。また、センサ電極およびア
ース電極表面に、センサ電極およびアース電極を構成す
る材料より酸化されにくい導電性を有する材料からなる
保護膜を形成するようにした。したがって、それら電極
表面の酸化が抑制される。また、アース電極は少なくと
もパシベーション膜表面において露出部が格子状に形成
され、センサ電極はアース電極により形成されているマ
スの中央部に配置されるようにした。したがって、それ
ぞれのアース電極とセンサ電極との間隔がほぼ等しくな
る。また、パシベーション膜表面およびアース電極の露
出面が、ほぼ平坦に形成されているようにした。この結
果、パシベーション膜表面において、認識対象の表面と
アース電極の露出面とがより接触しやすい状態となる。
【0011】また、この発明は、基板上の同一平面にそ
れぞれが絶縁分離されて複数配置されたセンサ電極と、
このセンサ電極を覆うように形成された絶縁体からなる
パシベーション膜と、センサ電極に形成された容量を検
出する容量検出手段とを備え、少なくとも一部がパシベ
ーション膜表面に接触した状態で認識対象の表面がセン
サ電極に対向配置されたときにセンサ電極に形成された
容量により認識対象の表面形状を認識する表面形状認識
用センサの製造方法において、まず、基板上の同一平面
にそれぞれを絶縁分離して複数のセンサ電極を形成し、
次に、同一平面にセンサ電極とは絶縁分離してアース電
極を形成し、そして、アース電極の表面の一部が露出し
た状態でセンサ電極を覆うように絶縁体からなるパシベ
ーション膜を形成するようにした。したがって、アース
電極の一部はパシベーション膜表面で露出された状態に
形成され、認識対象の表面がパシベーション膜表面に接
触したときにアース電極に接触するようになる。そし
て、アース電極に接触した認識対象の表面とセンサ電極
との間に形成された容量が容量検出手段に検出される。
また、この発明は、基板上の同一平面にそれぞれが絶縁
分離されて複数配置されたセンサ電極と、このセンサ電
極を覆うように形成された絶縁体からなるパシベーショ
ン膜と、センサ電極に形成された容量を検出する容量検
出手段とを備え、少なくとも一部がパシベーション膜表
面に接触した状態で認識対象の表面がセンサ電極に対向
配置されたときにセンサ電極に形成された容量により認
識対象の表面形状を認識する表面形状認識用センサの製
造方法において、まず、第1に、基板上に下層絶縁膜を
介して第1および第2の配線を形成する。第2に、第1
および第2の配線を覆うように下層絶縁膜上に層間絶縁
膜を形成する。第3に、層間絶縁膜に第1および第2の
配線のそれぞれの一部表面が露出するように第1および
第2のスルーホールをそれぞれ形成する。第4に、第1
および第2のスルーホールの底部で露出している第1お
よび第2の配線の表面をそれぞれ覆うように、第1およ
び第2の配線を構成する材料の拡散および第1および第
2の配線への他の材料の含浸を抑制するバリア膜を形成
する。第5に、バリア膜を含む層間絶縁膜上に第1の金
属材料からなる第1の金属膜を形成する。第6に、第1
のスルーホール上の領域が開口した第1のレジストパタ
ーンを第1の金属膜上に形成する。第7に、メッキ法に
より第1のレジストパターンの開口部に露出した第1の
金属膜上に第1の金属材料からなる第2の金属膜を形成
する。第8に、第7の工程に引き続いて第2の金属膜上
に第1の金属材料より酸化されにくい第2の金属材料か
らなる第3の金属膜をメッキ法により形成する。第9
に、第1のレジストパターンを除去した後、第2および
第3の金属膜を覆いその周囲と第2のスルーホール上と
に開口を有する第2のレジストパターンを形成する。第
10に、メッキ法により第2のレジストパターンの開口
部に露出した第1の金属膜上に第1の金属材料からなる
第4の金属膜を形成する。第11に、第10の工程に引
き続いて第4の金属膜上に第2の金属材料からなる第5
の金属膜をメッキ法により形成する。第12に、第2の
レジストパターンを除去した後、第3および第5の金属
膜をマスクとして第1の金属膜を選択的にエッチング除
去し、第1の金属膜および第2の金属膜からなるセンサ
電極と、第1の金属膜および第4の金属膜からなるアー
ス電極を形成する。第13に、センサ電極の上部の一部
が露出した状態でアース電極を覆ってその表面が平坦と
なるように絶縁体からなるパシベーション膜を形成する
ようにした。したがって、より容易に、アース電極の一
部はパシベーション膜表面で露出された状態に形成さ
れ、認識対象の表面がパシベーション膜表面に接触した
ときにアース電極に接触するようになる。そして、アー
ス電極に接触した認識対象の表面とセンサ電極との間に
形成された容量が容量検出手段に検出される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図を
参照して説明する。 実施の形態1 はじめに、この発明の第1の実施の形態における表面形
状認識用センサに関して説明する。図1は、この実施の
形態1における表面形状認識用センサの構成を示す構成
図である。図1に示すように、この表面形状認識用セン
サは、まず、半導体基板101上の下層絶縁膜102上
に形成された層間絶縁膜104上に、たとえば80μm
角のセンサ電極105、および、アース電極106を備
えるようにした。また、下層絶縁膜102上には、セン
サ電極105にスルーホール(第1のスルーホール)1
04aを介して接続する配線(第1の配線)103を形
成するようにした。なお、図1(a)には示していない
が、下層絶縁膜102上には、アース電極106に接続
する配線(第2の配線)も形成している。そして、それ
らは、やはり図示していないが、層間絶縁膜104に形
成されたスルーホール(第2のスルーホール)を介して
接続している。
【0013】また、センサ電極105を覆うようにパシ
ベーション膜107を形成し、そのパシベーション膜1
07表面でアース電極106の上部が露出した状態とし
た。ここで、センサ電極105は、150μm間隔に複
数配置している。また、パシベーション膜107は、た
とえば、比誘電率が4.0程度の絶縁物から構成し、セ
ンサ電極105上の膜厚は5μm程度とした。また、半
導体基板101上には、センスユニット108を形成し
ている。このセンスユニット108は、前述した配線1
03などを介し、アース電極106およびセンサ電極1
05それぞれに接続している。そして、このセンスユニ
ット108は、アース電極106と各センサ電極105
との間に形成される容量を検出する。
【0014】また、各センスユニット108の出力は、
図示していない処理手段により処理され、この処理手段
により、各センサ電極105に形成された容量を濃淡に
変換した画像データが生成される。なお、このセンスユ
ニット108および処理手段は、たとえば、センサ電極
105下の半導体基板101上に配置するようにしても
よい。なお、それらセンスユニット108や処理手段
は、必ずしも半導体基板101上にモノリシックに集積
する必要はない。しかし、センサ電極105とセンスユ
ニット108や処理手段は、なるべく近くに配置した方
がよい。
【0015】以上のように構成した表面形状認識用セン
サでは、そのパシベーション膜107上に指の先端部が
接触すると、まず、アース電極106上部に指紋の突部
が接触する。人間の指紋の幅は約300μm程度なの
で、150μm間隔に配置されているアース電極106
には、必ず接触することになる。この結果、パシベーシ
ョン膜107上に置いて、指紋の突部が接触している指
先端部は、アース電極106と同電位となる。そして、
その指先端部の各部分と、センサ電極105との間に
は、それぞれ容量が形成され、その容量がセンスユニッ
ト108に検出される。
【0016】ここで、指の先端部が置かれたパシベーシ
ョン膜107上では、指紋突部はパシベーション膜10
7に接触し、指紋凹部はパシベーション膜107より離
れた状態となっている。したがって、指紋突部の表面と
その下のセンサ電極105の間隔d1と、指紋凹部の表
面とその下のセンサ電極105の間隔d2とは異なり、
d1<d2である。そして、指紋突部の表面とその下の
センサ電極105の間の容量C1と、指紋凹部の表面と
その下のセンサ電極105の間の容量C2とは異なる。
したがって、指紋突部下のセンサ電極105とアース電
極106との間の容量と、指紋凹部下のセンサ電極10
5とアース電極106との間の容量とは異なって検出さ
れることになる。
【0017】たとえば、上述の構成の場合、C1は44
fF程度になる。一方、指紋の深さは100μm程度な
ので、C2は0.5fF程度となる。そして、各センサ
電極105をマトリクス状に複数配置するようにすれ
ば、その配置状態に対応して指紋の凹凸による容量が検
出できる。この結果、各センサ電極105の箇所で検出
されたそれぞれの容量に対応し、処理手段によって濃淡
データを付ければ、指紋の形状が再現できることにな
る。たとえば、センサ電極を100μm間隔でマトリク
ス状に300×300(個)配置した場合、250ドッ
ト/インチ程度の分解能で300×300ドットの指紋
画像を得ることができる。
【0018】一方、図1には示していないが、半導体基
板101上の他の領域には、照合のための指紋データが
格納された記憶部や、記憶部に用意されている指紋デー
タと読み取られた指紋画像とを比較照合する認識処理部
などが集積された集積回路を備えている。なお、これら
すべてを、センサ電極105下の半導体基板101上に
配置するようにしてもよい。この構成とすることで、よ
りコンパクトな状態で、検出された指紋の形状と記憶部
に格納されている指紋データとを、集積回路に構成され
ている認識処理部で比較する指紋の照合が可能となる。
そして、この実施の形態1の表面形状認識用センサで
は、たとえば指紋の形状を認識する場合、指の一部がア
ース電極に触れることになる。したがって、その指が接
触したことにより表面形状認識用センサ表面に静電気が
発生することになる。しかし、その静電気はアース電極
に流れていくので、下部に形成されている他の集積回路
部分がその静電気で破壊されることが抑制される。
【0019】次に、上述したこの実施の形態1の表面形
状認識用センサの製造方法について、その一部を簡単に
説明する。まず、半導体基板101上に、前述したセン
スユニットなど他の集積回路を形成し、この後、図2
(a)に示すように、それら集積回路を覆うように、半
導体基板101上に下層絶縁膜102を形成し、その上
に配線103を形成する。次に、図2(b)に示すよう
に、配線103を覆うように、下層絶縁膜102上に層
間絶縁膜104を形成する。次に、図2(c)に示すよ
うに、層間絶縁膜104の配線103上の所定箇所にス
ルーホール104aを形成する。
【0020】次に、図2(d)に示すように、層間絶縁
膜104上に、スルーホール104aを介して配線10
3に接続するセンサ電極105を形成する。また、図2
(e)に示すように、センサ電極105とは離間して層
間絶縁膜104上にアース電極106を形成する。この
とき、アース電極106は、センサ電極105より厚く
形成する。そして、図2(f)に示すように、アース電
極106により形成される凹部を埋め込んでセンサ電極
105を覆うように、パシベーション膜107を形成す
る。このとき、アース電極106の上部は、パシベーシ
ョン膜107表面で露出した状態とする。以上のことに
より、図1に示した、この実施の形態1の表面形状認識
用センサの電極部が形成できる。
【0021】実施の形態2 次に、この発明の第2の実施の形態における表面形状認
識用センサに関して説明する。図3は、この実施の形態
2における表面形状認識用センサの構成を示す構成図で
ある。ここで、図3(a),(b)は断面を示し、図3
(c)は平面図である。そして、図3(c)のAA’断
面が図3(a)であり、図3(c)のBB’断面が図3
(b)である。この実施の形態2では、まず、半導体基
板301上の絶縁膜302上に形成された層間絶縁膜3
04上に、たとえば80μm角のセンサ電極306、お
よび、アース電極307を備えるようにした。
【0022】また、絶縁膜302上には、TiNからな
るバリア膜305を介してセンサ電極306に接続す
る、アルミニウムからなる配線303を備えるようにし
た。なお、図3(b)に示すように、絶縁膜302上に
は、アルミニウムからなる配線303aも形成され、バ
リア膜305を介してアース電極307に接続してい
る。ここで、アース電極307は、Cuからなる下部電
極307aとその上に形成されたやはりCuからなる電
極柱307bとから構成した。そして、アース電極30
7表面には、Auからなる保護膜307cを形成した。
また、センサ電極306の表面にも、Auからなる保護
膜306aを形成した。
【0023】また、センサ電極306を覆うように、た
とえば酸化シリコンからなるパシベーション膜308を
形成し、そのパシベーション膜308表面でアース電極
307の上部を露出させた。ここで、図3(c)に示す
ように、アース電極307は、150μm間隔の格子状
に形成した。また、その格子の間の中央部に、センサ電
極306を150μm間隔でマトリクス状に複数配置し
た。また、パシベーション膜308は、比誘電率が4.
0程度の絶縁物から構成し、アース電極307の格子の
間を埋め、センサ電極306上の膜厚が、たとえば、5
μm程度となるように形成した。
【0024】また、図示していないが、半導体基板30
1上には、センスユニットを形成下ある。このセンスユ
ニットは、前述した配線303などを介し、アース電極
307およびセンサ電極306それぞれに接続してい
る。そして、このセンスユニットは、アース電極307
と各センサ電極306との間に形成される容量を検出
し、それらに対応した信号を出力する。また、各センス
ユニットの出力は、図示していない処理手段により処理
され、この処理手段により、各センサ電極306に形成
された容量を濃淡に変換した画像データを生成する。な
お、このセンスユニットおよび処理手段は、たとえば、
センサ電極306下の半導体基板301上に配置するよ
うにしてもよい。
【0025】以上のように構成した表面形状認識用セン
サでは、そのパシベーション膜308上に指の先端部が
接触すると、まず、アース電極307上部に指紋の突部
が接触する。人間の指紋の幅は約300μm程度なの
で、150μm間隔に格子状に形成されているアース電
極307には、指紋の突部が必ず接触することになる。
この結果、パシベーション膜308上に置いて、指紋の
突部が接触している指先端部は、アース電極307と同
電位となる。そして、その指先端部の各部分と、センサ
電極306との間には、それぞれ容量が形成され、その
容量がセンスユニットに検出される。
【0026】ここで、指の先端部が置かれたパシベーシ
ョン膜308上では、指紋突部はパシベーション膜30
8に接触し、指紋凹部はパシベーション膜308より離
れた状態となっている。したがって、指紋突部の表面と
その下のセンサ電極306の間隔d1と、指紋凹部の表
面とその下のセンサ電極306の間隔d2とは異なり、
d1<d2である。そして、指紋突部の表面とその下の
センサ電極306の間の容量C1と、指紋凹部の表面と
その下のセンサ電極306の間の容量C2とは異なる。
したがって、指紋突部下のセンサ電極306とアース電
極307との間の容量と、指紋凹部下のセンサ電極30
6とアース電極307との間の容量とは異なって検出さ
れることになる。
【0027】たとえば、上述の構成の場合、C1は44
fF程度になる。一方、指紋の深さは100μm程度な
ので、C2は0.5fF程度となる。そして、各センサ
電極306はマトリクス状に複数配置されていて、その
配置状態に対応して指紋の凹凸による容量が検出され
る。この結果、各センサ電極306の箇所で検出された
それぞれの容量に対応し、処理手段によって濃淡データ
を付ければ、指紋の形状が再現できることになる。たと
えば、センサ電極を100μm間隔で300×300
(個)配置した場合、250ドット/インチ程度の分解
能で300×300ドットの指紋画像を得ることができ
る。
【0028】一方、図3には示していないが、半導体基
板301上の他の領域には、照合のための指紋データが
格納された記憶部や、記憶部に用意されている指紋デー
タと読み取られた指紋画像とを比較照合する認識処理部
などが集積された集積回路を備えている。なお、これら
すべてを、センサ電極306下の半導体基板301上に
配置するようにしてもよい。この構成とすることで、よ
りコンパクトな状態で、検出された指紋の形状と記憶部
に格納されている指紋データとを、集積回路に構成され
ている認識処理部で比較する指紋の照合が可能となる。
【0029】そして、この実施の形態2の表面形状認識
用センサでも、たとえば指紋の形状を認識する場合、指
の一部がアース電極に触れることになる。したがって、
その指が接触したことにより表面形状認識用センサ表面
に静電気が発生することになる。しかし、その静電気は
アース電極に流れていくので、下部に形成されている他
の集積回路部分がその静電気で破壊されることが抑制さ
れる。また、この実施の形態2によれば、アース電極の
露出面がAuで被覆された状態なので、アース電極の接
触面に酸化膜が形成されることが抑制されるようにな
る。また、この実施の形態2によれば、アース電極を格
子状に形成してそのマスの中央部にセンサ電極を配置す
るようにしたので、アース電極と各センサ電極との間隔
が等しくなる。
【0030】次に、上述したこの実施の形態2の表面形
状認識用センサの製造方法について、その一部を説明す
る。まず、半導体基板301上に、前述したセンスユニ
ットなど他の集積回路を形成し、この後、図4(a)に
示すように、それら集積回路を覆うように、半導体基板
301上に、シリコン酸化物からなる絶縁膜302を形
成し、その上にアルミニウムからなる配線303を形成
する。この配線303は、アルミニウム膜を形成した
後、公知のフォトリソグラフィ技術によりパターニング
することで形成すればよい。次に、配線303を覆うよ
うに、絶縁膜302上に層間絶縁膜304を形成する。
次に、層間絶縁膜304の配線303上の所定箇所にス
ルーホール304aを形成する。
【0031】そして、少なくともスルーホール304a
底部に露出した配線303表面を覆うように、TiNか
らなるバリア膜305を形成する。このバリア膜305
の形成は、次のようにすればよい。まず、スルーホール
304aが形成された層間絶縁膜304上に、スパッタ
法などによりTiN膜を形成する。次いで、フォトリソ
グラフィ技術により、スルーホール形成部を隠すように
レジストパターンを形成する。そして、このレジストパ
ターンをマスクとし、RIEなどのドライエッチングで
TiN膜を選択的に除去し、レジストパターンを除去す
れば、バリア膜305が形成される。なお、バリア膜3
05は、TiNから構成するものに限らない。バリア膜
305に、相互拡散を抑制できる他の導電性材料を用い
るようにしてもよい。
【0032】次に、図4(b)に示すように、バリア膜
305を含む層間絶縁膜304上に、Cuからなる金属
薄膜401を膜厚0.1μm程度に形成する。これは、
たとえばスパッタ法により行えばよい。次いで、図4
(c)に示すように、この金属薄膜401上に、スルー
ホール304a上部にあたる所定の領域に開口部402
aを有するレジストパターン402を形成する。そし
て、金属薄膜401を陰極とした電解メッキ法により、
その開口部402a底部に露出している金属薄膜401
表面に、膜厚0.3μmにCu膜および膜厚0.2μm
にAu膜を形成することで、保護膜306aを形成す
る。なお、この保護膜306aの形成は、電解メッキ法
に限るものではない。
【0033】次に、レジストパターン402を除去した
後、今度は、図4(d)に示すように、保護膜306b
を囲う溝403aを備えたレジストパターン403を形
成する。なお、この溝403aは、図3(b)に示した
配線303aに接続するバリア膜305部分の上も開口
した状態とする。次に、図4(e)に示すように、金属
薄膜401を陰極とした電解メッキ法により、その溝4
03a底部に露出している金属薄膜401表面に、膜厚
5μm程度にCuを成長させ、電極柱307bを形成す
る。引き続き、図4(f)に示すように、電極柱307
bの上部表面に、同様に電解メッキでAuを膜厚0.1
μm程度に成膜し、保護膜307cを形成する。なお、
たとえば、電極柱307bの形成は、電解メッキ法に限
るものではなく、無電解メッキ法を用いるようにしても
よい。
【0034】次に、レジストパターン403を除去した
後、図5(g)に示すように、保護膜306aおよび保
護膜307cをマスクとして金属薄膜401を選択的に
エッチング除去する。このエッチングは、燐酸,硝酸,
および,酢酸からなる混酸の水溶液をエッチング液とし
たウエット処理により行えばよい。以上の結果、層間絶
縁膜304上に格子状にアース電極307が形成され、
このアース電極307の升目の中心部に、センサ電極3
06が形成されることになる。次に、図5(h)に示す
ように、アース電極307のマスの中を埋め込むよう
に、パシベーション膜308を形成する。このパシベー
ション膜308の形成は、次に示すようにすればよい。
まず、センサ電極306およびアース電極307が形成
された層間絶縁膜304上に、回転塗布などによりSO
G材料を塗布してSOG膜を形成する。
【0035】ここで、SOG膜を厚く形成するため、S
OG材料の塗布は3回行う。この塗布により、SOG膜
の表面は、アース電極307やセンサ電極306による
層間絶縁膜304上の凹凸を吸収して平坦に形成され
る。これら塗布によるSOG膜を形成した後、300℃
程度に加熱して塗布膜を酸化シリコンからなる膜に変成
させる。そして、SOG膜を、アース電極307の表面
が露出するまでエッチバックすれば、アース電極307
のマスの中を埋め込むように、その表面が平坦なパシベ
ーション膜308を形成することができる。以上のこと
により、図3に示した、この実施の形態2の表面形状認
識用センサの電極部が形成できる。
【0036】なお、パシベーション膜308は、上述し
たように形成する必要はなく、絶縁物から構成し、図5
(h)に示すように、その表面が平坦に形成できればよ
い。したがって、たとえば、CVD法などにより、アー
ス電極307まで覆うように酸化シリコン膜を堆積形成
し、これを化学的機械的研磨法によりアース電極307
上面が露出するまで切削研磨することで、表面が平坦化
されたパシベーション膜308を形成するようにしても
よい。
【0037】ところで、上述では、アース電極を格子状
に形成したが、これに限るものではなく、たとえば、図
6の平面図に示すように、パシベーション膜601に埋
め込まれているセンサ電極602周囲の片側に、パシベ
ーション膜601表面では分離した状態で、複数のアー
ス電極603を形成するようにしてもよい。ただし、ア
ース電極603は、下層の配線層でそれぞれが接続され
てすべてが同電位とされているものとする。また、表面
が露出した状態のアース電極は、各センサ電極のそばに
必ず一対設ける必要はなく、センサ電極複数個に1つの
アース電極が設けられている状態でもよい。ただし、こ
の実施の形態2のように、格子状にアース電極を形成
し、そのマスの中央部にセンサ電極を備えるようにする
ことで、マトリクス状に配置された各センサ電極とアー
ス電極との間隔をそれぞれ等しくすることができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、この発明では、基
板上の同一平面にそれぞれが絶縁分離されて複数配置さ
れたセンサ電極と、このセンサ電極を覆うように形成さ
れた絶縁体からなるパシベーション膜と、センサ電極に
形成された容量を検出する容量検出手段とを備え、少な
くとも一部がパシベーション膜表面に接触した状態で認
識対象の表面がセンサ電極に対向配置されたときにセン
サ電極に形成された容量により認識対象の表面形状を認
識する表面形状認識用センサに、センサ電極とは絶縁分
離されてパシベーション膜表面で認識対象の表面に接触
するようにその一部がパシベーション膜表面で露出して
配置されたアース電極を備え、容量検出手段はそのアー
ス電極とセンサ電極それぞれとの間の容量を検出するよ
うに構成した。したがって、アース電極に接触した認識
対象の表面とセンサ電極との間に形成された容量が容量
検出手段に検出される。そして、センシングの際に発生
する静電気がアース電極に流れるようになる。この結
果、この発明によれば、他に集積回路などが形成されて
いても、それが静電破壊されることが抑制されるように
なり、安定して高感度の検出が信頼性の高い状態ででき
るようになる。また、基板上に下層絶縁膜を介して形成
され容量検出手段に接続する第1および第2の配線と、
第1および第2の配線を覆うように下層絶縁膜上に形成
された層間絶縁膜とを備え、この層間絶縁膜上にセンサ
電極およびアース電極が形成され、層間絶縁膜に形成さ
れた第1のスルーホールを介して第1の配線にセンサ電
極が接続され、層間絶縁膜に形成された第2のスルーホ
ールを介して第2の配線にアース電極が接続されるよう
にした。したがって、アース電極およびセンサ電極の下
部の基板と下層絶縁膜との間に、集積回路を備えること
ができ、たとえば、容量検出手段を、アース電極および
センサ電極の下部に配置することができる。また、セン
サ電極およびアース電極は導電性を有するバリア膜を介
して第1および第2の配線にそれぞれ接続され、バリア
膜はセンサ電極およびアース電極を構成する材料と第1
および第2の配線を構成する材料のそれぞれの拡散を抑
制する材料から構成されるようにした。したがって、た
とえば、第1および第2の配線にアルミニウムを用い、
センサ電極およびアース電極に銅を用いても、それらの
間の相互拡散を抑制できる。また、センサ電極およびア
ース電極表面に、センサ電極およびアース電極を構成す
る材料より酸化されにくい導電性を有する材料からなる
保護膜を形成するようにした。したがって、それら電極
表面の酸化を抑制できる。また、アース電極は少なくと
もパシベーション膜表面において露出部が格子状に形成
され、センサ電極はアース電極により形成されているマ
スの中央部に配置されるようにした。したがって、それ
ぞれのアース電極とセンサ電極との間隔がほぼ等しくな
る。また、パシベーション膜表面およびアース電極の露
出面が、ほぼ平坦に形成されているようにした。この結
果、パシベーション膜表面において、認識対象の表面と
アース電極の露出面とがより接触しやすい状態となる。
【0039】また、この発明では、基板上の同一平面に
それぞれが絶縁分離されて複数配置されたセンサ電極
と、このセンサ電極を覆うように形成された絶縁体から
なるパシベーション膜と、センサ電極に形成された容量
を検出する容量検出手段とを備え、少なくとも一部がパ
シベーション膜表面に接触した状態で認識対象の表面が
センサ電極に対向配置されたときにセンサ電極に形成さ
れた容量により認識対象の表面形状を認識する表面形状
認識用センサの製造方法において、まず、基板上の同一
平面にそれぞれを絶縁分離して複数のセンサ電極を形成
し、次に、同一平面にセンサ電極とは絶縁分離してアー
ス電極を形成し、そして、アース電極の表面の一部が露
出した状態でセンサ電極を覆うように絶縁体からなるパ
シベーション膜を形成するようにした。したがって、ア
ース電極の一部はパシベーション膜表面で露出された状
態に形成され、認識対象の表面がパシベーション膜表面
に接触したときにアース電極に接触するようになる。そ
して、アース電極に接触した認識対象の表面とセンサ電
極との間に形成された容量が容量検出手段に検出され
る。そして、センシングの際に発生する静電気がアース
電極に流れるようになる。すなわち、この発明によれ
ば、他に集積回路などが形成されていても、それが静電
破壊されることが抑制されるようになり、安定して高感
度の検出が信頼性の高い状態でできる表面形状認識用セ
ンサを製造できるようになる。また、この発明は、基板
上の同一平面にそれぞれが絶縁分離されて複数配置され
たセンサ電極と、このセンサ電極を覆うように形成され
た絶縁体からなるパシベーション膜と、センサ電極に形
成された容量を検出する容量検出手段とを備え、少なく
とも一部がパシベーション膜表面に接触した状態で認識
対象の表面がセンサ電極に対向配置されたときにセンサ
電極に形成された容量により認識対象の表面形状を認識
する表面形状認識用センサの製造方法において、まず、
第1に、基板上に下層絶縁膜を介して第1および第2の
配線を形成する。第2に、第1および第2の配線を覆う
ように下層絶縁膜上に層間絶縁膜を形成する。第3に、
層間絶縁膜に第1および第2の配線のそれぞれの一部表
面が露出するように第1および第2のスルーホールをそ
れぞれ形成する。第4に、第1および第2のスルーホー
ルの底部で露出している第1および第2の配線の表面を
それぞれ覆うように、第1および第2の配線を構成する
材料の拡散および第1および第2の配線への他の材料の
含浸を抑制するバリア膜を形成する。第5に、バリア膜
を含む層間絶縁膜上に第1の金属材料からなる第1の金
属膜を形成する。第6に、第1のスルーホール上の領域
が開口した第1のレジストパターンを第1の金属膜上に
形成する。第7に、メッキ法により第1のレジストパタ
ーンの開口部に露出した第1の金属膜上に第1の金属材
料からなる第2の金属膜を形成する。第8に、第7の工
程に引き続いて第2の金属膜上に第1の金属材料より酸
化されにくい第2の金属材料からなる第3の金属膜をメ
ッキ法により形成する。第9に、第1のレジストパター
ンを除去した後、第2および第3の金属膜を覆いその周
囲と第2のスルーホール上とに開口を有する第2のレジ
ストパターンを形成する。第10に、メッキ法により第
2のレジストパターンの開口部に露出した第1の金属膜
上に第1の金属材料からなる第4の金属膜を形成する。
第11に、第10の工程に引き続いて第4の金属膜上に
第2の金属材料からなる第5の金属膜をメッキ法により
形成する。第12に、第2のレジストパターンを除去し
た後、第3および第5の金属膜をマスクとして第1の金
属膜を選択的にエッチング除去し、第1の金属膜および
第2の金属膜からなるセンサ電極と、第1の金属膜およ
び第4の金属膜からなるアース電極を形成する。第13
に、センサ電極の上部の一部が露出した状態でアース電
極を覆ってその表面が平坦となるように絶縁体からなる
パシベーション膜を形成するようにした。したがって、
より容易に、アース電極の一部はパシベーション膜表面
で露出された状態に形成され、認識対象の表面がパシベ
ーション膜表面に接触したときにアース電極に接触する
ようになる。そして、アース電極に接触した認識対象の
表面とセンサ電極との間に形成された容量が容量検出手
段に検出される。すなわち、この発明によれば、他に集
積回路などが形成されていても、それが静電破壊される
ことが抑制されるようになり、安定して高感度の検出が
信頼性の高い状態でできる表面形状認識用センサを、よ
り容易に製造できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施の形態における表面形
状認識用センサの構成を示す構成図である。
【図2】 実施の形態1の表面形状認識用センサの製造
方法を説明するための説明図である。
【図3】 この発明の第2の実施の形態における表面形
状認識用センサの構成を示す構成図である。
【図4】 実施の形態2の表面形状認識用センサの製造
方法を説明するための説明図である。
【図5】 図4に続く、実施の形態2の表面形状認識用
センサの製造方法を説明するための説明図である。
【図6】 この発明の他の形態を示す平面図である。
【図7】 従来よりある容量型センサの構成を示す構成
図である。
【符号の説明】
101…半導体基板、102…絶縁膜(下層絶縁膜)、
103…配線(第1の配線)、104…層間絶縁膜、1
04a…スルーホール(第1のスルーホール)、105
…センサ電極、106…アース電極、107…パシベー
ション膜、108…センスユニット。
フロントページの続き (72)発明者 森村 浩季 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−231803(JP,A) 特開 平9−212302(JP,A) 特開 平9−251530(JP,A) 特開 平11−19070(JP,A) 特表 平11−508806(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 7/28 A61B 5/117 G06K 9/20

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上の同一平面にそれぞれが絶縁分離
    されて複数配置されたセンサ電極と、このセンサ電極を
    覆うように形成された絶縁体からなるパシベーション膜
    と、前記センサ電極に形成された容量を検出する容量検
    出手段とを備え、少なくとも一部が前記パシベーション
    膜表面に接触した状態で認識対象の表面が前記センサ電
    極に対向配置されたときに前記センサ電極に形成された
    容量により前記認識対象の表面形状を認識する表面形状
    認識用センサにおいて、 前記センサ電極とは絶縁分離されて前記認識対象の表面
    に接触するようにその一部が前記パシベーション膜表面
    で露出して前記基板上に形成されたアース電極を備え、 前記容量検出手段は、そのアース電極と前記センサ電極
    それぞれとの間の容量を検出するように構成されたこと
    を特徴とする表面形状認識用センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の表面形状認識用センサに
    おいて、 前記基板上に下層絶縁膜を介して形成され前記容量検出
    手段に接続する第1および第2の配線と、 前記第1および第2の配線を覆うように前記下層絶縁膜
    上に形成された層間絶縁膜とを備え、 この層間絶縁膜上に前記センサ電極およびアース電極が
    形成され、 前記層間絶縁膜に形成された第1のスルーホールを介し
    て前記第1の配線に前記センサ電極が接続され、 前記層間絶縁膜に形成された第2のスルーホールを介し
    て前記第2の配線に前記アース電極が接続されたことを
    特徴とする表面形状認識用センサ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の表面形状認識用センサに
    おいて、 前記センサ電極およびアース電極は導電性を有するバリ
    ア膜を介して前記第1および第2の配線にそれぞれ接続
    され、 前記バリア膜は、前記センサ電極および前記アース電極
    を構成する材料と前記第1および第2の配線を構成する
    材料のそれぞれの拡散を抑制する材料から構成されたこ
    とを特徴とする表面形状認識用センサ。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の表面形状認識用センサに
    おいて、 前記センサ電極および前記アース電極表面に形成され、
    前記センサ電極および前記アース電極を構成する材料よ
    り酸化されにくい導電性を有する材料からなる保護膜を
    新たに備えたことを特徴とする表面形状認識用センサ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれか1項記載の表面形
    状認識用センサにおいて、 前記アース電極は、少なくとも前記パシベーション膜表
    面において露出部が格子状に形成され、 前記センサ電極は、前記アース電極により形成されてい
    るマスの中央部に配置されたことを特徴とする表面形状
    認識用センサ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれか1項記載の表面形
    状認識用センサにおいて、 前記パシベーション膜表面および前記アース電極の露出
    面が、ほぼ平坦に形成されていることを特徴とする表面
    形状認識用センサ。
  7. 【請求項7】 基板上の同一平面にそれぞれが絶縁分離
    されて複数配置されたセンサ電極と、このセンサ電極を
    覆うように形成された絶縁体からなるパシベーション膜
    と、前記センサ電極に形成された容量を検出する容量検
    出手段とを備え、少なくとも一部が前記パシベーション
    膜表面に接触した状態で認識対象の表面が前記センサ電
    極に対向配置されたときに前記センサ電極に形成された
    容量により前記認識対象の表面形状を認識する表面形状
    認識用センサの製造方法において、 前記基板上の同一平面にそれぞれを絶縁分離して前記セ
    ンサ電極を複数形成する第1の工程と、 前記同一平面に前記センサ電極とは絶縁分離してアース
    電極を形成する第2の工程と、 前記アース電極の表面の一部が露出した状態で前記セン
    サ電極を覆うように絶縁体からなるパシベーション膜を
    形成する第3の工程と、 を少なくとも備えたことを特徴とする表面形状認識用セ
    ンサの製造方法。
  8. 【請求項8】 基板上の同一平面にそれぞれが絶縁分離
    されて複数配置されたセンサ電極と、このセンサ電極を
    覆うように形成された絶縁体からなるパシベーション膜
    と、前記センサ電極に形成された容量を検出する容量検
    出手段とを備え、少なくとも一部が前記パシベーション
    膜表面に接触した状態で認識対象の表面が前記センサ電
    極に対向配置されたときに前記センサ電極に形成された
    容量により前記認識対象の表面形状を認識する表面形状
    認識用センサの製造方法において、 前記基板上に下層絶縁膜を介して第1および第2の配線
    を形成する第1の工程と、 前記第1および第2の配線を覆うように前記下層絶縁膜
    上に層間絶縁膜を形成する第2の工程と、 前記層間絶縁膜に前記第1および第2の配線のそれぞれ
    の一部表面が露出するように第1および第2のスルーホ
    ールをそれぞれ形成する第3の工程と、 前記第1および第2のスルーホールの底部で露出してい
    る前記第1および第2の配線の表面それぞれを覆うよう
    に、前記第1および第2の配線を構成する材料の拡散お
    よび前記第1および第2の配線への他の材料の含浸を抑
    制するバリア膜を形成する第4の工程と、 前記バリア膜を含む前記層間絶縁膜上に第1の金属材料
    からなる第1の金属膜を形成する第5の工程と、 前記第1のスルーホール上の領域が開口した第1のレジ
    ストパターンを前記第1の金属膜上に形成する第6の工
    程と、 メッキ法により前記第1のレジストパターンの開口部に
    露出した前記第1の金属膜上に前記第1の金属材料から
    なる第2の金属膜を形成する第7の工程と、 前記第7の工程に引き続いて前記第2の金属膜上に前記
    第1の金属材料より酸化されにくい第2の金属材料から
    なる第3の金属膜をメッキ法により形成する第8の工程
    と、 前記第1のレジストパターンを除去した後、前記第2お
    よび第3の金属膜を覆いその周囲と前記第2のスルーホ
    ール上とに開口を有する第2のレジストパターンを形成
    する第9の工程と、 メッキ法により前記第2のレジストパターンの開口部に
    露出した前記第1の金属膜上に前記第1の金属材料から
    なる第4の金属膜を形成する第10の工程と、 前記第10の工程に引き続いて前記第4の金属膜上に前
    記第2の金属材料からなる第5の金属膜をメッキ法によ
    り形成する第11の工程と、 前記第2のレジストパターンを除去した後、前記第3お
    よび第5の金属膜をマスクとして前記第1の金属膜を選
    択的にエッチング除去し、前記第1の金属膜および前記
    第2の金属膜からなるセンサ電極と、前記第1の金属膜
    および前記第4の金属膜からなるアース電極を形成する
    第12の工程と、 前記センサ電極の上部の一部が露出した状態で前記アー
    ス電極を覆ってその表面が平坦となるように絶縁体から
    なるパシベーション膜を形成する第13の工程とを少な
    くとも備えたことを特徴とする表面形状認識用センサの
    製造方法。
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